JP2010182929A - 電界効果型トランジスタの製造方法 - Google Patents

電界効果型トランジスタの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010182929A
JP2010182929A JP2009026092A JP2009026092A JP2010182929A JP 2010182929 A JP2010182929 A JP 2010182929A JP 2009026092 A JP2009026092 A JP 2009026092A JP 2009026092 A JP2009026092 A JP 2009026092A JP 2010182929 A JP2010182929 A JP 2010182929A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
conductive layer
resist pattern
field effect
effect transistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009026092A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichiro Itai
雄一郎 板井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2009026092A priority Critical patent/JP2010182929A/ja
Publication of JP2010182929A publication Critical patent/JP2010182929A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】非晶質酸化物半導体から構成された活性層における、少なくとも電界効果型トランジスタとして構成されたときにソース電極及びドレイン電極の界面に連続する領域の浸食の抑制された電界効果型トランジスタの製造方法を提供する。
【解決手段】電界効果型トランジスタ10の製造方法によれば、第1の導電層形成工程において非晶質酸化物半導体層17上に第1の導電層20を形成した後に、パターン形成工程及び加工工程においてレジストパターン30を形成して該レジストパターン30による非保護領域をエッチングすることによって、第1の導電層20と共に非晶質酸化物半導体層17を加工して活性層18上に第1の導電層20の積層された状態とした後に、第1の導電層20からレジストパターン30を剥離する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電界効果型トランジスタの製造方法に関する。
近年、液晶やエレクトロルミネッセンス(ElectroLuminescence:EL)技術等の進歩により、平面薄型画像表示装置(Flat Panel Display:FPD)が実用化されている。特に、電流を通じることによって励起され発光する薄膜材料を用いた有機電界発光素子(以後、「有機EL素子」と記載する場合がある)は、低電圧で高輝度の発光が得られるために、携帯電話ディスプレイ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピュータディスプレイ、自動車の情報ディスプレイ、TVモニター、あるいは一般照明を含む広い分野で、デバイスの薄型化、軽量化、小型化、および省電力化等が期待されている。また、これらのFPDは、ガラス基板上に設けた非晶質シリコン薄膜や多結晶シリコン薄膜を活性層に用いる電界効果型薄膜トランジスタ(以後の説明で、電界効果型トランジスタ、もしくはTFTと記載する場合がある)のアクティブマトリクス回路により駆動されている。
一方、FPDのより一層の薄型化、軽量化、耐破損性の向上を求めて、ガラス基板の替わりに軽量で可撓性のある樹脂基板を用いる試みも行われている。しかし、上述のシリコン薄膜を用いるトランジスタの製造は、比較的高温の熱工程を要し、一般的に耐熱性の低い樹脂基板上に直接形成することは困難である。そこで、低温での成膜が可能な非晶質半導体を用いたTFT(薄膜トランジスタ)の開発が活発に行われている。非晶質酸化物半導体を用いたTFTは、室温成膜が可能であり、フイルム上に作製が可能であるので、TFTにおける活性層の材料として注目を浴びている。
この非晶質酸化物半導体を用いたTFTの製造工程における活性層の加工方法としては、活性層上にレジストパターンを形成して該レジストパターンによる非保護領域をエッチングした後にレジストパターンを剥離する方法がとられている(例えば、特許文献1〜特許文献2)。
例えば、特許文献1には、活性層としての非晶質酸化物層を酢酸、有機酸、塩酸、または過塩素酸のいずれか1種を含むエッチング液を用いてエッチングする方法が提案されている。また、特許文献2には、炭化水素を含むガス雰囲気中で活性層のエッチングを行う方法が提案されている。
活性層からのレジストパターンの剥離においては、活性層上のレジスト残渣によるコンタクト抵抗悪化を抑制するために、レジスト残渣を出来るだけ抑制する必要がある。このため、レジストパターンを剥離するための剥離液等によって活性層からレジストパターンを効果的に除去する必要があるが、活性層として用いる非晶質酸化物半導体は化学的に弱く、レジストパターンを剥離するための剥離液による活性層の浸食が発生する場合があった。
特開2008−41695号公報 特開2007−335505号公報
本発明は、非晶質酸化物半導体から構成された活性層における、電界効果型トランジスタとして構成されたときに、少なくともソース電極及びドレイン電極の界面に連続する領域の浸食の抑制された電界効果型トランジスタの製造方法を提供すること課題とする。
上記目的は、以下に示す本発明により達成される。
すなわち、
<1> 基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、非晶質酸化物半導体から構成された活性層、ソース電極、及びドレイン電極を少なくとも有する電界効果型トランジスタの製造方法であって、非晶質酸化物半導体層を形成する半導体層形成工程と、前記非晶質酸化物半導体層上に第1の導電層を形成する第1の導電層形成工程と、前記第1の導電層上に第1のレジストパターンを形成するパターン形成工程と、前記非晶質酸化物半導体層及び前記第1の導電層の内の、前記第1のレジストパターンによる非保護領域をエッチングすることによって、前記第1の導電層と共に前記非晶質酸化物半導体層を加工して前記活性層上に前記第1の導電層の形成された状態とする加工工程と、前記第1のレジストパターンを前記第1の導電層から剥離する第1の剥離工程と、前記第1のレジストパターンの剥離された前記第1の導電層上に第2のレジストパターンを形成した後にエッチングを行うことによって、前記ソース電極及び前記ドレイン電極を形成する電極形成工程と、を少なくとも有する電界効果型トランジスタの製造方法である。
<2> 前記第1の剥離工程では、第1の剥離液によって前記第1のレジストパターンを前記第1の導電層から剥離し、
該第1の導電層は、前記第1の剥離液に対して耐性を有する材料から構成されたことを特徴とする上記<1>に記載の電界効果型トランジスタの製造方法である。
<3> 前記電極形成工程によって前記ソース電極及び前記ドレイン電極を形成した後に、前記第2のレジストパターンを剥離するための第2の剥離液に対して耐性を有する保護層を、少なくとも前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の領域に形成する保護層形成工程と、前記保護層を形成した後に、前記第2の剥離液によって前記第2のレジストパターンを剥離する第2の剥離工程と、を有する上記<1>または上記<2>に記載の電界効果型トランジスタの製造方法である。
<4> 前記第1の剥離工程の後で且つ前記電極形成工程の前に行われ、前記第1の導電層上に第2の導電層を形成する第2の導電層形成工程を更に有し、
前記電極形成工程は、前記第1の電極層上に形成された前記第2の電極層に、前記第2のレジストパターンを形成した後にエッチングを行うことによって、前記ソース電極及び前記ドレイン電極を形成することを特徴とする上記<1>〜上記<3>の何れか1つに記載の電界効果型トランジスタの製造方法である。
本発明の電界効果型トランジスタの製造方法によれば、非晶質酸化物半導体層上に第1の導電層を形成する第1の導電層形成工程を行った後に、パターン形成工程によって第1の導電層上に第1のレジストパターンを形成し、加工工程において第1の導電層及び活性層の内の第1のレジストパターンによる非保護領域をエッチングすることによって第1の導電層及び非晶質酸化物半導体層を加工することで、活性層上に第1の導電層の形成された状態とする。このため、活性層とされる非晶質酸化物半導体層は、製造工程において第1の導電層によって被覆された状態となり、非晶質酸化物半導体から構成された活性層における、電界効果型トランジスタとして構成されたときに、少なくともソース電極及びドレイン電極の界面に連続する領域の浸食が抑制される。
本発明の電界効果型トランジスタの製造方法によれば、非晶質酸化物半導体から構成された活性層における、電界効果型トランジスタとして構成されたときに、少なくともソース電極及びドレイン電極の界面に連続する領域の浸食の抑制された電界効果型トランジスタの製造方法が提供される。
本実施の形態の電界効果型トランジスタの一の構成を示す模式図である。 本実施の形態の電界効果型トランジスタの製造工程を示す模式図である。 本実施の形態の電界効果型トランジスタの製造工程を示す模式図である。 本実施の形態の電界効果型トランジスタの製造工程を示す模式図である。 本実施の形態の電界効果型トランジスタの製造工程を示す模式図である。 本実施の形態の電界効果型トランジスタの製造工程を示す模式図である。 本実施の形態の電界効果型トランジスタの製造工程を示す模式図である。 本実施の形態の電界効果型トランジスタの製造工程を示す模式図である。 本実施の形態の電界効果型トランジスタの製造工程を示す模式図である。 本実施の形態の電界効果型トランジスタの製造工程を示す模式図である。 本実施の形態の電界効果型トランジスタの製造工程を示す模式図である。 本実施の形態の電界効果型トランジスタの製造工程を示す模式図である。
本発明の電界効果型トランジスタの製造方法、及び本発明の電界効果型トランジスタの製造方法によって製造される電界効果型トランジスタの一の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本実施の形態の電界効果型トランジスタ10は、少なくとも基板12上に、バリア層13、ゲート電極14、ゲート絶縁膜16、活性層18、及びソース電極20Aとドレイン電極20B、を順次積層した構成とされている。
なお、本実施の形態においては、電界効果型トランジスタ10は、ボトムゲート型である場合を説明するが、トップゲート型であってもよい。
基板12を構成する材料としては、例えば、YSZ(ジルコニア安定化イットリウム)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。基板12を構成する材料として、上記有機材料を用いる場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性、又は低吸湿性等に優れた材料を選択することが好ましい。
この基板12としては、可撓性を有することが好ましく、この可撓性を有する観点から、上記有機材料をフィルム状とした有機プラスチックフィルムを用いることが好ましい。また、この基板12の絶縁性が不十分の場合には絶縁層を設けたり、基板12に更に、水分や酸素の透過を防止するためのガスバリア層、フィルム状プラスティック基板の平坦性や電極や活性層との密着性を向上するためのアンダーコート層等を積層した構成としてもよい。
基板12の厚みは、50μm以上500μm以下とすることが好ましい。基板12の厚みが50μm未満であると、基板12自体が十分な平坦性を保持することが難しい場合がある。基板12の厚みが500μmよりも厚いと、基板12自体を自由に曲げることが困難になり、すなわち基板12自体の可撓性が乏しくなる。
バリア層13としては、SiO、SiN、SiON、Al、Y、Ta、HfO等の絶縁体、又はそれらの化合物を少なくとも二つ以上含む混晶化合物が挙げられる。バリア層13の厚みは、水や酸素の浸入防止の観点から、0.1μm以上10μm以下とすることが好ましい。
ゲート電極14を構成する材料としては、例えば、Al、Mo、Cr、Ta、Ti、Au、またはAg等の金属、Al−Nd、APC等の合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物及び合金が好適に挙げられる。このゲート電極14の厚みは、10nm以上1000nm以下とすることが好ましい。
ゲート絶縁膜16としては、SiO、SiN、SiON、Al、Y、Ta、HfO等の絶縁体、又はそれらの化合物を少なくとも二つ以上含む混晶化合物が用いられる。また、ポリイミドのような高分子絶縁体もゲート絶縁膜16として用いられる。
ゲート絶縁膜16の膜厚としては10nm以上10μm以下が好ましい。ゲート絶縁膜16はリーク電流を減らすため、また電圧耐性を上げる為に、ある程度膜厚を厚くする必要がある。しかし、ゲート絶縁膜16の膜厚を厚くすると、電界効果型トランジスタ10の駆動電圧の上昇を招く結果となる。その為、ゲート絶縁膜16の膜厚は無機絶縁体で構成する場合には50nm以上1000nm以下、高分子絶縁体で構成する場合には0.5μm以上5μm以下で用いられることが好ましい。特に、HfOのような高誘電率絶縁体をゲート絶縁膜16に用いると、膜厚を厚くしても、低電圧での電界効果型トランジスタ10の駆動が可能であるので、特に好ましい。
活性層18は、非晶質酸化物半導体から構成されている。この非晶質酸化物半導体は、低温で成膜可能であるために、可撓性のある基板12上に好適に形成される。
活性層18に用いられる非晶質酸化物半導体としては、具体的には、組成構造としてInGaO(ZnO)(mは6未満の自然数)、ZnO・Rh、CuGaO、SrCu、及び特開2006−165529に開示されている酸化物半導体等が挙げられる。
上記の中でも、活性層18に用いられる非晶質酸化物半導体としては、結晶状態における組成がInGaO(ZnO)(mは6未満の自然数)で表される非晶質酸化物半導体が好適に用いられる。さらに、この結晶状態における組成がInGaO(ZnO)(mは6未満の自然数)で表される非晶質酸化物半導体の中でも、特に、InGaZnOがより好ましい。この組成の非晶質酸化物半導体は、電気伝導度が増加するにつれ、電子移動度が増加する傾向を示す。
この活性層18の電気伝導度は、好ましくは10−4Scm−1以上10Scm−1未満であり、より好ましくは10−1Scm−1以上10Scm−1未満である。この活性層18の電気伝導度の調整方法としては、公知の酸素欠陥による調整方法や、組成比による調整方法、不純物による調整方法、酸化物半導体材料による調整方法が挙げられる。
ソース電極20A、ドレイン電極20B、ソース電極用配線22A、及びドレイン電極用配線22Bを構成する材料としては、Al、Mo、Cr、Ta、Ti、Au、またはAg等の金属、Al−Nd、APC等の合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物及び合金が好適に挙げられる。
形成されるソース電極20A及びソース電極用配線22Aの総厚、及びドレイン電極20B及びドレイン電極用配線22Bの総厚は、10nm以上1000nm以下とすることが好ましい。
本実施の形態の電界効果型トランジスタ10は、半導体層形成工程、第1の導電層形成工程、パターン形成工程、加工工程、第1の剥離工程、第2の導電層形成工程、電極形成工程、保護層形成工程、及び第2の剥離工程を経ることによって製造される。以下、上記構成材料によって構成される電界効果型トランジスタ10の製造方法について、詳細に説明する。
(1)半導体層形成工程
図2に示すように、まず、半導体層形成工程では、非晶質半導体層を形成する。具体的には、基板12上に、バリア層13、ゲート電極14、ゲート絶縁膜16、及び非晶質酸化物半導体層17を順に積層する。この半導体層形成工程では、基板12上にバリア層13を成膜した後に、ゲート電極14を成膜しパターニングした後に、ゲート絶縁膜16、及び非晶質酸化物半導体層17を順に積層すればよい。
基板12上へのバリア層13、及びゲート電極14、及びゲート絶縁膜16の成膜法としては、公知の方法が用いられ特に限定されないが、例えば、印刷方式、コ−ティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から、各層を構成する材料との適性を考慮した方法を適宜選択すればよい。
例えば、ゲート電極14を構成する材料としてITOを選択する場合には、ゲート電極14の成膜方法としては、直流あるいは高周波スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレ−ティング法等が選択される。また、ゲート電極14を構成する材料として、有機導電性化合物を選択する場合には、湿式製膜法が選択される。
この非晶質酸化物半導体層17は、電界効果型トランジスタ10として構成されたときに活性層18として機能する。
非晶質酸化物半導体層17の成膜方法としては、上記説明した活性層18を構成する非晶質酸化物半導体の多結晶焼結体をターゲットとして、気相成膜法を用いるのが好ましい。気相成膜法の中でも、スパッタリング法、パルスレーザー蒸着法(PLD法)が適している。さらに、量産性の観点から、スパッタリング法が好ましい。非晶質酸化物半導体層17は、例えば、RFマグネトロンスパッタリング蒸着法により、真空度及び酸素流量を制御して成膜される。この方法を用いた場合、酸素流量が多いほど形成された活性層18の電気伝導度を小さくすることができる。なお、成膜された非晶質酸化物半導体層17は、周知のX線回折法により非晶質膜であることが確認される。また、非晶質酸化物半導体層17の膜厚は触針式表面形状測定により求められる。組成比は、RBS(ラザフォード後方散乱)分析法により求められる。
(2)第1の導電層形成工程
第1の導電層形成工程では、図3に示すように、上記半導体層形成工程によって形成された、非晶質酸化物半導体層17層上に、第1の導電層20を形成する。この第1の導電層20が、本発明の電界効果型トランジスタの製造方法における第1の導電層に相当する。
第1の導電層20は、電界効果型トランジスタ10として構成されたときにはソース電極20A及びドレイン電極20Bとして機能する。このため、第1の導電層20を構成する材料は、上記ソース電極20A及びドレイン電極20Bを構成する材料として挙げた材料の中から選択される。
この第1の導電層20の成膜方法としては、特に限定されることはなく、印刷方式、コ−ティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から前記材料との適性を考慮して適宜選択すればよい。例えば、第1の導電層20としてITOを選択する場合には、直流あるいは高周波スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレ−ティング法等を用いればよい。また、第1の導電層20の形成材料として、有機導電性化合物を選択する場合には湿式製膜法を用いればよい。
この第1の導電層20の膜厚は、後述する第1の剥離工程によって一部が浸食された場合であっても、第1の導電層20の下層側(第1の導電層20より基板12側)に存在する活性層18が露出しない程度の厚み以上であり、且つ第1の導電層と活性層のパターン形成後第2の導電層を成膜した際に第2の導電層が膜として形成できる厚さであればよい。具体的には、第1の導電層20の膜厚としては、10nm以上100nm以下が好ましく、20nm以上50nm以下がより好ましい。
(3)パターン形成工程
パターン形成工程では、上記第1の導電層形成工程において形成された第1の導電層20上にレジストパターン30を形成する(図4参照)。このレジストパターン30が、本発明の電界効果型トランジスタの製造方法における第1のレジストパターンに相当する。このレジストパターン30の形成方法としては、フォトリソグラフィー法等が挙げられる。
(4)加工工程
加工工程では、非晶質酸化物半導体層17及び第1の導電層20の内の、レジストパターン30による非保護領域をエッチングすることによって、第1の導電層20と共に非晶質酸化物半導体層17を加工して、活性層18上に第1の導電層20の積層された状態とするように加工を行う(図5参照)。
非晶質酸化物半導体層17及び第1の導電層20の加工方法としては、ドライエッチングやウェットエッチングが好適に用いられる。
なお、エッチングに用いるガス、圧力、温度、ガスの混合比(ドライエッチングの場合)やエッチング液、温度(ウェットエッチングの場合)等のエッチング条件は、活性層18及び第1の導電層20の構成材料に応じて、適宜選択すればよい。
例えば、非晶質酸化物半導体層17がIn−Ga−Zn−Oを含んだ構成であり、第1の導電層20がMoで構成される場合には、エッチング液としては、リン酸硝酸混合液が好適に用いられる。
(5)第1の剥離工程
第1の剥離工程では、上記加工工程によって形成された活性層18上に積層されている第1の導電層20上のレジストパターン30を第1の導電層20から剥離する。このレジストパターン30の第1の導電層20からの剥離方法としては、該レジストパターン30を第1の導電層20から剥離可能であればどのような方法であってもよいが、レジストパターン30を溶解除去する第1の剥離液50を用いて剥離する方法や、超音波やアッシング等の方法等が好適に用いられる。
なお、図6には、一例として、第1の剥離液50によって、レジストパターン30を溶解除去する形態を示したが、本実施の形態においては、非晶質酸化物半導体層17上に第1の導電層20が形成されていることから、該溶解除去する方法以外にも、超音波やアッシング等のようなレジストパターン30を強く剥離する方法を用いた場合であっても、非晶質酸化物半導体層17へのダメージが効果的に抑制される。
この第1の剥離液50としては、レジストパターン30を溶解除去できればよく、レジストパターン30を構成するレジストの種類に応じて適宜選択される。例えば、レジストパターン30を構成するレジストがアルカリ可溶性である場合には、アルカリ性溶解液が第1の剥離液50として用いられる。
なお、上記第1の導電層形成工程によって形成された第1の導電層20は、この第1の剥離液50に対して耐性を有する材料から構成されていることが好ましい。第1の剥離液50に対して耐性を有する材料としては、第1の剥離液50の種類にもよるが、通常はMoが好ましい。第1の導電層20が、第1の剥離工程で用いられる第1の剥離液50に対して耐性を有することで、第1の剥離液50による、活性層18における、第1の導電層20と活性層18との界面を含む領域の浸食がより効果的に抑制される。
なお、「第1の剥離液50に対して耐性を有する」とは、第1の剥離液50に対する溶解速度が0.01nm/s以下であることを示している。
この第1の剥離工程によって、第1の導電層20上のレジストパターン30が剥離される(図7参照)。また、この第1の剥離工程において、活性層18は第1の導電層20によって第1の剥離液50から保護された状態とされていることから、活性層18と第1の導電層20との界面が第1の剥離液50によって浸食されることが抑制される。
(6)第2の導電層形成工程
第2の導電層形成工程においては、上記第1の剥離工程によってレジストパターン30の剥離された第1の導電層20上に第2の導電層22を形成する。詳細には、第2の導電層22は、第1の導電層20の表面、及び第1の導電層20や活性層18の側面を覆うように形成される(図8参照)。この第2の導電層22の形成方法としては、特に限定されることはなく、印刷方式、コ−ティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から第2の導電層22として選択する材料に応じて適宜選択すればよい。例えば、第2の導電層22としてITOを選択した場合には、直流あるいは高周波スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレ−ティング法が好適に用いられる。また、第2の導電層22の形成材料として、有機導電性化合物を用いた場合には、第2の導電層22は湿式製膜法によって好適に形成される。
この第2の導電層形成工程によって形成された第2の導電層22は、電界効果型トランジスタ10として構成されたときには、ソース電極20A及びドレイン電極20Bの一部、またはソース電極20A及びドレイン電極20Bの各々の配線電極として機能する。このため、第1の導電層20を構成する材料は、上記ソース電極20A、ドレイン電極20B、ソース電極用配線22A、及びドレイン電極用配線22Bを構成する材料として挙げた材料の中から選択すればよい。
なお、この第2の導電層22の構成材料は、第1の導電層20の構成材料と同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
例えば、第1の導電層20と第2の導電層22との構成材料として同じ材料を選択することで、電界効果型トランジスタ10の製造工程の簡略化が図れる。
また、例えば、第2の導電層22の構成材料より第1の導電層20の構成材料の方の、後述する電極形成工程において用いるエッチング液やエッチングガスに対する溶解度が低くなるように、第1の導電層20と第2の導電層22とで異なる材料を選択すれば、後述する電極形成工程における第2の導電層22及び第1の導電層20のエッチング時において、より活性層18に近づくほど導電層(第1の導電層20及び第2の導電層22)のエッチングレートを低くすることが可能となる。このように、目的とする製造条件に応じて、第2の導電層22及び第1の導電層20に用いる材料を適宜選択すればよい。
(7)電極形成工程
電極形成工程においては、第1の導電層20及び第2の導電層22を加工することによって、ソース電極20A、ドレイン電極20B、ソース電極用配線22A、及びドレイン電極用配線22Bを形成する。
具体的には、まず、図9に示すように、上記第2の導電層形成工程によって第1の導電層20上に形成された第2の導電層22に、フォトリソグラフィー法によりレジストパターン32を形成する。次に、この第1の導電層20及び第2の導電層22の内の、レジストパターン32によって保護されていない領域をドライエッチングやウェットエッチングによって除去する。これによって、図10に示すように、第1の導電層20及び第2の導電層22の一部が、ソース電極20A、ドレイン電極20B、ソース電極用配線22A、及びドレイン電極用配線22Bとして形成されることとなる。
なお、この電極形成工程におけるエッチング条件は、第1の導電層20及び第2の導電層22の構成材料に応じて、適宜選択すればよい。
この電極形成工程によってソース電極20A及びドレイン電極20Bが形成されることで、電界効果型トランジスタとして機能する電界効果型トランジスタ11が形成される。この形成された電界効果型トランジスタ11については、更に、レジストパターン32を除去することが好ましい。このため、さらに、下記保護層形成工程、及び第2の剥離工程を行うことが好ましい。
(8)保護層形成工程
保護層形成工程では、図11に示すように、少なくとも後述する第2の剥離工程において用いる第2の剥離液52に対して耐性(第2の剥離液52に対する溶解速度が、0.01nm/s以下)を有する保護層24を、少なくともソース電極20Aとドレイン電極20Bとの間の領域を含む領域に形成する。
具体的には、上記電極形成工程によって形成されたソース電極20Aとドレイン電極20Bとの電極間の領域(図10では活性層18の露出した領域)、及びレジストパターン32上の領域の双方に、保護層24を形成する。
この保護層24は、活性層18を大気による劣化から保護する機能や、電界効果型トランジスタ11上に作製される他の導電層と絶縁する機能を有する層である。
この保護層24を構成する材料としては、Ga、MgO、SiO、SiO、Al、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、又はTiO等の金属酸化物、SiN、SiN等の金属窒化物、MgF、LiF、AlF、又はCaF等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層24の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、又は転写法が適用される。
(9)第2の剥離工程
第2の剥離工程では、レジストパターン32を剥離する。レジストパターン32の剥離は、図11及び図12に示すように、第2の剥離液52によってレジストパターン32を溶解除去することによって可能とされる。
この第2の剥離液52としては、レジストパターン32を溶解除去できればよく、レジストパターン32を構成するレジストの種類に応じて適宜選択される。例えば、レジストパターン32を構成するレジストがアルカリ可溶性である場合には、アルカリ性溶解液が第2の剥離液52として用いられる。
保護層24は、第2の剥離液52に対して耐性を有するため、ソース電極20A及びソース電極用配線22A上に積層されていたレジストパターン32が第2の剥離液52に溶解することによって、レジストパターン32上に積層されていた保護層24は、レジストパターン32の溶解によってソース電極用配線22A及びドレイン電極用配線22Bから剥離される。一方、ソース電極20A及びドレイン電極20Bの電極間に配置された保護層24は、第2の剥離液52によって除去されず、活性層18の保護層として残存し、活性層18が第2の剥離液52に接触することが抑制される。これによって、電界効果型トランジスタ10が形成される。
ここで、従来技術においては、活性層18上にレジストパターン30を形成した後に、該レジストパターン30による非保護領域をエッチングすることによって活性層18を加工し、さらに活性層18からレジストパターン30を剥離していた。このため、活性層18からのレジストパターン30の剥離時において用いられる剥離液(本実施の形態では第1の剥離液50)によって、活性層18上の、電界効果型トランジスタとして形成されたときにソース電極とドレイン電極の形成される側の領域が浸食される場合があった。また、レジストパターン30の残渣が活性層18上に残存することもあった。
一方、本実施の形態の電界効果型トランジスタ10の製造方法によれば、上記に説明したように、第1の導電層形成工程において活性層18とされる前段階の非晶質酸化物半導体層17上に第1の導電層20を形成した後に、パターン形成工程及び加工工程においてレジストパターン30を形成して該レジストパターン30による非保護領域をエッチングすることによって、非晶質酸化物半導体層17及び第1の導電層20を同時に加工して活性層18上に第1の導電層20の形成された状態とした後に、更に、第1の導電層20からレジストパターン30を剥離する。
このため、非晶質酸化物半導体から構成された活性層18における、電界効果型トランジスタ10として構成されたときに、少なくともソース電極20A及びドレイン電極20Bの界面に連続する領域の浸食が抑制される。
すなわち、この活性層18上に設けられた第1の導電層20は、後工程を経ることによって、ソース電極20A及びドレイン電極20Bとして機能するものとされることから、ソース電極20A及びドレイン電極20Bと活性層18との界面が、製造工程における各種剥離液よって浸食されることが抑制される。
また、活性層18上の電界効果型トランジスタ10として構成されたときにソース電極20Aとドレイン電極20Bとの電極間とされる領域についても同様に、非晶質酸化物半導体層17の加工工程における浸食が抑制されることから、製造工程における浸食が抑制される。
また、本実施の形態の電界効果型トランジスタ10の製造方法によれば、活性層18の浸食が効果的に抑制されることから、酸やアルカリに対する耐性の低い(溶解度の高い)結晶状態における組成がInGaO(ZnO)(mは6未満の自然数)で表される非晶質酸化物半導体を活性層18(非晶質酸化物半導体層17)として用いた場合に、特に効果的に活性層18の浸食が抑制されるといえる。
また、この活性層18(非晶質酸化物半導体層17)上に設けられた第1の導電層20は、後工程を経ることによって、ソース電極20A及びドレイン電極20Bとして機能することから、活性層18と、ソース電極20A及びドレイン電極20Bと、の界面にレジストパターン30の残渣が残ることが抑制される。
なお、本実施の形態では、電界効果型トランジスタ10は、半導体層形成工程、第1の導電層形成工程、パターン形成工程、加工工程、第1の剥離工程、第2の導電層形成工程、電極形成工程、保護層形成工程、及び第2の剥離工程を経ることによって製造される場合を説明したが、上述のように、半導体層形成工程、第1の導電層形成工程、パターン形成工程、加工工程、及び第1の剥離工程によって形成された電界効果型トランジスタ11を、電界効果型トランジスタとして用いてもよい。しかし、保護層24を有する電界効果型トランジスタ10の形態とする方が、活性層18の大気からの汚染抑制の観点から望ましい。
また、本実施の形態では、電界効果型トランジスタ10は、半導体層形成工程、第1の導電層形成工程、パターン形成工程、加工工程、第1の剥離工程、第2の導電層形成工程、電極形成工程、保護層形成工程、及び第2の剥離工程を経ることによって製造される場合を説明したが、電界効果型トランジスタ10は、半導体層形成工程(図2)、第1の導電層形成工程(図3)、パターン形成工程(図4)、加工工程(図5)、及び第1の剥離工程(図6及び図7)を行った後に、第2の導電層22を作製する第2の導電層形成工程を行わずに、電極形成工程、保護層形成工程、及び第2の剥離工程を行っても良い。
この場合には、第1の導電層20上に第2の導電層22を形成せずに直接レジストパターン32を形成した後に、電極形成工程においてレジストパターン32による非保護領域をエッチングすることによって、ソース電極20A及びドレイン電極20Bを形成すればよい。
しかし、ソース電極20A及びドレイン電極20Bに配線電極を設ける観点からは、上記に説明したように、第1の剥離工程(図6及び図7)を行った後に、第2の導電層22を作製する第2の導電層形成工程(図8)を行い、さらに、電極形成工程(図9)を行うことが好ましい。
なお、本実施の形態においては、電界効果型トランジスタ10としては、基板12上に、バリア層13、ゲート電極14、ゲート絶縁膜16、活性層18、ソース電極20A及びドレイン電極20Bを順次積層した構成とされている場合を説明したが、活性層18とソース電極20A及びドレイン電極20Bとの間に、更に、抵抗層(図示省略)を設けた構成であってもよいし、またこの抵抗層と活性層18との間に更に中間層(図示省略)を設けた構成であってもよい。
このように、電界効果型トランジスタ10について、活性層18とソース電極20A及びドレイン電極20Bとの間に、更に、抵抗層(図示省略)、または活性層18と抵抗層(図示省略)との間に更に中間層(図示省略)を設けた構成とする場合には、上記半導体層形成工程において、活性層18上に中間層及び抵抗層、または活性層18上に抵抗層を形成し、第1の導電層形成工程では、半導体層形成工程によって積層された最上層(半導体層形成工程によって積層された積層体において、基板12に対して最も遠い位置に配置された層)上に、第1の導電層20を形成すればよい。
なお、抵抗層としては、活性層18を構成する材料として上記に挙げた材料が用いられる。抵抗層は、電界効果型トランジスタ10として構成されたときに、活性層18よりソース電極20A及びドレイン電極20Bに近い位置に配置され、活性層18より低い電気伝導度を有する層であればよい。
この抵抗層の電気伝導度に対する活性層18の電気伝導度の比率(活性層18の電気伝導度/抵抗層の電気伝導度)は、10以上1010以下であり、より好ましくは、10以上1010以下であり、さらに好ましくは、10以上10以下である。好ましくは、活性層18の電気伝導度が10−4Scm−1以上10Scm−1未満である。より好ましくは10−1Scm−1以上10Scm−1未満である。
抵抗層の電気伝導度は、好ましくは10−2Scm−1以下、より好ましくは10−9Scm−1以上10−3Scm−1以下である。
また、活性層18の膜厚は、抵抗層の膜厚より厚いことが好ましい。より好ましくは、活性層18の膜厚/抵抗層の膜厚比が1を越え100以下、さらに好ましくは1を越え10以下である。活性層18の膜厚/層の膜厚比が1以下では、電流を流す活性層が抵抗層に比べて小さいため通電時の耐久性の点で好ましくなく、100を越えると抵抗層の効果が不十分になりON/OFF比が小さくなるので好ましくない。
また、上記中間層は、活性層18の非晶質酸化物半導体よりも酸素との結合力の強い元素種を含む酸化物を含有する層であればよい。金属元素と酸素との結合力は、「透明導電膜の技術」(日本学術振興会編)、100頁、「透明酸化物」(光・電子材料−第166委員会編、オーム社)や「透明酸化物機能材料とその応用」(細野秀雄監修,平野正浩著、シーエムシー出版)、104頁に、酸素との結合エネルギーとして定義されている明確な物理値である。
なお、中間層は、上述のように、活性層18と上記抵抗層との間に配置される。この酸素との結合力の強い元素種を含む酸化物を含有する中間層は、その酸素との強い結合力によってスパッタ工程の影響を受けず、安定にその酸素との結合状態を維持するので、下層に位置する活性層に対する影響を防止することができ、活性層18の半導体特性を安定に保つ効果を有する。
活性層18の酸化物半導体よりも酸素との結合力の強い元素種を含む酸化物は、好ましくは、Ba、Ca、Ti、Fe、Ga、Mg、Al、Ge、及びSiを含む群より選ばれる元素の少なくとも1つを含む酸化物であり、より好ましくは、Ga、Mg、Al、及びSiを含む群より選ばれる元素の少なくとも1つを含む酸化物であり、更に好ましくはGa又はMgを含む酸化物である。
活性層18の酸化物半導体よりも酸素との結合力の強い元素種を含む酸化物の具体例として、下記に列挙される酸化物あるが、これらの酸化物に限定される訳ではない。
BaO、CaO、TiO、Fe、Ga、MgO、Al、SiO、GeO、SiO
活性層18の酸化物半導体よりも酸素との結合力の強い元素種を含む酸化物としては、その他にも「透明導電膜の技術」(日本学術振興会編)、「透明酸化物」(光・電子材料−第166委員会編、オーム社)や「透明酸化物機能材料とその応用」(細野秀雄監修,平野正浩著、シーエムシー出版)に記載の酸化物を用いることができる。
上記抵抗層や中間層の形成方法としては、上記活性層18の形成方法として挙げた方法を用いればよい。本実施形態の電界効果型トランジスタ製造方法においては、活性層18とソース電極20A及びドレイン電極20Bとの間に、更に、抵抗層(図示省略)を設けた構成、またこの抵抗層と活性層18との間に更に中間層(図示省略)を設けた構成とすることで、中間層や抵抗層を透過して内部に剥離液が浸入してしまった場合に、活性層18の浸食が抑制されるといえる。
以下に、本発明の電界効果型トランジスタの製造方法について、実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
−半導体層形成工程−
まず、基板上に、絶縁層、ゲート電極、ゲート絶縁膜、及び活性層の積層された積層体を形成した。
基板としては、厚さ0.5mmのN型Si基板((株)ジェムコ製,抵抗率1Ωcm〜3.5Ωcm)を用意した。この基板上に、SiOをRFマグネトロンスパッタ真空蒸着法(条件:ターゲットSiO、成膜温度54℃、スパッタガスAr/O=12/2sccm、RFパワー400W、成膜圧力0.4Pa)にて100nm形成し、絶縁層を設けた。
次に、この絶縁層上に、ゲート電極として、Moを厚み40nmに蒸着した。スパッタリング条件は下記条件とした。
Moのスパッタリング条件:DCマグネトロンスパッタ装置により、DCパワー380W、スパッタリングガス流量Ar=12sccmであった。
ゲート電極のパターニングには、フォトリソグラフィー法とエッチング法とを用いた。
さらに、ゲート電極上に、下記のゲート絶縁膜の形成を行った。
ゲート絶縁膜:SiOをRFマグネトロンスパッタ真空蒸着法(条件:ターゲットSiO、成膜温度54℃、スパッタガスAr/O=12/2sccm、RFパワー400W、成膜圧力0.4Pa)にて100nm形成し、ゲート絶縁膜を設けた。ゲート絶縁膜SiOのパターニングには、スパッタ時にシャドウマスクを用いることにより行った。
このゲート絶縁膜上に、非晶質酸化物半導体から構成された非晶質酸化物半導体層を形成した。この活性層の形成方法としては、上記形成したゲート絶縁膜上に、InGaZnOの組成を有する多結晶焼結体をターゲットとして、RFマグネトロンスパッタ真空蒸着法により、RFマグネトロンスパッタ真空蒸着法により、Ar流量97sccm、O流量1.6sccm、RFパワー200W、圧力0.38Paの条件で行った。厚みは、50nmであった。
−第1の導電層形成工程−
次に、上記形成した非晶質酸化物半導体層上に、導電層として、Moを厚み40nmに蒸着した。スパッタリング条件は下記条件とした。
Moのスパッタリング条件:DCマグネトロンスパッタ装置により、DCパワー380W、スパッタリングガス流量Ar=12sccmであった。
−第1のレジストパターン形成工程、加工工程−
次に、上記非晶質酸化物半導体層上に形成された導電層上に、レジストパターンを形成した。レジストパターンの形成は、レジストをスピンコーターにより塗布することによって形成し、膜厚は1μmとした。このレジスト膜を形成後、90℃でベークした。
次に、上記形成した活性層及び導電層の内の、該レジストパターンによる非保護領域をエッチングすることによって導電層と共に非晶質半導体層をエッチングすることによって、活性層及び導電層の加工を行った。
エッチング条件としては、リン酸硝酸混合液を用いて、液温25℃で行った。
―第1の剥離工程―
上記加工工程によるエッチング完了後、剥離液として、アルカリ性溶解液(AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名 AZリムーバー)を用い、この剥離液によってレジストを溶解することで、上記第1のレジストパターン形成工程で形成されたレジストパターンを除去した。
なお、この剥離液に対する、上記第1の導電層形成工程で形成した導電層の構成材料であるMoの溶解速度は0.001nm/s以下であり、該導電層は該剥離液に対して耐性を有していた。
―第2の導電層形成工程―
上記第1の剥離工程によって第1のレジストパターンの剥離された導電層上に、さらに、Moを厚み40nmに蒸着した。スパッタリング条件は下記条件とした。
Moのスパッタリング条件:DCマグネトロンスパッタ装置により、DCパワー380W、スパッタリングガス流量Ar=12sccmであった。
―電極形成工程―
上記第2の導電層形成工程で形成した導電層上に、レジストパターンを形成した。レジストパターンの形成は、レジストをスピンコーターにより塗布することによって形成し、膜厚は1μmとした。このレジスト膜を形成後、90℃でベークした。
次に、上記形成した活性層及び導電層の内の、該レジストパターンによる非保護領域をエッチングすることによって導電層(第1の導電層形成工程、及び第2の導電層形成工程で形成した導電層)をエッチングすることによって、ソース電極及びドレイン電極を形成した。エッチング条件としては、燐酸硝酸混合液を用いて25℃で行った。
これによって、図10に示す構成の電界効果型トランジスタ1を作製した。
(実施例2)
実施例1では、半導体層形成工程において、基板上に、絶縁層、ゲート電極、ゲート絶縁膜、及び活性層の積層された積層体を形成した。本実施例2では、この半導体層形成工程において、活性層上に更に、中間層及び抵抗層を積層した。なお、実施例2は、半導体層形成工程が異なる以外は、実施例1と同じ方法を用いて電界効果型トランジスタ2を作製した。
―半導体層形成工程―
実施例1で調整した電界効果型トランジスタ1の製造工程における半導体層形成工程によって、厚さ0.5mmのN型Si基板((株)ジェムコ製,抵抗率1Ωcm〜3.5Ωcm)の基板上に、絶縁層として厚み100nmのSiO、ゲート電極として厚み40nmのMo、ゲート絶縁膜として厚み100nmのSiO、及び厚み50nmのInGaZnO非晶質半導体層を順次積層した。
この非晶質半導体層上に、中間層として、InGaZnOとGaの比率が容積比で75/25となるように成膜した。厚みは10nmであった。さらに、抵抗層として、Gaを厚み10nmに蒸着した。
(実施例3)
実施例3では、上記実施例2で調整した電界効果型トランジスタ2について、さらに、下記工程を行うことによって、実施例2における電極形成工程で形成したレジストパターンを剥離すると共に、保護層を形成した。
―保護層形成工程―
実施例2で調整した電界効果型トランジスタ2について、保護層を構成する材料として、GaをRFマグネトロンスパッタ法(条件:ターゲットGaO、成膜温度54℃、スパッタガスAr/O=97/5sccm、RFパワー100W、成膜圧力0.4Pa)にて100nm形成し、保護層を設けた。
これによって、実施例2で調整した電界効果型トランジスタ2の製造工程における電極形成工程によって形成されたソース電極とドレイン電極との電極間の領域と、実施例2における電極形成工程によって形成されたレジストパターン上と、に保護層を設けた。
―第2の剥離工程―
上記保護層形成工程により保護層が形成された後に、剥離液として、アルカリ性溶解液(AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名 AZリムーバー)を用い、この剥離液によってレジストを溶解することで、実施例1における電極形成工程で形成されたレジストパターンを溶解除去した。これによって、該レジストパターン上に形成されていた保護層も除去された。
これによって、図1及び図12に示す構成の電界効果型トランジスタ3を作製した。
(比較例1)
実施例1で調整した電界効果型トランジスタ1の製造工程における、第1の導電層形成工程を行わず、且つ、該実施例1における第1のレジストパターン形成工程及び加工工程において、非晶質半導体層上に直接レジストパターンを形成し、また、エッチングによって活性層をエッチングすることによって活性層の加工を行った以外は、実施例1と同じ製造方法を用いて比較電界効果型トランジスタ1を作製した。
(比較例2)
実施例2で調整した電界効果型トランジスタ2の製造工程における、第1の導電層形成工程を行わず、且つ、該実施例2における第1のレジストパターン形成工程及び加工工程において、非晶質半導体層上に直接レジストパターンを形成した後にエッチングすることによって活性層の加工を行った以外は、実施例2と同じ製造方法を用いて比較電界効果型トランジスタ2を作製した。
<評価>
上記実施例1〜実施例3、及び比較例1〜比較例2の各々で調整した電界効果型トランジスタ1〜3、及び比較電界効果型トランジスタ1〜2の各々について、ソース電極とドレイン電極を短絡し、ストレス電流IDS=3μAとなるようにダイオード接続でストレスを14時間印加した。そのストレス前後での閾値の変化量を閾値シフト量(ΔVth)と定義し、評価を行った。
得られた結果を表1に示した。
Figure 2010182929
表1に示されるように、実施例1〜実施例3により製造した電界効果型トランジスタ1〜3は、比較例1〜比較例2により製造した比較電界効果型トランジスタ1〜2に比べて、閾値シフト量が小さく、安定した性能を示した。
このため、実施例1〜実施例3の製造方法によれば、電界効果型トランジスタの製造工程において、非晶質酸化物半導体から構成された活性層における、電界効果型トランジスタとして構成されたときにソース電極及びドレイン電極の界面に連続する領域の浸食が抑制されたといえる。
10 電界効果型トランジスタ
11 電界効果型トランジスタ
12 基板
14 ゲート電極
16 ゲート絶縁膜
18 活性層
20A ソース電極
20B ドレイン電極
20 導電層
22A ソース電極用配線
22B ドレイン電極用配線
22 導電層
24 保護層
30 レジストパターン
32 レジストパターン

Claims (4)

  1. 基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、非晶質酸化物半導体から構成された活性層、ソース電極、及びドレイン電極を少なくとも有する電界効果型トランジスタの製造方法であって、
    非晶質酸化物半導体層を形成する半導体層形成工程と、
    前記非晶質酸化物半導体層上に第1の導電層を形成する第1の導電層形成工程と、
    前記第1の導電層上に第1のレジストパターンを形成するパターン形成工程と、
    前記非晶質酸化物半導体層及び前記第1の導電層の内の、前記第1のレジストパターンによる非保護領域をエッチングすることによって、前記第1の導電層と共に前記非晶質酸化物半導体層を加工して前記活性層上に前記第1の導電層の形成された状態とする加工工程と、
    前記第1のレジストパターンを前記第1の導電層から剥離する第1の剥離工程と、
    前記第1のレジストパターンの剥離された前記第1の導電層上に第2のレジストパターンを形成した後にエッチングを行うことによって、前記ソース電極及び前記ドレイン電極を形成する電極形成工程と、
    を少なくとも有する電界効果型トランジスタの製造方法。
  2. 前記第1の剥離工程では、第1の剥離液によって前記第1のレジストパターンを前記第1の導電層から剥離し、
    該第1の導電層は、前記第1の剥離液に対して耐性を有する材料から構成されたことを特徴とする請求項1に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  3. 前記電極形成工程によって前記ソース電極及び前記ドレイン電極を形成した後に、前記第2のレジストパターンを剥離するための第2の剥離液に対して耐性を有する保護層を、少なくとも前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の領域に形成する保護層形成工程と、
    前記保護層を形成した後に、前記第2の剥離液によって前記第2のレジストパターンを剥離する第2の剥離工程と、
    を有する請求項1または請求項2に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  4. 前記第1の剥離工程の後で且つ前記電極形成工程の前に行われ、前記第1の導電層上に第2の導電層を形成する第2の導電層形成工程を更に有し、
    前記電極形成工程は、前記第1の電極層上に形成された前記第2の電極層に、前記第2のレジストパターンを形成した後にエッチングを行うことによって、前記ソース電極及び前記ドレイン電極を形成することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
JP2009026092A 2009-02-06 2009-02-06 電界効果型トランジスタの製造方法 Pending JP2010182929A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009026092A JP2010182929A (ja) 2009-02-06 2009-02-06 電界効果型トランジスタの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009026092A JP2010182929A (ja) 2009-02-06 2009-02-06 電界効果型トランジスタの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010182929A true JP2010182929A (ja) 2010-08-19

Family

ID=42764251

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009026092A Pending JP2010182929A (ja) 2009-02-06 2009-02-06 電界効果型トランジスタの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010182929A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012174723A (ja) * 2011-02-17 2012-09-10 Sony Corp 薄膜トランジスタおよびその製造方法、並びに表示装置
JP2013149963A (ja) * 2011-12-23 2013-08-01 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置およびその作製方法
JP2014199921A (ja) * 2013-03-14 2014-10-23 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置およびその作製方法
JP2015135962A (ja) * 2013-12-20 2015-07-27 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置
JP2017005279A (ja) * 2011-12-02 2017-01-05 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置の作製方法
JP6400161B1 (ja) * 2017-08-08 2018-10-03 キヤノン株式会社 成膜方法、ドライフィルムの製造方法、および液体吐出ヘッドの製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012174723A (ja) * 2011-02-17 2012-09-10 Sony Corp 薄膜トランジスタおよびその製造方法、並びに表示装置
JP2017005279A (ja) * 2011-12-02 2017-01-05 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置の作製方法
JP2013149963A (ja) * 2011-12-23 2013-08-01 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置およびその作製方法
JP2014199921A (ja) * 2013-03-14 2014-10-23 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置およびその作製方法
US9991395B2 (en) 2013-03-14 2018-06-05 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and manufacturing method thereof
JP2015135962A (ja) * 2013-12-20 2015-07-27 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置
JP6400161B1 (ja) * 2017-08-08 2018-10-03 キヤノン株式会社 成膜方法、ドライフィルムの製造方法、および液体吐出ヘッドの製造方法
JP2019033171A (ja) * 2017-08-08 2019-02-28 キヤノン株式会社 成膜方法、ドライフィルムの製造方法、および液体吐出ヘッドの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101654663B1 (ko) 전자소자와 그 제조방법, 표시장치, 및 센서
JP5322530B2 (ja) 薄膜電界効果型トランジスタの製造方法及び該製造方法によって製造された薄膜電界効果型トランジスタ
JP5320746B2 (ja) 薄膜トランジスタ
JP5371467B2 (ja) 電界効果型トランジスタ及び電界効果型トランジスタの製造方法
JP5512144B2 (ja) 薄膜トランジスタ及びその製造方法
JP2011249674A (ja) 薄膜トランジスタおよびその製造方法
TW201140850A (en) Thin-film field-effect transistor and method for manufacturing the same
JP2010182929A (ja) 電界効果型トランジスタの製造方法
JP5274165B2 (ja) 薄膜電界効果型トランジスタ及びその製造方法
JP5507133B2 (ja) ボトムゲート構造の薄膜トランジスタの製造方法
JP5491258B2 (ja) 酸化物半導体の成膜方法
JP2010205923A (ja) 電界効果型トランジスタの製造方法
JP5478963B2 (ja) 電子素子及び電子素子の製造方法
US10079311B2 (en) Thin film transistor substrate and method for making same
JP5523896B2 (ja) 薄膜トランジスタおよびその製造方法
JP2011049297A (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP5548500B2 (ja) 薄膜電界効果型トランジスタの製造方法
JP5604938B2 (ja) 薄膜トランジスタ及びその製造方法
JP2010205932A (ja) 電界効果型トランジスタ
JP2010073880A (ja) 薄膜電界効果型トランジスタ及びその製造方法
WO2022196684A1 (ja) 薄膜トランジスタ、および、薄膜トランジスタの製造方法
WO2014103323A1 (ja) 薄膜電界効果型トランジスタ
JP5523897B2 (ja) 薄膜トランジスタおよびその製造方法
WO2023153509A1 (ja) 薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタの製造方法
JP2010045243A (ja) 薄膜電界効果型トランジスタ及びその製造方法