JP5515935B2 - 内燃機関とスタータとの連結制御装置、それを備える内燃機関用の制御装置、それを備える内燃機関、内燃機関とスタータとの連結方法、プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

内燃機関とスタータとの連結制御装置、それを備える内燃機関用の制御装置、それを備える内燃機関、内燃機関とスタータとの連結方法、プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の制御、または内燃機関とその付属装置との制御に関するものである。より詳細には、本発明は、移動体用の内燃機関に関するものであるが、これに限定されない。本発明は、適宜のすべての種類の移動体に適用することができる。
一般的に、移動体としての自動車の内燃機関は、始動装置としてスタータモータを備えており、このスタータモータによって始動される。ひとつの構成例では、スタータモータはピニオンを備える。ピニオンは、内燃機関のフライホイールに連結可能である。この連結は、例えば、ピニオンに設けた歯と、フライホイールに設けられた歯車輪とが噛み合うことで提供される。ピニオンは、ソレノイドのような操作機構によって、歯車輪と選択的に連結することができる。ソレノイドが操作されるとき、ピニオンは歯車輪との連結位置に移動させられる。その後、スタータモータは、別の制御系によって駆動される。この制御系は、スタータモータに電力を供給し、内燃機関を回転させるために、スタータモータを自動車のバッテリーに接続する。
比較的最近の技術開発は、自動車の内燃機関システムに、内燃機関の自動的な停止と、自動的な再始動とを可能とするための自動停止再始動機構を設けることを可能としている。この機構は、自動車が行程の期間中に比較的長い間静止している場合に、内燃機関を停止させることができる。この停止は、通常は、自動的に実行される。このような自動的な内燃機関の停止は、例えば、自動車が赤信号の交差点にあるとき、またはひどい渋滞の中につかまったときに実行されることがある。自動車が静止している場合に、内燃機関を停止させることによって、自動停止再始動装置は、不必要な燃料消費量および排気ガスの排出を削減することを可能とする。
自動車が静止している期間の後に行程を再開することを可能にするために、自動停止再始動設備は内燃機関を自動的に再始動する。内燃機関の再始動は様々な要素によって引き起こされる。例えば、運転者が変速機のギヤを噛み合わせることに応答して、または運転者がクラッチを踏み込むことに応答して、内燃機関は再始動される。しかしながら、内燃機関を再始動することができる前に、スタータモータのピニオンは内燃機関の歯車輪に再び連結される必要がある。このような再連結が、スタータモータが作動している間に実行されると、回転するピニオンが歯車輪に連結するときに、ピニオンは回転方向に負荷を受ける。この再連結動作は、ピニオンが歯車輪に完全に連結するまでに所定の遅れ時間を伴う。このため、自動車の運転者を当惑させ、加えて運転者に不便を強いている。
このような問題点を解決するために、従来の停止再始動装置は、停止状態の始まりにおいて、スタータのピニオンを連結位置に位置づけるように構成される。このような機能は、ピニオンの予備的連結、準備的連結、あるいは事前連結などとして知られていた。ピニオンが予備的に連結される場合、スタータモータはピニオンが歯車輪と連結することを待つことなしに、内燃機関を再始動するために直ちに作動することができる。従って、内燃機関ははるかに短い時間の中で再始動することができる。さらに、ピニオンおよび歯車輪上の機械的な負荷が軽減される。
自動停止再始動装置が実用的であるためには、それが静かに作動し、かつ内燃機関を要求されるように素早く再始動できることが要求される。しかしながら、内燃機関のスイッチが切られた後、その内燃機関が完全に停止するまでには、所定の時間がかかる。したがって、内燃機関が完全に停止した後にピニオンが連結されるだけの場合、内燃機関を再始動するために思いがけない長時間の遅れを生じることがありえる。さらに、内燃機関が、ピニオンと歯車輪との間の滑らかな連結、すなわち噛み合いを許容しない位置で完全に停止するおそれもある。このような事態は、ピニオンが連結する際に大きな騒音を招くことがある。また、悪い場合には、ピニオンと歯車輪との間の正しくないか、または部分的な連結を招くことがある。
例えば、この種の技術として、特許文献1および特許文献2に記載のものが知られている。
特開2007−107527号公報 特表2008−510099号公報
発明者らは、内燃機関が完全に停止するその直前に、または内燃機関が完全に停止するその時に、ピニオンが予備的に連結されることに利点を見出した。しかしながら、内燃機関が停止しようとしている期間中に、内燃機関の回転速度は、各圧縮サイクル毎に相当に変動することがある。さらに、内燃機関は、完全に停止する直前にわずかに逆転することがある。内燃機関の回転速度が高すぎるか、または内燃機関が逆転している場合の位置においてピニオンが連結されると、ピニオンとフライホイールとの間の望ましくない機械的連結状態に起因して、大きな騒音が生じることがある。このような事態は、機械的にも、そして利用者のためにも望ましいことではない。
本発明のいくつかの側面における目的は、改善されたピニオンの予備的な連結を実現する装置および方法を提供することである。
本発明のいくつかの側面における他の目的は、車両のための自動停止再始動装置において、改善されたピニオンの予備的な連結を実現する装置および方法を提供することである。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
この発明のひとつの側面によると、ピニオンの予備的連結を制御する制御装置が提供される。この装置は、内燃機関が停止しようとしている期間中に、スタータモータのピニオンの予備的連結を制御する。この装置は、内燃機関から検出された情報を入力する入力手段と、検出情報から内燃機関が完全に停止するまでに残された圧縮サイクルの数である残サイクル数を決定し、該残サイクル数に応じて、内燃機関の一部分とピニオンとの予備的連結を開始する制御手段とを備える。
このような構成により、ピニオンは、残りの圧縮サイクルの数に応じて選定された位置において予備的に連結されることができる。これにより、ピニオンが内燃機関の一部分と連結されるときの過剰な騒音を防止するように、内燃機関の停止期間中に、適切な位置において、ピニオンが予備的に連結されることが可能となる。ピニオンを予備的に連結する工程は、内燃機関の回転速度に依存する騒音を発生する。したがって、内燃機関の回転速度が遅いほど、ピニオンの連結は、より静かになる。
残された圧縮サイクルの数の決定によって、内燃機関が休止位置に到達する過程に伴う内燃機関の回転速度の周期的変動に関する情報を得ることができる。この情報は、騒音のレベルを減少させることを可能にする位置においてピニオンの予備的な連結を開始するために使用することができる。
ひとつの具体的構成例においては、制御手段は、内燃機関が完全に停止するまでに残されている残サイクル数として決定されたnサイクルの第1サイクルから第nサイクルまでから選定されたいずれかのサイクルの後に、ピニオンの連結を開始する。
変形例においては、制御手段は、(n−1)、(n−2)、またはnサイクルから選定されたいずれかのサイクルの後に、ピニオンの連結を開始する。最後の圧縮サイクルの後に、ピニオンを予備的に連結することによって、その後に、内燃機関がさらに他のサイクルを遂行しないことを確実にすることができ、従って、内燃機関の回転速度が付随して減少してゆくから、ピニオンは、静かに、しかも確実に内燃機関の一部品と連結されることができる。
さらに他の変形例においては、制御手段は、選定されたサイクルの後の、所定の時間後においてピニオンの連結を開始する。停止しようとしている内燃機関の最後の圧縮サイクルが始まるとき、内燃機関の回転速度をわずかに上昇させるために十分な運動エネルギーがまだ内燃機関に残っている場合がある。したがって、時間遅れ(例えば、100ミリ秒)の導入によって、内燃機関が速度を落としている時にピニオンが予備的に連結されることを確実にすることができ、連結に伴う騒音を減らすことができる。
代替的な構成においては、制御手段は、選定されたサイクルの後に、または選定されたサイクルのときに、内燃機関の回転数の変化割合を算出し、該変化割合に応答してピニオンの連結を開始するように構成されている。望ましくは、制御手段は、内燃機関の回転数の変化割合が所定値を下回ったとき、選定されたサイクルの後の時点において、ピニオンの連結を開始する。
内燃機関の回転数または内燃機関の回転速度の変化割合の測定によって、ピニオンが予備的に連結される前に、内燃機関が速度を減少させていることを確実にすることができる。
さらに他の代替的な構成においては、制御手段は、内燃機関のクランク軸の所定のクランク角において、ピニオンの連結を開始する。これは比較的直接的な測定量である。したがって、制御手段は、ピニオンが予備的に連結される前に、特定のクランク角の間を待つことができる。この特定のクランク角は、回転速度が増加するかもしれない領域を越えている。
変形例において、制御手段は、ピニオンの予備的連結の開始と実際のピニオンの予備的連結との間の遅れを考慮して、さらに他の遅れ時間を加えるか、または引くことができる。この構成は、構成における機械的な、および電気的な遅れを、計算の要素とすることを可能とする。
変形例において、制御手段は、内燃機関が停止しようとしている間の最初の圧縮サイクルの中の特定点、または当該最初の圧縮サイクルに基づいて特定される特定点において内燃機関の回転速度を決定することにより、残された圧縮サイクルの数を決定することを特徴とする。選定された最初の圧縮サイクルの中の特定点、または当該最初の圧縮サイクルに基づいて特定される特定点において内燃機関の回転速度を決定することにより、内燃機関に残っているエネルギーを計算することができる。
内燃機関の回転速度は、内燃機関の回転数Ne、または内燃機関の回転角速度ω(オメガ)によって示すことができる。特定点は、例えばTDC、あるいは特定のクランク角とすることができる。クランク角はθ(シータ)によって表記される。また、クランク角は、CA、または度CAによって表記される。
有用な形態においては、制御手段は、最初の圧縮サイクルに続く少なくともひとつの圧縮サイクルの中の特定点において内燃機関の回転速度の低下を決定し、それに基づいて残された圧縮サイクルの数を決定する。選定された圧縮サイクルの後に続く各サイクルにおける内燃機関の回転速度を決定することにより、サイクル毎の回転速度の低下を決定することができる。この情報は、内燃機関が休止位置に到達する前の残サイクル数を決めるために、外挿法により推定することができる。
代替的な構成においては、制御手段は、最初の圧縮サイクルに続く少なくともひとつの圧縮サイクルの中の特定点において内燃機関の回転速度の低下を決定し、それに基づいて残された圧縮サイクルの数を決定する。
制御手段は、選ばれた最初の圧縮サイクルの特定点における内燃機関の回転速度から、内燃機関にどれだけのエネルギーが残るか決めることができる。この値を圧縮サイクルで失われたエネルギーと比較することによって、残サイクル数を計算することができる。つまり、そのサイクルの後であって、内燃機関がさらに他のサイクルを完了するためには不十分なエネルギーしか持たないときに、最後のサイクルが生じる。
さらに他の変形例において、制御手段は、選ばれた圧縮サイクルの中の特定点において内燃機関に残された運動エネルギーを特定し、この値を内燃機関のひとつの圧縮サイクルを完了するために必要な運動エネルギーの既知の値と比較する。
ひとつの態様においては、内燃機関のひとつの圧縮サイクルを完了するために必要な運動エネルギーの既知の値は、内燃機関の回転数、内燃機関の温度、外気の温度、冷却液の温度、内燃機関のオイルの温度、外気の圧力、および内燃機関の摩擦損失から選択された少なくともひとつをパラメータとして、パラメータに基づく所定の参照テーブルにより、またはパラメータに基づく実時間下での算出処理により、決定される。
ひとつの態様においては、特定点は、上死点である。上死点(TDC)は便利な測定ポイントである。TDCの後、内燃機関は任意の圧縮サイクルにおいて最も速度が遅い位置にあり、正確な計算が行なわれることを可能とする。
ひとつの態様においては、連結制御装置は、内燃機関用の制御装置の一部を形成する。内燃機関用の制御装置(ECU:Engine Control Unit)は、ピニオンの移動制御に加えて、種々の観点からの内燃機関の制御を提供するひとつのユニットである。このようなユニット内に連結制御装置を構成することにより、そのユニットは、より効率的なピニオン連結制御を提供するために、既存の自動車にも適用することができる。
ひとつの態様においては、連結制御装置は、自動停止再始動機構を有する車両に使用されるよう構成される。
本発明の他の側面によると、内燃機関が停止しようとしている期間中に、スタータモータのピニオンの予備的連結を制御する連結制御装置が提供される。この連結制御装置は、内燃機関から検出された情報を入力する入力手段と、検出情報から内燃機関の回転数の値を決定し、回転数が所定値を下回って低下することに応答して、内燃機関の一部分とピニオンとの連結を開始する制御手段とを備える。
このような構成を提供することによって、所定の値を下回って低下する内燃機関の回転速度に基づいて、ピニオンは予備的に連結されることができる。高すぎる回転速度におけるピニオンの連結は、ピニオンと内燃機関との両方に障害をもたらすおそれがある。
好ましくは、所定値は、およそ毎分500回転(rpm)またはそれ未満である。言い換えると、500rpm以下である。好ましくは、所定値は、毎分200回転(rpm)またはそれ未満である。言い換えれば、200rpm以下である。より好ましくは、所定値は、毎分150回転(rpm)未満である。言い換えれば、150rpm以下である。内燃機関の回転速度のこれらの値は、ピニオンが内燃機関の構成要素に重大な障害をもたらすおそれなく安全に連結されることを可能とする。
本発明のさらに他の側面によると、内燃機関が提供される。この内燃機関は、内燃機関の一部分と選択的に連結することができるピニオンを有するスタータモータと、内燃機関の一部分とピニオンとを選択的に連結するための連結手段と、上述のいずれかの特徴をもつ連結制御装置とを備える。そして、連結制御装置は、内燃機関の一部分とピニオンとの選択的な連結を開始させる。
本発明の他の側面によると、内燃機関が停止しようとしている期間中に、スタータモータのピニオンを予備的に連結する連結方法が提供される。この連結方法は、内燃機関が完全に停止するまでに残された圧縮サイクルの数である残サイクル数を決定し、および該残サイクル数に応じて、内燃機関の一部分とピニオンとを連結する。
このような方法により、ピニオンは、残りの圧縮サイクルの数に応じて選定された位置において予備的に連結されることができる。これにより、ピニオンが内燃機関の一部分と連結されるときの過剰な騒音を防止するように、内燃機関の停止期間中に、適切な位置において、ピニオンが予備的に連結されることが可能となる。
ひとつの具体的方法例においては、内燃機関が完全に停止するまでに残されている残サイクル数として決定されたnサイクルの第1サイクルから第nサイクルまでから選定されたいずれかのサイクルの後に、ピニオンの連結を開始する。
変形例においては、(n−1)、(n−2)、またはnサイクルから選定されたいずれかのサイクルの後に、ピニオンの連結を開始する。最後の圧縮サイクルの後に、ピニオンを予備的に連結することによって、その後に、内燃機関が回転速度を上昇させることがないことを確実にすることができ、ピニオンが、静かに、しかも確実に内燃機関の一部品と連結できることを確実にすることができる。
さらに他の変形例においては、選択されたサイクルの後の所定の時間後にピニオンを連結する。停止されつつある内燃機関の最後の圧縮サイクルが起こるとき、内燃機関の回転速度をわずかに上昇させるのに十分な運動エネルギーが内燃機関に残っていることがある。したがって、時間遅れ(例えば、100ミリ秒)の導入によって、内燃機関が速度を落としている時にピニオンが予備的に連結されることを確実にすることができ、連結に伴う騒音を減らすことができる。
代替的な方法においては、選定されたサイクルの後に、または選定されたサイクルのときに、内燃機関の回転数の変化割合を算出し、該変化割合に応答してピニオンの連結を開始する。望ましくは、方法は、内燃機関の回転数の変化割合が所定値を下回ったとき、選定されたサイクルの後の時点において、ピニオンの連結を開始する。
内燃機関の回転数または内燃機関の回転速度の変化割合の測定によって、ピニオンが予備的に連結される前に、内燃機関が速度を減少させていることを確実にすることができる。
さらに他の変形例においては、方法は、内燃機関のクランク軸の所定のクランク角において、ピニオンを連結する。これは比較的直接的な測定量である。特定のクランク角は、ピニオンが予備的に連結される前に、回転速度が増加するかもしれない領域を越えている角度として選定することができる。
ひとつの態様において、方法は、内燃機関が停止しようとしている間の最初の圧縮サイクルの中の特定点、または当該最初の圧縮サイクルに基づいて特定される特定点において内燃機関の回転速度を決定することにより、残された圧縮サイクルの数を決定することを特徴とする。選定された最初の圧縮サイクルの中の特定点、または当該最初の圧縮サイクルに基づいて特定される特定点において内燃機関の回転速度を決定することにより、内燃機関に残っているエネルギーを計算することができる。内燃機関の回転速度は、内燃機関の回転速度ωを用いることができる。特定点は、例えばTDC、あるいは特定のクランク角とすることができる。
変形例において、方法は、最初の圧縮サイクルに続く少なくともひとつの圧縮サイクルの中の特定点において内燃機関の回転速度の低下を決定し、それに基づいて残された圧縮サイクルの数を決定する。最初の圧縮サイクル、または選定された圧縮サイクルの後に続く各サイクルにおける内燃機関の回転速度を決定することにより、サイクル毎の回転速度の低下を決定することができる。この情報は、内燃機関が休止位置に到達する前の残サイクル数を決めるために、外挿法により推定することができる。
代替的な方法においては、最初の圧縮サイクルの中の特定点において内燃機関に残されたエネルギーを決定し、この値をひとつの圧縮サイクルで失われるエネルギーの値と比較することにより、残された圧縮サイクルの数を決定する。
この方法は、選ばれた最初の圧縮サイクルの特定点における内燃機関の回転速度から、内燃機関にどれだけのエネルギーが残るか決めることができる。この値を圧縮サイクルで失われたエネルギーと比較することによって、残サイクル数を計算することができる。つまり、そのサイクルの後であって、内燃機関がさらに他のサイクルを完了するためには不十分なエネルギーしか持たないときに、最後のサイクルが生じる。
さらに他の変形例において、方法は、選ばれた圧縮サイクルの中の特定点において内燃機関に残された運動エネルギーを特定し、この値を内燃機関のひとつの圧縮サイクルを完了するために必要な運動エネルギーの既知の値と比較する。
ひとつの態様においては、内燃機関のひとつの圧縮サイクルを完了するために必要な運動エネルギーの既知の値は、内燃機関の回転数、内燃機関の温度、外気の温度、冷却液の温度、内燃機関のオイルの温度、外気の圧力、および内燃機関の摩擦損失から選択された少なくともひとつをパラメータとして、パラメータに基づく所定の参照テーブルにより、またはパラメータに基づく実時間下での算出処理により、決定される。
ひとつの態様においては、特定点は、上死点である。上死点(TDC)は便利な測定ポイントである。TDCの後、内燃機関は任意の圧縮サイクルにおいて最も速度が遅い位置にあり、正確な計算が行なわれることを可能とする。
本発明のさらに他の側面によると、少なくともひとつの気筒を有する内燃機関が停止されつつある期間中に、スタータモータのピニオンを予備的に連結させる方法が提供される。この方法は、内燃機関の回転数の値を決定し、および回転数が所定値を下回って低下することに応答して、内燃機関の一部分とピニオンとを連結する。
このような方法を提供することによって、所定の値を下回って低下する内燃機関の回転速度に基づいて、ピニオンは予備的に連結されることができる。高すぎる回転速度におけるピニオンの連結は、ピニオンと内燃機関との両方に障害をもたらすおそれがある。
本発明の他の側面によると、プログラム可能な演算処理装置によって実行可能なプログラムが提供される。このプログラムは、上述の少なくとも決定工程を実行するためのひとつまたは複数のソフトウェア部分を備える。
本発明のさらに他の側面によると、上述のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
図1は、本発明の実施形態に係る自動停止再始動機構付の車両用の内燃機関の模式的な構成図であって、内燃機関が第1の位置にある状態を示す。 図2は、本発明の実施形態に係る自動停止再始動機構付の車両用の内燃機関の模式的な構成図であって、内燃機関が第2の位置にある状態を示す。 図3は、第1実施形態に係るグラフであって、内燃機関の停止処理の期間中における内燃機関の各部の状態を示す。 図4は、第1実施形態に係る操作処理を示すフローチャートである。 図5は、第2実施形態に係るグラフであって、内燃機関の停止処理の期間中における内燃機関の各部の状態と、ピニオンの制御状態とを示す。 図6は、横軸を積算クランク角θとし、縦軸を内燃機関の回転速度ωとするグラフである。 図7は、第2実施形態に係るグラフであって、内燃機関の停止処理の期間中における内燃機関の各部の状態を示す。 図8は気筒に関連するトルクを説明する説明図であって、(a)は、気筒内の機構における損失トルクを示す模式図、(b)は、第2実施形態に係る、縦軸をトルクとし、横軸をクランク角とするグラフである。 図9は、横軸を内燃機関が完全に停止するまでのクランク角θとし、縦軸を内燃機関の回転速度の二乗値ωとするグラフである。 図10は、第2実施形態に係るグラフであって、内燃機関の停止処理の期間中における内燃機関の各部の状態と、第2実施形態に従って決定された速度の閾値を示す。 図11は、横軸を内燃機関が完全に停止するまでのクランク角θとし、縦軸を内燃機関の回転速度の二乗値ωとするグラフであって、第2実施形態に係る決定された速度閾値を示す。 図12は、4気筒のディーゼル内燃機関が停止しようとしている期間中におけるグラフであって、縦軸を内燃機関の回転速度の二乗値ωとする、内燃機関のクランク角180−θendに対するグラフである。 図13は、グラフであって、圧縮サイクルの上死点の後における内燃機関の回転速度のピークと、その発生の位置を示す。 図14は、グラフであって、内燃機関の停止処理の期間中における内燃機関の各部の状態と、ピニオンの制御状態とを示す。 図15は、第2実施形態の機能的な構成の例を示すブロック図である。 図16は、第2実施形態に係る操作処理を示すフローチャートである。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
本発明は、様々な変形態様により、そして代替的な形態によって実施することができるが、特定の実施形態があくまで例示として図示され、以下において詳細に説明される。しかしながら、図面および以下の詳細な説明は、ここ開示された特定の実施形態に本発明を限定することを意図したものではない。その一方で、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の趣旨および技術的範囲の中に包含される変形例、等価物および代替物をすべてカバーするものである。
(第1実施形態)
図1および図2は、自動停止再始動機構付の内燃機関のシステム10の一例を示している。内燃機関のシステムは、内燃機関12を備える。内燃機関12は、少なくともひとつの気筒14を備えている。この実施形態では、内燃機関12は、直列に並べられた4つの気筒14を備える。各気筒はそれぞれ、軸X−Xの周りを回転可能なクランク軸18に連結された往復移動可能なピストン16を備える。センサシステム20は、内燃機関12に接続され、様々な内燃機関のパラメータに関する検出情報を提供するように構成されている。センサシステム20は、複数のセンサを備えることができる。例えば、内燃機関の回転速度、内燃機関の温度、および冷却液温度が検出される。回転速度は、クランク軸18に付けられた図示されない歯車の回転を測定することによって検出される。内燃機関の回転速度は、内燃機関のクランク軸18の回転数Ne、または回転角速度ωといった形態をとることができる。歯車からのデータはセンサシステム20に供給される。
内燃機関12は、さらに、軸Y−Yの周りを回転可能であって、歯車輪としての歯車24を含んでいるシャフト22を備える。シャフト22および歯車24は内燃機関12の図示されないフライホイールに接続され、内燃機関12を回転させるために駆動可能に構成されている。この構成は、後で詳述される。
内燃機関のシステム10は、さらに、スタータモータ26を備える。スタータモータ26には、軸Z−Zの周りを回転可能な出力シャフト28を備える。ピニオン30、すなわちピニオン歯車30は、出力シャフト28に装着されている。ピニオン30は、矢印Aによって示される軸方向に移動可能である。ピニオン30は、図1に図示される位置から、図2に図示される位置へ移動可能である。図1に図示される位置においては、ピニオン30は内燃機関12の一部分としての歯車24から離れている。図2に図示される位置においては、ピニオン30は内燃機関12の歯車24と連結され、すなわち噛み合っている。
ソレノイド32は、スタータモータ26に隣接して設けられている。ソレノイド32は、アクチュエータとも呼ばれる駆動装置34を備える。駆動装置34は、伸長位置と収縮位置との間を軸方向に移動可能である。図1は、伸長位置を示し、図2は、収縮位置を示している。レバーアーム36は、駆動装置34に揺動可能に固定されている。レバーアーム36は揺動軸38の周りを揺動可能である。レバーアーム36は、ピニオン30を操作するために、ピニオン30の一部と連結されるように構成されている。レバーアーム36は、収縮位置と伸長位置との間で、軸Z−Zに沿って、ピニオン30を移動させるように操作する。ソレノイド32とレバーアーム36とは、内燃機関12の一部分とピニオン30とを選択的に連結する連結手段として機能する。連結手段は、ピニオン30を内燃機関12の歯車24との連結位置へ向けて駆動し位置づけるため、およびピニオン30を内燃機関12の歯車24との連結位置から外すように駆動し位置づけるための手段である。
ソレノイド32の動作は、制御ユニット100によって制御される。ソレノイド32の伸長位置から収縮位置への動作、すなわち、ピニオン30の非連結位置から連結位置への移動は、制御ユニット100の制御によって開始される。この実施形態において、制御ユニット100は、内燃機関用の制御装置(ECU)の形態をとっている。この内燃機関制御装置は、図示されない車両のエンジン室に装着可能な、耐振動性および耐衝撃性のユニットである。
制御ユニット100は、制御装置、または制御手段とも呼ぶことができる。制御ユニット100は、内燃機関とスタータとの連結制御装置およびその連結方法を提供する。制御ユニット100は、プログラム可能な演算処理装置としてのマイクロコンピュータである。制御ユニット100は、以下に説明される方法の少なくともひとつの工程、例えば決定工程を実行するためのひとつまたは複数のソフトウェア部分を備えるプログラムを有し、このプログラムを実行することにより連結制御装置として機能する。このコンピュータによって実行可能なプログラムは、制御ユニット100に内蔵されたメモリーなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されている。
制御ユニット100は、入力手段としてのインターフェース102を通してセンサシステム20から入力信号を受け取る。制御ユニット100はスタータモータ26およびソレノイド32に接続されている。制御ユニット100は、スタータモータ26およびソレノイド32の作動を別々に始めることができる。制御ユニット100はセンサシステム20から受け取られたセンサー情報に応答して、ソレノイド32の動作を開始させることができる。ソレノイド32の動作の開始は、歯車24とピニオン30との連結の開始でもある。
実使用では、自動停止再始動機構10が設けられた図示されない車両が静止状態にあるときを検出するために、ひとつのパラメータが測定される。このパラメータは、例えば、自動車の速度とすることができる。自動車が静止していることが検知される場合、内燃機関12は停止するように操作される。例えば、点火装置、または燃料供給装置の動作を停止させるために、スイッチが切られる。
内燃機関12は、その回転速度を落とし、さらに停止するまでに所定の期間を要する。センサシステム20から受け取られたセンサー情報に基づいて、制御ユニット100は、内燃機関12の歯車24とピニオン30との予備的連結を開始する。これはPinion Controlと呼ばれる制御信号Sによって実行される。この実施形態において、制御信号Sは、ディジタル信号である。制御信号Sは、パワーMOSFET、あるいは絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)のような適切な図示されないスイッチング手段によってソレノイド32の動作を引き起こすように構成されている。制御信号Sは、1のときオン状態であり、0のときオフ状態である。
制御信号Sは図1に図示された伸長位置から図2に図示された収縮位置へと駆動装置34のソレノイド32の移動を開始させるために使用される。駆動装置34の移動はレバーアーム36を揺動軸38に関して回転させ、軸Z−Zに沿って軸方向にピニオン30を押し出す。その結果、ピニオン30は、歯車24に連結される。この動きは、内燃機関12が停止するときに、あるいはその前に実行される。
一旦ピニオン30が歯車24と噛み合うと、内燃機関12は直ちにスタータモータ26を作動させることによって再始動することができる。スタータモータ26を作動させるこの動きは、歯車24との連結によって、軸Y−Yの周りにシャフト22を回転駆動するピニオン30を回転駆動する。そして、内燃機関12が再始動できるように、フライホイールの回転によって内燃機関12を回転させる。
制御ユニット100は、ピニオン30が歯車24と連結される点、および/または位置を決定する。この点は、インターフェース102によってセンサシステム20から受け取られたセンサー情報に基づいて決定される。ピニオン30は、内燃機関が完全に停止しているときの点で、または内燃機関の回転速度が低いときの点において、連結されるべきである。図3は、図1および図2に図示された内燃機関12のような4気筒内燃機関のための制御ユニット100の第1実施形態の作動を示すグラフである。
図3には、4本の線が図示されている。横軸は、時間の経過を示す。線Aは、縦軸をBTDCクランク位置(CA BTDC)として、時間の関数としてのクランク位置を示している。横軸、すなわち時間軸の目盛りは、各々100ミリ秒に相当する。線Bは、時間に対する内燃機関の回転速度の変化を示す。内燃機関の回転速度は、単位をrpmとする回転数Neによって示されている。線Cは、上述の制御ユニット100の制御信号Sの値を示している。線Dは、ソレノイド32を通って流れるピニオン電流を示している。
図においてCrank positionとして示されるクランク位置は、クランク角とも呼ぶことができる。クランク角の単位は、CA BTDCである。CAは、クランク角度を示している。BTDC(Before Top Dead Center)は、上死点前クランク角度を示している。図においてピニオン電流は、Pinion Currentとして示されている。単位は、アンペア(A)である。
図3に図示されるように、内燃機関が停止しようとしているとき、線Bで示される回転速度Neは、各気筒のピストンが上死点(TDC)を通過するのに伴って、すなわち圧縮サイクルを完了するのに伴って、振動的に変化する。圧縮サイクルは圧縮行程とも呼ぶことができる。図3の丸付き数字1で示される点は、ピストンがTDCにあるときの内燃機関12の状態を示している。
騒音と機械的な磨耗を抑制するために、内燃機関12が低速で回転しているときにピニオン30を予備的に連結することが有効である。従って、第1実施形態の制御ユニット100は、予め定められた値を下回って内燃機関の回転速度が低下したことを検出することによって、ピニオンの予備的な連結の開始を引き起こすように操作可能である。この実施形態では、Pre-engage triggerと表記される予め定められた所定値は150rpmである。この所定値は、予備連結開始回転速度とも呼ばれる。内燃機関12の回転速度はセンサシステム20によって検知される。インターフェース102はセンサー情報を取得する。また、制御ユニット100は、回転速度Neが150rpm未満にいつ落ちたかを決定する。この時点では、ピニオン30は、抑制された騒音および抑制された機械的磨耗を伴いながら、連結されることができる。
従って、制御ユニット100は、線Cで示される制御信号Sを切換える、つまり、制御信号Sの値を0から1に切換える。制御信号Sに応答して、線Dによって示されるピニオン電流が、ソレノイド32を通って流れる。線Cと線Dとの対比から理解されるように、制御信号Sの立ち上がりと、ピニオン電流の上昇との間には、短い時間遅れが存在する。ピニオン電流が増加するにつれて、ソレノイド32は活性化され、駆動装置34は図2に図示された位置へと移動されてゆく。この作動は、ピニオン30を歯車24との連結状態へと移動させ、位置させる。
第1実施形態の制御ユニット100の処理を示すフローチャートが図4に図示されている。ステップ101では、処理が開始される。典型的な例においては、この方法は、内燃機関を停止させる要求に応答して開始される。例えば、何らかの要因により内燃機関への燃料供給が遮断されたときに発生する停止要求を利用してもよい。例えば、運転者がエンジンスイッチとも呼ばれるスイッチを停止位置へ操作することにより発生する停止要求に応答して、この方法が開始される。また、自動停止再始動機構が内燃機関を停止させるために発生する停止要求に応答して、この方法が開始されてもよい。
ステップ102では、制御ユニット100は、インターフェース102によってセンサシステム20から受け取られたセンサー情報からの回転速度Neを決定する。ステップ103では、制御ユニット100は、回転速度Neが閾値X以下にあるか否かを判定する。この実施形態では、閾値Xは毎分150回転(rpm)である。しかしながら、閾値として、他の適切な値が使用されてもよい。例えば、毎分500回転(rpm)、あるいは毎分200回転(rpm)を使用することができる。
回転速度Neが閾値Xを下回って低下したことが判定された場合、ステップ104では、制御ユニット100は、制御信号Sを切換える、つまり1の値に切換えることにより、ピニオン30の連結を開始する。回転速度Neが閾値Xを下回っていないことが判定されると、処理はステップ103に戻る。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る制御ユニット100の作動を、図5から図16を参照して説明する。図5は、内燃機関が停止されつつある期間中における2つの内燃機関の特性を図示するグラフである。横軸は、時間の経過を示す。線Aは、上死点前におけるクランク軸18のクランク角の、時間の経過に伴う変化を示している。線Bは、時間の経過に伴う回転速度Neの変化を示している。図示されるように、横軸の上の各区間はそれぞれ100ミリ秒に相当する。
図においてCrank Positionと表記されたクランク角は、上死点前クランク角「CA BTDC」で表されている。TDCの位置を0度CA BTDCとしている。回転速度Neは、毎分当たりの回転数を示し、rpmで表記されている。図中において、TDCにおける回転速度Neの値が、TDC Ne valuesとして図示されている。また、図中下部に記入された+360、+180、+0は、TDC Angle to stopと呼ばれる停止までのTDC数を換算した角度である。θendは、内燃機関が休止位置に到達するクランク角を示す。このθendは、Stop position for anti-reverse mechanism (Ne=0)とも表記されるクランク角である。θendは、逆回転防止機構のための休止位置であって、回転速度Neが0になった状態に相当する。
線Bによって図示されるように、各気筒のピストンが上死点TDCを通過すると、すなわち圧縮サイクルを完了するにつれて、内燃機関の角速度ωが振動していることが理解される。図5において、丸付き数字1で示された点、または期間においては、個々の完全なシリンダー圧縮サイクルで、内燃機関の回転エネルギーが機構のポンプ損失、摩擦損失および他の損失によって失われるにつれて、内燃機関の角速度のピーク値は徐々に低下してゆく。
各ピストンが上死点TDCを通過すると、内燃機関の角速度ωは、その後、次のピストンがTDCに近づくことによって低下する前に、一時的に上昇する。このような現象は、内燃機関がTDCを通過するために不十分な運動エネルギーを持つようになるまで継続する。その点は、エンジンが完全に停止する前の最後のTDCと呼ばれる。その点は、図5に丸付き数字2によって示されている。この特定の点では、クランク角は180−θendである。ここで、クランク角θendは、内燃機関12が休止位置に到達したときのクランク角を示している。内燃機関12が休止位置に到達した時点は、図5に丸付き数字3によって示されている。
内燃機関12が休止位置に到達した時点は、その後にも内燃機関12はわずかに回転運動を続けることがあるから、内燃機関12の停止操作の後に最初に休止位置に到達したとき、または内燃機関12の停止操作の後に最初に内燃機関12の回転速度がゼロになったときとも呼ぶことができる。
この特定の点の後においては、内燃機関は、圧縮サイクルを完了するためには不十分な運動エネルギーしか持たない。従って、内燃機関は、再び休止位置に到達する前に、回転方向を反転させることがある。この反転現象は、図5に丸付き数字4によって示されている。この反転現象は、内燃機関にわずかな逆回転を生じさせることがある。丸付き数字4は、この逆回転部分を示している。やがて、内燃機関は、最終的な休止位置に到達する。この最終的な休止位置に到達した状態が、図5に丸付き数字5によって示されている。ピニオン30を連結させる最適な位置、すなわちピニオン歯車30を噛み合わせる適切な点は、丸付き数字3によって示された点、またはそこへ接近してゆく近傍範囲にある。この点では、内燃機関12はほぼ止まっており、まだ逆方向へは移動していない。
以下、制御ユニット100による制御、または操作処理を詳細に説明する。最適な位置を検出するために、制御ユニット100は、内燃機関が休止位置に到達する前の残された気筒圧縮サイクルの数を計算するように構成されている。この数の計算によって、ピニオン30を噛み合わせる、最も適切なポイントを推定するか、または算出することができる。制御ユニット100によって実行される計算を説明する。
制御ユニット100は、内燃機関が速度を落とすにつれて内燃機関12の損失を計算することによって、内燃機関が停止するまでに残されているクランクの回転角の合計を計算することができるという原理に基づいて動作する。内燃機関が完全に停止するまでの積算クランク角を知ることにより、その後、内燃機関が休止位置に到達する前の残された圧縮サイクルの数を計算することができる。
回転エネルギーが位置エネルギー、すなわちTDC後のクランク角θに変換され、損失トルクによって吸収される吸収エネルギーと、ゼロに向かって減少してゆく角速度ωとが等しくなり、回転エネルギーが失われた時に、内燃機関12は完全な停止に至ることとなる。図6は、積算クランク角θの関数としての内燃機関の回転速度ωを、縦軸上に示す概略的なグラフである。積算クランク角θは、クランク軸18が測定の開始から移動した角度の合計である。角速度ωは圧縮サイクルの特定点において測定される。この実施形態では、それは、ひとつのサイクルのTDCから次のサイクルのTDCにわたって測定される。
各圧縮サイクルにおいて、クランク軸18は、角度Δθにわたって移動し、Δωに等しい量の回転速度を失う。回転速度ωが0に達した時、内燃機関はクランク角θendにおいて完全に停止する。図7は、図5に図示される線Aおよび線Bと同様の手法によって、BTDCクランク位置(線A)と内燃機関の回転数Ne(線B)とを示すグラフ上に、停止クランク角θendを図示している。
ひとつの圧縮サイクル当たりの速度損失Δωは、内燃機関内における損失トルクに起因する。それらの損失は、種々の要因によるものである。図8(a)は、主な損失の要因を図示した気筒の模式図である。図示されるように、主な損失要因は、ポンプ損失、つまり圧縮サイクルにおいてピストンによって気筒内の流体を圧縮するのに必要なエネルギー、および摩擦損失である。熱損失もまた重要な要因である。図においてPumpingと表記されたポンプ損失を示す気流と、Frictionと表記された摩擦損失を示すピストンの往復動とが矢印記号によって例示的に図示されている。また、以下の説明において、乗数は、Xといった上付き数字により、またはX^2といった表記によって表されるものとする。
図8(b)は、横軸をクランク角とし、縦軸をトルクとするグラフである。トルクの負の値は圧縮サイクルにおいて失われるトルクに相当する。
既に述べたように、回転エネルギーが位置エネルギー、すなわちTDC後のクランク角θに変換され、損失トルクTLOSSによって吸収される吸収エネルギーと、ゼロに向かって減少してゆく角速度ωとが等しくなり、回転エネルギーが失われた時に、内燃機関12は完全な停止に至ることとなる。これは、次の数式1のように代数的に表現することができる。
Figure 0005515935
上式において、ωは、クランク軸18の角速度である。ωiは、i番目の圧縮サイクルiのTDCにおけるクランク軸18の角速度である。ωi+1は、i+1番目の圧縮サイクルi+1、つまり圧縮サイクルiの直後の圧縮サイクルのTDCにおけるクランク軸18の角速度である。TLOSSは、角度Δθにわたるクランク軸18の移動の期間中に失われる損失トルクである。Jは内燃機関12の慣性力である。J=0.220(kg^2/m^2)において、TLOSS(θi)は図8(b)から求めることができる。
上記の関係から、内燃機関が完全に停止する前の最後のTDCを算出することができる。すなわち、内燃機関が休止位置に到達する前の最後の圧縮サイクルにおけるTDCが算出される。内燃機関が完全な停止に至る前の最後のTDCは、特定のTDCにおける内燃機関の回転速度の二乗値ωのための閾値から決定することができる。この閾値は、それ未満では、内燃機関がさらに他の圧縮サイクルを完了するには不十分なエネルギーしか持たないことを示す。言い換えると、内燃機関の回転速度の二乗値ωが閾値未満であるとき、内燃機関はさらに他の圧縮サイクルを完了するために必要なエネルギーを有していない。したがって、特定のTDCにおける回転速度ωが下記の数式2に示す条件を満たす場合、最後のTDCを決定することができる。
Figure 0005515935
上式において、ωTDCは、TDCにおけるクランク軸18の角速度である。したがって、上式が満たされるように、TDCにおける内燃機関の速度、すなわちωTDCが、閾値T未満に低下すると、内燃機関12は、さらに他の完全な圧縮サイクルを実行し続けるには不十分な運動エネルギーしか持たない。従って、上式が満たされる場合、内燃機関が休止位置に到達する前の最後のTDCを通過した状態にあると見ることができる。閾値Tは、内燃機関の構成、または気筒の構成に依存するものとして、それらに応じて設定することができる。上記の計算処理は、実時間において実行することができる。また、上記の計算処理は、種々の条件を想定して予め実行され、その実行結果を、予め組み上げられた参照テーブルの形態にして格納されてもよい。参照テーブルの形態においては、実行結果が参照される。
上記の関係は、図9に図示されている。図9は、横軸を内燃機関が停止するまでのクランク角θとし、縦軸を内燃機関の回転速度の二乗値ωとするグラフである。ここで、Δθは、0度CAから180度CAまでに相当する。このグラフは、Δθの期間中に損失トルクによって吸収されたエネルギーを示している。
内燃機関が完全に停止する前の最後のTDCを検出するための閾値Tが図示されている。この閾値Tは、回転速度の二乗値Neのための閾値である。TDCにおける回転速度がこの閾値未満である場合、制御ユニット100は内燃機関が停止する前の最後のTDCが検出されたと判定する。
図において、クランク角は、上死点後のクランク角であるCA ATDCによって表されている。回転速度の二乗値は、Ne^2として表記されている。その単位もrpm^2として表記されている。0度CAから180度CAまでに相当するΔθの期間中にトルク損失によって吸収されるエネルギーはEabsで示されている。回転速度Neとの対比においては、閾値Tを用いることができる。
内燃機関が停止する前の最後の圧縮サイクルがここでは決定されるが、他の構成および方法を採用することも可能である。例えば、ひとつのサイクル当たりの損失トルクを知ることによって、残りの圧縮サイクルの数を決定することができる。また、例えば、しきい値Tは、最後から二番目の圧縮サイクル、最後の圧縮サイクルからの第二番目の圧縮サイクルなどの圧縮サイクルを決定するように設定してもよい。
上記の情報を使用することにより、内燃機関が休止位置に到達するクランク角、すなわち、内燃機関の逆回転が発生する前のクランク角を計算することができる。回転エネルギーが位置エネルギー、すなわちTDC後のクランク角θに変換され、損失トルクによって吸収される吸収エネルギーと、ゼロに向かって減少してゆく角速度ωとが等しくなり、回転エネルギーが失われた時に、内燃機関は休止位置に到達する。従って、停止クランク角は次の数式3から計算することができる。
Figure 0005515935
ここで、パラメータは、それぞれ前述したとおりである。ひとつの完全な圧縮サイクルにおいてはθ=360であるから、最後のTDCまでの圧縮サイクルの数、つまり残された圧縮サイクルの数を計算することができる。
これは図10および図11に図示されている。図10は、線Aによってクランク角を示し、線Bによって回転速度Neを示している。圧縮サイクルのTDCにおける回転速度Neが示されている。この場合、最後のTDCにおける回転速度Neは200rpmである。これは丸付き数字1によって図示されている。図には、特定点1における回転速度がωTDCとして図示されている。
図11において、この図は、図9と同様のグラフを示している。内燃機関の回転速度の二乗値ωが縦軸に示されている。内燃機関が完全な停止に至るまでのクランク角θが横軸に示されている。図10の特定点1における回転速度の二乗値ωの値が図示されている。図には、特定点1における回転速度の二乗値がωTDCとして図示されている。
図9および図11の比較から、特定点1(図10参照)におけるωの値がさらに他の圧縮サイクルを完了するための閾値未満であることが理解される。したがって、特定点1におけるTDCは、内燃機関が完全に停止する前の最後の圧縮サイクルである。これは図10において確認することができる。特定点1におけるωの値から、内燃機関が完全に停止するまでのクランク角を決定することができる。特定点1におけるωに対応するクランク角はθである。これから、最終的なクランク角θend、つまりTDCに関連して内燃機関が休止位置に到達するクランク角は、次の数式4によって計算することができる。
Figure 0005515935
従って、上述したように、この実施形態は、内燃機関12内に生じる損失に関する知見と、所定の情報とに基づいて、内燃機関が停止するクランク角を、計算などによって求めることができる。停止クランク角を求めるための情報は、内燃機関12が停止しつつある期間中の圧縮サイクルの特定点における内燃機関の回転速度に関する情報である。
これをさらに図示したものが図12である。図12は、縦軸に内燃機関の回転速度ωの二乗値ωを示し、横軸に停止されつつある4気筒ディーゼル内燃機関のクランク角180−θendを示している。内燃機関の回転速度の二乗値の閾値が、はっきりと図示されている。ここでは、二乗値は、Neである。その結果、内燃機関が停止するまでの圧縮サイクルの数は、内燃機関の回転速度ωの二乗値ωから計算することができる。
図示された例においては、回転数の二乗値Neとの対比において最後のTDCを検出するための閾値(図中にはNe^2 threshold level for detecting last TDCと表記されている)は48400である。これは、回転数Neにおける220rpmに相当する(図中にはNe level=220rpmと表記されている)。図示から理解されるように、ディーゼル内燃機関における最後のTDC(図中にはDiesel+0と表記されている)と、最後から1つ前のTDC(図中にはDiesel+180と表記されている)、最後から2つ前のTDC(図中にはDiesel+360と表記されている)とのそれぞれを識別するように閾値を設定することが可能である。
上記の情報に基づいて、制御ユニット100はソレノイド32の制御操作を実行することができ、そして、したがって、ピニオン30の予備的連結を制御することができる。内燃機関の回転速度ωが一定か、または減少している場合に、例えば図5における特定点2の後のピークと、特定点3との間の場合に、ピニオンが予備的に連結されることが望ましい。ピニオン30の予備的連結を開始するための制御ユニット100の動作を、以下に説明する。
上述したように最後の圧縮サイクルのTDCは決定することができる。しかしながら、図13に示されるように、内燃機関の回転速度ωは最後のTDCの後に増加する場合がある。これは、内燃機関にクランク軸18をサイクルの一部にわたって移動させるために十分なエネルギーが残っているからである。ただし、この残っているエネルギーは、圧縮サイクルの全体を通じてクランク軸18を移動させるものではない。内燃機関の回転速度ωが増加している間に、ピニオン30が予備的に連結される場合、大きな騒音が生じるおそれがある。そこで、この実施形態の制御ユニット100は、ピニオンの予備的連結の開始を、さらなる期間だけ、遅らせることができる。
この実施形態では、ピニオンの予備的連結を開始する前の最後のTDCの後に、予め定められた所定のクランク角の期間だけ待つことによって、さらなる期間が計算される。この期間は、最後のTDCの後の遅れ期間である。図13に図示されるように、内燃機関が停止する前の最後の圧縮サイクルのTDCの後のピーク回転速度Neは、120 CA BTDCと150 CA BTDCの間のクランク角範囲内において生じる。クランク角範囲の最小値は117.5 CA BTDCである。
図13において、最後のTDCにおける回転速度は、TDCEncNeによって示されている。最後のTDCの後のピーク回転速度は、Peak speed after last TDCによって示されている。最後のTDCの後のピーク回転速度が観測されたクランク角は、Peak speed CA after TDCによって示されている。さらに、図13右側のヒストグラムは、最後のTDCの後のピーク回転速度の、クランク角上における発生頻度分布を示している。縦軸は、クランク角、言い換えるとクランク位置であり、Crank Pos.[CA BTDC]によって示されている。
従って、最後の圧縮サイクルのTDCの後に所定のクランク角だけ待つことによって、ピニオン30が歯車24との連結を開始した時には、内燃機関の回転速度ωは最後のTDCの後のピーク点を既に通過しており、ピニオン30が歯車24との連結を開始した時には、内燃機関の回転速度ωは減少の途上にある。
図14は、上述の説明に従って実行された計算に基づいて制御ユニット100によって提供されるピニオンの予備的連結の開始を示している。図14には、5本の線が図示されている。横軸は、時間である。線Aは、縦軸を上死点前のクランク角として、時間の関数としての上死点前クランク角の変化を示す。線Bは、縦軸を内燃機関の回転速度Neとして、時間に対する回転速度Neの変化を示す。線Cは、縦軸をTDCにおける回転速度の計算値TDCNeとして、時間の関数としての計算値TDCNeの変化を示す。図示されるように、線Cが以前に計算されたTDCにおける回転速度TDCNeの二乗値の閾値を下回って線Cが低下したとき、最後のTDCは決定されたものと考えることができる。
図においては、Last TDC detectと表記された時点において、最後のTDCが判定される。図示された例においては、回転数の二乗値Neとの対比において最後のTDCを検出するための閾値(図中にはNe^2 threshold level for detecting last TDCと表記されている)は48400である。これは、回転数Neにおける220rpmに相当する(図中にはNe level=220rpmと表記されている)。線Cで示されるTDCNeは、Last TDC detectの時点において、閾値48400に相当する220rpmを下回っている。図示の例においては、最後のTDCにおける回転速度Neは、120rpmである。また、最後のTDCが観測された時点におけるクランク角は87度CA BTDCである。
遅れが付与され、その遅れが終了した後に、制御ユニット100は、制御信号Sの値を1に設定することにより、ピニオン30の予備的連結を開始する。この実施形態では、遅れは、予め定めた所定のクランク角だけ待つことを含む。制御信号Sは図14の中の線Dによって示されている。
線Dで示された制御信号Sに応答して、線Eで示されるピニオン電流がソレノイド32を通って流れる。線Dと線Eとの対比から理解されるように、線Dの立ち上がりによって表された制御信号Sのオン時刻と、線Eの急激な上昇によって表されたピニオン電流の通電開始時刻との間には、短い時間遅れが表れている。この時間遅れは、TDC後の時間遅れの中に要素として含まれることができる。そして、このTDC後の時間遅れは、制御ユニット100の構成に組み入れられている。図14に示される特定点1において、ピニオン30は、効率的に、しかも低い騒音を伴って、歯車24に連結される。
要約するために、第2実施形態に係る制御ユニット100の制御処理が図15に図示され、説明されている。図15は、第2実施形態の機能的な構成の例を示すブロック図である。図15は、図14に図示され、決定されたデータに基づいている。
第1ステップ1では、TDCにおける回転速度Neが観測される。観測された回転数は、TDCEncNeとして図示されている。丸付き数字1で示されるブロックが、観測ブロックである。この例において、最後のTDCのための回転速度の閾値は、220rpmである。閾値は、図12および図14に示されている。閾値はLastTDCSpdとして図示されている。数字220で示されるブロックが回転速度閾値設定ブロックである。従って、制御ユニット100は、TDCにおける回転速度が220rpm以下であるときを検出する。この時点で、制御ユニット100は、最後の圧縮サイクルのTDCが検知されたと判定する。従って、第1ステップの第1条件が満たされたことが判定される。記号<=で示されるブロックが判定ブロックである。
第2ステップでは、制御ユニット100は、クランク角を観測する。観測されたクランク角は、CrnkPosとして図示されている。丸付き数字2で示されるブロックが、クランク角観測ブロックである。少なくとも117.5 CA BTDCのクランク角が検知されると、第2ステップの第2条件が満たされたことが判定される。図11は、117.5 CA BTDCの閾値を示している。閾値は、CrankDivとして図示されている。数字117で示されるブロックがクランク角閾値設定ブロックである。記号<=で示されるブロックが判定ブロックである。
第3ステップはフェールセーフのステップである。それは、第1ステップおよび第2ステップが誤った結果を記録するか、あるいは最後の圧縮サイクルのTDCを検知しない場合のためのフェールセーフ機能を提供する。第3ステップでは、回転速度Neが観測される。丸付き数字3で示されるブロックが、観測ブロックである。回転速度が安全なピニオン連結速度としての130rpm以下である場合、第3ステップの第3条件が満たされたことが判定される。安全なピニオン連結速度は、HiNeとして図示されている。数字130で示されるブロックがフェールセーフ閾値設定ブロックである。記号<=で示されるブロックが判定ブロックである。
第1ステップの第1条件、第2ステップの第2条件、および第3ステップの第3条件のそれぞれが満たされると、制御ユニット100は、ピニオン30の予備的連結を開始する。
記号ANDで示されたブロックは、第1条件から第3条件のすべてが満たされたことを判定する論理積ブロックである。記号ORで示されたブロックは、上記3つの条件が満たされたときに、他の条件にかかわらず、後続の処理を開始するための論理和ブロックである。論理和ブロックから信号Mon_PreTrigが出力されると、予備的連結を開始するための信号PreTrigが発生し、ブロック1においてピニオンの予備的連結が開始される。
また、制御ユニット100は、最後の圧縮サイクルのTDCを検知できないことがある。この場合、第3ステップでは、回転速度が最低回転速度限界としての50rpm以下か否かを判定する。最低回転速度限界は、LowNeとして図示されている。観測された回転速度が最低回転速度限界としての50rpm以下ならば、第4条件が満たされる。第4条件が満たされる場合、制御ユニット100はピニオン30の予備的連結を開始する。従って、ピニオンの予備的連結が回転速度が50rpmに落ちる時までに開始されていない場合、その後に、第4条件は、内燃機関が休止位置に到達する前に、または内燃機関が休止位置に到達するそのときに、ピニオン30が予備的に連結されることを確実に実行する。
第2実施形態は上述の例示を参照して説明されたが、制御ユニット100の作動はより一般的に説明されることができ、また、上述のパラメータとは異なるパラメータを用いて作動することもできる。
図16は、制御ユニット100の一般的な動作原理を図示するフローチャートである。ステップ201において、処理は開始される。この処理は、回転速度が予め定められた所定値を下回って低下したときに開始することができる。所定値は、例えば、アイドリング回転数以下に設定することができる。あるいは、内燃機関のスイッチが切られた場合に、この処理を開始することができる。例えば、内燃機関への燃料供給が遮断されたときに、この処理を開始することができる。
ステップ202では、圧縮サイクルの中の予め定められた特定点における回転速度が決定される。上述の例示においては、測定のための特定点としてTDCを用いたが、他の適切な点を用いることができる。例えば、BDC(Bottom Dead Center)、または任意の望まれるクランク角を用いることができる。
ステップ203では、残された圧縮サイクルの数が決定される。残された圧縮サイクルの数は、ひとつの圧縮サイクル当たりの損失トルクの値を格納する参照テーブルから計算することができる。あるいは、既知の値としての損失トルクの値はセンサシステム20から取得されたパラメータを使用して、実時間下における算出処理によって計算することもできる。そのようなパラメータの非網羅的なリストには、内燃機関の回転数、内燃機関の温度、周囲の温度、外気の温度、内燃機関のオイルの温度、内燃機関の空気取り入れ口における空気温度、内燃機関の冷却液の温度、周囲空気の圧力、外気の圧力、および気筒内圧力を含むことができ、パラメータはこのリストから選択された少なくともひとつを含むことができる。
ステップ204では、望まれる圧縮サイクルが選定される。図3から図15に関連する上述の例では、内燃機関が停止する前の最後の圧縮サイクルを選定しているが、他の値を使用することもできる。例えば、内燃機関が完全に停止するまでにnサイクル、すなわちn回の圧縮サイクルがあることが決定された場合、制御ユニット100は、1番目からn番目までのサイクルから選択されたひとつのサイクルの後に、ピニオンの予備的連結を開始するように構成されることができる。nサイクルの中には、第1サイクルから第nサイクルまでのn回のサイクルが含まれている。
ステップ205では、制御ユニット100は、選定された圧縮サイクルを待ち、その選定された圧縮サイクルの到来を検出する。これは、それぞれのサイクルの選択された測定点における回転速度が、所定の閾値Tを下回って低下した時として決定することができる。
ステップ206では、時間遅れを与えるためのクランク角の遅れが加えられる。上述のように、制御ユニット100は、予め定められた所定のクランク角の間、待ち続ける。しかしながら、代替的な他の遅れ処理を使用することができる。ひとつの代替手段では、単純な時間遅れを使用することができる。つまり、制御ユニット100は、ピニオンの予備的連結が開始される前の最後のTDCの後に、予め定められた所定の時間だけ待つように構成することができる。
さらに他の代替手段として、回転速度Δωの変化割合を計算によって求めることができる。これに基づいて、制御ユニット100は、例えば、回転速度ωの減少が検知される前には、あるいは特定の速度範囲が予期されるか、検知される時には、ピニオンの予備的連結を開始しない。
上記の複数の手法は、どれでも、選択された圧縮サイクルの後に所定期間にわたってピニオンの予備的連結の開始を遅らせるために使用することができる。
最後に、ステップ207では、ステップ201から206によって決定された点において、ピニオン30が歯車24と連結される。
上述の複数の実施形態は、内燃機関が停止されつつある期間中の特定点においてピニオン30が予備的に連結されることを、清浄であり、しかも静かであるといった利点を提供しながら可能とする。これは、予備的連結の音を聞くことがなくなるから、利用者にとっての利点である。さらに、この装置と方法は、ピニオン30、およびその関連構成部品の機械的歪みを抑制する。
上述の手法は、利益が得られるであろうすべての種類の内燃機関に適用することができる。上記の実施形態は4気筒内燃機関を示しているが、いかなる気筒数の内燃機関にでも上述の手法は適用することができる。例えば、単気筒、2気筒、3気筒、5気筒、または6気筒などの多気筒内燃機関に適用することができる。さらに、V型6気筒、V型8気筒、V型10気筒、およびV型12気筒といった構成の内燃機関にも適用することができる。さらに、上述の手法は、気筒または気筒バンクの代わりにロータリー圧縮室を備えるロータリー型バンケル式内燃機関にも適用することができる。
さらに、上述の手法は、内燃機関を利用するすべての用途製品に適用することができる。この発明は、車両の前提の下で説明されてきたが、当業者には他の適切な用途は自明である。本発明が車両に適用される場合、車両は種々の適切な形式もとることができる。例えば、自動車、トラック、バン、またはオートバイの形式をとることができる。
本発明は上記の特定の実施形態に基づいて説明されてきたが、本発明は上記の詳細な記述に制限されない。変形態様は当業者によって自明である。
代替手段または追加的要素を損失トルクの計算に組み入れることができる。例えば、内燃機関の温度、冷却液温度あるいは他の要因はひとつの圧縮サイクル当たりの損失トルクのより正確な評価を提供するために使用することができる。制御ユニットが内燃機関の損失を決定する計算は、特定の用途、または特定の内燃機関、例えば4気筒内燃機関に個別に適合させることができる。さらに、その計算は周囲温度または圧力のような環境要因を考慮に入れるために修正することができる。内燃機関上のセンサシステムは、冷却液温度、シリンダ温度、噴射圧などのようなパラメータに関する情報を提供することができる。
代替的に、残された圧縮サイクルの数は異なる処理によって計算することができる。例えば、残された圧縮サイクルの数を決定するために、後続の各圧縮サイクルのTDCにおける回転速度の変化割合を使用することができる。この場合、TDCに代えて、他の適切な特定の点を用いることもできる。例えば、図6を参照して、ひとつの圧縮サイクル当たりの回転速度Δωの変化は、残された圧縮サイクルの数を決定するために使用することができる。つまり、回転速度ωが0に向かうとき、内燃機関は完全な停止に至る。従って、残サイクル数は、損失トルクを考慮に入れることなく、単に回転速度ωの低下を用いるだけで計算される場合がある。
上記の実施形態は内燃機関が完全に停止する前の最後のTDCの決定を概説しているが、内燃機関の停止前のTDCのいずれかを決定するために本発明は利用することができる。
TDCの検出の後に続く時間遅れは、設けなくてもよい場合がある。あるいは、必要とされるいかなる時間遅れであっても、要求に応じて組み込むことができる。適切な時間遅れを決定するために、いくつかの手法の組合せを用いてもよい。例えば、制御ユニットは、ピニオンの予備的連結を開始する前に、まず、予め定めた所定のクランク角の期間にわたって待ち、その後に、所定時間の期間にわたって待つことができる。
あるいは、時間遅れは、計算された時間遅れから引かれるように構成することもできる。例えば、制御信号Sがオン状態に切換えられた時のピニオン電流の増加の遅れを考慮するために、時間遅れを計算値から引くことができる。このように、制御手段は、ピニオンの予備的連結の開始と、実際のピニオンの予備的連結との間の遅れを考慮して、さらに他の遅れ時間を加えるか、または引くことができる。
さらなる変形例として、内燃機関の回転速度は、必ずしもTDCで測定される必要はない。測定点が互いにひとつの圧縮サイクルだけ離れている限り、他のいなかる適切な測定点であっても利用することができる。例えば、内燃機関の回転速度は、BDC、または他のいかなる適切なクランク角においても測定することができる。
本発明は、様々な変形態様により、そして代替的な形態によって実施することができるが、特定の実施形態があくまで例示として図示され、ここに詳細に説明されている。しかしながら、図面および以下の詳細な説明は、ここ開示された特定の実施形態に本発明を限定することを意図したものではない。その一方で、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の趣旨および技術的範囲の中に包含される変形例、等価物および代替物をすべてカバーするものである。
10 内燃機関システム、12 内燃機関、14 気筒、16 ピストン、18 クランク軸、20 センサシステム、22 シャフト、24 歯車、26 スタータモータ、28 出力シャフト、30 ピニオン、32 ソレノイド、34 駆動装置、36 レバーアーム、100 制御ユニット、102 インターフェース(入力手段)。

Claims (30)

  1. 内燃機関が停止しようとしている期間中に、スタータモータのピニオンの予備的な連結を制御する連結制御装置において、
    前記内燃機関から検出された情報を入力する入力手段と、
    検出情報から前記内燃機関が完全に停止するまでに残された圧縮サイクルの数である残サイクル数を決定し、該残サイクル数に応じて、前記内燃機関の一部分と前記ピニオンとの予備的連結を開始する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記内燃機関が完全に停止するまでに残されている残サイクル数として決定されたnサイクルの第1サイクルから第nサイクルまでから選定されたいずれかのサイクルの後に、前記ピニオンの連結を開始し、
    前記制御手段は、選定されたサイクルの後の、所定の時間後において前記ピニオンの連結を開始することを特徴とする。
  2. 内燃機関が停止しようとしている期間中に、スタータモータのピニオンの予備的な連結を制御する連結制御装置において、
    前記内燃機関から検出された情報を入力する入力手段と、
    検出情報から前記内燃機関が完全に停止するまでに残された圧縮サイクルの数である残サイクル数を決定し、該残サイクル数に応じて、前記内燃機関の一部分と前記ピニオンとの予備的連結を開始する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記内燃機関が完全に停止するまでに残されている残サイクル数として決定されたnサイクルの第1サイクルから第nサイクルまでから選定されたいずれかのサイクルの後に、前記ピニオンの連結を開始し、
    前記制御手段は、選定されたサイクルの後に、または選定されたサイクルのときに、前記内燃機関の回転数の変化割合を算出し、該変化割合に応答して前記ピニオンの連結を開始するように構成されていることを特徴とする。
  3. 請求項2に記載の連結制御装置において、
    前記制御手段は、前記内燃機関の回転数の変化割合が所定値を下回ったとき、選定されたサイクルの後の時点において、前記ピニオンの連結を開始することを特徴とする。
  4. 内燃機関が停止しようとしている期間中に、スタータモータのピニオンの予備的な連結を制御する連結制御装置において、
    前記内燃機関から検出された情報を入力する入力手段と、
    検出情報から前記内燃機関が完全に停止するまでに残された圧縮サイクルの数である残サイクル数を決定し、該残サイクル数に応じて、前記内燃機関の一部分と前記ピニオンとの予備的連結を開始する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記内燃機関が完全に停止するまでに残されている残サイクル数として決定されたnサイクルの第1サイクルから第nサイクルまでから選定されたいずれかのサイクルの後に、前記ピニオンの連結を開始し、
    前記制御手段は、前記内燃機関のクランク軸の所定のクランク角において、前記ピニオンの連結を開始することを特徴とする。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の連結制御装置において、
    前記制御手段は、(n−1)、(n−2)、またはnサイクルから選定されたいずれかのサイクルの後に、前記ピニオンの連結を開始することを特徴とする。
  6. 請求項5に記載の連結制御装置において、
    前記制御手段は、nサイクルの後に、前記ピニオンの連結を開始することを特徴とする。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の連結制御装置において、
    前記制御手段は、前記ピニオンの予備的連結の開始と実際の前記ピニオンの予備的連結との間の遅れを考慮して、さらに他の遅れ時間を加えるか、または引くことを特徴とする。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の連結制御装置において、
    前記制御手段は、前記内燃機関が停止しようとしている間の最初の圧縮サイクルの中の特定点、または当該最初の圧縮サイクルに基づいて特定される特定点において前記内燃機関の回転速度を決定することにより、残された圧縮サイクルの数を決定することを特徴とする。
  9. 請求項8に記載の連結制御装置において、
    前記制御手段は、前記最初の圧縮サイクルに続く少なくともひとつの圧縮サイクルの中の特定点において前記内燃機関の回転速度の低下を決定し、それに基づいて残された圧縮サイクルの数を決定することを特徴とする。
  10. 請求項8または9に記載の連結制御装置において、
    前記制御手段は、選ばれた圧縮サイクルの中の特定点において前記内燃機関に残されたエネルギーを決定し、この値をひとつの圧縮サイクルで失われるエネルギーの値と比較することにより、残された圧縮サイクルの数を決定することを特徴とする。
  11. 請求項9に記載の連結制御装置において、
    前記制御手段は、選ばれた圧縮サイクルの中の特定点において前記内燃機関に残された運動エネルギーを特定し、この値を前記内燃機関のひとつの圧縮サイクルを完了するために必要な運動エネルギーの既知の値と比較することを特徴とする。
  12. 請求項11に記載の連結制御装置において、
    前記内燃機関のひとつの圧縮サイクルを完了するために必要な運動エネルギーの既知の値は、
    前記内燃機関の回転数、前記内燃機関の温度、外気の温度、冷却液の温度、前記内燃機関のオイルの温度、外気の圧力、および前記内燃機関の摩擦損失、から選択された少なくともひとつをパラメータとして、
    前記パラメータに基づく所定の参照テーブルにより、または前記パラメータに基づく実時間下での算出処理により、決定されることを特徴とする。
  13. 請求項8から12のいずれかに記載の連結制御装置において、
    前記特定点は、上死点である。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載の連結制御装置は、
    自動停止再始動機構を有する車両に使用されるよう構成されていることを特徴とする。
  15. 請求項1から13のいずれかに記載の連結制御装置を備えることを特徴とする内燃機関用の制御装置。
  16. 内燃機関において、
    前記内燃機関の一部分と選択的に連結することができるピニオンを有するスタータモータと、
    前記内燃機関の前記一部分と前記ピニオンとを選択的に連結するための連結手段と、
    請求項1から15のいずれかに記載の連結制御装置とを備え、
    前記連結制御装置が、前記内燃機関の前記一部分と前記ピニオンとの選択的な連結を開始させることを特徴とする内燃機関。
  17. 内燃機関が停止しようとしている期間中に、スタータモータのピニオンを予備的に連結させる予備的な連結方法において、
    前記内燃機関が完全に停止するまでに残された圧縮サイクルの数である残サイクル数を決定し、および
    該残サイクル数に応じて、前記内燃機関の一部分と前記ピニオンとを連結し、
    前記内燃機関が完全に停止するまでに残されている残サイクル数として決定されたnサイクルの第1サイクルから第nサイクルまでから選定されたいずれかのサイクルの後に、前記ピニオンを連結し、
    選択されたサイクルの後の所定の時間後に前記ピニオンを連結することを特徴とする。
  18. 内燃機関が停止しようとしている期間中に、スタータモータのピニオンを予備的に連結させる予備的な連結方法において、
    前記内燃機関が完全に停止するまでに残された圧縮サイクルの数である残サイクル数を決定し、および
    該残サイクル数に応じて、前記内燃機関の一部分と前記ピニオンとを連結し、
    前記内燃機関が完全に停止するまでに残されている残サイクル数として決定されたnサイクルの第1サイクルから第nサイクルまでから選定されたいずれかのサイクルの後に、前記ピニオンを連結し、
    選定されたサイクルの後に、または選定されたサイクルのときに、前記内燃機関の回転数の変化割合を算出し、該変化割合に応答して前記ピニオンを連結することを特徴とする。
  19. 請求項18に記載の連結方法において、
    前記内燃機関の回転数の変化割合が所定値を下回ったとき、選定されたサイクルの後の時点において、前記ピニオンを連結することを特徴とする。
  20. 内燃機関が停止しようとしている期間中に、スタータモータのピニオンを予備的に連結させる予備的な連結方法において、
    前記内燃機関が完全に停止するまでに残された圧縮サイクルの数である残サイクル数を決定し、および
    該残サイクル数に応じて、前記内燃機関の一部分と前記ピニオンとを連結し、
    前記内燃機関が完全に停止するまでに残されている残サイクル数として決定されたnサイクルの第1サイクルから第nサイクルまでから選定されたいずれかのサイクルの後に、前記ピニオンを連結し、
    前記内燃機関のクランク軸の所定のクランク角において、前記ピニオンを連結することを特徴とする。
  21. 請求項17から20のいずれかに記載の連結方法において、
    (nー1)、(n−2)、またはnサイクルから選定されたいずれかのサイクルの後に、前記ピニオンを連結することを特徴とする。
  22. 請求項21に記載の連結方法において、
    nサイクルの後に前記ピニオンを連結することを特徴とする。
  23. 請求項17から22のいずれかに記載の連結方法において、
    前記内燃機関が停止しようとしている間の最初の圧縮サイクルの中の特定点、または当該最初の圧縮サイクルに基づいて特定される特定点において前記内燃機関の回転速度を決定することにより、残された圧縮サイクルの数を決定することを特徴とする。
  24. 請求項23に記載の連結方法において、
    前記最初の圧縮サイクルに続く少なくともひとつの圧縮サイクルの中の特定点において前記内燃機関の回転速度の低下を決定し、それに基づいて残された圧縮サイクルの数を決定することを特徴とする。
  25. 請求項23に記載の連結方法において、
    前記最初の圧縮サイクルの中の特定点において前記内燃機関に残されたエネルギーを決定し、この値をひとつの圧縮サイクルで失われるエネルギーの値と比較することにより、残された圧縮サイクルの数を決定することを特徴とする。
  26. 請求項25に記載の連結方法において、
    前記最初の圧縮サイクルの中の特定点において前記内燃機関に残された運動エネルギーを特定し、この値を前記内燃機関のひとつの圧縮サイクルを完了するために必要な運動エネルギーの既知の値と比較することを特徴とする。
  27. 請求項26に記載の連結方法において、
    前記内燃機関のひとつの圧縮サイクルを完了するために必要な運動エネルギーの既知の値は、
    前記内燃機関の回転数、前記内燃機関の温度、外気の温度、冷却液の温度、前記内燃機関のオイルの温度、外気の圧力、および前記内燃機関の摩擦損失から選択された少なくともひとつをパラメータとして、
    前記パラメータに基づく所定の参照テーブルにより、または前記パラメータに基づく実時間下での算出処理により、決定することを特徴とする。
  28. 請求項23から27のいずれかに記載の連結方法において、
    前記特定点は、上死点である。
  29. プログラム可能な演算処理装置によって実行可能なプログラムにおいて、
    請求項17から28のいずれかに記載された少なくとも決定工程を実行するためのひとつまたは複数のソフトウェア部分を備えることを特徴とするプログラム。
  30. コンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
    請求項29に記載のプログラムを記録していることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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