JP5034193B2 - 転写箔用積層フィルム - Google Patents
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下記(1)を満たすジカルボン酸成分および下記(2)を満たすグリコール成分を含むポリエステルからなるポリエステル層の少なくとも片面に、結晶性パラメータΔTcgが35℃以下の高結晶性ポリエステルからなる高結晶性ポリエステル層が積層された積層フィルムであり、
該ポリエステル層の面配向係数が0〜0.05の範囲であり、
該高結晶性ポリエステル層の結晶化指数Xsと該ポリエステル層の結晶化指数Xcの関係式がXs−Xc≧4%の範囲であり、
かつ、少なくとも一方の高結晶性ポリエステル層面の水との接触角(室温23℃湿度65%雰囲気中)が85°以上であり、
該高結晶性ポリエステル層の組成が、下記(3)を満たすポリエステルが50〜100質量%と、イソフタル酸を5〜30モル%共重合したポリエチレンテレフタレートが0〜50質量%とからなることを特徴とするものである。
(1)ジカルボン酸成分中にナフタレンジカルボン酸および/またはテレフタル酸を90モル%以上含む。
(2)グリコール成分中にエチレングリコール成分を20〜99.9モル%の範囲で含み、かつ、1,3−プロパンジオール成分および/または1,4−ブタンジオール成分を0.1〜80モル%の範囲で含む。
(3)ジカルボン酸成分がナフタレンジカルボン酸および/またはテレフタル酸であり、グリコール成分が1,3−プロパンジオール成分および/または1,4−ブタンジオール成分である。
また、例えば温度や湿度等による各層の伸縮応力の違いに起因するフィルムのカール現象の抑制やフィルムの取り扱い性の点より、高結晶性ポリエステル層/ポリエステル層/高結晶性ポリエステル層のフィルム構成で積層することが好ましいが、本発明はこのフィルム構成に限定されるものではない。
本発明の積層フィルムのポリエステル層および高結晶性ポリエステル層に用いるポリエステルは、ジカルボン酸成分とグリコール成分とで基本的に構成されるポリマーであることが好ましい。
ここで、面配向係数とは、下記[式1]で表されるfnのことであり、フィルム表面の配向度を表したものである。
・面配向係数: fn=(Nx+Ny)/2−Nz ・・・[式1]
また、Nx、Ny、Nzはそれぞれ長手方向の屈折率、幅方向の屈折率、厚み方向の屈折率を表し、アッベ屈折率計などを用いて測定することのできる値である。フィルムが不透明などの理由で屈折率の測定が困難な場合は、赤外吸収スペクトルやX線等を用いる配向度の測定手法により、屈折率より面配向係数に換算することが可能である。また、ポリエステル層の面配向係数を測定する際、本発明の積層フィルムが高結晶性ポリエステル層/ポリエステル層/高結晶性ポリエステル層の構成である場合は、目の細かい紙やすりなどを用いて、一方の表層の高結晶性ポリエステル層を削り取り、ポリエステル層を露出させることによってポリエステル層の屈折率を測定することができる。
・結晶化指数: X=(Sm−Sc)/Sm×100 ・・・[式2]
ここで、Xは結晶化指数、Scは結晶化時の発熱量、Smは融解時の吸熱量を指す。
Seiko Instrument(株)社製示差走査熱量分析装置DSCII型を用い、試料5mgを昇温速度10℃/分で昇温していった際の吸熱融解曲線のピーク温度を融点(Tm)とした。また、同様の測定条件でガラス転移点(Tg)と結晶化温度(Tc)を測定して、[式3]から結晶性パラメータ(ΔTcg)を算出した。
・結晶性パラメータ: ΔTcg=Tc−Tg ・・・[式3]
(2)結晶化指数(Xs,Xc)および結晶化指数パラメータ(ΔXsc)
Seiko Instrument(株)社製示差走査熱量分析装置DSCII型を用い、試料5mgを昇温速度10℃/分で昇温していき、結晶化時の発熱量(Sc)と融解時の吸熱量(Sm)を測定し、[式4]から結晶化指数(X)を算出した。ここで得られた高結晶性ポリエステル層の結晶化指数(Xs)とポリエステル層の結晶化指数(Xc)より、[式5]を用いて結晶化指数パラメータ(ΔXsc)を算出した。
・結晶化指数: X=(Sm−Sc)/Sm×100 ・・・[式4]
・結晶化指数パラメータ: ΔXsc=Xs−Xc ・・・[式5]
(3)厚みおよび層厚み
フィルム全体の厚みを測定する際は、ダイヤルゲージを用いて、フィルムから切り出した各々の試料の任意の場所5ヶ所の厚みを測定し、平均して求めた。積層フィルムの層厚みを測定する際は、ライカマイクロシステムズ(株)社製金属顕微鏡LeicaDMLMを用いて、フィルムの断面を倍率100倍の条件で透過光を写真撮影し、積層フィルムの各層の層厚みを測定した。
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から下式から計算される値を用いる。すなわち、
ηsp/C=[η]+K[η]2・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶媒100mlあたりの溶解ポリマ質量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。
フィルムから樹脂をプラズマ低温灰化処理法で除去し、粒子を露出させる。処理条件は樹脂が灰化するが、粒子がダメージを受けない条件を選択する。これを走査型顕微鏡で粒子数5,000〜10,000個を観察し、粒子画像を画像処理装置により円相当径から数平均粒子径を求めた。
ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッベ屈折計を用いて、フィルムの表面の長手方向屈折率(Nx),幅方向屈折率(Ny),厚み方向屈折率(Nz)を測定し、[式6]から面配向係数(fn)を算出した。
・面配向係数 fn=(Nx+Ny)/2−Nz ・・・[式6]
また、フィルムが3層から成る構成である場合は、目の細かい紙鑢を用いて一方の表層を削り取り、目的の層を表層に露出させてから屈折率を測定した。
サンプルを室温23℃湿度65%の雰囲気中において、24時間放置後、その雰囲気下で接触角計CA−D型(協和界面科学(株)社製)を用い、同様の条件に保管しておいた蒸留水を用いて、後の工程でトップコート層を形成する面の接触角を測定した。測定値として、10個の平均値を用いた。
積層フィルムから、長さ150mm、幅10mmのサンプルを、機械方向および幅方向の2方向に切り出し、ASTM−D−882−81(A法)に従い、80℃雰囲気で引張速度100mm/分で測定し、500%伸長時の応力を求めた。また同様の測定条件でサンプルの破断伸度も測定した。
フィルム表面に酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエンを各々3ml滴下させて6時間放置した後、溶剤をきれいに拭き取って、表面状態を下記の評価基準の通り目視で観察し判定した。○と△であれば合格レベルである。
○:すべての溶剤に対して、白化、収縮、変形、溶剤の痕跡が認められないもの。
△:いずれかの溶剤に対して、比較的軽い白化、収縮、変形が認められるもの。
×:いずれかの溶剤に対して、白化、収縮、変形が認められるもの。
ポリウレタン系樹脂を主成分とするグラビアインキ(大日精化工業(株)社製“ハイラミック”(登録商標)、主要溶剤:トルエン/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール、インキ:723B黄)をフィルム表面に印刷(黄色50%面積)し、50℃で乾燥させた。さらにポリウレタン系樹脂を主成分とするグラビアインキ(大日精化工業(株)社製“ハイラミック”、主要溶剤:トルエン/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール、インキ:701R白)をフィルム表面に印刷(白色50%面積)し、70℃で乾燥させた。印刷版は175線35μmベタ版を用いた。印刷フィルムの状態を印刷欠点、濁り、しわなどの点から以下の評価基準で目視にて観察し、判定した。○と△であれば合格レベルである。
○:非常にきれいであり、印刷欠点、しわ、濁りなど全くない。
△:比較的印刷は良好であるが、かすかな濁りや、ごくわずかのしわなどが認められる。
×:印刷の品質が悪く、印刷欠点または印刷に影響のある濁り、しわの発生が認められる。
カップ型真空成形機を用いて80〜120℃の温度条件で成形し、成形物から転写箔フィルムを剥離するときの剥離性を以下の基準で判定した。成形は、直径50mmのカップ型で絞り比1.0の条件で行い、最も良好な温度条件で行った。
○:転写箔は非常にきれいに剥離でき、成形物の表面の欠点が認められない。
△:転写箔は剥離できるが、時折、成形物の表面に剥離ムラ由来の欠点が認められる。
×:転写箔の剥離に苦労を要する。剥離できても成形物表面は欠点が多い。
カップ型真空成形機を用いて80〜120℃の温度条件で成形性を評価した。成形は、直径50mmのカップ型で絞り比1.0の条件で行い、最も良好な温度条件で成形した際の状態を以下に基準で判定した。○と△であれば合格レベルである。
○:コーナーもシャープに成形され、成形後の厚みも均一であった。
△:コーナーにやや丸みがあり、成形後の厚みもやや不均一であった。
×:成形後の厚みが不均一であり、しわ、破れが発生した。
水との接触角、耐溶剤性、印刷性、剥離性、成形性の評価結果を踏まえ、以下の基準で判定した。○と△であれば合格レベルである。
○:水との接触角、耐溶剤性、印刷性、剥離性、成形性のすべてに評価ついて、いずれも○の評価であり、転写箔用フィルムとして、好ましく用いることができる。
△:水との接触角、耐溶剤性、印刷性、剥離性、成形性について、1項目または2項目について△の評価であったが、それ以外は○の評価であり、転写箔用フィルムとしての実用に十分耐えられる
×:水との接触角、耐溶剤性、印刷性、剥離性、成形性について、少なくとも1項目が×の評価、または3項目以上が△の評価であり、転写箔用フィルムとしての実用に耐えられない、または転写箔用フィルムとして使用することが困難である。
テレフタル酸ジメチル100質量%、エチレングリコール60質量%の混合物に、テレフタル酸ジメチル量に対して酢酸マグネシウム0.09質量%、三酸化アンチモン0.03質量%を添加して、常法により加熱昇温してエステル交換反応を行なった。次いで、該エステル交換反応生成物に、テレフタル酸ジメチル量に対して、リン酸85%水溶液0.020質量%を添加した後、重縮合反応槽に移行する。次いで、加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1mmHgの減圧下、290℃で常法により重縮合反応を行い、融点257℃、固有粘度0.65dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。
PET−Aの重合時に、耐電防止剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6質量%およびポリエチレングリコール(分子量4000)4質量%、酸化防止剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製“イルガノックス”(登録商標)1010を0.10質量%、さらに下記手法で得られた凝集シリカ粒子(富士ディビソン(株)社製、粒子径2.5μm)6質量%を添加したポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.65dl/g、融点264℃)を得た。
テレフタル酸ジメチル89モル%、イソフタル酸ジメチル11モル%を100質量%としたこと以外は、PET−Aと同様にしてイソフタル酸11モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.60dl/g、融点229℃)を得た。
テレフタル酸ジメチル82.5モル%、イソフタル酸ジメチル17.5モル%を100質量%としたこと以外は、PET−Aと同様にしてイソフタル酸17.5モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.58dl/g、融点223℃)を得た。
イーストマン・ケミカル・ジャパン(株)社製1,4−シクロへキサンジメタノール共重合ポリテレフタレート“6763”(融点190℃、固有粘度0.72)を用いた。1,4−シクロへキサンジメタノールの共重合割合は、30モル%であった。
テレフタル酸ジメチルの替わりに2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルを100質量%としたこと以外は、PET−Aと同様にしてポリエチレンナフタレート樹脂(融点270℃、固有粘度0.69dl/g)を得た。
東レ(株)社製“トレコン”(登録商標)1200Sのポリブチレンテレフタレート(融点224℃、固有粘度1.26dl/g)を用いた。
PET−Bで用いた酸化防止剤と帯電防止剤と凝集シリカ粒子をPET−Bと同じ配合で東レ(株)社製 “トレコン”(登録商標)1200Sのポリブチレンテレフタレート(融点224℃、固有粘度1.26dl/g)に添加し、得られた混合物を250℃に設定したベント式二軸押出機(L/D=35)に供給した。押出機にて溶融した溶融樹脂を口金に供給して直径5mmの円状の穴から押出し、ただちに10℃の冷却水にて急冷して得られたガット状樹脂を4mm間隔で切断し、ポリブチレンテレフタレートペレット(融点228℃、固有粘度1.26dl/g)を得た。
シェル化学(株)社製商品名“コルテラ”(登録商標)CP509201のポリプロピレンテレフタレート(固有粘度0.9dl/g、融点222℃)を用いた。
ポリエステル層に用いるポリエステルを表1の配合で混合した。さらに別途ステアリルリン酸(旭電化工業(株)社製“アデカスタブ”(登録商標)AX−71))0.1質量%を添加しベント式二軸押出機(L/D=36)に供給した。供給された樹脂は280℃で溶融させた後に真空ベント部2ヶ所を通過させた。次いで、濾過精度30μmのリーフディスクフィルターを通過させた後、マルチマニホールド式ダイに供給した。高結晶性ポリエステル層にはPBT−Aを用い、さらに別途カルナウバワックスを1.0質量%を添加してベント式二軸押出機(L/D=36)に供給し、250℃で溶融させた後に真空ベント部2ヶ所を通過させ、次いで、濾過精度30μmのリーフディスクフィルターを通過させた後、マルチマニホールド式ダイに供給した。
ポリエステル層および高結晶性ポリエステル層のポリエステルを表1の配合に変更、高結晶性ポリエステル層に添加するカルナウバワックスの添加量を1.5質量%に変更、シングルマニホールド式のダイを用いて製造したこと以外は実施例1と同様の手法にて厚み100μmの本発明の積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの高結晶性ポリエステル層1層の層厚みは15μmであった。
得られた積層フィルムに実施例1と同様の手法により、トップコート層、印刷層、接着層を形成し、深絞り転写箔用フィルムを得た。
得られた積層フィルムを用いて、実施例1と同様に転写箔として試験を行った。その結果、特に成形性において優れた特性を示した。
ポリエステル層および高結晶性ポリエステル層のポリエステルを表1の配合で混合し、キャスティングドラムへの密着の方法を、針状エッジピニング装置を用いた端部静電印加方式からワイヤーを用いた全面静電印加方式に変更、梨地キャスティングドラムを鏡面キャスティングドラムに変更、およびポリエステル層の溶融温度とダイの温度を290℃として、ポリエステル層/高結晶性ポリエステル層の2種2層構造に積層(溶融フィルムの高結晶性ポリエステル層面がキャスティングドラムに接触)し、高結晶性ポリエステル層に添加する離型剤としてメチルスチリル変性シリコーンオイル(信越化学工業(株)社製“KF−410”、25℃における粘度1000cs)を2.0質量%添加したこと以外は実施例1と同様の手法により、厚み120μmの本発明の積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの高結晶性ポリエステル層の層厚みは20μmであった。
得られた積層フィルムの高結晶性ポリエステル層面に、実施例1と同様の手法により、トップコート層、印刷層、接着層を形成し、深絞り転写箔用フィルムを得た。
得られた積層フィルムを用いて、実施例1と同様に転写箔として試験を行った。その結果、印刷性に若干劣るものの合格レベルであり、成形性においては優れた特性を示した。
ポリエステル層および高結晶性ポリエステル層のポリエステルの組成を表1の通りに変更、キャスティングドラムの温度を60℃に変更、高結晶性ポリエステル層に添加する離型剤として脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)社製“リケスター”(登録商標)EW−100)を1.0質量%添加したこと以外は実施例1と同様の手法により厚み250μmの本発明の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムの高結晶性ポリエステル層面に、実施例1と同様の手法によりトップコート層、印刷層、接着層を形成し、深絞り転写箔用フィルムを得た。
得られた積層フィルムを用いて、実施例1と同様に転写箔として試験を行った。その結果、印刷乾燥後に若干のしわが見られたものの、合格レベルであり、成形性においては特に優れた特性を示した。
ポリエステル層および高結晶性ポリエステル層のポリエステルの組成を表1の通りに変更、高結晶性ポリエステル層に添加するカルナウバワックスの添加量を0.7質量%に変更、キャスティングドラムの温度を60℃としたこと以外は実施例1と同様の手法により厚み200μmの本発明の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムの高結晶性ポリエステル層面に、実施例1と同様の手法によりトップコート層、印刷層、接着層を形成し、深絞り転写箔用フィルムを得た。
得られた積層フィルムを用いて、実施例1と同様に転写箔として試験を行った。その結果、得られたフィルムは耐溶剤性、印刷性に優れるが、成形品のコーナーにやや丸みが認められ、成形性が若干劣るものであったが、合格レベルであった。
ポリエステル層および高結晶性ポリエステル層のポリエステルの組成を表1の通りに変更、高結晶性ポリエステル層に添加するカルナウバワックスを0.5質量%に変更したこと以外は実施例1と同様の手法によって、未延伸積層フィルムを得た。得られた未延伸積層フィルムを温度95℃にて長手方向に3.4倍ロール延伸、延伸温度115℃にて幅方向に3.05倍テンター延伸した後、200℃にて弛緩5%、5秒間熱処理し、厚みを9μmに調整した二軸延伸積層フィルムを作成した。得られた二軸延伸積層フィルムのポリエステル層の面配向係数は0.160であった。
この二軸延伸積層フィルムに、実施例1と同様の手法により、トップコート層、印刷層、接着層を形成した。
得られた積層フィルムは腰がなく取り扱い性が悪く、さらに転写箔として用いても成形品のコーナー部分は転写できず、成形性は劣るものであった。
ポリエステル層および高結晶性ポリエステル層のポリエステルの組成を表1の通りとし、ポリエステル層の押出温度を250℃、キャスティングドラムの表面温度を60℃に設定し、高結晶性ポリエステル層に離型剤を添加しないこと以外は、実施例3と同様の手法により厚み200μmの積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムに、実施例1と同様の手法により、積層フィルムのキャスティングドラムに接していた面にトップコート層、印刷層、接着層の順に形成した。
得られた積層フィルムは高結晶性ポリエステル層を内側にカールして、取り扱い性に劣るものであった。また、転写箔として用いても成形品のコーナー部分は転写できず、成形性が劣るものであった。
ポリエステル層および表層のポリエステルの組成を表1の通りとし、表層の押出温度を230℃に変更、表層樹脂に添加するカルナウバワックスの添加量を0.5質量%に変更したこと以外は、実施例2と同様の手法により厚み650μmの積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムのキャスティングドラムに接していた面に、実施例1と同様の手法によりトップコート層、印刷層、接着層を形成した。
得られた積層フィルムは、成形性は優れるものの耐溶剤性が劣り、印刷の歪みが認められ、転写箔用途として実用に耐えられないものであった。
ポリエステル層の配合を表1の通りとし、ポリエステル層の押出温度を230℃に変更、キャスティングドラムの表面温度を20℃に変更、表層および離型層を設けずにポリエステル層のみで構成する以外は実施例1と同様の手法によって、厚み150μmの単膜無延伸フィルムを得た。
得られた単膜フィルムのキャスティングドラムと接触していた面に、実施例1と同様の手法により、トップコート層、印刷層、接着層を形成し、転写箔用フィルムとして評価した。
得られたフィルム特性は表2に示した通りであり、成形性は優れるものの耐溶剤性が劣り、印刷の歪みが認められ、転写箔用途として実用に耐えられないものであった。
PET:ポリエチレンテレフタレート
PBT:ポリブチレンテレフタレート
PEN:ポリエチレンナフタレート
PPT:ポリプロピレンテレフタレート
NDC量:全ジカルボン酸成分中の2,6−ナフタレンジカルボン酸成分の割合(質量%)
DMT量:全ジカルボン酸成分中のテレフタル酸成分の割合(質量%)
DMI量:全ジカルボン酸成分中のイソフタル酸成分の割合(質量%)
EG量:全グリコール成分中のエチレングリコール成分の割合(質量%)
PD量:全グリコール成分中の1,3−プロパンジオール成分の割合(質量%)
BD量:全グリコール成分中の1,4−ブタンジオール成分の割合(質量%)
F500値:温度80℃での500%伸長時の応力
A/B/A:厚み方向に高結晶性ポリエステル層/ポリエステル層/高結晶性ポリエステル層の順で積層されているというような、2種3層から成るフィルム構成
A/B:厚み方向にポリエステル層/高結晶性ポリエステル層の順で積層されているというような、2種2層から成るフィルム構成
Claims (5)
- 下記(1)を満たすジカルボン酸成分および下記(2)を満たすグリコール成分を含むポリエステルからなるポリエステル層の少なくとも片面に、結晶性パラメータΔTcgが35℃以下の高結晶性ポリエステルからなる高結晶性ポリエステル層が積層された積層フィルムであり、
該ポリエステル層の面配向係数が0〜0.05の範囲であり、
該高結晶性ポリエステル層の結晶化指数Xsと該ポリエステル層の結晶化指数Xcの関係式がXs−Xc≧4%の範囲であり、
かつ、少なくとも一方の高結晶性ポリエステル層面の水との接触角(室温23℃湿度65%雰囲気中)が85°以上であり、
該高結晶性ポリエステル層の組成が、下記(3)を満たすポリエステルが50〜100質量%と、イソフタル酸を5〜30モル%共重合したポリエチレンテレフタレートが0〜50質量%とからなる転写箔用積層フィルム。
(1)ジカルボン酸成分中にナフタレンジカルボン酸および/またはテレフタル酸を90モル%以上含む。
(2)グリコール成分中にエチレングリコール成分を20〜99.9モル%の範囲で含み、かつ、1,3−プロパンジオール成分および/または1,4−ブタンジオール成分を0.1〜80モル%の範囲で含む。
(3)ジカルボン酸成分がナフタレンジカルボン酸および/またはテレフタル酸であり、グリコール成分が1,3−プロパンジオール成分および/または1,4−ブタンジオール成分である。 - 前記積層フィルムの全厚みが10μm〜600μmの範囲であり、かつ、該高結晶性ポリエステル層の1層の厚みが積層フィルムの全厚みに対して30〜0.1%である請求項1に記載の転写箔用積層フィルム。
- 前記積層フィルムが、80℃での破断伸度が500%以上であり、500%伸長時の応力が10〜50MPaの範囲である請求項1または2のいずれかに記載の転写箔用積層フィルム。
- 前記積層フィルムが、ヘイズが10.0%以下、かつ全光線透過率が85.0%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の転写箔用積層フィルム。
- 前記積層フィルムの一方の高結晶性ポリエステル層面に、トップコート層/印刷層/接着層が、高結晶性ポリエステル層とトップコート層とが接するようにして、この順に設けられている請求項1〜4のいずれかに記載の転写箔用積層フィルム。」
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