JP5515097B2 - プロセスチーズおよびプロセスチーズの製造方法 - Google Patents

プロセスチーズおよびプロセスチーズの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5515097B2
JP5515097B2 JP2010500719A JP2010500719A JP5515097B2 JP 5515097 B2 JP5515097 B2 JP 5515097B2 JP 2010500719 A JP2010500719 A JP 2010500719A JP 2010500719 A JP2010500719 A JP 2010500719A JP 5515097 B2 JP5515097 B2 JP 5515097B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten salt
weight
parts
cheese
natural cheese
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010500719A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009107662A1 (ja
Inventor
典明 松永
隆雄 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiji Co Ltd
Original Assignee
Meiji Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meiji Co Ltd filed Critical Meiji Co Ltd
Priority to JP2010500719A priority Critical patent/JP5515097B2/ja
Publication of JPWO2009107662A1 publication Critical patent/JPWO2009107662A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5515097B2 publication Critical patent/JP5515097B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C19/00Cheese; Cheese preparations; Making thereof
    • A23C19/06Treating cheese curd after whey separation; Products obtained thereby
    • A23C19/068Particular types of cheese
    • A23C19/08Process cheese preparations; Making thereof, e.g. melting, emulsifying, sterilizing
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C19/00Cheese; Cheese preparations; Making thereof
    • A23C19/06Treating cheese curd after whey separation; Products obtained thereby
    • A23C19/068Particular types of cheese
    • A23C19/08Process cheese preparations; Making thereof, e.g. melting, emulsifying, sterilizing
    • A23C19/082Adding substances to the curd before or during melting; Melting salts

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Dairy Products (AREA)

Description

本発明は、耐熱保形性の高さと食感および風味の良さを両立する、簡便に製造されるプロセスチーズに関する。
プロセスチーズは、1種類または2種類以上のナチュラルチーズを原料とする、加熱処理により製造されるチーズである。プロセスチーズは、ナチュラルチーズと比較して、食感および風味についての調整、および、長期間にわたる保存を、より容易にする。
プロセスチーズは、加熱調理に使用されることも多く、用途により耐熱保形性が要求される。そのような場合には、プロセスチーズは、加熱調理後にも加熱調理前の形状を、ほぼ保持していることが要求される。特許文献1および特許文献2は、耐熱保形性を有するプロセスチーズの製造方法を開示する。
特許文献1および特許文献2においては、1種類または2種類以上のクエン酸塩またはリン酸塩などの溶融塩が、ナチュラルチーズに添加される。ナチュラルチーズに含まれる蛋白質は、溶融塩の添加前には水不溶性であるが、溶融塩の添加後には水溶性となる。ナチュラルチーズに含まれる脂肪は、溶融塩の添加後には溶融塩の添加前より、プロセスチーズにおいて、より均一に分散する。
特許文献1においては、溶融塩が添加されたプロセスチーズは、乾熱室または蒸気室における保管により、40℃から100℃までの温度で数時間保持される。特許文献2においては、溶融塩が添加されたプロセスチーズは、溶融釜における加熱により、90℃から120℃までの温度で数分間保持される。これにより、耐熱保形性を有するプロセスチーズが製造される。
特開昭57−16648号公報 特開2001−149008号公報
特許文献1においては、プロセスチーズは、乾熱室または蒸気室において、数時間保管される。このとき、このプロセスチーズでは、加熱臭および褐変を生ずることもある。また、このプロセスチーズは、簡便に製造されない。
特許文献2においては、プロセスチーズは、溶融釜において蒸気により間接的または直接的に加熱される。このプロセスチーズでは、間接的に加熱された場合、溶融釜の内壁面に付着を生じやすくなる。また、このプロセスチーズでは、直接的に加熱された場合、溶融釜において水分を過剰に含むこととなる。
特許文献1および特許文献2においては、プロセスチーズは、ナチュラルチーズに対する溶融塩の配合比率を最適化されていない。そのため、これらのプロセスチーズでは、耐熱保形性の高さと食感および風味の良さを両立できていない。
本発明のプロセスチーズは、ナチュラルチーズに対して、1.5〜3.5重量部の溶融塩が添加され、前記溶融塩は、前記溶融塩の総量に対して、50〜70重量部のクエン酸塩またはモノリン酸塩と、10〜50重量部のポリリン酸塩と、0〜20重量部のメタリン酸塩またはピロリン酸塩と、を含む。
これにより、耐熱保形性の高いプロセスチーズを提供することができる。
また、本発明のプロセスチーズは、前記ナチュラルチーズが含有する蛋白質に対して0.5〜12重量部のポリグリセリン脂肪酸エステルが、前記ナチュラルチーズに添加され、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、HLB値が3〜8かつヨウ素価が60以上、または、HLB値が4〜12かつヨウ素価が2以下、から選ばれる1種または2種以上である。
これにより、高い耐熱保形性および滑らかな食感を有するプロセスチーズを提供することができる。また、製造時において、溶融状態にあるプロセスチーズが高い流動性を有するため、プロセスチーズを簡便に製造することができる。
それゆえに、この発明の目的は、耐熱保形性の高さと食感および風味の良さとを両立しつつ、簡便に製造することができるプロセスチーズを提供することである。
この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面によって明らかとなる。
プロセスチーズにおける溶融塩の配合比率を示す図である。 図1に示したプロセスチーズにおける水分およびpHを示す図である。 図1に示したプロセスチーズにおける耐熱保形性を示す図である。 プロセスチーズにおける溶融塩の配合比率を示す図である。 図4に示したプロセスチーズにおける水分およびpHを示す図である。 図4に示したプロセスチーズにおける耐熱保形性を示す図である。 プロセスチーズにおける溶融塩の配合比率を示す図である。 図7に示したプロセスチーズにおける水分およびpHを示す図である。 図7に示したプロセスチーズにおける耐熱保形性を示す図である。 プロセスチーズにおける溶融塩および乳化剤の配合比率を示す図である。 図10に示したプロセスチーズにおける水分およびpHを示す図である。 図10に示したプロセスチーズにおける耐熱保形性を示す図である。 プロセスチーズにおける溶融塩および乳化剤の配合比率を示す図である。 図13に示したプロセスチーズにおける水分を示す図である。 図13に示したプロセスチーズにおけるpHを示す図である。 図13に示したプロセスチーズにおける耐熱保形性を示す図である。 図13に示したプロセスチーズにおける色差を示す図である。
発明を実施するための形態
{プロセスチーズの製造方法}
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。第1に、プロセスチーズの製造方法について、全体的に説明する。第2に、溶融塩の配合比率を最適化する過程で行なった実験について、詳細に説明する。第3に、溶融塩の配合比率を最適化したうえで、乳化剤の配合比率を最適化する過程で行なった実験について、詳細に説明する。第4に、溶融塩および乳化剤の配合比率を最適化したうえで、加熱処理条件を最適化する過程で行なった実験について、詳細に説明する。
プロセスチーズは、1種類または2種類以上のナチュラルチーズおよび水などを原料とする。本実施の形態においては、通常のプロセスチーズの製造に用いられるナチュラルチーズを、特に種類などを限定することなく原料とすることができる。例えば、チェダーベースのナチュラルチーズ、ゴーダベースのナチュラルチーズ、または、チェダーベースおよびゴーダベースのナチュラルチーズなどを、種類、熟度、組成を調整しながら原料とすることができる。ここで、ベースとは、原料として主に含むこと、または、大量に含むことを意味する。なお、本発明の実施可能な範疇において、プロセスチーズ(再製品)などを原料の一部として含んでいてもよい。
溶融塩は、ナチュラルチーズに含まれる蛋白質を、水不溶性から水溶性に変化させ、ナチュラルチーズに含まれる脂肪を、プロセスチーズにおいて均一に分散して乳化させる。
プロセスチーズは、ナチュラルチーズに対して、1.5〜3.5重量部の溶融塩を含む。溶融塩は、溶融塩の総量を基準として、50〜70重量部のクエン酸塩またはモノリン酸塩、10〜50重量部のポリリン酸塩、残りの0〜20重量部のメタリン酸塩またはピロリン酸塩を含む。
特に高い耐熱保形性を有するプロセスチーズは、ナチュラルチーズに対して、2.5〜3.5重量部(例えば約3重量部)の溶融塩を含む。この溶融塩は、溶融塩の総量を基準として、40〜50重量部(例えば約45重量部)のリン酸水素2ナトリウム、20〜25重量部(例えば約22重量部)のリン酸2水素ナトリウム、25〜30重量部(例えば約27重量部)のトリポリリン酸ナトリウム、5〜10重量部(例えば約7重量部)のメタリン酸ナトリウムを含む。
このプロセスチーズは、特に高い耐熱保形性を有するが、滑らかな食感という点では、更なる改善が必要である。また、このプロセスチーズは、製造時にパイプラインで輸送されるために、溶融状態が長時間保持される。パイプラインでの輸送を容易とするために、溶融状態にあるプロセスチーズは、高い流動性を保つ必要がある。
乳化剤は、ナチュラルチーズに含まれる蛋白質との相互作用により、プロセスチーズにおいて乳化状態およびゲル構造を調整して物性を調整している。
プロセスチーズは、さらに、ナチュラルチーズに含まれる蛋白質に対して、0.5〜12重量部の乳化剤を含む。乳化剤は、HLB(Hydrophilic−Lipophilic Balance)値が3〜8かつヨウ素価が60以上、または、HLB値が4〜12かつヨウ素価が2以下、から選ばれる1種または2種以上である。
特に高い耐熱保形性を有するプロセスチーズは、さらに、ナチュラルチーズに含まれる蛋白質に対して、4〜12重量部(例えば約4.5重量部、約8重量部、約10重量部)のデカオレイン酸デカグリセリンを含む。デカオレイン酸デカグリセリンは、HLB値が3かつヨウ素価が60〜80である。
なお、デカオレイン酸デカグリセリンに代えて、4〜5重量部(例えば約4.5重量部)のモノステアリン酸デカグリセリンを含んでいてもよい。モノステアリン酸デカグリセリンは、HLB値が12かつヨウ素価が2以下である。
また、デカオレイン酸デカグリセリンに代えて、0.5〜2.5重量部(例えば約1重量部や約2重量部)のモノ・ジオレイン酸ジグリセリンを含んでいてもよい。モノ・ジオレイン酸ジグリセリンは、HLB値が7.5かつヨウ素価が61〜71である。
さらに、デカオレイン酸デカグリセリンに代えて、4〜5重量部(例えば約4.5重量部)のヘキサステアリン酸ヘキサグリセリンを含んでいてもよい。ヘキサステアリン酸ヘキサグリセリンは、HLB値が4かつヨウ素価が2以下である。
このプロセスチーズは、特に高い耐熱保形性を有するうえに、滑らかな食感を有する。また、このプロセスチーズは、溶融状態において高い流動性を有する。したがって、このプロセスチーズは、製造時において、パイプラインを用いた輸送が容易となる。
加熱処理は、乳化剤が溶融塩に加えて添加されるかどうかに関わらず、プロセスチーズが有する耐熱保形性を、さらに高める。本実施の形態においては、加熱処理は、エージング処理、または、ジュール加熱処理である。
エージング処理は、溶融状態にあるプロセスチーズに対して、冷却工程、温蔵保管工程、冷蔵保管工程を、この順序で行なう加熱処理である。温蔵保管工程に要する時間は、通常は数時間である。
ジュール加熱処理は、溶融状態にあるプロセスチーズに対して、通電加熱工程、温度保持工程、冷却工程を、この順序で行なう加熱処理である。温度保持工程に要する時間は、通常は数分である。
エージング処理が施されたプロセスチーズは、エージング処理前より高い耐熱保形性を有する。しかし、このプロセスチーズでは、わずかながら加熱臭および褐変を生ずることもある。さらに、エージング処理は、長時間を要する。
ジュール加熱処理が施されたプロセスチーズは、ジュール加熱処理前より高い耐熱保形性を有する。そして、このプロセスチーズは、加熱臭および褐変を生じない。さらに、ジュール加熱処理は、長時間を要さない。
ジュール加熱処理においては、溶融状態にあるプロセスチーズでは、電気抵抗として、プロセスチーズ自身が発熱する。そのため、このプロセスチーズは、蒸気による間接的な加熱のように、パイプラインの内壁面に焦げて付着することはない。また、このプロセスチーズは、蒸気による直接的な加熱のように、水分を過剰に含むことはない。
このように、本実施の形態で説明したプロセスチーズは、耐熱保形性の高さと食感および風味の良さとを両立することができる。また、本実施の形態で説明したプロセスチーズの製造方法により、プロセスチーズの製造が容易となる。
{溶融塩の配合比率の最適化}
[チェダーベースのナチュラルチーズを原料とするプロセスチーズ]
次に、チェダーベースのナチュラルチーズを原料とするプロセスチーズにおいて、溶融塩の配合比率を最適化する過程で行なった実験について説明する。
図1は、試料MC1、MC2、MC3における、溶融塩の配合比率を示す図である。試料MC1、MC2、MC3においては、ナチュラルチーズに対する溶融塩全体の配合比率はそれぞれ異なるが、溶融塩全体に対する各溶融塩の配合比率は同様である。
試料MC1、MC2、MC3は、蒸気による間接的な加熱により、75℃から90℃までの温度で溶融された。試料MC1、MC2、MC3は、エージング処理を施されない試料、および、エージング処理を施される試料に分割された。
エージング処理を施されない試料においては、氷水による急冷工程(冷却工程)のみが行なわれた。エージング処理を施される試料においては、氷水による急冷工程、70℃および15時間の温蔵保管工程、10℃の冷蔵保管工程が行なわれた。
図2(a)は、エージング処理を施されない試料MC1、MC2、MC3における水分を示す図である。水分の目標値は、耐熱保形性を有する一般的なプロセスチーズにおける分析結果より、42.5+/−1.5%とした。水分の目標値は、破線で示されている。試料MC1、MC2、MC3は、水分の目標値の範囲内である適度な水分を有していた。
図2(b)は、試料MC1、MC2、MC3におけるpHを示す図である。pHの目標値は、耐熱保形性を有する一般的なプロセスチーズにおける分析結果より、5.8+/−0.15とした。pHの目標値は、破線で示されている。試料MC1は、pHの目標値の範囲内である適度なpHを有していた。試料MC2、MC3は、pHの目標値より若干低いpHを有していた。
図3は、試料MC1、MC2、MC3における耐熱保形性を示す図である。耐熱保形性は、湿熱状態および乾熱状態において測定された。図3では、湿熱状態において測定された耐熱保形性が示されている。耐熱保形性は、プロセスチーズを一辺:約8mm(縦:約8mm×横:7.8mm×高さ:7.8mm)のダイス状にカットして、加熱処理前の高さに対する加熱処理後の高さの割合を百分率で計算して評価された。
湿熱状態においては、最初に、蓋付きのガラスシャーレに敷かれた湿潤濾紙の上に、直方体(立方体)形状に切り出されたプロセスチーズがセットされた。次に、オートクレーブによる120℃および10分の加熱処理が行なわれた。最後に、加熱処理前後のプロセスチーズの高さから、湿熱状態における耐熱保形性が計算された。
乾熱状態においては、最初に、アルミトレーに敷かれたアルミ箔の上に、直方体(立方体)形状に切り出されたプロセスチーズがセットされた。次に、エアーオーブンによる80℃および10分の加熱処理が行なわれた。最後に、加熱処理前後のプロセスチーズの高さから、乾熱状態における耐熱保形性が計算された。
湿熱状態においては、エージング処理後の試料MC1、MC2、MC3は、エージング処理前の各試料より、高い耐熱保形性を有していた。試料MC1、MC2は、試料MC3より、高い耐熱保形性を有していた。
乾熱状態においては、試料MC1、MC2、MC3は、エージング処理前後に関わらず、高い耐熱保形性を有していた。
[ゴーダベースのナチュラルチーズを原料とするプロセスチーズ]
次に、ゴーダベースのナチュラルチーズを原料とするプロセスチーズにおいて、溶融塩の配合比率を最適化する過程で行なった実験について説明する。
ゴーダベースのナチュラルチーズは、チェダーベースのナチュラルチーズより、一般的に高いpHを有する。しかし、pHの目標値は、チェダーベースのナチュラルチーズを原料とした場合と同様に、5.8+/−0.15とした。そのため、溶融塩としてクエン酸ナトリウムが添加されるときには、ゴーダベースのナチュラルチーズは、チェダーベースのナチュラルチーズより、多量のクエン酸ナトリウムが添加される必要がある。
しかし、多量のクエン酸ナトリウムが添加されると、クエン酸ナトリウム自体の酸味が風味に悪影響を及ぼす。そこで、クエン酸ナトリウムの代わりに、ナトリウム数の異なるリン酸水素2ナトリウムおよびリン酸2水素ナトリウムが、溶融塩として添加された。
図4は、試料MP1、MP2、MP3、計算試料MP4における、溶融塩の配合比率を示す図である。試料MP1、MP2、MP3は、実際に試作された試料である。計算試料MP4は、試料MP1、MP2、MP3における物性測定結果に基づいて、溶融塩の配合比率が最適化された仮想試料である。
試料MP1、MP2、MP3、計算試料MP4においては、ナチュラルチーズに対する溶融塩全体の配合比率、および、溶融塩全体に対するトリポリリン酸ナトリウムおよびメタリン酸ナトリウムの配合比率は同様である。しかし、溶融塩全体に対するリン酸水素2ナトリウムおよびリン酸2水素ナトリウムの配合比率は、各試料で異なる。
試料MP1、MP2、MP3における溶融条件、エージング処理条件、耐熱保形性の測定条件は、試料MC1、MC2、MC3における各条件と同様である。
図5(a)は、エージング処理を施されない試料MP1、MP2、MP3における水分を示す図である。水分の目標値は、チェダーベースのナチュラルチーズを原料とした場合と同様に、42.5+/−1.5%とした。試料MP1、MP2、MP3は、水分の目標値の範囲内である適度な水分を有していた。計算試料MP4の水分については、後に説明する。
図5(b)は、試料MP1、MP2、MP3におけるpHを示す図である。pHの目標値は、前記と同様に、5.8+/−0.15とした。試料MP1は、pHの目標値より高いpHを有していた。試料MP2は、pHの目標値の範囲内である適度なpHを有していた。試料MP3は、pHの目標値より低いpHを有していた。計算試料MP4のpHについては、後に説明する。
図6は、試料MP1、MP2、MP3における耐熱保形性を示す図である。図6では、湿熱状態において測定された耐熱保形性が示されている。
湿熱状態においては、試料MP1、MP2、MP3は、エージング処理後には、エージング処理前より、高い耐熱保形性を有していた。試料MP1、MP2、MP3は、高い耐熱保形性を有していた。計算試料MP4の耐熱保形性については、後に説明する。
乾熱状態においては、試料MP1、MP2、MP3は、エージング処理前後に関わらず、高い耐熱保形性を有していた。
試料MP1、MP2、MP3のうち、試料MP2が最も適度なpHを有していて、試料MP1が最も高い耐熱保形性を有していた。計算試料MP4は、pHおよび耐熱保形性がともに最適化されるように、溶融塩の配合比率が最適化された仮想試料である。計算試料MP4における溶融塩の配合比率および物性測定結果を、以下に示すように計算した。
最初に、計算試料MP4がエージング処理前のpHとして5.95を有すると仮定した。そして、計算試料MP4における溶融塩の配合比率を、図4に示す各試料の配合比率と、図5(b)に示す各試料のエージング処理前のpHとに基づいて計算した。配合比率の計算には、内挿法を用いた。計算試料MP4の溶融塩の配合比率を、図4に示す。
次に、計算試料MP4が上述の溶融塩の配合比率を有すると仮定したときにおいて、計算試料MP4におけるエージング処理後のpHを、図5(b)に示す各試料のエージング処理後のpHに基づいて計算した。pHの計算には、内挿法を用いた。この結果、図5(b)に示すように、計算試料MP4におけるエージング処理後のpHとして5.88が得られた。
最後に、計算試料MP4が上述の溶融塩の配合比率を有すると仮定したときにおいて、計算試料MP4におけるエージング処理前の耐熱保形性を、図6に示す各試料の耐熱保形性の値に基づいて計算した。耐熱保形性の計算には、内挿法を用いた。この結果、図6に示すように、計算試料MP4のエージング処理前の耐熱保形性として、80.4%が得られた。
なお、計算試料MP4における水分は、図5(a)に示す結果に基づく内挿が困難であるため、計算されなかった。また、計算試料MP4におけるエージング処理後の耐熱保形性は、図6に示す結果に基づく内挿が困難であるため、計算されなかった。
[様々な溶融塩が添加されるプロセスチーズ]
次に、ゴーダベースのナチュラルチーズを原料とするプロセスチーズにおいて、様々な溶融塩を添加して行なった実験について説明する。
図7は、試料MB1、MB2、MB3、MB4における、溶融塩の配合比率を示す図である。試料MB1、MB2、MB3、MB4においては、ナチュラルチーズに対する溶融塩全体の配合比率は同様である。しかし、溶融塩全体に対する各溶融塩の配合比率は、各試料で異なる。
ポリリン酸ナトリウムは、重合度の異なるリン酸ナトリウムの総称であり、トリポリリン酸ナトリウムを含む。試料MB2においては、BKギューリニ社製JOHA SEが、溶融塩全体に対して50重量部で添加されている。試料MB3においては、関東化学製EM9が、溶融塩全体に対して50重量部で添加されている。
試料MB1、MB2、MB3、MB4における溶融条件、エージング処理条件、耐熱保形性の測定条件は、試料MC1、MC2、MC3における各条件と同様である。
図8(a)は、エージング処理を施されない試料MB1、MB2、MB3、MB4における水分を示す図である。水分の目標値は、前記と同様に、42.5+/−1.5%とした。試料MB1、MB2は、水分の目標値より若干少ない水分を有していた。試料MB3、MB4は、水分の目標値の範囲内である適度な水分を有していた。
図8(b)は、試料MB1、MB2、MB3、MB4におけるpHを示す図である。pHの目標値は、前記と同様に、5.8+/−0.15とした。試料MB1、MB4は、pHの目標値より高いpHを有していた。試料MB2、MB3は、pHの目標値の範囲内である適度なpHを有していた。
図9は、試料MB1、MB2、MB3、MB4における耐熱保形性を示す図である。図9では、湿熱状態において測定された耐熱保形性が示されている。
湿熱状態においては、エージング処理後の試料MB1、MB2、MB3、MB4は、エージング処理前の各試料より、高い耐熱保形性を有していた。試料MB1、MB2、MB3は、高い耐熱保形性を有していた。試料MB4は、非常に高い耐熱保形性を有していた。
乾熱状態においては、試料MB1、MB2、MB3、MB4は、エージング処理前後に関わらず、高い耐熱保形性を有していた。
[溶融塩の配合比率の最適化についてのまとめ]
溶融塩の配合比率を最適化する過程で行なった実験により、計算試料MP4が様々な物性測定結果を勘案して最良試料であることが想定された。しかし、試作試料は、滑らかな食感という点では、更なる改善が必要であった。また、試作試料は、溶融状態が長時間保持されたときには、パイプライン上で輸送されやすい程度の高い流動性を保つという点でも、更なる改善が必要であった。そこで、溶融塩および乳化剤をともに添加することにした。
{乳化剤の配合比率の最適化}
次に、ゴーダベースのナチュラルチーズを原料とするプロセスチーズにおいて、溶融塩の配合比率を最適化したうえで、乳化剤の配合比率を最適化する過程で行なった実験について説明する。
図10は、試料ED1、ED2、ED3、EM1、EM2、ES、ETにおける、溶融塩および乳化剤の配合比率を示す図である。試料ED1、ED2、ED3、EM1、EM2、ES、ETにおいては、ナチュラルチーズに対する溶融塩全体の配合比率、および、溶融塩全体に対する各溶融塩の配合比率は、計算試料MP4における各配合比率と同様である。しかし、ナチュラルチーズに含まれる蛋白質に対する各乳化剤の配合比率は、各試料で異なる。
試料ED1、ED2、ED3に添加された乳化剤は、デカオレイン酸デカグリセリン(サンソフトQ−1710S(太陽化学(株)製)、HLB値=3、ヨウ素価=60〜80)である。デカオレイン酸デカグリセリンの添加量は、試料ED1、ED2、ED3の順序で多くなる。
試料EM1、EM2に添加された乳化剤は、モノ・ジオレイン酸ジグリセリン(サンソフトQ−17B(太陽化学(株)製)、HLB値=7.5、ヨウ素価=61〜71)である。モノ・ジオレイン酸ジグリセリンの添加量は、試料EM1、EM2の順序で少なくなる。
試料ESに添加された乳化剤は、モノステアリン酸デカグリセリン(サンソフトQ−18S(太陽化学(株)製)、HLB値=12、ヨウ素価=2以下)である。試料ETに添加された乳化剤は、ヘキサステアリン酸ヘキサグリセリン(サンファットPS−66(太陽化学(株)製)、HLB値=4、ヨウ素価=2以下)である。
試料ED1、ED2、ED3、EM1、EM2、ES、ETにおける溶融条件、エージング処理条件、耐熱保形性の測定条件は、試料MC1、MC2、MC3における各条件と同様である。
図11(a)は、エージング処理を施されない試料ED1、ED2、ED3、ES、ETにおける水分を示す図である。水分の目標値は、前記と同様に、42.5+/−1.5%とした。試料ED1、ED2、ED3、ES、ETは、水分の目標値より若干少ない水分を有していた。試料EM1、EM2については、水分は測定されていない。
図11(b)は、試料ED1、ED2、ED3、ES、ETにおけるpHを示す図である。pHの目標値は、前記と同様に、5.8+/−0.15とした。試料ED1、ED2、ED3、ES、ETは、pHの目標値の範囲内である適度なpHを有していた。試料EM1、EM2については、pHは測定されていない。
図12は、試料ED1、ED2、ED3、EM1、EM2、ES、ETにおける耐熱保形性を示す図である。図12では、湿熱状態において測定された耐熱保形性が示されている。
湿熱状態においては、エージング処理後の試料ED1、ED2、ED3、EM1、EM2、ES、ETは、エージング処理前の各試料より、高い耐熱保形性を有していた。試料ED1、ED2、ED3、EM1、EM2、ETは、試料ESより、高い耐熱保形性を有していた。
乾熱状態においては、試料ED1、ED2、ED3、EM1、EM2、ES、ETは、エージング処理前後に関わらず、高い耐熱保形性を有していた。
デカオレイン酸デカグリセリン、モノステアリン酸デカグリセリン、ヘキサステアリン酸ヘキサグリセリンが添加された試料においては、それらの乳化剤の蛋白質に対する添加量が約4重量部〜約10重量部のように比較的多量でも、ナチュラルチーズに含まれる脂肪は、溶融時に分離しなかった。モノ・ジオレイン酸ジグリセリンが添加された試料においては、その乳化剤の蛋白質に対する添加量が約0.5重量部〜約2.5重量部のように比較的少量では、ナチュラルチーズに含まれる脂肪は、溶融時に分離しなかったが、比較的多量では、ナチュラルチーズに含まれる脂肪は、溶融時に分離した。
プロセスチーズは、滑らかな食感および高い流動性を有するためには、乳化剤が適度に添加される必要がある。そこで、様々な物性測定結果を勘案した結果、デカオレイン酸デカグリセリンが乳化剤として最適であることが分かった。
乳化剤の配合比率を最適化する過程で行なった実験により、試料ED1が様々な物性測定結果を勘案して最良試料であることが分かった。試料ED1は、滑らかな食感を有していた。また、試料ED1は、溶融状態が数時間保持されたときにも、流動性を有していた。しかし、試料ED1は、エージング処理後に、わずかながら加熱臭および褐変を生じた。また、各試料のエージング処理は、長時間を要した。
{加熱処理条件の最適化}
次に、ゴーダベースのナチュラルチーズを原料とするプロセスチーズにおいて、溶融塩および乳化剤の配合比率を最適化したうえで、加熱処理条件を最適化する過程で行なった実験について説明する。
図13は、試料JM、JEにおける、溶融塩および乳化剤の配合比率を示す図である。試料JMにおける溶融塩の配合比率は、試料ED1における溶融塩の配合比率とほぼ同様である。試料JMにおいては、乳化剤が添加されていない。試料JEにおける溶融塩および乳化剤の配合比率は、試料ED1における溶融塩および乳化剤の配合比率とほぼ同様である。試料JEにおいては、乳化剤が添加されている。
試料JM、JEにおける溶融条件、耐熱保形性の測定条件は、試料MC1、MC2、MC3における各条件と同様である。しかし、試料JM、JEにおいては、加熱処理として、エージング処理ではなく、ジュール加熱処理が行なわれた。
第1に、試料JM、JEは、蒸気による間接的な加熱により、75℃から90℃の任意の温度で溶融された。第2に、試料JM、JEでは、溶融状態で通電されて電気抵抗として、試料自身が発熱することにより、1分以内で110℃から160℃の任意の温度に加熱された。
ここで、加熱装置は、溶融状態にある試料JM、JEが輸送されるパイプラインを備える、連続式の加熱装置である。パイプラインは、数箇所に配置された導電性の電極リングと、当該箇所以外に配置された絶縁性の絶縁パイプと、を備える。
電極リング相互間に、電圧が印加される。しかし、電極リング相互間に配置された絶縁パイプに、電圧印加による電流は流れない。むしろ、電極リング相互間を輸送される溶融状態にある試料JM、JEに、電圧印加による電流が流れる。これにより、溶融状態にある試料JM、JEでは、電気抵抗として、試料自身が発熱する。
第3に、試料JM、JEは、1分または15秒で110℃から160℃の任意の温度に保持された。第4に、試料JM、JEは、1分以内で75℃から90℃までの温度に冷却された。ここで、冷却装置は、溶融状態にある試料JM、JEが輸送されるスタティックミキサーを備える、連続式の冷却装置である。
試料JMについては、1分または15秒で温度保持工程が行なわれた。この試料JMを、試料(JM、1分)、試料(JM、15秒)と定義する。試料JEについては、15秒で温度保持工程が行なわれた。この試料JEを、試料(JE、15秒)と定義する。
図14は、ジュール加熱処理前の試料(JM、1分)、(JM、15秒)、(JE、15秒)における水分を示す図である。水分の目標値は、前記と同様に、42.5+/−1.5%とした。試料(JM、1分)、(JM、15秒)、(JE、15秒)は、適度な水分を有していた。
図15は、試料(JM、1分)、(JM、15秒)、(JE、15秒)におけるpHの保持温度依存性を示す図である。pHの目標値は、前記と同様に、5.8+/−0.15とした。試料(JM、1分)、(JM、15秒)、(JE、15秒)は、保持温度が120℃から150℃までであるときには、適度なpHを有していた。しかし、試料(JE、15秒)は、保持温度が160℃であるときには、pHを大幅に低下させた。
図16は、試料(JM、1分)、(JM、15秒)、(JE、15秒)における耐熱保形性の保持温度依存性を示す図である。試料(JM、1分)、(JM、15秒)、(JE、15秒)は、保持温度が120℃から140℃までであるときには、高い耐熱保形性を有していた。しかし、試料(JM、1分)、(JM、15秒)は、保持温度が150℃から160℃までであるときには、耐熱保形性を大幅に低下させた。
乳化剤が添加されていない試料JMにおける耐熱保形性は、計算試料MP4におけるエージング処理前の耐熱保形性より高くなった。乳化剤が添加されている試料JEにおける耐熱保形性は、試料ED1におけるエージング処理前の耐熱保形性より大幅に高くなった。すなわち、ジュール加熱処理およびエージング処理は、耐熱保形性を高くする点において同様な効果を有する。
図17は、試料(JM、1分)、(JM、15秒)、(JE、15秒)における色差の保持温度依存性を示す図である。色差測定は、測定試料および標準試料の色彩の差異を、定量的に評価する測定である。測定試料および標準試料の色彩の差異は、色差の絶対値が小さいほど小さく、色差の絶対値が大きいほど大きい。図17においては、試料JM、JEに褐変を生じさせないために、色差の絶対値の許容範囲を約3以下とした。
試料(JM、1分)、(JM、15秒)、(JE、15秒)は、保持温度が110℃から140℃までであるときには、色差は小さく、実質的に褐変を生じなかった。しかし、保持温度が150℃から160℃までであるときには、色差を大幅に増加し、実質的に褐変を生じた。
ジュール加熱処理に要する時間は数分間であるのに対して、エージング処理に要する時間は数時間である。そのため、ジュール加熱処理により、耐熱保形性を有するプロセスチーズを連続的かつ簡便に製造できた。
試料(JM、1分)では、120℃の温度保持工程により、加熱臭が抑制され、良好な風味を有していた。試料(JM、15秒)、(JE、15秒)では、130℃の温度保持工程により、加熱臭が抑制され、良好な風味を有していた。試料(JM、1分)、(JM、15秒)、(JE、15秒)では、より高温の150℃または160℃の温度保持工程により、粘着質な食感および脆い組織が生じた。乳化剤が添加されている試料JEは、乳化剤が添加されていない試料JMより、良好な食感を有していた。
この発明を添付図面に示す実施態様について説明したが、この発明は、その詳細な説明の記載をもって制約されるものではなく、請求の範囲に記載する範囲において広く構成される。

Claims (10)

  1. プロセスチーズであって、
    ナチュラルチーズに対して、1.5〜3.5重量部の溶融塩が添加され、
    前記溶融塩は、
    前記溶融塩の総量に対して、
    50〜70重量部のクエン酸塩またはモノリン酸塩と、
    10〜50重量部のポリリン酸塩と、
    0〜20重量部のメタリン酸塩またはピロリン酸塩と、
    を含み、
    さらに、
    前記ナチュラルチーズが含有する蛋白質に対して0.5〜12重量部のポリグリセリン脂肪酸エステルが、前記ナチュラルチーズに添加され、
    前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、
    HLB値が3〜8かつヨウ素価が60以上、または、HLB値が4〜12かつヨウ素価が2以下、から選ばれる1種または2種以上である。
  2. プロセスチーズであって、
    ナチュラルチーズに対して、1.5〜3.5重量部の溶融塩が添加され、
    前記溶融塩は、
    前記溶融塩の総量に対して、
    50〜70重量部のクエン酸塩またはモノリン酸塩と、
    10〜50重量部のポリリン酸塩と、
    0〜20重量部のメタリン酸塩またはピロリン酸塩と、
    を含み、
    さらに、
    保持期間が10秒以上1分以内であり、かつ保持温度が120〜140℃である保持条件の下で、前記溶融塩が添加されたナチュラルチーズを保持することにより製造される。
  3. 請求項に記載のプロセスチーズにおいて、
    前記溶融塩が添加されたナチュラルチーズが前記保持条件の下で保持される前にパイプライン処理において通電加熱され、前記保持条件の下で保持されたナチュラルチーズがパイプライン処理において冷却されることにより製造される。
  4. プロセスチーズの製造方法であって、
    ナチュラルチーズと、前記ナチュラルチーズに対して、1.5〜3.5重量部の溶融塩と、を準備する溶融剤準備工程と、
    前記ナチュラルチーズに前記溶融塩を添加する溶融剤添加工程と、
    前記溶融剤添加工程の後に、保持期間が10秒以上1分以内であり、かつ保持温度が120〜140℃である保持条件の下で前記溶融塩が添加されたナチュラルチーズを保持する保持工程
    を備え
    前記溶融塩は、
    前記溶融塩の総量に対して、
    50〜70重量部のクエン酸塩またはモノリン酸塩と、
    10〜50重量部のポリリン酸塩と、
    0〜20重量部のメタリン酸塩またはピロリン酸塩と、
    を含む
  5. 請求項に記載のプロセスチーズの製造方法において、さらに、
    前記保持工程の前に、前記溶融塩が添加されたナチュラルチーズをパイプライン処理で通電加熱する工程と、
    前記保持工程の後に、前記保持条件の下で保持されたナチュラルチーズをパイプライン処理で冷却する工程と、
    を備える。
  6. プロセスチーズの製造方法であって、
    ナチュラルチーズと、前記ナチュラルチーズに対して、1.5〜3.5重量部の溶融塩と、を準備する溶融剤準備工程と、
    前記ナチュラルチーズに前記溶融塩を添加する溶融剤添加工程と、
    前記ナチュラルチーズが含有する蛋白質に対して、0.5〜12重量部のポリグリセリン脂肪酸エステルを準備する乳化剤準備工程と、
    前記ナチュラルチーズに前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを添加する乳化剤添加工程と、
    を備え、
    前記溶融塩は、
    前記溶融塩の総量に対して、
    50〜70重量部のクエン酸塩またはモノリン酸塩と、
    10〜50重量部のポリリン酸塩と、
    0〜20重量部のメタリン酸塩またはピロリン酸塩と、
    を含み、
    前記乳化剤準備工程は、
    HLB値が3〜8かつヨウ素価が60以上、または、HLB値が4〜12かつヨウ素価が2以下、から選ばれる1種または2種以上である前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを準備する工程、
    を含む。
  7. 請求項に記載のプロセスチーズの製造方法において、さらに、
    前記溶融剤添加工程および前記乳化剤添加工程の後に、保持期間が10秒以上1分以内であり、かつ保持温度が120〜140℃である保持条件の下で前記溶融塩および前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが添加されたナチュラルチーズを保持する保持工程、
    を備える。
  8. 請求項に記載のプロセスチーズの製造方法において、さらに、
    前記保持工程の前に、前記溶融塩および前記ポリグリセリン酸脂肪酸エステルが添加されたナチュラルチーズをパイプライン処理で通電加熱する工程と、
    前記保持工程の後に、前記保持条件の下で保持されたナチュラルチーズをパイプライン処理で冷却する工程と、
    を備える。
  9. プロセスチーズであって、
    ナチュラルチーズに対して、2.5〜3.5重量部の溶融塩が添加され、
    前記溶融塩は、
    前記溶融塩の総量に対して、
    50〜70重量部のクエン酸塩またはモノリン酸塩と、
    10〜50重量部のポリリン酸塩と、
    0〜20重量部のメタリン酸塩またはピロリン酸塩と、
    を含む。
  10. プロセスチーズの製造方法であって、
    ナチュラルチーズと、前記ナチュラルチーズに対して、2.5〜3.5重量部の溶融塩と、を準備する溶融剤準備工程と、
    前記ナチュラルチーズに前記溶融塩を添加する溶融剤添加工程と、
    を備え、
    前記溶融塩は、
    前記溶融塩の総量に対して、
    50〜70重量部のクエン酸塩またはモノリン酸塩と、
    10〜50重量部のポリリン酸塩と、
    0〜20重量部のメタリン酸塩またはピロリン酸塩と、
    を含む。
JP2010500719A 2008-02-29 2009-02-25 プロセスチーズおよびプロセスチーズの製造方法 Active JP5515097B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010500719A JP5515097B2 (ja) 2008-02-29 2009-02-25 プロセスチーズおよびプロセスチーズの製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008049581 2008-02-29
JP2008049581 2008-02-29
JP2010500719A JP5515097B2 (ja) 2008-02-29 2009-02-25 プロセスチーズおよびプロセスチーズの製造方法
PCT/JP2009/053412 WO2009107662A1 (ja) 2008-02-29 2009-02-25 プロセスチーズおよびプロセスチーズの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009107662A1 JPWO2009107662A1 (ja) 2011-07-07
JP5515097B2 true JP5515097B2 (ja) 2014-06-11

Family

ID=41016049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010500719A Active JP5515097B2 (ja) 2008-02-29 2009-02-25 プロセスチーズおよびプロセスチーズの製造方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP5515097B2 (ja)
KR (1) KR101600106B1 (ja)
CN (1) CN101945582B (ja)
WO (1) WO2009107662A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4937324B2 (ja) * 2009-09-29 2012-05-23 森永乳業株式会社 チーズ含有食品及びその製造方法
JP5578703B2 (ja) * 2010-03-04 2014-08-27 雪印メグミルク株式会社 プロセスチーズ類およびその製造方法
CN104872294B (zh) * 2010-03-18 2018-03-20 株式会社明治 再制奶酪类的制造方法
CN102835459B (zh) * 2011-06-24 2015-01-21 光明乳业股份有限公司 一种块状或片状再制干酪及其制备方法
JP6039954B2 (ja) * 2012-07-24 2016-12-07 雪印メグミルク株式会社 プロセスチーズ類及びその製造方法
JP6039953B2 (ja) * 2012-07-24 2016-12-07 雪印メグミルク株式会社 プロセスチーズ類およびその製造方法
CN104684402B (zh) * 2012-07-24 2016-10-19 雪印惠乳业株式会社 经加工的干酪类和其制造方法
JP6258178B2 (ja) * 2014-09-30 2018-01-10 森永乳業株式会社 フレッシュタイプのパスタフィラータチーズ及びその製造方法
JP7013078B2 (ja) * 2016-06-24 2022-01-31 雪印メグミルク株式会社 プロセスチーズ類
JP6644049B2 (ja) * 2017-12-06 2020-02-12 森永乳業株式会社 フレッシュタイプのパスタフィラータチーズ及びその製造方法
CN109122886B (zh) * 2018-10-30 2024-02-27 妙可蓝多(天津)食品科技有限公司 一种再制奶酪乳化成型一体机

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS527465A (en) * 1975-06-30 1977-01-20 Rotsukou Bataa Kk Method of producing cheese for frying
JP2004329206A (ja) * 2003-02-12 2004-11-25 Morinaga Milk Ind Co Ltd プロセスチーズおよびその製造方法
JP2005034122A (ja) * 2003-07-18 2005-02-10 Amacos:Kk チーズ食品

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5716648A (en) 1980-12-08 1982-01-28 Meiji Milk Prod Co Ltd Production of processed cheese with resistance to thermal deformation
JPH062025B2 (ja) * 1985-12-20 1994-01-12 明治乳業株式会社 プロセスチ−ズ類の製造法
JP2001149008A (ja) 1999-11-29 2001-06-05 Rokko Butter Co Ltd 耐熱性を有するプロセスチーズの製造方法
JP3934076B2 (ja) * 2003-03-27 2007-06-20 明治乳業株式会社 プロセスチーズ及びその製造法
JP4994586B2 (ja) 2004-10-19 2012-08-08 雪印メグミルク株式会社 プロセスチーズ類及びその製造方法
CN100479672C (zh) * 2005-06-22 2009-04-22 黑龙江省完达山乳业股份有限公司 涂抹型再制干酪及其制备方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS527465A (en) * 1975-06-30 1977-01-20 Rotsukou Bataa Kk Method of producing cheese for frying
JP2004329206A (ja) * 2003-02-12 2004-11-25 Morinaga Milk Ind Co Ltd プロセスチーズおよびその製造方法
JP2005034122A (ja) * 2003-07-18 2005-02-10 Amacos:Kk チーズ食品

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN7013003288; 林俊次, プロセスチーズの製造方法, New Food Industry(1989),Vol.31,No.4,p.49-64 *
JPN7013003289; R.A.Awad, Lebensmittel-Wissenshaft und Technologie(2002),Vol.35,No.1,p.54-61 *

Also Published As

Publication number Publication date
WO2009107662A1 (ja) 2009-09-03
KR101600106B1 (ko) 2016-03-04
CN101945582B (zh) 2016-03-23
CN101945582A (zh) 2011-01-12
JPWO2009107662A1 (ja) 2011-07-07
KR20100126689A (ko) 2010-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5515097B2 (ja) プロセスチーズおよびプロセスチーズの製造方法
Salek et al. The effect of composition of ternary mixtures containing phosphate and citrate emulsifying salts on selected textural properties of spreadable processed cheese
JP5835908B2 (ja) プロセスチーズ類およびその製造方法
Salek et al. The impact of Cheddar or white brined cheese with various maturity degrees on the processed cheese consistency: A comparative study
JPH0591834A (ja) チーズ類及びその製造方法
JP5283909B2 (ja) チーズ様食品及びその製造方法
JP2016195553A (ja) 溶融塩無添加チーズおよびその製造方法
NO324118B1 (no) Naeringsmiddel og fremgangsmate for fremstilling derav og oste-lignende naeringsmiddel og fremgangsmate for fremstilling derav
JP4994586B2 (ja) プロセスチーズ類及びその製造方法
JP2018075001A (ja) ペースト状チーズ様食品用油脂組成物
JPWO2019234957A1 (ja) チーズ様食品、その製造方法
JP3643453B2 (ja) プロセスチーズ類およびその製造方法
JP5774823B2 (ja) プロセスチーズ類
WO2003039265A1 (en) Processed cheese
JP3514893B2 (ja) プロセスチーズ類およびその製造方法
JP6092953B2 (ja) プロセスチーズ類
JP3410401B2 (ja) プロセスチーズ
TWI569727B (zh) 具拔絲性之再製起司及其製造方法
Schatz et al. Effect of emulsifying salts containing potassium on the melting properties of block‐type dairy cheese analogue
JPH0198442A (ja) 固形食品の製造法
JP2013212056A (ja) 常温流通可能なプロセスチーズ類の製造方法およびプロセスチーズ類の流通方法
JP3499661B2 (ja) プロセスチーズ類およびその製造方法
JP4081458B2 (ja) 冷凍スパゲッティの製造方法
JPH11105A (ja) プロセスチーズ類及びその製造方法
JP2017086023A (ja) プロセスチーズ類及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130903

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131025

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5515097

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250