JP5507918B2 - トラック - Google Patents
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(1)荷台の上部から下部に渡って装着された縦枠部材を利用するために、大型の板ガラスを縦向き(天地が長手方向)に積載することができ、横向きの場合に比べ多くの板ガラスを積載することができる。
(2)縦枠部材は、上下のピンを係止台に係止させるだけで装着できるので、その装着作業や撤去作業が容易である。
(3)内側と外側に板ガラスを積載した場合であっても、外側の板ガラスを荷降ろしした後に縦枠部材を手軽に撤去できるので、内側に積載した板ガラスの荷降ろし作業も容易かつ迅速にできる。
(4)縦枠部材に複数の穴を有するラッシングレールを取り付けることによって、この穴に通したロープ等で板ガラスを固定することができるので、より安心して板ガラスを運搬することができる。
(5)荷台に装着された縦枠部材より内側(荷台中心側)の空間にも板ガラスを積載できるため、さらに多くの板ガラスを積載することができる。
(6)荷台のうち、板ガラスを積載する外側部分の床を低床にすることによって、外側にはより大型の板ガラスを積載することができる。
本願発明の板状物運搬車(トラック)の一実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願発明の板状物運搬車1の荷台内を後方から見た全体斜視図である。運搬車1は、運転台(キャビン)と荷台とを備えたもので、トラックをはじめとする通常の運搬車を利用することができる。
この荷台内には、細長形状の縦枠部材2が、その軸が上下に向くように、車軸方向(運搬車1の進行方向)に多数並べられて設置されている。縦枠部材2は、荷台内の両側に設けられており、すなわち図1で示す荷台側のみならず、図示されない反対側にも設置されている。
従来は、板ガラス3を横向き(長手方向が車軸方向)となるように積載するのが一般的で、この場合横向きの板ガラス3の上部空間がデッドスペースとなり荷台空間を効率よく使用していないため、一度に多くの板ガラス3を積載することができなかった。
その点、板ガラス3を縦向きに積載することができれば、板ガラス3の上部にできるデッドスペースが著しく削減され効率よく荷台空間を使用することとなり、より多くの板ガラス3を積載することができる。
このラッシングレール4は、軸方向に並ぶ複数の孔が設けられた有孔レールである。この孔にロープや紐あるいは帯状のもの(以下、「ロープ等」という。)を通し、これらで縦枠部材2の前面(外側)の外側スペース40(図2)に配置された板ガラス3を縛り付けて固定することができる。図1では縦枠部材2とラッシングレール4により外側受け台41(図2)が構成されている。
図2では、外側荷台床8が内側荷台床7よりも低いいわゆる低床となっており、後に説明するように外側スペース2aに、より大型の板ガラス3を積載できるので好適であるが、もちろん、内側荷台床7と外側荷台床8が同じ高さでフラットな床の荷台であっても構わない。
内側受け台9は、左右に傾斜する斜材10、左右相互の斜材10を連結する水平材11、斜材10の下端に取り付けられた底材12から構成されている。板ガラス3は、底材12の上で斜材10の傾斜面に凭れかかって載せられ、ロープ等で適宜縛られて固定される。なお、内側受け台9は図に示す形状や構造に限られず、従来から用いられている受け台を採用することができる。また、内側受け台9をボルト固定式とするなど荷台に対して脱着可能とし、不要時には内側受け台9を取り外せる構造とすることもできる。
支柱13は、一部に平坦面を備える鋼材16(図3)を主部材とし、その平坦面のうち板ガラス3が凭れかかる際に接触する面に緩衝材17(図3)が貼り付けられたものである。図3では、鋼材16として溝形鋼(通称チャンネル)を使用しているが、軽量であって板ガラス3を支えるときに大きな変形を生じないものであれば、山形鋼、角形鋼管などその他の鋼材、あるいは樹脂製や木製など種々の材質製のものを採用することができる。また、溝形鋼の一面に平鋼を溶接等で取り付けた断面視四角形のものとするなど、種々の鋼材を組み合わせたものを鋼材16とすることもできる。
なお、これら上係止台18、下係止台19、固定具20の設置手段として、溶接等による固定手段や、ボルトやビスによる脱着可能な取り付け手段を採用することができる。
ラッシングレール4は溶接により縦枠部材2に取り付けられるが、他の従来手段によって取り付けても構わない。
また、上係止孔24を長穴形状とし、上係止ピン23を車軸方向にスライド可能とすることもできる。ただしこの場合、板ガラス3運搬中に縦枠部材2が前後にスライドすることになり、板ガラス3の安定性の面からは望ましくない。
また、下係止孔28を長穴形状とし、センターピン29を車軸方向にスライド可能とすることもできる。ただしこの場合、板ガラス3の運搬中に縦枠部材2が前後にスライドすることになり、板ガラス3の安定性の面からは望ましくない。
なお、上係止ピン23の数と同様、一つの縦枠部材2に取り付ける下係止ピン26の数は適宜設計して決めることができる。
(1)図2に示す状態から縦枠部材2とそれに連結されているラッシングレール4により構成されている外側受け台41(図2)を取り外し、板ガラス3を荷台内部にある内側受け台9の外側の内側スペース42(図2)に載せていく。
(2)板ガラス3を載せた後、板ガラス3をロープ等で内側受け台9の斜材10に縛って固定する。
(3)縦枠部材2(図5)の下の方を持ち、上係止具14の上係止ピン23を上係止台18の上係止孔24に挿入し、縦枠部材2は上係止部で装着される。この作業は、ラッシングレール4で連結された複数の縦枠部材2を1ブロックとする外側受け台41(図2)の全て縦枠部材2が完了するまで繰り返される。
(4)下係止ピン26(図5)のセンターピン29を持ち上げ、下係止板25の水平面と挟持板27で下係止台19の一部を挟みこみ、下係止板25の水平面と挟持板27に設けられた孔、及び下係止孔28の位置を合わせたうえでセンターピン29の持ち上げ力を解除する。これによりセンターピン29は、下係止板25の水平面、挟持板27、下係止台19を縫い付けて、縦枠部材2は下係止部で装着される。この作業も外側受け台41(図2)の全て縦枠部材2が完了するまで繰り返される。
(5)荷台左右ともに、外側受け台41(図2)の全ての縦枠部材2が装着されると、外側受け台41の縦枠部材2に立て掛けられるように板ガラス3を外側スペース40(図2)に積みこんでいく。
(6)板ガラス3を外側受け台41の縦枠部材2に載置した後、ラッシングレール4の孔にロープ等を通し、このロープ等で板ガラス3を縦枠部材2及びラッシングレール4に縛って固定する。
(7)予定した全ての板ガラス3を積載し固定できた後、側壁部6のシャッターを閉め、目的地まで運搬する。
(9)外側受け台41の縦枠部材2に立て掛けられる全ての板ガラス3を荷台から降ろす。
(10)センターピン29(図5)を持ち上げてセンターピン29を挟持板27の孔と下係止孔28から外し、縦枠部材2を荷台の外方向にスライドさせて下係止板25の水平面と挟持板27による下係止台19の挟みこみを外し、縦枠部材2の下係止部における装着状態を解除する。なお挟みこみが解除されたらセンターピン29は放す。この作業は、外側受け台41の全て縦枠部材2が完了するまで繰り返される。
(11)外側受け台41の縦枠部材2の下の方を持ち、上係止具14(図5)の上係止ピン23を上係止台18の上係止孔24から外し、縦枠部材2の上係止部での装着状態を解除する。この作業も、外側受け台41の全て縦枠部材2が完了するまで繰り返される。
(12)このように外側受け台41ごとに縦枠部材2及びラッシングレール4を荷台から取り外していく。
(13)すべての外側受け台41で取り外し作業を終えると、内側受け台9に積載した板ガラス3をロープ等の緊張を解いてその固定を解除する。
(14)内側受け台9に積載してある全ての板ガラス3を荷台から降ろす。
(15)全ての板ガラス3を荷降ろしした後、先に外した外側受け台41を荷台に積み込み、側壁部6のシャッターを閉め、次の場所(元の場所)に移動する。
本願発明の板状物運搬車(トラック)1の第1の実施形態では、上係止部および下係止部をそれぞれピンとこれを挿入する係止孔という組み合わせとしたが、ピンと係止孔という組み合わせに限らず、上係止具14が上係止台18に係止され、下係止具15が下係止台19に係止される構造であれば、例えば電磁石を利用した係止構造や、凸形状に凹形状を嵌合させる係止構造など、種々の係止構造を選択することもできる。ただし、係止作業が容易である係止構造を選択することが望ましい。
本願発明の板状物運搬車1の第1の実施形態では、縦枠部材2又はラッシングレール4で連結された複数の縦枠部材2のブロック(外側受け台41)が着脱容易に荷台に装着される場合を説明したが、外側受け台41は脱着式に限らず開閉可能に荷台に装着することもできる。
外側受け台41の一端を荷台の一部に回転可能に装着し(いわゆる、ウィング形式)、外側受け台41の奥に積載された板ガラスの荷降ろしを行うときは外側受け台41を回転させて荷台の側面を開放することができる。外側受け台41の前面に板ガラスを積載するときは、前記の開放状態から逆向きに回転させて外側受け台41を固定する。
また、外側受け台41を左右にスライド可能として、外側受け台41の奥(内側)の内側受け台9に積載されている板ガラスの荷降ろしを行うときは外側受け台41をスライドさせて荷台の側面を開放し、外側受け台41の前面に板ガラスを積載するときは、前記の開放状態から逆向きにスライドさせて外側受け台41を固定する。このスライド方向は左右方向(車軸方向)に限らず、上下方向にスライドさせることもできる。
2 縦枠部材
3 板ガラス
4 ラッシングレール
5 屋根部
6 側壁部
7 内側荷台床
8 外側荷台床
9 内側受け台
10 斜材
11 水平材
12 底材
13 支柱
14 上係止具
15 下係止具
16 鋼材
17 緩衝材
18 上係止台
19 下係止台
20 固定具
21 段差面
22 上係止板
23 上係止ピン
24 上係止孔
25 下係止板
26 下係止ピン
27 挟持板
28 下係止孔
29 センターピン
30 シリンダ
31 円板
32 不動板
33 バネ
40 外側スペース
41 外側受け台
42 内側スペース
Claims (9)
- 開閉可能な側壁と屋根部を備えた荷台を有するトラックにおいて、
荷台内の側壁側に外側荷台床が設けられ、
前記外側荷台床の内側に内側荷台床が設けられ、
前記外側荷台床に外側受け台が設けられ、
前記内側荷台床に内側受け台が設けられ、
前記外側受け台の外側に、板状物を積載できる外側スペースが設けられ、
前記外側受け台と内側受け台の間に板状物を積載できる内側スペースが設けられ、
前記外側受け台と内側受け台の夫々は前記側壁に向けて配置されて、外側受け台は前記外側スペースに搭載された板状物を荷台の側壁側に向けて立て掛けることができ、前記内側受け台は前記内側スペースに搭載された板状物を荷台の側壁側に向けて立て掛けることができ、
少なくとも、前記外側受け台は外側荷台床に脱着可能又は開閉可能に設けられて、外側荷台床から離脱又は開放することにより、板状物を外側荷台床側から内側受け台に立て掛けることも、内側受け台に立て掛けられている板状物を外側荷台床側に荷降ろしすることもできる、
ことを特徴するトラック。 - 請求項1記載のトラックにおいて、
外側荷台床が両方又は片方の側壁側に設けられ、
内側荷台床が両方又は片方の外側荷台床の内側に設けられた、
ことを特徴するトラック。 - 請求項1又は請求項2記載のトラックにおいて、
内側荷台床が外側荷台床よりも一段高い、
ことを特徴するトラック。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のトラックにおいて、
内側受け台と外側受け台の夫々が裾広がりであって、板状物が内側受け台と外側受け台の夫々に凭れ掛かることができる、
ことを特徴するトラック。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のトラックにおいて、
外側受け台の下部と内側受け台の下部が荷台側に支持され、外側受け台の上部と内側受け台の上部が荷台の天井側に支持された、
ことを特徴するトラック。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のトラックにおいて、
外側受け台と内側受け台が荷台の前後方向に二以上、分解・組み立て可能である、
ことを特徴するトラック。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のトラックにおいて、
少なくとも、内側荷台床が幅方向外側から内側に下り傾斜である、
ことを特徴するトラック。 - 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のトラックにおいて、
外側受け台が外側荷台床の上に縦向きに配置される縦枠部材と、縦枠部材の上部に取り付けられた上係止具、縦枠部材の下部に取り付けられた下係止具を備え、
前記上係止具が荷台内の上部の上係止台と連結され、前記下係止具が荷台(荷台側を含む)に設けられた下係止台に連結された、
ことを特徴するトラック。 - 請求項8記載のトラックにおいて、
ピン状の上突起が上係止具に下向きに、ピン状の下突起が下係止具に上向きに設けられ、
上係止台には前記上突起を挿入可能な上挿入孔が開口され、
下係止台には前記下突起を挿入可能な下挿入孔が開口され、
前記上突起を前記上挿入孔に挿入して上係止具と上係止台を連結し、前記下突起を前記下挿入孔に挿入して下係止具と下係止台を連結することにより、上係止具と下係止具を備えた外側受け台が上係止台と下係止台に連結されて、外側受け台が荷台に着脱可能に設置され、前記上突起を前記上挿入孔から、前記下突起を前記下挿入孔から抜くことにより、上係止具を上係止台から、下係止具を下係止台から取り外して、外側受け台を荷台から取り外し可能である、
ことを特徴するトラック。
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