JP5673418B2 - 車両用のバイフューエルエンジン - Google Patents
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Description
このバイフューエルエンジンでは、液体燃料を供給する液体燃料用噴射装置を分岐管とエンジン本体とに囲まれる空間に配置する一方、気体燃料を供給する気体燃料用噴射装置をサージタンク及びエアクリーナと隣接する位置に配置しているものがある。
特許文献2に係るバイフューエル内燃機関は、シリンダ軸線が傾斜された内燃機関に吸気マニホルドを取り付け、内燃機関の側面と吸気マニホルドの分岐管とで挟まれた位置に気体燃料用噴射装置(気体燃料噴射装置)を配置し、この気体燃料用燃料噴射装置を分岐管の下面に取り付けたものである。
また、このような構造を車両前部にエンジンルームを有する車両に適用したとしても、気体燃料用噴射装置がアッパメンバの下側に取り付けられるラジエータの車両後方側に位置して、気体燃料用噴射装置にラジエータを通過して加熱された走行風が流れ込んで、気体燃料用噴射装置を加熱するおそれがあった。
そのため、気体燃料用噴射装置内を流れる気体燃料や気体燃料用のインジェクタ(気体燃料噴射弁)等が加熱されて気体燃料が過熱され、気体燃料の噴射量にバラツキが生じて、内燃機関の出力性能及び運転性が低下するおそれがあった。
さらに、上記の特許文献1の構造では、内燃機関をメンテナンスするために、内燃機関からシリンダヘッドカバーを取り外す際に、気体燃料用噴射装置のインジェクタ(気体燃料噴射弁)と、気体燃料噴射弁取付ブラケットと、気体燃料デリバリパイプと、気体燃料ホースとの全てを、内燃機関の上部から取り外す必要があり、作業者の作業負担が増加する問題があった。
しかしながら、このような構造では、気体燃料用噴射装置をメンテナンスするために内燃機関から取り外す際に、吸気マニホルドを内燃機関から取り外して、その後、吸気マニホルドから気体燃料用噴射装置を取り外す必要があり、作業者の作業負担が増加する問題があった。
また、このような構造を車両前部のエンジンルームに適用した場合、鉛直方向にて、気体燃料用噴射装置がラジエータの車両後方に位置して、ラジエータを通過した走行風が気体燃料用噴射装置へと流れ込んで、気体燃料用噴射装置が加熱されるおそれがあった。
しかし、このような構造では、エアクリーナ107が気体燃料用噴射装置108やサージタンク105に邪魔されて、エアクリーナ107を車両内側やエンジン103の後方側に拡大させることができず、エンジン103の内側(車両内側)へのエアクリーナ107の容積拡大が困難であった。また、エアクリーナ107の容積を拡大させるために、エアクリーナ107をエンジン103の外側(車両幅方向外側)へと拡大させると、エンジン103の全体の寸法が大きくなる問題が生じた。
また、このような構造で、吸気マニホルド104の分岐管の管長を長くするのは、気体燃料用噴射装置108やエアクリーナ107に邪魔されて、分岐管の管長を長く形成できないという問題があった。
さらに、気体燃料用噴射装置108が鉛直方向でラジエータ113に近づき、このラジエータ113を通過した走行風が気体燃料用噴射装置108に流れ込んで、気体燃料用噴射装置108が加熱されて、エンジン103の出力性能や運転性が低下するおそれがあった。
また、エンジン103からシリンダヘッドを取り外す場合に、吸気マニホルド104から気体燃料用噴射装置108を取り外す必要があり、メンテナンス性等の作業性が低下する問題があった。
図1〜図3において、1は車両、2Lは左前車輪、2Rは右前車輪、3はエンジンフード、4はフロントグリル、5はロアメンバ、6はアッパメンバ、7はダッシュパネル、8はエンジンルームである。
エンジンルーム8内には、左部に変速機9を連結したバイフューエルエンジン(以下「エンジン」という)10が配置され、また、ロアメンバ5とアッパメンバ6との間で支持されて後部にファンシュラウド11を備えたラジエータ12が配置されている。
図4に示すように、エンジン10は、3気筒用の構造であって、シリンダブロック13とシリンダヘッド14とからなるエンジン本体15を備えるとともに、シリンダブロック13の下部に取り付けたオイルパン16及びシリンダヘッド14の上部に取り付けたシリンダヘッドカバー17を備える。シリンダヘッド14の前部には、エンジン10の前方に配置する排気マニホルド18が取り付けられている。
エンジン10の上部には、吸気マニホルド19がエンジン本体15の長手方向に沿う側面に取り付けられる。この吸気マニホルド19は、エンジン本体15への取付部20から上方へ延びる3本の分岐管21・21・21と、この分岐管21・21・21の上流端部に接続されるサージタンク22とを備える。つまり、サージタンク22は、シリンダヘッドカバー17の上方に位置し、分岐管21・21・21によってシリンダヘッド14に連結している。
サージタンク22の周辺には、サージタンク22に吸気管23で形成された吸気通路24を介して連結されるエアクリーナ25が配置する。このエアクリーナ25には、車両前方から空気を導入する吸入管26が連結している。エアクリーナ25は、吸気マニホルド19の分岐管21・21・21の上方に配置され、両端部の分岐管21・21の外側部位に差し込み固定されるとともに、中央部の分岐管21にボルト締め固定される。
また、エンジン10には、このエンジン10に気体燃料(CNG)を供給する気体燃料用噴射装置31が設けられる。この気体燃料用噴射装置31は、サージタンク22及びエアクリーナ25と隣接する位置に配置され、気体燃料用配管32と気体燃料用デリバリパイプ33と気体燃料用インジェクタ34・34・34とを備える。
気体燃料用デリバリパイプ33は、図1、図2に示すように、サージタンク22とエアクリーナ25との間に配設され、中央部がエアクリーナ25側の固定部35で中央部の分岐管21に固定されるとともに、両端部が固定部35・35でボルト締めされて両端部の分岐管21・21に固定され、そして、気体燃料を貯留する気体燃料容器36に連絡する。これにより、気体燃料用デリバリパイプ33を固定する固定部35・35・35を交互に配置して、気体燃料用デリバリパイプ33を強固に固定できるとともに、サージタンク22と略一直線に並べることができ、コンパクト化を図り、エアクリーナ25の必要容量を減らすことなく、気体燃料用デリバリパイプ33を設置可能とする。
気体燃料用インジェクタ34・34は、一端側の分岐管21と中央部の分岐管21との間・中央部の分岐管21と他端側の分岐管21との間に配設される。これにより、デッドスペースを有効に活用し、エアクリーナ25の必要容量を減らすことなく、気体燃料用デリバリパイプ33を設置可能とする。
また、図5に示すように、気体燃料用噴射装置31は、ラジエータ12の上部を支持するアッパメンバ6よりも車両上方に配置されている。このため、気体燃料用噴射装置31へアッパメンバ6の上方からエンジンルーム8内に流れ込む走行風が流れ込み易くなり、ラジエータ12で加熱されていない走行風によって気体燃料用噴射装置31を冷却可能とする。
分岐管21・21・21には、図3に示すように、エンジン本体15への取付部20の側方でエンジン本体15側に湾曲する湾曲部38が形成されるとともに、この湾曲部38とサージタンク22との間を連絡して湾曲部38からサージタンク22に近づくにつれて鉛直方向の位置が高くなる傾斜部39が形成される。
エアクリーナ25は、サージタンク22に対して所定の隙間40を有する状態で傾斜部39の上方に配置される。
サージタンク22とエアクリーナ25との間の隙間40には、気体燃料用噴射装置31が配置される。
また、気体燃料用噴射装置31をサージタンク22とエアクリーナ25との間に配置したことによって、作業者がエンジン本体15からシリンダヘッドカバー17を取り外す際に、気体燃料用噴射装置31(気体燃料配管32、気体燃料用デリバリパイプ33、気体燃料用インジェクタ34)をシリンダヘッドカバー17の上部から取り外さず作業が不要となるとともに、シリンダヘッドカバー17の上方にシリンダヘッドカバー17を取り外せる空間37を確保でき、エンジン10のメンテナンス性を向上させることができる。
さらに、気体燃料用噴射装置31がエンジンルーム8内の高い位置に配置できるため、ラジエータ12を通過した走行風が気体燃料用噴射装置31へと流れ難くすることができ、エンジンルーム8の高い位置を流れる走行風に気体燃料用噴射装置31を晒すことができる。
これにより、気体燃料用噴射装置31を走行風によって冷却できるため、エンジン10の運転性が向上できる。
また、気体燃料用インジェクク34を分岐管21同士の間のデッドスペースに配置でき、エアクリーナ25を車両後方側に大きくずらすのを防止できる。
上記の構造によれば、エンジンルーム8内の高い位置に流れる走行風のうち、サージタンク22に当たってサージタンク22の上方を流れて車両後方に抜けようとする走行風を、エアクリーナ25の車両前側縦壁面41で遮ることができる。そして、エアクリーナ25の車両前側縦壁面41に当たった走行風を、サージタンク22とエアクリーナ25との間の隙間40へと流し込むことができる。
これにより、少しでも多くの走行風を気体燃料用噴射装置31へとエアクリーナ25の車両前側縦壁面41を介して吹きかけることができ、気体燃料用噴射装置31を冷却できる。
この変形例では、図6に示すように、気体燃料用噴射装置31は、サージタンク22の上端部よりも車両上方に突出して設けられている。
このような構造によれば、エンジンルーム8の高い位置で流れる走行風やサージタンク22の上方を流れる走行風の流路上に気体燃料用噴射装置31を突出させることができる。
これにより、アッパメンバ6の上方から流れ込んだ冷却された走行風を気体燃料用噴射装置31に直接吹きかけることができ、気体燃料用噴射装置31をより確実に冷却できる。
8 エンジンルーム
5 ロアメンバ
6 アッパメンバ
10 バイフューエルエンジン(エンジン)
12 ラジエータ
15 エンジン本体
17 シリンダヘッドカバー
19 吸気マニホルド
20 分岐管の取付部
21 分岐管
22 サージタンク
24 吸気通路
25 エアクリーナ
27 液体燃料用噴射装置
28 分岐管とエンジン本体とに囲まれる空間
31 気体燃料用噴射装置
37 シリンダヘッドカバーを取り外し可能な空間
38 分岐管の湾曲部
39 分岐管の傾斜部
40 サージタンクとエアクリーナとの間の隙間
41 エアクリーナの車両前側縦壁面
Claims (3)
- エンジンを構成するエンジン本体への取付部から上方へ延びる分岐管とこの分岐管の上流端部に接続されるサージタンクとを備える吸気マニホルドを前記エンジン本体の長手方向に沿う側面に取り付け、前記サージタンクの周辺には前記サージタンクに吸気通路を介して連結されるエアクリーナを配置し、前記エンジンに液体燃料を供給する液体燃料用噴射装置を前記分岐管と前記エンジン本体とに囲まれる空間に配置する一方、前記エンジンに気体燃料を供給する気体燃料用噴射装置を前記サージタンク及び前記エアクリーナと隣接する位置に配置した車両用のバイフューエルエンジンにおいて、前記サージタンクを前記エンジン本体の上部に配置されるシリンダヘッドカバーの上方でこのシリンダヘッドカバーを取り外し可能な空間を挟んで配置し、前記分岐管には前記エンジン本体への前記取付部の側方で前記エンジン本体側に湾曲する湾曲部を形成するとともにこの湾曲部と前記サージタンクとの間を連絡して前記湾曲部から前記サージタンクに近づくにつれて鉛直方向の位置が高くなる傾斜部を形成し、前記エアクリーナを前記サージタンクに対して所定の隙間を有する状態で前記傾斜部の上方に配置し、前記サージタンクと前記エアクリーナとの間の隙間に前記気体燃料用噴射装置を配置したことを特徴とする車両用のバイフューエルエンジン。
- 前記エアクリーナを前記気体燃料用噴射装置の車両後側に配置し、鉛直方向で前記エアクリーナの車両前側縦壁面を前記サージタンクの上端部よりも車両上方に延出させ、前記車両前側縦壁面と前記気体燃料用噴射装置とを車両前後方向で重ねて配置したことを特徴とする請求項1に記載の車両用のバイフューエルエンジン。
- 前記気体燃料用噴射装置を前記サージタンクの上端部よりも車両上方に突出して設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用のバイフューエルエンジン。
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