JP5515717B2 - ディーゼルエンジン車両の燃料冷却装置 - Google Patents

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Description

この発明はディーゼルエンジン車両の燃料冷却装置に係り、特に、ディーゼルエンジンの燃料を走行風により効率的に冷却することができるディーゼルエンジン車両の燃料冷却装置に関する。
一般に、ディーゼルエンジン車両に搭載されたディーゼルエンジンにおいては、高圧ポンプで加圧された高圧燃料を蓄積し、開閉弁を制御することによって加圧された高圧燃料を燃焼室に供給する燃料噴射装置を搭載している。コモンレールシステムは、高圧化した燃料をコモンレールに貯え、各インジェクタへ均一に供給し、燃焼室へ噴射する燃料噴射装置である。コモンレールシステムは、高圧の燃料を噴射し完全燃焼させることで、排気ガス中のPM(Particulate Matter:粒子状物質)を減少させ、噴射を複数回行うことで燃焼室の高温化を防ぎ、NOxを低減させることができる。この時に重要になるのが、燃料の噴射圧力、噴射タイミングや回数、噴射量であり、コモンレールシステムはこれらを電子制御により細かくコントロールしている。
したがって、ディーゼルエンジン車両では、ガソリンエンジン車両に比べて燃料を吐出する燃料ポンプの吐出圧が大きいため、燃料タンクからコモンレールに供給される燃料や、インジェクタまたは高圧ポンプから燃料タンクに戻される燃料が高温になる場合があった。
ディーゼルエンジンは、供給される燃料の温度上昇により燃料密度が低下すると、エンジン出力が低下するおそれがある。また、ディーゼルエンジンは、戻り燃料の温度が高温になると、燃料タンク内の燃料の温度上昇により供給する燃料の燃料密度の低下を招くだけでなく、燃料配管部品や燃料タンク内に配設される燃料ポンプの耐久性低下に繋がるおそれがある。このため、ディーゼルエンジン車両は、これら燃料の高温化(昇温化)を抑制して、燃料密度の高い低温の燃料をエンジンの燃焼室に流入させて、エンジンの燃料を安定させる必要があった。
これらの問題を解決するために、従来の燃料冷却装置では、床下の燃料配管を積極的に湾曲させて、放熱面積を稼ぐことで対応しているものがある。
また、これらの問題を解決するために、従来の燃料冷却装置では、特開平10−274109号公報に記載のように、インジェクタから燃料タンクに至る通路の途中で、燃料タンク側に近接した状態で冷却手段としてフィンを設置し、燃料を冷却するものがある。
特開平10−274109号公報
しかし、コモンレールシステムでは、高圧ポンプによる燃料の圧力が上昇してきているため、前記のような床下の燃料配管を湾曲させて放熱面積を稼ぐ燃料冷却装置では、十分な対策とは言えなくなってきている。
また、前記特許文献1のような、車両後部の燃料タンクに近接した通路に冷却手段のフィンを設置した構造の燃料冷却装置では、燃料タンク近傍では空気が淀んでしまうため、フィンによる放熱作用を十分に発揮させることができず、フィンによる燃料温度の冷却性能を低下させる虞があった。しかも、このような構造では、エンジンルーム内の燃料配管および燃料を冷却するという効果を得ることができない問題がある。
この発明は、車両前方から導入され、エンジンカバーとエンジンフードとの間の縮小された隙間を流れる走行風によってフィード配管とリターン配管とを冷却し、フィード配管の燃料を冷却して密度の高い燃料をエンジン内に送り込み、異常燃料を防止して燃費向上を図り、また、リターン配管の燃料を冷却して温度の低い燃料を燃料タンクに戻し、燃料配管部品や燃料タンク内に配設される燃料ポンプの耐久性低下を防止することを目的とする。
この発明は、前部にターボ過給機を取り付けるとともに後部に吸気マニホルドを取り付けたエンジンをエンジンフードに覆われるエンジンルーム内に搭載し、前記ターボ過給機と前記吸気マニホルドとの間を連絡する吸気配管を前記エンジンの上部に配置し、燃料を高圧に加圧する高圧ポンプと、前記高圧ポンプから燃料が供給されるコモンレールと、前記コモンレールから燃料が供給されるインジェクタとを前記エンジンの上部に取り付け、燃料タンクから前記高圧ポンプに燃料を供給するフィード配管前記高圧ポンプおよび前記インジェクタから前記燃料タンクに燃料を戻すリターン配管とに、それぞれ金属管から成るフィード放熱部とリターン放熱部とを形成し、前記フィード放熱部と前記リターン放熱部とを前記吸気配管の近傍に配置し、前記吸気配管をエンジンカバーで覆ったディーゼルエンジン車両の燃料冷却装置において、前記エンジンカバーの車両幅方向一側部をその車両幅方向他側部よりも前記エンジンフード側に向けて膨出させて、前記エンジンカバーの車両幅方向一側部の前部に前傾部を形成するとともにこの前傾部から後方に続く前記エンジンカバーの車両幅方向一側部の後部に後傾部を形成し、前記前傾部は、前記エンジンフードとの間の隙間が前記エンジンカバーの車両幅方向他側部の前部と前記エンジンフードとの間の隙間よりも縮小するとともに前記エンジンフードとの間の隙間がその最上端に向かって次第に狭くなるように形成し、前記後傾部は、前記最上端から車両後方に向かって後傾するとともに前記エンジンフードとの間の隙間が車両後方に行くにしたがい徐々に拡大するように形成し、前記フィード放熱部と前記リターン放熱部とを前記吸気配管に取り付けられる金属製のブラケットに固定し、前記金属製のブラケットと前記フィード放熱部と前記リターン放熱部とを前記エンジンカバーの後傾部の最後端より後方側であって車両前後方向で前記エンジンカバーの車両幅方向一側部と重ねて配置するとともに、前記後傾部の上面を後方に延長した面のに露出させて配置したことを特徴とする。
この発明は、車両前方から導入され、エンジンカバー上方に入り込む走行風を、エンジンカバーの前傾部とエンジンフードとの間の縮小された隙間によって流速を高めることができ、流速を高めた状態で、後傾部とエンジンフードとの間の拡大された隙間に流し込むことができる。また、前記走行風は、ラジエータの上方を通過してエンジンカバーの上方に流れ込むため、温度が低くなっている。
また、この発明は、フィード配管とリターン配管との放熱部をエンジンカバーの後傾部とエンジンフードとの間の隙間に露出させることで、温度が低く、且つ、流速を高めた走行風を放熱部に直接吹きかけることができ、フィード配管とリターン配管とを冷却することができる。
したがって、この発明は、フィード配管内を流れる燃料を冷却することで、温度が低く、密度の高い燃料を燃焼室内に送り込むことができ、異常燃料を防止し、燃費向上を図ることができる。
さらに、この発明は、リターン配管内を流れる燃料を冷却することで、燃料タンクに戻る燃料の過熱を防止することができ、燃料温度が低減された燃料を燃料タンクに戻すことで、燃料配管部品や燃料タンク内に配設される燃料ポンプの耐久性低下を防止することができる。
ディーゼルエンジン車両のエンジンルームの平面図である。(実施例) ディーゼルエンジン車両のエンジンルームの左側面図である。(実施例) ディーゼルエンジン車両のエンジンルームの右側面図である。(実施例) ディーゼルエンジン車両の燃料冷却装置の拡大平面図である。(実施例) ディーゼルエンジン車両の燃料冷却装置の拡大斜視図である。(実施例) フィード配管とリターン配管との燃料流れを示す配管図である。(実施例) ディーゼルエンジン車両の燃料冷却装置の拡大斜視図である。(変形例)
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
図1〜図6は、この発明の実施例を示すものである。図1〜図3において、1はディーゼルエンジン車両、2はフロントバンパ、3はフロントグリル、4は右フェンダパネル、5は左フェンダパネル、6はダッシュパネル、7はエンジンフード、8は右前輪、9は左前輪である。ディーゼルエンジン車両1は、ダッシュパネル6の前側に、フロントバンパ2、フロントグリル3、右フェンダパネル4、左フェンダパネル5、ダッシュパネル6に囲まれて、エンジンフード7で覆われるエンジンルーム10を形成している。フロントグリル3には、走行風をエンジンルーム10に導く開口部11を形成している。
ディーゼルエンジン車両1は、エンジンフード7に覆われるエンジンルーム10内にディーゼルエンジン12を横置きの状態で搭載している。ディーゼルエンジン12には、車両1の幅方向左側に変速機が連結され、エンジンフード7と対向する上部をエンジンカバー13で覆われている。ディーゼルエンジン12は、車両前後方向の前方にラジエータ14を配置している。ラジエータ14は、ラジエータ導入ホース15とラジエータ導出ホース16とによりディーゼルエンジン12に接続され、後側に冷却ファン17を設けている。
ディーゼルエンジン12は、車両前後方向の前部に排気マニホルド18を取り付けている。排気マニホルド18は、ターボ過給機19の排気流入口に連絡している。ターボ過給機19の排気吐出口は、触媒コンバータ20に連絡している。触媒コンバータ20は、ディーゼルエンジン12下部を通り排気を車両1後方に導く排気管21に連絡している。
また、ディーゼルエンジン12は、車両前後方向の後部に吸気マニホルド22を取り付けている。吸気マニホルド22には、吸気配管23を連絡している。吸気配管23は、前記ターボ過給機19の吸気吐出口に連絡している。ターボ過給機19の吸気流入口には、吸気ホース24を介してエアクリーナ25を連絡している。吸気配管23の途中には、インタクーラ26を配置している。インタクーラ26は、ラジエータ14の前方下部に横置きに配置している。
前記吸気配管23は、ターボ過給機19で加圧された吸気をインタクーラ26に導入するインタクーラ導入ホース27と、インタクーラ26で冷却された吸気をディーゼルエンジン12上部に導くインタクーラ導出ホース28と、インタクーラ導出ホース28の吸気をディーゼルエンジン12の上部を越えて吸気マニホルド22に導く吸気パイプ29とから構成される。吸気配管23の吸気パイプ29は、略L字形状に形成され、インタクーラ導出ホース28に連絡する部分をディーゼルエンジン12の前側上部において右側から左側に延びるように配置され、吸気マニホルド22に連絡する部分をディーゼルエンジン12の左側上部において前側から後側に延びるように配置されている。ディーゼルエンジン12の上部に配置された吸気パイプ29は、前記エンジンカバー13で覆われている。
前記ディーゼルエンジン12は、燃料を高圧に加圧する高圧ポンプ30と、前記高圧ポンプ30から燃料が供給されるコモンレール31と、前記コモンレール31から燃料が供給されるインジェクタ32とをディーゼルエンジン12の上部に取り付けている。高圧ポンプ30は、ディーゼルエンジン12の左側上部に取り付けている。コモンレール31は、ディーゼルエンジン12の上部中央に左右に延びるように取り付けている。インジェクタ32は、ディーゼルエンジン12の上部であってコモンレール31の前側において燃焼室と対応する位置に取り付けられている。
前記ディーゼルエンジン車両1は、エンジンルーム10よりも後方に搭載した燃料タンク33(図6参照)から前記高圧ポンプ30に燃料を供給するフィード配管34と、前記高圧ポンプ30およびインジェクタ32から燃料タンク33に燃料を戻すリターン配管35とを設けている。前記燃料タンク33内には、図6に示すように、燃料ポンプ50を配設している。燃料ポンプ50は、燃料タンク33の燃料をフィード配管34に送り、リターン配管35の燃料を燃料タンク33に戻す。前記燃料タンク33からのフィード配管34とリターン配管35とは、ガイド36により保持されてダッシュパネル6を貫通し、エンジンルーム10内に導かれる。エンジンルーム10内に導かれたフィード配管34とリターン配管35とは、ホルダ37によりダッシュパネル6に保持されている。
エンジンルーム10内のフィード配管34は、ホルダ37から高圧ポンプ30までの間に燃料フィルタ38を配置し、高圧ポンプ30から先をコモンレール31に連絡している。したがって、フィード配管34は、図6に示すように、燃料タンク33を燃料フィルタ37に連絡する第1フィード配管部34aと、燃料フィルタ38を高圧ポンプ30に連絡する第2フィード配管部34bと、高圧ポンプ30をコモンレール31に連絡する第3フィード配管部34cとから構成される。フィード配管34内の燃料の流れは、燃料タンク33から、燃料ポンプ50、燃料フィルタ38、高圧ポンプ30、コモンレール31となる。コモンレール31は、分配供給管39により各インジェクタ32に連絡されている。なお、燃料フィルタ38は、ホルダ37近傍のダッシュパネル6にブラケット40により取り付けられている。
また、エンジンルーム10内のリターン配管35は、高圧ポンプ30およびインジェクタ32に分岐して連絡している。したがって、リターン配管35は、図6に示すように、高圧ポンプ30に連絡する第1リターン配管部35aと、各インジェクタ32に連絡する第2リターン配管部35bと、第1リターン配管部35aと第2リターン配管部35bとが連絡する合流部41を燃料タンク33に連絡する第3リターン配管部35cとから構成される。リターン配管35内の燃料の流れは、高圧ポンプ30およびインジェクタ32から、燃料ポンプ50、燃料タンク33となる。
前記フィード配管34とリターン配管35とは、燃料フィルタ38から高圧ポンプ30までの第2フィード配管部34bの途中と合流部41からホルダ37までの第3リターン配管部35cの途中とを、前記吸気配管23のエンジンカバー13で覆われた吸気パイプ29の近傍に配置している。
このディーゼルエンジン12には、フィード配管34とリターン配管35との燃料を冷却する燃料冷却装置42を設けている。燃料冷却装置42は、図2・図3に示すように、ディーゼルエンジン車両1の側面視にて、前記エンジンカバー13の前部にエンジンフード7に沿って前傾する前傾部43を形成している。エンジンフード7と前傾部43との間の隙間S1は、前傾部43の最上端Tに向かって次第に狭くなるように形成している。前傾部43の最上端Tから後方に続くエンジンカバー13の後部には、エンジンフード7との隙間S2が前傾部43の隙間S1よりも次第に拡大するように後傾する後傾部44を形成している。
この燃料冷却装置42は、エンジンカバー13の前傾部43をエンジンフード7の傾斜に合わせ、且つ、後方に行くにしたがい近づけることで、エンジンカバー13とエンジンフード7との隙間S1を縮小している。これに対して、エンジンカバー13の前傾部43の後方に形成された後傾部44では、エンジンフード7との隙間S2を後方に行くにしたがい徐々に拡大させている。そのため、燃料冷却装置42は、車両1の前方から導入され、エンジンカバー13上方に入り込む走行風を、エンジンカバー13の前傾部43とエンジンフード7との間の縮小された隙間S1によって流速を高めることができ、流速を高めた状態で、後傾部44とエンジンフード7との間の拡大された隙間S2に流し込むことができる。また、前記走行風は、ラジエータ14の上方を通過してエンジンカバー13上方に流れ込むため、温度が低くなっている。
また、この燃料冷却装置42は、図4・図5に示すように、吸気配管23の吸気パイプ29近傍のフィード配管34とリターン配管35とに金属管から成る放熱部として、フィード放熱部45とリターン放熱部46とを形成している。フィード放熱部45とリターン放熱部46とは、吸気パイプ29に取り付けた金属製のブラケット47に固定している。フィード放熱部45とリターン放熱部46とは、エンジンカバー13の後傾部44の最後端Eよりも後方側に配置するとともに後傾部44の上面を後方に延長した面よりも上方に露出させて配置している。
これにより、燃料冷却装置42は、フィード配管34のフィード放熱部45とリターン配管35のリターン放熱部46とをエンジンカバー13の後傾部44とエンジンフード7との間の隙間S2を流れる走行風に露出させることで、前記ラジエータ14の上方を通過した温度が低く、且つ、前記隙間S1・S2で流速を高めた走行風をフィード放熱部45とリターン放熱部46とに直接吹きかけることができ、フィード配管34とリターン配管35とを冷却することができる。
したがって、この燃料冷却装置42は、フィード配管34内を流れる燃料を冷却することで、温度が低く、密度の高い燃料を燃焼室内に送り込むことができ、異常燃料を防止し、燃費向上を図ることができる。さらに、この燃料冷却装置42は、リターン配管35内を流れる燃料を冷却することで、燃料タンク33に戻る燃料の過熱を防止することができ、燃料温度が低減された燃料を燃料タンク33に戻すことで、燃料配管部品や燃料タンク33内に配設される燃料ポンプ50の耐久性低下を防止することができる。なお、フィード放熱部45とリターン放熱部46とを固定するブラケット47は、十分な面積を持たせた上で、走行風の流れ上に配置することで、フィード配管34とリターン配管35とを冷却する放熱効果を得ることができる。
燃料冷却装置42は、リターン配管35を第1〜第3リターン配管部35a〜35cに構成し、高圧ポンプ30に連絡する第1リターン配管部35aと各インジェクタ32に連絡する第2リターン配管部35bとを合流部41で合流し、この合流部41を第3リターン配管部35cで燃料タンク33の燃料ポンプ50に連絡している。したがって、リターン配管35は、高圧ポンプ30から燃料タンク33ヘ戻る燃料とインジェクタ32から燃料タンク33ヘ戻る燃料とが合流する合流部41を備え、この合流部41をリターン放熱部46の上流側に配置している。
これにより、燃料冷却装置42は、高圧ポンプ30から燃料タンク33に戻る燃料とインジェクタ32から燃料タンク33に戻る燃料とをリターン放熱部46の上流側で合流させることができるので、走行風によってリターン放熱部46が冷却され、高圧ポンプ30から戻る燃料とインジェクタ32から戻る燃料との両燃料を燃料タンク33内に流入する前に効率よく冷却することができ、燃料配管部品や燃料タンク33内に配設される燃料ポンプ50の耐久性低下を確実に防止することができる。
図7は、変形例を示すものである。図7に示す燃料冷却装置42は、吸気配管23の吸気パイプ29近傍のフィード配管34とリターン配管35とに形成した金属管から成るフィード放熱部45とリターン放熱部46との外周面に、それぞれ金属製のフィード放熱フィン48とリターン放熱フィン49とを形成したものである。フィード放熱フィン48とリターン放熱フィン49とは、エンジンカバー13の外表面に沿って流れる走行風に対して平行に形成している。
この燃料冷却装置42は、フィード放熱部45とリターン放熱部46との外周面にそれぞれフィード放熱フィン48とリターン放熱フィン49とを形成することで、エンジンカバー13の外表面に沿って流れる走行風によってリターン配管34とフィード配管35とを放熱させることができ、これら配管34・35内を流れる燃料を冷却することができる
。したがって、この燃料冷却装置42は、フィード配管34内を流れる燃料を冷却して、異常燃料を防止し、燃費向上を図ることができる。さらに、この燃料冷却装置42は、リターン配管35内を流れる燃料を冷却して、燃料配管部品や燃料ポンプ50の耐久性低下を防止することができる。
この発明は、燃焼室に供給する燃料の冷却で異常燃料を防止して燃費向上を図り、また、燃料タンクに戻す燃料の冷却で燃料配管部品や燃料ポンプの耐久性低下を防止するものであり、燃料に限らず、流体が流れる配管の冷却に応用することができる。
1 車両
6 ダッシュパネル
7 エンジンフード
10 エンジンルーム
12 ディーゼルエンジン
13 エンジンカバー
18 排気マニホルド
19 ターボ過給機
22 吸気マニホルド
23 吸気配管
26 インタクーラ
30 高圧ポンプ
31 コモンレール
32 インジェクタ
33 燃料タンク
34 フィード配管
35 リターン配管
38 燃料フィルタ
43 前傾部
44 後傾部
45 フィード放熱部
46 リターン放熱部
48 フィード放熱フィン
49 リターン放熱フィン
50 燃料ポンプ

Claims (2)

  1. 前部にターボ過給機を取り付けるとともに後部に吸気マニホルドを取り付けたエンジンをエンジンフードに覆われるエンジンルーム内に搭載し、
    前記ターボ過給機と前記吸気マニホルドとの間を連絡する吸気配管を前記エンジンの上部に配置し、
    燃料を高圧に加圧する高圧ポンプと、前記高圧ポンプから燃料が供給されるコモンレールと、前記コモンレールから燃料が供給されるインジェクタとを前記エンジンの上部に取り付け、
    燃料タンクから前記高圧ポンプに燃料を供給するフィード配管前記高圧ポンプおよび前記インジェクタから前記燃料タンクに燃料を戻すリターン配管とに、それぞれ金属管から成るフィード放熱部とリターン放熱部とを形成し、前記フィード放熱部と前記リターン放熱部とを前記吸気配管の近傍に配置し、
    前記吸気配管をエンジンカバーで覆ったディーゼルエンジン車両の燃料冷却装置において、
    前記エンジンカバーの車両幅方向一側部をその車両幅方向他側部よりも前記エンジンフード側に向けて膨出させて、前記エンジンカバーの車両幅方向一側部の前部に前傾部を形成するとともにこの前傾部から後方に続く前記エンジンカバーの車両幅方向一側部の後部に後傾部を形成し、
    前記前傾部は、前記エンジンフードとの間の隙間が前記エンジンカバーの車両幅方向他側部の前部と前記エンジンフードとの間の隙間よりも縮小するとともに前記エンジンフードとの間の隙間がその最上端に向かって次第に狭くなるように形成し、
    前記後傾部は、前記最上端から車両後方に向かって後傾するとともに前記エンジンフードとの間の隙間が車両後方に行くにしたがい徐々に拡大するように形成し、
    前記フィード放熱部と前記リターン放熱部とを前記吸気配管に取り付けられる金属製のブラケットに固定し、
    前記金属製のブラケットと前記フィード放熱部と前記リターン放熱部とを前記エンジンカバーの後傾部の最後端より後方側であって車両前後方向で前記エンジンカバーの車両幅方向一側部と重ねて配置するとともに、前記後傾部の上面を後方に延長した面のに露出させて配置したことを特徴とするディーゼルエンジン車両の燃料冷却装置。
  2. 前記リターン配管は、前記高圧ポンプから前記燃料タンクヘ戻る燃料と前記インジェクタから前記燃料タンクヘ戻る燃料とが合流する合流部を備え、
    この合流部を前記リターン放熱部の上流側に配置することを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジン車両の燃料冷却装置。
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