JP3029896B2 - マトリックス型液晶表示装置および該液晶表示装置の駆動方法 - Google Patents

マトリックス型液晶表示装置および該液晶表示装置の駆動方法

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JP3029896B2
JP3029896B2 JP3270381A JP27038191A JP3029896B2 JP 3029896 B2 JP3029896 B2 JP 3029896B2 JP 3270381 A JP3270381 A JP 3270381A JP 27038191 A JP27038191 A JP 27038191A JP 3029896 B2 JP3029896 B2 JP 3029896B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マトリックス型液晶表
示装置およびマトリックス型液晶表示装置の駆動方法に
関し、さらに詳しくは、光シャッターあるいは文字・画
像表示などに用いるためのマトリックス型反強誘電性液
晶表示装置および該液晶表示素子の駆動方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示素子として、TN
(ツイスト・ネマチック)型やSTN(スーパー・ツイ
ストテッド・ネマチック)型など、さまざまの型が研究
されてきた。
【0003】近年では、新しい型として強誘電性液晶が
メモリー性・高速応答性などの特徴を有するものとして
着目されている〔特開昭56−107216号〕。
【0004】しかし、実際には、スメチック層構造が理
想的なブック・シェルフ構造ではなく、シェブロン構造
になっているため、メモリー性など所期の特性が得られ
ない。
【0005】これら従来技術の問題点を解決する方法と
して、印加電圧レベルによって三つの安定状態を設定
し、該状態間をスイッチングするに当り印加電圧−透過
光量特性に特有のヒステリシス特性を持たせ、前記三安
定状態と前記ヒステリシス特性との関連において調整電
圧と消去電圧および書込電圧とからなる三パルス電圧を
印加するようになした「マトリクス型強誘電性液晶表示
装置」(特開平2-173724号)が提案されている。これに
より、信号に印加電圧−透過光強度特性との関連にて簡
単な波形変化をもたせることにより、コントラストの大
幅な向上を図ることができるとしている。
【0006】また、マトリックス型液晶表示素子の駆動
方法において、奇数フレームで平均電位が正の選択電圧
波形を、偶数フレームで平均電位が負の選択電圧波形を
印加し、印加後はそれぞれ平均電位が同符号の非選択電
圧波形を印加する「液晶素子の駆動方法」(特開平3-12
5119号)が提案されている。これにより、反強誘電性液
晶を用いた液晶表示のマトリックス表示を行うことがで
きるとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
表示装置は、駆動制御手段が1パルスの消去信号および
2パルスの書込み信号からなる信号が走査選択期間中に
印加される、所謂3パルス駆動のため、1走査線の消去
・書込みを行うのに3パルス分の選択時間が必要であ
る、1フレーム当りの走査時間が長いという問題を有し
ている。
【0008】また、後者の液晶素子の駆動方法では、液
晶セルの閾値電圧や応答速度との対応から定められるべ
き駆動パルスの形状や波高値などについて、明細書中に
具体的に述べられておらず、実施が困難である。また、
奇数フレームでは、平均電位が正の選択波形を、偶数フ
レームでは平均電位を負の選択波形を、交互に印加する
必要があり、それ以外の選択波形の組合せを除外してい
るため、駆動波形の選択しうる自由度を限定してしまっ
ているという問題を有している。
【0009】そこで、本発明者らは、上述の如き従来技
術の問題点を解決すべく鋭意研究し、各種の系統的実験
を重ねた結果、本発明を成すに至ったものである。
【0010】本発明の目的は、書込速度および表示能力
に優れたマトリックス型液晶表示装置およびマトリック
ス型液晶表示装置の駆動方法を提供するにある。
【0011】本発明者らは、上述の従来技術の問題に関
し、以下のことに着眼した。すなわち、先ず、消去は電
圧が0V以外でも可能である。すなわち、OFF(消
灯)の閾値電圧から逆極性で絶対値がON(点灯)の閾
値電圧までの範囲内の電圧を印加すれば消去できる。
【0012】次に、前記従来技術の特開平2-173724号に
おいて、複数の第2駆動信号は、オフセット的に印加さ
れる電圧以外の他の直流成分を無くすため「明」の書込
みでは第1の安定状態から第2の安定状態への変化の飽
和電圧以上のレベルを有する波形として(V0 −V1
2 )および(V0 +V1 +V2 )からなる波形を、
「暗」の書込みでは、第1の安定状態から第2の安定状
態への変化の飽和電圧以上のレベルを有する波形として
(V0 −V1 +V2 )および(V0 +V1 −V2 )から
なる波形を印加しており、明暗各々の書込電圧の平均値
はV0 となるように定められていた。
【0013】しかし、例えば、第1フレームと第2フレ
ームの極性を変え、直流成分を相殺する考えにたつなら
ば、信号電圧の平均がオフセット的に印加される電圧
(V0 )に一致する必要はない。そこで、書込み電圧パ
ルスとこれを補償する電圧パルスの平均をV0 に一致さ
せる必要はなく、任意に設定しうることに着目した。
【0014】以上から、消去が可能な電圧範囲で、しか
も書込みパルスに対して直流成分を補償しうる電圧パル
スが存在することに着眼し、本発明を成すに至った。
【0015】
【課題を解決するための手段】
【0016】(第1発明)本第1発明のマトリックス型
液晶表示装置は、一定の間隔で対向して挟持された一対
の基板と,該基板の一方の内側にストライプ状に配設さ
れた走査電極と,前記一対の基板の他方の基板の内側に
形成され,前記走査電極に対向して前記走査電極と並び
の方向がほぼ直角に配設された信号電極と,前記基板の
電極が形成された側の少なくとも一方に配設された配向
膜と,前記一対の基板間に封入された反強誘電性液晶か
らなる液晶セルと、液晶セルに駆動信号を印加する駆動
制御手段とからなるマトリックス型液晶表示装置におい
て、前記駆動制御手段において印加される駆動信号が、
表示を一旦消去するために印加され、第1閾値電圧以下
に設定された第1パルスと、ON(点灯)を行うために
印加される第1閾値電圧以上の電圧、またはOFF(消
灯)を行うために印加される第1閾値電圧以下の電圧で
あり、かつ、前記第1パルスと加算した実効電圧がある
一定の電圧であり、他の期間において電圧が反転された
時直流成分が完全に相殺されるように設定された第2パ
ルスと、からなる二パルスであり、かつ、非選択時に印
加される電圧が、前記第1閾値電圧以下で,かつ表示を
保持するために設定される第2閾値電圧以上のパルス
と、該パルスに続く第2閾値電圧以下のパルスとからな
り、印加パルス単位を小さくして書込み速度および表示
能力を向上させたことを特徴とするマトリックス型液晶
表示装置。
【0017】(第2発明)また、本第2発明のマトリッ
クス型液晶表示装置の駆動方法は、一方の基板に走査電
極、他方の基板に信号電極を互いに交差する方向に配列
させてなる一対の基板の少なくとも一方に配向層を設
け、該一対の基板間にマトリックス型液晶を封入した液
晶セルと、該液晶セルに駆動信号を印加する駆動制御手
段とからなるマトリックス型液晶表示装置を駆動する方
法において、選択時においては、表示を一旦消去するた
めに第1閾値電圧以下に設定された第1パルスと、前記
第1パルスと加算した実効電圧がある一定の電圧とな
り,他の期間において電圧が反転された時直流成分が完
全に相殺されるように設定された第2パルスとからなる
二パルス駆動信号を印加し、非選択時においては、前記
第1閾値電圧以下で,かつ表示を保持するために設定さ
れる第2閾値電圧以上のパルスと、該パルスに続く第2
閾値電圧以下のパルスとからなる駆動信号を印加するこ
とを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明のマトリックス型液晶表示装置が優れた
効果を発揮するメカニズムについては、未だ必ずしも明
らかではないが、次のように考えられる。
【0019】すなわち、本第1発明のマトリックス型液
晶表示装置は、一定の間隔で対向して挟持された一対の
基板と、該基板の一方の内側にストライプ状に配設され
た走査電極と,前記基板の他方の内側に形成され,前記
走査電極に対向して前記走査電極と並びの方向がほぼ直
角に配設された信号電極と、前記基板の電極が形成され
た側の少なくとも一方に配設された配向膜と、前記一対
の基板間に封入された反強誘電性液晶からなる液晶セル
と、液晶セルに駆動信号を印加する駆動制御手段とから
なるものを用いる。
【0020】次に、本発明では、該液晶表示装置の駆動
制御手段において、表示の書込みのために印加される駆
動信号(選択時に印加される駆動信号)を、二パルスと
する。すなわち、表示を一旦消去するために印加され、
第1閾値電圧以下に設定された第1パルスと、ON(点
灯)を行うために印加される第1閾値電圧以上の電圧、
またはOFF(消灯)を行うために印加される第1閾値
電圧以下の電圧であり、かつ、前記第1パルスと加算し
た実効電圧がある一定の電圧であり、他の期間において
電圧が反転された時直流成分が完全に相殺されるように
設定された第2パルスとからなる二パルスとする。さら
に、非選択時に印加される電圧を、前記第1閾値電圧以
下で,かつ表示を保持するために設定される第2閾値電
圧以上のパルス(単一のパルスまたは複数のパルスから
なるパルス群)と、該パルスに続く第2閾値電圧以下の
パルス(単一のパルスまたは複数のパルスからなるパル
ス群)とからなるように設定する。
【0021】このような二パルスの電圧を印加すること
により、書込みパルスに対して直流成分を補償すること
ができるとともに、オフセット的に印加される電圧以外
の他の直流成分を無くすことができ、印加パルス単位を
小さくして書込み速度および表示能力を向上させること
が可能となる。また、反強誘電性液晶においては、例え
ば、第1閾値電圧以上のある電圧Vz のパルスを印加し
た状態(すなわち、強誘電状態)から印加電圧0ボルト
状態(反強誘電状態)へ遷移する時間T+FAFより、+
Vz の状態に−Vz の電圧パルスを印加して、もう一方
の強誘電状態へ遷移する時間T+F-Fのほうが速いもの
があり、そのことと関連しているものと思われる。強誘
電状態において、消去するためのパルスを印加したと
き、反強誘電状態をとらず、もう一方の強誘電状態へ直
接遷移してしまうのではないかと推測される。このた
め、OFFすべき画素において、ON状態に近い表示が
されることがある。これに対して、非選択時において、
表示を保持するためのパルスまたはパルス群に加え、表
示を消去するための電圧または電圧群を加えたことによ
り、このような誤動作を防ぐことができたものと考えら
れる。従って、従来では実現できなかった二パルスの電
圧の印加で、書込速度および表示能力に優れたマトリッ
クス型液晶表示装置を実現することができたものと考え
られる。
【0022】すなわち、画像を書き込むためには、画素
の一つ一つに対して、ONまたはOFFを行う必要があ
る。反強誘電性液晶を用いた液晶セルにおいては、第1
閾値電圧以上の電圧、または第1閾値電圧以下の電圧を
画素に印加する必要がある。本発明では、書込み電圧に
隣接して書込み電圧との平均が常にある一定の電圧とな
る波高値のパルスを印加し、フレーム毎の極性を反転す
ることによって、直流成分をゼロに補償するとともに、
ONまたはOFFを行うためのパルス数を最小限の二パ
ルスで実現することができ、しかも画素の誤動作を防ぐ
ことができる。
【0023】
【発明の効果】本発明のマトリックス型液晶表示装置に
より、書込速度および表示能力に優れた駆動を行うこと
ができる。
【0024】また、本発明のマトリックス型液晶表示装
置の駆動方法により、液晶表示装置の書込を高速で行う
ことができ、しかも表示能力に優れている。
【0025】
【実施例】以下に、前記発明をさらに具体的にした発明
(具体例)について説明する。
【0026】本発明のマトリッス型液晶表示装置の具体
例を説明する。先ず、液晶セルを、図1を用いて説明す
る。液晶セル1は、一定の間隔で対向して挟持された一
対の基板2、3と、前記の一方の基板2にストライプ状
に配設された走査電極4と、前記の他方の基板3に形成
され,前記走査電極4に対向して前記走査電極と並びの
方向がほぼ直角に配設された信号電極5と、前記基板
2,3の少なくとも一方の電極が形成された側に配設さ
れた配向膜6と、前記一対の基板間に封入された反強誘
電性液晶7とからなる。
【0027】基板2、3は、ソーダ・ガラスあるいはパ
イレックスなどの各種ガラス、またはポリエチレンテレ
フタレートなどのプラスチック製板等、通常液晶素子に
用いる基板を適用することができる。なお、該基板の表
面は平坦性を得るために研磨等を施したり、ガラスから
のアルカリ・イオンを遮断するためにSiO2 コーティ
ング等を施してもよい。該基板の厚みは、凡そ2〜0.
05mmである。
【0028】基板2、3上には、ITO(インジューム
錫酸化物)などの透明導電性膜をストライプ状に形成し
て、走査電極4、信号電極5を形成する。該透明導電性
膜の幅は画素の大きさと関係し、高精細のものでは10
μm前後、大型表示のものでは5cm前後である。な
お、対向電極間のショートを防ぐためSiO2 などの絶
縁膜を形成してもよい。
【0029】配向膜6は、基板2、3の透明電極が形成
された側の少なくとも一方に配設され、ポリイミドある
いはポリビニールアルコールなどの高分子を塗布・成膜
して形成される。該配向膜6は、ナイロンあるいは綿製
のブラシあるいは布を用いて一方向に擦る、所謂ラビン
グ処理をほどこすなどして、液晶に対する配向性を付与
する。
【0030】一対の基板2,3上に形成した走査電極4
と信号電極5の具体的な配設構造の一例を、図2を用い
て説明する。同図に示すように、透明電極4,5が向か
い合い、かつストライプ状電極が直交するように重ねら
れ、それぞれ行電極と列電極としてマトリックスを形成
し、行電極と列電極との交点が画素となる。
【0031】基板2,3は、接着剤等により固定され
る。また、接着に先立ち、セル厚を保持するため、ジビ
ニルベンゼンなどの樹脂あるいはシリカなどのセラミッ
クス製で、直径が一定の球状あるいは円形状のスペーサ
を基板間に散布、あるいは接着剤中に添加して行っても
よい。基板と基板の間隔(以下、セル厚という)は、コ
ンストラスト比を高めるため、配向性が良好であり、複
屈折による透過光強度が最大となるように設定される。
該間隔は、通常は1〜6μmである。
【0032】上記の如く作製したセルに反強誘電性液晶
をその透明点以上の温度において封入し、室温まで冷却
すると、等方性液体状態から液晶状態に戻る際、ラビン
グ方向に液晶分子が配列して、配向性が発現され、液晶
セル1が得られる。
【0033】反強誘電性液晶としては、MHPOBC
(1-methylheptyloxycarbonylphenyl)4'-octyloxybiph
enyl-4-carboxylateを始めとするさまざまな反強誘電性
液晶単品または組成物を用いることができる。
【0034】次に、本発明のマトリックス型液晶表示素
子の駆動制御手段(駆動装置)の具体的一例を、図3を
用いて説明する。マトリックス駆動においては、行電極
を一行ずつ順次選択しながら、その都度列電極に選択信
号を印加して画素に表示を書込み画像を再生する、すな
わち、走査を行う。駆動装置9は、行電極を走査する走
査側回路部91と、列電極に選択信号を印加する信号側
回路部92と、外部からの画像情報を受け取り電圧デー
タに変換し走査側・信号側両回路部を制御する電子制御
部93と、該電子制御部93から出力される信号データ
を一時貯えておく記憶部94と、電源回路95とからな
る。
【0035】電子制御部93は、ナビゲーションやテレ
ビ受像機から送られてくる画像情報のシリアル情報を受
け取り、アナログ信号の場合デジタル信号に変換し、入
力画素数とパネル画素数が異なる場合にはそれぞれを対
応させるためデータ圧縮などを行う。また、電子制御部
93は、基準クロック発生回路(図示せず)を有してお
り、各種のクロック信号CL1,CL2,CL3,CL
4を発生し、各回路のタイミングを取る。
【0036】該電子制御部93は、走査側回路部91に
対して走査データS1を出力する。該走査データは、画
像を書き込む行電極を選択するため電子制御部93から
走査側回路部91に出力される。電子制御部93より出
力された走査側データS1はシリアルデータであり、一
旦シフトレジスター911に転送したのち、パラレルデ
ータに変換してデータラッチ912に出力される。デー
タラッチ912は、電子制御部93よりラッチクロック
CL2が入力されると、電圧選択回路913へ走査側デ
ータを送出する。電圧選択回路913は、5個ないし8
個のトランスミッションゲートより構成されており、予
め決められた5ないし8種の電圧レベルが走査側データ
に応じてパネルの走査側電極(行電極)に印加される。
【0037】また、電子制御部93は、信号側回路部9
2に対して記憶部94を介して信号データS2を出力す
る。該信号データS2は、走査選択された行電極に対し
て、各列のONまたはOFFの選択を行うため出力され
る。各画素毎のONまたはOFFの情報がデータバスD
Bで、その画素の位置がアドレスバスABで電子制御部
93から記憶部94に出力される。記憶部94は、何枚
か分の画像に対応する情報を貯えることができ、必要に
応じて高速に出力できる。記憶部94に貯えられた画像
情報は、信号データS2としてシリアルにシフトレジス
ター921に出力され、パラレルデータに変換され、デ
ータラッチ922に出力され、さらに、ラッチクロック
CL4により電圧選択回路923へ出力され、パネルの
信号電極(列電極)へ信号電圧が印加される。ここで、
信号側電圧選択回路923は2個のトランスミッション
ゲートにより構成されており、予め決められた2種の電
圧が選択される。
【0038】次に、反強誘電性液晶のセル内における分
子の状態を、基板面に垂直な方向から見た場合について
モデル的に図4に示す。電界が印加されていない時、液
晶は反強誘電状態となり、隣合う層間で分子の傾き方向
が交互に配列する(図中:II)。その結果、双極子の方
向は一層ごとに反平行になっており、自発分極が外部に
現れないと考えられている。また、光学的にも光軸が右
または左に向いた分子の平均の方向、すなわちラビング
方向にある。このような状態のセルを直行ニコル下に置
き、偏光子または検光子の向きをラビング方向に合わせ
ると、液晶分子の光軸と偏光子または検光子の光軸が一
致するため、光が透過せず暗状態が得られる。電界を印
加すると、自発分極と電界によるトルクのため、液晶分
子は右向き(図中:III )、あるいは左向き(図中:
I)に傾いた配列に統一される。この時、液晶分子の光
軸は、偏光子または検光子の光軸から外れるため、複屈
折により光が透過され、明状態が得られる。
【0039】従来法による閾値電圧の求め方を、図5を
用いて説明する。従来の閾値電圧は、三角波電圧の印加
による光学応答から求める方法が行われてきた。すなわ
ち、図5において、三角波電圧をセルに印加し、0ボル
トから電圧を増加していくと電界と反対の向きに配向し
ていた自発分極が反転することにより強誘電状態へ移転
し、透過光量も急激に増加する(図中:C1)。そし
て、透過光量が初期値から10%変化する電圧を閾値電
圧V1 、90%変化する電圧を飽和電圧V2 と便宜的に
決めていた。
【0040】また、V2 以上の電圧から電圧を減少させ
た時、電圧増加時と同じ変化を示さず履歴曲線(図中:
C2)を示し、閾値電圧V3 を以て分子が反転し始め徐
々に暗くなり、飽和電圧V4 を以て暗状態へ完全にスイ
ッチングするとしている。ここで、周波数を変化させて
測定した、三角波電圧印加による光学応答の測定結果を
図6〜図8に示す。閾値電圧や、飽和電圧には周波数依
存性があり、特に、電圧減少時の閾値電圧V3 および飽
和電圧V4 は顕著である。従って、三角波電圧印加によ
る方法では、閾値電圧の目安が得られるに過ぎず、駆動
電圧を決定するため閾値電圧を正確に測定することがで
きない。
【0041】そこで、本発明においては、閾値電圧は、
矩形波電圧印加法を適用して決定する。以下に、閾値決
定の具体的な一例を説明する。
【0042】先ず、第1閾値電圧の決定の具体的一例を
説明する。ON(点灯)させる時の閾値特性は、図9〜
図11に示すように、低電圧側の第1矩形波を0Vに固
定し、種々の波高値の第2矩形波を印加する。この時、
矩形波の電圧の大きさにより、応答時間も変化する。矩
形波電圧が閾値電圧以下の時、透過光強度はわずかしか
変化しない(図9)。矩形波電圧が閾値電圧を越えると
始めて透過光強度が大きく変化し(図10)、矩形波電
圧が大きいほど応答時間は小さくなる(図11)。これ
は、反強誘電状態から強誘電状態に変化する時間に相当
する。
【0043】印加電圧に対する応答速度の関係を図12
に示す。ここで、応答時間は電圧を印加してから透過率
が90%変化するのに必要な時間とし、τONで表す。τ
ONを矩形波電圧Vに対して、式(1) を当てはめることが
できる。なお、αは応答時間の大小を、βは電圧を変え
た時の応答時間の変化の大小を表していると考えられ
る。
【0044】
【数1】
【0045】これより、ONの閾値電圧Vc ON(第1閾
値電圧)を決定する。なお、印加する矩形波の幅および
矩形波と矩形波の間隔は、それぞれONの応答時間およ
びOFF(消灯)の応答時間より十分長く(3倍以上)
した。
【0046】なお、表示を一旦消去するために印加され
る第1電圧は、第1閾値電圧以下でかつ第2閾値電圧の
負の値以上の範囲内であることが好ましい。この第2閾
値電圧は正の値であり、「第2閾値電圧の負の値」と
は、該第2閾値電圧値と絶対値が等しく、符号が負であ
るという意味である。
【0047】ここで、該第2閾値電圧の決定の具体的一
例を説明する。
【0048】OFFさせる時の閾値特性は、図13〜図
15に示すようにVc ON以上の高電圧の第1矩形波を印
加して十分なON応答をさせた後、続けて低電圧の第2
矩形波を印加する。第2矩形波電圧が閾値電圧VC OFF
以上のとき、透過光強度は殆ど変化しない(図13)。
第2波矩形波電圧が閾値電圧より、小さくなると初めて
透過光強度が大きく変化し(図14)、また、第2矩形
波電圧が小さいほど応答時間は小さくなる(図15)。
これは、強誘電状態から反強誘電状態に変化する時間に
相当する。反強誘電性液晶の印加電圧に対する応答速度
の関係を、閾値特性を、図16に示す。ここで、応答時
間は透過率が90%変化するのに必要な時間とし、τ
OFF で表す。τOFF を矩形波電圧Vに対して、式 (2)を
当てはめることができる。
【0049】
【数2】
【0050】これより、OFFの閾値電圧Vc OFF (第
2閾値電圧)を決定する。なお、測定のため印加する高
電圧および低電圧の矩形波の幅は、それぞれの応答時間
より十分長く(3倍以上)した。
【0051】パネルの画素構成がm行×n列である時、
1フレームのパルス列はm個のパルス群からなり、1個
の選択パルス群とそれに引き続くm−1個の非選択パル
ス群からなる。図17において、1画面を書き換えるの
に必要な時間をフレーム時間Tf秒とすると、1行書き
換えるのに必要な時間はTf/m秒であり、時間t0
らt2 までの期間T1 に1行目を、t2 からt4 までの
期間に2行目を書き換えるものとすると、t2 −t0
4 −t2 はそれぞれTf/m秒である。1個のパルス
群は2個のパルスよりなる(このことより、本発明の駆
動方法を「2パルス法」ということができる)。図17
の画素(1,1)では、T1 において、表示の書換えが
行われ、その他の期間T2 〜Tm は所謂非選択期間であ
り、T2 〜Tm-1 において表示の保持が行われ、Tm
おいて表示の消去が行われている。なお、2パルス法に
おいては、1フレーム毎に極性を反転するのを基本とす
る。
【0052】まず、非選択期間において、表示の消去を
行わない最も基本的なフレームの極性が+の期間につい
て、図18〜図20を用いて2パルス法による画面書き
換えの原理を説明する。
【0053】選択パルス群は、画素を一旦OFFさせる
消去パルスと消去の継続または画素のONを選択する書
込みパルスよりなる。そのフレームの極性が+の場合、
図18に示すように、消去パルスの波高値Vr (r:r
eset)は−Vc OFF 乃至+Vc ONであるVr L また
はVr H (L、H:電圧の高低を示す)に設定されるこ
とにより、−極性側であるフレームにおいてONしてい
た場合またはONしていなかった場合、何れの場合も非
ONとすることができ、一旦消去状態となる。書込みパ
ルスが印加された時、書込みパルスの波高値Vw (w:
write)が+Vc ON以上に設定されたVw H であれ
ばON状態となり、書込みパルスの波高値VW が+Vc
ON以下に設定されたVw L であれば消去状態に継続され
る。
【0054】書込みパルスとしてVw H が選択されたと
き(図18)、消去パルスは波高値としてVr L を選択
し、書込みパルスとしてVW L が選択されたとき(図1
9)、消去パルスは波高値としてVr H を選択する。
【0055】ここで、Vw H とVW L の差Vw H −VW
L 、およびVr H とVr L との差Vr H −Vr L が同一
となるように設定する。ONの書込み時には消去パルス
r L に引き続いて書込みパルスVw Hが印加され、O
FFの書込の時にはVr H に引き続いてVW L が印加さ
れるが、書き換えの期間、すなわち選択期間t0 からt
2 における、書き換えのパルス実効電圧はONまたはO
FFにかかわりなく一定に保たれる。
【0056】非選択期間のパルス群は、図20に示すよ
うに、その行の書き換えが行われていない時、すなわち
他の行が選択されている時、その行に印加される。一対
の非選択パルス群は高い電圧レベルVns(hold) H (n
s:non−select)のパルスと低い電圧レベル
ns(hold) L のパルスから構成されており、選択されて
いる他の行がONまたはOFFの違いによりその順序が
決められる。一旦ONされた画素は+VcOFF 以下に設
定しなければ消去できず、一旦消去された画素は+Vc
ON以上に設定しなければONできない。従って、二つの
電圧レベルVns(hold) H およびVns(hold) L を何れも+
VcOFF 以上+VcON以下に設定すれば、一旦選択パル
スによって書き換えられた表示状態は保持される。
【0057】他のi行が選択されている期間+VcOFF
<Vns(hold) H ,Vns(hold) L <+VcONにおける非選
択パルスの実効電圧は、Vns(hold) H およびVns(hold)
L の一対のパルスからなりたっているため、他の行のO
NまたはOFFにかかわりなく常に一定に保たれる。
【0058】フレームの極性が−の期間においては、図
21に示すように、前記のフレームの極性が+の時の符
号を総て反対にすることにより、同様に駆動できる。
【0059】すなわち、本第1発明の駆動制御手段にお
いて表示の書込みのために印加される駆動信号が、表示
を一旦消去するために印加され、第1閾値電圧以下に設
定された第1パルスと、ONを行うために印加される前
記第1閾値電圧以上の電圧、またはOFFを行うために
印加される前記第1閾値電圧以下の電圧であり、かつ、
該第1パルスと加算した実効電圧がある一定の電圧であ
り、他の期間において電圧が反転された時直流成分が完
全に相殺されるように設定された第2パルスと、からな
る二パルスであり、しかも、非選択時に印加される電圧
(または電圧群)が、前記第1閾値電圧以下で、かつ、
表示を保持するために設定される第2閾値電圧以上のパ
ルス(またはパルス群)と、該パルス(またはパルス
群)に続く第2閾値電圧以下のパルス(またはパルス
群)とからなる。
【0060】さて、次に、二パルス法において、非選択
期間において、表示の消去を行う場合について、原理の
補足を行う。この場合、非選択期間に印加されるパルス
群は、表示状態を保持するため、次式で示される2つの
電圧レベルVns(hold) L ,Vns(hold) H の2種のパルス
からなる保持パルス群Vns(hold) +VcOFF <Vns(hold) L <Vns(hold) H <+VcON および、次式で示される2つの電圧レベル
ns(rest) L ,Vns(rest) H の2種のパルスからなる休
止パルス群Vns(rest) −VcOFF <Vns(rest) L <Vns(rest) H <+VcOFF より構成される。
【0061】図17の画素(1,1)の駆動波形におい
ては、期間T2 〜Tm-1 が保持パルス群、Tm が休止パ
ルス群を示しており、休止パルス群が2パルスより構成
されている場合に相当する。期間Tm を構成している2
パルスのうち、後半の1パルスのみを休止パルスにする
こと、あるいは、Tm-1 以前の複数のパルスを休止パル
スにすること、の何れも可能であり、強誘電状態から反
対の極性の強誘電状態へ直接遷移するし易さに応じて、
休止パルス数を決めることができる。なお、休止パルス
が奇数の場合、保持パルスおよび休止パルスは各々対を
成さないものが存在するが、+極性フレームの休止パル
ス数と−極性フレームの休止パルス数が等しければ、各
々のフレームの実効電圧は等しくなる。
【0062】画素に印加される電圧波形に対する電気光
学応答(光透過率の時間変化)の1例を、図22に示
す。消去パルスVr L が印加されることにより、表示は
一旦消去される。第1閾値電圧Vc ON以上の電圧に設定
された書込みパルスVw H によりON状態となり、光透
過率は増大し、明状態となる。非選択期間のうち、保持
期間(同図においては、2ライン分、4パルスである)
においては、明状態が保持される。非選択期間のうち、
休止期間(2パルスの場合を示す)では、Vc OFF 以下
の電圧パルスが印加されることにより、光透過率が徐々
に減少し、暗状態へ向かうとともに、反強誘電状態へ向
かう。
【0063】以上のように、本発明の表示装置および本
発明の駆動方法によれば、三安定状態を有する反強誘電
静液晶を用いた表示素子において、ヒステリシス状の閾
値電圧特性を巧みに利用することにより、パルス数の最
小限度である2パルスにより書き換えを行えるため高速
の駆動が可能となる。また、直流電圧成分が重畳される
ことを排除する目的で1フレーム毎に極性を反転し、か
つONまたはOFFに係わらず選択期間および非選択期
間毎の実効電圧が一定であることによりフレーム毎の実
効電圧も一定であり、隣り合うフレーム間で直流成分が
完全に相殺され表示素子の劣化を防ぎ長寿命化を図るこ
とができる。
【0064】上記の液晶に印加される電圧波形を実現す
るために、実際に走査電極および信号電極に加える電圧
波形の一例を極性が+のフレームについて、図23に示
す。走査電極に対しては選択波形、非選択保持波形およ
び非選択休止波形、信号電極に対してはON波形および
OFF波形をそれぞれ印加する。
【0065】選択信号が印加された走査電極およびON
信号が印加された信号電極の交点における画素では、O
Nに書き換えられる。走査電極に対して、選択時におい
ては、電圧レベルVe (e:erasing)およびそ
れに続くVp (p:pulse)のパルス群が印加され
る。同時に、ONする電極に対しては電圧レベル+V d
(d:data)およびそれに続く−Vd のパルスが印
加される。ここで、液晶に印加される正味の電圧は選択
電極信号の電圧に対する走査電極信号の電圧の差であ
る。従って、液晶に対しては、先ず、Ve −Vd の電圧
パルスが、続いてVp +Vd のパルスが印加される。こ
こで、Ve −Vd はVr L であり、−Vcoff ないし+
Vconに設定されなくてはならない。また、Vp +Vd
は、Vw H であり、+Vcon以上に設定されなくてはな
らない。
【0066】選択信号が印加された走査電極およびOF
F信号が印加された信号電極の交点における画素では、
OFFに書き換えられる。走査電極に対しては、ONの
書込みの画素と同様電圧レベルVe (e:erasin
g)およびそれに続くVp (p:pulse)およびそ
れに続く+Vdのパルスが印加される。ここで、液晶に
印加される正味の電圧は、選択電極信号の電圧に対する
走査電極信号の電圧の差である。従って、液晶に対して
は、先ず、Ve +Vd の電圧パルスが、続いてVp −V
d の電圧パルスが印加される。ここで、Ve +Vd はV
r H であり、−VcOFF ないし+VcONに設定されなく
てはならない。Vp −VdはVw L であり、+Vcon
下に設定されなくてはならない。
【0067】走査電極に非選択保持信号が印加された画
素では、信号電極に対してON信号またはOFF信号の
何れかが印加された場合でも、その期間以前に書き換え
られたONまたはOFFの表示が保持される。走査電極
に対して、非選択保持時においては、電圧レベルV
b (b:base)が印加され続ける。同じ列で、他の
行の画素がONに書き換えされている場合、その列の電
極に対しては電圧レベル+Vd (d:data)および
それに続く−Vd のパルスが印加される。液晶に対して
は、先ず、Vb −Vd の電圧パルスが、続いてVb +V
d の電圧パルスが印加される。ここで、Vb −Vd はV
ns(hold) L 、Vb +Vd はVns(hold) H であり、ともに
+VcOFF ないし+Vconに設定されなくてはならな
い。
【0068】同じ列で、他の行の画素が点OFFに書き
換えされている場合、その列の電極に対しては、先ず、
b +Vd の電圧パルスが、続いてVb −Vd の電圧パ
ルスが印加される。ここでも、Vb +Vd はVns(hold)
H 、Vb −Vd はVns(hold) L であり、共に+Vcoff
ないし+Vconに設定されなくてはならない。
【0069】なお、パルス幅PwはVp +Vd (=Vw
H )における応答時間より十分長いことが望ましい。
【0070】本具体例のマトリックス型液晶表示装置
は、上述のようにすることにより、補償パルスの役割を
果たす第1電圧パルスの電圧レベルを任意に設定するこ
とが可能となる。すなわち、液晶セルの特性によって、
ONの応答速度に比してOFFの応答速度が遅い場合
は、第1電圧パルスの電圧レベルを高めに設定して高速
化を図ることができる。また、OFFからONした時、
強誘電性状態から反強誘電性状態(OFF状態)を通ら
ず直接強誘電性状態(ON状態)へ遷移し易い場合は、
第1電圧パルスの電圧レベルを低めに設定して、短いパ
ルス幅でもOFF状態を得ることができる。
【0071】このように、本具体例では、書込みのパル
ス数を最小限度の二パルスとしたこと加えて、第2パル
スを単なる電圧補償の役割に止めず、書き換えに対して
有効にくようにしたことにより、さらに、非選択時に
保持パルスおよび休止パルスから構成したことにより、
消去を確実にしたことにより、従来の反強誘電性液晶素
子に比べて高速化が可能となった。すなわち、反強誘電
性液晶を用い、書き換えが必要最小限の二パルスで行わ
れること、第1パルスが任意に設定できることを特徴と
する駆動を行うことにより、従来の表示装置にない高速
の駆動が行える。さらに、直流成分が印加されないた
め、電気化学反応などによる劣化が起こらず、長い寿命
が得られる。
【0072】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0073】第1実施例
【0074】液晶セルは、厚み1.1mmのソーダ・ガ
ラスからなる基板を用い、該基板の表面には、ガラスか
らのアルカリ・イオンを遮断するためにSiOのコーテ
ィングによる不動態化処理を施す。さらに、該基板上
に、ITO(インジューム錫酸化物)の透明導電膜を、
幅120μm、ギャップ20μm(ピッチ140μm)
のストライプ状に形成した。
【0075】電極の本数は、上基板においては行電極と
して横手方向に192本、下基板においては列電極とし
て縦方向に768本である。対向電極間のショートを防
ぐためSiO2 などの絶縁膜を形成することもできる。
【0076】さらに、基板の透明電極が形成された側に
は、市販のポリイミドを印刷法により塗布し、焼成し
て、配向膜を成膜した。
【0077】配向膜は、ナイロン繊維を植毛したブラシ
を用いて基板の縦方向にラビング処理を施し、液晶に対
する配向性を付与した。一対の基板を透明電極が向かい
合い、かつストライプ状電極が直交するように重ねマト
リックスを形成した。セル厚を2.2μmとするため、
直径2.2μmのジビニルベンゼン樹脂製の球状スペー
サを基板間に散布し、熱硬化性の接着剤により固定し
た。セル厚は、空セルの状態で、2.3μmとなった。
【0078】コントラスト比を高めるため、配向性が良
好であり、複屈折による透過光強度が最大となるように
設定される。配向性を高めるため、通常、基板上にポリ
イミドなどの配向膜を成膜し、ブラシなどにより擦り、
ラビング操作を行う。このとき、ラビングの圧、回数な
どを最適化することが好ましい。透過光強度Trは、次
のように表される。 Tr ∝ sin2 (πΔn・d/λ) ここで、Δnは、液晶の複屈折、dはセル厚、λは光の
波長を示す。λを視感度の最も高い550nmで考える
と、πΔn・d=550nmの時、Trは最も大きくな
る。従って、液晶材料のΔnに応じてセル厚dを調整す
る。
【0079】反強誘電性液晶としては、以下の4成分よ
りなる組成物を用いた。
【0080】
【数3】
【0081】前記のごとく作製したセルに、反強誘電性
液晶をその透明転移上の温度において封入し、室温まで
冷却すると、等方性液晶状態から液晶状態のスメクチッ
クA相に戻る際、ラビング方向に液晶分子が配列し配向
性が得られた。
【0082】液晶セルは、インタコネクタを用いて駆動
回路と接続した。
【0083】走査データは、走査する行電極を選択する
ために出力される。電子制御部から出力された走査デー
タはシリアルデータであり、一旦シフトレジスターに転
送したのち、パラレルデータに変換してデータラッチに
出力される。データラッチは、電子制御部よりラッチク
ロックが入力されると、電圧選択回路へ走査データを送
出する。
【0084】電圧選択回路は、8個(または5個)のト
ランスミッションゲートより構成されており、予め決め
られた6種の電圧レベル、即ち、+Ve 、+Vp 、+V
b 、+Vl 、−Ve 、−Vp 、−Vb 、−Vl (但し、
+Ve =−Ve =0もあり得る、さらに+Vl =−Vl
=0もあり得る:従って、最小5種の電圧レベルとな
る)が走査側データに応じてパネルの走査側電極(行電
極)に印加される。
【0085】信号データは、走査選択された行電極に対
して、各列のONまたは非ONの選択を行う目的で出力
される。各画素ごとのONまたは非ONの情報がデータ
バスで、その画素の位置がアドレスバスで電子制御部か
ら記憶部に送出される。記憶部は、何枚か分の画像に対
応する情報を貯えることができ、必要に応じて高速に出
力できる。記憶部に貯えられた画像情報は、信号データ
としてシリアルにシフトレジスターに出力されパラレル
データに変換され、データラッチに出力され、さらにラ
ッチクロックにより電圧選択回路へ出力され、パネルの
信号電極が印加される。ここで、信号側電圧選択回路
は、2個のトランスミッションゲートにより構成されて
おり、予め決められた2種の電圧+Vd 、−Vd が選択
される。
【0086】これら+Ve 、+Vp 、+Vb 、+Vl
−Ve 、−Vp 、−Vb 、−Vl の値は、次の式によっ
て目安をつけることができる。
【0087】 選択パルス群 ・消去(ON) −Vc OFF < +Ve −Vd <+Vc ON ・・・ (3) ・消去(OFF) −Vc OFF < +Ve +Vd <+Vc ON ・・・ (4) ・書込み(ON) +Vc ON < +Vp +Vd ・・・ (5) ・書込み(OFF) +Vc ON > +Vp −Vd ・・・ (6)
【0088】 非選択パルス群 ・保持(hold) +Vc OFF < +Vb −Vd <+Vc ON ・・・ (7) +Vc OFF < +Vb +Vd <+Vc ON ・・・ (8) ・休止(rest・・・leave) −Vc ON < +Vl −Vd <+Vc OFF ・・・ (9) −Vc ON < +Vl +Vd <+Vc OFF ・・・(10) 式 (7)の左辺より、 Vc OFF +Vd < +Vb ・・・(11) 式 (8)の左辺より、 Vb < Vc ON − Vd ・・・(12) Vc OFF +Vd < Vc ON − Vd ・・・(13) Vd <(Vc ON−Vc OFF )/2 ・・・(14)
【0089】Vd は大きく取った方が温度変化による閾
値電圧の変化やムラなどによる閾値電圧のバラツキに対
して安定であると考えられるので、式(14)に於けるVd
の極限値を式(15)で表し、以後の計算を行う。 Vd = (Vc ON−Vc OFF )/2 ・・・(15)
【0090】この時、Vb は、 Vb = (Vc ON+Vc OFF )/2 ・・・(16)
【0091】式 (3)の左辺より (Vc ON −3Vc OFF )/2 < Ve ・・・(17)
【0092】式 (4)の右辺より、この時、Ve は Ve < (Vc ON+Vc OFF )/2 ・・・(18)
【0093】式(12)および式(13)より (Vc ON−3Vc OFF )/2<Ve <(Vc ON+Vc OFF )/2・・・(19)
【0094】式 (5)および式 (11) よりVp に関して (Vc ON+Vc OFF )/2 < Vp ・・・(20)
【0095】式 (6)および式 (11) より Vp <(3Vc ON−Vc OFF )/2 ・・・(21)
【0096】式(20)および式(21)より (Vc ON+Vc OFF )/2<Vp <(3Vc ON−Vc OFF )/2・・・(22)
【0097】式(9) の左辺より Vl > −Vc ON+Vd ・・・(23)
【0098】式(23)および式(15)より Vl > −(Vc ON+Vc OFF )/2 ・・・(24)
【0099】式(10)の右辺より Vl < Vc OF−Vd ・・・(25)
【0100】式(25)および式(15)より Vl < (−Vc ON+3Vc OFF )/2 ・・・(26)
【0101】式(24)および式(26)より −(Vc ON+Vc OFF )/2<Vl <(−Vc ON+3Vc OFF )/2 (27)
【0102】もう一度Vd 、Vb 、Ve 、Vp 、Vl
関する条件をまとめると、下式の4式である。但し、式
(11) における等号は、極限を示すものであり、また、
式 (16) のVb も式 (11) の極限から求めるものである
から、Vd 、Vb の式によって求められる値は目安であ
る。
【0103】 Vd = (Vc ON−Vc OFF )/2 ・・・(15) Vb = (Vc ON+Vc OFF )/2 ・・・(16) (Vc ON−3Vc OFF )/2<Ve <(Vc ON+Vc OFF )/2・・・(19) (Vc ON+Vc OFF )/2<Vp <(3Vc ON−Vc OFF )/2・・・(22) −(Vc ON+Vc OFF )/2<Vl <(−Vc ON+3Vc OFF )/2 (27)
【0104】走査波形、信号波形およびその合成である
駆動形に対する具体例として、ある画素に、ON、O
N、OFF、OFFの順で書換えを行う例を、図24を
用いて説明する。
【0105】(1フレーム目)1フレームでは、走査電
極に先ず期間T1 において時刻t0 から時刻t1 まで電
圧レベルVe のパルスが印加され、続いて時刻t1 から
時刻t2 まで電圧レベルVp のパルスが印加され、さら
に期間T2 から期間Tm-1 までの間電圧レベルVb のパ
ルスが印加され、引き続いて期間Tm の間電圧レベルV
l が印加される。
【0106】信号電極には、先ず、期間T1 において時
刻t0 から時刻t1 まで電圧レベル+Vd のパルスが印
加され、続いて時刻t1 から時刻t2 まで電圧レベル−
d のパルスが印加される。期間T2 から期間Tm まで
の間、すなわち他の走査線が選択されている画素のON
またはOFFによって+Vd と−Vd または−Vd と+
d のパルス群が次々に印加される。
【0107】この結果、液晶に印加される電圧は、図2
4に示す如く、期間T1 において時刻t0 から時刻t1
まで電圧レベルVe −Vd のパルスが印加され、Ve
d が式 (3)のように設定されているため、前フレーム
で書き込まれていたOFF表示は、引続きOFF表示が
持続され、前フレームで書き込まれていたON表示は前
フレームの非選択休止パルスおよび消去パルスにより、
表示が消去され、一旦OFF表示となる。続いて、時刻
1 から時刻t2 まで電圧レベルVp +Vd のパルスが
印加され、Vp +Vd が式 (5)のように設定されている
ため、ON状態となる。期間T2 から期間Tm-1 までの
間、Vb −Vd またはVb +Vd のパルスが印加され、
b −Vd またはVb +Vd が式 (7)および式 (8)のよ
うに設定されているため、ON状態が保持される。期間
m の間、Vl −VdまたはVl +Vd のパルスが印加
され、Vl −Vd またはVl +Vd が式(9) および式
(10) のように設定されているため、ON状態が解除さ
れ、OFF状態に近づく。
【0108】(2フレーム目)2フレームでは、極性が
−へ反転される。走査電極には第2フレームにおける期
間T1 において先ず電圧レベル−Ve のパルスが印加さ
れ、続いて、電圧レベル−Vp のパルスが印加され、さ
らに期間T2 から期間Tm-1 までの間電圧レベル−Vb
のパルスが印加され、引き続いて期間Tm の間電圧レベ
ル−Vl が印加される。信号電極には、先ず期間T1
おいて時刻t0 から時刻t1 まで電圧レベル−Vd のパ
ルスが印加され、続いて時刻t1 から時刻t2 まで電圧
レベル−Vd のパルスが印加される。期間T2から期間
m までの間、1フレームと同様、選択されている他の
走査線の画素のONまたはOFFによって−Vd と+V
d または+Vd または−Vd のパルス群が次々に印加さ
れる。
【0109】この結果、合成波形は、期間T1 において
時刻t0から時刻t1 まで電圧レベル−Ve +Vd のパ
ルスが印加され前フレームで書き込まれていた表示は完
全に消去され、続いて時刻t1 から時刻t2 まで電圧レ
ベル−Vp −Vd のパルスが印加されON状態となり、
期間T2 から期間Tm-1 までの間−Vb +Vd または−
b −Vd のパルスが印加されON状態が保持され、期
間Tm の間Vl −Vd またはVl +Vd のパルスが印加
され、ON状態が解除され、OFF状態に近づく。
【0110】(3フレーム目)3フレームでは、極性が
+へ反転される。走査電極には1フレームと同様のパル
ス群が印加される。信号電極には、先ず期間T1 におい
て時刻t0 から時刻t1 まで電圧レベル−Vd のパルス
が印加され、続いて、時刻t1 から時刻t2 まで電圧レ
ベル+Vd のパルスが印加される。さらに期間T2 から
期間Tm までの間、1フレームあるいは2フレームと同
様、選択されている他の走査線の画素のONまたはOF
Fによって+Vd と−Vd または−Vd と+Vd のパル
ス群が次々に印加される。
【0111】この結果、合成波形は、期間T1 において
時刻t0から時刻t1 まで電圧レベルVe +Vd のパル
スが印加され前フレームで書き込まれていた表示は完全
に消去され、続いて時刻t1 から時刻t2 まで電圧レベ
ルVp −Vd のパルスが印加されOFF状態が持続さ
れ、期間T3 から期間Tm-1 までの間Vb −Vd または
b +Vd のパルスが期間Tm の間Vl −Vd またはV
l +Vd のパルスが各々印加されOFF状態が保持され
る。
【0112】(4フレーム目)4フレームでは、極性が
再び−へ反転される。走査電極には2フレームと同様の
パルス群が印加される。信号電極には、先ず期間T1
おいて時刻t0 から時刻t1 まで電圧レベル+Vd のパ
ルスが印加され、続いて、時刻t1 から時刻t2 まで電
圧レベル−Vd のパルスが印加される。期間T2 から期
間Tm までの間、1フレームあるいは2フレームと同
様、選択されている他の走査線の画素のONまたはOF
Fによって−Vd と+Vd または+Vd と−Vd のパル
ス群が次々に印加される。
【0113】この結果、合成波形は、期間T1 において
時刻t0から時刻t1 まで電圧レベル−Ve −Vd のパ
ルスが印加され前フレームで書き込まれていたOFF表
示は継続され、続いて時刻t1 から時刻t2 まで電圧レ
ベル−Vp +Vd のパルスが印加されOFF状態が持続
され、期間T2 から期間Tm-1 までの間−Vb +Vd
たは−Vb −Vd のパルスが期間Tm の間−Vl +Vd
または−Vl −Vd のパルスが各々印加されOFF状態
が保持される。
【0114】以上のように、本実施例の表示装置および
駆動方法(2パルス法)によれば、1行当り僅か2パル
スで画面の書換えを行うことができる。応答速度は、式
(1)および式 (2)に示すように、印加電圧と閾値電圧の
差に関係し、液晶材料、配向性およびセル厚などによっ
てほぼ決定されセル固有の特性であると考えられる。
【0115】他方、セルに印加できる最大の電圧は、駆
動回路中のトランスミッションゲートの耐圧などに制約
があり、限定されることが多い。例えば、OFF状態か
らON状態へ書き換えるとき、同じ特性のセルを同じ波
形によって最大電圧で駆動するなら、液晶の応答時間は
同じであるから、必要なパルス幅もほぼ同じと考えられ
る。従って、1行を書き換えるのに必要な時間は、書換
えに必要なパルス数で決まると考えられる。従来の駆動
法では、1行当り3パルス以上を必要としていたのに対
して、本駆動法では2パルスで済む。さらに、第1パル
スの電圧をセルの特性に対して最適化できるため、パル
ス幅自体を最短にする条件を決定でき、書換えのための
時間を3分の2以下に短縮することができた。見方を変
えれば、同じ時間で1.5倍以上の行数を書き換えるこ
とが可能となった。
【0116】さらに、本発明の駆動方式では、1フレー
ム内において、消去および書込みパルスの実効値電圧が
表示のONまたはOFFに関わりなく一定であり、保持
パルスの実効値電圧も一定にしたため、1フレーム毎に
極性を反転することにより、液晶に印加される直流成分
を完全に相殺することができた。これにより、液晶の電
気化学的な劣化を防止することが図られ、液晶セルの長
寿命化ができた。なお、極性の反転は、1フレーム毎に
限らず、2フレーム毎、あるいは、それ以上のフレーム
毎に行っても、+極性のフレーム数と−極性のフレーム
数が同数であればよい。
【0117】第2実施例
【0118】本発明の駆動方式においては、Vd
b 、Ve 、Vp 、Vl は、式 (15) 、式 (16) 、式
(19) 、式 (22) 、式 (27)に示した範囲内において、あ
る程度任意に設定することが可能である。本実施例は、
電圧Ve を−7Vにした点で第1実施例と異なる。
【0119】光学応答は、前記実施例と同様良好なスウ
ィッチングとコントラストを得ることができた。
【0120】なお、Ve は、通常0V付近に設定するの
を標準とする。しかし、Vp +Vd に対する応答速度に
対して、前フレームで書き込まれたON状態をOFFす
るために要する応答時間がVe ≒0Vでは遅い場合があ
る。そのような場合、パルス幅を広げてVe ≒0Vでも
十分消去が行われるようにする必要が生じる。しかし、
e を式(17)の範囲内で大きい電圧に設定するとOFF
するために必要な応答時間を短くすることができ、Vp
+Vd に対する応答速度に近づけることができ、パルス
幅を小さく保ったままで駆動できる。
【0121】また、逆に、Ve ≒0Vでは強誘電状態か
ら反強誘電状態を通らず反対の極性の強誘電状態へ直接
スウィッチングするため、OFF状態が得られない可能
性もある。そのような時には、Ve を−側の極性にする
こと、および非選択休止パルスにより、応答を遅らせ、
反強誘電状態を発現し易くし、OFF状態へスウィッチ
ングすることが可能となる。但し、休止パルスが印加さ
れている期間が長いと暗状態も長くなることがあり、デ
ィスプレイや光シャッターなどで、光透過率を高める必
要がある場合は、休止パルスの数を最小限にすることが
望ましい。
【0122】以上、述べたように、本実施例の駆動法を
用いることにより、2パルスのみにより、表示の書換え
ができるため、駆動回路等に制限がある場合でも、液晶
パネルの特性に柔軟に対応することができ、高速の駆動
性を保持することができる。
【0123】第3実施例
【0124】本発明の駆動方式においては、Vd
b 、Ve 、Vp 、Vl は、式 (15) 、式 (16) 、式
(19) 、式 (22) 、式 (27)に示した範囲内において、あ
る程度任意に設定することが可能である。本実施例は、
休止パルスを1パルスにした点で第1実施例と異なる。
【0125】光学応答は、前記実施例と同様良好なスウ
ィッチングとコントラストを得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマトリックス型液晶表示装置の一具体
例の断面を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明のマトリックス型液晶表示装置の走査電
極と信号電極の具体的な配設構造を示す説明図である。
【図3】本発明のマトリックス型液晶表示装置の駆動手
段の具体的一例を示すブロック図である。
【図4】本発明のマトリックス型液晶表示装置の反強誘
電性液晶のセル内における分子の状態を基板面に垂直な
方向から見た場合のモデル図である。
【図5】従来法による閾値電圧の求め方を説明するため
の印加電圧と相対透過光強度との関係を示す線図であ
る。
【図6】従来の液晶装置の三角波電圧印加による光学応
答特性の測定結果を示す線図(周波数:0.01Hz)
である。
【図7】従来の液晶装置の三角波電圧印加による光学応
答特性の測定結果を示す線図(周波数:0.1Hz)で
ある。
【図8】従来の液晶装置の三角波電圧印加による光学応
答特性の測定結果を示す線図(周波数:1Hz)であ
る。
【図9】本発明の具体例における第1閾値特性を決定す
る方法を説明する図で、第2矩形波電圧<VcONのとき
の光透過率との関係を示す線図である。
【図10】本発明の具体例における第1閾値特性を決定
する方法を説明する図で、第2矩形波電圧>VcONのと
きの光透過率との関係を示す線図である。
【図11】本発明の具体例における第1閾値特性を決定
する方法を説明する図で、第2矩形波電圧>>VcON
ときの光透過率との関係を示す線図である。
【図12】本発明の具体例における第1閾値特性を決定
する方法を説明する図で、印加電圧と応答速度の関係を
示す線図である。
【図13】本発明の具体例における第2閾値特性を決定
する方法を説明する図で、第2矩形波電圧>VcOFF
ときの光透過率との関係を示す線図である。
【図14】本発明の具体例における第2閾値特性を決定
する方法を説明する図で、第2矩形波電圧<VcOFF
ときの光透過率との関係を示す線図である。
【図15】本発明の具体例における第2閾値特性を決定
する方法を説明する図で、第2矩形波電圧<<VcOFF
のときの光透過率との関係を示す線図である。
【図16】本発明の具体例における第2閾値特性を決定
する方法を説明する図で、印加電圧と応答速度の関係を
示す線図である。
【図17】本発明のマトリックス型液晶表示装置の駆動
方法について説明するための電圧波形図である。
【図18】本発明のマトリックス型液晶表示装置の駆動
方法について説明するための図で、ON時の印加電圧と
光透過率の関係を示す線図である。
【図19】本発明のマトリックス型液晶表示装置の駆動
方法について説明するための図で、OFF時の印加電圧
と光透過率の関係を示す線図である。
【図20】本発明のマトリックス型液晶表示装置の駆動
方法について説明するための図で、ON時とOFF時の
電圧波形図である。
【図21】本発明のマトリックス型液晶表示装置の駆動
方法について説明するための図で、フレームが−の期間
について説明する印加電圧波形図である。
【図22】本発明のマトリックス型液晶表示装置の駆動
方法について説明するための図で、+極性でON時の印
加電圧と光透過率の関係を示す線図である。
【図23】本発明のマトリックス型液晶表示装置の駆動
方法について説明するための図で、走査電極および信号
電極に加える電圧波形の一例(Ve =0の場合)を示す
線図である。
【図24】本発明の第1実施例の液晶表示装置の駆動に
ついて説明する図で、液晶への印加電圧波形図(Ve =
0の場合)である。
【符号の説明】
1 ・・・ 液晶セル 2 ・・・ 基板 3 ・・・ 基板 4 ・・・ 走査電極 5 ・・・ 信号電極 6 ・・・ 配向膜 7 ・・・ 反強誘電性液晶 9 ・・・ 駆動装置 91・・・ 走査側回路部 911・・ シフトレジスタ 912・・ データラッチ 913・・ 電圧選択回路 92・・・ 信号側回路部 921・・ シフトレジスタ 922・・ データラッチ 923・・ 電圧選択回路 93・・・ 電子制御部 94・・・ 記憶部 95・・・ 電源回路 S1・・・ 走査データ S2・・・ 信号データ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の間隔で対向して挟持された一対の
    基板と,該基板の一方の内側にストライプ状に配設され
    た走査電極と,前記一対の基板の他方の基板の内側に形
    成され,前記走査電極に対向して前記走査電極と並びの
    方向がほぼ直角に配設された信号電極と,前記基板の電
    極が形成された側の少なくとも一方に配設された配向膜
    と,前記一対の基板間に封入された反強誘電性液晶から
    なる液晶セルと、液晶セルに駆動信号を印加する駆動制
    御手段とからなるマトリックス型液晶表示装置におい
    て、 前記駆動制御手段において表示の書込みのために印加さ
    れる駆動信号が、表示を一旦消去するために印加され,
    第1閾値電圧以下に設定された第1パルスと、ONを行
    うために印加される前記第1閾値電圧以上の電圧,また
    はOFFを行うために印加される前記第1閾値電圧以下
    の電圧であり,かつ,該第1パルスと加算した実効電圧
    がある一定の電圧であり,他の期間において電圧が反転
    された時直流成分が完全に相殺されるように設定された
    第2パルスと、からなる二パルスであり、 かつ、非選択時に印加される電圧が、前記第1閾値電圧
    以下で,かつ表示を保持するために設定される第2閾値
    電圧以上のパルスと、該パルスに続く第2閾値電圧以下
    のパルスとからなり、 印加パルス単位を小さくして書込み速度および表示能力
    を向上させたことを特徴とするマトリックス型液晶表示
    装置。
  2. 【請求項2】 一方の基板に走査電極、他方の基板に信
    号電極を互いに交差する方向に配列させてなる一対の基
    板の少なくとも一方に配向層を設け、該一対の基板間に
    反強誘電性液晶を封入した液晶セルと、該液晶セルに駆
    動信号を印加する駆動制御手段とからなるマトリックス
    型液晶表示装置を駆動する方法において、 表示の書込みにおいては、表示を一旦消去するために第
    1閾値電圧以下に設定された第1パルスと、前記第1パ
    ルスと加算した実効電圧がある一定の電圧となり,他の
    期間において電圧が反転された時直流成分が完全に相殺
    されるように設定された第2パルスとからなる二パルス
    駆動信号を印加し、 非選択時においては、前記第1閾値電圧以下で,かつ表
    示を保持するために設定される第2閾値電圧以上のパル
    スと、該パルスに続く第2閾値電圧以下のパルスとから
    なる駆動信号を印加することを特徴とするマトリックス
    型液晶表示装置の駆動方法。
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