JP2016179684A - ボールペン用ボール - Google Patents

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Abstract

【目的】 長期経時してもボールが腐食しにくく、軽く滑らかな書き味と潤滑性を維持するボールペンを提供することを目的とするものである。【構成】 筆記部材としてのボールをボールホルダーの先端開口部より一部突出させた状態で回転可能に抱持したボールペンチップを、インキ収容管の先端に直接または接続部材を介して取り付けるボールペン用ボールにおいて、ボール表面に金属タンタルの被膜層を形成させてなるボールペン用ボール【選択図】 なし

Description

本発明は、被筆記面に接触してインキを転写し筆跡を形成する部材であるボールペン用ボールに関するものである。
ボールペンは、先端より一部を臨出させた筆記部材としてのボールをホルダーに回転自在に抱持させ、このボールの回転に伴いインキタンク内のインキを吐出させて紙面に転写し筆跡を形成するものであり、回転摩擦による滑らかな筆記感触や、長期にわたり使用しても筆跡幅が変わり難いなどの利点から広く使用されている。筆記部材としてのボールの材質としては、超硬と呼ばれる結合成分としてクロムやコバルトなどを含有するタングステンカーバイドの焼結体が知られているが、結合成分であるクロムやコバルトは、インキ中に溶出されることがあり、ボール表面が粗くなり、ボールホルダーとの摩擦抵抗が高まって筆記感が重たくなったり、ボールホルダーが摩耗して後退したボールがインキ通路を塞いでインキの吐出を阻害するなどの問題となることがあった。結合成分の溶出が進むと、タングステンカーバイドの微粒子が転落して、さらに大きな欠損が発生し問題が顕著になるものであった。
コバルトの溶出を防止するために、インキ中に酸素と結合する還元性を有する物質であるポリフェノールやハイドロキノン誘導体を添加したインキを使用したもの(特許文献1)や、ボール表面に物理的蒸着にて層状に酸化アルミニウム等を被覆したもの(特許文献2)が知られている。
特開平8−199107号公報 特開2001−80262号公報
特許文献1に記載の発明では、インキ中の還元性を有する物質がインキ中の溶存酸素と反応する際に生成されるパーオキシドラジカルがボールを攻撃し、結局はボールの結合成分を溶出させてしまい、ボール表面の粗さの増加を抑制できないという問題があった。
特許文献2に記載の物理的蒸着ではボールペンのボールのような小径の球状物質に均一に被覆させることは困難であり、結合層の溶出による表面粗さの増加を抑制することができなかった。
本発明は、表面に、少なくともタンタルを含有する膜を配置させたボールペン用ボールを要旨とする。
タンタルは、原子同士の結合エネルギーが強く耐食性が強い為、インキ中での溶出が起きない。また、タンタルは他金属と結合することでより強度が上がるので、ボール表面に少なくともタンタルを含有する膜が形成されていることにより、結合成分の溶出を防ぎ、ボールの表面粗さの増大を抑制することができるので、良好な書き味を長期継続できるようになるものと推察される。
本発明のボールペン用ボールの基材となる素球には、タングステンカーバイドや、酸化アルミニウム、酸化ジルコニア等をコバルト、ニッケルまたはクロム等をバインダー成分として焼結させた所謂超硬材などの、通常ボールペンに使用されているボールペン用ボールをそのまま使用することができる。
ボールを抱持するボールホルダーは、ステンレスなどの合金を機械的に切削、圧延加工などすることによって形成しボールの一部を突出した状態で抱持させてボールペンチップとし、このボールペンチップを、必要に応じて連結部材を介するなどしてインキ収容管に接続し、ボールペンとする。
ボールホルダーの形態としては、棒材を削りだして作られるものの他に、パイプ材を加工して得られるパイプ式ボールペンチップを使用することもできる。更に、ペン先の乾燥や、インキの漏れを防ぐためにコイルスプリングなどを配置して、ボールをボールホルダーの開口部内縁に押し付ける構造のものとすることもできる。
ボール表面に膜として存在させるタンタルは、単元素からなる金属結晶状態を意味する金属または酸化物や窒化物、炭化物、炭窒化物等の化合物を意味する金属化合物や、これら金属化合物と金属との混合物、他の金属または金属化合物との混合物でもよい。また、このタンタルを含有する膜の上に、更に他の材料を被覆させることもできる。例えば、4a、5a、6a族遷移金属の窒化物や酸化物、炭化物などの膜を形成すると、更に硬度や耐食性が向上するなどの点で有効である。
タンタルを含有する膜をボール表面上に配置する方法としては、化学蒸着法(CVD)やマイクロ波処理などが挙げられる。
上記化学蒸着法としては、レーザーを熱源として用いてレーザービームを収束して基板上を局所加熱する、熱レーザーCVDや、光レーザーを原料ガスの光化学分解反応の活性化に用いて、基板をほとんど加熱することなく成膜できる、光レーザーCVDなどがある。
また、上記マイクロ波処理とは、試料を金属微粒子中でマイクロ波加熱することにより、急速に加熱され、昇華した金属を試料に被覆させる方法である。
本発明に係るボールを使用したボールペンにて使用するインキは、筆跡・塗布跡を形成するものであり水を主媒体とする所謂水性インキ、有機溶剤を主媒体とする所謂油性インキのいずれをも使用することができる。また、腐食の要因になるパーオキシドラジカルを発生させる還元性を有する物質も使用することができる。
溶剤としては、水の他に、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール等の水溶性有機溶剤が使用できる。
着色剤としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料等の染料及び/又は各種のアゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料からなる着色剤が使用できる。その他に、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の樹脂やヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ガーガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸等の多糖類からなる粘度調整剤、界面活性剤、防錆剤、防黴・防腐剤、場合によっては、アスコルビン酸、コウジ酸やハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、タンニン酸、没食子酸等のポリフェノール類などの還元性を有する物質などが使用できる。
着色剤として顔料を用いた場合に、顔料を安定に分散させるために分散剤を使用することは差し支えない。分散剤として従来一般に用いられているスチレンアクリル酸塩やスチレンマレイン酸塩等の水溶性樹脂もしくは水可溶性樹脂や、アニオン系もしくはノニオン系の界面活性剤など、顔料の分散剤として用いられるものが使用できる。
その他に、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の樹脂やヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ガーガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸等の多糖類からなる粘度調整剤、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤等の界面活性剤、ベンゾトリアゾール、エチレンジアミン四酢酸等の防錆剤、デハイドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等の防黴・防腐剤、場合によっては、アスコルビン酸、コウジ酸やハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、タンニン酸、没食子酸等のポリフェノール類などの還元性を有する物質などが使用できる。
インキの乾燥、逆流を防ぐ目的で、粘調性の流体であるインキ逆流防止体を使用することもできる。
インキ逆流防止体は、基材としては、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等の不揮発性液体又は難揮発性液体などに、ゲル化剤として、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物などを添加したものとすることができる。そして、これに着色防止としてアルコール系溶剤やグリコール系溶剤、逆流防止として界面活性剤、樹脂、金属酸化物等の微粒子を添加することもできる。
実施例1
タンタル(Ta、(株)高純度化学研究所製)1.0gと、酸化タンタル(Ta、(株)高純度化学研究所製)1.0gと、タングステン(W、(株)高純度化学研究所製)1.0gと、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個とを、石英管に充填し、サセプタで囲み、マイクロ波照射装置(μReactorEx、四国計測工業(株)製)に投入して、大気中で800℃の状態で10分間保持した後、大気冷却することによりタンタルと酸化タンタルとタングステンの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
実施例2
ペンタメトキシタンタル(Ta(OCH、(株)高純度化学研究所製)と、五塩化タンタル(TaCl5、(株)高純度化学研究所製)と、タングステン(W、(株)高純度化学研究所製)1.0gを、真空で加熱昇華させた原料ガスを、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個に、光レーザーCVD(光レーザー装置S−210、(株)ケミトロニクス製)を用いて300℃で蒸着してタンタルと酸化タンタルとタングステンの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
実施例3
ペンタメトキシタンタル(Ta(OCH、(株)高純度化学研究所製)と五塩化タンタル(TaCl、(株)高純度化学研究所製)とタングステン(W、(株)高純度化学研究所製)1.0gを、真空で加熱昇華させた原料ガスを、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個に、熱レーザーCVD(サーマルレーザー装置CT−5500、(株)サンバック製)を用いて300℃で蒸着してタンタルと酸化タンタルとタングステンの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
実施例4
タンタル(Ta、(株)高純度化学研究所製)1.0gと、酸化タンタル(Ta、(株)高純度化学研究所製)1.0gと、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個とを、石英管に充填し、サセプタで囲み、マイクロ波照射装置(μReactorEx、四国計測工業(株)製)に投入して、大気中で800℃の状態で10分間保持した後、大気冷却することによりタンタルと酸化タンタルの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
実施例5
ペンタメトキシタンタル(Ta(OCH、(株)高純度化学研究所製)と、五塩化タンタル(TaCl5、(株)高純度化学研究所製)とを、真空で加熱昇華させた原料ガスを、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個に、光レーザーCVD(光レーザー装置S−210、(株)ケミトロニクス製)を用いて300℃で蒸着してタンタルと酸化タンタルの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
実施例6
ペンタメトキシタンタル(Ta(OCH、(株)高純度化学研究所製)と五塩化タンタル(TaCl、(株)高純度化学研究所製)とを、真空で加熱昇華させた原料ガスを、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個に、熱レーザーCVD(サーマルレーザー装置CT−5500、(株)サンバック製)を用いて300℃で蒸着してタンタルと酸化タンタルの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
実施例7
タンタル(Ta、(株)高純度化学研究所製)1.0gと、酸化タンタル(Ta、(株)高純度化学研究所製)1.0gと、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個とを、石英管に充填し、サセプタで囲み、マイクロ波照射装置(μReactorEx、四国計測工業(株)製)に投入して、大気中で800℃の状態で10分間保持した後、大気冷却することによりタンタルと酸化アルミニウムの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
実施例8
酸化アルミニウム(Al、(株)高純度化学研究所製)と五塩化タンタル(TaCl、(株)高純度化学研究所製)とを、真空で加熱昇華させた原料ガスを、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個に、光レーザーCVD(光レーザー装置S−210、(株)ケミトロニクス製)を用いて300℃で蒸着してタンタルと酸化アルミニウムの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
実施例9
酸化アルミニウム(Al、(株)高純度化学研究所製)と五塩化タンタル(TaCl、(株)高純度化学研究所製)とを、真空で加熱昇華させた原料ガスを、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個に、熱レーザーCVD(サーマルレーザー装置CT−5500、(株)サンバック製)を用いて300℃で蒸着してタンタルと酸化アルミニウムの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
実施例10
タンタル(Ta、(株)高純度化学研究所製)1.0gと、酸化チタン(TiO、(株)高純度化学研究所製)1.0gと、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個とを、石英管に充填し、サセプタで囲み、マイクロ波照射装置(μReactorEx、四国計測工業(株)製)に投入して、大気中で800℃の状態で10分間保持した後、大気冷却することによりタンタルと酸化チタンの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
実施例11
タンタル(Ta、(株)高純度化学研究所製)1.0gと、モリブデン(Mo、(株)高純度化学研究所製)1.0gと、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個とを、石英管に充填し、サセプタで囲み、マイクロ波照射装置(μReactorEx、四国計測工業(株)製)に投入して、大気中で800℃の状態で10分間保持した後、大気冷却することによりタンタルとモリブデンの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
実施例12
タンタル(Ta、(株)高純度化学研究所製)1.0gと、ニッケル(Ni、(株)高純度化学研究所製)1.0gと、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個とを、石英管に充填し、サセプタで囲み、マイクロ波照射装置(μReactorEx、四国計測工業(株)製)に投入して、大気中で800℃の状態で10分間保持した後、大気冷却することによりタンタルとニッケルの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
実施例13
酸化タンタル(Ta、(株)高純度化学研究所製)2.0gと、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個とを、石英管に充填し、サセプタで囲み、マイクロ波照射装置(μReactorEx、四国計測工業(株)製)に投入して、大気中で800℃の状態で10分間保持した後、大気冷却することにより酸化タンタルの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
実施例14
ペンタメトキシタンタル(Ta(OCH、(株)高純度化学研究所製)を真空で加熱昇華させた原料ガスを、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個に、光レーザーCVD(光レーザー装置S−210、(株)ケミトロニクス製)を用いて300℃で蒸着して酸化タンタルの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
実施例15
ペンタメトキシタンタル(Ta(OCH、(株)高純度化学研究所製)を真空で加熱昇華させた原料ガスを、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個に、熱レーザーCVD(サーマルレーザー装置CT−5500、(株)サンバック製)を用いて300℃で蒸着して酸化タンタルの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
実施例16
タンタル(Ta、(株)高純度化学研究所製)2.0gと、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個とを、石英管に充填し、サセプタで囲み、マイクロ波照射装置(μReactorEx、四国計測工業(株)製)に投入して、大気中で800℃の状態で10分間保持した後、大気冷却することによりタンタルの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
実施例17
五塩化タンタル(TaCl、(株)高純度化学研究所製)を真空で加熱昇華させた原料ガスを、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個に、光レーザーCVD(光レーザー装置S−210、(株)ケミトロニクス製)を用いて300℃で蒸着してタンタルの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
実施例18
五塩化タンタル(TaCl、(株)高純度化学研究所製)を真空で加熱昇華させた原料ガスを、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個に、熱レーザーCVD(サーマルレーザー装置CT−5500、(株)サンバック製)を用いて300℃で蒸着してタンタルの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
比較例1
酸化アルミニウム(Al、(株)高純度化学研究所製)2.0gと、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個とを、石英管に充填し、サセプタで囲み、マイクロ波照射装置(μReactorEx、四国計測工業(株)製)に投入して、大気中で800℃の状態で10分間保持した後、大気冷却することにより酸化アルミニウムの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
比較例2
トリエトキシアルミニウム(Al(OC、(株)高純度化学研究所製)を真空で加熱昇華させた原料ガスを、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個に、光レーザーCVD(光レーザー装置S−210、(株)ケミトロニクス製)を用いて300℃で蒸着して酸化アルミニウムの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
比較例3
トリエトキシアルミニウム(Al(OC、(株)高純度化学研究所製)を真空で加熱昇華させた原料ガスを、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個に、熱レーザーCVD(サーマルレーザー装置CT−5500、(株)サンバック製)を用いて300℃で蒸着して酸化アルミニウムの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
比較例4
酸化アルミニウム(Al、(株)高純度化学研究所製)1.0gを真空蒸着装置(EX−200、(株)アルバック製)を用いて直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個に300℃、10−3Paで10分間保持し酸化アルミニウムの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
比較例5
二酸化チタン(TiO、(株)高純度化学研究所製)2.0gと、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個を石英管に充填し、サセプタで囲み、マイクロ波照射装置(μReactorEx、四国計測工業(株)製)に投入して、大気中で800℃の状態で10分間保持した後、大気冷却することにより酸化チタンの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
比較例6
モリブデン(Mo、(株)高純度化学研究所製)2.0gと、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個とを、石英管に充填し、サセプタで囲み、マイクロ波照射装置(μReactorEx、四国計測工業(株)製)に投入して、大気中で800℃の状態で10分間保持した後、大気冷却することによりモリブデンの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
比較例7
ニッケル(Ni、(株)高純度化学研究所製)2.0gと、直径0.7mmの素球(PB−11、(株)ツバキナカシマ製)20個とを、石英管に充填し、サセプタで囲み、マイクロ波照射装置(μReactorEx、四国計測工業(株)製)に投入して、大気中で800℃の状態で10分間保持した後、大気冷却することによりニッケルの膜を配置したボールペン用ボールを得た。
経時試験
実施例1〜18および比較例1〜7のボールペン用ボールを、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BL57)のボールと取り換えて、50℃30%RHの高温槽に、ペン先を下向きにして90日間放置、更には120日間放置し、経時前後のボールペンの筆記抵抗値と、ボールの任意の20μm×20μmの表面粗さをそれぞれ測定した。このとき使用したインキは以下のインキとした。
インキ
Water Black 256L(黒色染料の14%水溶液、オリエント化学工業(株)製) 40.0重量部
エチレングリコール 10.0重量部
グリセリン 8.0重量部
プロクセルGXL(S)(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンの20%ジプロピレングリコール溶液、ロンザジャパン(株)製) 0.2重量部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.3重量部
水 41.5重量部
上記成分のうち、ケルザンARの全量を水5重量部に攪拌しながら加え1時間攪拌してケルザンARの溶液を得た。この液と残りの成分を混合し均一になるまで1時間攪拌して黒色水性インキを得た。このもののインキpHは8.5であった。
ボール表面粗さ測定方法
ボールの表面の粗さ(算術平均粗さ)を原子間力顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡SPI3800N、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)を用いて、ボールの任意の20μm×20μmの表面粗さをそれぞれ測定して、経時前後の変化を確認した。
筆記抵抗値の測定方法
静・動摩擦測定器(トリラボ トライボマスター Type:TL201Sa、(株)トリニティーラボ製)を用いて、筆記荷重100gf、筆記速度2mm/秒、筆記角度70条件で、直線筆記し、筆記方向にかかる荷重を筆記抵抗値として測定して、経時前後の変化を確認した。
結果を表1に示す。
Figure 2016179684
実施例1〜18のボールは、原子同士の結合エネルギーが強く耐食性が強いタンタルを含有する膜を配置させたことにより、ボールの結合成分やタングステンカーバイドの溶出が起こらず、ボール表面の表面粗さの増大を抑制することができるので、長期経時による良好な書き味が失われることがないという極めて良好な結果を得ることができた。
中でも実施例13〜15のボールは、タンタルの膜が酸化タンタルで配置されたことにより、更に安定な構造を得ることができ、緻密な膜が形成されていることにより、実施例16〜18よりも良好な結果を得ることができた。
更に実施例1〜12のボールは、配置された膜が金属タンタルと酸化タンタルで形成されているため、金属タンタルと酸化タンタルの結合により、更に強度が上がった緻密な膜が形成されていると推測され、これにより実施例13〜18よりも良好な結果を得ることができた。
又更に実施例1〜3のボールは、強度が上がった緻密な膜にタングステンが含まれているため、ボール表面のタングステンカーバイドとより強固に結合していると推測され、これにより実施例4〜18より良好な結果を得ることができた。
これに対して比較例1〜7は、結合の強い膜を得ることができず、また、ボール表面に均一な膜を得ることができないので、ボールの結合成分やタングステンカーバイドの溶出が起こり、ボール表面の表面粗さの増大を抑制することができず、長期経時により良好な書き味が失われてしまう。

Claims (3)

  1. 表面に、少なくともタンタルを含有する膜を配置させたボールペン用ボール。
  2. 前記膜が酸化タンタルを少なくとも含有する請求項1記載のボールペン用ボール。
  3. 前記膜がタンタルと酸化タンタルとを少なくとも含有する請求項1又は2に記載のボールペン用ボール。
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