JP5512144B2 - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、薄膜トランジスタ及びその製造方法に関する。
電界効果型薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)は、基板上に、少なくとも、ゲート電極、ゲート絶縁層、活性層、ソース電極及びドレイン電極を有している。
このTFTの製造方法の中で、ソース電極及びドレイン電極(ソース・ドレイン電極)のパターニング方法には、例えば、図9に示すようなフォトリソグラフィー法とエッチング法によるパターニング方法がある。このパターニング方法では、(1)活性層を成膜後、(2)全面に導電層を成膜する。この上に、(3)フォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成する。次に、(4)レジストで保護されていない箇所の導電層をエッチング液により溶解除去する。最後に(5)アルカリ液などによりレジストを溶解する。この結果、ソース・ドレイン電極が形成される。
このパターニングの際、導電層がソース電極及びドレイン電極(ソース・ドレイン電極)間に残って導通することを避けるため、一般的にオーバーエッチングを施している。
ここで、TFTの半導体層(活性層)を構成する材料としては、非晶質シリコンや多結晶シリコンが用いられてきたが、近年では、酸化物半導体を用いることが提案されている。例えば、In−Ga−Zn−O系ホモロガス酸化物半導体(以下、適宜、「IGZO」という。)は室温成膜が可能である上、非晶質シリコンと同等以上の移動度を達成することができるため、TFTの活性層を構成する材料として注目を浴びている。
しかし、TFTの活性層としてIGZOを用いる場合、非晶質IGZO(a−IGZO)膜は、従来、活性層として一般的に用いられてきたシリコン等の半導体材料と比べて酸又はアルカリのエッチング液や剥離液に対する耐性が極めて低いため、ソース・ドレイン電極形成時に、エッチング液や剥離液によって活性層がダメージを受け、閾値電圧のシフトの増加等、TFT特性の劣化を招いている(図8参照)。
そこで、特許文献1には、活性層とソース・ドレイン電極との間にソース・ドレイン電極を形成する金属を含有した金属酸化物を設ける方法が提案されている。
また、特許文献2には、基板上に、ソース・ドレイン電極、a−IGZO膜からなる活性層、ゲート絶縁層、ゲート電極を順次形成してTFTを作製した後、該活性層上を保護膜で覆う方法が提案されている。
さらに、特許文献3には、基板上に、ゲート電極を形成し、第1の絶縁膜、酸化物半導体層を順次形成・パターニングし、次いで、第2の絶縁膜を形成・パターニングし、ソース・ドレイン電極を形成した後、該第2の絶縁膜をエッチングストッパーとして用い、ソース・ドレイン電極をパターニングする方法が提案されている。
特開2008−219008号公報 特開2007−73705号公報 特開2008−166716号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、ソース・ドレイン電極のコンタクト性を向上させることを目的として活性層とソース・ドレイン電極との間に金属酸化物を設けており、活性層上のソース・ドレイン電極を除いた部分には金属酸化物が形成されない。よって、ソース・ドレイン電極形成時に活性層がダメージを受けてしまう。
また、特許文献2に開示されている方法では、TFTを作製した後に活性層上を保護膜で覆うため、活性層上のゲート絶縁層形成時には、活性層がダメージを受けてしまう。
さらに、特許文献3に開示されている方法では、活性層上にエッチングストッパー層としての第2の絶縁膜を形成しておくため、ソース・ドレイン電極形成時の活性層へのダメージを防ぐことが可能であるが、エッチングストッパー層を形成するための成膜、フォトリソグラフィー、エッチング等の工程が増加し、生産性の低下や製造コストの上昇を招き易い。
本発明は、ソース・ドレイン電極形成時の活性層へのダメージを抑制するとともに、製造工程の簡略化を図ることが可能な薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の上記課題は下記の手段によって解決された。
<1>活性層の上面側でソース電極及びドレイン電極が接触するトップコンタクト型の薄膜トランジスタであって、
前記活性層は、非晶質酸化物半導体を主成分として含有し、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極の少なくとも一方を構成する材料から化学変化した半導体又は絶縁体で、前記活性層上の前記ソース電極と前記ドレイン電極を除いた部分に形成され、前記ソース電極及び前記ドレイン電極よりも厚みが薄い保護薄膜を含むことを特徴とする薄膜トランジスタ。
>前記ソース電極又は前記ドレイン電極を構成する材料は、Al、Mo、Ti、Cr、W、In又はZnのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする<1>に記載の薄膜トランジスタ。
>前記保護薄膜の電気抵抗率は、前記活性層の電気抵抗率以上であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の薄膜トランジスタ。
>前記保護薄膜は、金属酸化物、金属窒化物、又は金属塩化物からなる絶縁体であることを特徴とする<1>〜<>のいずれか1つに記載の薄膜トランジスタ。
>基板又は絶縁膜上に非晶質酸化物半導体を主成分として含有する活性層を形成する第1工程と、
前記活性層を覆う導電層を形成する第2工程と、
前記導電層をエッチングによってパターニングすることにより、前記活性層の上面に接触するソース電極及びドレイン電極を形成するとともに、前記活性層上の前記ソース電極と前記ドレイン電極を除いた部分に前記ソース電極及び前記ドレイン電極よりも厚みが薄い導電層を、前記活性層を保護する第1保護薄膜として残存させる第3工程と、
前記第1保護薄膜を、半導体又は絶縁体に化学変化させて、前記活性層を保護する第2保護薄膜を得る第4工程と、
を含むことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
>前記第4工程は、前記第1保護薄膜の電気抵抗率を、前記活性層の電気抵抗率以上に変化させる工程であることを特徴とする<>に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
>前記第4工程は、前記第1保護薄膜を絶縁体に化学変化させる絶縁化工程であることを特徴とする<>に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
>前記ソース電極、前記ドレイン電極、及び前記第1保護薄膜は、Al、Mo、Ti、Cr、W、In又はZnのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする<>〜<>のいずれか1つに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
>前記第4工程は、前記第1保護薄膜に熱処理、プラズマ処理、又はオゾン処理を施す工程であることを特徴とする<>に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
10>前記第3工程において、前記第1保護薄膜は、前記導電層のエッチング時間を制御することによって形成されることを特徴とする<>〜<>のいずれか1つに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
11>前記第3工程は、前記ソース電極及び前記ドレイン電極が形成される領域の前記導電層上にレジストパターンを形成する工程を含み、
前記第4工程では、前記レジストパターンが形成されたまま、前記第1保護薄膜を半導体又は絶縁体に化学変化させた後に、前記レジストパターンを剥離することを特徴とする<>〜<10>のいずれか1つに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
本発明によれば、ソース・ドレイン電極形成時の活性層へのダメージを抑制するとともに、製造工程の簡略化を図ることが可能な薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供することができる。
本実施形態に係るTFTであって、トップコンタクト型で、かつ、逆スタガ構造の一例を示す概略断面図である。 本実施形態に係るTFTであって、トップコンタクト型で、かつ、スタガ構造のTFTの一例を示す概略断面図である。 第1の領域と第2の領域とを有した、図1に示すTFTの変形例を示した図である。 図1中の矢印A方向からTFTを見たときの概略図である。 図1に示すTFTの製造方法の主要部分工程図である。(a)は活性層の成膜工程を示す図であって、(b)は導電層の成膜工程を示す図であり、(c)はレジストの形成工程を示す図であり、(d)はエッチング工程を示す図であり、(e)は第1保護薄膜の化学変化工程を示す図であり、(f)はレジストの溶解剥離工程を示す図である。 図2に示すTFTの製造方法の主要部分工程図であり、図5に示す製造工程の変形例である。(a)は活性層の成膜工程を示す図であって、(b)は導電層の成膜工程を示す図であり、(c)はレジストの形成工程を示す図であり、(d)はエッチング工程を示す図であり、(e)はレジストの溶解剥離工程を示す図であり、(f)は第1保護薄膜の化学変化工程を示す図である。 実施例1のTFT素子1の伝達特性を示す電流−電圧特性曲線である。 比較例1の比較TFT素子1の伝達特性を示す電流−電圧特性曲線である。 従来のエッチング法によるソース・ドレイン電極のパターニング工程を示す模式図である。
以下、本発明の薄膜(電界効果型)トランジスタ、及び本発明の薄膜トランジスタの製造方法の一の実施の形態について、図面を用いて説明する。
なお、実質的に同様の機能を有するものには、全図面通して同じ符号を付して説明し、場合によってはその説明を省略することがある。
1.薄膜トランジスタ(TFT)の構造
本実施形態に係るTFTは、少なくとも、ゲート電極、ゲート絶縁層、活性層、ソース電極及びドレイン電極を有し、ゲート電極に電圧を印加して、活性層に流れる電流を制御し、ソース電極とドレイン電極間の電流をスイッチングする機能を有するアクテイブ素子である。
TFT構造としては、活性層が該活性層の上面側(活性層の基板とは反対側の面)でソース電極及びドレイン電極に接するトップコンタクト型の構成であれば、逆スタガ構造(ボトムゲート型とも呼ばれる)及びスタガ構造(トップゲート型とも呼ばれる)のいずれの態様であってもよい。
図1は、本実施形態に係るTFTであって、トップコンタクト型で、かつ、逆スタガ構造の一例を示す概略断面図である。TFT10は、基板12の上にゲート電極14と、ゲート絶縁層16と、活性層18とを順に積層して有し、活性層18の表面上にソース電極20及びドレイン電極22が互いに離間して設置された構成である。
一方、図2は、本実施形態に係るTFTであって、トップコンタクト型で、かつ、スタガ構造のTFTの一例を示す概略断面図である。TFT30は、基板32の表面上に活性層34が積層され、活性層の表面上にソース電極36及びドレイン電極38が互いに離間して設置され、これらの上にゲート絶縁層42と、ゲート電極44とを順に積層した構成である。
そして、本実施形態のTFT10、30では、上記構成の他に、活性層18、34を後述するエッチング液や剥離液などから保護して、活性層18、34へのダメージを抑制する第2保護薄膜24、40を有している。なお、第2保護薄膜24、40は、後述する第1保護薄膜56、66(図5(d)、図6(d)参照)が化学変化したものである。
以下、本実施形態のTFT10、30の各構成について具体的に説明する。
(基板)
TFT10、30の基板12、32を構成する材料としては、例えば、ガラス、YSZ(ジルコニア安定化イットリウム)等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。基板12を構成する材料として、上記有機材料を用いる場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性、又は低吸湿性等に優れた材料を選択することが好ましい。
この基板12、32としては、可撓性を有することが好ましく、この可撓性を有する観点から、上記有機材料をフィルム状とした有機プラスチックフィルムを用いることが好ましい。また、この基板12、32の絶縁性が不十分の場合には絶縁層を設けたり、基板12、32に更に、水分や酸素の透過を防止するためのガスバリア層、フィルム状プラスチック基板の平坦性や電極又は活性層との密着性を向上するためのアンダーコート層等を積層した構成としてもよい。
基板12、32の厚みは、50μm以上500μm以下とすることが好ましい。基板12、32の厚みが50μm未満であると、基板12、32自体が十分な平坦性を保持することが難しい場合がある。基板12、32の厚みが500μmよりも厚いと、基板12、32自体を自由に曲げることが困難になり、すなわち基板12、32自体の可撓性が乏しくなる。
(ゲート電極)
ゲート電極14、30は、図1又は図2に示すように、基板12又はゲート絶縁層42上に形成される。
ゲート電極14、30を構成する材料としては、例えば、Al、Mo、Cr、Ta、Ti、Au、またはAg等の金属、Al−Nd、APC等の合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物が挙げられる。
このゲート電極14、30の厚みは、10nm以上1000nm以下とすることが好ましく、20nm以上500nm以下とすることが更に好ましく、40nm以上100nm以下とすることが特に好ましい。
(ゲート絶縁層)
ゲート絶縁層16、42は、図1又は図2に示すように、基板12とゲート電極14上、又はソース電極36とドレイン電極38と第2保護薄膜40上に形成される。
ゲート絶縁層16、42を構成する材料としては、比誘電率の高い無機化合物や有機化合物が挙げられる。
無機化合物としては、酸化珪素、窒化珪素、酸化ゲルマニウム、窒化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化窒化珪素、酸化炭化珪素、窒化炭化珪素、酸化窒化炭化珪素、酸化窒化ゲルマニウム、酸化炭化ゲルマニウム、窒化炭化ゲルマニウム、酸化窒化炭化ゲルマニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム、窒化炭化アルミニウム、酸化窒化炭化アルミニウムやこれらの混合物が挙げられる。
有機化合物としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、およびシアノエチルプルラン等が挙げられる。また、これらのポリマー微粒子に無機酸化物を被覆した粒子も挙げられる。
ゲート絶縁層16、42の膜厚としては、10nm以上1000nm以下が好ましく、50nm以上500nm以下が更に好ましく、100nm以上300nm以下が特に好ましい。ゲート絶縁層16、42はリーク電流を減らすため、また電圧耐性を上げる為に、ある程度膜厚を厚くする必要がある。しかし、ゲート絶縁層16、42の膜厚を厚くすると、TFT10、30の駆動電圧の上昇を招く結果となる。その為、ゲート絶縁層16、42の膜厚は、上記範囲内とすることが好ましい。
(活性層)
活性層18、34は、ゲート絶縁層16上又は基板32上に形成される。
活性層18、34を構成する材料としては、例えば、非晶質酸化物半導体等、非晶質シリコンや多結晶シリコンに比べ、酸又はアルカリのエッチング液や剥離液に対する耐性が弱い材料が挙げられる。
無論、活性層18、34は、エッチング液や剥離液以外の他の要因によってダメージを受ける可能性があるので、非晶質シリコンや多結晶シリコン等、酸又はアルカリのエッチング液や剥離液に対する耐性が強い材料を用いても良い。
なお、上記「他の要因によってダメージを受ける」一例としては、図2に示すようなTFT30の場合、第2保護薄膜40が無ければ、ゲート絶縁層42の成膜時に、活性層34がダメージを受けることが挙げられる。また、TFT10、30の完成後においても周囲の環境によって活性層34がダメージを受ける可能性がある。
活性層18、34に用いられる非晶質酸化物半導体は、低温で成膜可能であるために、可撓性のある基板12、32上に好適に形成される。
この非晶質酸化物半導体としては、好ましくはIn、Sn、Zn、Ga、又はCdよりなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む非晶質酸化物であり、より好ましくは、In、Sn、Zn、Gaよりなる群より選ばれる少なくとも1種を含む非晶質酸化物、さらに好ましくは、In、Zn、Gaよりなる群より選ばれる少なくとも1種を含む非晶質酸化物である。
具体的には、In、Ga、ZnO,SnO、CdO,Indium−Zinc−Oxide(IZO)、Indium−Tin−Oxide(ITO)、Gallium−Zinc−Oxide(GZO)、Indium−Gallium−Oxide(IGO)、Indium−Gallium−Zinc−Oxide(IGZO)が挙げられる。
IGZOは、一般的にInGaO(ZnO)(mは6未満の自然数)で表され、本実施形態に係る活性層としては、m≧2の材料系でもよいが、エッチング特性及びデバイス特性の観点からはm=1のものが望ましい。ただし、IGZOの組成比は、厳密にIn:Ga:Zn=1:1:1となる必要はない。また、活性層18、34は、上記のような非晶質酸化物半導体、非晶質シリコン、又は多結晶シリコン等などの材料を主成分として含有していれば良く、その他に不純物等を含有していても良い。ここで、「主成分」とは、活性層18、34を構成する構成成分のうち、最も多く含有される成分を表す。
また、活性層18、34の電気伝導度は、好ましくは10−4Scm−1以上10Scm−1未満であり、より好ましくは10−1Scm−1以上10Scm−1未満である。この活性層18の電気伝導度の調整方法としては、公知の酸素欠陥による調整方法や、組成比による調整方法、不純物による調整方法、酸化物半導体材料による調整方法が挙げられる。
なお、活性層18、34は、1つの領域に限られず、少なくとも第1の領域と該第1の領域より電気伝導度が大きい第2の領域とを有し、該第2の領域がゲート絶縁層16、42と接し、該第2の領域とソース電極20、36及びドレイン電極22、42の少なくとも一方との間に該第1の領域が電気的に接続している構成であってもよい。
図3は、上記第1の領域と上記第2の領域とを有した、図1に示すTFT10の変形例を示した図である。
図3に示すように、TFT100は、活性層102に、第1の領域102aと該第1の領域より電気伝導度が大きい第2の領域102bとを有し、該第2の領域102bがゲート絶縁層16と接し、該第2の領域102bとソース電極20及びドレイン電極22の少なくとも一方との間に該第1の領域102aが電気的に接続している。
ここで、動作安定性の観点から、第2の領域102bの層の膜厚が第1の領域102aの層の膜厚より厚いことが好ましい。
また、別の態様として、活性層102において第1の領域102aと第2の領域102bの間の電気伝導度が連続的に変化している態様も好ましい。
活性層102を構成する材料としては、上述の活性層18、34を構成する材料と同一のものが挙げられる。ただし、活性層102は酸化物半導体を主成分として含有することが好ましい。特に、酸化物半導体はアモルファス状態であることがさらに好ましい。また、第2の領域102bの酸素濃度が第1の領域102aの酸素濃度より低いことが好ましい。
より好ましくは、活性層102を構成する材料の酸化物半導体がIn、GaおよびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種若しくはこれらの複合酸化物を含む。より好ましくは、酸化物半導体がInおよびZnを含有し、第1の領域102aのZnとInの組成比(Inに対するZnの比率Zn/Inで表す)が第2の領域102bの組成比Zn/Inより大きい。
活性層102の電気伝導度としては、第1の領域102aの電気伝導度が、好ましくは10−2Scm−1以下、より好ましくは10−9Scm−1以上10−4Scm−1未満であり、第2の領域102bの電気伝導度より小さい。また、第2の領域102bの電気伝導度が10−4Scm−1以上10Scm−1未満が好ましく、より好ましくは10−1Scm−1以上10Scm−1未満である。
特に、第1の領域102aの電気伝導度に対する第2の領域102bの電気伝導度の比率(第2の領域102bの電気伝導度/第1の領域102aの電気伝導度)が、10以上10以下が好ましい。
第2の領域102bの電気伝導度が10−4Scm−1を下まわると電界効果移動度としては高移動度が得られず、10Scm−1以上ではOFF電流が増加し、良好なON/OFF比が得られないので、好ましくない。
(保護薄膜)
図4は、第2保護薄膜24の上方(基板12と反対側)からの積層方向、すなわち図1中の矢印A方向からTFT10を見たときの概略図である。なお、図2の矢印B方向からTFT30を見たときも、ゲート絶縁層42及びゲート電極44を除けば、図4と同様の概略図となる。
図4に示すように、第2保護薄膜24は、活性層18の表面上のソース電極20とドレイン電極22を除いた部分に積層され、ソース電極20及びドレイン電極22よりも厚みが薄く形成されている。
この第2保護薄膜24の膜厚としては、後述する第1保護薄膜56(図5(d)参照)を化学変化させて該第2保護薄膜24とする際に、第1保護薄膜56によってソース・ドレイン電極間が導通することを避けるように第1保護薄膜56の構成材料を半導体又は絶縁体にしなければならないことや、膜厚が大きい程化学変化に要する時間が増大するといった観点から、化学変化が容易となるように薄く、例えば、1nm以上30nm以下とすることが好ましく、1nm以上20nm以下とすることが更に好ましく、1nm以上10nm以下とすることが特に好ましい。
ここで、半導体とは、10−4〜10Ωmの中抵抗体、絶縁体とは10Ωm以上の高抵抗体を含むものとする。
第2保護薄膜24、40を構成する材料は、後述するソース電極20、36及びドレイン電極22、38の少なくとも一方を構成する材料から化学変化した半導体又は絶縁体である。ただし、第2保護薄膜24、40が半導体であると、TFT10、30、100のオフ状態でリーク電流が発生する場合があるため、この問題を防止可能な絶縁体が好ましい。
半導体又は絶縁体としては、金属酸化物、金属窒化物、又は金属塩化物が挙げられ、この中でも後述する熱処理で化学変化が可能な金属酸化物が特に好ましい。
第2保護薄膜24、40の電気伝導度は、上述した活性層18、34、102の電気伝導度以下、すなわち、第2保護薄膜24、40の電気抵抗率は、活性層18、34、102の電気抵抗率以上であることが好ましい。この電気伝導であれば、仮に、第2保護薄膜24、40が半導体であっても、TFT10、30、100のオフ状態でのリーク電流を抑制することができるからである。
このように、第2保護薄膜24、40がソース電極20、36及びドレイン電極22、38の少なくとも一方を構成する材料が化学変化されたものであるため、特に、特許文献3に記載のソース・ドレイン電極を構成する材料と異なるもので構成された第2の絶縁膜に比べ、製造コストが削減され、もってTFT10、30、100自体の単価を削減することが可能である。
また、第2保護薄膜24、40は、活性層18、34の表面上のソース電極20、36とドレイン電極22、38を除いた部分に積層されているため、活性層18、34、102を後述するエッチング液や剥離液、又はTFT10、30、100の完成後における周囲の環境などから活性層18、34、102の劣化を保護して、活性層18、34、102へのダメージを抑制することができる。
さらに、TFT10、30、100上に作製される電子デバイスと絶縁する役割も果たすことも可能である。
(ソース電極及びドレイン電極)
ソース電極20、36及びドレイン電極32、38を構成する材料としては、この材料が後述する酸化処理等で化学変化されることから、Al、Mo、Ti、Cr、W、In又はZn等の金属が好適に挙げられる。ただし、Al−Nd、APC等の合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物であっても、後述する化学変化工程で半導体又は絶縁体に変化する場合には適用可能である。
形成されるソース電極20、36、及びドレイン電極22、38の層厚は、10nm以上1000nm以下とすることが好ましく、20nm以上500nm以下とすることが更に好ましく、40nm以上400nm以下とすることが特に好ましい。ただし、後述する製造工程で、マスクを剥離した後に第1保護薄膜56を化学変化させた場合(図6(f)参照)、ソース電極20、36、及びドレイン電極22、38の上面側で第1保護薄膜56と同じ厚み部分まで化学変化されるため、少なくとも、第1保護薄膜56よりも膜厚を大きくする必要がある。
2.TFT10の製造方法
以下、図1に示すような、本実施形態に係る逆スタガ構造のTFT10の製造方法について詳細に説明する。
本実施形態では、ソース電極20、ドレイン電極22、第1保護薄膜56、第2保護薄膜24以外は、公知の方法で形成するため、適宜説明を省略する。
図5(a)〜(f)は、図1に示すTFT10の製造方法の主要部分工程図である。
図5(a)は活性層18の成膜工程を示す図であって、図5(b)は導電層50の成膜工程を示す図であり、図5(c)はレジスト52、54の形成工程を示す図であり、図5(d)はエッチング工程を示す図であり、図5(e)は第1保護薄膜56の化学変化工程を示す図であり、図5(f)はレジスト52、54の溶解剥離工程を示す図である。
(ゲート電極形成工程)
TFT10の製造方法として、まず、図5(a)に示す活性層18の形成工程の前に、基板12上にゲート電極14を形成する。
具体的には、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から使用する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って基板12上に成膜する。成膜後、フォトリソグラフィー法によって所定の形状にパターニングを行う。このとき、ゲート電極14及びゲート配線(不図示)を同時にパターニングすることが好ましい。
(ゲート絶縁層成膜工程)
基板12上にゲート電極14を形成した後、ゲート絶縁層16を成膜する。
ゲート絶縁層16も、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から使用する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って基板12及びゲート電極14上に成膜し、必要に応じてフォトリソグラフィー法によって所定の形状にパターニングを行う。
(活性層形成工程)
次に、図5(a)に示すように、ゲート絶縁層16を形成した後、活性層18を形成する。
活性層18の成膜方法としては、酸化物半導体の多結晶焼結体をターゲットとして、気相成膜法を用いるのが好ましい。気相成膜法の中でも、スパッタリング法、パルスレーザー蒸着法(PLD法)が適している。さらに、量産性の観点から、スパッタリング法が好ましい。例えば、RFマグネトロンスパッタリング蒸着法により、真空度及び酸素流量を制御して成膜される。
成膜された膜は、周知のX線回折法によりアモルファス膜であることが確認される。また成膜された膜の組成比は、RBS(ラザフォード後方散乱)分析法により求められる。
ここで、成膜された膜は、図示していないが、適宜パターン加工して活性層18を形成する。活性層18形成時のパターン加工以降に用いるエッチング液に活性層18の耐性が弱い場合、例えば、いわゆるリフトオフ等でパターン形成する方法が最も簡便であるため、この方法を採用することができる。ただし、リフトオフ法では原理的にゴミの発生が避けられず、歩留まりの低下をもたらすことになる。
また、活性層18形成時のパターン加工は、上記リフトオフ法の他に、フォトリソグラフィー法とエッチング法により行うこともできる。具体的には、ゲート絶縁層16上に成膜した膜を、活性層18として残存させる部分にフォトリソグラフィーによってレジストマスクをパターン形成し、シュウ酸、塩酸、硝酸、希硫酸、又は、燐酸、硝酸、及び酢酸の混合液(Alエッチング液;関東化学(株)製)等の酸溶液によりエッチングすることにより活性層18を形成する。特に、燐酸、硝酸、及び酢酸を含む水溶液を用いれば、ゲート絶縁層16上に成膜された膜の露出部分を短時間で除去することができる。
ここで、活性層18が例えば非晶質酸化物半導体を主成分として含有する場合は、シュウ酸のエッチング液(ITO−06N(関東化学(株)製))を使うことが好ましい。
(ソース・ドレイン電極形成工程)
本実施形態に係るTFT10の製造方法は、ソース・ドレイン電極の形成工程が上述した図9のような従来工程とは異なり、以下で詳述する図5(b)〜(f)に示す工程を経る。
(1)導電層成膜工程
図5(b)に示すように、活性層18を成膜した後、少なくとも該活性層18の全上面に導電層50を成膜する。なお、基板12上等の部分にも導電層50が成膜される場合もある(図6(b)参照)。
導電層50の成膜方法は、特に限定されることはなく、印刷方式、コ−ティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って成膜される。例えば、ITOを選択する場合には、直流あるいは高周波スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレ−ティング法等が用いられる。
(2)レジスト形成工程
図5(c)に示すように、ソース・ドレイン電極が形成される領域の導電層50上に、フォトリソグラフィー法によりレジストパターン52、54を形成する。
(3)エッチング工程
図5(d)に示すように、レジスト52、54で保護されていない箇所の導電層50をエッチング液により溶解除去して、ソース電極20及びドレイン電極22を形成する。ここで、本実施形態では、導電層50に対するエッチングレートを考慮してエッチング時間を制御し、意図的に、レジスト52、54で保護されていない箇所(活性層18上のソース電極20及びドレイン電極22が形成される領域の導電層50を除いた部分)の導電層50を完全には除去せず、ソース電極20及びドレイン電極22よりも厚みが薄くなるような第1保護薄膜56として残存させる。
このソース・ドレイン電極形成時のエッチング工程で用いるエッチング液は、特に導電層50がAl、Mo、Ti、Cr、W、In又はZn等の金属からなる場合、導電層50の溶解が容易となるように、酸溶液が好ましく、より好ましくは、燐酸、硝酸、及び酢酸の混合液(Alエッチング液;関東化学(株)製)、過酸化水素水及びフッ酸水溶液の混合液等の酸溶液が挙げられる。なお、上記エッチング工程では、ウェットエッチング法を採用しているが、ドライエッチング法を採用することも可能である。
(4)化学変化工程
図5(e)に示すように、第1保護薄膜56の構成材料を化学変化させて、半導体又は絶縁体の第2保護薄膜24を得る。
この化学変化させる方法としては、酸化処理、還元処理、窒化処理、塩化処理が挙げられる。
酸化処理としては、熱処理、プラズマ処理、又はオゾン処理が挙げられる。中でも、最も簡便な方法である熱処理が好適に挙げられる。
また、酸化処理、還元処理、窒化処理、塩化処理としては他にも、第1保護薄膜56をより確実に化学変化させることが可能な、第1保護薄膜56に酸素イオン、窒素イオン又は塩素イオンを添加するイオン注入法を用いても良い。
なお、この化学変化工程では、ソース電極20及びドレイン電極22上にレジストパターン52、54が形成されたまま、第1保護薄膜56を化学変化させているため、ソース電極20及びドレイン電極22の上面部で第1保護薄膜56と同じ厚み部分まで化学変化されることを防止することができる(図6(f)参照)。
(5)レジスト剥離工程
図5(f)に示すように、ソース電極20及びドレイン電極22上のレジストパターン52、54を、剥離液により溶解剥離する。
この剥離液は、アルカリ溶液であって、具体的には、AZリムーバ100(AZ エレクトロニック マテリアルズ(株)製)、及び104剥離液(東京応化工業(株)製)を用いることができる。
以上の製造工程を経た結果、図1に示すような、本実施形態に係るTFT10を得ることができる。
ここで、例えば、図9に示すようなフォトリソグラフィー法とエッチング法によるパターニング方法によれば、エッチング工程で導電層がエッチングされてソース・ドレイン電極がパターン加工された後に活性層がエッチング液に接触するのを避けることが困難であるという問題点がある。酸化物半導体は一般にソース・ドレイン電極材料のAl等に比べてエッチング速度が速いので、ソース・ドレイン電極のエッチング条件でエッチング液に接触すると速やかに浸食されてしまうからである。
そこで、以上のような本実施形態の製造方法を採用すれば、この問題を解決することができる。即ち、図5(d)に示すように、エッチング工程では、第1保護薄膜56を意図的に残すため、ソース・ドレイン電極がエッチングによってパターン形成された後においても、活性層18は第1保護薄膜56によって覆われているため、エッチング液に直接接触することがなく、活性層18へのダメージを抑制することが可能である。なお、ドライエッチング法によるソース・ドレイン電極を形成した場合でも、通常であれば活性層18がダメージを受ける虞があるが、活性層18は第1保護薄膜56によって覆われているため、該ダメージを抑制することが可能である。
また、図5(d)及び図5(e)に示すように、ソース・ドレイン電極形成時のエッチング工程に化学変化工程を加えるのみで、活性層18へのダメージを抑制することが可能な第1保護薄膜56及び第2保護薄膜24を、ソース電極20及びドレイン電極22と同時に形成することができるため、特許文献3のような新たにエッチングストッパー層を形成する場合と比べ、エッチングストッパー層用の成膜、フォトリソグラフィー、エッチング等の工程が不要で、もって製造工程の簡略化を図ることが可能である。
さらに、図5(e)に示すように、化学変化工程では、第1保護薄膜56を半導体又は絶縁体の第2保護薄膜24に化学変化させるため、第1保護薄膜56によってソース・ドレイン電極間が導通することを避けることが可能である。
さらにまた、図5(f)に示すように、レジスト溶解剥離工程においても、活性層18は第2保護薄膜24によって覆われているため、剥離液に直接接触することがなく、活性層18へのダメージを抑制することが可能である。
また、本実施形態によれば、フォトリソグラフィー法とエッチングによるパターニング法を採用することが出来るので、リフトオフ法に比べ高精細パターニングが可能となる。
さらに、活性層18が第2保護薄膜24によって覆われることから、TFT10が完成した後、活性層18を大気による劣化から保護し、かつ、TFT10上に作製される電子デバイスと絶縁することも可能である。
3.TFT30の製造方法
次に、図2に示すような、本実施形態に係るスタガ構造のTFT30の製造方法について詳細に説明する。
本実施形態では、TFT30を構成するソース電極36、ドレイン電極38、第1保護薄膜66、第2保護薄膜40以外は、公知の方法で形成するため、適宜説明を省略する。
また、これらソース電極36、ドレイン電極38、第1保護薄膜66、第2保護薄膜40の形成工程も、図5に示すようなソース電極20、ドレイン電極22、第2保護薄膜24の形成工程と同様の工程を採用することができる。
よって以下では、図5に示す製造工程とはレジスト溶解剥離工程の順序が異なる変形例を説明する。
図6(a)〜(f)は、図2に示すTFT30の製造方法の主要部分工程図であり、図5に示す製造工程の変形例である。
図6(a)は活性層34の成膜工程を示す図であって、図6(b)は導電層60の成膜工程を示す図であり、図6(c)はレジスト62、64の形成工程を示す図であり、図6(d)はエッチング工程を示す図であり、図6(e)はレジスト62、64の溶解剥離工程を示す図であり、図6(f)は第1保護薄膜66の化学変化工程を示す図である。
(活性層形成工程)
TFT30の製造方法として、まず、図6(a)に示すように、基板32上に活性層34を成膜する。活性層34の成膜方法は活性層18と同一の方法を採用することができる。
(ソース・ドレイン電極形成工程)
次に、本実施形態に係るTFT30の製造方法は、ソース・ドレイン電極の形成工程が上述した図9のような従来工程、及び図5の示す工程とは異なり、以下で詳述する図6(b)〜(f)に示す工程を経る。
(1)導電層成膜工程
図6(b)に示すように、活性層34を成膜した後、該活性層34の全上面に導電層60を成膜する。なお、基板32上等の部分にも導電層60aが成膜される。また、導電層60の成膜方法は、上記導電層50と同一の方法を採用することができる。
(2)レジスト形成工程
図6(c)に示すように、ソース・ドレイン電極が形成される領域の導電層60上に、フォトリソグラフィー法によりレジストパターン62、64を形成する。
(3)エッチング工程
図6(d)に示すように、レジスト62、64で保護されていない箇所の導電層60をエッチング液により溶解除去して、ソース電極36及びドレイン電極38を形成する。ここで、本実施形態では、導電層60に対するエッチングレートを考慮してエッチング時間を制御し、意図的に、レジスト62、64で保護されていない箇所(活性層34上のソース電極36及びドレイン電極38が形成される領域の導電層60を除いた部分)の導電層60を完全には除去せず、ソース電極36及びドレイン電極38よりも厚みが薄くなるような第1保護薄膜66として残存させる。なお、基板32の上にも導電層60aが存在するため、このエッチング工程により、基板32の上に第1保護薄膜66と同程度の厚みを有した余分薄膜66aが残存する。
このソース・ドレイン電極形成時のエッチング工程で用いるエッチング液は、上記ソース電極20及びドレイン電極22の形成時のエッチング液と同一のものを採用することができる。なお、上記エッチング工程では、ウェットエッチング法を採用しているが、ドライエッチング法を採用することも可能である。
(4)レジスト剥離工程
図6(e)に示すように、ソース電極36及びドレイン電極38上のレジストパターン62、64を、アルカリ溶液等の剥離液により溶解剥離する。
(5)化学変化工程
図6(f)に示すように、第1保護薄膜66の構成材料を酸化処理、還元処理等で化学変化させて、半導体又は絶縁体の第2保護薄膜40を得る。
ここで、この化学変化工程では、図5(e)に示す工程と異なり、ソース電極36及びドレイン電極38上がレジストパターン62、64で保護されていないため、ソース電極36及びドレイン電極38の上面部で第1保護薄膜66と同じ厚み部分まで化学変化される。また、基板32上の余分薄膜66aも化学変化されて半導体又は絶縁体の薄膜40aとなる。
しかしながら、この薄膜40aは、ソース電極36及びドレイン電極38よりも薄いため、ソース電極36及びドレイン電極38の機能に殆ど影響を与えず、かつ、基板32の機能にも何ら影響を与えるものではない。
よって、本実施形態では、図6(f)に示すようなレジストパターン62、64を剥離した後に、第1保護薄膜66を化学変化させる工程を採用することができる。なお、逆スタガ型のTFT10の製造方法においても、図5(e)に示す工程以外に、レジストパターン52、54を剥離した後に、第1保護薄膜56を化学変化させる工程を採用することも可能である。
(ゲート絶縁層成膜工程)
図6(a)〜(f)に示す工程を経た後、ゲート絶縁層42を成膜する。
ゲート絶縁層42の形成方法も、ゲート絶縁層16と同一の方法を採用することができる。
(ゲート電極形成工程)
最後に、ゲート絶縁層42上にゲート電極44を形成する。この形成方法も、ゲート電極14と同一の方法を採用することができる。
以上の製造工程を経た結果、図2に示すような、本実施形態に係るTFT30を得ることができる。
このような製造方法を採用すれば、図6(d)に示すように、エッチング工程では、第1保護薄膜66を意図的に残すため、ソース・ドレイン電極がエッチングされた後においても、活性層34は第1保護薄膜66によって覆われているため、エッチング液に直接接触することがなく、活性層34へのダメージを抑制することが可能である。なお、ドライエッチング法によるソース・ドレイン電極を形成した場合でも、通常であれば活性層18がダメージを受ける虞があるが、活性層18は第1保護薄膜56によって覆われているため、該ダメージを抑制することが可能である。
また、図6(e)に示すように、レジスト溶解剥離工程においても、活性層34は第1保護薄膜66によって覆われているため、剥離液に直接接触することがなく、活性層34へのダメージを抑制することが可能である。
さらに、図6(d)及び図6(f)に示すように、ソース・ドレイン電極形成時のエッチング工程に化学変化工程を加えるのみで、活性層34へのダメージを抑制することが可能な第1保護薄膜66を、ソース電極36及びドレイン電極38と同時に形成することができるため、特許文献3のような新たにエッチングストッパー層を形成する場合と比べ、エッチングストッパー層用の成膜、フォトリソグラフィー、エッチング等の工程が不要で、もって製造工程の簡略化を図ることが可能である。
さらにまた、図6(f)に示すように、化学変化工程では、第1保護薄膜66を半導体又は絶縁体の第2保護薄膜40に化学変化させるため、第1保護薄膜66によってソース・ドレイン電極間が導通することを避けることが可能である。
また、フォトリソグラフィー法とエッチングによるパターニング法を採用することが出来るので、リフトオフ法に比べ高精細パターニングが可能となる。
さらに、スタガ構造のTFT30の場合には、活性層34が第2保護薄膜40で覆われているため、ゲート絶縁層42の成膜時に、活性層34が受けるダメージを抑制することができる。
なお、本実施の形態のTFT10、30、100は、液晶やEL素子を用いた画像表示装置、特に(Flat Panel Display:FPD)のスイッチング素子、駆動素子として用いられる。
特に、フレキシブルFPD装置のスイッチング素子、駆動素子として好適に用いられる。さらにTFT10、30、100を用いた表示装置は、携帯電話ディスプレイ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピュータディスプレイ、自動車の情報ディスプレイ、TVモニター、あるいは一般照明を含む広い分野で幅広い分野で応用される。また、TFT10、30、100は、表示装置以外にも、有機プラスチックフィルムのような可撓性基板上にTFT10、30、100を形成することで、ICカードやIDタグなどに幅広く応用される。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
例えば、必要によって、TFT10、30、100の後処理として、熱処理を行っても良い。熱処理としては、温度100℃以上で、大気下または窒素雰囲気下で行う。熱処理を行う工程としては、半導体層を成膜後でも良いし、TFT10、30、100作製工程の最後に行っても良い。熱処理を行うことにより、TFTの特性の面内バラつきが抑制される、駆動安定性が向上する等の効果がある。
以下に、本発明の薄膜トランジスタについて、実施例により説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
―TFT素子1の作製−
図1に示す構成のTFT素子1を作製した。
基板としては、厚さ0.5mmのN型Si基板((株)ジェムコ製,抵抗率1Ωcm〜3.5Ωcm)を用意した。この基板上にアルミニウム(Al)を抵抗加熱蒸着(成膜温度25℃)により50nmの厚みに蒸着し、ゲート電極を形成した。
(ゲート絶縁層成膜工程)
次に、上記ゲート電極上に、下記のゲート絶縁層の形成を行った。
SiOをRFマグネトロンスパッタ真空蒸着法(条件:ターゲットSiO、成膜温度54℃、スパッタガスAr/O=12/2sccm、RFパワー400W、成膜圧力0.4Pa)にて100nmの厚みに形成し、ゲート絶縁層を設けた。ゲート絶縁層SiOのパターニングには、スパッタ時にシャドウマスクを用いることにより行った。
(活性層形成工程)
上記ゲート絶縁層上に、活性層を形成した。活性層の形成は、InGaZnOの組成を有する多結晶焼結体をターゲットとして、RFマグネトロンスパッタ真空蒸着法により、Ar流量97sccm、O流量2.0sccm、RFパワー200W、全圧0.38Paの条件で行った。活性層の厚みは、50nmであった(図5(a)参照)。
成膜された活性層は、周知のX線回折法によりアモルファス膜であることが確認された。
(ソース・ドレイン電極形成工程)
(1)導電層成膜工程
上記活性層の上にソース電極及びドレイン電極用の導電層としてAlを100nmの厚みにRFマグネトロンスパッタ(条件:成膜温度54℃、スパッタガスAr=12sccm、RFパワー40W、成膜圧力0.4Pa)にて、蒸着した(図5(b)参照)。
下記によりフォトリソグラフィー法によりレジストを形成し、エッチング処理を行った。
(2)レジスト形成工程
レジストは、スピンコータで塗布し、膜厚は1μmとした。レジスト膜を形成後、90℃でベークした(図5(c)参照)。
(3)エッチング工程
エッチングは、燐酸、硝酸、及び酢酸の混合液(Alエッチング液;関東化学(株)製)を用いて液温19℃で行った(図5(d)参照)。
ここで、燐酸、硝酸、及び酢酸の混合溶液を用いた場合のAlに対するエッチングレートは、0.4〜0.5nm/sであるため、エッチング時間を198秒〜247.5秒として制御し、ソース・ドレイン電極を形成するとともに、意図的に、レジストで保護されていない箇所(活性層上のソース電極とドレイン電極を除いた部分)のAlを、第1保護薄膜として1nm残存させた。
(4)化学変化工程
この第1保護薄膜を、大気中200℃で1時間熱処理した。これにより、第1保護薄膜を構成するAlを、第2保護薄膜としての電気抵抗率が高いAlに化学変化させた(図5(e)参照)。
化学変化された第2保護薄膜は、周知のX線回折法によりAl膜であることが確認された。
なお、Alの電気抵抗率は、一般的に、2.50×10−8Ωmであるのに対し、Alの電気抵抗率は、1×1014Ωmである(化学便覧改訂5版−基礎編II−丸善株式会社出版)。ここで、半導体は、10−4〜10Ωmの中抵抗体、絶縁体は10Ωm以上の高抵抗体を含むものとした場合、Alは絶縁体とされる。
よって、この化学変化工程を経ることにより、第1保護薄膜が絶縁体に化学変化したと言える。
(5)レジスト溶解剥離工程
エッチング完了後、AZリムーバ100(AZエレクトロニックマテリアルズ社)でレジストを溶解し、除去した(図5(f)参照)。
これによって、TFT素子1を作製した。
TFT素子1の構成をまとめると、以下のようになった。
TFT素子1:基板(ゲート電極)/SiO2(100nm)/IGZO(50nm)/{Al2O3(1nm)}/Al(100nm)
(実施例2)
実施例1では、上記エッチング工程にて、エッチング時間を198秒〜247.5秒として制御し、ソース・ドレイン電極を形成するとともに、意図的に、レジストで保護されていない箇所(活性層上のソース電極とドレイン電極を除いた部分)のAlを、第1保護薄膜として1nm残存させていた。
これに対し、本実施例2では、エッチング時間を190秒〜237.5秒として制御し、第1保護薄膜を5nm残存させてTFT素子2を作製した。なお、実施例2では、エッチング時間の制御以外は、実施例1と同一の方法によりTFT素子2を作製した。
TFT素子2の構成をまとめると、以下のようになった。
TFT素子2:基板(ゲート電極)/SiO2(100nm)/IGZO(50nm)/{Al2O3(5nm)}/Al(100nm)
(実施例3)
実施例1及び2では、活性層の領域を1つとしたが、本実施例3では、この活性層を2つの領域に分け、図3に示すようなゲート絶縁層に接する第2の領域を50nmの厚みを有するIGZO膜で構成し、第2の領域とソース電極及びドレイン電極との間に位置する第1の領域をGa膜で構成して、TFT素子3を作製した。
具体的には、実施例1と同一の方法により、基板上に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、第2の領域の活性層を形成した。次に、第1の領域の活性層をスパッタ法により形成した。形成された第1の領域の活性層の厚みは10nmであった。このスパッタ条件は、下記条件とした。
スパッタ条件としては、混合ガスの混合比率O/Arが5%とし、RFマグネトロンスパッタ法により、Gaの組成をターゲットとして、Ar流量97.0sccm、O流量5.0sccm、RFパワー100W、全圧0.4Paとした。
その後、実施例1と同一の方法により、ソース・ドレイン電極と、Alからなる第2保護薄膜を形成した。
これによって、TFT素子3を作製した。
TFT素子3の構成をまとめると、以下のようになった。
TFT素子3:基板(ゲート電極)/SiO2(100nm)/IGZO(50nm)/Ga2O3(10nm)/{Al2O3(1nm)}/Al(100nm)
(実施例4)
実施例4では、ソース電極及びドレイン電極用の導電層としてMoを使用したこと、このGaから構成される第1保護薄膜を500℃で熱処理したこと以外は、実施例1のTFT素子1と同一の方法で、TFT素子4を作製した。
ここで、実施例1と比較して、ソース電極及びドレイン電極用の導電層としてMoを使用したため、燐酸、硝酸、及び酢酸の混合溶液を用いた場合のMoに対するエッチングレートは2.5nm/sであることを考慮し、エッチング時間を39.6秒として制御した。この結果、ソース・ドレイン電極を形成するとともに、意図的に、レジストで保護されていない箇所(活性層上のソース電極とドレイン電極を除いた部分)のMoを、第1保護薄膜として1nm残存させることができた。
そして、500℃で熱処理することにより該第1保護薄膜から化学変化された第2保護薄膜は、周知のX線回折法によりMoO膜であることが確認された。
なお、Moの電気抵抗率は、一般的に、5.0×10−8Ωmであるのに対し(化学便覧改訂5版−基礎編II−丸善株式会社出版)、MoOの電気抵抗率は、2.5×10 Ωmである(Journal of Applied Physics 58、1985、1651頁)。ここで、半導体は、10−4〜10Ωmの中抵抗体、絶縁体は10Ωm以上の高抵抗体を含むものとした場合、MoOは絶縁体とされる。
よって、この化学変化工程を経ることにより、第1保護薄膜が絶縁体に化学変化したと言える。
TFT素子4の構成をまとめると、以下のようになった。
TFT素子4:基板(ゲート電極)/SiO2(100nm)/IGZO(50nm)/{MoO3(1nm)}/Mo(100nm)
(実施例5)
実施例5では、ソース電極及びドレイン電極用の導電層としてTiを使用したこと、エッチング液として過酸化水素水及びフッ酸水溶液混合液を用いたこと、Tiから構成される第1保護薄膜を500℃で熱処理したこと以外は、実施例1のTFT素子1と同一の方法で、TFT素子5を作製した。
ここで、実施例1と比較して、ソース電極及びドレイン電極用の導電層としてTiを使用したため、過酸化水素水及びフッ酸水溶液混合液を用いた場合のTiに対するエッチングレートは1.7nm/sであることを考慮し、エッチング時間を58.2秒として制御した。この結果、ソース・ドレイン電極を形成するとともに、意図的に、レジストで保護されていない箇所(活性層上のソース電極とドレイン電極を除いた部分)のTiを、第1保護薄膜として1nm残存させることができた。
そして、500℃で熱処理することにより該第1保護薄膜から化学変化された第2保護薄膜は、周知のX線回折法によりTiO膜であることが確認された。
なお、Tiの電気抵抗率は、一般的に、58×10−8Ωmであるのに対し、TiOの電気抵抗率は、1.2×10Ωmである(化学便覧改訂5版−基礎編II−丸善株式会社出版)。ここで、半導体は、10−4〜10Ωmの中抵抗体、絶縁体は10Ωm以上の高抵抗体を含むものとした場合、TiOは半導体とされる。
よって、この化学変化工程を経ることにより、第1保護薄膜が半導体に化学変化したと言える。
TFT素子5の構成をまとめると、以下のようになった。
TFT素子5:基板(ゲート電極)/SiO2(100nm)/IGZO(50nm)/{TiO2(1nm)}/Ti(100nm)
(比較例1)
本比較例1では、実施例1で作製したTFT1において、第2保護薄膜を設けない構成の比較TFT1を作製した。
具体的には、ソース・ドレイン電極形成時のエッチング工程においてオーバーエッチングを施し、レジストで保護されていない箇所(活性層上のソース電極とドレイン電極を除いた部分)のAlを完全に除去した。このため、実施例1のような化学変化工程も経ていない。その他は、実施例1と同じ作製方法を用いて比較TFT1を作製した。
比較TFT素子1の構成をまとめると、以下のようになった。
比較TFT素子1:基板(ゲート電極)/SiO2(100nm)/IGZO(50nm)/{Al(1nm)}/Al(100nm)
(比較例2)
本比較例2では、実施例1で作製したTFT1において、第1保護薄膜がより厚い構成の比較TFT2を作製した。
具体的には、ソース・ドレイン電極形成時のエッチング工程において、Alからなる第1保護薄膜を40nm残して180℃で1時間熱処理を加えた。
この結果、第1保護薄膜は第2保護薄膜へと完全に化学変化(酸化)しきれずにソース・ドレイン電極間にAl薄膜が残った状態となった。
比較TFT素子2の構成をまとめると、以下のようになった。
比較TFT素子2:基板(ゲート電極)/SiO2(100nm)/IGZO(50nm)/{Al(10nm)/Al2O3(30nm)}/Al(100nm)
<評価>
上記実施例1〜5、及び上記比較例1、2の各々で調整したTFT1〜5、及びTFT1、2の各々について、最小電流値を発生する閾値電圧(Von)、on/off比、及び閾値シフト量(ΔVth)を測定した。
―最小電流値を発生する電圧(Von)―
図7は、実施例1のTFT素子1の伝達特性を示す電流−電圧特性曲線である。一方、図8は、比較例1の比較TFT素子1の伝達特性を示す電流−電圧特性曲線である。横軸はゲート電圧(Vg)、縦軸はドレイン電流(Id)である。Vonとは、最小電流値を発生する電圧を示している。なお、実施例1及び比較例1以外の電流−電圧特性曲線を示す図は省略する。
実施例及び比較例の評価においては、上記実施例1〜実施例5及び比較例1、比較例2各々で調整したTFT1〜5、及び比較TFT1、2の各々について、飽和領域ドレイン電圧Vd=15V(ゲート電圧−10V≦Vg≦15V)での伝達特性の測定を行なうことによって電流−電圧特性曲線を求め、求めた電流−電圧特性曲線から、最終電流値を発生する電圧を求めた。
なお。この伝達特性の測定は、半導体パラメータ・アナライザー4156C(アジレントテクノロジー社製)を用いて行った。
−ON/OFF比の算出方法−
ON/OFF比はTFT伝達特性からドレイン電流Idにおける最大値Idmaxと最小値Idminとの比Idmax/Idminから求められる。
―閾値シフト量ΔVthの測定―
上記実施例1〜実施例5及び比較例1、比較例2各々で調整したTFT1〜5、及び比較TFT1、2の各々について、Vsd(ソース・ドレイン間電圧)=+10V,Vg=−10〜+15Vで、5回連続して駆動し、それぞれについて閾値シフトVthを測定し、5回間でのVthの変動量を閾値シフト量ΔVthとして求めた。
得られた結果を表1に示した。
Figure 0005512144
表1に示されるように、実施例1〜実施例5により製造したTFT1〜5は、比較例2、比較例2により製造した比較TFT2〜3に比べて、閾値シフト量ΔVthが改善された。このため、実施例で作製したTFTによれば、比較例で作製したTFTに比べて、活性層へのダメージを抑制した、といえる。
10、30、100: TFT(薄膜トランジスタ)
12、32: 基板
14、44: ゲート電極
16、42: ゲート絶縁層
18、34、102: 活性層
20、36: ソース電極
22、38: ドレイン電極
24、30: 第2保護薄膜
50、60: 導電層
52、54、62、64: レジスト
56、66: 第1保護薄膜

Claims (11)

  1. 活性層の上面側でソース電極及びドレイン電極が接触するトップコンタクト型の薄膜トランジスタであって、
    前記活性層は、非晶質酸化物半導体を主成分として含有し、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極の少なくとも一方を構成する材料から化学変化した半導体又は絶縁体で、前記活性層上の前記ソース電極と前記ドレイン電極を除いた部分に形成され、前記ソース電極及び前記ドレイン電極よりも厚みが薄い保護薄膜を含むことを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 前記ソース電極又は前記ドレイン電極を構成する材料は、Al、Mo、Ti、Cr、W、In又はZnのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記保護薄膜の電気抵抗率は、前記活性層の電気抵抗率以上であることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の薄膜トランジスタ。
  4. 前記保護薄膜は、金属酸化物、金属窒化物、又は金属塩化物からなる絶縁体であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  5. 基板又は絶縁膜上に非晶質酸化物半導体を主成分として含有する活性層を形成する第1工程と、
    前記活性層を覆う導電層を形成する第2工程と、
    前記導電層をエッチングによってパターニングすることにより、前記活性層の上面に接触するソース電極及びドレイン電極を形成するとともに、前記活性層上の前記ソース電極と前記ドレイン電極を除いた部分に前記ソース電極及び前記ドレイン電極よりも厚みが薄い導電層を、前記活性層を保護する第1保護薄膜として残存させる第3工程と、
    前記第1保護薄膜を、半導体又は絶縁体に化学変化させて、前記活性層を保護する第2保護薄膜を得る第4工程と、
    を含むことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 前記第4工程は、前記第1保護薄膜の電気抵抗率を、前記活性層の電気抵抗率以上に変化させる工程であることを特徴とする請求項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 前記第4工程は、前記第1保護薄膜を絶縁体に化学変化させる絶縁化工程であることを特徴とする請求項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  8. 前記ソース電極、前記ドレイン電極、及び前記第1保護薄膜は、Al、Mo、Ti、Cr、W、In又はZnのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  9. 前記第4工程は、前記第1保護薄膜に熱処理、プラズマ処理、又はオゾン処理を施す工程であることを特徴とする請求項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  10. 前記第3工程において、前記第1保護薄膜は、前記導電層のエッチング時間を制御することによって形成されることを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  11. 前記第3工程は、前記ソース電極及び前記ドレイン電極が形成される領域の前記導電層上にレジストパターンを形成する工程を含み、
    前記第4工程では、前記レジストパターンが形成されたまま、前記第1保護薄膜を半導体又は絶縁体に化学変化させた後に、前記レジストパターンを剥離することを特徴とする請求項〜請求項10のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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