JP5519408B2 - メモリ性液晶装置 - Google Patents

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Description

本発明は、メモリ性液晶パネルに関するものであり、特に液晶の2つの安定状態によるメモリ性効果を利用することによって、低消費電力であり、さらに表示品質の高い液晶装置に関するものである。
近年注目されている電子書籍や電子新聞などにおいて、表示品質を頻繁に切り替えないような携帯情報端末の表示装置として、メモリ性を有する液晶が注目されている。メモリ性を有するということは、すなわち電圧が無印加時においても表示状態を維持することができる。この特徴を用いることで液晶表示装置の消費電力を低減することが可能になる。メモリ性を有する液晶として、強誘電性液晶、コレステリック液晶等が知られている。
ここで、液晶パネルを駆動する方法について、メモリ性液晶として強誘電性液晶を用いて説明する。図2は、一般的な液晶パネルの構成を示す断面図である。図2に示すように、液晶パネル20は、約2μmの厚さの液晶層21を挟持した一対のガラス基板24a、24bと、これら2枚のガラス基板24a、24bを接着するシール剤25とで構成されている。ガラス基板24a、24bのそれぞれの対向面には、複数の画素をドットマトリクス状に配置するように透明電極(ITO)23a、23bが形成されており、その上に配向膜22a、22bが配置され、配向処理が成されている。
さらに、一方のガラス基板(以下、第1のガラス基板とする)24aの外側には、第1の偏光板26aが設置されている。他方のガラス基板(以下、第2のガラス基板とする)24bの外側には、第1の偏光板26aと偏光軸が90°異なるようにして第2の偏光板26bが設置されている。この第1の偏光板26aの外側には、図示しない反射板を配置してもよい。また、第1の偏光板26aと反射板の代わりに、偏光機能を備えた反射型偏光板を設置してもより。また、反射板を半透過反射板として第1の偏光板26aの内側に配置してもよい。
次に、強誘電性液晶の電気光学効果について説明する。図3は強誘電性液晶の透過率と電圧の特性図である。強誘電性液晶は2つの安定状態(強誘電状態)を持ち、その2つの安定状態はある閾値を超えた電圧を印加することによって状態が切り替わり、印加電圧の極性によって第1の強誘電状態(ON状態)あるいは第2の強誘電状態(OFF状態)を選択することができる。すなわち初期(電圧無印加)時には、第1あるいは第2の強誘電状態で安定して存在するが、電圧がV1を超えてV2まで印加されると、第1の強誘電状態になる。その状態から印加電圧を徐々に下げても第1の強誘電状態を維持する。さらに電圧をV3からV4を超えて印加することで液晶分子は第2の強誘電状態に切り替わる。その状態から印加電圧を徐々に上げても第2の強誘電状態を維持する。この特性図で明らかなように強誘電性液晶を用いた液晶ディスプレイは、電圧が無印加時すなわち消費電力がゼロの時においても、その透過率、つまり表示状態を維持(メモリ)できる。
図4は強誘電性液晶をマトリクス型の画素(例えば3×3)に形成したときの液晶パネルの平面図である。図4に示すようなマトリクス型の液晶パネルは、通常、時分割駆動方法によって表示を行っている。すなわち、走査電極群X1〜X3を1ライン毎に、例えばX1、X2、・・・と、走査電極駆動回路(図示せず)から走査電圧波形として電圧が順次印加され、それに同期して信号電極群Y1〜Y3へ信号電極駆動回路(図示せず)から信号電圧波形として電圧が並列に印加される。なお、信号電圧波形は画素に表示される内容に応じ変化する。
このとき、例えば、ON状態のときに白表示、OFF状態のときに黒表示になるように、図2で図示した液晶パネルの外側に配置した一対の偏光板26a、26bをそれぞれの吸収軸がクロスニコルになるように配置する。
一般に強誘電性液晶を用いた液晶ディスプレイの駆動方法では、全ての画素を2つの安定状態のどちらかの状態、つまり、黒表示か白表示かに設定するリセット期間と、表示データに基づく黒表示または白表示を決定する選択期間と、この選択期間で決定した表示を維持する非選択期間より構成されている。リセット期間では、選択期間の前に配置され、表示を実施する前に表示データに関わらず、全ての画素を2つの安定状態のどちらかの状態、つまり、黒表示か白表示となるようにリセットパルスが印加される。このように、リセット期間では、全ての画素を一旦黒表示、または白表示とし、前の表示状態をキャンセルするので、選択期間の選択パルスを印加する際に、常に安定して、黒表示または白表示を行うことが可能となり、コントラストのよい表示を実施することができる。
リセット期間で印加されるリセットパルスは、液晶層へ印加される電圧の極性が偏るのを防ぐため、従来の駆動方法では、正負の両極性パルスが用いられていた。しかしながら、両極性パルスを印加すると、リセットパルスを波高値で制御した場合には、リセット期間内で、閾値以上の両極性パルスが必要となるため、電圧を出力するドライバICの耐圧を大きくしなければならない、といった問題点があった。このような、問題点を解決するため、リセット期間を設けない駆動方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1に開示されている従来の駆動方法について、図5を用いて説明する。図5には、図4に示した強誘電性液晶パネルの1行1列の画素Pix(1,1)を白表示から黒表示、2行1列の画素Pix(2,1)を黒表示から白表示とする駆動波形を示している。
図5は、強誘電性液晶パネルを駆動するための走査電圧波形TP1、TP2と信号電圧波形SG1および画素Pix(1,1)、画素Pix(2,1)に印加する合成電圧波形TS(1,1)、TS(2,1)と、それぞれの画素における透過率曲線TV(1,1)、TV(2,1)を示したものである。横軸は時間であり、縦軸は各電圧波形に関しては電圧、透過率曲線に関しては透過率を示したものである。なお、透過率曲線TV(1,1)、TV(2,1)は上述した波形を強誘電性液晶パネルに印加したときの光学特性をフォトディテクタ等で検出したときのものである。
第1の走査期間では、TP1の選択期間において、走査電極X1に選択電圧−Vr/+Vrの双極性パルスが印加され、SG1の同期間において信号電極Y1には信号電圧0V/+Vcの片極性パルスが印加され、TP2の選択期間において、走査電極X2に選択電圧+Vr/−Vrの双極性パルスが印加され、SG1の同期間において信号電極Y1には信号電圧0V/−Vcの片極性パルスが印加される。
これにより、画素Pix(1,1)にはTP1の選択期間の前半部はTP1とSG1の差分の電圧−Vswとなり、図3の閾値電圧V4を超え、第2の強誘電状態すなわち黒表示となる。次にTP1の選択期間の後半部はTP1とSG1の差分の電圧+Vmeとなるが、図3の閾値電圧V1を超えないので、第2の強誘電状態すなわち黒表示のままである。同様に、画素Pix(2,1)にはTP2の選択期間の前半部はTP2とSG1の差分の電圧+Vswとなり、図3の閾値電圧V2を超え、第1の強誘電状態すなわち白表示となる。次にTP2の選択期間の後半部はTP2とSG1の差分の電圧−Vmeとなるが、図3の閾値電圧V3を超えないので、第1の強誘電状態すなわち白表示のままである。
非選択期間では、走査電圧波形TP1、TP2に図示するように、走査電極X1、X2に電圧0Vが印加され、信号電圧波形SG1に図示するように信号電極Y1に表示内容に応じた信号電圧0V/+Vcあるいは0V/−Vcの片極性パルスが印加される。合成電圧波形TS(1,1)、TS(2,1)で示す通り、非選択期間では、信号電圧波形SG1、SG2がそのまま反映され、0V/−Vcあるいは0V/+Vcのパルス列がPix(1,1)、Pix(2,1)に印加される。TS(1,1)では、図3の閾値電圧V1を超えないので、TP1の選択期間で決定された第2の強誘電状態を維持し、黒表示が持続される。TS(2,1)では、図3の閾値電圧V3を超えないので、TP2の選択期間で決定された第1の強誘電状態を維持し、白表示が持続される。
同じ表示を繰り返す場合、第2の走査期間では、TP1の選択期間において、走査電極X1に選択電圧+Vr/−Vrの双極性パルスが印加され、信号電極Y1には信号電圧−Vc/0Vの片極性パルスが印加され、TP2の選択期間において、走査電極X2に選択電圧−Vr/+Vrの双極性パルスが印加され、信号電極Y1には信号電圧+Vc/0Vの片極性パルスが印加される。
これにより、画素Pix(1,1)にはTP1の選択期間の前半部はTP1とSG1の差分の電圧+Vrcとなり、図3の閾値電圧V2を超え、第1の強誘電状態すなわち白表示となるが、TP1の選択期間の後半部でTP1とSG1の差分の電圧−Vswとなり、図3の閾値電圧V4を超え、第2の強誘電状態すなわち黒表示になる。同様に、画素Pix(2,1)にはTP2の選択期間の前半部はTP2とSG1の差分の電圧−Vrcとなり、図3の閾値電圧V4を超え、第2の強誘電状態すなわち黒表示となるが、TP2の選択期間の後半部はTP2とSG1の差分の電圧+Vswとなり、図3の閾値電圧V2を超え、第1の強誘電状態すなわち白表示になる。
非選択期間では、走査電極X1、X2に電圧0Vが印加され、信号電極Y1に表示内容に応じた信号電圧−Vc/0Vあるいは+Vc/0Vの片極性パルスが印加される。合成電圧波形TS(1,1)、TS(2,1)で示す通り、非選択期間では、信号電圧波形SG1、SG2がそのまま反映され、+Vc/0Vあるいは−Vc/0Vのパルス列がPix(1,1)、Pix(2,1)に印加される。TS(1,1)では、図3の閾値電圧V1を超えないので、TP1の選択期間で決定された第2の強誘電状態を維持し、黒表示が持続される。TS(2,1)では、図3の閾値電圧V3を超えないので、TP2の選択期間で決定された第1の強誘電状態を維持し、白表示が持続される。
これにより、特許文献1の駆動方法は、選択期間においては、ヒステリシス領域内の電圧波高値を有する極性順序が同じ双極性パルスだけで白、黒の表示が可能となり、さらに、走査電極側の駆動用ドライバICは、強誘電性液晶のスイッチング閾値の2倍の電圧で済むことから走査電極側の駆動用ドライバICの負担が軽減されることが示されている。
特開2000−56293号公報(第7頁、第1図)
しかしながら、従来技術のリセットのない駆動波形は、連続的なフリッカは低減可能であるが、画面を更新するとき、つまり第の走査期間と第2の走査期間の中の2回の選択期間にて極性反転を実施しているため、2回目の選択期間では、白黒(あるいは黒白)の瞬間的なちらつきが生じていた。
また、走査電極側の駆動用ドライバICの耐圧もスイッチング閾値の2倍の電圧が必要となっていた。さらに、正負の双極性のパルスで駆動するために、走査電極側の駆動用ドライバICの回路が複雑になるなどの問題があった。本発明は、耐圧性が低く、簡易な駆動用ドライバICの回路を用いても、ちらつきが生じない表示品質が良好なメモリ性液晶表示装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し目的を達成するために本発明のメモリ性液晶表示装置は以下の構成を採用する。一対の基板間に、2つの安定状態を持つメモリ性液晶を挟持し、複数の画素を配置した液晶装置であって、画素へのデータの書き込みは、第1フィールド期間と第2フィールド期間との2つのフィールド期間において、駆動回路が画素へ電圧を印加することによって実行され、駆動回路は、画素へ書き込まれる前記データが、2つの安定状態のうち、一方の安定状態である場合には、第1フィールド期間にて、一方の安定状態へメモリ性液晶が転移するセレクト電圧を画素へ印加し、第2フィールド期間では、第1フィールド期間で転移した状態を維持し、書き込まれるデータが、2つの安定状態のうち、他方の安定状態である場合には、第1フィールド期間では、第1フィールド期間より前の状態をそのまま維持し、第2フィールド期間にて、メモリ性液晶が他方の安定状態へ転移するセレクト電圧を画素へ印加することを特徴とする。
また、2つのフィールド期間は、選択期間と非選択期間とからなり、第1フィールド期間の選択期間で、一方の安定状態を選択し、第2フィールド期間の選択期間で、他方の安定状態を選択することを特徴とする。また、これらの画素は、一対の基板の一方の基板に配置された複数の走査電極と、他方の基板に配置された複数の信号電極とが対向した部分よりなり、駆動回路によって、走査電極には電圧ゼロと正または負の単一極性の電圧で構成される電圧波形の走査電圧が印加され、かつ信号電極にも電圧ゼロと走査電圧と同極性の単一極性の電圧で構成される電圧波形の信号電圧が印加され、画素に印加される電圧は走査電圧と信号電圧の合成電圧波形で構成され、第1フィールド期間及び第2フィールド期間における合成電圧波形の極性は、各フィールド期間内で、極性反転していることを特徴とする。
本発明によれば、表示画面を更新するときに、双極性パルスを用いずに、データの書き込みが行われるため、その表示品質を著しく低下させる原因となるちらつきがなくすことができる。画面更新に費やす時間は2走査期間必要になるが、1/4デューティ駆動程度の低分割のセグメント表示では全く問題にならない。たとえ高分割のドットマトリクス表示であっても白から黒あるいは黒から白へ変化する画素のみが順次変わるため、液晶パネル全体が、表示変化するわけでないので、ちらつきとして認識されない。
また、駆動波形は正あるいは負の片極性のパルスのみで実現できるため、駆動用ドライバICの回路の簡略化が実現できる。さらに、駆動電圧もメモリ性液晶の閾値程度の電圧で済むため低電力化が実現でき、ICの耐圧が低くできるのでICの低コスト化も実現できる。
また、走査電圧波形と信号電圧波形のパルス発生のタイミングが、従来の一般的な駆動波形と異なるだけで、アナログ回路の構成や使用する電源電圧は同一仕様で設計できるため、走査電極側と信号電極側の駆動用ドライバを1チップのIC化するときは特に有効である。
本発明の第1の実施の形態のメモリ性液晶における駆動波形と印加電圧と光学応答と関係を示す特性図である。 本発明の液晶表示パネルの構成を示す断面図である。 強誘電性液晶における印加電圧と透過率との関係を示す特性図である。 マトリクス型の画素(例えば3×3)に形成したときの電極構成図と特定画素の表示切り替え状態を示す図である。 従来のメモリ性液晶における駆動波形と印加電圧と光学応答と関係を示す特性図である。 マトリクス型の画素に形成したときの電極構成図と特定画素の表示切り替え状態を示す図である。 本発明で駆動したときに液晶パネルに表示されるイメージ図である。 本発明の液晶ドライバICのブロック構成図である。 本発明の第1の実施の形態のセグメントドライバとコモンドライバを説明する動作表である。 本発明の第2の実施の形態のセグメントドライバとコモンドライバを説明する動作表である。 本発明の第2の実施の形態のメモリ性液晶における駆動波形と印加電圧と光学応答と関係を示す特性図である。 本発明の第3の実施の形態のセグメントドライバとコモンドライバを説明する動作表である。 本発明の第3の実施の形態のメモリ性液晶における駆動波形と印加電圧と光学応答と関係を示す特性図である。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる第1のメモリ性液晶表示装置の実施の形態について詳細に説明する。本実施形態では、メモリ性液晶として、強誘電性液晶を用いる。強誘電性液晶パネルの構成としては、前述した従来の構成を採用することができるので、ここでは説明を省略する。
図6は、強誘電性液晶パネルの4行3列のマトリクス状に配置された画素が、白又は黒のデータが書き込まれる過程を示している。本実施形態では、一方の安定状態を黒データが書き込まれた表示状態としているが、本発明は、白データが書き込まれた状態に設定しても、いずれの場合でも実施できる。図6(a)では、画素Pix(1,1)及び画素Pix(3,1)は、白データが書き込まれている状態を示し、画素Pix(2,1)及び画素Pix(4,1)は、黒データが書き込まれている状態を示している。図6(b)は、第1フィールド期間が終了した後の各画素における書き込み状態が示されており、図6(c)は、各画素への書き込みが終了した状態を示している。
図1は、図6における強誘電性液晶パネルの1行1列の画素Pix(1,1)を白データの表示から、黒データの書き込みを行う場合、及び2行1列の画素Pix(2,1)を黒データの表示から白データの表示とする場合の走査電極駆動回路から出力する走査電圧波形TP1、TP2と信号電極駆動回路から出力する信号電圧波形SG1、及び画素に印加する合成電圧波形TS(1,1)、TS(2,1)と強誘電性液晶の透過率曲線TV(1,1)、TV(2,1)を示したものである。横軸は全て時間であり、縦軸は各電圧波形に関しては電圧、透過率曲線に関しては強誘電性液晶パネルに印加したときの光学特性をフォトディテクタ等で検出したときのものである。画素への書き込みは、2つのフィールド期間(F1,F2)で実施され、また、1つのフィールド期間は、表示データに基づく黒表示または白表示を決定する選択期間SEと、この選択期間SEで決定した表示を維持する非選択期間NSEより構成されている。
図6(a)及び(b)に図示したように、1行1列の画素Pix(1,1)は、白データの書き込みモード(白表示)の状態から、第1フィールド期間F1において、黒データの書き込みモード(黒表示)が行われる。この際、画素Pix(1,1)に印加される電圧波形は、図1に示すように、走査電極波形TP1における第1フィールド期間F1の選択期間SEでは、走査電極X1に電圧VHと0Vから構成される4位相のパルスが印加され、同時期の信号電極Y1には信号電極波形SG1で示すような0Vと電圧VSから構成される4位相のパルスが印加される。これにより、画素Pix(1,1)には合成波形TS(1,1)で示すような電圧+VHと電圧−VSから構成される4位相のパルスが選択期間SEに印加されるが、最初の選択パルスは、電圧+VHであるので、図3の閾値電圧V3を超えず直前の表示状態を維持する。そして、その後のセレクト電圧−VSが液晶層に印加されることで、図3の閾値電圧V4を超え、第2の強誘電状態となり、透過率曲線TV(1,1)に図示されるように透過率は下がり、白表示から黒表示に変化する。
次に、第2のフィールド期間F2において画素Pix(1,1)へ印加される駆動電圧波形を説明する。図6(b)及び(c)に図示したように、1行1列の画素Pix(1,1)は、第2フィールド期間F2において、第1フィールド期間F1で書き込まれた黒データの書き込みモード(黒表示)が維持される。
図1の第2フィールド期間F2における走査電圧波形TP1及び信号電圧波形SG1に示すように、基準電位を第1のフィールド期間F1の0Vから、第2のフィールド期間F2では電圧VSへ変更する。そして、第2のフィールド期間F2における走査電極波形TP1の選択期間SEでは、走査電極X1に電圧VDと電圧VSから構成される4位相のパルスが印加され、同時期の信号電極Y1には信号電極波形SG1で示すような電圧VSと電圧VHと電圧VDから構成される4位相のパルスが印加される。
これにより、画素Pix(1,1)には合成波形TS(1,1)で示すような電圧−VHと電圧+VHから構成される4位相のパルスが印加される。このように、選択期間SEに電圧−VHと電圧+VHが液晶に印加されても図3の閾値電圧V1を超えないので、第1フィールド期間F1で決定した表示状態の第2の強誘電状態(黒表示)が維持され、透過率曲線TV(1,1)に図示されるように、透過率は下がったまま黒表示を持続する。
このように、画素Pix(1,1)では、画素へ書き込まれるデータが、一方の安定状態である黒表示であったので、第1フィールド期間F1の期間で、黒表示となる閾値を超える電圧が選択期間SEで印加され、第2フィールド期間F2の期間では、第1フィールド期間F1の期間の状態を維持している。
次に、図6に図示した2行1列の画素Pix(2,1)の電圧波形と表示状態について図1と図6を用いて説明する。図6(a)及び(b)に図示したように、2行1列の画素Pix(2,1)は、黒データの書き込みモード(黒表示)の状態から、第1フィールド期間F1においては、そのまま維持され、第2フィールド期間F2において、白データの書き込みモード(白表示)が行われる。ここで、図1における電圧値VSは、図3における閾値電圧V1およびV3に対応し、電圧値VD及び電圧値VHは、V3<VD<V1、V3<VH<V1の範囲である。また、本実施形態では、電圧値VD=2×電圧値VHに設定している。
この際、画素Pix(2,1)に印加される電圧波形は、図1に示すように、走査電極波形TP2における第1フィールド期間F1の選択期間SEでは、走査電極X2に電圧VHと0Vから構成される4位相のパルスが印加され、同時期の信号電極Y1には信号電極波形SG1で示すような0Vと電圧VDと電圧VHから構成される4位相のパルスが印加される。これにより、画素Pix(2,1)には合成波形TS(2,1)で示すように、選択期間では0Vと電圧+VHと電圧−VHから構成される4位相のパルスが印加される。電圧+VHと電圧−VHが液晶層に印加されても、図3の閾値電圧V1を超えないので、第1フィールド期間F1の期間前の表示状態である第2の強誘電状態を維持し、透過率曲線TV(2,1)に図示されるように透過率は下がったまま、黒表示を持続する。
次に、第2のフィールド期間F2において画素Pix(2,1)へ印加される駆動電圧波形を説明する。図6(b)及び(c)に図示したように、2行1列の画素Pix(2,1)は、第2フィールド期間F2において、第1フィールド期間F1で書き込まれた黒データの書き込みモード(黒表示)から、白データの書き込みモード(白表示)が行われる。
図1の第2フィールド期間F2における走査電圧波形TP2及び信号電圧波形SG1に示すように、基準電位を第1のフィールド期間F1の0Vから、第2のフィールド期間F2では電圧VSへ変更する。そして、図1に示すように、第2フィールド期間F2の選択期間SEでは、走査電極波形TP2に示すように、走査電極X2に電圧VDと電圧VSから構成される4位相のパルスが印加され、同時期の信号電極Y1には信号電極波形SG1で示すような、電圧VSと0Vから構成される4位相のパルスが印加される。
これにより、画素Pix(2,1)には合成波形TS(2,1)で示すように、選択期間SEに電圧−VHとセレクト電圧+VSから構成される4位相の選択パルスが印加され、電圧+VSが液晶層に印加されることで、図3の閾値電圧V2を超え、透過率曲線TV(2,1)に図示されるように透過率は上がり、第1の強誘電状態へ、すなわち黒表示から白表示へと変化する。
このように、画素Pix(2,1)では、画素へ書き込まれるデータが、他方の安定状態である白表示であったので、第1フィールド期間F1の期間で、第1フィールド期間F1の期間の状態を維持し、第2フィールド期間F2の期間では、白表示となる閾値を超える電圧が、選択期間SEで画素Pix(2,1)へ印加される。
このように、画素に印加される電圧は走査電圧と信号電圧の合成電圧波形で構成され、第1フィールド期間及び第2フィールド期間における合成電圧波形の極性に注目すると、各フィールド期間内で、極性反転している。この極性反転について、以下詳細に説明する。各フィールド期間内に設定された選択期間(SE)は、複数のパルス列により構成されているが、表示の状態が転移するのは、閾値を超えたセレクト電圧(+VS、−VS)を印加することによって実施される。図1にも図示したように、選択期間(SE)において、セレクト電圧(+VS、−VS)の前に、複数のパルス±VHが印加される。このとき、これらのパルス±VHの電圧値を電圧値Pav、時間幅Patとし、セレクト電圧±VSの電圧値を電圧値Psv、時間幅Pstとすると、以下の式を満足するように、それぞれのパルスのパルス幅、パルス高さ設定する。ただし、nはパルスの数である。
n×|Pav|=|Psv|かつ|Pat|=n×|Pst|
このように、それぞれのパルスを設定することによって、各フィールド期間内で、合成電圧波形の極性反転を行うことができる。各フィールド期間内で、極性反転が行われるため、液晶層に印加される電圧の極性に偏りがないため、良好な表示を維持することができる。
次に本実施の形態における表示内容が切り替わる瞬間について、図7に複数の画素を用いて数字を表したイメージ図を示す。初期状態が図7(a)、第1フィールド期間F1が終了した状態が図7(b)、データが書き込まれた後を図7(c)に図示している。
ここで、一方の安定状態を黒表示と設定すると、書き込まれるデータが黒表示となる画素、つまり、図7(c)の時点で黒表示となる画素は、第1のフィールド期間F1で、一旦全て黒表示になるように電圧を印加し、書き込まれるデータが白表示となる画素、つまり、図7(c)の時点で白表示となる画素は、第1のフィールド期間F1で、図7(a)の状態をそのまま維持する(図7(b))。
そして、書き込まれるデータが黒表示となる画素は、第2フィールド期間F2で、図7(b)の状態をそのまま維持し、書き込まれるデータが白表示となる画素、つまり、図7(c)の時点で白表示となる画素は、第2フィールド期間F2で、白のデータを画素へ書き込む。(図7(c))
図8に本実施の形態における走査電圧波形と信号電圧波形を発生する液晶ドライバICのブロック構成図を示す。液晶ドライバIC70の表示制御回路71は、CPU(図示しない)からの表示制御コードCSを内部バス78から入力し、フィールド制御信号M、電源制御信号P1、シフトクロックP2、メモリ制御信号P3、ラッチクロックP4、選択制御信号P5を出力する。
また、電源回路77は、電源制御信号P1によって動作を開始し、強誘電性液晶パネル(図示しない)を駆動するために電圧VS、電圧VD、電圧VH、0Vをセグメントドライバ74とコモンドライバ76に出力する。
次に表示メモリ72は、メモリ制御信号P3によって内部バス78から表示情報である表示データDを入力し、内部に一時記憶する。そして、表示メモリ72は、記憶した表示データDをメモリ制御信号P3のタイミングで記憶表示データD´としてシフトレジスタ
73に順次出力する。また、シフトレジスタ73は、シフトクロックP2のタイミングに同期して記憶表示データD´をシリアル入力して記憶し、記憶された記憶表示データD´とフィールド制御信号Mを論理合成してセグメント表示データDsとしてパラレル出力する。また、セグメントドライバ74は、シフトレジスタ73からのセグメント表示データDsを入力し、その論理に基づいて電源回路77からの電圧VSと電圧VDと電圧VHと0Vを切り替えて信号電圧波形を出力する。なお、セグメントドライバ74の動作の詳細は後述する。
次にコモンデータラッチ75は、フィールド制御信号Mと選択制御信号P5を入力し、ラッチクロックP4のタイミングで記憶して、コモンデータDcとして順次出力する。また、コモンドライバ76は、コモンデータラッチ75からのコモンデータDcを入力し、その論理に基づいて電源回路77からの電圧VSと電圧VDと電圧VHと0Vを切り替えて走査電圧波形を出力する。なお、コモンドライバ77の動作の詳細は後述する。
次にセグメントドライバ74とコモンドライバ76の動作を図9の動作表によって説明する。セグメントドライバ74は、入力するセグメントデータDsの論理によって電源回路77から入力する電圧VSと電圧VDと電圧VHと0Vを切り替えて信号電圧波形を生成する。ここで、セグメントデータDsは、前述したように記憶表示データD´とフィールド制御信号Mとに基づいた信号であり、また、記憶表示データD´は、表示データDが表示メモリ72で記憶された情報である。したがって、セグメントドライバ74の動作は表示データDとフィールド制御信号Mの論理によって決定される。図9(a)は、セグメントドライバ74が表示データDとフィールド制御信号Mの論理によってどのような電圧のパルス列を生成するかを示している。
図9(a)において、表示データDとフィールド制御信号Mの組み合わせ(D,M)が(L,L)のときセグメントドライバから出力するパルス列の各電圧は0V/0V/0V/VSとなり、(H,L)のときパルス列の各電圧は0V/0V/VD/VHとなり、(L,H)のときパルス列の各電圧はVS/VS/VH/VDとなり、(H,H)のときパルス列の各電圧はVS/VS/VS/0Vとなる。なお、図9(a)で示すセグメント出力電圧は、図8のセグメントドライバ74のセグメント出力端子SE1〜SEnから出力される駆動電圧を示している。
コモンドライバ76は、入力するコモンデータDcの論理によって電源回路77から入力する電圧VSと電圧VDと電圧VHと0Vを切り替えて走査電圧波形を生成する。ここで、コモンデータDcは、前述したように選択制御信号P5とフィールド制御信号Mに基づいた信号であり、選択制御信号P5は表示制御回路71で生成される信号である。したがって、コモンドライバ76の動作は選択制御信号P5とフィールド制御信号Mの論理によって決定される。図9(b)は、コモンドライバ86が選択制御信号P5とフィールド制御信号Mの論理によってどのような電圧のパルス列を生成するかを示している。
図9(b)において、選択制御信号P5とフィールド制御信号Mの組み合わせ(P5,M)が(L,L)のときコモンドライバから出力するパルス列の各電圧は0V/0V/VH/VDとなり、(H,L)のときパルス列の各電圧はVH/VH/VH/0Vとなり、(L,H)のときパルス列の各電圧はVS/VS/VD/VHとなり、(H,H)のときパルス列の各電圧はVD/VD/VD/VSとなる。なお、図9(b)で示すコモン出力電圧は、図8のコモンドライバ76のコモン出力端子CM1〜CMnから出力される駆動電圧を示している。
このようにセグメントドライバ74とコモンドライバ76は入力する電源を正側(あるいは負側)の単一極性の電位で構成できるので、ドライバの小型化が可能になり、消費す
る電力も低減できる。さらに、セグメントドライバ74とコモンドライバ76の回路構成も論理回路以外のアナログ部分は共通化できるので、駆動用ドライバICを1チップ化したときに特に効率よく設計することが可能である。
本実施形態では、図6のように走査電極4本、信号電極3本を備えた電極配置例で説明したが、当然ながら、それぞれの電極本数はもっと多くても構わない。また、このように走査電極と信号電極を設けるのではなく、任意のセグメント電極とその周りに設けた周囲の電極などのような、別形状の電極形状であっても構わない。
次に、本発明にかかる別の実施の形態について詳細に説明する。本実施形態では、強誘電性液晶パネルの構成としては前述した従来の構成を採用し、液晶ドライバICのブロック図は先の実施の形態と同様であるため、重複する説明は省略する。
図10は、先に示した図9とは異なる出力組み合わせを設定したセグメントドライバ動作表とコモンドライバ動作表を示している。図10(a)は、図8のセグメントドライバ74のセグメント出力端子SE1〜SEnから出力される駆動電圧を示しており、図10(a)において、図8の表示データDとフィールド制御信号Mの組み合わせ(D,M)が(L,L)のときセグメントドライバ74から出力するパルス列の各電圧は0V/0V/0V/VSとなり、(H,L)のときパルス列の各電圧は0V/VD/0V/VHとなり、(L,H)のときパルス列の各電圧はVS/VH/VS/VDとなり、(H,H)のときパルス列の各電圧はVS/VS/VS/0Vとなる。
図10(b)は、図8のコモンドライバ76のコモン出力端子CM1〜CMnから出力される駆動電圧を示しており、図10(b)において、図7の選択制御信号P5とフィールド制御信号Mの組み合わせ(P5,M)が(L,L)のときコモンドライバ76から出力するパルス列の各電圧は0V/VH/0V/VDとなり、(H,L)のときパルス列の各電圧はVH/VH/VH/0Vとなり、(L,H)のときパルス列の各電圧はVS/VD/VS/VHとなり、(H,H)のときパルス列の各電圧はVD/VD/VD/VSとなる。
図10(a)及び(b)の組み合わせを用いて、図1と同様に、図6における1行1列の画素Pix(1,1)を白表示から黒表示、2行1列の画素Pix(2,1)を黒表示から白表示とする電圧波形を示したのが図11である。図11には、コモンドライバ76から出力する走査電圧波形TP1、TP2とセグメントドライバ74から出力する信号電圧波形SG1および画素に印加する合成電圧波形TS(1,1)、TS(2,1)と強誘電性液晶の透過率曲線TV(1,1)、TV(2,1)を示した。
例えば、液晶パネルの製造過程で、特性ばらつき等に起因するパネル内の閾値ムラが生じた場合には、非選択期間に閾値電圧より低い電圧が続けて液晶に印加されることで、書き込まれたデータが転移してしまう、つまり表示状態から変化してしまうという問題が発生する。本実施形態で示した図11の駆動波形は、画素Pix(2,1)の第1フィールド期間F1の選択期間において、図1においては、電圧+VHと−VHが2パルス続けて画素へ電圧が印加されていたが、図11においては、正負の電圧±VHが交互に画素へ印加されている。よって、パネル内に閾値ムラが発生していても、書き込まれたデータが転移するといったことがなくなる。
なお、画素Pix(1,1)の第1フィールド期間F1における選択期間では、電圧+VHが3パルスほど続けて印加されるが、仮に、液晶パネルの閾値ムラで、このときに白の表示に転移したとしても、次の−VSで確実に黒に表示が変化するので、液晶パネルの表示品質に問題は生じない。
次に、本発明にかかる別の実施の形態について詳細に説明する。本実施形態では、強誘電性液晶パネルの構成としては前述した従来の構成を採用し、液晶ドライバICは、図8のブロック図にて、電源回路77に電圧VRの出力を追加する以外、先の実施の形態と同様であるため、重複する説明は省略する。
図12は、先に示した図9及び図10とは異なる出力組み合わせを設定したセグメントドライバ動作表とコモンドライバ動作表を示している。図12(a)は、図8のセグメントドライバ74のセグメント出力端子SE1〜SEnから出力される駆動電圧を示しており、図12(a)において、図8の表示データDとフィールド制御信号Mの組み合わせ(D,M)が(L,L)のときセグメントドライバ74から出力するパルス列の各電圧は0V/0V/0V/0V/VRとなり、(H,L)のときパルス列の各電圧は0V/0V/VD/0V/VDとなり、(L,H)のときパルス列の各電圧はVR/VR/VD/VR/VDとなり、(H,H)のときパルス列の各電圧はVR/VR/VR/VR/0Vとなる。
図12(b)は、図8のコモンドライバ76のコモン出力端子CM1〜CMnから出力される駆動電圧を示しており、図12(b)において、図8の選択制御信号P5とフィールド制御信号Mの組み合わせ(P5,M)が(L,L)のときコモンドライバから出力するパルス列の各電圧は0V/0V/VH/0V/VSとなり、(H,L)のときパルス列の各電圧はVH/VH/VH/VH/0Vとなり、(L,H)のときパルス列の各電圧はVR/VR/VS/VR/VHとなり、(H,H)のときパルス列の各電圧はVS/VS/VS/VS/VRとなる。
図12(a)、(b)の組み合わせを用いて、図1と同様に、図6における1行1列の画素Pix(1,1)を白表示から黒表示、2行1列の画素Pix(2,1)を黒表示から白表示とする電圧波形を示したのが図13である。図13では、図1と同様に、図6における画素Pix(1,1)を白表示から黒表示、画素Pix(2,1)を黒表示から白表示とするために、コモンドライバ76から出力する走査電圧波形TP1、TP2とセグメントドライバ74から出力する信号電圧波形SG1および画素に印加する合成電圧波形TS(1,1)、TS(2,1)と強誘電性液晶の透過率曲線TV(1,1)、TV(2,1)を示した。
図13で明らかなように、例えば2行1列の画素Pix(2,1)の選択期間において、図1では選択期間が4位相、電圧レベルが4つで構成されていたが、図13では5位相、電圧レベルが5つで構成されている。これにより、液晶パネルの特性ばらつき等により、非選択期間に印加される電圧がより低くなるので、非選択期間で所望の表示状態から変化してしまうといったことがなくなる。なお、2行1列の画素Pix(2,1)の選択期間において、電圧−VDが液晶に印加されたとしても1パルスであるため、所望の表示から反転するまでには至らず、液晶パネルの表示品質に問題は生じない。
本実施形態で示した図1、図11および図13の駆動波形において、電圧の切り替わり時に0Vを挿入しているが、この長さは有限でも0でもよい。また、説明上、第1のフィールド期間F1で黒表示を書き込み、第2のフィールド期間F2で白表示を書き込むこととしているが、これは説明のための便宜上用いただけで、第1のフィールド期間F1で白表示を書き込み、第2のフィールド期間F2で黒表示を書き込むこととしても全く問題はない。また、同様に基準電位についても、本実施形態では、第1のフィールド期間F1で0V、第2のフィールド期間F2で電圧VSとなっているが、第1のフィールド期間F1が電圧VS、第2のフィールド期間F2が0Vでも全く問題ない。
また、いずれの実施形態においても、画素に印加される電圧は走査電圧と信号電圧の合
成電圧波形で構成され、第1フィールド期間及び第2フィールド期間における合成電圧波形の極性に注目すると、各フィールド期間内で、極性反転している。また、先に説明したように、選択期間(SE)において、セレクト電圧(+VS、−VS)の前に、複数のパルス±VHが印加されるが、これらのパルス幅、パルス高さは、以下のように設定する。
n×|Pav|=|Psv|かつ|Pat|=n×|Pst|
ただし、パルス±VHの電圧値を電圧値Pav、時間幅Patとし、セレクト電圧±VSの電圧値を電圧値Psv、時間幅Pstとする。
このように、それぞれのパルスを設定することによって、各フィールド期間内で、合成電圧波形の極性反転を行うことができ、液晶層に印加される電圧の極性に偏りがないため、良好な表示を維持することができる。
以上、各実施形態で説明したように、複数のフィールド期間により画素の書き込みが行われ、1枚の表示画像を得るように、例えば、第1のフィールド期間では一方の安定状態を選択し、第2のフィールド期間では他方の安定状態を選択するようにする。これにより、表示内容の変更時に生じるちらつきがなくなり、表示品質が向上する。
以上のように、本発明にかかる液晶表示装置は、携帯情報端末の表示媒体に有用であり、電力電子棚札などの低消費電力でかつ高い視認性が必要である端末に適している。また、表示内容を書き換えて表示する際においては、必要な画素のみが黒から白あるいは白から黒へと変化するだけなので、ちらつき等の違和感がなくなる。特に走査電極数が少ない場合、その書き換え時間が短期間になるので、特にセグメント型などの分割数の少ない表示端末の用途などには非常に適している。
TP1 1行目の走査電極波形
TP2 2行目の走査電極波形
SG1 1列目の信号電極波形
TS(1,1) 1行1列の画素に印加する合成波形
TS(2,1) 2行1列の画素に印加する合成波形
TV(1,1) 1行1列の画素の透過率特性波形
TV(2,1) 2行1列の画素に透過率特性波形
20 液晶パネル
21 液晶層
22a、22b 配向膜
23a、23b 透明電極
24a、24b ガラス基板
25 シール材
26a、26b 偏光板
X1、X2、X3 走査電極
Y1、Y2、Y3 信号電極
70 液晶ドライバ
71 表示制御回路
72 表示メモリ
73 シフトレジスタ
74 セグメントドライバ
75 コモンデータラッチ
76 コモンドライバ
77 電源回路
78 内部バス
SE1〜SEn セグメント出力端子
CM1〜CMn コモン出力端子
D 表示データ
D´ 記憶表示データ
Dc コモンデータ
Ds セグメント表示データ
CS 表示制御コード
M フィールド制御信号
P1 電源制御信号
P2 シフトクロック
P3 メモリ制御信号
P4 ラッチクロック
P5 選択制御信号

Claims (2)

  1. 一対の基板間に、2つの安定状態を持つメモリ性液晶を挟持し、複数の画素を配置した液晶装置であって、
    前記画素へのデータの書き込みは、第1フィールド期間と第2フィールド期間との2つのフィールド期間において、駆動回路が前記画素へ電圧を印加することによって実行され、前記駆動回路は、前記画素へ書き込まれる前記データが、前記2つの安定状態のうち、一方の安定状態である場合には、前記第1フィールド期間にて、前記一方の安定状態へ前記メモリ性液晶が転移するセレクト電圧を前記画素へ印加し、前記第2フィールド期間では、前記第1フィールド期間で転移した状態を維持し、
    書き込まれる前記データが、前記2つの安定状態のうち、他方の安定状態である場合には、前記第1フィールド期間では、前記第1フィールド期間より前の状態をそのまま維持し、前記第2フィールドにて、前記メモリ性液晶が前記他方の安定状態へ転移するセレクト電圧を前記画素へ印加し、
    前記2つのフィールド期間は、選択期間と非選択期間とからなり、前記第1フィールド期間の選択期間で、前記一方の安定状態を選択して前記セレクト電圧を印加し、前記第2フィールド期間の選択期間で、前記他方の安定状態を選択して前記セレクト電圧を印加し、
    前記画素は、前記一対の基板の一方の基板に配置された複数の走査電極と、他方の基板に配置された複数の信号電極とが対向した部分よりなり、
    前記駆動回路によって、前記走査電極には電圧ゼロと正または負の単一極性の電圧で構成される電圧波形の走査電圧が印加され、かつ前記信号電極にも電圧ゼロと前記走査電圧と同極性の単一極性の電圧で構成される電圧波形の信号電圧が印加され、
    前記画素に印加される電圧は前記走査電圧と前記信号電圧の合成電圧波形で構成され、前記第1フィールド期間及び前記第2フィールド期間における前記合成電圧波形の極性は、各フィールド期間内で、極性反転しており、
    各選択期間において前記セレクト電圧の前に、逆極性の一定電圧の複数のパルスを配置してあり、これらのパルスの個数をn、電圧値をPav、時間幅合計をPatとし、前記セレクト電圧の電圧値をPsv、時間幅をPstとするとき、次の式、
    n×|Pav|=|Psv|、かつ|Pat|=n×|Pst|
    を満足していることを特徴とするメモリ性液晶装置。
  2. 請求項1に記載のメモリ性液晶装置において、
    前記セレクト電圧は、前記メモリ性液晶が、前記2つの安定状態のいずれかの安定状態へ転移する閾値電圧よりも絶対値が大きい電圧であることを特徴とするメモリ性液晶装置。
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