JP5521748B2 - ボールペン用ボール - Google Patents

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Description

本発明は、インキ通路である貫通孔の先端開口部より一部を突出して回転自在に抱持され、被筆記面に対して接触してインキ転写部材となるボールペンのボールに関するものである。
ボールペンは、インキを収容するインキタンクと、このインキタンクに、直接または接続部材を介して接続したペン先部材であるボールペンチップとにより基本的に構成されている。ボールペンチップは、主に、被筆記面に接触してインキを転写するボールと、このボールを回転自在に抱持するボールホルダーとから構成されており、ボールホルダーの貫通孔を通じてインキタンクのインキをボールに接続するものである。このようなボールペンの筆記は、被筆記面に接したボールを回転させることによりインキを掻き出し、被筆記面に転写することにより成される。一般に、ボールホルダーにはステンレス等の金属またはポリオキシメチレン等の耐摩耗性樹脂が使用され、ボールにはタングステンカーバイド、クロム、コバルトなどを含有する合金である超硬材料や炭化珪素等の無機物質の焼結体などの高硬度材料が用いられている。
ボールを抱持するボールホルダーは、インキ通路である貫通孔内に、ボールの後退規制部となる内方突出部を備えている。この内方突出部は放射状に形成された溝にて分割され、周状に等間隔に形成されるのが通常であり、放射状の溝はボールホルダーの内壁近傍にまで形成されてボールの周囲にインキを供給なせるようになっている。また、このボールの後退規制部となる内方突出部は、ボールが被筆記面に押し付けられることによる筆圧を主に受ける部分となり、筆記の際にボールの回転に伴って擦れて摩耗する部分となる。摩耗が進行すると、内方突出部はボールの形状である球形に凹み、インキ通路である放射状の溝をボールが塞いでいく面積が徐々に増えていくこととなる。よって、内方突出部の摩耗が進行すると、ボールの周囲に供給されるインキの出口が狭められていき、供給されるインキが不足し、筆記線が途切れたり筆記線が形成されない現象が起こる。
ボールと内方突出部との摩擦を軽減し、内方突出部の摩耗を抑制するする手段として、インキに潤滑剤を配合したり、ボール素球の表面に硬質の被覆層を形成したもの(特許文献1)や、表面に酸化アルミおよび/または酸化チタンの粒子を付着させたもの(特許文献2)、また書き味を向上させる手段として表面に保水性の高い被覆材からなる薄膜を被覆させたもの(特許文献3)などが知られている。
特開2001−080262号公報 特開2005−035296号公報 特開2001−121868号公報
特許文献1に記載の発明では、ボール表面に硬質の被覆層を形成するが、被覆層が硬質であるために内方突出部が削られていき発生する摩耗粉によって摩耗を促進してしまうことから、ボール当接部の摩耗抑止効果がインキタンク中のインキを使い切るまで持続しないものであった。
特許文献2に記載の発明では、ボール表面に多孔質の粒子を付着させ、ボールに付着した粒子が作り出す滑らかな凹凸面により当接部の摩耗を緩和させる方法が記載されているが、粒子とボール間の密着性が弱く筆記時の衝撃で滑落し、摩耗防止機能を消失するためボール沈みが発生しインキの書き切りが得られなかった。
特許文献3に記載の発明では、Pt、Auのような被覆材を被覆させるが、Pt、Auのような被覆材は展性・延性が高く、筆記時の衝撃、即ちボール回転に伴うボールと当接部の衝撃により引張力が働き変形をおこし、さらに筆記を続けることで破断し表面から脱落してしまうことで摩耗防止効果を得ることができないものであった。また、Pt、Auなどの材料は極めて高価であることから、工業用として使用するには適さないのが現状である。
本発明はボールとボール当接部の摩擦を緩和することによりボール沈みを回避し、インキタンク中のインキを使い切りが得られるボールペン用ボールを供することを目的とするものである。
本発明は、25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度が1g以下の第1族金属元素の塩及び/又は第2族金属元素の塩と共に、平均粒子径2nm以上3000nm以下の無機粉体を付着させたボールペン用ボールを要旨とするものである。
本発明でボール表面に被覆された25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度が1g以下の第1族金属元素の塩及び/又は第2族金属元素の塩は、ボール素球やボールホルダーの内方突出部に比べて軟らかい金属化合物であるため、内方突出部を摩耗させることがなく、ボール沈みを抑制できる。そして、内方突出部が摩耗しないことにより摩耗粉も発生しないため、インクタンク中のインキを使い切るまで摩耗防止効果を持続させることができる。
また、ボール素球の表面に、前記金属元素の塩と共に、平均粒子径2nm以上3000nm以下の無機粒子を付着させることによって、該無機粒子の滑り効果が発揮され、内方突出部の摩耗を一層抑制できるものである。
更に、前記金属元素の塩を、超臨界二酸化炭素にて溶解させた溶液にボール素球を浸漬することによって、加圧状態で浸漬させることとなり、ボール素球の表面に存在する微細で不規則な曲面を持つ凹部に対しても前記金属元素の塩を十分に浸透させることができ、加圧を解除して常圧下に戻した際には、上記金属元素の塩が析出し、結晶物となるので、表面に被覆した金属元素の塩に強いアンカー効果を備えることができ、上記金属元素の塩を強固に被覆させることができ、ボール回転に伴うボールと当接部の衝撃による表面からの剥奪が少なくなり、摩耗防止効果を長期的に持続することが可能になる。
ここで、該溶液中に平均粒子径2nm以上3000nm以下の無機粒子を混合・分散させることによって、前記金属元素の塩が無機粒子の表面に析出するので、無機粒子が均一に分散することによってボール素球の表面を上記金属元素の塩が偏って被覆することを抑制でき、上記金属元素の塩の均一な付着層を形成させることができる。均一に形成された被覆層は機械的強度が強く筆記時の衝撃、即ちボール回転に伴うボールと当接部の衝撃により表面から剥奪されることがない。
また、超臨界二酸化炭素を使用するので、酸やアンモニウム塩溶液を使用してボール素球の表面を荒らすことがない。
更に、前記金属元素の塩を超臨界二酸化炭素に溶解させた溶液に水などに代表される極性分子を混合することによって、所謂エントレーナ効果が発揮されて、上記金属塩の溶解度を飛躍的に高めることができ、ボール素球の表面に効率的に前記金属元素の塩を付着させることができる。また、ボール素球が表面に有する凹部に対する前記金属元素の塩の浸透性を高めることができる。
本発明のボールペン用ボールの基材となる素球には、タングステンカーバイドや、酸化アルミニウム、酸化ジルコニア等をコバルトまたはクロミウムをバインダー成分として焼結させた所謂超硬材などの、通常ボールペンに使用されているボールペン用ボールをそのまま使用することができる。この超硬材料で形成された素球に、溶解状態の25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度が1g以下の第1族金属元素の塩及び/又は第2族金属元素の塩を被覆し、水洗、乾燥を経て本発明のボールペン用ボールを得ることができる。
第1族金属元素としてはリチウム、ナトリウム、カリウムがあり、第2族金属元素としてはマグネシウム、カルシウム、バリウムがある。具体的な、25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度が1g以下の第1族金属元素の塩又は第2族金属元素の塩の化合物としては、酸化マグネシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.0086g)、水酸化マグネシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.0012g)、炭酸マグネシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.0101g)、炭酸カルシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.0015g)、水酸化カルシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.17g)、硫酸カルシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.24g)、珪フッ化ナトリウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.75g)、ホウフッ化カリウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.574g)、過ヨウ素酸カリウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.51g)、フッ化リチウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.133g)、硫酸バリウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.0027g)などが挙げられ、これらの1種若しくは2種以上を混合して使用することもできる。
ボールの素球に被覆する物質は、25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度が1gを越えるものでは、インキと接触した場合に溶解してしまう可能性があり、ボール表面から溶出してしまうので、摩耗防止効果を発揮することはできない。
25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度が1g以下の第1族金属元素の塩及び/第2族金属元素の塩を被覆させる方法としては、超臨界二酸化炭素によって溶解した前記金属元素の塩の溶液に浸漬させたり、この浸漬の際に、プロペラ攪拌、ボールミル、圧力の付与、超音波振動の付与などの機械的な力を付与する方法や、イオンプレーティング、スパッタリングなどの物理的蒸着、熱CVD、プラズマCVDなどの化学的蒸着、真空アーク蒸着などが挙げられる。
特に、超臨界二酸化炭素処理は、高溶解性と高拡散性を併せ持つ特性から、ボール素球の表面に存在する微細で且つ曲率を持つ凹部に対して効率よく浸透させることができる。これらの方法によって被覆された25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度が1g以下の第1族金属元素の塩及び/又は第2族金属元素の塩は、ボール表面に70%以上存在することが好ましく、90%以上存在するとさらに好ましい。
25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度が1g以下の第1族金属元素の塩及び/又は第2族金属元素の塩を溶解状態とする方法としては、超臨界二酸化炭素で溶解する方法が挙げられる。また極性溶媒を添加しエントレーナ効果を利用することで溶解性を高めることができる。この際に使用する溶媒の具体例としては、水、エチルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール等のグリコール類などが使用できる。
尚、超臨界二酸化炭素処理とは、二酸化炭素を温度31.1℃以上、圧力7.38MPa以上にすることで二酸化炭素を超臨界状態にし、超臨界状態内に試料を存在させることにより処理する方法であり、処理の条件としては、二酸化炭素が超臨界状態になる条件から、適宜選択することができる。
ボール表面に被覆させた25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度が1g以下の第1族金属元素の塩及び/又は第2族金属元素の塩をボール素球の表面に固着する処理として、加熱による乾燥、電気炉や高周波誘導装置などを使用した焼き付け、紫外線照射などを採用することもできる。
また、25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度が1g以下の第1族金属元素の塩及び/又は第2族金属元素の塩と共に、ボール素球の表面に、平均粒子径2nm以上3000nm以下の無機粒子を付着させることもできる。これによって、無機粒子の滑り効果によって、更なる磨耗抑制効果が期待できる。また、上記金属元素の塩を併用することで、金属元素の塩が無機粒子の固着を支援するので、無機粒子の離脱による研磨作用が発生することを抑制することができる。
このような無機粒子としては、アルミナ、酸化珪素、炭化珪素、炭化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、粒子ダイヤモンド、およびIVA族、VA族およびVIA族元素の炭化物、窒化物、酸化物の高硬度材料からなる微粒子を適宜組み合わせて用いることができる。粒子形状は特に制限させるのもではなく、具体的には球状粒子、楕円状粒子、針状粒子、薄片状粒子、鱗片状粒子、キューブ状粒子、紡錘状粒子、多孔質粒子、中空粒子などが挙げられる。
更に、溶解状態の金属元素の塩と、この溶液に溶解しない無機粒子を混入し分散することで、金属元素の塩の均一性を高めることができる。即ち、不溶解成分である無機粒子に溶解状態の金属元素の塩を被覆させ、この複合体でボールの基球を被覆させることで均一な被覆状態が形成されるものである。無機粒子の配合量は、前記金属元素の塩の溶液との混合液中で0.01重量%以上20%重量%以下が好ましい。
本発明に係るボールを使用したボールペンとしては、このボールをステンレスなどの合金を機械的に切削、圧延加工などすることによって形成したボールホルダーに、ボールの一部を突出した状態で抱持させてボールペンチップとし、このボールペンチップにポリプロピレン製の押し出し成型パイプであるインキタンクを接続したものに好適に使用することができる。ボールホルダーの形態としては、棒材を削りだして作られるものの他に、パイプ材を加工して得られるパイプ式ボールペンチップを使用することもできる。更に、コイルスプリングなどを配置して、ボールをボールホルダーの開口部内縁に押し付ける構造のものとすることもできる。
筆跡・塗布跡を形成するインキとしては、水を主媒体とする所謂水性インキ、有機溶剤を主媒体とする所謂油性インキのいずれをも使用することができる。
溶剤としては、水の他に、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール等の水溶性有機溶剤が使用できる。
着色剤としては、酸性染料、直接染料塩基性染料等の染料及び/又は各種のアゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料からなる着色剤が使用できる。その他に、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の樹脂やヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ガーガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸等の多糖類からなる粘度調整剤、界面活性剤、防錆剤、防黴・防腐剤、場合によっては、アスコルビン酸、コウジ酸やハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、タンニン酸、没食子酸等のポリフェノール類などの還元性を有する物質などが使用できる。
着色剤として顔料を用いた場合に、顔料を安定に分散させるために分散剤を使用することは差し支えない。分散剤として従来一般に用いられているスチレンアクリル酸塩やスチレンマレイン酸塩等の水溶性樹脂もしくは水可溶性樹脂や、アニオン系もしくはノニオン系の界面活性剤など、顔料の分散剤として用いられるものが使用できる。
インキの乾燥、逆流を防ぐ目的でインキ逆流防止体組成物を使用することもできる。基材としては、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等の不揮発性液体又は難揮発性液体、ゲル化剤としては、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物が挙げられる。その他、アルコール系溶剤やグリコール系溶剤、界面活性剤、樹脂、金属酸化物等の微粒子を添加してインキ逆流防止体に必要な機能(ゲル化、着色防止、逆流防止)を向上させることもできる。
実施例1
炭酸マグネシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.0101g、関東化学(株)製)0.5gと、平均粒径6nmの酸化チタン(TKS203、テイカ(株)製)2.5gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、水47gに浸漬し、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に投入して、二酸化炭素雰囲気中で20MPa、40℃の状態に15分保持し、二酸化炭素超臨界状態とした後に、大気に解放し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例2
炭酸マグネシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.0101g、関東化学(株)製)0.5gと、平均粒径6nmの酸化チタン(TKS203、テイカ(株)製)2.5gと、直径0.5mmの素球(PB−11、算術平均粗さ7〜10nm、(株)ツバキナカシマ製)約1000個を、水47gに浸漬し、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に投入して、二酸化炭素雰囲気中で20MPa、40℃の状態に15分保持し、二酸化炭素超臨界状態とした後に、大気に解放し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例3
酸化マグネシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.0086g、関東化学(株)製)0.5gと、平均粒径0.7μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(A33F、日本軽金属(株)製)1gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、水48.5gに浸漬し、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に投入して、二酸化炭素雰囲気中で20MPa、40℃の状態に15分保持し、二酸化炭素臨界状態とした後に、大気に解放し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例4
硫酸カルシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.24g、関東化学(株)製)0.5gと、平均粒径6nmの酸化チタン(TKS203、テイカ(株)製)2.5gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、水47gに浸漬し、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に投入して、二酸化炭素雰囲気中で7.5MPa、32℃の状態に15分保持し、二酸化炭素超臨界状態とした後に、大気に解放し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例5
珪フッ化ナトリウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.75g、関東化学(株)製)0.5gと、平均粒径0.7μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(A33F、日本軽金属(株)製)1gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、水48.5gに浸漬し、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に投入して、二酸化炭素雰囲気中で7.5MPa、32℃の状態に15分保持し、二酸化炭素臨界状態とした後に、大気に解放し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例6
ホウフッ化カリウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.57g、関東化学(株)製)0.5gと、平均粒径2μmのシリカ(MW HS−T、林化成(株)製)1gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、水48.5gに浸漬し、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に投入して、二酸化炭素雰囲気中で20MPa、40℃の状態に15分保持し、二酸化炭素臨界状態とした後に大気に解放し、水洗いした後、110℃で約30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例12
炭酸マグネシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.0101g、関東化学(株)製)0.3gと、平均粒径6nmの酸化チタン(TKS203、算術平均粗さ3〜5nm、テイカ(株)製)1gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、エチレングリコール48.7gに浸漬し、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に投入して、二酸化炭素雰囲気中で20MPa、40℃の状態に15分保持し、二酸化炭素超臨界状態とした後に、大気に解放し、水洗いした後、250℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例13
酸化マグネシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.0086g、関東化学(株)製)0.3gと、平均粒径0.7μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(A33F、日本軽金属(株)製)0.5gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、エチレングリコール49.2gに浸漬し、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に投入して、二酸化炭素雰囲気中で20MPa、40℃の状態に15分保持し、二酸化炭素臨界状態とした後に、大気に解放し、水洗いした後、250℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例14
硫酸カルシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.24g、関東化学(株)製)0.3gと、平均粒径2μmのシリカ(MW HS−T、林化成(株)製)0.5gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、エチレングリコール49.2gに浸漬し、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に投入して、二酸化炭素雰囲気中で7.5MPa、32℃の状態に15分保持し、二酸化炭素超臨界状態とした後に、大気に解放し、水洗いした後、250℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例15
珪フッ化ナトリウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.75g、関東化学(株)製)0.3gと、平均粒径6nmの酸化チタン(TKS203、テイカ(株)製)1gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、ヘキサン48.7gに浸漬し、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に投入して、二酸化炭素雰囲気中で7.5MPa、32℃の状態に15分保持し、二酸化炭素臨界状態とした後に、大気に解放し、水洗いした後、250℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例16
ホウフッ化カリウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.57g、関東化学(株)製)0.3gと、平均粒径0.7μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(A33F、日本軽金属(株)製)0.5gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に投入して、二酸化炭素雰囲気中で20MPa、40℃の状態に15分保持し、二酸化炭素臨界状態とした後に大気に解放し、水洗いした後、250℃で約30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例22
炭酸マグネシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.0101g、関東化学(株)製)0.3gと、平均粒径6nmの酸化チタン(TKS203、テイカ(株)製)1gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、塩酸を用いてpHを4.0に調整した水48.7gに浸漬し、超音波で30分間処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例23
酸化マグネシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.0086g、関東化学(株)製)0.3gと、平均粒径0.7μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(A33F、日本軽金属(株)製)0.5gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、塩酸を用いてpHを4.0に調整した水49.2gに浸漬し、超音波で30分間処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例24
硫酸カルシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.24g、関東化学(株)製)0.5gと、平均粒径2μmのシリカ(MW HS−T、林化成(株)製)1gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、塩酸を用いてpHを4.0に調整した水98.5gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例25
珪フッ化ナトリウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.75g、関東化学(株)製)0.5gと、平均粒径6nmの酸化チタン(TKS203、テイカ(株)製)2gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、塩酸を用いてpHを4.0に調整した水97.5gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例26
ホウフッ化カリウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.57g、関東化学(株)製)0.5gと、平均粒径0.7μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(A33F、日本軽金属(株)製)1gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、塩酸を用いてpHを4.0に調整した水98.5gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例27
炭酸マグネシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.0101g、関東化学(株)製)0.3gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、塩酸を用いてpHを4.0に調整した水49.7gに浸漬し、超音波で30分間処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例28
酸化マグネシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.0086g、関東化学(株)製)0.3gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、塩酸を用いてpHを4.0に調整した水49.7gに浸漬し、超音波で30分間処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例29
硫酸カルシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.24g、関東化学(株)製)0.5gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、塩酸を用いてpHを4.0に調整した水99.5gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例30
珪フッ化ナトリウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.75g、関東化学(株)製)0.5gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、塩酸を用いてpHを4.0に調整した水99.5gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例31
ホウフッ化カリウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度0.57g、関東化学(株)製)0.5gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、マグネトロン非平衡スパッタ装置内に装着し、排気後にArガスを導入し、物理的蒸着を行うことでボールペン用ボールを得た。
比較例1
機械的に研磨した直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))。
比較例2
機械的に研磨した直径0.5mmの素球(PB−11、算術平均粗さ7〜10nm、(株)ツバキナカシマ製)。
比較例3
平均粒径6nmの酸化チタン(TKS203、テイカ(株)製)2.5gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、水47.5gに浸漬し、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に投入して、二酸化炭素雰囲気中で20MPa、40℃の状態に15分保持し、二酸化炭素超臨界状態とした後に大気に解放し、水洗いした後110℃で約30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
比較例4
平均粒径6nmの酸化チタン(TKS203、テイカ(株)製)5gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、水95gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間処理し、水洗いした後110℃で約30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
比較例5
平均粒径0.7μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(A33F、日本軽金属(株)製)2gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、水98gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間処理し、水洗いした後110℃で約30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
比較例6
平均粒径2μmのシリカ(MW HS−T、林化成(株)製)2gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、水98gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間処理し、水洗いした後110℃で約30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
比較例7
炭酸ナトリウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度22.7g、関東化学(株)製)0.5gと、平均粒径6nmの酸化チタン(TKS203、テイカ(株)製)2.5gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、水47gに浸漬し、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に混入し、二酸化炭素雰囲気中で20MPa、40℃の状態に15分保持し、二酸化炭素超臨界状態とした後に、大気に解放し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
比較例8
塩化マグネシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度35.5g、関東化学(株)製)0.5gと、平均粒径0.7μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(A33F、日本軽金属(株)製)1gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、水48.5gに浸漬し、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に投入して、二酸化炭素雰囲気中で20MPa、40℃の状態に15分保持し、二酸化炭素臨界状態とした後に、大気に解放し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
比較例9
炭酸ナトリウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度22.7g、関東化学(株)製)0.5gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、水49.5gに浸漬し、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に投入して、二酸化炭素雰囲気中で20MPa、40℃の状態に15分保持し、二酸化炭素超臨界状態とした後に、大気に解放し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
比較例10
炭酸ナトリウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度22.7g、関東化学(株)製)1gと、平均粒径6nmの酸化チタン(TKS203、テイカ(株)製)5gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、水94gに浸漬し、超音波で30分間処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
比較例11
塩化マグネシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度35.5g、関東化学(株)製)1gと、平均粒径0.7μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(A33F、日本軽金属(株)製)2gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、水97gに浸漬し、超音波で30分間処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
比較例12
炭酸ナトリウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度22.7g、関東化学(株)製)1gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、水99gに浸漬し、超音波で30分間処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
比較例13
塩化ナトリウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度26.4g、関東化学(株)製)1gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、水99gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間処理し、水洗いした後110℃で約30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
比較例14
塩化マグネシウム(25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度35.5g、関東化学(株)製)1gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、マグネトロン非平衡スパッタ装置内に装着し、排気後にArガスを導入し、物理的蒸着を行うことでボールペン用ボールを得た。
比較例15
平均粒径40nmの金(Auクエン酸コロイド溶液、TANAKAホールディングス(株)製)1gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、マグネトロン非平衡スパッタ装置内に装着し、排気後にArガスを導入し、物理的蒸着を行うことでボールペン用ボールを得た。
比較例16
平均粒径40nmの金(Auクエン酸コロイド溶液、TANAKAホールディングス(株)製)1gと、直径0.5mmの素球(PA−G5、算術平均粗さ3〜5nm、プライムアロイ社製(中国))約1000個を、水99gに浸漬し、超音波で30分間処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥によりボールペン用ボールを得た。
実施例1〜31および比較例1〜16のボールを、ぺんてる(株)製水性ゲルインキボールペン、ハイブリッド(K105)のボールペンチップとして組み込み、下記に示すインキ1と組み合わせ筆記線評価の用のボールペンサンプルとした。
評価結果は表1に示す。
実施例1〜31および比較例1〜16のボールを、ぺんてる(株)製油性インキボールペン(BK125)のボールペンチップとして組み込み、下記に示すインキ2と組み合わせ筆記線評価の用のボールペンサンプルとした。
評価結果は表2に示す。
インキ1(水性ゲルインキ)
MA100(カーボンブラック、三菱化成工業(株)製) 8.0重量%
カルボキシメチルヒヂロキシプロピル化ガーガム(水溶性増粘多糖類) 1.5重量%
カラギーナン(水溶性増粘多糖類) 0.2重量%
NP−20(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、日光ケミカルズ(株)製)
1.0重量%
安息香酸(防錆剤) 0.4重量%
プロピレングリコール 9.0重量%
水 80.9重量%
上記成分中カルボキシメチルヒヂロキシプロピル化ガーガム、カラギーナン以外の成分をボールミルで3時間混合攪拌した後、カルボキシメチルヒヂロキシプロピル化ガーガム、カラギーナンを加えて再度2時間分散処理を行い、粘度2018cpの黒色インキ組成物を得た。
インキの粘度は(株)トキメック製ELD型粘度計STローター2.5rpmにて測定した。
インキ2(油性インキ)
MA100(カーボンブラック、三菱化成工業(株)製) 20.0重量部
ソルスパース20000(高分子顔料分散剤、アビシア(株)製) 12.0重量部
エチレングリコールモノフェニルエーテル 38.6重量部
ヘキシレングリコール 12.0重量部
レジンSK(ケトン樹脂、ヒュルス社製、独国) 15.0重量部
PVP K−90(ポリビニルピロリドン、ISP(株)製) 0.4重量部
プライサーフA208(活性剤、第一工業製薬(株)製) 2.0重量部
上記成分中カーボンブラックとソルスパース20000、PVP−K90を除いた成分を加熱撹拌し、ソルスパース20000を添加して1時間撹拌後、カーボンブラックを添加し、ビーズミルで1時間分散した後、PVP−K90を添加し60℃で2時間撹拌して、粘度2200cpの黒インキを得た。インキの粘度は(株)トキメック製ELD型粘度計STローター2.5rpm(25℃)にて測定した。
最表面層の組成評価
実施例1〜31および比較例3〜15で示した処理手段により素球表面に形成した高硬度粒子または溶解成分の存在比率は、素球基材成分の影響が無視でき、表面から約10Åの深さのみを分析する手段としてオージェ電子分光法分析を用いて調べた。具体的にはSAM−650(パーキンエルマ社製(米国))を用いて、ボールの任意位置50×50μmの領域に存在する全ての凹凸に対し深さ10Åの分析領域に存在する元素を同定した。同時に、処理を施してない比較例1、2の素球についても測定を行い素球としての組成を求めた。また、前記素球の処理後に形成された化合物または素球の成分を示すタングステンカーバイド等の化合物の存在比率は、前記測定領域に於ける元素の存在を示す各元素のオージェピーク長を基に、相対感度係数法を用いて算出した。
内方突出部の摩耗量の測定
各実施例、比較例のボールを使用したボールペンサンプルについて、自動筆記装置(TS−4C−10型、(株)精機工業研究所製)を使用して、筆記加重100g、筆記角度70度、毎秒10cmの速度でインテック(株)製NS−<55>カエテの用紙を移動させて螺旋状の連続した800mまで連続筆記を行い、その途中200m毎に、ボールを後方に押した状態でボールホルダーの先端から突出したボールの頂点までの距離(所謂ボール出高さ)を測定し、未筆記時のボール出高さとの差を、内方突出部の摩耗量とした。また、あわせて、200m筆記ごとのインキ吐出量も測定した。
筆跡の線飛び数
各実施例、比較例のボールを使用したボールペンサンプルについて、自動筆記装置(TS−4C−10型、(株)精機工業研究所製)を使用して、筆記加重100g、筆記角度70度、毎秒10cmの速度でインテック(株)製NS−<55>カエテの用紙を移動させて螺旋状の連続した800mの筆記を行い、筆跡が形成されていない領域が連続して2mm以上ある箇所を線飛び部とし、その数を数えた。
筆記可能距離
各実施例、比較例のボールを使用したボールペンサンプルについて、自動筆記装置(TS−4C−10型、(株)精機工業研究所製)を使用して、筆記加重100g、筆記角度70度、毎秒10cmの速度でインテック(株)製NS−<55>カエテの用紙を移動させて螺旋状に連続筆記を行い、筆記可能距離を測定した。筆記可能な状態でインキがなくなる場合は継ぎ足して筆記を継続させた。
Figure 0005521748
Figure 0005521748
実施例1〜31のボールは、25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度が1g以下の第1族金属元素の塩及び/又は第2族金属元素の塩が被覆されたことによって、内方突出部の摩耗量および筆跡の線飛び数は少なくなり、筆記可能距離は延びるという極めて良好な結果を得ることができた。
中でも、実施例22〜26のボールは、平均粒子径2nm以上3000nm以下の無機粉体を付着させることによって、該無機粉体の滑り効果が発揮され更に良好な結果を得ることができ、実施例27〜31よりも良好な結果を得ることができた。
更に、実施例12〜16のボールは、該溶液中に平均粒子径2nm以上3000nm以下の無機粉体を混合・分散させることによって、さらに上記金属塩を強固に被覆させることができ、ボール回転に伴うボールと当接部の衝撃による表面からの剥奪が少なくなり、摩耗防止効果を長期的に持続することが可能になり、実施例22〜31よりも良好な結果を得ることができた。
更に、実施例1〜のボールは、前記金属元素の塩を超臨界二酸化炭素に溶解させた溶液に水を混合することによって、エントレーナ効果により上記金属塩の溶解度を飛躍的に高めることができ、ボール素球の表面に効率的に前記元素の塩を付着させることができ、ボール素球が表面に有する凹部に対する前記金属元素の塩の浸透性を高めることができたため、実施例12〜31よりも良好な結果を得ることができた。中でも、実施例1〜6は該溶液中に平均粒子径2nm以上3000nm以下の無機粉体を混合・分散させることによって、ボール回転に伴うボールと当接部の衝撃による表面からの剥奪が少なくなり、摩耗防止効果を長期的に持続することが可能になるため、更に良好な結果を得ることができた。

Claims (4)

  1. 25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度が1g以下の第1族金属元素の塩及び/又は第2族金属元素の塩と共に、平均粒子径2nm以上3000nm以下の無機粉体を付着させたボールペン用ボール。
  2. 前記金属元素の塩を超臨界二酸化炭素に溶解した溶液にボールの素球を浸漬し、前記金属元素の塩の被覆層を形成した請求項1に記載のボールペン用ボール。
  3. 前記超臨界二酸化炭素に25℃、100kPaの条件下での水100gへの溶解度が1g以下の第1族金属元素の塩及び/又は第2族金属元素の塩を溶解した溶液に、この溶液に対する不溶解物質としての平均粒子径2nm以上3000nm以下の無機粉体を混合し、この液中にボール素球を浸漬し、ボール素球の表面に前記金属元素の被覆層を形成すると共に無機粉体を付着させた請求項2に記載のボールペン用ボール。
  4. 前記第1族金属元素の塩及び/又は第2族金属元素の塩を超臨界二酸化炭素に溶解した溶液に水を混合使用した請求項2又は請求項3に記載のボールペン用ボール。
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