JP6181354B2 - 離型フィルム - Google Patents
離型フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP6181354B2 JP6181354B2 JP2012123242A JP2012123242A JP6181354B2 JP 6181354 B2 JP6181354 B2 JP 6181354B2 JP 2012123242 A JP2012123242 A JP 2012123242A JP 2012123242 A JP2012123242 A JP 2012123242A JP 6181354 B2 JP6181354 B2 JP 6181354B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- layer
- polyester
- polyethylene terephthalate
- crystallization
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Description
(1)エーテル結合性の酸素原子を1.0〜4.0質量%含有する共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)層と、昇温結晶化熱量が15〜40J/gであるポリエステル(B)層とが積層されてなる離型フィルム。
(2)ポリエステル(B)が、イソフタル酸および/またはダイマー酸を共重合したポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする(1)記載の離型フィルム。
(3)ポリエステル(B)がポリブチレンテレフタレートと非晶性ポリエステルの混合物であることを特徴とする(1)記載の離型フィルム
(4)積層構成が、(A)/(B)の2種2層、または(A)/(B)/(A)の2種3層である(1)〜(3)いずれかに記載の離型フィルム。
エーテル結合性の酸素原子の含有量は、好ましくは、1.0〜3.0質量%、さらに好ましくは1.5〜2.5質量%である。
エーテル性の酸素原子の含有量を調節しやすいことから、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリプロピレングリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体などが好ましい。また、これらの数平均分子量としては、300〜6000程度であることが好ましい。
さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3官能化合物等を少量用いてもよい。
これらの共重合成分は2種以上併用してもよく、共重合の割合は、ポリエステル(B)の融点や結晶化特性が上記範囲内となるように選択すればよい。
実施例及び比較例におけるフィルムの原料、および、特性値の測定法は、次の通りである。Tmは融点、Tgはガラス転移温度の意味である。
(A)共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂
・PTMG1000−12;Tm249℃、Tg47℃、結晶化速度指標103℃、エーテル結合性の酸素原子2.4質量%
ビス(β‐ヒドロキシエチル)テレフタレートおよびその低重合体の存在するエステル化反応器に、テレフタル酸とエチレングリコールのスラリーを連続的に供給し、温度250℃で8時間反応させて、エステル化反応率95%付近のエステル化物を連続的に得た。次いで、これを重合缶に移送し、二酸化ゲルマニウムさらに、数平均分子量1000のポリテトラメチレングリコールをポリマー中の含有量が12質量%になるように添加し、1.3hPa以下の減圧下、温度280℃で2時間溶融重合を行い、共重合ポリエチレンテレフタレートを得た。
・PTMG2000−8;
Tm251℃、Tg65℃、結晶化速度指標118℃、エーテル結合性の酸素原子1.7質量%
・PTMG3000−12;
Tm253℃、Tg60℃、結晶化速度指標123℃、エーテル結合性の酸素原子2.6質量%
・PTMG1000−4;
Tm252℃、Tg60℃、結晶化速度指標95℃、エーテル結合性の酸素原子0.8質量%
・PTMG1000−22;
Tm244℃、Tg40℃、結晶化速度指標148℃、エーテル結合性の酸素原子4.4質量%
Tm250℃、Tg63℃、結晶化速度指標124℃、エーテル結合性の酸素原子3.5質量%
数平均分子量2000のポリエチレングリコールを10質量%になるように添加した以外は、上記共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂と同様にして得た。
・IP−2;Tm:246℃
・IP−4;Tm:230℃
・IP−6;Tm:221℃
・IP−9;Tm:220℃
イソフタル酸を2、4、6、9mol%になるように添加した以外は、上記共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂と同様にして得た。
・DA−8:Tm220℃
ダイマー酸;ヘンケルエメリー社製「エンポール1008」を8mol%になるように添加した以外は、上記共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂と同様にして得た。
・PETG;イーストマンケミカル社製EASTER copolyester GN001、Tg80℃
・PBT;三菱エンジニアリングプラスチックス社製ノバデュラン5010CS、Tm:221℃
・PET;日本エステル社製NEH−2050、Tm:252℃
・ハイトレル6347;東レ・デュポン社製PBT系エラストマー 、Tm221℃、Tg3℃
・TPX(ポリメチルペンテン);三井化学社製DX845、Tm233℃、Tg20℃
示差走査型熱量計(Perkin Elmer社製 Pyris DSC7)を用い、サンプル10mgを速度20℃/minで280℃まで昇温し、ガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)、結晶融解熱量(△Hm)、昇温結晶化開始温度(Tcs)、昇温結晶化ピーク温度(Tc)、昇温結晶化熱量(ΔHc)を測定した。さらに、280℃で3分間ホールドした後、速度20℃/minで冷却し、降温結晶化ピーク温度(Tcc)を測定した。融点と降温結晶化ピーク温度の差を結晶化速度指標とした。
融点(Tm)、ガラス転移温度(Tg)、結晶化速度指標の測定におけるサンプルは、原料樹脂を一度溶融してから急冷して得た非晶化したサンプルを用いた。
(A)層の結晶融解熱量(ΔHm)、(B)層の昇温結晶化開始温度(Tcs)、昇温結晶化ピーク温度(Tc)、昇温結晶化熱量(ΔHc)は各樹脂を、厚み、押出速度、キャスティングロール温度を積層フィルムと同条件になるようにして単層フィルムサンプルを作成し、これを用いて測定した。
得られたフィルムの端部をカットした後のロール巻取り性と、巻取ったロールを40℃で1日保存後の状態を以下の基準に従って評価した。
○:ロール巻取り性に問題なく、保存後も状態に変化が認められない。
×:ロール巻取り時にシワなく巻き取ることが困難であり、保存後の状態には変化が認められなかった。
両面に20μmのエポキシ系接着剤(東亜合成社製AS−60)を塗布した25μmポリイミドフィルム(デュポン社製カプトン100V)の両側に、厚さ35μmの銅箔を積層して3層タイプの銅張積層板を作成した。その片面に20μmのエポキシ系接着剤(東亜合成社製AS−60)を塗布した25μm厚のポリイミドフィルム(デュポン社製カプトン100V)カバーレイフィルムをのせ、さらに両側を離型フィルムで挟んだ。このとき、離型フィルムの共重合ポリエチレンテレフタレート面が内側になるように配置した。その後、温度180℃、圧力3MPaで5分間熱プレスした。プレス後、素早く取り出して放冷した後、離型フィルムを剥し、以下の基準に従って耐熱性、埋込性、離型性、穴詰まり性の評価を行い、○以上を合格(良好)と判断した。その際、銅張積層板には直径1mmの真円状の孔を、カバーレイフィルムには直径3mmの真円状の孔を開けて、前者は穴詰まり性、後者は接着剤のはみ出しの評価に用いた。
○:プレス後のフィルムにシワが認められない
△:プレス後のフィルムに少々シワが認められる
×:プレス後のフィルムに顕著にシワが認められる
カバーレイフィルム孔部の接着剤のはみ出しを顕微鏡にて観察し、以下の基準にて評価した。
◎:接着剤のはみ出しが50μm以下
○:接着剤のはみ出しが50μmを超え70μm以下
△:接着剤のはみ出しが70μmを超え100μm以下
×:接着剤のはみ出しが100μmを超える
○:積層板への膜残りなく剥がせる
△:剥離時にフィルム表層の一部が破れ、積層板に膜残りが生じる
×:剥離時にフィルム全層が破れ、積層板に著しい膜残りが生じる
カバーレイフィルムの接着剤塗布面に離型フィルムの共重合ポリエチレンテレフタレート面を貼り合わせて、温度170℃、圧力3MPaで5分間熱プレスした。プレス後、素早く取り出して放冷した。カバーレイフィルムは、20μmのエポキシ系接着剤(東亜合成社製AS−60)を塗布した25μm厚のポリイミドフィルム(デュポン社製カプトン100V)を使用した。
2cm幅にサンプルを切り出し、引張り試験機(島津製作所製、AGS−100B型)を用いて、T型剥離法にて、引張り速度200mm/minの条件で剥離強力を測定した。
(離型性)
◎:剥離強力が0.5N/2cm以下
○:剥離強力が0.5N/2cmを超え、1.0N/2cm以下
△:剥離強力が1.0N/2cmを超え、2.0N/2cm以下
×:剥離強力が2.0N/2cmを超える。
熱脱着GC−MSを用い、180℃、10分間の加熱でフィルムから発生するガスを無極性キャピラリーカラムを用いて分離し、検出されたピーク総面積のヘキサン換算量をフィルム重量で規格化し、これをアウトガス発生量とした。アウトガス発生量は少ない程好ましく、400ppm以下を合格(良好)と判断した。
2台の独立した押出機にPTMG1000−12(A層)とIP−4(B層)を、各々260℃で溶融押出しし、それぞれの溶融体をフィードブロックを用いて(A)/(B)/(A)の3層状に合流積層した後、Tダイよりシート状に押出し、80℃に調整した冷却ロールに4秒間密着させて冷却して、層厚みがA/B/A=20/60/20(μm)の積層フィルムを得た。
(A)層の樹脂、(B)層の樹脂、層構成を表1記載のように変更したほかは、実施例1と同様に、さらに比較例4のみ冷却ロールを20℃に調整して、積層フィルムを得た。
(A)層の樹脂、または(B)層の樹脂のみを1台の押出機を用い、フィードブロックを介さずにTダイシート状に押し出した以外は実施例1と同様に行い、単層フィルムを得た。
比較例2は、(A)層のエーテル結合性酸素原子の含有量が高かったため、ガラス転移温度が低くなって耐熱性、製膜作業性に劣っていた。
比較例3は、(B)層の昇温結晶化熱量が低かったため、穴詰まり性に劣っていた。
比較例4は、(B)層の昇温結晶化熱量が高かったため、埋め込み性に劣っていた。
比較例5は、(A)層としてPBT系エラストマーを用いたため、離型性に劣っていた。
比較例6は、(B)層がないため埋込性に劣っていた。
比較例7は、(A)層がないため離型性に劣っていた。
比較例8は、離型フィルムとして広く使用されているポリメチルペンテンからなるフィルムであるが、アウトガス発生量が本発明のフィルムの約10倍と著しく高く、耐汚染性に劣るものであった。
Claims (4)
- エーテル結合性の酸素原子を1.0〜4.0質量%含有する共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)層と、昇温結晶化熱量が15〜40J/gであるポリエステル(B)層とが積層されてなる離型フィルム。
- ポリエステル(B)が、イソフタル酸および/またはダイマー酸を共重合したポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1記載の離型フィルム。
- ポリエステル(B)がポリブチレンテレフタレートと非晶性ポリエステルの混合物であることを特徴とする請求項1記載の離型フィルム。
- 積層構成が、(A)/(B)の2種2層、または(A)/(B)/(A)の2種3層である請求項1〜3いずれかに記載の離型フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012123242A JP6181354B2 (ja) | 2012-05-30 | 2012-05-30 | 離型フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012123242A JP6181354B2 (ja) | 2012-05-30 | 2012-05-30 | 離型フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013248753A JP2013248753A (ja) | 2013-12-12 |
JP6181354B2 true JP6181354B2 (ja) | 2017-08-16 |
Family
ID=49847929
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012123242A Active JP6181354B2 (ja) | 2012-05-30 | 2012-05-30 | 離型フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6181354B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7461281B2 (ja) * | 2015-12-03 | 2024-04-03 | 三井化学東セロ株式会社 | プロセス用離型フィルム、その用途、及びそれを用いた樹脂封止半導体の製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007224311A (ja) * | 2001-06-29 | 2007-09-06 | Sekisui Chem Co Ltd | 離型フィルム |
JP2004002789A (ja) * | 2002-04-03 | 2004-01-08 | Sekisui Chem Co Ltd | 離型フィルム、積層離型フィルム及び基板の製造方法 |
JP2011088352A (ja) * | 2009-10-22 | 2011-05-06 | Unitika Ltd | 離型フィルム |
-
2012
- 2012-05-30 JP JP2012123242A patent/JP6181354B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013248753A (ja) | 2013-12-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2011088352A (ja) | 離型フィルム | |
JP5517573B2 (ja) | 離型フィルム | |
TWI478811B (zh) | 離型膜 | |
EP2130674B1 (en) | Core sheet for card | |
JP2007175885A (ja) | 離型フィルム | |
JP6391554B2 (ja) | 離型フィルム | |
JP4948874B2 (ja) | 積層シュリンクラベル | |
JP5127296B2 (ja) | 深絞り成型同時転写箔用ポリエステルフィルム | |
JP2016002730A (ja) | 離型フィルム | |
JP6554795B2 (ja) | 離型フィルムおよびフレキシブルプリント回路基板の作製方法 | |
JP2016112729A (ja) | 離型フィルム | |
JP4436803B2 (ja) | 離型フィルム | |
JP2016168688A (ja) | 離型フィルム | |
JP5645382B2 (ja) | 多層離型フィルム | |
JP4099355B2 (ja) | シート | |
JP2007022047A (ja) | 金属板被覆用積層シート、および積層シート被覆金属板 | |
JP6181354B2 (ja) | 離型フィルム | |
JP2011245812A (ja) | 離型フィルム | |
JP2004002593A (ja) | シート | |
JP2016144897A (ja) | 離型フィルム | |
JP5249796B2 (ja) | フレキシブルプリント回路基板補強用フィルム、フレキシブルプリント回路基板補強板およびフレキシブルプリント回路基板積層体 | |
JP6058949B2 (ja) | インモールド成型用二軸延伸ポリエステルフィルム | |
JP5492542B2 (ja) | 離型フィルムの製造方法 | |
JP2006063211A (ja) | 難燃延伸ポリエステルフィルム | |
JP2005129699A (ja) | フレキシブルプリント回路基板用フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150522 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160316 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160322 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161025 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20161221 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170222 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170704 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170720 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6181354 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |