JP5527254B2 - 触媒層用キャリアフィルム、触媒層転写フィルムおよび膜触媒層接合体の製造方法 - Google Patents

触媒層用キャリアフィルム、触媒層転写フィルムおよび膜触媒層接合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用の触媒層を形成するために用いられ、かつ該触媒層を転写するまで支持するために用いられるキャリアフィルム、触媒層を転写するための触媒層転写フィルム、および高分子電解質膜の両面に触媒層が接合された膜触媒層接合体を製造する方法に関する。
固体高分子形燃料電池は、たとえば、2つのセパレータの間に膜電極接合体を挟んでセルを形成し、複数のセルをスタックしたものである。膜電極接合体は、触媒層およびガス拡散層を有するアノードおよびカソードと、アノードとカソードとの間に配置された高分子電解質膜とを備えたものである。
膜電極接合体は、たとえば、キャリアフィルムの表面に形成された触媒層を、高分子電解質膜の両面にホットプレスによって転写して膜触媒層接合体を製造し、ガス拡散層を膜触媒層接合体の両面に接合することによって製造される。
触媒層の形成および転写に用いられるキャリアフィルムとしては、下記のものが提案されている(特許文献1)。
ガラス転移温度が50℃以上かつ融点が200℃以上の樹脂からなるフィルムAと、ガラス転移温度が50℃未満かつ融点が200℃以上のオレフィン系樹脂からなるフィルムBとの積層フィルムであり、触媒層はフィルムB側に形成される。
オレフィン系樹脂のうち、ポリエチレンの融点は130℃前後であり、ポリプロピレンの融点は170℃前後であることから、フィルムBのオレフィン系樹脂は、事実上、ポリ−4−メチルペンテン−1(融点:約230℃)に限られる。
ところで、触媒層を高分子電解質膜の両面に転写する際には、触媒層および高分子電解質膜の変形を抑えるため、できるだけ低温および低圧の条件にてホットプレスを行うことが求められている。しかし、フィルムBのオレフィン系樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1を用いた場合、たとえば120〜130℃の低温および0.5〜3.0MPaの低圧のホットプレスにおいても、触媒層が押しつぶされてしまう。触媒層が押しつぶされると、触媒層のガス拡散性が低下し、触媒層に反応ガス(燃料ガスおよび酸化剤ガス)が充分に供給されなくなるため、最終的に得られる固体高分子形燃料電池の発電性能が低下してしまう。
特開2009−087604号公報
本発明は、高い発電性能を有する固体高分子形燃料電池を製造できる触媒層用キャリアフィルム、触媒層転写フィルムおよび膜触媒層接合体の製造方法を提供する。
本発明の触媒層用キャリアフィルムは、一方の表面に触媒層を形成するために用いられ、かつ該触媒層を転写するまで支持するために用いられるキャリアフィルムであって、DSC法による融点が200℃以上である樹脂を含む樹脂材料(A)からなる第1の層と、ビカット軟化温度が119〜128℃であり、DSC法による融点が127℃以上であり、かつDSC法による融点からビカット軟化温度を引いた温度差が6℃以上であるオレフィン系樹脂を含む樹脂材料(B)からなる第2の層とを有することを特徴とする。
前記オレフィン系樹脂の密度は、0.940〜0.970g/cmであることが好ましい。
本発明の触媒層転写フィルムは、触媒層を転写するための触媒層転写フィルムであって、本発明の触媒層用キャリアフィルムと、該触媒層用キャリアフィルムの第2の層の表面に形成された触媒層とを有することを特徴とする。
本発明の膜触媒層接合体の製造方法は、高分子電解質膜の両面に触媒層が接合された膜触媒層接合体を製造する方法であって、下記の工程(a)および工程(b)を有することを特徴とする。
(a)本発明の触媒層転写フィルムの触媒層が高分子電解質膜に接するように、2枚の前記触媒層転写フィルムによって前記高分子電解質膜を挟んだ状態にて、前記触媒層転写フィルムと前記高分子電解質膜とを、温度120〜130℃、圧力0.5〜3.0MPaの条件にてホットプレスする工程。
(b)前記触媒層から前記触媒層用キャリアフィルムを剥離する工程。
本発明の触媒層用キャリアフィルム、触媒層転写フィルムおよび膜触媒層接合体の製造方法によれば、高い発電性能を有する固体高分子形燃料電池を製造できる。
本発明の触媒層用キャリアフィルムの一例を示す断面図である。 本発明の触媒層転写フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の膜触媒層接合体の製造方法の一工程を示す断面図である。 膜電極接合体の一例を示す断面図である。
本明細書においては、式(U1)で表される繰り返し単位を単位(U1)と記す。他の式で表される繰り返し単位も同様に記す。
また、本明細書においては、式(M1)で表される化合物を化合物(M1)と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
本発明における繰り返し単位とは、モノマーが重合することによって形成された該モノマーに由来する単位を意味する。繰り返し単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
本発明におけるモノマーとは、重合反応性の炭素−炭素二重結合を有する化合物を意味する。
本発明におけるイオン交換基とは、H、一価の金属カチオン、アンモニウムイオン等を有する基を意味する。イオン交換基としては、スルホン酸基、スルホンイミド基、スルホンメチド基等が挙げられる。
本発明における前駆体基とは、加水分解処理、酸型化処理等の公知の処理によりイオン交換基に変換できる基を意味する。前駆体基としては、−SOF基等が挙げられる。
<触媒層用キャリアフィルム>
触媒層用キャリアフィルムは、一方の表面に触媒層を形成するために用いられ、かつ該触媒層を高分子電解質膜等に転写するまで支持するために用いられるキャリアフィルムである。
図1は、本発明の触媒層用キャリアフィルムの一例を示す断面図である。触媒層用キャリアフィルム10は、樹脂材料(A)からなる第1の層12と、樹脂材料(B)からなる第2の層14と、第1の層12と第2の層14とを貼り合わせる接着剤層(図示略)とを有する。
(第1の層)
第1の層12は、触媒層用キャリアフィルム10のベースとなる層である。
第1の層12は、DSC法による融点が200℃以上である樹脂(α)を含む樹脂材料(A)からなる。樹脂材料(A)は、樹脂(α)のみであってもよく、必要に応じて添加剤等を含んでいてもよい。
樹脂(α)のDSC法による融点は、200℃以上であり、235℃以上が好ましく、250℃以上がより好ましい。融点が200℃以上であれば、触媒層用キャリアフィルム10の耐熱性が充分となる。
DSC法による融点は、ISO 11357−3にしたがいDSC法によって測定される融点である。
樹脂(α)としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す。)、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド等が挙げられ、耐熱性、加工性、コストの点から、PETが好ましい。
第1の層12の厚さは、触媒層用キャリアフィルム10の耐熱性、機械的強度、フィルムにする際の成形性、コストの点から、17〜125μmが好ましく、38〜75μmがより好ましい。
(第2の層)
第2の層14は、触媒層用キャリアフィルム10の最表層となり、触媒層が形成される面を有する。
第2の層14は、ビカット軟化温度が119〜128℃であり、DSC法による融点が127℃以上であり、かつDSC法による融点からビカット軟化温度を引いた温度差が6℃以上であるオレフィン系樹脂(β)を含む樹脂材料(B)からなる。樹脂材料(B)は、オレフィン系樹脂(β)のみであってもよく、必要に応じて添加剤等を含んでいてもよい。
オレフィン系樹脂(β)のビカット軟化温度は、119〜128℃であり、122〜128℃が好ましく、125〜128℃がより好ましい。ビカット軟化温度が119℃以上であれば、触媒層を高分子電解質膜に転写する際のホットプレスの温度において触媒層との密着性が高くなりすぎず、触媒層の高分子電解質膜への転写性が良好となる。ビカット軟化温度が128℃以下であれば、触媒層を高分子電解質膜に転写する際のホットプレスの温度において第2の層14が充分に柔軟になり、触媒層用キャリアフィルム10が触媒層を押しつぶしてしまうことがない。
ビカット軟化温度は、JIS K7206にしたがって測定される。
オレフィン系樹脂(β)のDSC法による融点は、127℃以上であり、134℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましい。融点が127℃以上であれば、触媒層を高分子電解質膜に転写する際のホットプレスの温度において触媒層との密着性が高くなりすぎず、触媒層の高分子電解質膜への転写性が良好となる。
オレフィン系樹脂(β)のDSC法による融点からビカット軟化温度を引いた温度差は、6℃以上であり、8℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましい。温度差が6℃以上である、すなわちDSC法による融点が充分に高ければ、触媒層を高分子電解質膜に転写する際のホットプレスの温度において触媒層との密着性が高くなりすぎず、触媒層の高分子電解質膜への転写性が良好となる。
オレフィン系樹脂(β)の密度は、触媒層を高分子電解質膜に転写する際のホットプレスの温度において触媒層との密着性が高くなりすぎず、触媒層の高分子電解質膜への転写性が良好となる点から、0.940〜0.970g/cmが好ましく、 0.951〜 0.964 g/cmがより好ましい。
密度は、JIS K6922−1,2にしたがって測定される。
オレフィン系樹脂(β)としては、高密度ポリエチレン等が挙げられ、触媒層の転写時の柔軟性、触媒層の転写性、加工性、コストの点から、高密度ポリエチレンが好ましい。
第2の層14の厚さは、フィルムにする際の成形性、コストの点から、10〜50μmが好ましく、15〜30μmがより好ましい。
(触媒層用キャリアフィルム)
触媒層用キャリアフィルム10は、樹脂材料(A)を成形してなるフィルム(A’)と、樹脂材料(B)を成形してなるフィルム(B’)とを、接着剤によって貼り合わせることによって製造できる。
フィルム(A’)、フィルム(B’)は、無延伸フィルムであってもよく、延伸フィルムであってもよい。
触媒層用キャリアフィルム10の厚さは、取扱性、コストの点から、37〜125μmが好ましく、50〜100μmがより好ましい。
(作用効果)
以上説明した触媒層用キャリアフィルム10にあっては、ビカット軟化温度が119〜128℃であるオレフィン系樹脂(β)を含む樹脂材料(B)からなる第2の層14を最表層に有するため、第2の層14の表面に形成された触媒層を高分子電解質膜に転写する際のホットプレスの温度が低温(120〜130℃)であっても第2の層14が充分に柔軟になり、ホットプレスの圧力によって触媒層が変形する前に第2の層14が触媒層の形状に合わせて変形する。そのため、触媒層用キャリアフィルム10が触媒層を押しつぶしてしまうことがなく、その結果、触媒層のガス拡散性が低下することなく、触媒層に反応ガス(燃料ガスおよび酸化剤ガス)が充分に供給されるため、最終的に得られる固体高分子形燃料電池の発電性能が高くなる。
また、以上説明した触媒層用キャリアフィルム10にあっては、ビカット軟化温度が119〜128℃であり、かつDSC法による融点が127℃以上であるオレフィン系樹脂(β)を含む樹脂材料(B)からなる第2の層14を最表層に有するため、触媒層を高分子電解質膜に転写する際のホットプレスの温度において触媒層との密着性が高くなりすぎず、触媒層の高分子電解質膜への転写性が良好となる。その結果、最終的に得られる固体高分子形燃料電池の発電性能が高くなる。
(他の形態)
なお、本発明の触媒層用キャリアフィルムは、第1の層と第2の層とを有し、第2の層が最表層であればよく、図示例の触媒層用キャリアフィルム10に限定されない。たとえば、第1の層と第2の層14との間、第1の層の第2層の反対側の表面等に他の樹脂材料からなる層を有していてもよい。
<触媒層転写フィルム>
本発明の触媒層転写フィルムは、表面に形成された触媒層を高分子電解質膜等に転写するための触媒層転写フィルムである。
図2は、本発明の触媒層転写フィルムの一例を示す断面図である。触媒層転写フィルム20は、触媒層用キャリアフィルム10と、触媒層用キャリアフィルム10の第2の層14の表面に形成された触媒層22とを有する。
(触媒層)
触媒層22は、触媒およびイオン交換樹脂を含む層である。
触媒としては、固体高分子形燃料電池における酸化還元反応を促進するものであればよく、白金を含む触媒が好ましく、白金または白金合金がカーボン担体に担持された担持触媒が特に好ましい。
カーボン担体としては、活性炭、カーボンブラック等が挙げられ、化学的耐久性が高い点から、熱処理等によりグラファイト化したものが好ましい。
カーボン担体の比表面積は、200m/g以上が好ましい。カーボン担体の比表面積は、BET比表面積装置により、カーボン表面への窒素吸着により測定する。
白金合金としては、白金を除く白金族の金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム)、金、銀、クロム、鉄、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、およびスズからなる群から選ばれる1種以上の金属と、白金との合金が好ましい。該白金合金には、白金と合金化される金属と、白金との金属間化合物が含まれていてもよい。
白金または白金合金の担持量は、担持触媒(100質量%)のうち、10〜70質量%が好ましい。
イオン交換樹脂としては、耐久性の点から、含フッ素イオン交換樹脂が好ましく、イオン性基を有するペルフルオロカーボンポリマー(エーテル性酸素原子を含んでいてもよい。)がより好ましい。該ペルフルオロカーボンポリマーとしては、下記のポリマー(H)またはポリマー(Q)が好ましい。
ポリマー(H):
ポリマー(H)は、テトラフルオロエチレン(以下、TFEと記す。)に基づく単位と、単位(U1)とを有するコポリマーである。
Figure 0005527254
ただし、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数であり、pは0または1である。
ポリマー(H)は、TFEおよび化合物(M1)の混合物を重合して前駆体ポリマーを得た後、前駆体ポリマー中の−SOF基をスルホン酸基に変換することにより得られる。−SOF基のスルホン酸基への変換は、加水分解および酸型化処理により行われる。
CF=CF(OCFCFX)−O−(CF−SOF ・・・(M1)。
ただし、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数であり、pは0または1である。
化合物(M1)としては、化合物(M1−1)〜(M1−3)が好ましい。
CF=CFO(CFn1SOF ・・・(M1−1)、
CF=CFOCFCF(CF)O(CFn2SOF ・・・(M1−2)、
CF=CF(OCFCF(CF))m3O(CFn3SOF ・・・(M1−3)。
ただし、n1、n2、n3は1〜8の整数であり、m3は1〜3の整数である。
ポリマー(Q):
ポリマー(Q)は、単位(U2)と単位(U3)とを有するコポリマーである。
Figure 0005527254
ただし、Qは、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Qは、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Rf1は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキル基であり、Xは、酸素原子、窒素原子または炭素原子であり、aは、Xが酸素原子の場合0であり、Xが窒素原子の場合1であり、Xが炭素原子の場合2であり、Yは、フッ素原子または1価のペルフルオロ有機基であり、sは、0または1であり、Qは、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Rf2は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキル基であり、Xは、酸素原子、窒素原子または炭素原子であり、bは、Xが酸素原子の場合0であり、Xが窒素原子の場合1であり、Xが炭素原子の場合2であり、Yは、フッ素原子または1価のペルフルオロ有機基であり、tは、0または1である。
単結合は、CYまたはCYの炭素原子と、SOのイオウ原子とが直接結合していることを意味する。
有機基は、炭素原子を1以上含む基を意味する。
単位(U2):
、Qのペルフルオロアルキレン基がエーテル性の酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、ペルフルオロアルキレン基の炭素原子−炭素原子結合間に挿入されていてもよく、炭素原子結合末端に挿入されていてもよい。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。炭素数が6以下であれば、原料の含フッ素モノマーの沸点が低くなり、蒸留精製が容易となる。
は、エーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であることが好ましい。Qがエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であれば、Qが単結合である場合に比べ、長期にわたって固体高分子形燃料電池を運転した際に、発電性能の安定性に優れる。
、Qの少なくとも一方は、エーテル性の酸素原子を有する炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であることが好ましい。エーテル性の酸素原子を有する炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基を有する含フッ素モノマーは、フッ素ガスによるフッ素化反応を経ずに合成できるため、収率が良好で、製造が容易である。
f1のペルフルオロアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ペルフルオロアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基等が好ましい。
単位(U2)が2つ以上のRf1を有する場合、Rf1は、それぞれ同じ基であってもよく、それぞれ異なる基であってもよい。
−(SO(SOf1基は、イオン性基である。
−(SO(SOf1基としては、スルホン酸基(−SO 基)、スルホンイミド基(−SON(SOf1基)、またはスルホンメチド基(−SOC(SOf1基)が挙げられる。
としては、フッ素原子、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖のペルフルオロアルキル基であることが好ましい。
単位(U2)としては、単位(U2−1)が好ましく、ポリマー(Q)の製造が容易であり、工業的実施が容易である点から、単位(U2−11)、単位(U2−12)または単位(U2−13)がより好ましい。
Figure 0005527254
ただし、RF11は、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖状のペルフルオロアルキレン基であり、RF12は、炭素数1〜6の直鎖状のペルフルオロアルキレン基である。
単位(U3):
のペルフルオロアルキレン基がエーテル性の酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、ペルフルオロアルキレン基の炭素原子−炭素原子結合間に挿入されていてもよく、炭素原子結合末端に挿入されていてもよい。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。
f2のペルフルオロアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ペルフルオロアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基等が好ましい。
−(SO(SOf2基は、イオン性基である。
−(SO(SOf2基としては、スルホン酸基(−SO 基)、スルホンイミド基(−SON(SOf2基)、またはスルホンメチド基(−SOC(SOf2基)が挙げられる。
としては、フッ素原子またはトリフルオロメチル基が好ましい。
単位(U3)としては、単位(U3−1)が好ましく、ポリマー(Q)の製造が容易であり、工業的実施が容易である点から、単位(U3−11)、単位(U3−12)、単位(U3−13)または単位(U3−14)がより好ましい。
Figure 0005527254
ただし、Yは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、mは、0〜3の整数であり、nは、1〜12の整数であり、pは、0または1であり、かつ、m+p>0である。
他の単位:
ポリマー(Q)は、さらに、後述する他のモノマーに基づく繰り返し単位(以下、他の単位と記す。)を有していてもよい。他の単位の割合は、ポリマー(Q)の、イオン交換容量が後述の好ましい範囲となるように、適宜調整すればよい。
他の単位としては、機械的強度および化学的な耐久性の点から、ペルフルオロモノマーに基づく繰り返し単位が好ましく、TFEに基づく繰り返し単位がより好ましい。
TFEに基づく繰り返し単位の割合は、機械的強度および化学的な耐久性の点から、ポリマー(Q)を構成する全繰り返し単位(100モル%)のうち、20モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましい。
TFEに基づく繰り返し単位の割合は、電気抵抗の点から、ポリマー(Q)を構成する全繰り返し単位(100モル%)のうち、92モル%以下が好ましく、87モル%以下がより好ましい。
ポリマー(Q)は、単位(U2)、単位(U3)、他の単位を、それぞれ1種ずつ有していてもよく、それぞれ2種以上有していてもよい。
ポリマー(Q)は、化学的な耐久性の点から、ペルフルオロポリマーであることが好ましい。
含フッ素イオン交換樹脂のイオン交換容量は、導電性およびガス透過性の点から、0.5〜2.0ミリ当量/g乾燥樹脂が好ましく、0.8〜1.5ミリ当量/g乾燥樹脂が特に好ましい。
触媒層に含まれる白金量は、電極反応を効率よく行うための最適な厚みの点から、0.01〜0.5mg/cmが好ましく、原料のコストと性能とのバランスの点から、0.05〜0.35mg/cmがより好ましい。
触媒層の厚さは、触媒層中のガス拡散を容易にし、固体高分子形燃料電池の発電性能を向上させる点から、20μm以下が好ましく、1〜15μmがより好ましい。また、触媒層の厚さは、均一であることが好ましい。触媒層の厚さを薄くすると、単位面積あたりに存在する触媒量が少なくなって反応活性が低くなるおそれがあるが、該場合は触媒として白金または白金合金が高担持率で担持された担持触媒を用いれば、薄くても触媒量が不足することなく電極の反応活性を高く維持できる。
触媒層の厚さは、触媒層の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)等によって観察することにより測定する。
(触媒層の形成方法)
触媒層22は、触媒層用キャリアフィルム10の第2の層14の表面に、触媒およびイオン交換樹脂を含む触媒層形成用塗工液を塗工し、乾燥することによって形成される。
塗工方法としては、公知の方法を用いればよい。
乾燥温度は、40〜130℃が好ましい。
触媒層形成用塗工液としては、触媒および含フッ素イオン交換樹脂を分散媒に分散したものが挙げられる。
分散媒としては、アルコール類と水とを含む分散媒が好ましい。
触媒層形成用塗工液における含フッ素イオン交換樹脂(F)と触媒中のカーボン(C)との質量比(F/C)は、固体高分子形燃料電池の発電性能の点から、0.4〜1.6が好ましく、0.6〜1.2が特に好ましい。
(作用効果)
以上説明した触媒層転写フィルム20にあっては、触媒層用キャリアフィルム10の第2の層14の表面に触媒層22を形成しているため、触媒層22を高分子電解質膜に転写する際のホットプレスの温度が低温(120〜130℃)であっても第2の層14が充分に柔軟になり、ホットプレスの圧力によって触媒層22が変形する前に第2の層14が触媒層の形状に合わせて変形する。そのため、触媒層用キャリアフィルム10が触媒層22を押しつぶしてしまうことがなく、その結果、触媒層22のガス拡散性が低下することなく、触媒層22に反応ガス(燃料ガスおよび酸化剤ガス)が充分に供給されるため、最終的に得られる固体高分子形燃料電池の発電性能が高くなる。
また、以上説明した触媒層転写フィルム20にあっては、触媒層22を高分子電解質膜に転写する際のホットプレスの温度において第2の層14と触媒層22との密着性が高くなりすぎず、触媒層22の高分子電解質膜への転写性が良好となる。その結果、最終的に得られる固体高分子形燃料電池の発電性能が高くなる。
<膜触媒層接合体の製造方法>
本発明の膜触媒層接合体の製造方法は、高分子電解質膜の両面に触媒層が接合された膜触媒層接合体を製造する方法であって、下記の工程(a)および工程(b)を有する。
(a)図3に示すように、触媒層転写フィルム20の触媒層22が高分子電解質膜30に接するように、2枚の触媒層転写フィルム20によって高分子電解質膜30を挟んだ状態にて、触媒層転写フィルム20と高分子電解質膜30とを、温度120〜130℃の一対のプレス板40で挟み、プレス圧力0.5〜3.0MPaにてホットプレスする工程。
(b)触媒層22から触媒層用キャリアフィルム10を剥離する工程。
プレス板40の温度は、120〜130℃であり、122〜128℃が好ましい。プレス板40の温度が120℃以上であれば、第2の層14が充分に柔軟になり、触媒層用キャリアフィルム10が触媒層22を押しつぶしてしまうことがない。プレス板40の温度が130℃以下であれば、第2の層14と触媒層22との密着性が高くなりすぎず、触媒層22の高分子電解質膜30への転写性が良好となる。
プレス圧力は、0.5〜3.0MPaであり、0.6〜3.0MPaが好ましく、1.5〜3.0MPaがより好ましい。プレス圧力が0.5MPa以上であれば、触媒層22の高分子電解質膜30への転写性が良好となる。プレス圧力が3.0MPa以下であれば、触媒層用キャリアフィルム10が触媒層22を押しつぶしてしまうことがない。
(作用効果)
以上説明した本発明の膜触媒層接合体の製造方法にあっては、触媒層転写フィルム20の触媒層22が高分子電解質膜30に接するように、触媒層転写フィルム20の2枚によって高分子電解質膜30を挟んだ状態にて、触媒層転写フィルム20と高分子電解質膜30とを、温度120〜130℃、圧力0.5〜3.0MPaの条件にてホットプレスしているため、第2の層14が充分に柔軟になり、ホットプレスの圧力によって触媒層22が変形する前に第2の層14が触媒層の形状に合わせて変形する。そのため、触媒層用キャリアフィルム10が触媒層22を押しつぶしてしまうことがなく、その結果、触媒層22のガス拡散性が低下することなく、触媒層22に反応ガス(燃料ガスおよび酸化剤ガス)が充分に供給されるため、最終的に得られる固体高分子形燃料電池の発電性能が高くなる。
また、以上説明した本発明の膜触媒層接合体の製造方法にあっては、第2の層14と触媒層22との密着性が高くなりすぎず、触媒層22の高分子電解質膜30への転写性が良好となる。その結果、最終的に得られる固体高分子形燃料電池の発電性能が高くなる。
<膜電極接合体>
図4は、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体(以下、膜電極接合体と記す。)の一例を示す断面図である。
膜電極接合体50は、触媒層22およびガス拡散層56を有するアノード52と;触媒層22およびガス拡散層56を有するカソード54と;アノード52の触媒層22とカソード54の触媒層22との間に配置される高分子電解質膜30とを備えたものである。
(触媒層)
アノード52の触媒層22およびカソード54の触媒層22は、成分、組成、厚さ等が同じ層であってもよく、異なる層であってもよい。
(ガス拡散層)
ガス拡散層56は、ガス拡散性基材からなる層である。アノード52のガス拡散層56およびカソード54のガス拡散層56は、成分、組成、厚さ等が同じ層であってもよく、異なる層であってもよい。
ガス拡散性基材としては、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等が挙げられる。
ガス拡散層の厚さは、100〜400μmが好ましく、120〜300μmがより好ましい。
ガス拡散層の厚さは、デジマチックインジケータ(ミツトヨ社製、543−250、フラット測定端子:φ5mm)を用いて4箇所の厚さを測定し、これらを平均して算出する。
(高分子電解質膜)
高分子電解質膜30は、イオン交換樹脂の膜である。
イオン交換樹脂としては、耐久性の点から、含フッ素イオン交換樹脂が好ましく、イオン性基を有するペルフルオロカーボンポリマー(エーテル性酸素原子を含んでいてもよい。)がより好ましく、上述のポリマー(H)またはポリマー(Q)が特に好ましい。
含フッ素イオン交換樹脂のイオン交換容量は、0.5〜2.0ミリ当量/g乾燥樹脂が好ましく、0.8〜1.5ミリ当量/g乾燥樹脂が特に好ましい。
高分子電解質膜30の厚さは、10〜30μmが好ましく、15〜25μmがより好ましい。高分子電解質膜30の厚さが30μm以下であれば、低加湿条件での固体高分子形燃料電池の発電性能の低下が抑えられる。また、高分子電解質膜30の厚さを10μm以上とすることにより、ガスリークや電気的な短絡を抑えることができる。
高分子電解質膜30の厚さは、高分子電解質膜30の断面をSEM等によって観察することにより測定する。
(目止め層)
膜電極接合体は、ガス拡散層の触媒層側の表面に、カーボン粒子と結着剤とを含む目止め層(図示略)を有していてもよい。
ガス拡散層の表面に、カーボン粒子を主体とする目止め層を設けることにより、水がガス拡散層の細孔を塞ぎにくくなり、ガス拡散性の低下が抑えられる。
目止め層に含まれるカーボン粒子としては、カーボンブラック等が挙げられる。
目止め層に含まれる結着剤としては、撥水性の含フッ素ポリマーが好ましく、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が特に好ましい。
目止め層は、アノード52およびカソード54の両方に設けてもよく、アノード52およびカソード54の一方に設けてもよい。
(中間層)
膜電極接合体は、触媒層とガス拡散層(目止め層)との間に、カーボンファイバーと含フッ素イオン交換樹脂とを含む中間層を有していてもよい。
中間層を配置することにより、ガス拡散性、排水性が向上し、固体高分子形燃料電池の発電特性が大きく向上する。また、ガス拡散層のカーボンファイバーが高分子電解質膜を貫通しにくくなる。
中間層に含まれるカーボンファイバーの平均繊維径は、30〜200nmが好ましい。
中間層に含まれる含フッ素イオン交換樹脂としては、イオン交換基を有するペルフルオロポリマーが好ましく、上述のポリマー(H)またはポリマー(Q)が特に好ましい。
(膜電極接合体の製造方法)
膜電極接合体50は、2枚のガス拡散性基材で高分子電解質膜30を挟み、これらを接合することによって製造できる。
接合方法としては、ホットプレス法が好ましい。
プレス板の温度は、120〜130℃が好ましい。
プレス圧力は、0.5〜3.0MPaが好ましい。
<固体高分子形燃料電池>
膜電極接合体は、固体高分子形燃料電池に用いられる。固体高分子形燃料電池は、たとえば、2つのセパレータの間に膜電極接合体を挟んでセルを形成し、複数のセルをスタックすることにより製造される。
セパレータとしては、燃料ガスまたは酸素を含む酸化剤ガス(空気、酸素等)の通路となる溝が形成された導電性カーボン板等が挙げられる。
固体高分子形燃料電池の種類としては、水素/酸素型燃料電池、直接メタノール型燃料電池(DMFC)等が挙げられる。DMFCの燃料に用いるメタノールまたはメタノール水溶液は、液フィードであってもよく、ガスフィードであってもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されない。
例5〜8は実施例であり、例1〜4は比較例である。
(ポリマー(H1)分散液)
TFEに基づく単位と単位(U1−21)とを有するポリマー(H1)(イオン交換容量:1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)をエタノールに分散させ、固形分濃度:10質量%のポリマー(H1)分散液を調製した。
Figure 0005527254
(触媒層形成用塗工液)
カーボン担体に白金が触媒全質量の50%含まれるように担持された触媒(田中貴金属工業社製)の10gを、蒸留水の58gに添加し、よく撹拌した。さらにエタノールの74gを添加し、よく撹拌した。これにポリマー(H1)分散液をF/Cが0.8(質量比)となるように添加し、さらに遊星ボールミルを用いて混合、粉砕し、これを触媒層形成用塗工液とした。
〔例1〕
直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、ノバテック、密度:0.921g/cm、ビカット軟化温度:92℃、DSC法による融点:121℃)を成形し、厚さ25μmのオレフィン系フィルム(B’)を得た。
該オレフィン系フィルム(B’)とPETフィルム(A’)(帝人デュポンフィルム社製、メリネックス、厚さ:50μm、DSC法による融点:258℃)とを、接着剤(旭硝子社製、AG−9014)を介して貼り合わせ、PETフィルム(A’)からなる第1の層とオレフィン系フィルム(B’)からなる第2の層とを有する触媒層用キャリアフィルムを得た。
触媒層用キャリアフィルムの第2の層の表面に触媒層形成用塗工液を、白金量で0.2mg/cmとなるようにダイコーターで塗工し、80℃で乾燥して、アノード側の触媒層を形成し、アノード側の触媒層転写フィルムを得た。
別の触媒層用キャリアフィルムの第2の層の表面に触媒層形成用塗工液を、白金量で0.4mg/cmとなるようにダイコーターで塗工し、80℃で乾燥して、カソード側の触媒層を形成し、カソード側の触媒層転写フィルムを得た。
高分子電解質膜として、スルホン酸基を有するペルフルオロカーボン重合体からなる厚さ20μmのイオン交換膜(旭硝子社製、商品名:フレミオン、イオン交換容量:1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)を用意した。
アノード側の触媒層転写フィルムの触媒層およびカソード側の触媒層転写フィルムの触媒層がそれぞれ高分子電解質膜に接するように、2枚の触媒層転写フィルムによって高分子電解質膜を挟んだ状態にて、触媒層転写フィルムと高分子電解質膜とを、温度130℃の一対のプレス板で挟み、プレス圧力3.0MPaにて5分間ホットプレスした。
50℃まで冷却した後、触媒層から触媒層用キャリアフィルムを剥離し、膜触媒層接合体を得た。
目止め層なしガス拡散性基材(NOK製、H2315 T10X6)を用意した。
2枚のガス拡散性基材によって膜触媒層接合体を挟み、温度:120℃、圧力:1.0MPaにて5分間ホットプレスし、膜電極接合体を得た。
(転写性)
膜触媒層接合体を目視で観察し、下記の基準で評価した。
×:触媒層用キャリアフィルムに50%以上触媒層が残っている。
△:触媒層用キャリアフィルムに1〜2%触媒層が残っている。
○:触媒層用キャリアフィルムに触媒層が残っていない。
(発電性能)
得られた膜電極接合体を、発電用セルに組み込み、常圧にて、水素(利用率70%)/空気(利用率50%)を供給し、セル温度:80℃において電流密度:1.0A/cmにおける運転初期のセル電圧を測定した。なお、アノード側には露点80℃の水素を供給し、カソード側は露点80℃の空気をそれぞれセル内に供給した(セル内の相対湿度:100%RH)。結果を表1に示す。
〔例2〕
オレフィン系樹脂として、ポリ−4−メチルペンテン−1(三井化学社製、TPX、密度:0.833g/cm、ビカット軟化温度:174℃、DSC法による融点:233℃)を用いた以外は、例1と同様にして、触媒層用キャリアフィルム、触媒層転写フィルム、膜触媒層接合体、および膜電極接合体を得て、転写性、発電性能を評価した。結果を表1に示す。
〔例3〕
オレフィン系樹脂として、高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、ノバテックHB420R、密度:0.956g/cm、ビカット軟化温度:128℃、DSC法による融点:133℃)を用いた以外は、例1と同様にして、触媒層用キャリアフィルム、触媒層転写フィルム、膜触媒層接合体、および膜電極接合体を得て、転写性、発電性能を評価した。結果を表1に示す。
〔例4〕
オレフィン系樹脂として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー社製、エボリュSP4005、密度:0.940g/cm、ビカット軟化温度:117℃、DSC法による融点:127℃)を用いた以外は、例1と同様にして、触媒層用キャリアフィルム、触媒層転写フィルム、膜触媒層接合体、および膜電極接合体を得て、転写性、発電性能を評価した。結果を表1に示す。
〔例5〕
オレフィン系樹脂として、高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、ノバテックHD HB120R、密度:0.938g/cm、ビカット軟化温度:119℃、DSC法による融点:126℃)を用いた以外は、例1と同様にして、触媒層用キャリアフィルム、触媒層転写フィルム、膜触媒層接合体、および膜電極接合体を得て、転写性、発電性能を評価した。結果を表1に示す。
〔例6〕
オレフィン系樹脂として、高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、ノバテックHD HJ560、密度:0.964g/cm、ビカット軟化温度:128℃、DSC法による融点:135℃)を用いた以外は、例1と同様にして、触媒層用キャリアフィルム、触媒層転写フィルム、膜触媒層接合体、および膜電極接合体を得て、転写性、発電性能を評価した。結果を表1に示す。
〔例7〕
オレフィン系樹脂として、高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、ノバテックHD HF111K、密度:0.945g/cm、ビカット軟化温度:122℃、DSC法による融点:130℃)を用いた以外は、例1と同様にして、触媒層用キャリアフィルム、触媒層転写フィルム、膜触媒層接合体、および膜電極接合体を得て、転写性、発電性能を評価した。結果を表1に示す。
〔例8〕
オレフィン系樹脂として、高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、HJ580N、密度:0.960g/cm、ビカット軟化温度:126℃、DSC法による融点:134℃)を用いた以外は、例1と同様にして、触媒層用キャリアフィルム、触媒層転写フィルム、膜触媒層接合体、および膜電極接合体を得て、転写性、発電性能を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005527254
本発明の触媒層用キャリアフィルム、触媒層転写フィルムおよび膜触媒層接合体の製造方法は、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造に有用である。
10 触媒層用キャリアフィルム
12 第1の層
14 第2の層
20 触媒層転写フィルム
22 触媒層
30 高分子電解質膜
40 プレス板
50 膜電極接合体
52 アノード
54 カソード
56 ガス拡散層

Claims (4)

  1. 一方の表面に触媒層を形成するために用いられ、かつ該触媒層を転写するまで支持するために用いられるキャリアフィルムであって、
    DSC法による融点が200℃以上である樹脂を含む樹脂材料(A)からなる第1の層と、
    ビカット軟化温度が119〜128℃であり、DSC法による融点が127℃以上であり、かつDSC法による融点からビカット軟化温度を引いた温度差が6℃以上であるオレフィン系樹脂を含む樹脂材料(B)からなる第2の層と
    を有する、触媒層用キャリアフィルム。
  2. 前記オレフィン系樹脂の密度が、0.940〜0.970g/cmである、請求項1に記載の触媒層用キャリアフィルム。
  3. 触媒層を転写するための触媒層転写フィルムであって、
    請求項1または2に記載の触媒層用キャリアフィルムと、
    該触媒層用キャリアフィルムの第2の層の表面に形成された触媒層と
    を有する、触媒層転写フィルム。
  4. 高分子電解質膜の両面に触媒層が接合された膜触媒層接合体を製造する方法であって、
    下記の工程(a)および工程(b)を有する、膜触媒層接合体の製造方法。
    (a)請求項3に記載の触媒層転写フィルムの触媒層が高分子電解質膜に接するように、2枚の前記触媒層転写フィルムによって前記高分子電解質膜を挟んだ状態にて、前記触媒層転写フィルムと前記高分子電解質膜とを、温度120〜130℃、圧力0.5〜3.0MPaの条件にてホットプレスする工程。
    (b)前記触媒層から前記触媒層用キャリアフィルムを剥離する工程。
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