JP5517573B2 - 離型フィルム - Google Patents
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(1)積層フィルムにて構成された離型フィルムであって、
ポリエステル系エラストマー(A)にて形成されたポリエステル系エラストマー層と、
ポリエステル系エラストマー(A)よりガラス転移温度が高いポリエステル(B)にて形成されたポリエステル層とを有し、
少なくともポリエステル系エラストマー層が表層に配され、
ポリエステル系エラストマー(A)は、ガラス転移温度が−20〜20℃、かつ結晶融解熱量が25〜45J/gであり、
ポリエステル(B)は、ガラス転移温度が20℃以上であり、かつポリエステル系エラストマー(A)よりも高いガラス転移温度を有しており、
積層フィルム全体の結晶融解熱量が35〜45J/gであり、
積層フィルムが実質的に無延伸である、
ことを特徴とする離型フィルム。
本発明の離型フィルムは、ポリエステル系エラストマー層と、ポリエステル層とを有し、少なくともポリエステル系エラストマー層が表層に配置された積層フィルムである。
ポリエステル系エラストマー層は、離型フィルムの表層に配されて離型層として機能する。ポリエステル系エラストマー層がなければ、埋込性が低下して、たとえばカバーレイフィルムを用いた積層板のプレス時において、接着剤のはみ出し現象が生じやすくなる。
ポリエステル系エラストマー(A)は、結晶化速度指標が50℃未満であることが好ましい。結晶化速度指標は、溶融後の冷却時の結晶化の速さを示す指標である。結晶化速度指標が50℃以上であると、すなわち、溶融後の冷却時の結晶化速度が遅いと、積層フィルムとしたときの耐熱性付与が困難になることがある。その結果、結晶化処理をロールでの直接的加熱で行う場合には剥離不良が生じたり、熱風や赤外線等の間接的加熱で行う場合にはタルミが生じたりすることがある。結晶化速度指標が50℃未満であると、ポリエステル系エラストマー(A)を溶融押出した後に冷却固化のために接触させる冷却ロールで同ポリエステル系エラストマー(A)を結晶化させることが可能であり、しかも冷却ロールの温度やロール速度によってシートの結晶状態を制御することが可能である。ポリエステル系エラストマー(A)の結晶化速度指標は、20〜45℃であることがより好ましく、25〜40℃であることが特に好ましい。
本発明の離型フィルムにおいては、離型層として機能する前記ポリエステル系エラストマー層のための支持層として、ポリエステル系エラストマー層にポリエステル層が積層されていることが必要である。ポリエステル層がなければ、フィルム製造時のロール巻取りにおいてシワが発生し、製膜作業性が著しく低下する。このため、工業的な生産が困難となる。
本発明の離型フィルムは、ポリエステル系エラストマー層とポリエステル層とが積層した積層フィルムである。
本発明の離型フィルムの製造方法としては、例えば、水冷式又は空冷式共押出インフレーション法や、共押出Tダイ法などによって製膜する方法が挙げられる。なかでも、共押出Tダイ法で製膜する方法が、各層の厚み制御に優れる点から好ましい。
下記の実施例及び比較例におけるフィルムの原料、および、その特性値の測定法は、次の通りである。なおTmは融点の意味であり、Tgはガラス転移温度の意味である。
・ハイトレル4777;東レ・デュポン社製、Tm200℃、Tg−35℃
・ハイトレル5577;東レ・デュポン社製、Tm217℃、Tg−20℃
・ハイトレル6377;東レ・デュポン社製、Tm221℃、Tg3℃
・ハイトレル7277;東レ・デュポン社製、Tm221℃、Tg12℃
上記4種のポリエステル系エラストマーは、いずれもポリブチレンテレフタレートとポリエーテルのブロック共重合体である。
・ノバデュラン5010CS(ポリブチレンテレフタレート);三菱エンジニアリングプラスチックス社製、Tm223℃、Tg34℃
・PETG(1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステル);イーストマンケミカル社製、PETG6367、Tg80℃
・IP−22(イソフタル酸22mol共重合PET);IV0.65dl/g、Tg65℃、Sb触媒100ppm含有、Tg70℃
・ポリメチルペンテン;三井化学社製DX845、Tm233℃、Tg20℃
示差走査型熱量計(Perkin Elmer社製、Pyris 1 DSC)を用い、サンプル10mgを速度20℃/minで260℃まで昇温し、ガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)、結晶融解熱量(△Hm)を測定した。さらに、260℃で3分間ホールドした後、速度20℃/minで冷却し、結晶化ピーク温度(Tc)を測定した。融点(Tm)と降温時の結晶化ピーク温度(Tc)との差を結晶化速度指標とした。
得られたフィルムの端部をカットした後のロール巻取り性と、巻取ったロールを40℃で1日保存した後の状態とを、以下の基準に従って評価した。
不良:ロール巻取り時にシワなく巻き取ることが困難であるが、保存後の状態には変化が認められない
厚さ25μmのポリイミドフィルム(デュポン社製、カプトン100V)の両面に、エポキシ系接着剤(東亜合成社製、AS−60)を、それぞれ厚さ20μmで塗布した。その両面に厚さ35μmの銅箔を積層して、3層タイプの銅張積層板を作成した。その片面に、厚さ20μmのエポキシ系接着剤(東亜合成社製、AS−60)を塗布した厚さ25μm厚のポリイミドフィルム(デュポン社製カプトン100V)を、カバーレイフィルムとしてのせた。これにより得られた積層体の両面側を、離型フィルムで挟んだ。このとき、離型フィルムのポリエステル系エラストマー面が内側すなわち積層体の表面側になるように配置した。
良:プレス後のフィルムにシワが認められない
可:プレス後のフィルムにシワが認められる
カバーレイフィルム孔部の接着剤のはみ出しを顕微鏡にて観察し、以下の基準にて評価した。
良:接着剤のはみ出し量が50μmを越え70μm以下
可:接着剤のはみ出し量が70μmを越え100μm以下
不良:接着剤のはみ出し量が100μmを越える
優秀:抵抗なく剥せる
良:やや抵抗はあるが積層体に影響なく剥がれる
可:抵抗はあるが、積層体の変形なく剥せる
不良:抵抗が強く、剥離時に積層体の変形を伴う
熱脱着ガスクロマトグラフィー/質量分析計(GC/MS)を用い、180℃、10分間の加熱でフィルムから発生するガスを無極性キャピラリーカラムを用いて分離し、検出されたピーク総面積のヘキサン換算量をフィルム重量で規格化し、これをアウトガス発生量とした。アウトガス発生量は少ない程好ましく、200ppm以下を良好と判断とした。
2台の独立した押出機を用いて、ハイトレル5577(ポリエステル系エラストマー)と、ノバデュラン5010AS(ポリエステル)とを、各々260℃で溶融し、それぞれの溶融体をTダイの出口に至る前で(ポリエステル系エラストマー)/(ポリエステル)の2層状に合流積層した後、Tダイ出口より押出した。そして、ハイトレル5577側を60℃に調整した冷却ロールに密着させて冷却して、層厚みが(ポリエステル系エラストマー層)/(ポリエステル層)=20/80[μm]の積層フィルムを得た。冷却ロールへの密着時間は6秒であった。
実施例1に比べて、ポリエステル系エラストマー層の樹脂、層厚み構成、冷却ロール温度を、表1に記載のように変更した。そして、そのほかは、実施例1と同様の操作を行って、(ポリエステル系エラストマー層)/(ポリエステル層)の構成を有する2種2層の積層フィルムを得た。
2台の独立した押出機を用いて、ハイトレル6377(ポリエステル系エラストマー)とノバデュラン5010AS(ポリエステル)とを、各々260℃で溶融し、それぞれの溶融体をTダイの出口に至る前で(ポリエステル系エラストマー)/(ポリエステル)/(ポリエステル系エラストマー)の3層状に合流積層した後、Tダイ出口より押出した。そして、50℃に調整した冷却ロールに密着させて冷却して、層厚み構成が、(ポリエステル系エラストマー層)/(ポリエステル層)/(ポリエステル系エラストマー層)=15/20/15[μm]の積層フィルムを得た。冷却ロールへの密着時間は6秒であった。
実施例4に比べて、ポリエステル系エラストマー層、ポリエステル層の樹脂、層厚み構成、冷却ロール温度を表1記載のように変更したほかは、実施例4と同様の操作を行って、(ポリエステル系エラストマー層)/(ポリエステル層)/(ポリエステル系エラストマー層)の構成を有する2種3層の積層フィルムを得た。なお、比較例5は、PBT樹脂を積層フィルムの両面に配したものであった。
押出機に表1に示す樹脂を供給し、比較例1および2は260℃、比較例8は280℃でそれぞれ溶融させてTダイ出口より押出し、表1に示す温度に調整した冷却ロールに密着させて冷却することで、表1に示す厚みを有する単層フィルムを得た。冷却ロールへの密着時間は6秒であった。
Claims (4)
- 積層フィルムにて構成された離型フィルムであって、
ポリエステル系エラストマー(A)にて形成されたポリエステル系エラストマー層と、
ポリエステル系エラストマー(A)よりガラス転移温度が高いポリエステル(B)にて形成されたポリエステル層とを有し、
少なくともポリエステル系エラストマー層が表層に配され、
ポリエステル系エラストマー(A)は、ガラス転移温度が−20〜20℃、かつ結晶融解熱量が25〜45J/gであり、
ポリエステル(B)は、ガラス転移温度が20℃以上であり、かつポリエステル系エラストマー(A)よりも高いガラス転移温度を有しており、
積層フィルム全体の結晶融解熱量が35〜45J/gであり、
積層フィルムが実質的に無延伸である、
ことを特徴とする離型フィルム。 - ポリエステル系エラストマー(A)が、ポリブチレンテレフタレートとポリエーテルのブロック共重合体であることを特徴とする請求項1記載の離型フィルム。
- ポリエステル(B)が、ポリブチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1または2記載の離型フィルム。
- 積層フィルムの構成が、(ポリエステル系エラストマー層)/(ポリエステル層)の2種2層、または(ポリエステル系エラストマー層)/(ポリエステル層)/(ポリエステル系エラストマー層)の2種3層であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の離型フィルム。
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