以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る遊技機としてのパチンコ機2の正面図である。このパチンコ機2は、遊技機枠3、遊技盤ユニット5、前面ガラス(前面透明板)10、発射ユニット(不図示)、貯留皿14を有している。発射ユニットは、1個ずつ遊技球23を遊技盤ユニット5に構成される遊技領域16に向けて発射可能である。
パチンコ機2は、遊技者が後述する発射ハンドル15を操作することによって、遊技領域16に向けて球が発射ユニットによって発射され、球の流下による遊技が実現される。なお、遊技機は、パチンコ機2の他にパチンコ式スロットマシン機、コインゲーム機等のアーケードマシン、各種ゲーム機を概念することができ、要するに、遊技媒体の流下による遊技を実現する遊技領域を有するあらゆる遊技機が含まれる。なお、パチンコ機においても、アレンジボール機、雀球機等の組合せ式パチンコ機、いわゆるデジパチタイプ(1種タイプ)やハネモノタイプ(2種タイプ)のパチンコ機等のあらゆるパチンコ機が概念できるが、本実施の形態においては、デジパチ遊技(1種遊技、図柄変動遊技ともいう。)を実現するいわゆる1種タイプのパチンコ機について例示説明する。なお、図柄変動遊技については後述する。
パチンコ機2の遊技機枠3は、遊技盤ユニット5を保持するためのもので、このパチンコ機2の周囲側面及び前方又はそれに加えて後方を囲むように構成される。遊技機枠3の内部側には、遊技盤ユニット5の他にも後述する各種制御基板や遊技媒体用の経路等各種機構部品が配置され、遊技機枠3によって周囲側面及び前方又はそれに加えて後方からのパチンコ機2内部側への不正アクセスが防止されるようになっている。
パチンコ機2の周囲を囲む筐体枠4、その内側にヒンジ部22によって前方開閉可能に揺動支持されて遊技盤ユニット5を保持する機枠9、機枠9の前方にヒンジ部22によって前方開閉可能に揺動支持され前面ガラス10及びその周囲を装飾する装飾部材32や音声を出力するスピーカ18を保持する装飾枠12、を有して遊技機枠3が構成される。なお、前面ガラス10は、遊技機枠3内部側に保持された遊技盤(遊技装置体)6を前方から遊技者が視認することができるようにするための透明部材である。
前面ガラス10は、遊技盤6に対して一定距離以上離間して配置された透明板である。前面ガラス10は透明平板ガラスで形成されて装飾枠12の裏面側に保持され、遊技盤6との間に遊技球23が流下する流下空間を形成する機能、遊技者が前面ガラス10を通して遊技盤6を視認できるように視認性を確保する機能、遊技者が遊技盤6に不正にアクセス(接触)できないようにする機能、を発揮する。
貯留皿14は、遊技者の持ち球を貯留するためにパチンコ機2の前面に配置された皿部材であって、本実施の形態においては上皿14aと下皿14bとを有している。上皿14aは、球排出ボタン14cを有して遊技盤6の下方、すなわち装飾枠12の下方部分に配置され、下皿14bは、その上皿14aの更に下方に配置されている。
更に、貯留皿14の左下方には、遊技者が操作可能な操作ボタン(操作手段)40が設けられている。操作ボタン40は、図3に示すように、遊技者の操作を検出する操作検出手段40aと、操作ボタン40に振動を付与する駆動手段としての振動モータ40bと、を備えている。
発射ユニットは、球供給装置(不図示)によって貯留皿14の一部としての上皿14aから発射位置に送り出された遊技球23を遊技領域16の上部に向けて発射(弾球)するためのものである。発射ユニットは、例えば発射位置の遊技球23を弾球する発射杆、その発射杆を駆動する発射モータ、発射杆を付勢して弾球力を発生させる発射バネ等を有してユニット構成され、機枠9に取り付けられている。その発射ユニットによる球発射のため、遊技者の操作に基づいて球発射のオンオフ及びその発射強度調整を実現する発射ハンドル15がパチンコ機2の前面下方に設けられている。
遊技盤ユニット5は、遊技盤面6a側の略中央にセンター役物7が配置された遊技盤6を有しており、その遊技盤面6aには多数のゲージ(遊技釘)27も配置されている。センター役物7の中央部には、演出表示装置7aが配置されると共に、この演出表示装置7aの表示画面7bを露出させるための表示開口部7dが形成されている。
遊技盤6は、その表面側に遊技球23の流下による遊技を実現するための遊技領域16を構成するための盤状部材であり、遊技盤6を前方から遊技者にとって視認可能となるように遊技機枠3(本実施の形態においては、遊技機枠3の一部としての機枠9。)に保持されている。その遊技盤6の表面には略円形状に周囲を囲むようにレール飾り26が取り付けられており、レール飾り26の内側面26aが遊技盤に対して立設するように配置されている。そして、レール飾り26の内側面26aによって画定され、内側面26aに面した略円形状の領域が遊技領域16となっている。
ゲージ27は、遊技領域16を流下する遊技球23と衝突してその流下方向を変更させる流下変更部材であり、多数が遊技領域16内に配置されている。また、遊技領域16には、普通入賞口28、始動入賞口29、大入賞口31等の入球部材及びアウト口30が配置されている。更に、遊技領域16には、通過ゲート33、風車34等が配置されており、流下する遊技球23が各入球部材に流入したり、通過ゲート33を通過したり、風車34を回転させたりすることによって、遊技球23による流下遊技を楽しむことができるようになっている。
センター役物7は、図柄変動遊技(1種遊技)を実現するものである。センター役物7の上部には、図柄表示手段としての第1図柄表示装置17が配置されるとともに、センター役物7の中央部には、画像表示手段としての演出表示装置7aが配置されている。
第1図柄表示装置17には、抽選手段の抽選結果である第1図柄17aの変動が表示される。第1図柄17aは、始動入賞口29への遊技球23の入球を契機として実行される第1抽選の結果に対応した図柄である。第1図柄17aの変動表示が所定の当選態様で停止することにより第1特別遊技としての大当りが発生する。
演出表示装置7aは、例えば、液晶表示装置・有機ELディスプレイ・LED等により構成されて遊技者が遊技盤面6a側から視認可能となるように配置され、その表示画面7b上に映像表示を行うものである。この演出表示装置7aの表示画面7bには、第1図柄17aに連動する第1装飾図柄7cを含む演出表示がなされる。第1装飾図柄7cは、第1抽選手段の抽選結果を視覚的に演出するための図柄であり、第1の遊技に対応する。また、例えば、キャラクター等によるストーリー仕立ての映像としての演出映像も表示画面7b上に表示されるようになっている。演出表示装置7aには、演出制御基板120が中継基板を介して電気的に接続されており、演出制御基板120によって画像表示が制御される。
遊技盤6の裏面側には、パチンコ機2の全体の制御を行う主制御基板100を収容した主制御基板ケース35と、演出表示装置7aの画像表示等演出の制御や、操作ボタン40に対する振動付与制御や、スピーカ18の音声出力制御を行う演出制御基板(図示せず)を収容した演出制御基板ケース36と、景品球の払出しを制御する払出制御基板(図示せず)を収容した払出制御基板ケース37と、電源基板(図示せず)を収容した電源基板ケース38と、が配置されている。この各制御基板ケースに収容された各制御基板によって遊技が実現される。更に、遊技盤6の裏面側には、パチンコ機2の遊技状態等の遊技情報を外部に出力するための外部出力端子板39が設けられている。
次いで、パチンコ機2の遊技の流れについて説明する。図示しない球発射装置により遊技球23が発射されると、遊技球23はレール飾りの内周面に沿いつつ進行して遊技領域16内の上部に至る。その後、遊技球23は、複数の通過軌跡に沿って移動し、遊技釘に衝突しつつ遊技領域16を下方に流下する。あるものは普通入賞口28に流入して一定数の景品球払出しの契機となり、あるものはいずれの入賞口にも流入せずに遊技領域内最下部に位置するアウト口30に流入してアウト球としてパチンコ機2の外部側へと排出される。
この始動入賞口29に遊技球23が入球すると、第1図柄表示装置17において第1図柄17aが表示され、演出表示装置7aの表示画面7bにおいて第1装飾図柄7cを含む演出表示がなされる。また、この演出表示に併せて、操作ボタン40の操作に応じた操作ボタン40の振動演出やスピーカ18による音声出力演出がなされる。
第1図柄17a及び第1装飾図柄7cの表示は、変動開始から予め定められた所定時間を経過した後に停止する。第1図柄17a及び第1装飾図柄7cが所定の当選態様で停止すると、遊技者に有利な遊技状態である第1特別遊技に移行し、大入賞口31の開閉動作が開始される。そして、大入賞口31が開放して多量の入賞球を受け入れ、多量の景品球が貯留皿14へと払い出されるようになっている。
次いで、このパチンコ機2のシステム構成について詳細に説明する。図3は、パチンコ機2の機能ブロックを示した図である。パチンコ機2は、主制御基板100と演出制御基板120とを有する制御手段がパチンコ機2の動作制御、演出表示装置7a等の演出制御、操作ボタン40の駆動制御、スピーカ18の音声出力制御、及び遊技の進行制御を行う。制御手段には、入賞口としての普通入賞口28、始動入賞口29、及び大入賞口31、表示装置としての第1図柄表示装置17及び演出表示装置7a、操作手段としての操作ボタン40等、各種部品が電気的に接続されている。
主制御基板100は、CPU、RAM、ROM等を有し、各種遊技制御を実行可能なメインコントロール部100aを備えており、このメインコントロール部100aによって、第1抽選手段101と、第1図柄決定手段103と、保留記憶手段104と、図柄表示制御手段105と、パターン記憶手段107と、入球判定手段108と、特別遊技制御手段109と、の各機能を実行可能に構成されている。
演出制御基板120は、CPU、RAM、ROM等を有し、各種遊技制御を実行可能なメインコントロール部120aを備えており、このメインコントロール部120aによって演出決定手段121と、演出制御手段122と、演出パターン記憶手段123と、音声出力制御手段124と、駆動制御手段125と、の各機能を実行可能に構成されている。なお、主制御基板100に含まれる各機能は、演出制御基板120に搭載されるように構成してもよいし、演出制御基板120に含まれる各機能は、主制御基板100に搭載されるように構成してもよい。
第1抽選手段101は、始動入賞口29への遊技球23の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である第1特別遊技へ移行するか否かを判定するための第1乱数値を取得する。第1抽選手段101は、乱数値に基づいて第1特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定において参照する複数の当否判定テーブルを保持する。複数の当否判定テーブルには、当り又は外れという抽選結果と乱数値とが対応付けられており、当りと対応付けられた乱数値の範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1抽選手段は、第1乱数値に基づいて抽選結果を取得する。取得した抽選結果は、保留記憶手段104において一時的に記憶される。
第1抽選手段101は、通常時には通常確率の当否判定テーブルを参照し、通常より当選確率が高い確率変動時には通常確率より当りの確率が高い当否判定テーブルを参照する。第1抽選手段101は、複数の当否判定テーブルのうちいずれかの当否判定テーブルを適宜選択して参照し、乱数値が当りであるか否かを判定する。
第1乱数値は、例えば、「0」から「65535」までの範囲の値から取得されるように構成できる。なお、乱数は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。
保留記憶手段104は、第1抽選手段101の抽選結果を記憶する。保留記憶手段104における保留数は上限があり、抽選結果は、保留記憶手段104における保留数が所定の上限に達するまで記憶される。本実施の形態では、保留記憶手段104の保留数の上限を4とする。保留手段により保留された保留数は、ランプ等で表示して、遊技者が保留数を確認できるように構成されている。
第1抽選手段101の抽選結果である第1抽選結果は、第1図柄表示装置17において第1図柄17aとして表示される。また、第1図柄17aに連動して、演出表示装置7aの表示画面7bにおいて第1装飾図柄7cを含む演出表示がなされる。第1図柄決定手段103は、第1図柄表示装置17に表示する第1図柄17aを第1抽選手段101の抽選結果に応じて決定する。
パターン記憶手段107は、第1図柄17aの停止図柄パターンを決定するために参照すべき第1図柄パターンテーブルを備える。第1図柄パターンテーブルには、第1図柄17a、抽選結果、及び第1図柄の変動表示パターンが関連付けられた第1図柄パターンが複数記憶されている。
各第1図柄パターンでは、図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められている。変動態様は、図柄変動の態様と変動時間を含んでいる。変動時間は、図柄が変動を開始してから図柄が停止するまでの時間であり、図柄変動の終了条件として定められている。変動時間の経過時に図柄の変動が停止される。第1図柄パターン毎に変動時間は異なるように設定されている。
第1図柄決定手段103は、第1抽選手段101の抽選結果を取得し、第1図柄パターンテーブルを参照し、第1図柄17aの停止図柄を決定する。第1図柄決定手段103は、決定した停止図柄及び第1図柄パターンを示す情報を図柄表示制御手段105及び演出制御手段122に送る。
入球判定手段108は、各入賞口への球の入球を判定する。入球判定手段108は、始動入賞口29内に設けられた始動入賞口センサ29aの入球検出情報を受け取ると、始動入賞口29に入賞したと判定する。入球判定手段108は、大入賞口31内に設けられた大入賞口センサ31aの入球検出情報を受け取ると、大入賞口31に入賞したと判定する。また、入球判定手段108は、普通入賞口28内に設けられた普通入賞口センサ28aの入球検出情報を受け取ると、普通入賞口28に入賞したと判定する。
図柄表示制御手段105は、第1抽選手段101による抽選結果を第1図柄決定手段103により決定された第1図柄パターンに基づいて第1図柄表示装置17に第1図柄17aを変動表示させる。図柄表示制御手段105は、第1図柄17aの変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにおいて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出制御手段122に送信する。このコマンドを送ることにより、図柄表示制御手段105及び演出制御手段122による変動表示が同期して、連動を保つことが可能となる。
特別遊技制御手段109は、第1抽選手段101による抽選結果が当りである場合に、大入賞口31を開放させることにより第1特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口31の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回又は複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において大入賞口31を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段109は、所定回数単位遊技を消化したときに特別遊技を終了させる。
演出決定手段121は、第1装飾図柄7cの停止図柄と装飾図柄変動表示パターンとを第1図柄パターンに基づいて決定する。演出パターン記憶手段123は、装飾図柄変動表示パターンを決定するために参照すべき装飾図柄変動表示パターンテーブル123aと、操作ボタン40を用いた特定演出を決定するために参照すべき特定演出パターンテーブル123bと、を備える。装飾図柄変動表示パターンは、第1図柄17a及び第1図柄17aの図柄変動表示パターンに関連付けられている。
各装飾図柄変動表示パターンは、装飾図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた変動表示パターンである。変動態様は、図柄変動の態様、変動時間、及び演出表示の演出表示態様を含んでいる。演出決定手段121は、第1図柄決定手段103によって決定された図柄変動表示パターンに応じて、図柄変動表示パターンと等しい変動時間が設定された装飾図柄変動表示パターンを選択する。演出決定手段121は、決定した装飾図柄変動表示パターンコマンド及び操作検出手段40aによる遊技者の操作検出に基づいて追加する付加情報からなる演出コマンドを演出制御手段122に送る。
例えば、遊技者の操作入力があり、操作検出手段40aから操作入力情報が入力された場合には、演出決定手段121は、装飾図柄変動表示パターンコマンドと追加した付加情報コマンドとを演出コマンドとして演出制御手段122に送る。一方、遊技者の操作入力がなく、操作検出手段40aから操作入力情報が入力されない場合には、演出決定手段121は、装飾図柄変動表示パターンコマンドを演出コマンドとして演出制御手段122に送る。
演出決定手段121は、第1抽選手段101による第1乱数値が所定の値の場合等、所定の契機により、特定演出パターンテーブル123bから付加情報としての特定演出パターンを選択する。なお、特定演出パターンは、操作ボタン40を介して行われる遊技者の操作入力パターンや、操作入力に基づいて遊技者に付与される演出態様を含む。
演出制御手段122は、例えば、演出決定手段121によって決定された特定演出パターンに基づいて遊技者による操作入力を促す画像を演出表示装置7aに表示する。操作検出手段40aは、遊技者による選択操作を検出する検出手段である。操作入力判定手段40aは、遊技者の操作入力情報を演出決定手段121に送るように構成されており、演出決定手段121は、操作入力情報の有無に基づいて付加情報コマンドを決定するように構成されている。
演出制御手段122は、例えば、演出決定手段121によって決定された特定演出パターンに基づいて遊技者による操作入力を促す画像を演出表示装置7aに表示する。遊技者が操作入力を行うと、操作検出手段40aによって遊技者の操作入力が検出される。演出決定手段121は、操作検出手段40aの操作入力情報に基づいて付加情報コマンドを含む演出コマンドを演出制御手段122に送る。演出制御手段122は、演出決定手段121から入力された演出コマンドに基づく演出制御を行う。この演出コマンドは、特定演出パターンとしての音声パターンと振動付与時間パターンとを含む制御信号である。
音声出力制御手段124は、スピーカ18による音声出力を制御する手段であり、演出制御手段122から入力される演出コマンドの特定演出パターンに基づいてスピーカ18の音声出力を制御する。駆動制御手段125は、操作ボタン40を振動させる振動モータ40bを駆動制御するための手段であり、演出制御手段122から入力される演出コマンドの振動付与時間パターンに基づいて操作ボタン40に振動を付与する制御を行う。
図4は、演出制御手段122から音声出力制御手段124及び駆動制御手段125に対する演出コマンドとしての制御信号の流れを模式的に示した図である。また、図5は、演出制御手段122から出力される制御信号を模式的に示した図である。図4に示すように、音声出力制御手段124は、音声選択手段124aと、フィルタ手段124bと、音声出力モジュール124cと、を備えている。
演出制御手段122から出力した制御信号は、音声出力制御手段124及び駆動制御手段125に入力する。音声出力制御手段124及び駆動制御手段125には、共通の制御信号が入力するように構成されている。
図5に示すように、制御信号は、信号長さの短いパルス信号(以下、短信号とする。)P1と、信号長さの長いパルス信号(以下、長信号とする。)P2との組合せによって構成されている。図5(a)及び(b)は、異なる特定演出パターンに基づく制御信号を示している。短信号P1は、音声パターンを選択するための音声選択信号であり、短信号P1の数によって音声パターンが選択される。
また、長信号P2は、音声出力開始信号と振動付与時間とを兼ねている。長信号P2の信号長さは、振動付与時間に比例しており、信号長さが長いほど振動付与時間は長くなる。すなわち、短信号P1と長信号P2とが音声信号を構成しており、長信号P2が振動信号を構成している。
演出制御手段122から音声出力制御手段124に入力した制御信号は、音声選択手段124aとフィルタ手段124bとに入力する。音声選択手段124aは、入力された制御信号に含まれる短信号P1に基づいて音声パターンを選択し、その選択したパターンを音声出力モジュール124cに出力する。また、フィルタ手段124bは、入力された制御信号に含まれる長信号を抽出し、長信号(音声出力開始信号)のみを音声出力モジュール124cに出力する。音声出力モジュール124cは、音声選択手段124aから音声パターンが入力され、かつフィルタ手段124bから音声出力開始信号が入力されると、スピーカ18を音声出力制御する。
また、演出制御手段122から駆動制御手段125に制御信号が入力すると、駆動制御手段125が長信号の信号長さに対応する時間に亘って、操作ボタン40を振動させるように振動モータ40bを駆動制御する。
具体的には、図5(a)に示す制御信号が音声出力制御手段124に入力されると、音声出力制御手段124がパターン1の音声を選択し、スピーカ18を音声出力制御する。また、図5(a)に示す制御信号が駆動制御手段125に入力されると、駆動制御手段125が長信号の長さに対応する時間(t1)に亘って振動を付与するように振動モータ40bを駆動制御する。
また、図5(b)に示す制御信号が音声出力制御手段124に入力されると、音声出力制御手段124がパターン1と異なるパターン2の音声を選択し、スピーカ18を音声出力制御する。図5(b)に示す制御信号が駆動制御手段125に入力されると、駆動制御手段125がt1(s)より長いt2(s)に亘って振動を付与するように振動モータ40bを駆動制御する。
このように、本実施の形態によれば、スピーカ18を音声出力制御するための音声信号と、操作ボタン40を振動制御するための振動信号とを共通化して、共通化した制御信号を音声出力制御手段124と駆動制御手段125とに入力するため、複雑なソフト制御を用いずに、音声信号と振動信号との関連付けやスピーカ18における音声出力タイミングと操作ボタン40における振動タイミングとを容易に同期させることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。例えば、変形例1として駆動制御手段及び音声出力制御手段を電気回路としての駆動回路及び音声出力回路によって構成することができる。次いで、変形例1に係る駆動回路及び音声出力回路による制御信号の処理について説明する。なお、変形例1は、図5における音声出力制御手段を音声出力回路に置き換え、かつ駆動制御手段を駆動回路に置き換えたものであり、本実施の形態と同様の構成については同符号を用いて説明を省略する。
音声出力回路は、スピーカ18による音声出力を処理するための電気回路であり、演出制御手段122からの出力信号(制御信号)に基づいてスピーカ18の音声出力を処理する。駆動回路は、操作ボタン40を振動させる振動モータ40bを駆動処理するための電気回路であり、演出制御手段122からの出力信号に基づいて振動モータ40bを駆動処理する。
音声出力回路は、音声選択回路と、フィルタ回路と、音声出力モジュールと、を備えている。演出制御手段122からの出力信号は、音声選択回路とフィルタ回路とに入力する。音声選択回路は、例えば、カウンタなどを用いて入力された短信号をカウントし、カウントした短信号のカウント値を音声出力モジュールに出力する。図5(a)のカウント値は、4ビットで示すと「0001」であり、この信号を音声出力モジュールに出力する。また、図5(b)のカウント値は、4ビットで示すと「0010」であり、この信号を音声出力モジュールに出力する。
また、フィルタ回路は、出力信号に含まれる長信号を抽出し、長信号(音声出力開始信号)のみを音声出力モジュールに出力する。音声出力モジュールは、音声選択回路からカウント値が入力され、かつフィルタ回路から長信号(音声出力開始信号)が入力されると、カウント値に対応した音声パターンをスピーカ18から音声出力制御する。なお、変形例においては、長信号の長さが音声出力長さに対応するように構成されている。
具体的には、図5(a)に示す出力信号が音声出力回路に入力されると、音声出力回路が出力信号に基づいてパターン1の音声を選択し、長信号の長さに対応する時間(t1)に亘って音声を出力する。図5(a)に示す出力信号が駆動回路に入力すると、駆動回路が出力信号に基づいて、長信号の長さに対応する時間t1(s)に亘って振動を付与する。
このように変形例1に係る音声出力回路及び駆動回路によっても、共通の出力信号に基づいて音声信号と振動信号との関連付けやスピーカ18における音声出力タイミングと操作ボタン40における振動タイミングとを容易に同期させることができる。
加えて、本実施の形態及び変形例では、音声出力制御手段(音声出力回路)側にのみ音声選択手段(音声選択回路)やフィルタ手段(フィルタ回路)、音声出力モジュールを設けて音声パターンを選択できるように構成しているが、駆動制御手段(駆動回路)側にも同様の構成を設けて、振動パターンを選択する変形例2を概念することができる。図6は、変形例2に係る音声出力制御手段及び駆動制御手段における制御信号の流れを模式的に示した図である。なお、駆動制御手段以外の構成については、同様の構成であるため同符号を用いて説明を省略する。
変形例2に係る駆動制御手段126は、操作ボタン40を振動させる振動モータ40bを駆動制御するための手段であり、演出制御手段122から入力される制御信号の特定演出パターンに基づいて操作ボタン40への振動付与制御を行う。図6に示すように、駆動制御手段126は、振動選択手段126aと、フィルタ手段126bと、音声出力モジュール126cと、を備えている。
演出制御手段122から出力した制御信号は、音声出力制御手段124及び駆動制御手段126に入力する。音声出力制御手段124及び駆動制御手段126には、共通の制御信号が入力するように構成されている。振動制御手段126に入力した制御信号は、振動選択手段126aとフィルタ手段126bとに入力する。
振動選択手段126aは、入力された制御信号に含まれる短信号P1に基づいて振動パターンを選択し、その選択した振動パターンを振動駆動モジュール126cに出力する。また、フィルタ手段126bは、入力された制御信号に含まれる長信号を抽出し、長信号(振動開始信号)のみを振動駆動モジュール126cに出力する。振動駆動モジュール126cは、振動選択手段126aから振動パターンが入力され、かつフィルタ手段126bから振動開始信号が入力されると、振動モータ40bを駆動制御する。
変形例2においては、短信号P1は、音声パターンを選択するための音声選択信号であるとともに振動パターンを選択するための振動選択信号であり、短信号P1の数によって音声パターン及び振動パターンが選択される。また、長信号P2は、音声出力開始信号と振動開始信号とを兼ねている。すなわち、短信号P1と長信号P2とは、いずれも音声信号と振動信号を構成している。
具体的には、図5(a)に示す制御信号が音声出力制御手段124に入力されると、音声出力制御手段124がパターン1の音声を選択し、スピーカ18を音声出力制御する。また、図5(a)に示す制御信号が駆動制御手段126に入力されると、駆動制御手段126がパターン1の振動を選択し、振動モータ40bを駆動制御する。
このように、変形例2によれば、複数の振動パターンによって操作ボタンを振動させることができ、振動態様の多様化することができる。また、音声出力態様や振動態様を適宜選択して用いることにより、これらの組合せにより遊技者に提供する演出態様を多様化して、遊技者の興趣を効果的に高めることが可能となる。加えて、音声選択信号が駆動選択信号を兼ねるように構成し、音声出力開始信号が振動開始信号を兼ねるように構成しているため、音声選択信号と振動選択信号との関連付けや、音声出力開始信号のタイミングと振動開始信号のタイミングとの同期を容易に行うことが可能となる。