JP2011204425A - 燃料電池用セパレータ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性、耐食性、機械的強度、薄型化等の各種要求特性を満たし、容易かつ安価に製造でき、樹脂凹版から容易に導電性樹脂を剥離・転写させることができる燃料電池用セパレータの製造方法を提供する。
【解決手段】凹状溝を備える凸型母型から樹脂凹版を型取りする工程と、樹脂凹版表面に離型剤を塗布する工程と、型取りされた樹脂凹版に導電性フィラーを含有した導電性樹脂インクを充填する工程と、導電性樹脂インクを基板24上に転写し、導電性樹脂インクを硬化して導電性樹脂皮膜23A、23Bを形成する工程と、導電性樹脂皮膜23A、23Bから樹脂凹版を剥離する工程とを順に備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池用のセパレータおよびその製造方法に関するものであり、特に、基板を有する燃料電池用のセパレータおよびその製造方法に関するものである。
燃料電池は、水素などの燃料と空気などの酸化剤を電気化学的に反応させることにより、燃料の化学エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出す発電方式である。燃料電池は、発電効率が高く、静粛性に優れ、大気汚染の原因となるNOx、SOx、また地球温暖化の原因となるCO2の排出量が少ない等の利点から、新エネルギーとして期待されている。その適用例は、携帯電気機器の長時間電力供給、コジェネレーション用定置型発電温水供給機、燃料電池自動車など、用途も規模も多様である。
燃料電池の種類は、使用する電解質によって、固体高分子型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、アルカリ型等に分類され、それぞれ運転温度が大きく異なり、それに伴い発電規模や利用分野も異なる。そのうち、陽イオン交換膜を電解質として用いる固体高分子型燃料電池は、比較的低温での動作が可能であり、また、電解質膜の薄膜化により内部抵抗を低減できるため高出力化、コンパクト化が可能である。
燃料電池は、電解質膜の一方の面にアノード(燃料極)、他方の面にカソード(酸化剤極)を設けた膜電極接合体(以下MEAと称す場合がある)の両側に、セパレータを配した単電池セルを単数設けた構造、あるいは、単電池セルを複数積層した構造を有している。
図5は、電解質膜の両面に電極触媒層を形成した膜電極接合体の一実施態様の断面説明図である。電解質膜1の両面に常法により触媒層2、3を接合、積層して膜電極接合体12が形成される。
図4は、この膜電極接合体12を装着した固体高分子型燃料電池の単セル(単電池セル)の一実施態様の構成を示す分解断面図である。図4および図5に示したように、従来の固体高分子型燃料電池(PEFC)の単セルは、固体高分子電解質膜1(パーフルオロカーボンスルホン酸膜)をそれぞれカーボンブラック粒子に触媒物質[主として白金(Pt)あるいは白金族金属(Ru、Rh、Pd、Os、Ir)]を担持した空気極側触媒層2と燃料極側触媒層3とで挟持し、この空気極側触媒層2と燃料極側触媒層3とをそれぞれ空気極側ガス拡散層4と燃料極側ガス拡散層5で挟持して、空気極6および燃料極7を構成した膜電極接合体12を備えている。そして、膜電極接合体12を一組のセパレータ10により挟持して単セルが構成される。すなわち、一組のセパレータ10は、空気極側ガス拡散層4と燃料極側ガス拡散層5に面して反応ガス流通用の凹状溝(ガス流路)8を備え、相対する主面に冷却水流通用の冷却水流路9を備えた導電性でかつガス不透過性の材料よりなる。この単セルについて、空気などの酸化剤を空気極6に供給し、水素を含む燃料ガスもしくは有機物燃料を燃料極7に供給して発電するようになっている。
すなわち、燃料極7、空気極6のそれぞれに反応ガスが供給されると、各電極触媒層2、3中の触媒粒子表面において、下記の式(1)、(2)の電気化学反応が生じ直流電力を発生する。
燃料極側:2H→4H+4e ……(1)
空気極側:O+4H+4e→2HO ……(2)
燃料極側では水素分子(H)の酸化反応が起こり、空気極側では酸素分子(O)の還元反応が起こることで、燃料極7側で生成されたHイオンは固体高分子電解質膜1中を空気極6側に向かって移動し、e(電子)は外部の負荷を通って空気極6側に移動する。一方、空気極6側では酸化剤ガスに含まれる酸素と、燃料極7側から移動してきたHイオンおよびe(電子)とが反応して水が生成される。かくして、固体高分子形燃料電池は、水素と酸素から直流電流を発生し、水を生成することになる。
前記のように燃料極7に対向するセパレータ10表面には、燃料を流通させるための凹状溝8が設けられている。また、空気極6に対向するセパレータ10表面には、酸化剤ガスを流通させるための凹状溝8が設けられている。
燃料としては、水素を主体とした改質ガス(又は水素ガス)や、メタノール水溶液などが用いられている。
しかし、前記空気極側の還元反応(酸素分子(O)の4電子還元)は難しく、空気極側において副反応として下記の電気化学反応(酸素分子(O)の2電子還元)が生じて多くのHが発生する。そして不純物としてFe(II)などが存在するとその触媒作用でHが分解され、OH・(OHラジカル)とOHが生成する。
+2H+2e→H
+Fe(II)→OH・+OH+Fe(III)
生成したOH・(OHラジカル)は酸化力が大きく、固体高分子電解質膜1を酸化し分解し劣化する。
一方、直接メタノール型燃料電池は、メタノール水溶液を直接MEAに供給する方式の燃料電池であり、ガス改質器が不要、かつ、体積基準のエネルギー密度が高いメタノール水溶液を利用できることから、装置の更なる小型化が可能であり、携帯電気機器(例えば携帯音楽プレーヤー、携帯電話、ノート型パソコン、携帯型テレビ等)のポータブル電源としての展開が期待されている。
直接メタノール型燃料電池の発電方法としては、電解質膜1を介して、メタノールと(酸化剤ガスに含まれる)酸素を、燃料極側触媒層3および空気極側触媒層2に含まれる触媒粒子表面において、下記の式(3)〜(5)の電気化学反応を生じさせる方法を用いている。
燃料極側反応:CHOH+HO→CO+6H+6e ……(3)
空気極側反応:6H+(3/2)O+6e→3HO ……(4)
全反応 :CHOH+(3/2)O→CO+2HO ……(5)
燃料極7側では、供給されたメタノールおよびその水溶液が、燃料極側触媒層3での式(3)の反応により炭酸ガス、水素イオン、及び電子に解離する。この際、蟻酸等の中間生成物も微量発生する。
生成された水素イオンは、電解質膜1中を燃料極7から空気極側6に移動し、空気極触媒層2において、空気中から供給された酸素ガスおよび電子と、式(4)に従って反応し、水が生成する。
単位電池セルの電圧は、室温近傍において理論上約1.2Vであるが、燃料極7で電気化学反応せずに電解質膜1中を空気極側6に移動してしまうメタノールクロスオーバーや、水素イオンが電解質膜1を透過する際の抵抗により、実質的には0.85〜1.0Vとなる。
実用上、連続運転条件下で電圧が0.3〜0.6V程度となるように電流密度が設定されるため、実際に電源として用いる場合には、所定の電圧が得られるように、複数の単位電池セル(前記単セル)を直列接続して使用する必要がある。
電池構造としては、出力密度の増大と燃料電池全体のコンパクト化を目的として、MEA12をセパレータ10で挟持して成る単電池セルを複数積層(スタック)した構造が用いられている。必要な電力により、スタック枚数は異なり、一般的に携帯電気機器のポータブル電源では数枚から10枚程度、コジェネレーション用定置型電気および温水供給機では60〜90枚程度、自動車用途では250〜400枚程度といわれている。高出力化のためにはスタック枚数の増大は必然的であり、単セルの厚みやコストが燃料電池本体のサイズや価格に大きく影響することになる。
燃料電池用セパレータは、燃料電池の単位セルを形成する保持支持体であり、燃料(水素、メタノール等)や酸素を供給する供給経路となる。燃料極に対向するセパレータ表面には、燃料を流通させるための燃料ガス流路である凹状溝が設けられている。また、空気極に対向するセパレータ表面には、酸化剤ガスを流通させるための酸化剤ガス流路である凹状溝が設けられている。
燃料電池用セパレータは、燃料や酸素の供給を制御する他、集電体としての役割も有している。このため、全体としての体積抵抗が小さく、MEAとの接触抵抗が低くなるよう、優れた導電性が必要である。また、還元性の水素ガス、空気等の酸化剤ガス、冷却水などの冷却媒体、その他反応副生成物(蟻酸、水蒸気等)に曝され、さらに通電による電気化学反応の作用も受けるため、これらに対する耐食性も重要な特性である。その他、水などの反応生成物の除去、燃料の外部漏出防止等の役割も大きい。
燃料電池用セパレータの基材としては、非金属系と金属系に大別できる。非金属系セパレータとしては、緻密カーボングラファイト等のカーボン系材料(特許文献1)、樹脂材料がある。
また、金属系セパレータの材料としては、ステンレス鋼(SUS)、チタン、アルミニウム等が挙げられる(特許文献2)。これらの材料は強度、延性に優れていることから、流路やマニホールドを成型するためのプレス加工が容易であり、加工コストが安価で量産性に優れている。さらには板厚の薄い金属を用いることが可能であり、燃料電池スタックの質量や容積を低減できる効果もある。
さらに、金属系セパレータの改良策として、高い導電性および耐食性を持つ貴金属をめっき、スパッタ等によりコーティングする方法(特許文献3、4)が報告されている。
また、その他のセパレータとして、金属基板上に凹版に充填された導電性フィラーを含有した導電性樹脂を転写し、導電性樹脂により凸状溝を形成したセパレータ(特許文献5)が報告されている。
特開2001−6703号公報 特開2002−190305号公報 特開2001−297777号公報 特開2003−338296号公報 特開2009−272202号公報
しかしながら、燃料電池用セパレータの基材として用いられる特許文献1に記載のカーボン系材料は、耐食性に優れているが、機械的耐性に乏しいため薄型化が難しい。また、プレス加工が困難であり、切削加工により流路やマニホールドを成型することになる結果、加工コストが高くなり量産性に問題がある。一方、樹脂材料を使用することで、ガス不透過性、加工性の問題はある程度解消されるが、導電性フィラーを混入しないと導電性を発現することが困難であり、また導電性フィラーを混入し過ぎると十分なガス不透過性を確保するのが困難となる。
また、特許文献2に記載されているような金属系セパレータは、燃料電池の使用環境雰囲気において耐食性に問題がある。セパレータ基材の電位が活性態域および過不動態域にあたると、金属の腐食が促進され、セパレータとMEAとの接触抵抗が増大する。また、セパレータからの溶出金属イオンが電解質膜に捕捉されると、電解質膜のプロトン伝導能が低下する。さらには、溶出金属イオンが存在すると空気極において過酸化水素等のラジカル性化学種が発生し、このラジカル性化学種の作用により電解質膜の劣化も引き起こす。セパレータ基材の電位が不動態域であった場合、腐食の進行は小さいが、不動態皮膜が成長する。通常、不動態皮膜は、水酸化物、オキシ水酸化物、酸化物等で構成されている。これら化合物の殆どは電気伝導性に乏しいため、金属セパレータの不動態皮膜が成長するに従って、電気抵抗が増大し、電池性能が劣化する。
また、特許文献3、4に記載の、貴金属をめっき、スパッタ等によりコーティングする方法では、セパレータ表面全体に対して、ピンホールを生じない程度の膜厚のコーティングを施すには、かなりの金属量が必要であるため、コスト的な問題が懸念される。
また、特許文献5に記載のセパレータでは、上記問題の解決が可能であるが、凹版から導電性樹脂を剥離する際、応力により凹版の破損を招く恐れがあり、凹版を繰り返し使用することが不可能となるため、コスト的な問題が懸念される。
本発明の目的は、前述した背景技術における問題点を考慮し、基板表面に導電性フィラーを混合した樹脂層を形成することで、導電性、耐食性、機械的強度、薄型化等の各種要求特性を満たす燃料電池用セパレータを、容易かつ安価に製造する方法を提供することである。また、樹脂凹版から容易に導電性樹脂を剥離・転写させる方法を提供することである。
本発明者等は、上記問題を解決すべく鋭意検討を行った結果、例えば、基板の少なくとも一方の面上に導電性樹脂をシリコーン樹脂性の凹版に型取り、基板へ転写形成するという簡便な方法および構成により、十分な導電性、耐食性、機械的強度(堅牢性)、薄膜化などの特性を一度に兼ね備えた安価な燃料電池用セパレータを提供できることを見出し、本発明を成すに至った。
請求項1に記載の発明は、基板の少なくとも一方の面に、凹状溝を有する導電性樹脂皮膜を備える燃料電池用セパレータの製造方法であって、前記凹状溝を備える凸型母型から樹脂凹版を型取りする工程と、前記樹脂凹版表面に離型剤を塗布する工程と、前記型取りされた樹脂凹版に導電性フィラーを含有した導電性樹脂インクを充填する工程と、前記導電性樹脂インクを基板上に転写し、前記導電性樹脂インクを硬化して導電性樹脂皮膜を形成する工程と、前記導電性樹脂皮膜から前記樹脂凹版を剥離する工程とを順に備えることを特徴とする燃料電池セパレータの製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記樹脂凹版が、シリコーン樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用セパレータの製造方法である。
請求項3に記載の発明は、請求項1および2に記載の製造方法を用いて形成された燃料電池用セパレータであって、前記導電性フィラーが、カーボン繊維もしくは導電性粉体またはその混合物であることを特徴とする燃料電池用セパレータである。
請求項4に記載の発明は、前記導電性フィラーの粉体抵抗が、0.015Ω・cm以下であることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池用セパレータである。
請求項5に記載の発明は、前記導電性樹脂皮膜によって形成される凹状溝の深さが、50μm以上700μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項3または4に記載の燃料電池用セパレータである。
請求項6に記載の発明は、前記基板が、前記導電性フィラーを構成する材料、または前記導電性フィラーを含有した樹脂、純鉄、鉄合金、純銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金からなる群から選択される材料を少なくとも1つ以上用いて形成されていることを特徴とする請求項3から5の何れか1項に記載の燃料電池用セパレータである。
本発明によれば、基板表面に導電性フィラーを混合した樹脂層を形成することで、導電性、耐食性、機械的強度、薄型化等の各種要求特性を満たす燃料電池用セパレータを、容易かつ安価に製造する方法を提供することができる。
また、本発明の好ましい形態において、燃料電池用セパレータは、基板の少なくとも一方の面上に導電性樹脂をシリコーン樹脂製の凹版に型取り、基板へ転写形成する(以下シリコーン型取り法と記す。)。導電性樹脂をシリコーン型取り法により形成することにより、反応ガスや冷却溶媒を供給する流路となる凹状溝の形成と同時に基板表面に発電環境下で十分な耐食性を付与することが簡便にできる。
特に、凹版表面に離型剤を塗布することにより、凸形状の導電性樹脂から凹版を剥離し、凸形状の導電性樹脂を基板上に転写する工程において、凹版剥離が容易となる。即ち、凹版剥離の際に凹版にかかる応力を軽減することが可能となり、応力による凹版の破損を抑制し、繰り返し使用回数を増加することが出来る。また、凹版破損部分が導電性樹脂に付着することで、セパレータが不良品となる問題も抑制でき、歩留まりの向上が可能となる。総じて、セパレータの製造コストを低減することが可能となる。
また、凹状溝が導電性樹脂から形成されていることにより、基板として金属基板を使用した場合に懸念される酸化皮膜成長による導電性の低下を招くことなく、高い耐食性を確保したまま、導電性を付与することが出来る。さらに、凹状溝の形成方法としてウェットプロセスを用いることが出来るため、ドライプロセスを適用した場合のような高価な設備を必要とすることなく連続的に安価にセパレータの製造をすることが可能となる。
図1は、本発明の燃料電池用セパレータの要部断面の説明断面図である。 図2は、本発明の燃料電池用セパレータの製造方法における樹脂凹版の作製工程の説明断面図である。 図3は、本発明の燃料電池用セパレータの製造方法における樹脂凹版からセパレータを作製するまでの説明断面図である。 図4は、セパレータを装着した固体高分子形燃料電池の分解図である。 図5は、燃料電池に用いられる膜電極接合体(MEA)の断面説明図である。
本発明の燃料電池用セパレータは、基板の少なくとも一方の面に凹状溝を有する導電性樹脂皮膜を備える。図1に本発明の燃料電池用セパレータの要部断面の説明断面図を示す。図1にあっては、基板24の一方の面に、凹状溝25Aが形成された導電性樹脂皮膜23Aを備え、基板24の他方の面に、凹状溝25Bが形成された導電性樹脂皮膜23Bを備える。導電性樹脂皮膜には、導電性フィラーが含有されている。凹状溝25A、凹状溝25Bのうち、一方は、電極に反応ガスを供給するための凹状溝となり、もう一方は、冷却のための冷媒を供給するための凹状溝となる。本発明の燃料電池セパレータにあっては、平滑な基板上の両側に凹状溝をそれぞれ形成するため、プレス加工にて形成されたセパレータと比較すると、凹状溝Aの形状に依存することなく凹状溝Bを形成することができ、それぞれの流路に対して最適な設計を施すことができる。また、樹脂凹版を用いた型取り法により導電性樹脂皮膜を形成することによって、通常の印刷法などでは不可能である数百μm程度の深さの凹状溝の一括形成が可能となる。
図2及び図3に本発明のセパレータの製造方法の断面説明図を示す。図2は、本発明の燃料電池用セパレータの製造方法における樹脂凹版の作製工程の説明断面図である。
本発明のセパレータの製造方法にあっては、凹状溝を有する凸型母型21A、21Bの溝部に凹版を形成する樹脂液22A、22Bを流し込む(図2(a))。次に、樹脂液22A、22Bを硬化し(図2(b))、凸型母材21A、21Bを剥離することにより樹脂凹版は型取りされ形成される(図2(c))。
本発明のセパレータの製造方法において、凸型母型の材質は、金属やガラスなど硬く変形しづらく、樹脂凹版を形成するための樹脂液の溶媒に侵されないものが好ましい。また、凸型形状は、フォトリソグラフィ法で樹脂を基板表面に所望の形に形成する方法や、基板そのものを加工し溝を形成する方法が考えられるが、変形なく所望の凸型母型を得られる方法であればその限りではない。
凸型母型上に樹脂液を流し込む方法としては、凸型母型の端部に樹脂液を必要量配し、棒状のスキージで溝部分に押し込みながら凸型母型の逆面を平滑に加工する方法や、スクリーン印刷により充填する方法などが考えられる。凹版の凹凸面裏面の平滑性が基板上への導電性樹脂転写時の寸法精度に影響するので、凹版の形成方法は凹版の凹凸面裏面の平滑に形成できる方法である必要がある。
凹型母型に充填されたシリコーン樹脂からなる樹脂液の硬化方法としては、熱硬化やUV硬化などを使用することができるが、シリコーン樹脂の組成により異なるため、十分に硬化する条件は適宜選択される。硬化に際しては、硬化収縮など寸法変化により、シリコーン樹脂凹版が凸型母型形状を再現できなくなる可能性があるため、できるだけ硬化による寸法変化の少ない樹脂を選択することが好ましい。
次に、導電性樹脂と凹版の剥離性を向上させるため、凹版表面に離型剤を塗布する。
本発明の離型剤の種類としては、用いる樹脂により異なるが、フッ素系、シリコーン系が挙げられる。特に、シリコーン系離型剤は、凹版と同系統の材料となるため凹版との相性が良く、凹版底部および端部にもムラなく均一な塗布が可能となる。また、フッ素系離型剤は、汎用性が高く、下記導電性樹脂を構成する樹脂成分全般に対して安定した効力を発揮することが可能であり、適切な塗布方法を選択すれば材料選択が比較的容易である。
離型剤の塗布方法としては、凹凸形状に対して塗布可能なウェットコーティング方法であれば特に制限するところではない。具体的には、ダイコート等の各種印刷方式、ディッピング、スプレー方式等が挙げられる。特に、凹版端部もムラなく塗布可能な方法としては、スプレー方式が望ましい。また、用いる離型剤によっては、希釈溶媒を使用し塗布後熱処理が必要な場合があるが、その場合の熱処理温度は、シリコーン樹脂の熱変形がないよう、極力低いことが望ましく、用いる希釈溶媒についても低沸点溶媒を選択する必要がある。
図3に本発明の燃料電池用セパレータの製造方法における樹脂凹版からセパレータを作製するまでの説明断面図を示す。
本発明のセパレータの製造方法にあっては、得られた樹脂凹版22A、22Bに導電性樹脂インク23A、23Bを充填する(図3(d)、(e))。次に、導電性樹脂インク23A、23Bを基板24の両面に転写し、導電性樹脂インク23A、23Bを硬化する(図3(f))。最後に、基板24上に形成された導電性樹脂インクが硬化された導電性樹脂皮膜23A、23Bから樹脂凹版22A、22Bを剥離する(図3(g))。以上により、本発明の燃料電池用セパレータは製造される。
本発明に用いる導電性耐樹脂皮膜を形成するための導電性樹脂インクは、燃料電池用の燃料(水素や改質ガス、メタノールなど)や酸化剤(酸素やその混合ガス)、強酸性雰囲気に十分な耐性を有する材料で、十分な導電性を有する必要がある。本発明では、比較的簡便で、かつ短時間に膜形成を可能とする導電性フィラーを含有する導電性樹脂インクにより導電性樹脂皮膜が形成される。
また、樹脂凹版22A、22Bに充填した導電性樹脂インク23A、23Bを転写する場合、転写前に導電性樹脂がある程度硬化していることが好ましい。溶媒分を含む導電性樹脂インクを硬化させることを想定すると、転写時に溶媒などの排出経路が確保できないため硬化に時間がかかり、最悪の場合、未硬化となることや乾燥・硬化後に寸法変化が大きく変化することが想定される。そのような影響を最小限とするために、あらかじめ導電性樹脂を半硬化状態とすることが好ましい。また、完全硬化状態の導電性樹脂を転写することも可能であるが、転写時に基板上との接着性を確保するための接着剤を準備する必要があり、工程を増やすこととなる。
本発明に用いる導電性樹脂インクを構成する樹脂成分としては、発電環境下で十分な耐食性を有する樹脂であり、ウェットコーティングが可能であれば特に制限はなく、具体的には、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、芳香族ポリイミド樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、などから選ばれた1種ないし2種以上の混合物を用いることができる。より高い耐食性という観点から、フッ素系樹脂であることが好ましい。例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、ECTFE(クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体)が挙げられる。これらの樹脂の質量平均分子量などで表される分子量は、ウェットコーティングなど加工性に支障を来さない限り機械的強度を考慮すると大きい方が好ましく、1万〜1000万、さらに好ましくは2万〜500万である。
本発明に用いる導電性樹脂インクに含まれる導電性フィラーとしては、耐食性、導電性、価格などを考慮すると、繊維状導電性フィラーあるいは粉体状導電性フィラーが望ましい。繊維状導電性フィラーとしては、具体的には、例えば、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどから選ばれる1種あるいは2種以上のカーボン繊維を挙げることができる。カーボン繊維としては、高い導電性を確保するために粉体抵抗が0.015Ω・cm以下、単繊維比抵抗が1mΩ・cm以下であることが好ましい。
本発明において、繊維状導電性フィラーと粉体状導電性フィラーを併用すると導電性樹脂皮膜自体の導電性をさらに低減できる。粉体状導電性フィラーとしては、十分な導電性を有し、発電環境下で十分な耐食性を有するものであれば特に制限はなく、具体的には、例えば、アセチレンブラック、バルカン、ケッチェンブラック等のカーボン粉体、WC、TiCなどの金属炭化物、TiN、TaNなどの金属窒化物、TiSi,ZrMoSiなどの金属珪化物およびAg,Auなどの耐食性金属などから選ばれた1種ないし2種以上の混合物を挙げることができる。粉体状導電性フィラーとしては、導電性樹脂皮膜が高い導電性を発現するために、粉体抵抗が0.015Ω・cm以下、単体の比抵抗が1mΩ・cm以下であることが好ましい。
導電性樹脂における樹脂成分と導電性フィラーの比率は、用いられる基板、樹脂、および樹脂中の導電性フィラー材質により異なるが、導電性フィラーの含有量が少ないとセパレータとして必要な導電性が確保できず、また、導電性フィラーの含有量が多すぎると、ウェットプロセスに不適合なインク粘度の増加、機械的強度の低下が懸念される。具体的な指標としては、膜形成した際に樹脂成分中の導電性フィラーの重量比率が30重量%以上90重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは60重量%以上85重量%未満が望ましい。
樹脂凹版に導電性樹脂インクを充填する方法としては、樹脂凹版の端部に導電性樹脂インクを必要量配し、棒状のスキージで溝部分に押し込みながら凸型母型の逆面を平滑に加工する方法やスクリーン印刷により充填する方法などが考えられる。
導電性樹脂インクを基板に転写する工程にあっては、基板と樹脂凹版の凹凸形状側を向かい合うように設置し、上下にロール部を有し一定圧力で挟み込みながら送り出す機構を有するロールラミネート装置により基板上に導電性樹脂インクを転写する。この際、ロールラミネート装置に設置されるローラーの間隔(ギャップ)と押し付け圧力、基板の厚さ、シリコーン樹脂凹型の厚さにより、基板上に形成される導電性樹脂の厚さが異なる。また、前記条件により、凸状部分のみに導電性樹脂を配することも可能であるが、ローラーギャップ条件などを調整することにより、凹状溝の底部分にも導電性樹脂を形成するほうが製造されるセパレータの全面に耐食性を付与することができるため好ましい。
燃料電池用セパレータに用いられる基板としては、導電性樹脂との接触抵抗が低いこと、加工性や堅牢性、薄型化への対応のしやすさ等の他に、物理的強度を有しており、さらには、汎用性で入手が容易であり、材料費も安価である基板ならば本発明において使用でき、特に限定するところでない。例えば、導電性フィラーを構成する材料、または導電性フィラーを含有した樹脂、純鉄、鉄合金、純銅、銅合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金からなる群から選択される材料等が挙げられる。
燃料電池用セパレータには流路としての貫通孔が形成される。基板に反応ガス経路としての貫通孔を形成する方法は、ウェットエッチング法などの化学的加工、あるいはプレス法、切削法などの機械加工、あるいは放電加工など基板を部分的に除去できる加工方法であれば適用することが可能である。生産性を考慮すると、一工程で大面積を加工することが出来るため、プレス法やウェットエッチング法を用いることが好ましい。
基板上に形成された導電性樹脂インクは硬化され導電性樹脂皮膜となる。硬化手段としては、具体的には、UV硬化、熱硬化等が挙げられる。ただし、熱硬化の場合は、基板の酸化による導電性、樹脂密着性の低下や、シリコーン樹脂凹版の熱膨張による流路寸法の変化が懸念されるので、出来る限り低温のほうが好ましい。
本発明にあっては、導電性樹脂インクにより形成される導電性樹脂皮膜の凹状溝の深さ(=凸部分の厚さ)が大きすぎると導電性が低下しすぎる恐れがあり、小さすぎると流動抵抗が増加し反応ガスや冷却媒体の流路として機能しない恐れがあるので、耐食性や機械低強度や電気抵抗や薄型化を考慮すると、50μm以上700μm以下の範囲内であることが好ましい。また、凹状溝の底部に導電性樹脂皮膜を形成する場合は、薄すぎるとピンホールの発生や機械的強度や耐食性が低下する恐れがあるので、耐食性や機械低強度や電気抵抗や薄型化を考慮すると、その厚さは10μm以上であることが好ましい。
本発明のセパレータは、電解質膜として高分子電解質を用いた固体高分子形燃料電池に好適に使用できる。図4にセパレータを装着した固体高分子形燃料電池の分解図を示す。図5に燃料電池に用いられる膜電極接合体(MEA)の断面説明図を示す。
本発明の燃料電池において、膜電極接合体(MEA)12は高分子電解質膜1の両面に電極触媒層2、3が接合され、挟持された構造を備える。本発明の燃料電池にあっては、膜電極接合体12の電極触媒層2および電極触媒層の3と対向して空気極側ガス拡散層4および燃料極側ガス拡散層5が配置される。これにより、それぞれ空気極(カソード)6及び燃料極(アノード)7が構成される。そして、ガス流通用のガス流路8を備え、相対する主面に冷媒流通用の冷媒流路9を備えた導電性でかつ不透過性の材料よりなる1組のセパレータ10が配置される。燃料極7側のセパレータ10のガス流路8からは、燃料ガスとして、例えば、水素ガスやメタノールが供給される。一方、空気極6側のセパレータ10のガス流路8からは、酸化剤ガスとして、例えば、酸素を含むガスが供給される。そして、燃料ガスの水素と酸素ガスとを触媒の存在下で電極反応させることにより、燃料極と空気極の間に起電力を生じることができる。
高分子電解質膜としては、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸膜を使用することができる。また、高分子電解質膜1の両面に形成される電極触媒層としては、例えば、カーボンブラック粒子に主として白金(Pt)あるいは白金族金属(Ru、Rh、Pd、Os、Ir)触媒物質を担持した触媒担持物質と高分子電解質により形成される。ガス拡散層としては、例えば、カーボンクロス等を用いることができる。
次に、本発明の実施例および比較例について説明する。
(実施例)
<凸型母型の作製>
基材として、1mm厚のステンレス板(SUS304)を用い、切削加工により表面に所望の凹版溝を有する流路形状を形成した。
シリコーンゴム凹版A(樹脂凹版22Aに相当)を形成するための、溝幅が1mm、深さ0.3mm、溝ピッチが2mmの直線上溝が形成された母型Aと、シリコーンゴム凹版B(樹脂凹版22Bに相当)を形成するための、溝幅が2mm、深さ0.2mm、溝ピッチが3mmの直線上溝が形成された母型Bとをそれぞれ形成した。
<シリコーン凹版の作製>
液状シリコーンゴム(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル・ジャパン合同会社製:TSE3402)のA液とB液を混合し、十分撹拌した。
次いで、上記母型AおよびBの表面にTSE3402をアプリケータにより充填し、常温で48時間放置し硬化させた。
TSE3402が完全に硬化した状態で母型から剥離することにより、シリコーンゴム凹版AおよびBを得た。その後、離型剤ダイフリーGF−500(ダイキン工業製)をスプレーで凹版表面に塗布した。
得られたシリコーンゴム凹版AおよびBについては、凹凸表面形状は良好であり、また、裏面は平滑で均質に形成することが出来、シリコーンゴム凹版Aは、底面から凸部頂点までの高さが0.3mm、凸部頂点から裏面までの厚さが1mmであり、シリコーンゴム凹版Bは、底面から凸部頂点までの高さが0.2mm、凸部頂点から裏面までの厚さが1mmであった。
<セパレータ作製>
導電性樹脂として、ドータイトA−3(カーボンブラック10〜20wt%含む)とドータイトC−3(カーボンブラック20〜30wt%含む)(藤倉化成株式会社製、2液硬化型エポキシ系導電性樹脂)を1:1の割合で混合したドータイトA−3/C−3を用い、上記シリコーンゴム凹版AおよびBにアプリケータを用いて充填した。
その後、貫通孔を所望の位置にプレス打ち抜き加工にて形成したアルミニウム板(JIS1050、厚さ1mm)を用意し、表面処理液(アデカ製C−7401 1wt%溶液)を用い、常温にて40秒浸漬後、純水にて洗浄を行い、水分を乾燥した。
更に、ドータイトA−3/C−3が充填されたシリコーンゴム凹版AおよびBを、導電性樹脂充填面がアルミニウム板と接する向きに所定の位置に位置合わせをした状態で設置し、ロールラミネータ(常温、プレス圧0.3MPa)によりアルミニウム板上にシリコーンゴム凹版AおよびBを固定した。その際、ロールラミネータの上下ロールのギャップは3mmであった。
次に、前記サンプルをオーブンにて150℃、30分加熱処理し、導電性樹脂を硬化させたのち、シリコーンゴム凹版AおよびBを剥離することにより、セパレータを得た。
(比較例)
実施例と同様に、凸型母型の作製、シリコーン凹版の作製を行った。なお、シリコーン凹版の作製工程において、離型剤の塗布を行わなかった。このシリコーン凹版を用いて実施例と同様にセパレータを作製した。
セパレータを繰り返し作製し、シリコーン凹版の破損を確認したところ、比較例においては10回繰り返し作製を行ったところ、破損が確認されたのに対し、実施例においては、100回繰り返し作製を行っても変化がなかった。
本発明は、基板と、基板の一方の面に設けられ、反応ガスを電極に供給するためのガス供給用凹状溝が形成されたガス供給用凹状溝部と、基板の他方の面に設けられ、冷却のための冷媒を供給するための冷却用凹状溝が形成された冷却用凹状溝部とを備える燃料電池用セパレータの製造方法において、凹状溝を備える凸型母型から樹脂凹版を型取りする工程と、樹脂凹版表面に離型剤を塗布する工程と、型取りされた樹脂凹版に導電性フィラーを含有した導電性樹脂インクを充填する工程と、導電性樹脂インクを基板上に転写し、導電性樹脂インクを硬化して導電性樹脂皮膜を形成する工程と、導電性樹脂皮膜から樹脂凹版を剥離する工程により形成されることを特徴とするものであり、凹状溝の少なくともひとつが、凸型母型から型取りされた凹版に導電性フィラーと液状樹脂からなる導電性樹脂インクを充填後、基板上に凹状溝を転写形成することにより、容易に50μm程度から700μm程度の厚膜パターンによる流路形状を、寸法精度良くセパレータ両面に形成することができる。また、導電性フィラーを用いると導電性耐食皮膜自体の導電性を向上でき、基板を用いるために高い機械的強度を有し、堅牢性を維持したまま、薄型化および軽量化が可能となり、一方、導電性樹脂を介しているため基板を用いた時に懸念される酸化皮膜成長による導電性の低下を招くことなく、高い耐食性を確保したまま、高い導電性を維持できるという顕著な効果を得ることができる。
21A、21B 凸型母材
22A、22B 樹脂凹版(樹脂液)
23A、23B 導電性樹脂皮膜(導電性樹脂インク)
24 基板
25A、25B 凹状溝
10 セパレータ
12 膜電極接合体(MEA)
1 高分子電解質膜
2 電極触媒層(空気極側)
3 電極触媒層(燃料極側)
4 ガス拡散層(空気極側)
5 ガス拡散層(燃料極側)
6 空気極(カソード)
7 燃料極(アノード)

Claims (6)

  1. 基板の少なくとも一方の面に、凹状溝を有する導電性樹脂皮膜を備える燃料電池用セパレータの製造方法であって、
    前記凹状溝を備える凸型母型から樹脂凹版を型取りする工程と、
    前記樹脂凹版表面に離型剤を塗布する工程と、
    前記型取りされた樹脂凹版に導電性フィラーを含有した導電性樹脂インクを充填する工程と、
    前記導電性樹脂インクを基板上に転写し、前記導電性樹脂インクを硬化して導電性樹脂皮膜を形成する工程と、
    前記導電性樹脂皮膜から前記樹脂凹版を剥離する工程と
    を順に備えることを特徴とする燃料電池セパレータの製造方法。
  2. 前記樹脂凹版が、シリコーン樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
  3. 請求項1および2に記載の製造方法を用いて形成された燃料電池用セパレータであって、前記導電性フィラーが、カーボン繊維もしくは導電性粉体またはその混合物であることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  4. 前記導電性フィラーの粉体抵抗が、0.015Ω・cm以下であることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池用セパレータ。
  5. 前記導電性樹脂皮膜によって形成される凹状溝の深さが、50μm以上700μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項3または4に記載の燃料電池用セパレータ。
  6. 前記基板が、前記導電性フィラーを構成する材料、または前記導電性フィラーを含有した樹脂、純鉄、鉄合金、純銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金からなる群から選択される材料を少なくとも1つ以上用いて形成されていることを特徴とする請求項3から5の何れか1項に記載の燃料電池用セパレータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019075336A (ja) * 2017-10-18 2019-05-16 トヨタ自動車株式会社 燃料電池用セパレータの製造方法

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