JP5508923B2 - 蓄電モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、電気エネルギーの蓄積,放出が可能な蓄電モジュールに関する。
蓄電モジュールに関する背景技術としては、例えば特許文献1,2に開示された技術が知られている。特許文献1,2には、フレキシブルプリント配線基板に設けられた電圧検出線を用いてラミネート電池の端子電圧を取り込む技術が開示されている。
特開2004−273351号公報 特開2004−47167号公報
近年、電動化の普及、災害時などの非常時に対する対応強化、クリーンエネルギーの利用促進などにより、電気的エネルギーを利用したシステムの導入が増えている。ここ数年では、地球温暖化の一層の歯止め、省エネルギー化の一層の推進などの要求が社会的に高まっており、電気的エネルギーを利用したシステムの導入促進が求められている。電気的エネルギーを利用したシステムの導入促進を図るためには、システム導入に掛かる初期投資を低く抑え、システムを導入し易くするなどの対応が必要である。このため、電気的エネルギーを利用したシステムを構成する各コンポーネント機器にはより一層の低コスト化などが求められている。
電気的エネルギーを利用したシステムの多くは、電気的エネルギーを蓄積,放出が可能な蓄電装置を電源として設けている。蓄電装置は、他のコンポーネント機器、例えば電力変換装置や原動機などと比べて高価である。特に高容量,高出力の高性能な蓄電器を数多く備えた蓄電装置は高価であり、低コスト化に対する要求も高い。このため、背景技術の蓄電モジュールの電圧検出配線構造においてもさらなる低コスト化が求められている。
本願の代表的な発明の一つは、低コスト化を図ることができる蓄電モジュールを提供する。
ここに、本願の代表的な発明の一つは、蓄電器を電気的に接続する蓄電器接続導体に、蓄電器の電圧を取り込むための電圧検出線を一体化してサブユニット化し、このサブユニットに一体化された蓄電器接続導体が蓄電器に機械的に接続されると、電圧検出線が蓄電器に電気的に接続されるようにしたことを特徴とする。サブユニットは、具体的には、複数の蓄電器のそれぞれの電圧を取り込むための電圧検出線と、この電圧検出線が設けられた配線基板と、蓄電器接続導体に電気的に接続された接続端子と、この接続端子を保持する保持部材と、配線基板を保持部材に押圧して固定する弾性体とを備えている。電圧検出線は、接続端子に当接し、この当接部位に対応する配線基板の部位が弾性体に押圧されることにより接続端子に圧接されている。
本願の代表的な発明の一つによれば、蓄電モジュールの低コスト化を図ることができる。
(実施形態1)プラグインハイブリッド自動車の駆動システムの構成を示すブロック図。 (実施形態1)図1に用いられる扁平角型電池セルの構成を示す部分切欠き斜視図。 (実施形態1)図2の電槽内部に収納された電極捲回体の構成を示す斜視図。 (実施形態1)図2の電池セルを用いた電池モジュールの構成及び電圧検出線ユニットの構成を示す平面図。 (実施形態1)図4の電圧検出線ユニットのP−P矢視断面図。 (実施形態1)図4のフレキシブルプリント配線基板の構成を示す平面図。 (実施形態1)図6のヒューズ機構部の構成を拡大して示す拡大図。 (実施形態1)図4の電池セル側に用いられるU字型弾性体の構成を示す斜視図。 (実施形態1)図4のコネクタ側に用いられるU型字弾性体の構成を示す斜視図。 (実施形態1)図5の電圧検出線ユニットの組立手順を示す分解部分断面図。 (実施形態2)電池モジュールの電圧検出線ユニットに用いられるフレキシブルプリント配線基板の電極パッド部分の構成を拡大して示す拡大図。 (実施形態3)電池モジュールの電圧検出線ユニットに用いられるフレキシブルプリント配線基板の導電性配線部分の構成を拡大して示す拡大図。
以下、本願の発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
以下に説明する実施形態例では、本願の発明を、移動体の電源を構成する蓄電装置、特に電動車両の一つである電気自動車の車両駆動電源を構成するバッテリ装置に適用した場合を例に挙げて説明する。
電気自動車としては、内燃機関であるエンジンと電動機とを車両の駆動源(原動機)として備えると共に、商用電源及び電気スタンドなどの外部電源から供給された交流電力をバッテリ装置に充電するための充電器を搭載したプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)を例に挙げて説明する。電気自動車としては、エンジンと電動機とを車両の駆動源として備えると共に、商用電源及び電気スタンドなどの外部電源から供給された交流電力をバッテリ装置に充電するための充電器を持たない(車両の減速時の回生によって得られた電力及び/又は原動機によって駆動される発電機から得られた電力によりバッテリ装置を充電する)ハイブリッド電気自動車(HEV)や、車両の駆動源としてエンジンを持たない(電動力を発生する電動機を車両の唯一の駆動源とする)とすると共に、商用電源及び電気スタンドなどの外部電源から供給された交流電力をバッテリ装置に充電するための充電器を搭載した純粋な電気自動車(EV)など、他の電気自動車であっても構わない。
車両駆動電源を構成するバッテリ装置としては、蓄電器として、扁平角型形状のリチウムイオン二次電池セル(以下、単に「電池セル」と記述する)を備えたリチウムイオンバッテリ装置を例に挙げて説明する。バッテリ装置としては、蓄電器として、ニッケル水素電池や鉛電池などの二次電池、コンデンサやキャパシタなどの容量性機器など、他の蓄電器を備えたものであっても構わない。
以下に説明する実施形態の構成は、ハイブリッド電車などの鉄道車両,バスなどの乗合自動車,トラックなどの貨物自動車,バッテリ式フォークリフトトラックなどの産業車両など、他の電動車両の車両駆動電源を構成するバッテリ装置にも適用できる。
また、以下に説明する実施形態の構成は、コンピュータシステムやサーバシステムなどに用いられる無停電電源、自家用発電設備に用いられる電源,太陽光,風力,地熱などの自然エネルギーを用いた発電設備に用いられる電源など、電動車両以外の電源を構成する蓄電装置にも適用できる。
プラグインハイブリッド自動車では、バッテリ装置に充電された電気エネルギーは、車両を電動力(回転動力)によって駆動する場合に直流電力として放電される。放電された直流電力は、インバータ装置(電力変換装置)によって電圧及び位相が制御された所定の交流電力に変換された後、車両の力行時に電動機として機能してプラグインハイブリッド自動車駆動用電動力を発生するモータジェネレータ(回転電機)に供給される。バッテリ装置への電気エネルギーの充電は、車両の減速時の回生によって得られた交流電力及び/又は原動機によって駆動される発電機から得られた交流電力によって行われる。回生電力は、車両側から供給された動力によってモータジェネレータが発電機として駆動されることにより得られた交流電力であり、インバータ装置によって電圧が制御された所定の直流電力に変換された後、バッテリ装置に供給されて充電される。
また、バッテリ装置に充電された電気エネルギーは、内燃機関であるエンジンを始動する場合、ラジオなどのカーオーディオ,カーナビゲーション装置,ライトなどの電装品を駆動する場合に直流電力として使用される場合もある。この場合、バッテリ装置から放電された直流電力は、電力変換装置によって、電圧及び位相が制御された所定の交流電力に変換されたり、電圧が制御(昇降圧)された所定の直流電力に変換されたりした後、各電気負荷や他の蓄電装置に供給される。バッテリ装置への電気エネルギーの充電は、家庭電源である商用電源から取り込んだ単相交流電力、電気ステーションや商業施設などに設けられた電気スタンドを介して購入した単相或いは三相交流電力によって行われる。この場合、商用電源や電気スタンドなどの外部電源から供給された単相或いは三相交流電力は、プラグインハイブリッド自動車に搭載された充電器によって電圧が制御された所定の直流電力に変換された後、バッテリ装置に供給されて充電される。
バッテリ装置は、複数の電池セルをスタックして構成した電池モジュールを備えている。電池モジュールには数百ボルトの出力電圧が要求される。このため、電池モジュールでは、1個あたり数ボルト(例えば平均的な公称出力電圧が3.6ボルト)の電池セルを、その要求出力電圧を満足する本数分、電気的に直列に接続している。
電池モジュールにおいて、電池セルが過充放電にならないようにするためには、各電池セルの状態を知り各電池セルの状態を制御する必要がある。電池セルの状態を知るためのパラメータの一つとしては電池セルの端子電圧がある。このため、電池モジュールでは各電池セルの端子電圧を検出している。電圧を検出するためには、コントローラと電池セルとの間を電圧検出配線によって電気的に接続し、各電池セルの端子電圧をコントローラに電圧検出線を介して取り込む必要がある。電池セル及びコントローラに接続されるコネクタに対する電圧検出線の取り付け方は様々であるが、その取り付け方によっては、電池モジュールの組立工程が複雑化し、電池モジュールの製造コストが増加する。また、大容量のバッテリ装置では電池セルの数が多くなり、これに応じて電圧検出線の取り付け箇所が多くなると、電池モジュールの組立工程が複雑化し、電池モジュールの製造コストが増加する。
そこで、以下に説明する実施形態では、電池セルを電気的に接続する電池セル接続導体に、電池セルの電圧を取り込むための電圧検出線を一体化してサブユニット化し、このサブユニットに一体化された電池セル接続導体が電池セルに機械的に接続されると、電池セルに電圧検出線が電気的に接続されるようにしている。
具体的には、電圧検出線ユニットは、電池モジュールの組立工程とは別の工程において予め構成されたサブユニットであって、電池セル接続導体に電気的に接続された接続端子と、電圧検出線が設けられた配線基板と、接続端子を保持する保持部材と、配線基板を保持部材に固定する弾性体とを有し、接続端子に電圧検出線を当接させ、この当接部位に対応する配線基板部位を弾性体により押圧して、電圧検出線と接続端子とを圧接した構成を備えている。
このような電圧検出線ユニットによれば、電池モジュールの組立工程において、電池セル接続導体が電池セルに機械的に接続されると同時に、電圧検出線が電池セルに電気的に接続されるので、電池モジュールの組立工程において、電池セルに対する電圧検出線の接続作業を省略して電池モジュールの組立作業性を向上させることができ、電池モジュールの生産性を向上させることができる。これにより、以下に説明する実施形態によれば、電池モジュールの組立工程を簡素化することができ、電池モジュールの製造コストを低減することができる。従って、以下に説明する実施形態によれば、電池モジュールの低コスト化を図ることができる。
電池セル接続導体と接続端子との電気的な接続はメス−メス型中継端子を介して行っている。メス−メス型中継端子は保持部材により保持されており、その一方側端部のメス口には電池セル接続導体が挿入され、その他方側端部のメス口には接続端子が挿入されている。このようなメス−メス型中継端子を用いた導体同士の接続によれば、作業性が煩雑になる溶接などの接合を用いる必要がなく、電圧検出線ユニットの製作性を向上させることができる。
接続端子に対する電池セル接続導体の接続部位は、電池セル接続導体によって電気的に接続され電池セルのほぼ中間、すなわち電池セル接続導体の長手方向中央になっている。このように、接続端子に対する電池セル接続導体の接続部位を、電池セル接続導体によって電気的に接続され電池セルのほぼ中間とすると、電池セル接続導体によって電気的に接続され電池セルの中点の電位を用いて電池セルの電圧を検出することができ、接続端子に対する電池セル接続導体の接続部位から電池セルの一方側までに至る距離と、接続端子に対する電池セル接続導体の接続部位から電池セルの他方側までに至る距離との違いによる電気的な影響を小さくし、電池セルの電圧検出精度を向上させることができる。
配線基板は、ポリイミドなどのフレキシブル素材に箔状の前記電圧検出線が設けられて構成されたフレキシブルプリント配線基板である。このように、フレキシブルプリント配線基板を用いれば、リード配線よりも取り扱い性が良く、リジッド配線基板よりも小型化及び軽量化を図ることができ、電圧検出線ユニットの製作性の向上,小型化及び軽量化を図ることができる。
また、フレキシブルプリント配線基板を用いると、電圧検出線の接続端子との圧接の近傍に、電圧検出線を流れる電流によって電圧検出線を溶断するヒューズ機構を一体に設けることができる。ヒューズ機構は、電圧検出線の一部の幅を他の部位の幅よりも小さくすることにより構成することができる。このように、ヒューズ機構を電圧検出線に設けると、例えば電池セルが異常に高い電流を流し、電池セルが熱暴走に至る前に、即座に電圧検出線を遮断することができるので、電池セルの異常電流から制御装置を保護することができ、バッテリ装置の信頼性及び安全性を向上させることができる。また、ヒューズ機構を電圧検出線に一体化しているので、電池モジュールの組立工程において、別途設けたヒューズ機構の接続作業を省略することができ、電池モジュールの組立工程の簡素化による電池モジュールの製造コストの低減効果を高めることができる。
配線基板には、電圧検出線ユニットから電圧を取り出すための取り出し部が延設されている。この取り出し部には、コネクタ端子を有するコネクタが設けられている。コネクタのコネクタ端子には、電圧検出線の接続端子との圧接側とは反対側が電気的に接続されている。電圧検出線の接続端子との圧接側とは反対側とコネクタ端子の両者は、電圧検出線の接続端子との圧接側とは反対側をコネクタ端子に当接し、この当接部位に対応する配線基板を弾性体に押圧して、電圧検出線の接続端子との圧接側とは反対側を前記コネクタ端子に圧接することにより電気的に接続されている。このような接続を用いれば、電圧検出線とコネクタとの接続に、作業性が煩雑になる溶接などの接合を用いる必要がなく、電圧検出線ユニットの製作性を向上させることができる。
電圧検出線と接続端子との接続、電圧検出線とコネクタ端子との接続には、弾性体の押圧による圧接を用いている。弾性体はU字型の板バネを用いている。このように、弾性体による圧接を用いると、配線基板を容易に交換することができる。例えばヒューズ機構が作用して、電圧検出線が溶断した場合には、弾性体を外して配線基板を電圧検出線ユニットから取り外した後、電圧検出線ユニットに新たな配線基板を装着して弾性体により固定する。こうすることにより、電圧検出線を除く他の電圧検出線ユニットの部品は全て再利用可能となる。これにより、以下に説明する実施形態によれば、リサイクル性,環境性に優れていると共に、電池モジュールの低コスト化を図ることができる。
以下、図面を用いて詳細に説明する。
〔実施形態1〕
第1実施形態を図1乃至図6に基づいて説明する。
まず、図1を用いて、バッテリ装置100を含むプラグインハイブリッド自動車1の駆動システムの構成について説明する。
図1は、プラグインハイブリッド自動車1の駆動システムの構成及びその一部を構成する電動駆動装置の各コンポーネントの電気的な接続構成を示す。
尚、図1において、太い実線は強電系を示し、細い実線は弱電系を示す。
プラグインハイブリッド自動車(以下、「PHEV」と記述する)1はパラレルハイブリッド方式の駆動システムを備えている。
パラレルハイブリッド方式の駆動システムは、内燃機関であるエンジン4とモータジェネレータ200とを駆動輪2に対してエネルギーの流れ的に並列に配置(構造的には、動力伝達制御機構であるクラッチ5を介してエンジン4とモータジェネレータ200とを機械的に直列に接続)し、エンジン4の回転動力による駆動輪2の駆動,モータジェネレータ200の回転動力による駆動輪2の駆動、及びエンジン4とモータジェネレータ200の両方の回転動力による駆動輪2の駆動ができるように構成されている。すなわちパラレルハイブリッド方式の駆動システムは、エンジン4を動力源とし、主としてPHEV1の駆動源として用いられるエンジン駆動装置と、モータジェネレータ200を動力源とし、主としてPHEV1の駆動源及びPHEV1の電力発生源として用いられる電動駆動装置とを備えている。
ハイブリッド方式としては、内燃機関であるエンジンの回転動力を用いて発電機を駆動し、この駆動によって発生した電力を用いてモータジェネレータを駆動し、この駆動によって発生した回転動力を用いて駆動輪を駆動する、いわゆるエンジンから駆動輪までのエネルギーの流れがシリーズであるシリーズハイブリッド方式がある。また、ハイブリッド方式としては、上記パラレルハイブリッド方式と上記シリーズハイブリッド方式とを組み合わせたシリーズ・パラレルハイブリッド方式(エンジンの回転動力の一部を発電用モータジェネレータに分配して発電させ、これにより得られた電力により駆動用モータジェネレータを駆動できるように、遊星歯車機構などの動力伝達機構を用いてエンジンと2つのモータジェネレータとを機械的に接続した方式)がある。本実施形態では、パラレルハイブリッド方式の駆動システムを例に挙げて説明するが、以下において説明する本実施形態のバッテリ装置100は、前述した他のハイブリッド方式の駆動システムのバッテリ装置に適用しても構わない。
図示省略した車体のフロント部或いはリア部には車軸3が回転可能に軸支されている。車軸3の両端には一対の駆動輪2が設けられている。図示省略したが、車体のリア部或いはフロント部には、両端に一対の従動輪が設けられた車軸が回転可能に軸支されている。PHEV1では、駆動輪2を前輪とし、従動輪を後輪とした前輪駆動方式を採用している。駆動方式としては後輪駆動方式や4輪駆動方式(前後輪の一方をエンジン駆動装置により駆動し、他方を電動駆動装置により駆動する方式)を採用しても構わない。
車軸3の中央部にはデファレンシャルギア(以下、「DEF」と記述する)7が設けられている。車軸3はDEF7の出力側に機械的に接続されている。DEF7の入力側には変速機6の出力軸が機械的に接続されている。DEF7は、変速機6によって変速されて伝達された回転駆動力を左右の車軸3に分配する差動式動力分配機構である。変速機6の入力側にはモータジェネレータ200の出力側が機械的に接続されている。モータジェネレータ200の入力側には、動力伝達制御機構であるクラッチ5を介してエンジン4の出力側が機械的に接続されている。クラッチ5は、エンジン4の回転動力を駆動輪2に伝達する場合には締結状態になり、エンジン4の回転動力を駆動輪2に伝達しない場合には切離し状態になるように制御される。
尚、モータジェネレータ200及びクラッチ5は、変速機6の筐体の内部に収納されている。
モータジェネレータ200は、電機子巻線211を備えた電機子(本実施形態では固定子)210と、電機子210に空隙を介して対向配置され、永久磁石221を備えた界磁(本実施形態では回転子)220を有する回転電機であり、力行時にはモータとして、発電時(回生時)にはジェネレータとして、それぞれ機能する。
本実施形態では、モータジェネレータ200として、三相交流同期機(永久磁石界磁型)を用いた場合を例に挙げて説明するが、他の三相交流同期機(巻線界磁型)や三相交流誘導機(界磁鉄心に短絡された導体バーが装着された界磁を用いたもの)を用いても構わない。
モータジェネレータ200がモータとして機能する場合、すなわちPHEV1の力行時やエンジン4を始動する時など、回転動力が必要な運転モードにある場合には、バッテリ装置100に蓄積された電気エネルギーがインバータ装置300を介して電機子巻線211に供給される。これにより、モータジェネレータ200は電機子210と界磁220との間の磁気的作用により回転動力(機械エネルギー)を発生し、その回転動力を出力する。モータジェネレータ200から出力された回転動力は、PHEV1の力行時には、変速機6及びDEF7を介して車軸3に伝達され、駆動輪2を駆動し、エンジン4の始動時には、クラッチ5を介してエンジン4に伝達され、エンジン4を駆動する。
モータジェネレータ200がジェネレータとして機能する場合、すなわちPHEV1の減速時や制動時などの回生時及びPHEV1の走行中にバッテリ装置100の充電が必要な時など、発電が必要な運転モードにある場合には、駆動輪2或いはエンジン4から伝達された機械エネルギー(回転動力)がモータジェネレータ200に伝達され、モータジェネレータ200が駆動される。このように、モータジェネレータ200が駆動されると、電機子巻線211には電機子210と界磁220との間の磁気的作用により電圧が誘起される。これにより、モータジェネレータ200は電力を発生し、その電力を出力する。モータジェネレータ200から出力された電力はインバータ装置300を介してバッテリ装置100に供給される。これにより、バッテリ装置100は充電される。
モータジェネレータ200の駆動は、電機子210とバッテリ装置100との間の電力がインバータ装置300によって制御されることにより制御される。すなわちインバータ装置300はモータジェネレータ200の制御装置である。インバータ装置300は、スイッチング半導体素子のスイッチング動作によって電力を直流から交流に、交流から直流に変換する電力変換装置であり、パワーモジュール310,パワーモジュール310に実装されたスイッチング半導体素子を駆動する駆動回路330,パワーモジュール310の直流側に電気的に並列に接続され、直流電圧を平滑する電解コンデンサ320、及びパワーモジュール310のスイッチング半導体素子のスイッチング指令を生成し、このスイッチング指令に対応する信号を駆動回路330に出力するモータ制御装置340を備えている。
パワーモジュール310は、二つの(上アーム及び下アームの)スイッチング半導体素子を電気的に直列に接続し直列回路(一相分のアーム)が三相分、電気的に並列に接続(三相ブリッジ接続)されて電力変換回路が構成されるように、六つのスイッチング半導体素子を基板上に実装し、アルミワイヤなどの接続導体によって電気的に接続した構造体である。
スイッチング半導体素子としては金属酸化膜半導体型電界効果トランジスタ(MOSFET)或いは絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)を用いている。ここで、電力変換回路をMOSFETによって構成する場合、ドレイン電極とソース電極との間には寄生ダイオードが存在するので、別途、それらの間にダイオード素子を実装する必要がない。一方、電力変換回路をIGBTによって構成する場合、コレクタ電極とエミッタ電極との間にはダイオード素子が存在していないので、別途、それらの間にダイオード素子を電気的に逆並列に接続する必要がある。
各上アームの下アーム接続側とは反対側(IGBTの場合、コレクタ電極側)はパワーモジュール310の直流側から外部に導出され、バッテリ装置100の正極側に電気的に接続されている。各下アームの上アーム接続側とは反対側(IGBTの場合、エミッタ電極側)はパワーモジュール310の直流側から外部に導出され、バッテリ装置100の負極側に電気的に接続されている。各アームの中点、すなわち上アームの下アーム接続側(IGBTの場合、上アームのエミッタ電極側)と下アームの上アーム接続側(IGBTの場合、下アームのコレクタ電極側)との接続点はパワーモジュール310の交流側から外部に導出され、電機子巻線211の対応する相の巻線に電気的に接続されている。
電解コンデンサ320は、スイッチング半導体素子の高速スイッチング動作に起因して生じる電圧変動を抑制する平滑用コンデンサである。平滑用コンデンサとしては電解コンデンサ320の代わりにフィルムコンデンサを用いてもよい。
モータ制御装置340は、車両全体の制御を司る車両制御装置8から出力されたトルク指令信号を受けて、六つのスイッチング半導体素子に対するスイッチング指令信号(例えばPWM(パルス幅変調)信号)を生成し、駆動回路330に出力する電子回路装置であり、マイクロコンピュータなどの演算処理装置を含む複数の電子部品が回路基板に実装されることにより構成され、パワーモジュール310とは熱的に隔絶されたインバータ筐体内に配置されている。
駆動回路330は、モータ制御装置340から出力されたスイッチング指令信号を受けて、六つのスイッチング半導体素子に対する駆動信号を生成し、六つのスイッチング半導体素子のゲート電極に出力する電子回路装置であり、スイッチング半導体素子や増幅器などの複数の電子部品が回路基板に実装されることにより構成され、パワーモジュール310の近傍、例えばパワーモジュール310のケース上部に配置されている。
車両制御装置8は、運転者からのトルク要求,車両の速度など、車両の運転状態を示す複数の状態パラメータに基づいて、モータ制御装置340に対するモータトルク指令信号及びエンジン制御装置(図示省略)に対するエンジントルク指令信号をそれぞれ生成し、それぞれトルク指令信号を、対応する制御装置に出力する。
尚、エンジン制御装置は、エンジン4のコンポーネントである空気絞り弁,燃料噴射弁,吸排気弁などの駆動を制御する電子機器であり、車両制御装置8の出力信号から取得したエンジントルク指令信号に基づいて各コンポーネントの駆動指令信号を生成し、各駆動指令信号を各コンポーネントの駆動回路に出力する。
バッテリ装置100は、モータジェネレータ200の駆動用電源を構成する、公称出力電圧200ボルト以上の高電圧で、これまでのハイブリッド自動車用駆動バッテリよりも出力密度及びエネルギー密度が高い蓄電装置であり、ジャンクションボックス400を介してインバータ装置300及び充電器500に電気的に接続されている。バッテリ装置100としてはリチウムイオンバッテリ装置を用いている。
バッテリ装置100は、インバータ装置300及び充電器500によって充放電される蓄電装置であり、主要部として電池モジュール110及び制御装置を備えている。
電池モジュール110及び制御装置は、センサ,冷却装置(例えば冷却媒体として空気を電池モジュール110に送風する冷却ファン),リレーなどを含む他の構成部品と共に1つの電源筐体内に収納されている。電源筐体は、車室内の座席の下或いはトランクルーム若しくは床下などに設置される。電源筐体には、インバータ装置300及び充電器500など、バッテリ装置100と同様の高電圧電気機器を一緒に収納してもよい。この収納方式によれば、高電圧ケーブルの這い回しが容易になると共に、配線距離の短縮によってインダクタンスを低減し、電気的な損失を低減できる。
電池モジュール110は電気エネルギーの貯蔵庫であり、インバータ装置300及び充電器500に電気的に接続されている。
電池モジュール110は、電気エネルギーの蓄積及び放出(直流電力の充放電)が可能な複数のリチウムイオン電池セル10(以下、単に「電池セル10」と記述する)を備えている。複数の電池セル10は、収納ケース(モジュールケース)の内部に配置されて電気的に直列に接続されている。これにより、電池モジュール110には一つの組電池が構成される。電池セル10は電池モジュール110における最小の構成単位であり、単電池と呼ばれる場合もある。電池セル10としては、公称出力電圧が3.0〜4.2ボルト(平均公称出力電圧が3.6ボルト)のものを用いた場合を例に挙げて説明するが、これ以外の電圧仕様のものを用いても構わない。
複数の電池セル10は、その状態管理上及び制御上、所定の単位数により区分されて複数の電池群に分けられている。別な言い方をすれば、所定の数の電池セル10が電気的に直列に接続されて一つの電池群が構成され、その電池群が複数、電気的に直列に接続されて組電池が構成されている。所定の単位数としては、例えば4個,6個,10個,12個・・・というように、最高電位側から最低電池側に向かって電位の順にしたがって等区分とする。また、所定の単位数としては、4個と6個との組み合わせ・・・というように、最高電位側から最低電池側に向かって電位の順にしたがって複合区分とする場合もある。
PHEV1においては、実際には100本前後〜200本前後の電池セル10が搭載され、電気的に直列或いは直並列に接続される。
電池モジュール110の正極側とインバータ装置300(パワーモジュール310)の直流正極側との間の充放電路には、電池モジュール110からインバータ装置300(パワーモジュール310)に供給される電流、或いはインバータ装置300(パワーモジュール310)から電池モジュール110に供給される電流を検出するための電流計測手段(電流センサ又は電流計測回路)が電気的に直列に接続されている。電池モジュール110の両極間(正極側と負極側との間)には、電池モジュール110の両極間電圧を検出するための電圧計測手段(電圧センサ又は電圧計測回路)が電気的に並列に接続されている。電池モジュール110の内部には、複数の温度計測手段(サーミスタ或いは熱電対などのセンサ又は温度計測回路)が設けられている。
制御装置は、複数の電子回路部品から構成された電子制御装置であり、電池モジュール110の状態を管理及び制御すると共に、インバータ装置300及び充電器500に許容充放電量を提供して、電池モジュール110における電気エネルギーの出入りを制御する。
制御装置は、機能上、2つの階層に分かれて構成されており、バッテリ装置100内において上位(親)に相当するバッテリ制御装置130と、バッテリ制御装置130に対して下位(子)に相当するセル制御装置120とを備えている。
バッテリ制御装置130及びセル制御装置120を構成する電子回路部品はそれぞれ、独立した回路基板に実装されている。セル制御装置120を構成する電子回路部品が実装された回路基板は、セル制御装置120の機能上、電池モジュール110の内部に配置されている。バッテリ制御装置130を構成する電子回路部品が実装された回路基板は別途、制御装置用ケースの内部に収納され、電池モジュール110の近傍に配置されている。バッテリ制御装置130及びセル制御装置120を構成する電子回路部品を共通の一つの回路基板により構成する場合には、その回路基板を制御装置用ケースの内部に収納し、そのケースを電池モジュール110の近傍に配置する。
バッテリ制御装置130及びセル制御装置120は、信号伝送回路によってお互いに信号の授受ができるようになっているが、電気的には絶縁されている。これは、お互いの動作電源が異なり、お互いに基準電位が異なるためである。すなわちセル制御装置120は、シャーシグランドから浮動状態にある電池モジュール110を電源とし、バッテリ制御装置130は、シャーシグランドを基準電位とする車載補機用低圧バッテリ(例えば14ボルト系バッテリ)を電源としているためである。このため、バッテリ制御装置130及びセル制御装置120の間を結ぶ信号伝送路上にはフォトカプラ,容量性結合素子,変圧器などの絶縁140が設けられている。これにより、バッテリ制御装置130及びセル制御装置120は、お互いに基準電位の異なる信号を用いて信号伝送ができる。絶縁140は、セル制御装置120を構成する電子回路部品が実装された回路基板に実装されている。
信号伝送回路は、少なくとも2つの異なる使われ方をするシリアル通信用の信号伝送回路から構成されている。本実施形態では、信号伝送回路として、LIN(Local Interconnect Network)と呼ばれる、CAN(Controller Area Network)に準拠する通信規格を採用した信号伝送回路を用いている。信号伝送回路は、バッテリ制御装置130から出力された通信コマンド信号、すなわち通信(制御)内容を示すデータ領域など、複数の領域が設けられた複数バイトの信号を伝送する。
バッテリ制御装置130から信号伝送回路を介して出力される通信コマンド信号には、電池セルの検出された端子電圧の送信を要求するための指令信号,電池セルの充電状態の調整を実行させるための指令信号,セル制御装置120を起動させるための指令信号,セル制御装置120の動作を停止させるための指令信号,セル制御装置120から通知された異常の内容を確認するための指令信号などが含まれている。
セル制御装置120は、バッテリ制御装置130から出力された指令信号に基づいてバッテリ制御装置130の手足となって動作し、複数の電池セル10のそれぞれの状態を管理及び制御する。このため、セル制御装置120は、複数の電池セル10の両端子(正極側端子及び負極側端子)に電圧検出用配線を介して電気的に接続されており、複数の電池セル10のそれぞれの端子間電圧を検出している。
また、セル制御装置120は、バッテリ制御装置130から出力された、充電状態の調整に関する指令信号に基づいて、複数の電池セル10のうち、充電状態の調整が必要な電池セル10について充電状態を調整している。このため、複数の電池セル10のそれぞれの端子間にはバイパス回路が電気的に並列に接続されている。バイパス回路は、抵抗とスイッチング半導体素子とを電気的に直列に接続した直列回路により構成されている。電池セル10について充電状態はセル制御装置120がバイパス回路のスイッチング半導体素子のオンオフを制御することにより調整することができる。
バッテリ制御装置130は、電池モジュール110の状態を管理及び制御すると共に、車両制御装置8又はモータ制御装置340に許容充放電量を通知して、電池モジュール110における電気エネルギーの出入りを制御する電子制御装置であって、マイクロコンピュータやディジタルシグナルプロセッサなどの演算処理装置により構成されており、記憶装置など含む他の電子回路部品と共に回路基板に実装されている。
バッテリ制御装置130には、前述した電流計測手段,電圧計測手段及び温度計測手段から出力された計測信号,セル制御装置120から出力された、複数の電池セルの端子間電圧に関する検出信号,セル制御装置120から出力された異常信号,イグニションキースイッチの動作に基づくオンオフ信号、及び上位制御装置である車両制御装置8又はモータ制御装置340から出力された信号を含む複数の信号が入力されている。イグニションキースイッチの動作に基づくオンオフ信号、及び上位制御装置である車両制御装置8又はモータ制御装置340から出力された信号は、CAN(Controller Area Network)と呼ばれる、バッテリ制御装置130,車両制御装置8,モータ制御装置340などの自動車内の複数の制御装置の間を接続してお互いの情報を送受信するための信号伝送回路を介してバッテリ制御装置130に入力されている。
バッテリ制御装置130は、それらの入力信号から得られた情報、予め設定された、電池セルの特性情報及び演算に必要な演算情報を含む複数の情報に基づいて、電池モジュール110の状態(例えば電池モジュール110の充電状態「以下、SOC(State Of Charge)と記述する」及び劣化状態「以下、SOH(State Of Health)と記述する」などを検知するための演算,電池モジュール110を制御するための演算、及び電池モジュール110の充放電量を制御するための演算を含む複数の演算を実行する。そして、バッテリ制御装置130は、それらの演算結果に基づいて、セル制御装置120に対する指令信号,電池モジュール110の充放電量を制御するための許容充放電量に関する信号,電池モジュール110のSOCに関する信号、及び電池モジュール110のSOHに関する信号を含む複数の信号を生成して出力する。
それらの出力信号のうち、許容充放量(許容充放電電流又は許容充放電電力)に関する信号,SOCに関する信号,SOHに関する信号、及び異常状態通知に関する信号を含む複数の出力信号は、上位制御装置である車両制御装置8又はモータ制御装置340に対して、車内ローカルエリアネットワークを介して出力される。
モータ制御装置340は、バッテリ制御装置130から出力された許容充放電量に関する信号、及び車両制御装置8から出力されたトルク指令信号を受けて、或いはバッテリ制御装置130から出力された許容充放電量を考慮して車両制御装置8から出力されたトルク指令信号を受けて、パワーモジュール310におけるスイッチングを制御する。これにより、インバータ装置300は、許容充放電量の範囲内で、トルク指令信号に基づく交流電力をモータジェネレータ200に供給できるように、或いはトルク指令信号に基づいてモータジェネレータ200から得られた交流電力を直流電力に変換して供給できるように、電池モジュール110を充放電させる。すなわちバッテリ制御装置130によるインバータ装置300の制御によって電池モジュール110の充放電が制御される。
バッテリ制御装置130はリーク検出装置を備えている。リーク検出装置は、電池モジュール110からモータジェネレータ200までの強電系と、弱電系の基準電位となるシャーシグランドとの間に、それらの間の電気的な接続によってリークが生じているか否かを検出する。
バッテリ装置100には、バッテリ装置100よりも電圧の低いバッテリ(図示省略)が電気的に接続されている。低圧バッテリは、ライトやオーディオなどの車載補機及び電子制御装置などの動作電源である、公称出力電圧12ボルトの鉛電池であり、図示省略したDC−DCコンバータを介してバッテリ装置100に電気的に接続されている。DC−DCコンバータは、直流電力を、所定の電圧に昇降圧された直流電力に変換するための電力変換装置である。
家庭の商用電源560或いは電気スタンドの給電装置からバッテリ装置100を充電するプラグインモードの場合、充電器500の外部電源接続端子に電気的に接続された電源ケーブルの先端の電源プラグ550を商用電源560側のコンセント570に差し込み或いは電気スタンドの給電装置から延びる電源ケーブルを充電器500の外部電源接続端子に接続し、充電器500と商用電源560或いは電気スタンドの給電装置とを電気的に接続する。これにより、単相或いは三相の交流電力が商用電源560或いは電気スタンドの給電装置から充電器500に供給される。充電器500は、供給された交流電力を直流電力に変換し、かつバッテリ装置100の充電電圧に調整した後、バッテリ装置100に供給する。これにより、バッテリ装置100は充電される。
尚、本実施形態では、家庭の商用電源560と充電器500とを電気的に接続し、バッテリ装置100を充電する場合を例に挙げて説明するが、電気スタンドの給電装置からの充電も基本的には家庭の商用電源560からの充電と同じように行われる。但し、家庭の商用電源560からの充電と電気スタンドの給電装置からの充電とでは、充電器500に供給される電流容量及び充電時間が異なり、電気スタンドの給電装置からの充電の方が、家庭の商用電源560からの充電よりも電流容量が大きく、かつ充電時間が速い、すなわち急速充電ができる。
充電器500は、家庭の商用電源560から供給された交流電力を直流電力に変換すると共に、この変換された直流電力をバッテリ装置100の充電電圧に昇圧してバッテリ装置100に供給する電力変換装置であり、交直変換回路510,昇圧回路520,駆動回路530及び充電制御装置540を主な構成機器として備えている。
交直変換回路510は、外部電源から供給された交流電力を直流電力に変換して出力する電力変換回路であり、例えば複数のダイオード素子のブリッジ接続により構成され、外部電源から供給された交流電力を直流電力に整流するために設けられた整流回路、及び整流回路の直流側に電気的に接続され、整流回路の出力の力率を改善するために設けられた力率改善回路を備えている。交流電力を直流電力に変換する回路としては、ダイオード素子が逆並列に接続された複数のスイッチング半導体素子のブリッジ接続により構成された回路を用いても構わない。
昇圧回路520は、交直変換回路510(力率改善回路)から出力された直流電力をバッテリ装置100の充電電圧まで昇圧するための電力変換回路であり、例えば絶縁型のDC−DCコンバータにより構成されている。絶縁型のDC−DCコンバータは、変圧器,変圧器の一次側巻線に電気的に接続されると共に、複数のスイッチング半導体素子のブリッジ接続により構成され、交直変換回路510から出力された直流電力を交流電力に変換して変圧器の一次側巻線に入力する変換回路、変圧器の二次側巻線に電気的に接続されると共に、複数のダイオード素子のブリッジ接続により構成され、変圧器の二次側巻線に発生した交流電力を直流電力に整流する整流回路、整流回路の出力側(直流側)の正極側に電気的に直列に接続された平滑リアクトル、整流回路の出力側(直流側)の正負極間に電気的に並列に接続された平滑コンデンサから構成されている。
充電制御装置540は、充電器500によるバッテリ装置100の充電終始や、充電時に充電器500からバッテリ装置100に供給される電力,電圧,電流などを制御するために、車両制御装置8から出力された信号や、バッテリ装置100の制御装置から出力された信号を受けて、昇圧回路520の複数のスイッチング半導体素子に対するスイッチング指令信号(例えばPWM(パルス幅変調)信号)を生成し、駆動回路530に出力する電子回路装置であり、マイクロコンピュータなどの演算処理装置を含む複数の電子部品が回路基板に実装されることにより構成されている。
車両制御装置8は、例えば充電器500の入力側の電圧を監視し、充電器500と外部電源の両者が電気的に接続されて充電器500の入力側に電圧が印加され、充電開始状態になったと判断した場合には、充電を開始するための指令信号を、バッテリ装置100の制御装置から出力されたバッテリ状態信号に基づいてバッテリ装置100が満充電状態になったと判断した場合には、充電を終了するための指令信号を、それぞれ充電制御装置540に出力する。このような動作は、モータ制御装置340或いはバッテリ装置100の制御装置が行ってもよいし、バッテリ装置100の制御装置と協調して充電制御装置540が自ら行ってもよい。
バッテリ装置100の制御装置は、充電器500からバッテリ装置100に対する充電が制御されるように、バッテリ装置100の状態を検知してバッテリ装置100の許容充電量を演算し、この演算結果に関する信号を充電器500に出力する。
駆動回路530は、充電制御装置540から出力されたトルク指令信号を受けて、昇圧回路520の複数のスイッチング半導体素子に対する駆動信号を発生し、複数のスイッチング半導体素子のゲート電極に出力する電子回路装置であり、スイッチング半導体素子や増幅器などの複数の電子部品が回路基板に実装されることにより構成されている。
尚、交直変換回路510がスイッチング半導体素子によって構成されている場合には、充電制御装置540から、交直変換回路510のスイッチング半導体素子に対するスイッチング指令信号が駆動回路530に出力され、駆動回路530から、交直変換回路510のスイッチング半導体素子に対する駆動信号が交直変換回路510のスイッチング半導体素子のゲート電極に出力され、交直変換回路510のスイッチング半導体素子のスイッチングが制御される。
ジャンクションボックス410の内部には第1及び第2正極側リレー410,430及び第1及び第2負極側リレー420,440が収納されている。
第1正極側リレー410はインバータ装置300(パワーモジュール310)の直流正極側とバッテリ装置100の正極側との間の電気的な接続を制御するためのスイッチである。第1負極側リレー420はインバータ装置300(パワーモジュール310)の直流負極側とバッテリ装置100の負極側との間の電気的な接続を制御するためのスイッチである。第2正極側リレー430は充電器500(昇圧回路520)の直流正極側とバッテリ装置100の正極側との間の電気的な接続を制御するためのスイッチである。第2負極側リレー440は充電器500(昇圧回路500)の直流負極側とバッテリ装置100の負極側との間の電気的な接続を制御するためのスイッチである。
第1正極側リレー410及び第1負極側リレー420は、モータジェネレータ200の回転動力が必要な運転モードにある場合及びモータジェネレータ200の発電が必要な運転モードにある場合に投入され、車両が停止モードにある場合(イグニションキースイッチが開放された場合),電動駆動装置或いは車両に異常が発生した場合及び充電器500によってバッテリ装置100を充電する場合に開放される。一方、第2正極側リレー430及び第2負極側リレー440は、充電器500によってバッテリ装置100を充電する場合に投入され、充電器500によるバッテリ装置100の充電が終了した場合及び充電器500或いはバッテリ装置100に異常が発生した場合に開放される。
第1正極側リレー410及び第1負極側リレー420の開閉は、車両制御装置8から出力される開閉指令信号によって制御される。第1正極側リレー410及び第1負極側リレー420の開閉は、他の制御装置、例えばモータ制御装置340或いはバッテリ装置100の制御装置から出力される開閉指令信号によって制御しても構わない。第2正極側リレー430及び第2負極側リレー440の開閉は、充電制御装置540から出力される開閉指令信号によって制御される。第2正極側リレー430及び第2負極側リレー440の開閉は、他の制御装置、例えば車両制御装置8或いはバッテリ装置100の制御装置から出力される開閉指令信号によって制御しても構わない。
以上のように、本実施形態では、バッテリ装置100とインバータ装置300と充電器500との間に第1正極側リレー410,第1負極側リレー420,第2正極側リレー430及び第2負極側リレー440を設けて、それらの間の電気的な接続を制御するようにしているので、高電圧である電動駆動装置に対する高い安全性を確保できる。
次に、図2乃至図10を用いて、電池セル10及び複数の電池セル10を備えた電池モジュール110の構成について説明する。
図2は電池セル10の外観及び内部の構成を示す。図3は電極捲回体41の外観構成を示す。図4及び図5は、複数の電池セル10を配列して構成した電池モジュール110の構成及び電圧検出線ユニットの構成を示す。図6は、電圧検出線ユニットを構成するフレキシブルプリント配線基板の構成を示す。図7は、フレキシブルプリント配線基板に設けられたヒューズ機構の構成を示す。図8は、電圧検出線ユニットにおいてフレキシブルプリント配線基板の電圧検出導体と電圧検出端子との接続に用いられるU字型弾性体の構成を示す。図9は、電圧検出線ユニットにおいてフレキシブルプリント配線基板の電圧検出導体とコネクタとの接続に用いられるU字型弾性体の構成を示す。図10は、電池セル10への電圧検出線ユニットの取り付け方を示す。
本実施形態では、12個の電池セル10が1列に配列されて構成された一つの組電池を備えた電池モジュール110を例に挙げて説明する。
尚、図4では、途中を省略して8個の電池セル10のみを図示している。
まず、電池セル10の構成について説明する。
図2に示すように、電池セル10は扁平角型電池セルであり、密閉された扁平直方体形状の電槽20を備えている。電槽20は、対向配置された、最も面積が大きい矩形状の2つの主面(例えば上面と下面)と、この2つの主面の4辺(4縁)に沿って2つの主面に垂直に設けられ、主面よりも面積が小さい矩形状の4つの副面(対向配置された2組の側面)とを備えると共に、2つの主面の間の長さが主面の4辺の長さよりも短い6面体(短角柱)であり、2つの構成要素によって構成されている。2つの構成要素の一方は、2つの主面及び3つの副面を備え、残りの1つの副面に対応する部分が開口した扁平直方体形状の容器体である電池缶21である。2つの構成要素の他方は、電池缶21の開口部を塞ぎ、輪郭が電池缶21の開口部の輪郭に合致するように形成された矩形状の平板である電池蓋22である。電池缶21と電池蓋22の両者はレーザビーム溶接によって接合されている。電槽20(電池缶21及び電池蓋22)は金属製部材であり、その材質としてアルミニウム或いはアルミニウムを主材とする合金を用いている。
尚、本実施形態では、説明の便宜上、電池セル10の搭載方向に関係なく、扁平直方体形状の容器体である電池缶21の開口部側とは反対側の面を底面、この底面の4辺に沿って底面に垂直に設けられた4面のうち、底面の長辺に沿って底面に垂直に設けられた2つの対向面を第1側面、底面の短辺に沿って底面に垂直に設けられた2つの対向面を第2側面と、それぞれ定義し、これ以降の説明において用いることにする。
また、本実施形態では、説明の便宜上、平行に対向配置された2つの長辺、この長辺に直交すると共に、並行に対向配置され、長辺よりも長さが短い2つの短辺により形成される矩形平面形状を備えた構成要素において、長辺と同じ方向に延びる(短辺が対向する)方向を長手方向、短辺と同じ方向に延びる(長辺が対向する)方向を短手方向と、それぞれ定義し、これ以降の説明において用いることにする。
電池蓋22には、その外表面から外に向かって突出するように、外部導体と接続するための外部導体接続導体である正極外部端子30及び負極外部端子31が設けられている。正極外部端子30は電池蓋22の長手方向一方側端部に配置され、負極外部端子31は電池蓋22の長手方向他方側端部に配置されている。電池蓋22と正極側外部端子30との間には両者間を電気的に絶縁すると共に、電槽20内部を気密及び液密に保つための正極シール材32が設けられている。電池蓋22と負極側外部端子31との間には両者間を電気的に絶縁すると共に、電槽20内部を気密及び液密に保つための負極シール材33が設けられている。電槽20の内部において、正極外部端子30には、内部接続導体である正極接続板34が、正極シール材32によって電池蓋22から電気的に絶縁された状態で機械的及び電気的に接続されている。電槽20の内部において、負極外部端子31には、内部接続導体である負極接続板(図示省略)が、負極シール材33によって電池蓋22から電気的に絶縁された状態で機械的及び電気的に接続されている。このように、正極外部端子30及び負極外部端子31と電槽20との間が電気的に絶縁されているので、電槽20は電気的に中立状態、すなわち電位を持たない状態になっている。
正極外部端子30は円柱形状の金属製部材であり、その材質としてアルミニウム或いはアルミニウムを主材とする合金を用いている。負極外部端子31は円柱形状の金属製部材であり、その材質として銅或いは銅を主材とする合金を用いている。正極シール材32及び負極シール材33は、電気的な絶縁性を有する樹脂製部材であり、その材質としてポリフェニレンサルファイド(PPS)或いはポリブチレンテレフタレート(PBT)若しくはペルフルオロアルコキシフッ素(PFA)を用いている。正極接続板34は、平板を所定の形状に成形した金属製の成形体であり、その材質としてアルミニウム或いはアルミニウムを主材とする合金を用いている。負極接続板は正極接続板34と同じ形状のものであって、平板を所定の形状に成形した金属製の成形体であり、その材質として銅或いは銅を主材とする合金を用いている。
電槽20(電池缶21)の内部には発電要素体40が収容されている。発電要素体40は、電池缶21の開口部から電池缶21の内部に挿入される。電槽20(電池缶21)の内部には、電池蓋22に設けられた注液孔22aを介して電解液が注入されている。注液孔22aは、電池蓋22をその外表面から内表面に貫通した貫通孔であり、電槽20の内部に電解液を注入した後、レーザビーム溶接によって気密及び液密に封止される。
電解液としては、例えばエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とジエチルカーボネート(DEC)の体積比1:1:1の混合溶液中に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/Lとなるように溶解した非水系の有機溶媒を用いている。
尚、電解質としては、LiClO4,LiAsF6,LiBF4,LiB(C65)4,CH3SO3Li,CF3SOLiなどやこれらの混合物を用いてもよい。また、非水電解液の溶媒としては、プロピレンカーボネート,エチレンカーボネート,ジメチルカーボネート,1,2−ジメトキシエタン,1,2−ジエトキシエタン,γ―ブチルラクトン,テトラヒドロフラン,1,3−ジオキソラン,4−メチル−1,3−ジオキソラン,ジエチルエーテル,スルホラン,メチルスルホラン,アセトニトリル,プロピオニトリル,プロピオニトリルなど、少なくとも1種以上の混合溶媒を用いてもよい。
発電要素体40は、図3に示すように、セパレータ44,負極板43,セパレータ44,正極板42をその順に積層したシート状の積層体を扁平形状に捲回した電極捲回体41から構成されている。
尚、本実施形態では、電極捲回体41として捲回式のものを例に挙げて説明するが、正極板42,負極板43,セパレータ44のそれぞれを矩形状のシートに加工して、それらを何層にも上記と同様の順番に積層する積層式の電極体を採用しても構わない。
また、本実施形態では、説明の便宜上、電極捲回体41の捲回方向を電極捲回方向、電極捲回体41の扁平捲回面上において電極捲回方向に直交する方向を電極幅方向、電極捲回体41の扁平捲回面を垂直に貫く方向を電極扁平方向と、それぞれ定義し、これ以降の説明において用いることにする。
さらに、本実施形態では、説明の便宜上、電極板の電極捲回方向と同じ方向を極板捲回方向、電極板の電極幅方向と同じ方向を極板幅方向、電極板の電極扁平方向と同じ方向を極板垂直方向と、それぞれ定義し、これ以降の説明において用いることにする。
正極板42は、極板幅方向一端部に、正極活物質合剤を塗布しない未塗工部45が設けられるように、正極集電箔上に正極活物質合剤を塗布して構成している。正極集電箔は、例えば厚さ20μmの帯状のアルミニウム箔(アルミニウム板)である。正極活物質合剤は、正極活物質として量論組成のマンガン酸リチウム(化学式LiMnO2)100重量部に対し、導電材として10重量部の鱗片状黒鉛、結着剤(バインダ)として10重量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を添加し、これに分散溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を添加、混練したものであり、アルミニウム箔(アルミニウム板)の両面に略均等かつ略均一に塗布されている。
負極板43は、極板幅方向他端部に、負極活物質合剤を塗布しない未塗工部46が設けられるように、負極集電箔上に負極活物質合剤を塗布して構成している。負極集電箔は、例えば厚さ10μmの帯状の銅箔(銅板)である。負極活物質合剤は、負極活物質として非晶質炭素粉末100重量部に対して、結着剤(バインダ)として10重量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を添加し、これに分散溶媒としてN−メチルビロリドン(NMP)を添加,混練したものであり、銅箔(銅板)の両面に略均等かつ略均一に塗布されている。
尚、正極活物質としては、リチウムイオンを挿入・脱離可能な材料であり、予め十分な量のリチウムイオンを挿入したリチウム遷移金属複合酸化物、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶中のリチウムや遷移金属の一部をそれら以外の元素で置換あるいはドープした材料などを用いてもよい。例えばスピネル結晶構造を有する他のマンガン酸リチウム(例えば、Li1+xMn2−xO4),マンガン酸リチウムの一部を金属元素で置換又はドープしたリチウムマンガン複合酸化物(例えば、Li1+xMyMn2−x−yO4、MはCo,Ni,Fe,Cu,Al,Cr,Mg,Zn,V,Ga,B,Fの少なくとも1種)、層状結晶構造を有すコバルト酸リチウムやチタン酸リチウム、これらの一部を金属元素で置換またはドープしたリチウム−金属複合酸化物などがある。また、結晶構造については、スピネル系,層状系,オリビン系のいずれの結晶構造を有していてもよい。
また、負極活物質としては、リチウムイオンを脱挿入可能な天然黒鉛や、人造の各種黒鉛材,コークスなどの炭素質材料などを用いてもよい。また、粒子形状としては、鱗片状,球状,繊維状,塊などを用いてもよい。
さらに、結着材(バインダ)としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポリエチレン,ポリスチレン,ポリブタジエン,ブチルゴム,ニトリルゴム,スチレン/ブタジエンゴム,多硫化ゴム,ニトロセルロース,シアノエチルセルロース,各種ラテックス,アクリロニトリル,フッ化ビニル,フッ化ビニリデン,フッ化プロピレン,フッ化クロロプレン,アクリル系樹脂などの重合体及びこれらの混合体などを用いてもよい。
セパレータ44は、正極板42及び負極板43が直接接触しないようにする、すなわち正極板42と負極板43との間を電気的に絶縁するための微多孔性部材であり、例えばポリエチレンの素材を一軸延伸機で厚さ30μmに延伸したポリエチレン製の帯状部材である。セパレータ44の極板幅方向寸法は正極板42及び負極板43の極板幅方向寸法よりも小さくなるように形成されている。
電極捲回体41において、正極板42の未塗工部45と負極板43の未塗工部46は互いに反対側に位置している。すなわち電極捲回体41の電極幅方向一方側に正極板42の未塗工部45が配置され、その他方側に負極板43の未塗工部46が配置されるように、正極板42と負極板43とを電極捲回体41の電極幅方向において相反する方向にずらして積層している。このような構成によれば、電極捲回体41の本体部分(正極板42及び負極板43の活物質合剤塗工部位とセパレータ44との積層部分)から、後述する集電箔となる未塗工部45,46がはみ出す(露出する)ように、電極捲回体41を形成することができる。
尚、正極板42及び負極板43を含む積層体を捲回するにあたっては、正極板42及び負極板43を含む積層体の捲き始め及び捲き終わりにおいて、セパレータ44のみを2〜3周程度、余分に捲回している。また、正極板42及び負極板43を捲回するにあたっては、負極板43の長さを正極板42の長さよりも長くし、電極捲回体41の最内周及び最外周において、正極板42が負極板43に対して捲回方向にはみ出すことがないようにしている。
このように形成された電極捲回体41は、未塗工部45,46の電極捲回方向の中央部が、電極扁平方向両側(電極捲回体の外径側)から電極捲回中心(電極捲回体の内径側)に向かって平坦状にプレス加工される。これにより、発電要素体40が製作される。
電極捲回体41の電極幅方向一方側端部には、電極捲回方向の中央部に形成された矩形状の平坦部(電極捲回方向が長手方向、電極捲回幅方向が短手方向となるように形成された平坦部)、電極捲回方向一方側(折り返し部分の一方側)からその他方側に向かうにしたがって徐々に電極捲回体41の内径側に傾斜して平坦部の電極捲回方向一方側端部に至る第1傾斜部、電極捲回方向他方側(折り返し部分の他方側)からその他方側に向かうにしたがって徐々に電極捲回体41の内径側に傾斜して平坦部の電極捲回方向他方側端部に至る第2傾斜部、電極捲回体41の活物質が塗工された部位における電極幅方向一方側端部から平坦部の電極幅方向他方側端部に向かうにしたがって徐々に電極捲回体41の内径側に傾斜して平坦部の電極幅方向他方側端部に至る第3傾斜部からなる窪みが電極扁平方向両側に形成される。これにより、電極捲回体41の電極幅方向一方側端部には正極集電部が形成される。
電極捲回体41の電極幅方向他方側端部には、正極集電部と同様に形成された平坦部、正極集電部と同様に形成された第1傾斜部、正極集電部と同様に形成された第2傾斜部、電極捲回体41の活物質が塗工された部位における電極幅方向他方側端部から平坦部の電極幅方向一方側端部に向かうにしたがって徐々に電極捲回体41の内径側に傾斜して平坦部の電極幅方向一方側端部に至る第4傾斜部からなる窪みが電極扁平方向両側に形成される。これにより、電極捲回体41の電極幅方向他方側端部には負極集電部が形成される。正極集電部及び負極集電部は左右対称の関係にあり、どちらも同様の構成になっている。
以上のようにして製作された発電要素体40は、電池蓋22,正極外部端子30及び負極外部端子31,正極シール材32及び負極シール材33,正極接続板34及び負極接続板が予め機械的に一体化するように組み立てられた電池蓋アセンブリに対して、発電要素体40の電極捲回方向両端部に発電要素体40の電極幅方向に渡って形成された捲回折り返し部の一方側が電池蓋22の長手方向に沿って、電池蓋22の内面と対向するように、組み付けられる。この後、正極接続板34が正極集電部に、負極接続板が負極集電部に、それぞれ超音波溶接により接合される。これにより、発電要素体40の正極板42と正極外部端子30とが、発電要素体40の負極板43と負極外部端子31とが、それぞれ、電気的に接続される。
正極接続板34及び負極接続板は材質が異なるが、構成要素及び形状が同じである。このようなことから、以下では、正極接続板34を代表に挙げて、その構成を説明する。
正極接続板34は、端子接続部34a,側面部34b及び接続片部34cの3つの要素が一体成形された成形体であり、平板が所定の形状に成型された成型品である。このように、複数の要素が一体成形された成形体を接続板として用いることにより、正極接続板34の強度及び剛性を高くすることができる。
端子接続部34aは、正極外部端子31に機械的に接続された矩形状の金属片(平板)である。端子接続部34aは、その平面が電池蓋22の内面及び発電要素体40の捲回折り返し部の一方側と対向するように、かつ電池蓋22の内面及び発電要素体40の捲回折り返し部の一方側に沿って、電池蓋22の長手方向及び発電要素体40の電極幅方向と同じ方向に延びるように、さらには長手方向が電池蓋22の長手方向及び発電要素体40の電極幅方向と同じ方向になるように配置され、正極シール材32を介して電池蓋22に取り付けられている。
側面部34bは、端子接続部34aの長手方向一方側(負極外部端子31側とは反対側)端部から連続して形成された矩形状の金属片(平板)である。側面部34bは、端子接続部34aの長手方向一方側端部から電池缶21の底面側に向かって、所定の曲率をとりながら略直角に折れ曲がっていると共に、その平面が、電池缶21の第2側面の内面及び発電要素体40の電極幅方向正極側端部に対向するように、かつ電池缶21の第2側面の内面及び発電要素体40の電極幅方向正極側端部に沿って、電池缶21の底面側に延びるように、さらには長手方向が電池缶21の第2側面の長手方向及び発電要素体40の電極捲回方向と同じ方向になるように配置されている。側面部34bの端子接続部34a側とは反対側端部は、発電要素体40の正極集電部の長手方向他方側(発電要素体40の捲回折り返し部の他方側)端部に対応する位置まで延びている。
接続片34cは、側面部34bの短手方向一方側端部の縁から連続して形成された矩形状の金属片(平板)である。接続片34cは、側面部34bの短手方向一方側端部、かつ側面部34bの端子接続部34a側とは反対側端部から発電要素体40の正極集電部の長手方向一方側(発電要素体40の捲回折り返し部の一方側)端部に対応する位置に至る部位の縁から発電要素体40側に向かって、所定の曲率をとりながら略直角に折れ曲がっていると共に、その平面が、発電要素体40の正極集電部と対向するように、かつ発電要素体40側に延びるように、さらには長手方向が電池缶21の第2側面の長手方向及び発電要素体40の電極捲回方向と同じ方向になるように配置されている。接続片34cの長手方向両端部の2箇所には、接続片34cを正極集電部に超音波溶接するための溶接部34dが形成されている。溶接部34dは、接続片34cの平面を窪ませ、他の部位よりも肉厚を薄くした薄肉部である。
発電要素体40に正極接続板34及び負極接続板がそれぞれ超音波溶接により接合された後、発電要素体40と電池蓋アセンブリとの組立体は、発電要素体40が電池蓋22によって機械的に支持された状態で、発電要素体40の捲回折り返し部の他方側が挿入側となって、電池缶21の内部に電池缶21の開口部から挿入される。これにより、発電要素体40は電池缶21の内部に収容され、電池蓋22にぶら下がった状態になる。この時、セパレータ44の素材の延伸方向は電池缶21の主面の短手方向と同じ方向になっている。
電池缶21に電池蓋22が接合された後、電池蓋22の長手方向中央部よりも正極外部端子30寄りに設けられた注液孔22aから電解液が電槽20内に注入される。電解液を注入後、注液孔22aはレーザビーム溶接によって気密及び液密に封止される。
電池セル10の内部にはガス排出弁が設けられている。ガス排出弁は、電池セル10に何らかの異常が生じ、電解液が気化して内圧が上昇した場合、所定の内圧で作動して、電池セル10の外部にミスト状態のガスを放出し、電池セル10を保護するための安全弁である。電池蓋22の長手方向中央部にはガス排出弁が開放した場合、電槽20内部に発生したガスを電槽20の内部から外部に導くためのガス排出管50が設けられている。
次に、12個の電池セル10(図4では途中省略して8個の電池セル10のみを図示)を用いて構成した電池モジュール110の構成を説明する。
電池セル10は、正極外部端子30及び負極外部端子31が設けられた電池蓋22が上面となり、その電池蓋22と対向する電池缶21の底面が載置面となるように縦置きされている。電池モジュール110は、縦置きされた電池セル10と、冷却媒体(空気)を形成すると共に電池セル10を保持するセルホルダ(図示省略)とが交互に一列に配置された状態で固縛されている。セルホルダを介して配列方向に隣接する電池セル10は、電池セル10の電池蓋22と電池缶21の底面との対向方向に延びる中心軸を回転軸として180度回転させた回転対称の関係になっている。このため、セルホルダを介して配列方向に隣接する電池セル10間では、正極外部端子30と負極外部端子31との配置が反対の位置関係になっている。
電池セル10とセルホルダとの配列体は、配列方向両側から加えられた螺子締結力などの固定力によって強固に固定されている。このような構成によれば、外部からの振動や外部からの衝撃などに対する耐性が向上し、それらの外力から電池セル10を保護することができる。
セルホルダを介して配列方向に隣接する電池セル10の一方の正極外部端子30及びその他方の負極外部端子31の両者はバスバー60によって機械的及び電気的に接続されている。これにより、配列方向一方側端部に配置された電池セル10から、配列方向他方側端部に配置された電池セル10に向かって順に、前段の電池セル10の負極外部端子31と後段の電池セル10の正極外部端子30とがバスバー60によって接続され、12個の電池セル10が、配列方向一方側端部に配置された電池セル10から、配列方向他方側端部に配置された電池セル10に向かって順に電気的に直列に接続される。
セルボルダを介して配列方向に隣接する電池セル10の間には、セルホルダと電池缶21の主面とによって構成された冷却媒体流通路が形成されている。冷却媒体流通路は、電池缶21の主面に沿って冷却媒体が電池缶21の長手方向或いは短手方向一方側端部から他方側端部に向かって或いはその逆方向に向かって流通するように設けられている。冷却媒体である冷却空気は、図示省略した冷却ファンによって供給,排出される。
尚、本実施形態では、電池セル10を冷却空気によって冷却する場合を例に挙げて説明したが、不活性ガスなど他の気体状の冷却媒体を用いても構わないし、不凍液などの液体状の冷却媒体を用いても構わない。液体状の冷却媒体を用いる場合には、気体状の冷却媒体のように、電池缶21の表面に直接媒体を当てることはせず、媒体が流れる熱伝導性の高い流路構造体を電池缶21の表面(底面或いは主面)に当てて電池セル10を間接的に冷却する。
また、図示省略したが、電池セル10の配列体の配列方向に直交する方向の中央部には、電池蓋22の長手方向中央部に設けられたガス排出管50が配列体の配列方向に一列に配列される。ガス排出管50のそれぞれには、12個の電池セル10に対して共通に設けられ、電池セル10の配列方向に延びるガス排出ダクトが接続され、電池セル10からガス排出管50を介して排出されたガスを、冷却媒体が流通する空間とは分離して、電池モジュール110の外部(PHEV1の車外)に導いて排出することができるようになっている。
電池セル10から排出されるガスは、冷却媒体と一緒に電池モジュール110から排出しても問題ない。電池セル10から排出されるガスを冷却媒体と一緒に流通させるか或いは分離するかは、電池モジュール110の車両搭載場所などに応じて適宜選択すればよい。例えば電池モジュール110を車室内に配置して、車室内に導入される空気によって電池モジュール110を冷却する場合には、冷却媒体と排出ガスとを分離することが好ましい。
以上のように構成された電池モジュール110は、モータジェネレータ200の駆動電圧に応じて複数、電気的に直列或いは並列若しくは直並列に接続されて、モータジェネレータ200の駆動電源として使用される。電池モジュール110の状態管理及び状態制御は、電池セル10に電気的に接続されたセル制御装置120,セル制御装置120に信号伝送回路を介して接続されたバッテリ制御装置130によって行われる。セル制御装置120は、電池モジュール110のそれぞれに対応して設けられ、対応する電池モジュール110の近傍に配置されている。バッテリ制御装置130は、電池モジュール110のそれぞれに対応して設けられたセル制御装置120に対して共通に設けられ、ループ状或いはパラレル状の信号伝送回路を介してセル制御装置120との間で信号を送受信する。
次に、図4乃至図9を用いて、電池セル10の電圧を検出するための構成について説明する。
前述のように、電池セル10とセル制御装置120との間は電気的に接続されている。これは、各電池セル10の端子電圧を検出して、各電池セル10の状態を監視するためである。このため、電池セル10とセル制御装置120との間には、電池セル10の電圧をセル制御装置120に取り込むための電圧検出線が設けられている。通常、電圧検出線には、リード配線,プリント配線基板(リジッド配線基板)やフレキシブルプリント配線基板などに形成された配線を、電池セル10を電気的に接続するバスバー60などに溶接する。これに対して本実施形態では、電圧検出線71を備えた電圧検出線ユニット70を構成して、この電圧検出線ユニット70とバスバー60とを一体化し、電池セル10の配列方向に隣接する電池セル10の一方側の正極外部端子30或いは負極外部端子31、及び他方側の電池セル10の負極外部端子31或いは正極外部端子30にバスバー60を機械的に接続すると、電圧検出線71が、電池セル10の配列方向に隣接する電池セル10の一方側の正極外部端子30或いは負極外部端子31、及び他方側の電池セル10の負極外部端子31或いは正極外部端子30に電気的に接続されるようにしている。
電圧検出線ユニット70は、図4に示すように、電池セル10の配列方向に直交する方向における電池モジュール110の一方側端部に配置された正極外部端子30及び負極外部端子31の配列体、及びその他方側端部に配置された正極外部端子30及び負極外部端子31の配列体のそれぞれに対応して個別に設けられている。
尚、本実施形態では、端子配列毎に個別に電圧検出線ユニット70を設けた場合を例に挙げて説明するが、それらの電圧検出線ユニット70を一体化して、電池モジュール110と電圧検出線ユニット70との関係を1対1にしても構わない。
また、本実施形態では、電池セル10の配列方向一方側端部に配置された電池セル10の正極外部端子30及びその他方側端部に配置された電池セル10の負極外部端子31にも電圧検出ユニット70の電圧検出線71が電気的に接続されるが、図4ではその図示を省略している。
図2では詳細な図示を省略したが、電池セル10の正極外部端子30及び負極外部端子31は、図10に示すように、円柱形状の突部と、この突部の底面側(シール材側)に設けられた円板形状の鍔部とが一体形成された、断面が逆T字型の金属製導電部材である。突部の外周面には螺子溝が形成されている。
バスバー60は、電池セル10の配列方向に延びた平板状の金属製導電部材であり、電池セル10の配列方向両端部に設けられた環状円板部と、この環状円板部を接続する矩形部とが一体形成された、眼鏡型の金属製導電部材である。バスバー60の環状円板部は、正極外部端子30及び負極外部端子31の鍔部と同じ大きさに形成されている。バスバー60の矩形部の長手方向に直交する方向の一方側端部にはバスバー端子61が設けられている。バスバー端子61は、バスバー60の矩形部の長手方向に直交する方向の一方側端部の縁からバスバー60の矩形部の長手方向に直交する方向一方側(端子側とは反対側)に所定距離(電池缶21の端部の位置よりも外側の位置まで)延びて、バスバー60の平面に対して垂直な方向一方側(端子の突部が突出する方向と同じ方向)に所定の曲率で折れ曲がり、端子の突部の突出先端の位置よりも高い位置まで延びている部位であり、バスバー60に一体形成されている。バスバー60の環状円板部の中心部にはバスバー取り付け孔62が形成されている。バスバー取り付け孔62は、電池セル10の正極外部端子30及び負極外部端子31の突部が挿通する貫通孔である。ここで、電池セル10の正極外部端子30及び負極外部端子31の突部の外径をφdと、バスバー取り付け孔62の内径をφDとしたとき、両者はφD>φdの関係になっており、バスバー60を電池セル10の正極外部端子30及び負極外部端子31に対して装着し易くしている。このような構成によれば、電池モジュール110の組み立てが容易になり、電池モジュール110の組立作業性を向上させることができる。
電圧検出線ユニット70は、その構成要素として、電圧検出線71,電圧検出端子72,絶縁樹脂カバー73,メス−メス型中継端子74,コネクタ75,電圧検出端子用U字型弾性体76及びコネクタ端子用U字型弾性体77を備えている。
電圧検出線71は、図6に示すように、1枚のフレキシブルプリント配線基板71a,6つの電圧検出導体71b,6つの電圧検出端子用導電性パッド71c,6つのコネクタ端子用導電性パッド71d及び6つのヒューズ71eを備えている。
尚、本実施形態では、図4の紙面右側に配置された電圧検出線ユニット70の構成について説明する。左側に配置された電圧検出線ユニット70の基本的な構成は、右側に配置された電圧検出線ユニット70の構成と同じであるが、フレキシブルプリント配線基板71aの長さ、電圧検出導体71b,電圧検出端子用導電性パッド71c,コネクタ端子用導電性パッド71d及びヒューズ71eの個数や位置などは異なる場合もある。
フレキシブルプリント配線基板71aは、電気絶縁性を有する矩形状の絶縁膜(絶縁フィルム)であり、その材質として、例えばポリイミド或いはフォトソルダーレジストを用いている。フレキシブルプリント配線基板71aの片側の同一面上には、電圧検出導体71b,電圧検出端子用導電性パッド71c及びコネクタ端子用導電性パッド71dが印刷されている。電圧検出導体71b,電圧検出端子用導電性パッド71c及びコネクタ端子用導電性パッド71dは、その材質として銅或いは炭素系の金属材料を用いた箔状の導電性部材である。
フレキシブルプリント配線基板71aの短手方向一方側端部かつ長手方向一方側端部寄りには、6個のコネクタ端子用導電性パッド71dが集約或いは近接配置された状態で長手方向に1列に並んでいる。フレキシブルプリント配線基板71aの短手方向一方側端部には、バスバー端子61の配置位置に対応した間隔をもって6個の電圧検出端子用導電性パッド71cが長手方向に1列に並んでいる。6本の電圧検出導体71bは、それぞれ、対応するコネクタ端子用導電性パッド71dと、対応する電圧検出端子用導電性パッド71cとの間を結ぶように、短手方向に並置された状態で長手方向に延びており、対応するコネクタ端子用導電性パッド71d及び対応する電圧検出端子用導電性パッド71cに接続されている。但し、後述するヒューズ71eが設けられる部分は、電圧検出導体71bが物理的に途切れているが、電気的にはヒューズ71eによって繋がっている。
6本の電圧検出導体71bのそれぞれの電圧検出端子用導電性パッド71c近傍には、図7に拡大して示すように、ヒューズ71eが設けられている。ヒューズ71eは、電圧検出端子用導電性パッド71cからコネクタ端子用導電性パッド71dに至る電路を電圧検出導体71bと共に構成する導電性部材であって、電池セル10の異常により電池セル10から電圧検出線ユニット70に定格電流よりも大きい異常電流が流れた場合には、異常電流によって発生したジュール熱によって自ら溶断し、電圧検出端子用導電性パッド71cからコネクタ端子用導電性パッド71dに至る電路を遮断する薄膜の電流遮断部材である。
尚、本実施形態では、電流遮断部材として、ヒューズ71eを用いた場合を例に挙げて説明したが、ヒューズ71eの代わりにPTCサーミスタなどを用いてもよい。
バスバー端子61の先端部はメス−メス型中継端子74(以下、単に「中継端子74」と記述する)の一方側端部のメス口に挿入され、中継端子74に機械的及び電気的に接続されている。中継端子74は直方体(或いは角柱)形状した筒状(或いは中空)の導電性管体であり、その長手方向両側端部がメス口として開口している。中継端子74の長手方向両端部のない面には、間隔を空けて対向配置された一対の半球形状の突起74a,74bが設けられている。突起74a,74bの対向側に最も近接した部位間の間隔はバスバー端子61及び電圧検出端子72の板厚よりも狭い。バスバー端子61は、その先端部が中継端子74の一方側端部のメス口から中継端子74の内部に挿入され、突起74aの間に挟み込まれ、かつ固定された状態で突起74aに圧接されることにより、中継端子74に電気的に接続されている。
中継端子74の他方側端部には電圧検出端子72の一方側先端部が機械的及び電気的に接続されている。電圧検出端子72は略U字型形状に曲げ加工された導電性平板であり、湾曲した折り返し部から同方向に延びる平面部のうち、一方側の平面部の先端部が中継端子74との機械的及び電気的な接続側になっている。電圧検出端子72の一方側の平面部の先端部は、中継端子74の他方側端部のメス口から中継端子74の内部に挿入され、突起74bの間に挟み込まれ、かつ固定された状態で突起74bに圧接されている。これにより、電圧検出端子72は中継端子74に電気的に接続されている。
電圧検出端子72の他方側の平面部の折り返し部側とは反対側端部は、一方側の平面部から離れるように外側に板厚分変位した状態で、一方の平面部と同じ方向に延びた変位延伸部になっており、一方側の平面部の側とは反対側の平面が、電圧検出端子用導電性パッド71cとの機械的及び電気的な接続部になっている。
中継端子74及び電圧検出端子72は絶縁樹脂カバー73によって保持されている。絶縁樹脂カバー73は、電池セル10の正極外部端子30及び負極外部端子31が突出した側における電池モジュール110の上方において、電池セル10の配列方向に直交する方向における電池モジュール110の一方側端部に配置された正極外部端子30及び負極外部端子31の配列体を含む電池モジュール110の一部の領域及び電池セル10の配列方向に直交する方向における電池モジュール110の一方側端部よりも外側の領域、或いは電池セル10の正極外部端子30及び負極外部端子31が突出した側における電池モジュール110の全域及び電池モジュール110よりも外側の領域を気密に覆うように設けられた覆い部材であり、保持部73a及び覆い部73bを備えている。絶縁樹脂カバー73の材質には繊維強化プラスチック(FRP)、すなわち不飽和ポリエステル,エポキシ樹脂,ポリアミド樹脂,フェノール樹脂などの電気絶縁性を有する熱硬化性樹脂に、ガラス繊維などの繊維を補強材として混合した複合材を用いている。絶縁樹脂カバー73は、その複合材を型に流し込んで硬化させて製作した成型体である。
保持部73aは、電池セル10の配列方向に直交する方向における電池モジュール110の一方側端部よりも外側において、電池セル10の配列方向に沿って、電池セル10の配列方向一方側端部から他方側端部に向かって延びると共に、電池セル10の配列方向他方側端部において直角に折れ曲がった、外観形状がL字形状で、断面形状が略矩形状の構造体である。覆い部73bは、保持部73aの電池モジュール110側の平面(底面)の縁から四方八方に広がった直方体形状の容器体である。すなわち絶縁樹脂カバー73は、電池モジュール110側が開口した直方体形状の容器体である覆い部73bの底面の電池モジュール110側とは反対側の平面上から保持部73aが電池モジュール110側とは反対側に突出した部材である。
保持部73aの電池モジュール10に沿って延びる部位における電池モジュール110側の中実部位には、中継端子74の一方側端部のメス口が保持部73aの底面上に露出して開口し、中継端子74の他方側端部が保持部73aの上面側に向かって垂直に延びるように、中継端子74及び電圧検出端子72がインサートモールドされている。保持部73aの直角に折れ曲がって延びる部位における電池セル10の配列方向他方側端部の側とは反対側の中実部位にはコネクタ75が設けられている。コネクタ75は絶縁樹脂カバー73と一体成型されている。このため、保持部73aにはコネクタ端子75aがインサートモールドされている。
尚、コネクタ75は絶縁樹脂カバー73と別部品であってもよい。この場合、コネクタ75を嵌合して保持するための嵌合保持部を保持部73aに形成する。
保持部73aの電池モジュール10に沿って延びる部位における電池モジュール110側とは反対側の部位及び保持部73aの直角に折れ曲がって延びる部位における電池セル10の配列方向他方側端部の部位には、低面側に開口し、断面形状が矩形状の溝が保持部73aの外観形状に沿って保持部73aの一方側端部から他方側端部まで連続して延びる溝73cが、中実部位に隣接するように形成されている。溝73cの中実部側の壁面には、電圧検出端子72の接続部及びコネクタ75のコネクタ端子75aのコネクタ端子用導電性パッド71dとの接続部が露出している。
保持部73aの溝73cには、電圧検出線71の短手方向が溝73cの深さ方向となるように、かつ電圧検出端子用導電性パッド71cと電圧検出端子72の接続部との位置、コネクタ端子用導電性パッド71dとコネクタ端子75aの接続部との位置が合致するように、電圧検出線71が収納されている。電圧検出線71は、電圧検出端子用導電性パッド71cと電圧検出端子72の接続部とが当接する位置において、その当接側とは反対側から電圧検出端子用U字型弾性体76によって、コネクタ端子用導電性パッド71dとコネクタ端子75aの接続部とが当接する位置において、その当接側とは反対側からコネクタ端子用U字型弾性体77によって、それぞれ、溝73cの中実部側の壁面に押圧されて固定されている。
電圧検出端子用U字型弾性体76は、図8に示すように、U字型の板バネである。電圧検出端子用U字型弾性体76の湾曲した折り返し部から同方向に延びる平面部のうち、電圧検出線71側となる平面部の先端の電圧検出線71側平面の電圧検出端子用導電性パッド71cに対応する部位には半球状の突起76aが設けられている。溝73cに対して電圧検出端子用U字型弾性体76はその折り返し部側から挿入されている。
電圧検出端子用U字型弾性体76が溝73cに挿入されると、電圧検出端子72の接続部に当接した電圧検出端子用導電性パッド71cは、電圧検出端子用U字型弾性体76が有する弾性力により電圧検出端子72の接続部側に押し出される突起76aによって、電圧検出端子72の接続部側とは反対側から電圧検出端子72の接続部側に押圧され、電圧検出端子72の接続部に圧接される。これにより、電圧検出端子用導電性パッド71c及び電圧検出端子72の接続部の両者が機械的及び電気的に接続されて導通する。
尚、電圧検出端子用U字型弾性体76の突起76aは、電圧検出端子72の接続部と電圧検出端子用導電性パッド71cとの間の接触力を上げて、それらの間の接触抵抗を低減する上において、有効な効果をもたらす手段である。
コネクタ端子用U字型弾性体77は、図9に示すように、6本のU字型の板バネが一体になった幅広の板バネである。コネクタ端子用U字型弾性体77の湾曲した折り返し部から同方向に延びる平面部のうち、コネクタ端子75a側となる平面部は、コネクタ端子75aに対向して分離している。コネクタ端子用U字型弾性体77の湾曲した折り返し部から同方向に延びる平面部のうち、コネクタ端子75a側とは反対側となる平面部は6個の平面部が一体になった幅広部となっている。コネクタ端子用U字型弾性体77のコネクタ端子75a側となる6個の平面部のそれぞれの先端のコネクタ端子75a側平面のコネクタ端子用導電性パッド71dに対応する部位には半球状の突起77aが設けられている。溝73cに対してコネクタ端子用U字型弾性体77はその折り返し部側から挿入されている。
コネクタ端子用U字型弾性体77が溝73cに挿入されると、コネクタ端子75aの接続部に当接したコネクタ端子用導電性パッド71dは、コネクタ端子用U字型弾性体77が有する弾性力によりコネクタ端子75aの接続部側に押し出される突起77aによって、コネクタ端子75aの接続部側とは反対側からコネクタ端子75aの接続部側に押圧され、コネクタ端子75aの接続部に圧接される。これにより、コネクタ端子用導電性パッド71d及びコネクタ端子75aの接続部の両者が機械的及び電気的に接続されて導通する。
尚、コネクタ端子用U字型弾性体77の突起77aは、コネクタ端子75aの接続部とコネクタ端子用導電性パッド71dとの間の接触力を上げて、それらの間の接触抵抗を低減する上において、有効な効果をもたらす手段である。
電池モジュール110側の覆い部73bの電池セル10の正極外部端子30及び負極外部端子31との対向部位には、電池セル10の正極外部端子30及び負極外部端子31の鍔部の外径よりも大きい内径を有する貫通孔73dが形成されている。貫通孔73dは、電圧検出線ユニット70に一体化されたバスバー60を電池セル10の正極外部端子30及び負極外部端子31を装着し、この装着されたバスバー60を正極外部端子30及び負極外部端子31に対して固定ナット80により締め付け固定するための作業窓となる。
固定ナット80としては、電池セル10の正極外部端子30及び負極外部端子31の鍔部の外径と略等しい外径を有する鍔部を備えたフランジナットを用いているが、鍔部を備えていない一般的なナットを用いても構わない。固定ナット80を用いる代わりに、溶接や半田接合など、他の固定方法を用いても構わない。
貫通孔73dは、バスバー60の装着固定後、封止プラグ81によって気密に塞がれる。これにより、絶縁樹脂カバー73によって形成される密閉空間の気密性を確保することができる。封止プラグ81は、円板形状の蓋部と、この蓋部の貫通孔73dとの対向面のから垂直に突出した円形の環状部とが一体成形されたゴム製のキャップである。封止プラグ81の環状部の外径は、貫通孔73dの内周面と環状部の外周面とが密着するように、貫通孔73dの内径よりも大きい。
尚、図示されていない絶縁樹脂カバー73と電池モジュール110との間の少なくとも2か所には、絶縁樹脂カバー73と電池モジュール110との位置決めを行うための係合構造、例えばピンと、このピンが挿入される穴が設けられている。このような構成によれば、電池モジュール110の組立時、電池モジュール110に対する絶縁樹脂カバー73の位置決めが容易になり、電池モジュール110の組立作業性を向上させることができる。また、絶縁樹脂カバー73と電池モジュール110との間に設けられた係合構造は、絶縁樹脂カバー73を電池モジュール110上に保持する時の支柱として機能させることができる。支柱はその他にも複数箇所に設けられている。
次に、図9を用いて、電池モジュール110の組み立て手順のうち、電圧検出線ユニット70の取り付け手順について説明する。
まず、電池モジュール110を組み立てる前に、電圧検出線ユニット70を予め製作する。
初めに、電圧検出端子72,中継端子74及びコネクタ端子75aがインサートモールドされ、コネクタ75が一体成型された縁樹脂カバー73の保持部73aの溝73cに対して、電圧検出線71を装着し、電圧検出端子用U字型弾性体76及びコネクタ端子用U字型弾性体77をそれぞれ挿入する。これにより、電圧検出線71が保持部73aに固定されると共に、電圧検出端子72の接続部に電圧検出端子用導電性パッド71cが、コネクタ端子75aの接続部にコネクタ端子用導電性パッド71dが、それぞれ圧接される。
次に、中継端子74にバスバー60のバスバー端子61を挿入する。これにより、バスバー60を一体化した電圧検出線ユニット70が製作される。
尚、本実施形態では、中継端子74を縁樹脂カバー73にインサートモールドした場合を例に挙げて説明したが、電圧検出線71を電圧検出端子用U字型弾性体76及びコネクタ端子用U字型弾性体77によって縁樹脂カバー73に固定した後で中継端子74を縁樹脂カバー73に挿入して、電圧検出端子72を機械的及び電気的に接続し、この後、バスバー60のバスバー端子61を中継端子74に挿入するようにしてもよい。
次に、12個の電池セル10を一列に配列し、この配列体を固縛する。
次に、前述のように予め用意した縁樹脂カバー73を、縁樹脂カバー73と電池モジュール110との間に設けた係合機構を介して電池モジュール110に位置決めして取り付ける。これにより、バスバー60は、電気的に接続される電池セル10の一方側の正極外部端子30及び他方側の電池セル10の負極外部端子31に装着される。
次に、固定ナット80を、貫通孔73dを介して、電気的に接続される電池セル10の一方側の正極外部端子30及び他方側の電池セル10の負極外部端子31のそれぞれに螺合し、バスバー60を固定する。これにより、電池セル10に対するバスバー60の固定と同時に、電圧検出線71が電池セル10に電気的に接続される。
最後に、貫通孔73dに封止プラグ81を嵌め込んで貫通孔73dを塞ぐ。これにより、電圧検出線ユニット70の取り付けが完了する。
以上説明した本実施形態の電圧検出線ユニット70によれば、電池モジュール110の組立工程において、バスバー60が電池セル10に機械的に接続されると同時に、電圧検出線71が電池セル10に電気的に接続されるので、電池モジュール110の組立工程において、電池セル10に対する電圧検出線71の接続作業を省略して電池モジュール110の組立作業性を向上させることができ、電池モジュール110の生産性を向上させることができる。これにより、本実施形態によれば、電池モジュール110の組立工程を簡素化することができ、電池モジュール110の製造コストを低減することができる。従って、本実施形態によれば、電池モジュール110の低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態では、バスバー60のバスバー端子61と電圧検出端子72との機械的及び電気的な接続に、挿入式の中継端子74を用いたので、作業性が煩雑になる溶接などの接合を用いる必要がなく、電圧検出線ユニット70の製作性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、電圧検出線71として、フレキシブルプリント配線基板71aに電圧検出導体71bを印刷したものを用いたので、取り扱い性が良く、小型化及び軽量化を図ることができ、電圧検出線ユニット70の製作性の向上,小型化及び軽量化を図ることができる。
さらにまた、本実施形態によれば、電圧検出線71として、フレキシブルプリント配線基板71aに電圧検出導体71bを印刷したものを用いたので、電圧検出線71にヒューズ71eを一体に設けることができ、電池セル10から異常電流が流れても、即座に電圧検出線71を遮断することができる。これにより、本実施形態によれば、電池セル10の異常電流からセル制御装置120を保護することができ、バッテリ装置100の信頼性及び安全性を向上させることができる。また、本実施形態によれば、電圧検出線71にヒューズ71eを一体に設けたので、電池モジュール110の組立工程において、ヒューズの接続作業を省略することができ、電池モジュール110の組立工程の簡素化による電池モジュール110の製造コストの低減効果を高めることができる。
さらにまた、本実施形態によれば、電圧検出線71と電圧検出端子72及びコネクタ端子75との接続に電圧検出端子用U字型弾性体76及びコネクタ端子用U字型弾性体77を用いたので、作業性が煩雑になる溶接などの接合を用いる必要がなく、電圧検出線ユニット110の製作性を向上させることができる。また、本実施形態によれば、電圧検出線71と電圧検出端子72及びコネクタ端子75との接続に電圧検出端子用U字型弾性体76及びコネクタ端子用U字型弾性体77を用いたので、電圧検出線71の交換が可能になると共に、電圧検出線71を除く他の電圧検出線ユニット70の部品は全て再利用可能となる。これにより、本実施形態によれば、部品の交換性,リサイクル性,環境性に優れていると共に、電池モジュール110の低コスト化を図ることができる。
〔実施形態2〕
第2実施形態を図11に基づいて説明する。
第2実施形態は第1実施形態の改良例であり、第1実施形態とは電圧検出線71の構成が異なっている。この他の構成は第1実施形態と同様である。従って、第1実施形態と同じ構成には第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態では、電圧検出端子用導電性パッド71c及びコネクタ端子用導電性パッド71dの表面に導電性改良材料71fを印刷或いは塗布している。導電性改良材料71fには、金メッキ,銀パラジウムメッキ,銀メッキ,スズメッキ,導電性接着剤のいずれかを用いているが、それらと同様の導電率を有するものであればそれ以外の材料を用いても構わない。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができると共に、電圧検出端子用導電性パッド71c及びコネクタ端子用導電性パッド71dに対する導電性改良材料71fの印刷或いは塗布により、電圧検出端子72の接続部と電圧検出端子用導電性パッド71cとの間及びコネクタ端子75aの接続部とコネクタ端子用導電性パッド71dとの間の電気的な接続を良好、すなわち接触抵抗をさらに低減することができ、電池セル10の電圧検出精度を向上させることができる。
〔実施形態3〕
第2実施形態を図11に基づいて説明する。
第3実施形態は第1実施形態の変形例であり、第1実施形態とは電圧検出線71の構成が異なっている。この他の構成は第1実施形態と同様である。従って、第1実施形態と同じ構成には第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
第1実施形態では、ヒューズ71eを電圧検出導体71bとは別部材としたが、第3実施形態では、電圧検出導体71bの幅を他の部分よりも狭くし、電圧検出導体71bのヒューズに対応する部位の電流密度を大きくしている。このような構成によれば、電圧検出導体71bのヒューズに対応する部位の電流密度が定格電流の電流密度よりも大きくなった場合に、電圧検出導体71bのヒューズに対応する部位が溶断し、電圧検出導体71bを遮断する。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。

Claims (7)

  1. 複数の蓄電器と、
    前記複数の蓄電器を電気的に接続する蓄電器接続導体と、
    前記複数の蓄電器に電気的に接続され、前記複数の蓄電器のそれぞれの電圧を取り込むために設けられた電圧検出線ユニットと、を有し、
    前記電圧検出線ユニットは、
    前記蓄電器接続導体に一体化されてユニット化されたものであって、
    前記複数の蓄電器のそれぞれの電圧を取り込むための電圧検出線と、
    前記電圧検出線が設けられた配線基板と、
    前記蓄電器接続導体に電気的に接続された接続端子と、
    前記接続端子を保持する保持部材と、
    前記配線基板を前記保持部材に押圧して固定する弾性体と、を備え、
    前記複数の蓄電器に前記蓄電器接続導体が機械的に接続されると、前記電圧検出線が前記蓄電器に電気的に接続されるように構成されており
    前記電圧検出線は、前記接続端子に当接し、この当接部位に対応する前記配線基板の部位が前記弾性体に押圧されることにより前記接続端子に圧接されている、
    ことを特徴とする蓄電モジュール。
  2. 請求項に記載の蓄電モジュールにおいて、
    前記配線基板は、フレキシブル素材に箔状の前記電圧検出線が設けられて構成されたフレキシブルプリント配線基板である、
    ことを特徴とする蓄電モジュール。
  3. 請求項に記載の蓄電モジュールにおいて、
    前記フレキシブル素材はポリイミドである、
    ことを特徴とする蓄電モジュール。
  4. 請求項乃至のいずれかに記載の蓄電モジュールにおいて、
    前記配線基板には、前記電圧検出線ユニットから電圧を取り出すための取り出し部が延設されており、
    前記取り出し部には、コネクタ端子を有するコネクタが設けられおり、
    前記コネクタ端子には、前記電圧検出線の前記接続端子との圧接側とは反対側が電気的に接続されている、
    ことを特徴とする蓄電モジュール。
  5. 請求項に記載の蓄電モジュールにおいて、
    前記電圧検出線の前記接続端子との圧接側とは反対側と前記コネクタ端子の両者は、前記電圧検出線の前記接続端子との圧接側とは反対側を前記コネクタ端子に当接し、この当接部位に対応する前記配線基板を弾性体に押圧して、前記電圧検出線の前記接続端子との圧接側とは反対側を前記コネクタ端子に圧接することにより電気的に接続されている、
    ことを特徴とする蓄電モジュール。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載の蓄電モジュールにおいて、
    前記電圧検出線の前記接続端子との圧接の近傍には、前記電圧検出線を流れる電流によって前記電圧検出線を溶断するヒューズ機構が設けられている、
    ことを特徴とする蓄電モジュール。
  7. 請求項に記載の蓄電モジュールにおいて、
    前記ヒューズ機構は、前記電圧検出線の一部の幅を他の部位の幅よりも小さくすることにより構成されている、
    ことを特徴とする蓄電モジュール。
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