JP5320920B2 - ポリエステルフィルム - Google Patents
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〔1〕
レーザーラマン法における1730cm −1 のスペクトルバンド半値全幅が23cm −1 未満であるポリエステル(A)層を少なくとも有し、
該ポリエステル(A)層の主成分であるポリエステル(A)が、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびこれらの共重合体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなるポリエステルであり、
該ポリエステル(A)層が、伸長剤を含有し、
該伸長剤が、脂肪族カルボン酸アミド、およびN−置換尿素からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
120℃の雰囲気下、400%伸長時の応力が、2〜20MPaの範囲であり、
ヘイズが10%以下であることを特徴とする、ポリエステルフィルム。
〔2〕
レーザーラマン法における1730cm −1 のスペクトルバンド半値全幅が23cm −1 未満であるポリエステル(A)層と、レーザーラマン法における1730cm −1 のスペクトルバンド半値全幅が23cm −1 以上であるポリエステル(B)層を少なくとも有し、
該ポリエステル(A)層の主成分であるポリエステル(A)が、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびこれらの共重合体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなるポリエステルであり、
該ポリエステル(B)層の主成分であるポリエステル(B)が、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートの共重合体からなるポリエステルであり、
該ポリエステル(A)層および/またはポリエステル(B)層が、伸長剤を含有し、
該伸長剤が、脂肪族カルボン酸アミド、およびN−置換尿素からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
120℃の雰囲気下、400%伸長時の応力が、2〜20MPaの範囲であり、
ヘイズが10%以下であることを特徴とする、ポリエステルフィルム。
〔3〕
前記伸長剤を含有する層が、脂肪族アルコール類、ソルビトール系化合物、アミノ酸、およびポリペプチドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする、〔1〕又は〔2〕に記載のポリエステルフィルム。
〔4〕
ポリエステル(B)層の両面に、ポリエステル(A)層を有することを特徴とする、〔2〕又は〔3〕に記載のポリエステルフィルム。
・面配向係数:fn={(Nx+Ny)/2}−Nz
ここで、フィルムの長手方向や幅方向が分からない場合は、フィルム面内において最大屈折率を有する方向を長手方向、フィルム面内における長手方向に直行する方向を幅方向、フィルム面内に対して直行する方向を厚み方向として、面配向係数(fn)を求めることができる。また、フィルム面内における最大屈折率の方向は、面内全ての方向の屈折率をアッベ屈折率計で測定してもよいし、例えば、位相差測定装置(複屈折測定装置)などにより遅相軸方向を決定することで求めてもよい。
(1)ガラス転移温度(Tg)、結晶化温度(Tc)および融点(Tm)
Seiko Instrument(株)社製示差走査熱量分析装置DSCII型を用い、試料5mgを昇温速度10℃/分で昇温していった際のDSC曲線からガラス転移温度(Tg)、結晶化温度(Tc)、融点(Tm)を求めた。吸熱融解曲線のピーク温度を融点(Tm)とした。
(2)厚み、ポリエステル(A)層の積層厚みおよびポリエステル(A)層の割合
フィルム全体の厚みを測定する際は、ダイヤルゲージを用いて、フィルムから切り出した各々の試料の任意の場所5ヶ所の厚みを測定し、平均して求めた。
(3)固有粘度
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から下式によって計算される値を用いる。すなわち、
ηsp/C=[η]+K[η]2×C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶媒100mlあたりの溶解ポリマー質量(g/100ml)、Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。
(4)面配向係数(fn)
ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッベ屈折計を用いて、フィルムの表面の長手方向屈折率(Nx),幅方向屈折率(Ny),厚み方向屈折率(Nz)を測定し、下式から面配向係数(fn)を算出した。
・面配向係数 fn={(Nx+Ny)/2}−Nz
(5)レーザーラマン法における1730cm−1のスペクトルバンド半値全幅
ポリエステルフィルムをエポキシ樹脂包埋後、ミクロトームにより断面を作製し、フィルム(A)層表面から1μmの測定点およびポリエステル(A)層とポリエステル(B)層の界面からポリエステル(B)層へ1μmの測定点について、下記装置および測定条件でラマンスペクトルを測定し、1730cm−1付近のラマンバンドの半値全幅(cm−1)を測定した。異なる場所で測定数n=5の測定を行い、その平均値を求め、スペクトルバンド半値全幅とした。
装置:Ramnor T−64000(堀場Jobin Yvon)
顕微ラマン(ラマンマイクロプローブ)の機能を兼備
・マイクロプローブ
Beam Splitter:右
対物レンズ:×100
ビーム径:1μm
クロススリット:200μm
・光源
Ar+レーザー:NEC GLG3460 5145A
レーザーパワー:40mW
・分光器
構成:640mm Triple Monochromator
回折格子:PAC Holographic 76×76mm
Spectrograph 1800gr/mm
分散:Single、7A/mm
スリット:100μm
・検出器
CCD:Jobin Yvon 1024×256
(6)梨地ドラムの表面粗さRa
厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルム(ビオデンRFAトリアセチルセルロース/溶剤:酢酸メチル)を用い、トリアセチルセルロースフィルムを梨地ドラム面に圧着ローラーで線圧9.8N/cmを加えて、梨地ドラムの表面形状を転写させたものを室温で溶剤を乾燥して、このレプリカサンプルを測定サンプルとした。
(7)耐熱性(5%変形温度)
セイコーインスツルメンツ(株)製:TMA熱分析システムEXSTAR6000により、昇温速度10℃/分、測定温度範囲25〜200℃、サンプル試験長20mm、サンプル幅4mmとし、応力1.2MPaの荷重となる条件にて測定した。フィルムの長手方向、幅方向を試験数n=5の測定を行い、伸長曲線から試験長が5%伸長したときの温度を求め、長手方向、幅方向の平均値を5%変形温度とし、下記の評価基準で耐熱性を評価した。○と△であれば、合格レベルである。
○:5%変形温度が80℃を越えるもの。
△:5%変形温度が75〜80℃の範囲のもの。
×:5%変形温度が75℃未満のもの。
(8)120℃雰囲気下での400%伸長時の応力および破断伸度
ポリエステルフィルムから、長さ200mm、幅10mmのサンプルを、機械方向および幅方向の2方向に切り出し、ASTM−D−882−81(A法)に従い、120℃雰囲気下で引張速度200mm/分で、機械方向および幅方向の各々について試験数n=5で測定し、400%伸長時の応力の全測定結果の平均値を求め、400%伸長時の応力とした。また同様の測定条件でサンプルの破断伸度も測定した。
(9)耐溶剤性
フィルム表面に酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、メチルイソブチルケトンの5種類について、各々3ml滴下させて6時間放置した後、溶剤をきれいに拭き取って、表面状態を下記の評価基準の通り目視で観察し判定した。○と△であれば合格レベルである。
○:すべての溶剤に対して、白化、収縮、変形、溶剤の痕跡が認められないもの。
△:いずれかの溶剤に対して、比較的軽い白化、収縮、変形が認められるもの。
×:いずれかの溶剤に対して、白化、収縮、変形が認められるもの。
(10)成形性
カップ型真空成形機を用いて120℃の温度条件で成形性を評価した。成形は、直径50mmのカップ型で絞り比1.0の条件で行い、最も良好な温度条件で成形した際の状態を以下に基準で判定した。○と△であれば合格レベルである。
○:コーナーもシャープに成形され、成形後の厚みも均一であった。
△:コーナーにやや丸みがあり、成形後の厚みもやや不均一であった。
×:成形後の厚みが不均一であり、しわ、破れが発生した。
(11)総合評価
耐熱性、耐溶剤性、成形性の評価結果を踏まえ、以下の基準で判定した。○と△であれば合格レベルである。
○:耐熱性、耐溶剤性、成形性のすべての評価ついて、いずれも○の評価であり、転写箔用フィルムとして、好ましく用いることができる。
△:耐熱性、耐溶剤性、成形性について、1項目または2項目について△の評価であったが、それ以外は○の評価であり、転写箔用フィルムとしての実用に十分耐えられる。
×:耐熱性、耐溶剤性、成形性について、少なくとも1項目が×の評価であり、転写箔用フィルムとしての実用に耐えられない、または転写箔用フィルムとして使用することが困難である。
[ポリエチレンテレフタレート(PET)]
テレフタル酸ジメチル95.3質量部、エチレングリコール54.7質量部の混合物に、酢酸マグネシウム0.09質量部、三酸化二アンチモン0.03質量部を添加して、常法により加熱昇温してエステル交換反応を行った。
[イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(PET−I)]
テレフタル酸ジメチル75.5質量部、イソフタル酸ジメチル16.0質量部、エチレングリコール58.5質量部の混合物を用いた以外上記PETと同様の方法で、融点223℃、固有粘度0.70dl/gのイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(PET−I)を得た。
[ポリブチレンテレフタレート(PBT)]
テレフタル酸ジメチル69.7質量部、1、4−ブタンジオール80.3質量部の混合物に、テトラブチルチタネート0.05質量部、IRGANOX1010(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社)0.02質量部を加えて最終的に210℃まで昇温を行い、エステル交換反応を行った。
[ポリプロピレンテレフタレート(PPT)]
テレフタル酸ジメチル80.5質量部、1,3−プロパンジオール69.5質量部の混合物に、テトラブチルチタネート0.06質量部を加えて最終的に220℃まで昇温を行い、エステル交換反応を行った。
[ポリエチレンナフタレート(PEN)]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル99.4質量部、エチレングリコール50.6質量部の混合物に、テトラブチルチタネート0.06質量部を加えて最終的に220℃まで昇温を行い、エステル交換反応を行った。
[粒子マスター1(MS−1)]
上記で得られたPET90質量部、二酸化ケイ素(富士シリシア化学(株)製“サイリシア445”、平均粒子径2.5μm)10質量部の混合物を30mmφのベント式異方向二押出機(L/D=35)を用い、260℃で混練し、二酸化ケイ素を10質量%含有した二酸化ケイ素マスター(MS−1)を作製した。
[粒子マスター2(MS−2)]
上記で得られたPBT90質量部、二酸化ケイ素(富士シリシア化学(株)製“サイリシア445”、平均粒子径2.5μm)10質量部の混合物を30mmφのベント式異方向二押出機(L/D=35)を用い、260℃で混練し、二酸化ケイ素を10質量%含有した二酸化ケイ素マスター(MS−2)を作製した。
[粒子マスター3(MS−3)]
上記で得られたPPT90質量部、二酸化ケイ素(富士シリシア化学(株)製“サイリシア445”、平均粒子径2.5μm)10質量部の混合物を30mmφのベント式異方向二押出機(L/D=35)を用い、260℃で混練し、二酸化ケイ素を10質量%含有した二酸化ケイ素マスター(MS−3)を作製した。
[粒子マスター4(MS−4)]
上記で得られたPEN90質量部、二酸化ケイ素(富士シリシア化学(株)製“サイリシア445”、平均粒子径2.5μm)10質量部の混合物を30mmφのベント式異方向二押出機(L/D=35)を用い、300℃で混練し、二酸化ケイ素を10質量%含有した二酸化ケイ素マスター(MS−4)を作製した。
[伸長剤−1]
エチレンビスラウリル酸アミド(EBLA)
[伸長剤−2]
エチレンビスステアリン酸アミド(EBSA)
[伸長剤−3]
ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール(BMBS)
[伸長剤−4]
[伸長剤−1](30g)と[伸長剤−3](30g)を、ジメチルスルホキシド(DMSO)200ml中に加え、系内を100℃に加熱し、溶液が透明になるまで撹拌した。その後DMSOを減圧留去し、更に100℃の真空乾燥機で12時間乾燥して、溶液混合物[伸長剤−4]を得た。
[伸長剤−5]
[伸長剤−1](30g)と[伸長剤−3](30g)を、窒素雰囲気下、300℃で5分間溶融混合し、溶融混合物[伸長剤−5]を得た。
[離型剤−1]
反応釜中に、水600質量部を入れ、ベヘニルメタクレート70質量部、メタクリル酸30質量部の混合物に、アゾビスイソブチロニトリル1質量部、分散剤としてカルボキシメチルソロソルブ0.6質量部、ポリアクリル酸ソーダ0.5質量部を加えて、攪拌しながら、85℃で5時間反応させた。水洗にてポリマー分を洗浄し、固形物を得た。固形物をこの固形物(精製物)をFT−IR((株)島津製作所製、FTIR−8100M)及び13C−NMR(日本電子(株)製、JNM−EX400)を用いて分析したところ、ベヘニルメタクリレート単位69.8質量%、メタクリル酸単位30.2質量%の長鎖アルキルアクリレート共重合樹脂であり、仕込みモノマー組成比とほぼ同一の共重合組成であった。
(実施例1)
ポリエステル(A)層のポリエステルとして、PBTのペレット(97質量%)、粒子マスターMS−2のペレット(2質量%)、[伸長剤−1]1質量%の混合物を用い、押出温度260℃に設定したベント式異方向二軸押出機A(ベント口2ヶ所、L/D=70)に、ポリエステル(B)層のポリエステルとして、PETのペレット(94質量%)、PBTのペレット(5質量%)、伸長剤−1(1質量%)の混合物を用い、押出温度280℃に設定したベント式異方向二軸押出機B(ベント口2ヶ所、L/D=70)にそれぞれ投与し、A層/B層/A層の3層ピノールを通し、280℃に設定したスリット間隙0.8mmのTダイ口金に導きフィルム状に押出し、押出されたシートの両端部に針状エッジピニング装置を用いて静電印加方式およびエアーチャンバー方式を併用し、表面温度60℃の梨地キャスティングドラム(中心線表面粗さRa=200〜350nm)に密着させて冷却固化し、厚み100μm(A層/B層/A層厚み=10μm/80μm/10μm)のポリエステルフィルムを作製した。フィルムの面配向係数(fn)は、0.00であった。ポリエステルフィルムは安定に製膜でき、カールなど生じず、取扱性に優れていた。
(実施例2)
ポリエステル(A)層のポリエステルとして、PBTのペレット(96質量%)、粒子マスターのペレットMS−2(2質量%)、伸長剤2(2質量%)の混合物を用い、ポリエステル(B)層のポリエステルとして、PETのペレット(90質量%)、PBTのペレット(8質量%)、伸長剤2(2質量%)の混合物を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、厚み75μm(A層/B層厚み=22.6μm/42.4μm)のポリエステルフィルムを作製した。また、実施例1と同様の方法で、転写箔およびカップ型成形物を作製した。
(実施例3)
ポリエステル(A)層のポリエステルとして、PPT(97質量%)、粒子マスターMS−3のペレット(2質量%)、伸長剤3(1質量%)の混合物を用い、ポリエステル(B)層のポリエステルとして、PETのペレット(89質量%)、PPT(10質量%)、伸長剤3(1質量%)の混合物を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、厚み50μm(A層/B層/A層厚み=10μm/30μm/10μm)のポリエステルフィルムを作製した。また、実施例1と同様の方法で、転写箔およびカップ型成形物を作製した。
(実施例4)
ポリエステル(A)層のポリエステルとして、PENのペレット(97質量%)、粒子マスターMS−4(2質量%)、伸長剤4(1質量%)の混合物を用い、押出温度300℃、ポリエステル(B)層のポリエステルとして、PETのペレット(89質量%)、PENのペレット(10質量%)、伸長剤4(1質量%)の混合物を用い、押出温度285℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、厚み60μm(A層/B層/A層厚み=3μm/54μm/3μm)のポリエステルフィルムを作製した。また、実施例1と同様の方法で、転写箔およびカップ型成形物を作製した。
(実施例5)
ポリエステル(A)層のポリエステルとして、PBTのペレット(98質量%)、粒子マスターMS−2(2質量%)を用い、ポリエステル(B)層のポリエステルとして、PETのペレット(79質量%)、PBTのペレット(20質量%)、伸長剤5(1質量%)の混合物を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、厚み30μm(A層/B層/A層厚み=7.5μm/15μm/7.5μm)のポリエステルフィルムを作製した。また、実施例1と同様の方法で、転写箔およびカップ型成形物を作製した。
(実施例6)
ポリエステル(A)層のポリエステルとして、PBTのペレット(97.5質量%)、粒子マスターMS−2のペレット(2質量%)、伸長剤1(0.5質量%)の混合物を用い、ポリエステル(B)層のポリエステルとして、PET−I(100質量%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、厚み90μm(A層/B層/A層厚み=15μm/60μm/15μm)のポリエステルフィルムを作製した。また、実施例1と同様の方法で、転写箔およびカップ型成形物を作製した。
(実施例7)
ポリエステル(A)層のポリエステルとして、PBTのペレット(97質量%)、粒子マスターMS−2のペレット(2質量%)、伸長剤1(1質量%)の混合物を用い、ポリエステル(B)層のポリエステルを用いなかった以外は、実施例と同様の方法で、厚み100μmの単層ポリエステルフィルムを作製した。また、実施例1と同様の方法で、転写箔およびカップ型成形物を作製した。
(比較例1)
ポリエステル(A)層のポリエステルとして、PETのペレット(97質量%)、粒子マスターMS−1(2質量%)、伸長剤1(1質量%)の混合物を用い、押出温度を280℃にし、ポリエステル(B)層のポリエステルとして、PETのペレット(99質量%)、伸長剤1(1質量%)の混合物を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、厚み100μmの単層ポリエステルフィルムを作製した。また、実施例1と同様の方法で、転写箔およびカップ型成形物を作製した。
(比較例2)
ポリエステル(A)層のポリエステルとして、PBTのペレット(98質量%)、粒子マスターMS−2(2質量%)の混合物を用い、ポリエステル(B)層のポリエステルとして、PETのペレット(92質量%)、PBTマスターのペレット(8質量%)の混合物を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、厚み50μm(A層/B層/A層厚み=0.8μm/48.4μm/0.8μm)のポリエステルフィルムを作製した。また、実施例1と同様の方法で、転写箔およびカップ型成形物を作製した。
(比較例3)
梨地キャストドラムの温度を25℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、厚み100μm(A層/B層/A層厚み=10μm/80μm/10μm)のポリエステルフィルムを作製した。また、実施例1と同様の方法で、転写箔およびカップ型成形物を作製した。
(比較例4)
ポリエステル(A)層のポリエステルとして、PBTのペレット(98.8質量%)、粒子マスターMS−2(0.2質量%)、伸長剤1(1質量%)の混合物(150℃×4時間減圧乾燥)を用い、押出温度260℃に設定した一軸押出機Aに、ポリエステル(B)層のポリエステルとして、PETのペレット(99質量%)、伸長剤1(1質量%)の混合物(150℃×4時間減圧乾燥)を用い、押出温度280℃に設定した一軸押出機Bにそれぞれ投与し、A層/B層/A層の3層ピノールを通し、280℃に設定したスリット間隙0.8mmのTダイ口金に導き、フィルム状に押出し、静電印加させながら、25℃に保った鏡面金属ドラムに巻き付けて冷却固化せしめ、未延伸フィルムを得た。
PET:ポリエチレンテレフタレート
PET−I:イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート
PBT:ポリブチレンテレフタレート
PPT:ポリプロピレンテレフタレート
PEN:ポリエチレンナフタレート
実施例1〜2、実施例5で得られたフィルムは、転写箔とした場合、透明性、耐熱性、耐溶剤性、成形性に優れ、転写箔用フィルムとして優れたフィルムであった。
Claims (4)
- レーザーラマン法における1730cm−1のスペクトルバンド半値全幅が23cm−1未満であるポリエステル(A)層を少なくとも有し、
該ポリエステル(A)層の主成分であるポリエステル(A)が、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびこれらの共重合体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなるポリエステルであり、
該ポリエステル(A)層が、伸長剤を含有し、
該伸長剤が、脂肪族カルボン酸アミド、およびN−置換尿素からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
120℃の雰囲気下、400%伸長時の応力が、2〜20MPaの範囲であり、
ヘイズが10%以下であることを特徴とする、ポリエステルフィルム。 - レーザーラマン法における1730cm−1のスペクトルバンド半値全幅が23cm−1未満であるポリエステル(A)層と、レーザーラマン法における1730cm−1のスペクトルバンド半値全幅が23cm−1以上であるポリエステル(B)層を少なくとも有し、
該ポリエステル(A)層の主成分であるポリエステル(A)が、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびこれらの共重合体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなるポリエステルであり、
該ポリエステル(B)層の主成分であるポリエステル(B)が、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートの共重合体からなるポリエステルであり、
該ポリエステル(A)層および/またはポリエステル(B)層が、伸長剤を含有し、
該伸長剤が、脂肪族カルボン酸アミド、およびN−置換尿素からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
120℃の雰囲気下、400%伸長時の応力が、2〜20MPaの範囲であり、
ヘイズが10%以下であることを特徴とする、ポリエステルフィルム。 - 前記伸長剤を含有する層が、脂肪族アルコール類、ソルビトール系化合物、アミノ酸、およびポリペプチドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリエステルフィルム。
- ポリエステル(B)層の両面に、ポリエステル(A)層を有することを特徴とする、請求項2又は3に記載のポリエステルフィルム。
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