JP5514014B2 - メイクアップ用シート状化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、シート状のメイクアップ用化粧料に関する。また本発明は、該化粧料を用いた化粧方法及び該化粧料の製造方法に関する。
高分子化合物のナノファイバからなる網目状構造体に、化粧料や化粧料成分を保持させてなる化粧用シートが知られている(例えば特許文献1参照)。同文献に記載されている化粧用シートは、水又は溶剤に溶解させた高分子化合物溶液中に化粧料又は化粧料成分を混ぜて得られた液を、エレクトロスピニングすることで得られる。この方法で得られた化粧用シートにおいては、ナノファイバ中に化粧料や化粧料成分が内包される。
特開2008−179629号公報
しかし、前記の文献に記載の化粧用シートを肌に貼付しても、該化粧用シートと肌との一体感は十分なものとは言えず、また赤みやそばかす等の色むらを隠蔽したり、毛穴や小じわ等の肌の微細な凹凸を目立たなくしたりする効果が十分とは言えない。また、顔をきれいに見せるメイクアップを施すために用いることは前記の文献には記載されていない。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得るメイクアップ用シート状化粧料を提供することにある。
本発明は、着色顔料を含む高分子化合物のナノファイバのシートを有するメイクアップ用シート状化粧料を提供することで前記の課題を解決したものである。
また本発明は、前記のナノファイバのシートの一方の面に基材シートを有し、該ナノファイバのシートと該基材シートとが剥離可能になっているメイクアップ用シート状化粧料を用いた化粧方法であって、
前記ナノファイバのシートの表面又は肌を湿潤させた状態下に、前記メイクアップ用シート状化粧料における前記ナノファイバのシート側の面を肌に当接させ、
次いで前記メイクアップ用シート状化粧料から前記基材シートを剥離して、前記ナノファイバのシートを肌に転写する化粧方法を提供するものである。
更に本発明は、前記のメイクアップ用シート状化粧料の製造方法であって、
着色顔料が溶媒に分散させてなるスラリーと、高分子化合物の溶液とを混合して噴霧液を調製し、
前記噴霧液を用いてエレクトロスピニング法によりナノファイバの堆積を行うメイクアップ用シート状化粧料の製造方法を提供するものである。
本発明のメイクアップ用シート状化粧料は、肌に貼付したときの肌との外観上の一体感が高く、また、顔の赤みやそばかす等の色むらを軽減する効果が高く、更に、小じわや毛穴等の肌の微細な凹凸を目立たなくする効果も高いものである。
図1は、エレクトロスピニング法を実施するための装置を示す模式図である。 図2(a)は、色むらがなく、均一な外観を呈しているナノファイバシートの一例の写真であり、図2(b)は、色むらが著しく、粉体の凝集物が観察されるサンプルの一例の写真である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明のメイクアップ用シート状化粧料(以下、単に「シート状化粧料」とも言う。)は、薄手のシート状をしており、使用者の肌に直接貼付して化粧を施すために使用されるものである。本発明のシート状化粧料は、ナノファイバにより形成されたシート(以下、「ナノファイバシート」とも言う。)を有している。ナノファイバシートを構成するナノファイバは、高分子化合物から構成されており、かつ着色顔料を含んでいる。ナノファイバが着色顔料を含んでいることで、ナノファイバシートは、該着色顔料の色に起因する色に着色されたものとなっている。ここで言う着色とは白色を含む概念であり、有彩色であるか無彩色であるかを問わない。
本発明のシート状化粧料が、使用者の肌に貼付して化粧効果、特にメイクアップを施すために使用されるものであることに鑑みると、ナノファイバシートを、肌の色を補正する補色近傍の色域、例えば黄色、青から緑色、紫色、茶色等に着色することができる。また、本発明のシート状化粧料を肌に貼付したときの外観上の肌との一体感を高める観点から、肌の色に近い色に着色されていることが有利である。特に、本発明のシート状化粧料を肌に貼付したときの肌の色むら(例えば、顔の赤み、そばかす、目の隈、しみ等)を効果的に隠蔽する点から、肌色に着色されていることが有利である。これらの観点から、ナノファイバシートは、その乾燥時の外観色が、マンセル表色系において、色相5.0R〜9.8YR(赤からオレンジを経由して黄色まで)、明度5.0〜8.0、彩度2.5〜6.0の範囲内にあることが好ましく、特に色相2.0YR〜9.0YR、明度5.2〜7.8、彩度2.7〜5.8の範囲内にあることが更に好ましい。これらの値は、例えばコニカミノルタセンシング株式会社製の色彩色差計・CR−400や分光測色計・CM−700d等、一般に市販されている測色機器を用いて測定される。また、シート外観色は、ナノファイバシートを色相7.7Y、明度2.6、彩度0.3の黒色の紙に置いて測定する。
ナノファイバシートが上述の外観色を呈するためには、該ナノファイバシートを構成するナノファイバに含まれる着色顔料として、異なる2色以上の着色顔料を用いることが好ましい。例えば、一般的に肌色を調整するために赤色、黄色、黒色を組み合わせるが、更に青色や白色を併用することもできる。
白色顔料としては、例えば酸化チタンや酸化亜鉛等を用いることができる。一方、白色以外の着色顔料としては、黄色酸化鉄、赤酸化鉄、黒酸化鉄、カーボンブラック、群青、紺青、紺青酸化チタン、黒色酸化チタン、酸化クロム、水酸化クロム、チタン・酸化チタン焼結物等の無機系顔料;赤色201号、赤色202号、赤色226号、黄色401号、青色404号等の有機顔料;赤色104号、赤色230号、黄色4号、黄色5号、青色1号等のレーキ顔料;有機顔料をポリメタクリル酸エステル等の高分子で被覆したものなどが含まれる。また、雲母チタン、ベンガラ被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、ケイ酸・チタン処理マイカ、酸化チタン被覆タルク、二酸化ケイ素・ベンガラ処理アルミニウム、酸化チタン被覆ガラス末等の無機粉体、薄片状のアルミニウム表面にポリエチレンテレフタレート等の有機樹脂を被覆したもの等の真珠光沢顔料(パール顔料)も使用してもよい。さらに、着色顔料の表面に分散性を向上させるための表面処理を施してもよい。表面処理としては、通常の化粧料用粉体に種々の疎水化処理剤を用いて施されている疎水化処理方法、例えば、シリコーン処理、脂肪酸処理、ラウロイルリジン処理、界面活性剤処理、金属石鹸処理、フッ素化合物処理、レシチン処理及びナイロン処理、高分子処理等が挙げられる。
ナノファイバに含まれている着色顔料の大きさは、一般にナノファイバの太さと同程度であるか、又はそれよりも小さいか若しくはそれよりも大きい。着色顔料の大きさが、一般にナノファイバの太さと同程度であるか又はそれよりも小さい場合には、薄いシートであっても色むらを低減できる。また、着色顔料がナノファイバの太さよりも大きくてもよく、その場合には、該ナノファイバの表面には、該着色顔料に起因する凹凸形状が表出される。この凹凸形状の表出によってナノファイバの表面において光の乱反射が起こり、ナノファイバシートの視覚的効果を一層顕著にすることができる。
着色顔料の大きさは、平均粒径で表して、10〜1000nm、特に50〜900nmであることが好ましい。また、ナノファイバの太さが後述する範囲内である場合には、ナノファイバの太さを100%としたとき、20〜95%、特に30〜90%であることが好ましい。着色粒子がこの範囲であると、ナノファイバの被覆内部に着色顔料を内包するような状態を形成できるために、着色粒子の凝集を抑制でき、着色粒子を含むナノファイバをシート状にした場合に、薄いシートであっても色むらを低減できる。更に、肌に貼付するときに少量の液体でシートを湿潤させることができる。平均粒径は、レーザー回折式の粒度分布計等を用いることによって測定される。また、ナノファイバに含まれる着色顔料の量の割合は、着色顔料の種類にもよるが、十分な着色力を発現する観点から、ナノファイバに対して1〜50質量%、特に15〜40質量%であることが好ましい。本発明において、着色粒子として有機顔料やレーキ顔料を用いた場合には、ナノファイバシートが着色しやすいため、着色顔料の量の割合が1〜10質量%程度の少量であっても、色むらのない均一な着色のナノファイバシートを得ることができる。ナノファイバに含まれる着色顔料の量の割合は、対象のナノファイバを溶解しうる溶媒にナノファイバを浸漬し、場合によっては超音波洗浄機等の機械力を併用してナノファイバを溶解させた後、洗浄と濾過を繰り返して濾別された固体成分を乾燥し、天秤等を用いることによって測定される。
また、本発明の着色顔料としては、1000nm以下の小粒径の着色顔料に加えて、1000nmを超える顔料を用いることもできる。板状の酸化チタンや酸化亜鉛のような白色顔料や真珠光沢顔料(パール顔料)等は、1000nmを超えるものがあり、これらの顔料は「色」をつける機能のほかに、光の拡散透過性を高くすることによって、ナノファイバシート下の陰影の境界をぼかして見え難くしたり、またナノファイバシート表面の光の反射を抑制することにより光の明度差を小さくする機能を有する。そのため、これらの粒子を併用することにより、色むらを軽減する効果や微細な凹凸を目立たなくする効果を高めることができる。
ナノファイバシートは、ナノファイバのみから構成されていることが好ましい。尤も、ナノファイバシートが、ナノファイバに加えて他の成分を含むことは妨げられない。ナノファイバは、その太さを円相当直径で表した場合、一般に10〜3000nm、特に50〜1000nmのものである。ナノファイバの太さは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって、10000倍に拡大して観察し、その二次元画像から欠陥(ナノ繊維の塊、ナノ繊維の交差部分、ポリマー液滴)を除き、繊維を任意に10本選び出し、繊維の長手方向に直交する線を引き、繊維径を直接読み取ることで測定することができる。
ナノファイバの長さは本発明において臨界的でなく、ナノファイバの製造方法に応じた長さのものを用いることができる。また、ナノファイバは、ナノファイバシートにおいて、一方向に配向した状態で存在していてもよく、あるいはランダムな方向を向いていてもよい。更に、ナノファイバは、一般に中実の繊維であるが、これに限られず例えば中空のナノファイバを用いることもできる。更に、ナノファイバは、その長さ方向に沿ってその太さが変化していてもよい。
ナノファイバシートは、これが使用者の肌に貼付して使用されることに鑑みると、その厚みを50nm〜1mm、特に500nm〜500μmに設定することが好ましい。このような厚みにすることで、ナノファイバシートの縁部と、使用者の肌との間に段差が生じにくくなり、ナノファイバシートと使用者の肌との外観上の一体感が高まる。また、ナノファイバシートを肌の微細な凹凸の部位、例えば小じわの部位や毛穴の部位に貼付した場合に、肌理(キメ)が整ったように見える。これと同様の観点から、ナノファイバシートの坪量は0.01〜100g/m2、特に0.1〜50g/m2に設定することが好ましい。ナノファイバシートの厚みは、接触式の膜厚計ミツトヨ社製ライトマチックVL−50A(R5mm超硬球面測定子を用い、押し付け力0.01Nで測定)を使用することによって測定することができる。測定時にシートに加える荷重は0.01Paとする。
ナノファイバシートにおいては、ナノファイバは、それらの交点において結合しているか、又はナノファイバどうしが絡み合っている。それによって、ナノファイバシートは、それ単独でシート状の形態を保持することが可能となる。ナノファイバどうしが結合しているか、あるいは絡み合っているかは、ナノファイバシートの製造方法によって相違する。
ナノファイバは、高分子化合物を原料とするものである。高分子化合物としては、天然高分子及び合成高分子のいずれをも用いることができる。この高分子化合物は、水溶性のものでもよく、水不溶性のものでもよい。本発明のシート状化粧料が、使用者の肌に貼付されて化粧効果を発現することに鑑みると、肌に貼付された後においてもナノファイバシートが溶解せずに肌に残存していることが望ましい。この観点から、ナノファイバは少なくとも水不溶性樹脂を含むものであることが有利である。
ナノファイバに水不溶性高分子化合物が含まれている場合、該水不溶性高分子化合物はナノファイバの骨格を形成する材料として機能する。したがって、ナノファイバシートを使用者の肌に貼付した後であっても、ナノファイバは汗等の水分に溶解することなく、繊維としての形態が保たれる。
本明細書において「水不溶性高分子化合物」とは、本明細書において「水不溶性高分子化合物」とは、1気圧・23℃の環境下において、高分子化合物1g秤量したのちに、10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬した高分子化合物の0.8g以上が溶解しない性質を有する高分子化合物をいう。
水不溶性高分子化合物としては、例えばナノファイバ形成後に不溶化処理できる完全鹸化ポリビニルアルコール、後述する架橋剤と併用することでナノファイバ形成後に架橋処理できる部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリ(N−プロパノイルエチレンイミン)グラフト−ジメチルシロキサン/γ−アミノプロピルメチルシロキサン共重合体等のオキサゾリン変性シリコーン、ツエイン(とうもろこし蛋白質の主要成分)、ポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメタクリル酸樹脂等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。これらの水不溶性高分子化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの水不溶性高分子化合物のうち、ナノファイバ形成後に不溶化処理できる完全鹸化ポリビニルアルコール、後述する架橋剤と併用することでナノファイバ形成後に架橋処理できる部分鹸化ポリビニルアルコール、γ−アミノプロピルメチルシロキサン共重合体等のオキサゾリン変性シリコーン、水溶性ポリエステル、ツエイン等を用いることが好ましい。
ナノファイバは、上述の水不溶性高分子化合物のみから構成されていてもよく、あるいは水不溶性高分子化合物及び水溶性高分子化合物から構成されていてもよい。ナノファイバが水溶性高分子化合物を含んでいることで、ナノファイバシートの肌への接着性及び密着性が良好となる。詳細には、本発明のシート状化粧料の使用時に、例えば水を含有する液状物を肌の表面に適用すると、ナノファイバシートが水と接触することによってナノファイバ中の水溶性高分子化合物が液状物に溶解し、溶解した水溶性高分子化合物が接着性を発揮してバインダとして作用し、シートと肌との密着性が維持される。しかも、水不溶性高分子化合物がナノファイバの骨格を形成しているので、水溶性高分子化合物が溶解した後であっても、ナノファイバはファイバとしての形態が保たれる。
本明細書において「水溶性高分子化合物」とは、1気圧・23℃の環境下において、高分子化合物1gを秤量したのちに、10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬した高分子化合物の0.5g以上が水に溶解する性質を有する高分子化合物をいう。
ナノファイバを構成する水溶性高分子化合物としては、例えばプルラン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ポリ−γ−グルタミン酸、変性コーンスターチ、β-グルカン、グルコオリゴ糖、ヘパリン、ケラト硫酸等のムコ多糖、セルロース、ペクチン、キシラン、リグニン、グルコマンナン、ガラクツロン、サイリウムシードガム、タマリンド種子ガム、アラビアガム、トラガントガム、大豆水溶性多糖、アルギン酸、カラギーナン、ラミナラン、寒天(アガロース)、フコイダン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の天然高分子、部分鹸化ポリビニルアルコール(後述する架橋剤と併用しない場合)、低鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成高分子などが挙げられる。これらの水溶性高分子化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの水溶性高分子化合物のうち、ナノファイバの製造が容易である観点から、プルラン、並びに部分鹸化ポリビニルアルコール、低鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリエチレンオキサイド等の合成高分子を用いることが好ましい。
ナノファイバが、水不溶性高分子化合物に加えて水溶性高分子化合物を含んでいる場合には、水不溶性高分子化合物と水溶性高分子化合物との合計量に対する水溶性高分子化合物の割合は、30重量%以下が好ましく、特に1〜30質量%、更に10〜25質量%に設定することが好ましく、この場合に併用される水不溶性高分子化合物の割合は、70重量%を越えることが好ましく、特に70を越えて99質量%以下、特に80〜90質量%に設定することが好ましい。水溶性高分子化合物の割合をこの範囲内に設定することによって、ナノファイバシートを肌に貼付する場合に十分な接着性及び密着性が得られるとともに、ナノファイバどうしが粘着しあったりすることや、着色粒子が凝集してしまうことによる不具合を軽減することができる。ナノファイバシートを水を含む液状物で湿潤させる際に、該ナノファイバシートが水と接触することによってナノファイバ中の水溶性高分子化合物が液状物に溶解し、溶解した水溶性高分子化合物が接着性を発揮してバインダとして作用して、シートと対象物の表面との密着性を維持できる。
ナノファイバは、上述した着色顔料や高分子化合物(水不溶性高分子化合物及び水溶性高分子化合物)に加えて他の成分を含んでいてもよい。そのような成分としては、例えば、前記着色顔料以外の粉末成分(例えばポリエチレンやシリコーン系の樹脂粉末など)のほかに、架橋剤、香料、界面活性剤、帯電防止剤などが挙げられる。架橋剤は、例えば上述の部分鹸化ポリビニルアルコールを架橋して、これを不溶化する目的で用いられる。これら着色顔料以外の粉末成分を除いたその他の成分は、ナノファイバ中に、それらの合計量で好ましくは0.01〜2質量%含有させることができる。
本発明のシート状化粧料は、ナノファイバシート単独から構成されている単層構造のものでもよく、あるいはナノファイバシートを他のシートと積層した多層構造のものでもよい。ナノファイバシートと併用される他のシートとしては、例えば使用前のナノファイバシートを支持してその取り扱い性を高めるための基材シートが挙げられる。ナノファイバシートを、基材シートと組み合わせて用いることで、本発明のように薄いナノファイバシートの場合には、肌に付着させるときの操作性が良好になる。
ナノファイバシートの取り扱い性を向上させる観点から、基材シートは、そのテーバーこわさが0.01〜0.4mNm、特に0.01〜0.2mNmであることが好ましい。テーバーこわさは、JIS P8125に規定される「こわさ試験方法」により測定される。
テーバーこわさとともに、基材シートの厚みも、ナノファイバシートの取り扱い性に影響を及ぼす一因となる場合がある。この観点から、基材シートの厚みは、該基材シートの材質にもよるが、5〜500μm、特に10〜300μmであることが好ましい。基材シートの厚みは、ナノファイバシートの厚みと同様の方法で測定することができる。
また基材シートは、ナノファイバシートを肌に首尾良く転写させる観点から通気性を有することが好ましい。基材シートのガーレ通気度は、30秒/100ml以下、特に20秒/100ml以下であることが好ましい。基材シートのガーレ通気度は、JIS P8117に従い測定される。ガーレ通気度の下限値は、上述した基材シートのテーバーこわさ等を勘案して決定される。
基材シートは、ナノファイバシートの上に直接積層されていることが好ましい。この場合、基材シートは、ナノファイバシートに対して剥離可能に積層されていることが好ましい。このような構成とすることで、ナノファイバシートを、例えば肌に付着させた後に、基材シートをナノファイバシートから剥離除去して、ナノファイバシートを肌に残すことが可能になるという利点がある。
基材シートとしては、例えばポリオレフィン系の樹脂やポリエステル系の樹脂を始めとする合成樹脂製のフィルムを用いることができる。該フィルムを、ナノファイバシートに対して剥離可能に積層する場合には、該フィルムにおけるナノファイバシートとの対向面に、シリコーン樹脂の塗布やコロナ放電処理などの剥離処理を施しておくことが、剥離性を高める観点から好ましい。
基材シートとしては、メッシュシートを用いることもできる。メッシュシートを用いることで、上述したシリコーン樹脂の塗布等の剥離処理をことさら行わなくても、基材シートを、ナノファイバシートに対して剥離可能に積層することができる。この場合、メッシュの目開きは20〜200メッシュ/インチ、特に50〜150メッシュ/インチとすることが好ましい。また、メッシュの線径は、10〜200μm、特に30〜150μmであることが好ましい。メッシュシートを構成する材料としては、上述したフィルムを構成する材料と同様のものを用いることができる。
基材シートとしては、通気性を有する材料である紙や不織布を用いることもできる。紙や不織布を用いることで、上述したシリコーン樹脂の塗布等の剥離処理をことさら行わなくても、基材シートを、ナノファイバシートに対して剥離可能に積層することができる。また、液状物を介して肌にナノファイバシートを転写するときに、余分な水分を吸収させることもできる。紙や不織布を構成する材料としては、例えば、天然繊維状物としては植物繊維(コットン、カボック、木材パルプ、非木材パルプ、落花生たんぱく繊維、とうもろこしたんぱく繊維、大豆たんぱく繊維、マンナン繊維、ゴム繊維、麻、マニラ麻、サイザル麻、ニュージーランド麻、羅布麻、椰子、いぐさ、麦わら等)、動物繊維(羊毛、やぎ毛、モヘア、カシミア、アルカパ、アンゴラ、キャメル、ビキューナ、シルク、羽毛、ダウン、フェザー、アルギン繊維、キチン繊維、ガゼイン繊維等)、鉱物繊維(石綿等)が挙げられる。合成繊維状物としては、例えば、半合成繊維(アセテート、トリアセテート、酸化アセテート、プロミックス、塩化ゴム、塩酸ゴム等)、金属繊維、炭素繊維、ガラス繊維等が挙げられる。また、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、デンプン、ポリビニルアルコール若しくはポリ酢酸ビニル又はこれらの共重合体若しくは変性体等の単繊維、又はこれらの樹脂成分を鞘部に有する芯鞘構造の複合繊維を用いることができる。
本発明のシート状化粧料は、例えばエレクトロスピニング法を用い、平滑な基板の表面にナノファイバを堆積させることで好適に製造することができる。図1には、エレクトロスピニング法を実施するための装置30が示されている。エレクトロスピニング法を実施するためには、シリンジ31、高電圧源32、導電性コレクタ33を備えた装置30が用いられる。シリンジ31は、シリンダ31a、ピストン31b及びキャピラリ31cを備えている。キャピラリ31cの内径は10〜1000μm程度である。シリンダ31a内には、ナノファイバの原料となる高分子化合物及び着色顔料を含む噴霧液が充填されている。この噴霧液の溶媒は、高分子化合物や着色顔料の種類に応じ、水若しくは有機溶媒、又は水及び水と相溶性のある有機溶媒の混合溶媒とする。噴霧液の詳細については後述する。高電圧源32は、例えば10〜30kVの直流電圧源である。高電圧源32の正極はシリンジ31における噴霧液と導通している。高電圧源32の負極は接地されている。導電性コレクタ33は、例えば金属製の板であり、接地されている。シリンジ31におけるニードル31cの先端と導電性コレクタ33との間の距離は、例えば30〜300mm程度に設定されている。図1に示す装置30は、大気中で運転することができる。運転環境に特に制限はなく、例えば温度20〜40℃、湿度10〜50%RHとすることができる。
シリンジ31と導電性コレクタ33との間に電圧を印加した状態下に、シリンジ31のピストン31bを徐々に押し込み、キャピラリ31cの先端から噴霧液を押し出す。押し出された噴霧液においては、溶媒が揮発し、溶質である高分子化合物が固化しつつ、電位差によって伸長変形しながらナノファイバを形成し、導電性コレクタ33に引き寄せられる。噴霧液中に含まれている着色顔料は、固化しつつある高分子化合物中に取り込まれる。このとき、導電性コレクタ33の表面に基材シート(図示せず)となるべきシートを配置しておくことで、該基材シートの一方の表面にナノファイバを堆積させることができる。このようにして形成されたナノファイバは、その製造の原理上は、無限長の連続繊維となる。
エレクトロスピニング法に用いられる上述の噴霧液は、高分子化合物及び着色顔料を含むものである。この噴霧液は、高分子化合物、着色顔料及び液媒体を混合することで調製することができる。しかし、この調製法を採用すると、着色顔料の凝集性の高さに起因して噴霧液中で着色顔料が沈降しやすい傾向にある。凝集した着色顔料は、前記の装置におけるキャピラリ31cの目詰まりの原因となり、また得られるナノファイバシートに色むらを生じさせたり、斑点状の凝集物を生じさせたりする原因ともなる。そこで本発明においては、(イ)着色顔料を含むスラリーと、(ロ)高分子化合物を含む溶液とを混合して噴霧液を調製することが好ましい。このようにして調製された噴霧液は、着色顔料の分散性が良好なものなので、得られるナノファイバが均一に着色されたものとなる。またキャピラリ31cの目詰まりが起こりにくくなる。以下、この噴霧液の好適な製造方法について説明する。
前記の(イ)のスラリーの調製は、着色顔料を液媒体に分散させることで行われる。液媒体としては、着色顔料の種類に応じて適切なものが用いられる。特に液媒体としては、揮発性のものを用いることが好ましい。揮発性の液媒体を用いることで、エレクトロスピニング法によってナノファイバを製造するときに、液体成分を容易に除去できるからである。この観点から、液媒体としては水や有機溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒としては、例えばアセトン、イソパラフィン、エタノールの他、オクタメチルシクロテトラシロキサンやデカメチルシクロペンタシロキサン等のシクロメチコン、オクタメチルトリシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン等のジメチコン、メチルトリメチコンなどのシリコーン化合物などを用いることができ、特にシリコーン化合物が皮膚への安全性の観点から好ましい。
スラリーに占める着色顔料の割合は5〜50質量%、特に10〜40質量%であることが、ナノファイバシートに対する着色効果と均質な品質を両立する点から好ましい。スラリーに占める着色顔料の割合を5質量%以上とすることで、シートの着色効果が十分なものとなり、また50質量%以下とすることで、顔料の分散が良好になり、顔料粒子の凝集に起因するナノファイバシートの品質低下を効果的に防止できる。着色顔料は、目的とするナノファイバシートの色に応じて1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。着色顔料は、スラリーの調製を行う前に所定の大きさに粉砕して粒度を調整しておくことが好ましい。また着色顔料に対して、化粧料を調製するときに通常行われる表面処理を施してもよく、あるいは施さなくてもよい。
スラリーには、着色顔料の他に、該着色顔料の分散性を高めるための分散剤や、スラリーが泡立つことを抑制するための消泡剤を含有させることもできる。スラリーに占める分散剤の割合は、着色顔料の分散性を十分に高める観点から、10質量%以下が好ましく、特に0.1〜10質量%、更に1〜6質量%であることが好ましい。また、スラリーに占める消泡剤の割合は、スラリーの泡立ち防止の観点から、2質量%以下が好ましく、特に0.01〜1.5質量%、更に0.1〜0.5質量%であることが好ましい。
分散剤としては、例えば各種の界面活性剤を用いることができる。特に非イオン界面活性剤や陰イオン界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上の界面活性剤を組み合わせて用いる場合には、スラリーに対するそれらの合計量の割合が、上述の範囲となることが好ましい。界面活性剤の具体例としては、脂肪酸金属塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウムポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウムなどの陰イオン界面活性剤や、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、等のポリエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸モノ(ジ)エタノールアミド、脂肪酸ポリエチレングリコール、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。具体的には、モノステアリン酸グリセリン、セスキオレイン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの非イオン界面活性剤が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン系消泡剤が好ましく、例えば、ジメチルシリコーンオイル、シリコーンオイルコンパウンド、シリコーンエマルジョン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、フロロシリコーンオイルなどが挙げられる。
上述の各成分を、水又は有機溶媒などの液媒体と混合し、分散機によって分散させるとともに着色顔料を解砕する。分散機としては、例えばボールミル及びビーズミル等のメディアミルやディスパーを用いることができる。
着色顔料のスラリーは、異なる処方のものを2種以上調製しておき、目的とするナノファイバシートの色に応じて2種以上を適量用いることもできる。例えば、2種以上のスラリーのうちの1種は白色顔料のみが配合されているスラリー(以下、「白色スラリー」と言う。)とし、残りのスラリーは、白色以外の色の顔料が1種又は2種以上配合されているスラリー(以下、「非白色スラリー」と言う。)とすることができる。そして、白色スラリーと、1種又は2種以上の非白色スラリーとを、高分子化合物の溶液と混合してエレクトロスピニング用の噴霧液とすることが、色の調整の自由度が大きくなる点から好ましい。例えば、肌色のナノファイバシートを得たい場合には、白色スラリーと、非白色スラリーとしての茶色スラリーとを用いることができる。
着色顔料のスラリーと併用される高分子化合物の溶液としては、該高分子化合物の種類や着色顔料のスラリーの種類に応じて適切なものが用いられる。例えば着色顔料のスラリーが水を媒体とする水性スラリーである場合には、高分子化合物の溶液も水溶液であるか、又は水に溶解可能な有機溶媒の溶液であることが、相溶性の点から好ましい。同様の理由によって、着色顔料のスラリーが有機溶媒を媒体とするスラリーである場合には、高分子化合物の溶液は、該有機溶媒と相溶性のある有機溶媒の溶液であることが好ましい。
高分子化合物の溶液の一例として、高分子化合物が水不溶性高分子化合物であり、かつ該水不溶性高分子化合物の溶液として水溶液を用いる場合には、ナノファイバ形成後の処理によって水不溶性となる水溶性の高分子化合物を含む水溶液を用いることができる。水溶液を用いることは、水不溶性高分子化合物に加えて水溶性高分子化合物を含むナノファイバを製造する場合に特に有利である。ナノファイバ形成後の処理によって水不溶性となる水溶性の高分子化合物としては、ポリビニルアルコールを用いることが有利である。ポリビニルアルコールは水溶性であるととともに、これを加熱乾燥して結晶化させたり、架橋剤と併用して架橋することによって水不溶性に変化するからである。したがって、上述のエレクトロスピニング法によってナノファイバシートを製造した後に、該シートを加熱することで、ポリビニルアルコールからなる水不溶性樹脂を含有するナノファイバを含むナノファイバシートが得られる。加熱条件は、温度60〜200℃、時間1〜200分であることが好ましい。
前記の加熱乾燥後に水不溶性となる高分子化合物を用いる場合には、該高分子化合物と、水溶性高分子化合物とを、同一の溶媒に溶解した原料溶液を用いることが好ましい。この場合の溶媒としては、上述のとおり水を用いることができ、また水に代えて、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いることもできる。
また、高分子化合物の溶液の他の例として、水溶性高分子化合物及び水と相溶可能な有機溶媒に溶解する水不溶性高分子化合物を含み、かつ水及び該有機溶媒の混合溶媒を含む溶液を挙げることができる。そのような有機溶媒と水不溶性高分子化合物との組み合わせとしては、例えばオキサゾリン変性シリコーンとエタノール又はメタノールとの組み合わせや、ツエインとエタノール又はアセトンとの組み合わせ等が挙げられる。
更に、高分子化合物の溶液の別の例として、水及び有機溶剤に溶解することが可能な水溶性高分子化合物と、該有機溶剤に溶解することが可能な水不溶性高分子化合物とを、該有機溶剤に溶解した溶液を挙げることができる。そのような水溶性高分子化合物と水不溶性高分子化合物との組み合わせとしては、例えばヒドロキシプロピルセルロースとポリビニルブチラールとの組み合わせ等が挙げられる。
高分子化合物の溶液が前記のいずれの場合であっても、該溶液における高分子化合物の濃度(2種以上の高分子化合物を用いる場合には、それらの合計量の濃度)は、5〜35質量%、特に10〜25質量%であることが好ましい。
高分子化合物の溶液と、上述の着色顔料のスラリーとを混合してエレクトロスピニング用の噴霧液を調製するに際しては、該溶液及び該スラリーの濃度がそれぞれ上述の範囲であることを条件として、該噴霧液に占める高分子化合物の溶液の割合は40〜80質量%、特に50〜70質量%であることが好ましく、着色顔料のスラリーの割合は20〜60質量%、特に30〜50質量%であることが好ましい。
このようにして得られた噴霧液を、エレクトロスピニング法に付すことで、目的とするナノファイバシートを有する本発明のシート状化粧料が得られる。このシート状化粧料を、使用者の肌に貼付する場合には、使用者の肌を液状物で湿潤させるか、又はシート状化粧料におけるナノファイバシートの表面を液状物で湿潤させた状態下に、該ナノファイバシートの側の面を肌に当接させることが好ましい。これによって、表面張力の作用でナノファイバシートが肌に良好に密着する。ナノファイバ中に水溶性高分子化合物が含まれている場合には、該水溶性高分子化合物が水に溶解してバインダとして作用し、ナノファイバシートと肌との密着性が向上する。
肌又はナノファイバシートの表面を湿潤状態にするためには、例えば各種の液状物を塗布又は噴霧すればよい。塗布又は噴霧される液状物としては、水性の液体又は油性の液体が用いられる。液状物は、それが水性の液体及び油性の液体のいずれであっても表面張力が高いほど好ましい。
ナノファイバに水溶性高分子化合物が含まれている場合には、液状物として油性の液体を用いることもできるが、水性の液体を用いることが一層好ましい。水性の液体としては、水を含み、かつ25℃において5000mPa・s程度以下の粘性を有する物質が用いられる。そのような液状物としては、例えば水、水溶液及び水分散液等が挙げられる。また、O/WエマルションやW/Oエマルション等の化粧用乳化液、増粘剤で増粘された液なども挙げられる。具体的には、肌の表面を湿潤させるための液体として、化粧水や化粧クリームを用いることができる。
また、上述の化粧水や化粧クリームに代えて、又はそれらと併用して、固形ないし半固形の化粧下地を肌に施した後に、当該部位にナノファイバシートを貼付することもできる。化粧下地を肌に施すことで肌の表面が滑らかになり、その状態下にナノファイバシートが肌に貼付されるので、ナノファイバシートと肌との密着性が一層良好になるとともに、ナノファイバシートと肌との一体感が一層高まる。
液状物の塗布又は噴霧によって肌又はナノファイバシートの表面を湿潤状態にする程度は、該液状物の表面張力が十分に発現する程度の少量で十分である。また、液状物として水性の液体を用いる場合には、該水性の液体の表面張力が十分に発現し、かつ水溶性高分子化合物が溶解する程度の少量で十分である。具体的には、ナノファイバシートの大きさにもよるが、その大きさが例えば3cm×3cmの正方形の場合、0.01ml程度の量の液状物を肌に存在させることで、ナノファイバシートを容易に肌に付着させることができる。また、液状物として水性の液体を用い、かつ水溶性高分子化合物を用いる場合には、ナノファイバ中の該水溶性高分子化合物を溶解させてバインダ効果を発現させることができる。
本発明のシート状化粧料が、ナノファイバシートと基材シートとの積層シートからなる場合には、該積層シートにおけるナノファイバシート側の面を肌と対向させて、ナノファイバシートを肌に当接させる。その後、基材シートをシート状化粧料から剥離除去することで、ナノファイバシートのみを肌に転写して付着させることができる。この方法によれば、剛性が低く取り扱い性が良好とは言えないナノファイバシートを、肌に首尾良く付着させることができる。
ナノファイバシートと肌との間に液状物が介在する状態では、該液状物の存在に起因してナノファイバ間の結合が弱くなっている。特にナノファイバが水溶性高分子化合物を含む場合には、ナノファイバシートを肌に付着させた後の状態において、ナノファイバ中の水溶性高分子化合物が液状物に溶解してナノファイバ間の結合が一層弱くなっている。この状態下に、ナノファイバシートの周縁部の繊維結合をずらし、該ナノファイバシートと肌との間の段差を緩和することができる。これによって、ナノファイバシートと肌の境目が目立たなくなり、ナノファイバシートと肌との視覚上の一体感が高まる。ナノファイバシートの周縁部の繊維結合をずらすためには例えば、肌に付着させた後に、液状物によって湿潤状態になっているナノファイバシートの周縁部に剪断力を加えればよい。剪断力を加えるためには、例えば指や爪、あるいはメイクアップに使用するスポンジやヘラ等の道具でナノファイバシートの周縁部を軽く擦ったり、撫でつけたりすればよい。
このようにして、ナノファイバシートを肌に転写して貼着することで、小じわや毛穴といった肌の表面の微細な凹凸が、ナノファイバシートに転写されて凹凸の程度が緩和され、肌理が整ったように見せることができる。しかも、貼付後のナノファイバシートの凹凸の状態は、その貼付前の使用者の肌の凹凸を反映したものとなり、極めて自然な表面形状及びつやを呈するので、例えばシリコンシート等の厚膜の貼付物を貼付したときのような不自然さを知覚しにくい。また、ナノファイバシートを肌に転写して貼着することで、しみ、そばかす、目の隈等の色むらが、着色されたナノファイバシートによって隠蔽されて軽減され、コンシーラー的な作用が発揮される。肌に貼付されたナノファイバシートは、肌との密着性が高いので、例えば終日貼付していても、肌との一体感が損なわれにくい。長時間にわたってナノファイバシートを肌に貼付していても、該ナノファイバシートは通気性を有することから、肌が本来的に有する調節機構は妨げられにくい。その上、長時間にわたってナノファイバシートを肌に貼付していても、指で摘んで剥離するだけの簡単な操作で除去を容易に行える。
このようにして、ナノファイバシートを肌に転写して貼着した後に、該ナノファイバシート上に化粧料を施すことができる。これによってナノファイバシートと肌との視覚上の一体感が一層高まる。この場合、用いることのできる化粧料としては、例えば油剤そのもの又は該油剤を含有する乳液が挙げられる。これらを施すことで、ナノファイバシートを構成するナノファイバ間に油剤が保持されることとなり、ナノファイバシートと肌との視覚上の一体感が一層高まる。油剤としては、室温(25℃)での粘度が5.5〜100mPa・sのものを用いることが好ましく、特に化粧持続性の観点から炭化水素油よりもポリジメチルシロキサン(シリコーン油)を用いることが好ましい。
前記の油剤や該油剤を含有する乳液を、肌に転写されたナノファイバシート上に施した後、あるいは前記の油剤や該油剤を含有する乳液を施さずに、ナノファイバシート上に、ファンデーションを始めとする各種の粉末化粧料を施すこともできる。この場合、ナノファイバシートにおけるナノファイバの太さや、ナノファイバ間の繊維間距離に起因して、ナノファイバシート上での粉末化粧料の化粧のりは良好なものとなるので、肌に直接粉末化粧料を施した部位と、粉末化粧料が施されたナノファイバシートとの間での視覚上の一体感が高まる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記の実施形態においては、ナノファイバの製造方法として、エレクトロスピニング法を採用した場合を例にとり説明したが、ナノファイバの製造方法はこれに限られず、これまでに知られているナノファイバの製造方法を適宜採用することができる。
また、図1に示すエレクトロスピニング法においては、形成されたナノファイバが板状の導電性コレクタ33上に堆積されるが、これに代えて導電性の回転ドラムを用い、回転する該ドラムの周面にナノファイバを堆積させるようにしてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
(1)茶色スラリーの調製
以下の表1に示す処方の茶色スラリーを調製した。詳細には、各原料をビーカーに量りとり、ディスパー(プライミクス株式会社製、ROBOMICS−4.0)によって1000rpm×10分間分散させた。次いでガラスビーズの入ったミルカップに試料を移し、カップを冷却しながら2300rpm×30分間ビーズ式湿式微粒分散粉砕機(RMB型バッチ式レディーミル、アイメックス株式会社製、RMB−08)によって顔料を解砕・分散させた。その後、試料を濾過して茶色スラリーを得た。
(2)白色スラリーの調製
以下の表2に示す処方とする以外は、前記の(1)と同様にして白色スラリーを調製した。
(3)粒度分布の測定
得られた各スラリーを、大塚電子株式会社製粒度分布計・FAR−1000を用いて粒度分布の測定を行った。その結果、白色スラリーの平均粒子径は約220nm、茶色スラリーの平均粒子径は約290nmであり、おおよそ粉体の一次粒子径に近かった。
(4)高分子化合物の水溶液の調製
高分子化合物として、水不溶性高分子化合物である完全鹸化ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ(株)鹸化度:99%以上)を用いた。これを水に溶解して濃度15%の水溶液を調製した。
(5)噴霧液の調製
白色スラリー、茶色スラリー及び高分子化合物の水溶液を混合してエレクトロスピニング用の噴霧液を調製した。この噴霧液に占める白色スラリーの割合は20%、茶色スラリーの割合は20%、高分子化合物の水溶液の割合は60%であった。
(6)エレクトロスピニング法の実施
得られた噴霧液を用い、図1に示す装置によって、基材シートとなるべきポリエチレンテレフタレートメッシュ(ボルティングクロス テトロン#120、東京スクリーン(株)、テーバーこわさ0.13mNm)の表面にナノファイバシートを形成した。ナノファイバの製造条件は次のとおりである。
・印加電圧: 27kV
・キャピラリ−コレクタ間距離: 185mm
・水溶液吐出量: 1ml/h
・環境: 28℃、36%RH
得られたナノファイバシートを、200℃で30分間加熱処理し、完全鹸化ポリビニルアルコールを結晶化させ水不溶化した。このようにして得られたナノファイバシートの厚みは8.3μmであった。ナノファイバの太さは100〜500nmであった。ナノファイバに占める顔料の割合は、それらの合計量で47%であった。ナノファイバシートの着色の程度はマンセル表色系で表して、色相7.6YR、明度7.8、彩度4.3であった。このようにして、基材シート上にナノファイバシートが積層されてなるシート状化粧料を得た。
〔評価〕
実施例1で得られたシート状化粧料について、(イ)シートの品質、(ロ)肌に貼付したシートの効果、及び(ハ)ファンデーションをシートの上から塗布したときの化粧仕上がりについて評価を行った。その結果を以下の表5に示す。
(イ)のシートの品質については、ナノファイバシートの厚みを上述の方法で測定し、また外観色を目視観察した。更にシート状化粧料の色むらを評価した(評価(1))。
(ロ)の肌に貼付したシートの効果については、貼付後の肌への密着性(評価(2))、肌の色むら隠し効果(評価(3))、肌上の微細な凹凸隠し効果(評価(4))を評価した。
(ハ)のファンデーションをシートの上から塗布したときの化粧仕上がりについては、シートの目立ちの無さを評価した(評価(5))。
以上の評価(1)〜評価(5)の評価方法は以下のとおりである。
〔評価(1)シート状化粧料の色むら〕
10人のパネラーに、得られたシート状化粧料におけるナノファイバシートの表面を目視観察させ、その外観を以下の基準で採点させた。採点値の平均を得点とした。
3点:色むらがなく、均一な外観を呈している。
2点:色むらが若干あり不均質な外観を呈している。
1点:色むらが著しく、粉体の凝集物が観察される。
〔評価(2)貼付後の肌への密着性〕
41歳の男性(1名)を被験者とした。該被験者の全顔を一般に市販されている洗顔料を用いて洗浄し、次いでタオルを用いて水滴を除去した。その後、表3に示した組成の乳液を用いて肌を湿潤させてから、およそ20mmφに切り取られた実施例1のシート状化粧料を、ナノファイバシートが肌と当接するように、鼻脇から頬にかけて貼付した。次いでシート状化粧料から基材シートを剥離除去した。引き続き、貼付したナノファイバシートの上から前記の乳液を少量塗布し、化粧品専門評価者10名にナノファイバシートの肌への密着性について以下の基準で比較評価した。10名の評価値の平均を得点とした。
3点:肌の肌理にまでぴったりと密着し、あたかも肌と一体化しているように見える。
2点:肌に密着し、浮きもない。
1点:若干肌から浮いている部分がある。
0点:肌へ全く密着せずにシートが浮いている。
〔評価(3)肌の色むら隠し効果〕
左頬に大きな濃いしみのある41歳の男性(1名)を被験者とした。該被験者の全顔を一般に市販されている洗顔料を用いて洗浄し、次いでタオルを用いて水滴を除去した。その後、表3に示した組成の乳液を用いて肌を湿潤させてから、およそ20mmφに切り取られた実施例1のシート状化粧料を、ナノファイバシートが肌と当接するように、しみ部分に貼付した。次いでシート状化粧料から基材シートを剥離除去した。引き続き、貼付したナノファイバシートの上から前記の乳液を少量塗布し、化粧品専門評価者10名にナノファイバシート貼付前の被験者の左頬を中心とした写真を提示し、写真のしみ目立ちに対してナノファイバシート貼付後の目立ち方を以下の基準で比較評価させた。10名の評価値の平均を得点とした。
3点:しみ跡が完全にわからない。
2点:しみ跡がほとんどわからない。
1点:しみ跡がややわかる。
0点:しみ跡が完全にわかる。
〔評価(4)肌上の微細な凹凸隠し効果〕
加齢により肌理(キメ)が粗くなったと感じている40歳の女性(1名)を被験者とした。前記と同様の操作によって、ナノファイバシートを鼻脇から左頬にかけて貼付した。化粧品専門評価者10名に被験者の左右の化粧仕上がりの差を以下の基準で評価させた。10名の評価値の平均を得点とした。
3点:左頬の方が微細な凹凸が整って見える。
2点:左頬の方が微細な凹凸がやや整って見える。
1点:左右で差が全くない。わからない。
0点:右頬の方が微細な凹凸が整って見える。
〔評価(5)シートの目立ちの無さ〕
評価(4)の後に、貼付したナノファイバシートの上から、前記の表3に示した組成の乳液を少量塗布し、その上に以下の表4に示した組成のパウダーファンデーションを塗布した。このとき、ナノファイバシートを貼付した部位へのパウダーファンデーションの塗布する際には、中央から外周方向に向けてスポンジを滑らせるように塗布した。ファンデーションを塗布した後の化粧仕上がりについて、化粧品専門評価者10名に以下の基準で評価させた。10名の評価値の平均を得点とした。
3点:貼付場所が肌に自然になじんで完全にわからない。
2点:貼付場所がほとんどわからない。
1点:貼付場所がややわかる。
0点:貼付場所がはっきりわかる。
〔実施例2〕
実施例1で行った各評価において、ナノファイバシートを貼付した後、乳液の代わりにシリコーン油を、ナノファイバシートに塗布した。その後に、実施例1で行った各評価と同様の評価を行った。それらの結果を表5に示す。
〔実施例3〕
水溶性高分子化合物としてプルラン(林原商事(株))を用いた。水不溶性高分子化合物として完全鹸化ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ(株)鹸化度:99%以上)を用いた。これらを水に溶解して高分子化合物の水溶液を得た。この水溶液におけるプルランの濃度は2%、完全鹸化ポリビニルアルコールの濃度は13%であった。この水溶液を、実施例1で用いた白色スラリー及び茶色スラリーと混合してエレクトロスピニング用の噴霧液を得た。この噴霧液に占める白色スラリーの割合は20%、茶色スラリーの割合は20%、高分子化合物の水溶液の割合は60%であった。この噴霧液を用いる以外は実施例1と同様にしてシート状化粧料を得た。得られたシート状化粧料におけるナノファイバシートの厚みは8.4μmであった。ナノファイバの太さは100〜500nmであった。ナノファイバに占める顔料の割合は、それらの合計量で47%であった。ナノファイバシートの着色の程度はマンセル表色系で表して、色相7.3YR、明度7.5、彩度4.7であった。このシート状化粧料について、実施例1と同様の操作によりシート状化粧料を貼付し、次いで肌上に残ったナノファイバシートの周縁部を指の爪で軽く擦って繊維結合をずらし、ナノファイバシートと肌との間の段差を緩和した。その後、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表5に示す。
〔実施例4〕
実施例3で行った各評価において、ナノファイバシートを貼付した後、乳液の代わりにシリコーン油を、ナノファイバシートに塗布した。その後に、実施例1で行った各評価と同様の評価を行った。その結果を表5に示す。
〔実施例5〕
実施例1で行った各評価において、ナノファイバシートを貼付した後、乳液もシリコーン油も塗布せずに、水のみをナノファイバシートに塗布した。その後に、実施例1で行った各評価と同様の評価を行った。それらの結果を以下の表5に示す。
〔比較例1〕
実施例1の高分子溶液を用い、着色スラリーを配合せずにエレクトロスピニング用の噴霧液とした。この噴霧液を用いる以外は実施例1と同様にしてシート状化粧料を得た。得られたシート状化粧料におけるナノファイバシートの厚みは8.1μmであった。ナノファイバの太さは100〜480nmであった。得られたナノファイバシートは白色の無彩色であった。このシート状化粧料について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表5に示す。
〔比較例2〕
実施例3の高分子溶液を用い、着色スラリーを配合せずにエレクトロスピニング用の噴霧液とした。この噴霧液を用いる以外は実施例1と同様にしてシート状化粧料を得た。得られたシート状化粧料におけるナノファイバシートの厚みは8.1μmであった。ナノファイバの太さは100〜480nmであった。得られたナノファイバシートは白色の無彩色であった。このシート状化粧料について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を以下の表5に示す。
表5に示す結果から明らかなように、実施例で得られたナノファイバシートは、膜の均質性に優れ、色むら隠し効果及び肌上の微細な凹凸を整えて見せる効果を有し、しかも乳液などを塗布することでファンデーション使用時にも自然に仕上がるという、今までの貼付剤にはない特性を有しているものであることが判る。
なお、ナノファイバシートの色むらに関し、色むらがなく、均一な外観を呈しているサンプルの一例の写真を図2(a)に示す。また、色むらが著しく、粉体の凝集物が観察されるサンプルの一例の写真を図2(b)に示す。例えば、実施例1のナノファイバシートの状態は、図2(a)のサンプルに相当するものである。
30 装置
31 シリンジ
32 高電圧源
33 導電性コレクタ

Claims (10)

  1. 着色顔料を含む高分子化合物のナノファイバのシートを有するメイクアップ用シート状化粧料。
  2. 前記ナノファイバのシートはその外観色が、マンセル表色系において、色相5.0R〜9.8YR、明度5.0〜8.0、彩度2.5〜6.0の範囲内にある請求項1記載のメイクアップ用シート状化粧料。
  3. 平均粒径が10〜1000nmの異なる2色以上の着色顔料を、ナノファイバに対して1〜50質量%含むものである請求項1又は2記載のメイクアップ用シート状化粧料。
  4. 前記ナノファイバが水不溶性樹脂を含むものである請求項1ないし3のいずれか一項に記載のメイクアップ用シート状化粧料。
  5. 前記ナノファイバのシートの一方の面に基材シートを有し、該ナノファイバのシートと該基材シートとが剥離可能になっている請求項1ないし4のいずれか一項に記載のメイクアップ用シート状化粧料。
  6. 請求項5記載のメイクアップ用シート状化粧料を用いた化粧方法であって、
    前記ナノファイバのシートの表面又は肌を湿潤させた状態下に、前記メイクアップ用シート状化粧料における前記ナノファイバのシート側の面を肌に当接させ、
    次いで前記メイクアップ用シート状化粧料から前記基材シートを剥離して、前記ナノファイバのシートを肌に転写する化粧方法。
  7. 前記ナノファイバのシートを肌に転写させた後、該ナノファイバのシートの周縁部の繊維結合をずらし、該ナノファイバのシートと肌との間の段差を緩和する請求項6記載の化粧方法。
  8. 請求項1記載のメイクアップ用シート状化粧料の製造方法であって、
    着色顔料が液媒体に分散させてなるスラリーと、高分子化合物の溶液とを混合して噴霧液を調製し、
    前記噴霧液を用いてエレクトロスピニング法によりナノファイバの堆積を行うメイクアップ用シート状化粧料の製造方法。
  9. 前記液媒体が揮発性溶媒である請求項8記載のメイクアップ用シート状化粧料の製造方法。
  10. 前記スラリーが、前記着色顔料の分散剤又は消泡剤の少なくとも1つを含むものである請求項8又は9記載のメイクアップ用シート状化粧料の製造方法。
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