JP5506130B2 - 水中油型エマルション - Google Patents

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本発明は水中油型エマルション、特に界面活性剤を含有しない、又はほとんど含有しない水中油型エマルションに関する。
通常化粧品等に用いられる水中油型エマルションは、添加されている界面活性剤の乳化作用により、水性成分と油性成分を安定的に混合せしめている。
一方、近年安全性をより重視する消費者が増加するに伴い、使用者の体質によってはごく稀に刺激を感じさせることもある界面活性剤を含有しない、もしくはほとんど含有しない水中油型エマルションの要求がますます高くなっている。
界面活性剤を用いず、粉末を界面に吸着させることによって調製するエマルションは、ピッカリングエマルションとして従来知られている。ピッカリングエマルションの調製に関しては、これまで数多くの研究成果が報告されており(例えば非特許文献1)、香粧品の分野においても、その活用が提案されてきた(特許文献1、2)。
特許第2656226号 特表2001−518111号 B.Binks et. al, Advances in Colliod and Interface Science 100−102,(2003)
しかしながら、エマルションを香粧品に適用する場合に必須とされる、種々の環境での温度や撹拌に対する安定性を満たしうる水中油型ピッカリングエマルションを調製することは非常に困難であった。
また、従来技術による水中油型ピッカリングエマルションには、肌に塗布する際に水のようにはじかれ、なじみにくいという大きな欠点があった。
さらに、親水的な界面活性剤をほとんど配合しない水中油型エマルションは、紫外線防御用途において、耐水性の向上が期待できる。
本発明は上記事情を鑑み行われたものであり、乳化安定性に優れ、肌へのなじみがよく、紫外線吸収剤を配合すると非常に高い耐水性を示す水中油型エマルションを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明者らが鋭意研究を行った結果、油相、水相、及び粉末成分に、特定のアルキレンオキシド誘導体を有効量配合した水中油型エマルションが優れた乳化安定性及び肌なじみを有し、さらに前記水中エマルションが紫外線吸収剤の配合により高い耐水性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の水中油型エマルションは、
(a)下記式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体0.1〜20質量%と、
(b)粉末成分0.1〜20質量%と、
(c)油相と、
(d)水相と、を含むことを特徴とする。
(化1)
O−[(AO)(EO)]−R (I)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、m及びnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合が、20〜80質量%である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。R及びRは同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基。)
また、前記水中油型エマルションにおいて、界面活性剤を0.1質量%以上配合しないことが好適である。
また、前記水中油型エマルションにおいて、1種類以上の紫外線防御剤を含むことが好適である。
また、前記水中油型エマルションにおいて、粉末成分がシリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛又はこれらを含む複合粉末であることが好適である。
本発明によれば、特定量のアルキレンオキシド誘導体、粉末成分、油相及び水相を配合することにより、従来よりも乳化安定性に優れ、肌なじみの良い水中油型エマルションを得ることができる。さらに、本発明の水中油型エマルションに紫外線吸収剤を配合した場合、その紫外線防御能に対し非常に高い耐水性を賦与することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明の水中油型エマルションは、従来のピッカリングエマルションの構成成分である油相、水相、及び粉末成分に加え、特定構造のアルキレンオキシド誘導体を含有するものであり、常法により製造することができる。
本発明の水中油型エマルションは、下記式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体を含む。
(化1)
O−[(AO)(EO)]−R (I)
上記アルキレンオキシド誘導体において、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、具体的には、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられる。なお、EOはオキシエチレン基である。
mは炭素数3〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1≦m≦70、好ましくは2≦m≦50である。nはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、1≦n≦70、好ましくは5≦n≦55である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基またはオキシエチレン基が0であるとなめらかさが落ち、70を超えるとべたつき感がでてくる傾向がある。
また、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合が、20〜80質量%であることが好ましい。オキシエチレン基の割合が20質量%未満であるとなめらかさに劣る傾向にあり、80質量%をこえると使用後べたつきを生じる傾向にある。
エチレンオキシド及び炭素数3〜4のアルキレンオキシドの付加する順序は特に指定はない。また、オキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシアルキレン基はブロック状に付加していても、ランダム状に付加していてもよい。ブロック状には、2段ブロックのみならず、3段以上のブロックも含まれる。本発明においては、オキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシアルキレン基がランダム状に付加されているアルキレンオキシド誘導体を用いることが好適である。ランダム型アルキレンオキシド誘導体は、ブロック型のものよりも使用感触に優れている。
なお、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、[(EO)/(PO)]はランダム状結合を表し、以下、このように略して記載することがある。
及びRは炭素数1〜4の炭化水素基もしくは水素原子で、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基である。炭素数5以上の炭化水素基では親水性が低下し、潤い感が低下する傾向にある。
また、R及びRはそれぞれ同種のものを用いても、炭素水1〜4の炭化水素基と水素原子とが混在しても、異種の炭素数1〜4の炭化水素基が混在してもよい。ただし、R及びRの炭化水素基のうち、炭化水素基と水素原子の存在割合は、炭化水素基の数(X)に対する水素原子の数(Y)の割合Y/Xが0.15以下であることが好ましく、特に0.06以下が好ましい。Y/Xが0.15を超えると、香粧品等に配合した場合にべたつきを感じることがある。
本発明のアルキレンオキシド誘導体としては、具体的にはPOE(9)POP(2)ジメチルエーテル、POE(14)POP(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジメチルエーテル、POE(6)POP(14)ジメチルエーテル、POE(15)POP(5)ジメチルエーテル、POE(25)POP(25)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(22)POP(40)ジメチルエーテル、POE(35)POP(40)ジメチルエーテル、POE(50)POP(40)ジメチルエーテル、POE(55)POP(30)ジメチルエーテル、POE(30)POP(34)ジメチルエーテル、POE(25)POP(30)ジメチルエーテル、POE(27)POP(14)ジメチルエーテル、POE(55)POP(28)ジメチルエーテル、POE(36)POP(41)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(17)POP(4)ジメチルエーテル、POE(9)POB(2)ジメチルエーテル、POE(14)POB(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジエチルエーテル、POE(10)POP(10)ジプロピルエーテル、POE(10)POP(10)ジブチルエーテル等が挙げられる。
なお、上記POE、POP、POBは、それぞれポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンの略であり、以下、このように略して記載することがある。
本発明のアルキレンオキシド誘導体は公知の方法で製造することができる。例えば、水酸基を有している化合物にエチレンオキシド及び炭素数3〜4のアルキレンオキシドを付加重合した後、ハロゲン化アルキルをアルカリ触媒の存在下にエーテル反応させることによって得られる。以下、アルキレンオキシド誘導体の合成例について示す。
<合成例1 ブロック型アルキレンオキシド誘導体の合成>
ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(10モル)ジメチルエーテル
CHO[(EO)10(PO)10]CH(ブロックポリマー)
プロピレングリコール76gと触媒として水酸化カリウム3.1gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりプロピレンオキシド522gを滴下させ、2時間攪拌した。ひきつづき滴下装置によりエチレンオキシド440gを滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム224gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル188gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため減圧−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。更に処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、前記ブロック型アルキレンオキシド誘導体(ブロックポリマー)を得た。
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が110、得られた化合物の水酸基価が0.3、末端メチル基数に対する水素原子数の割合は0.003であり、ほぼ完全に水素原子がメチル基に変換されている。
<合成例2 ランダム型アルキレンオキシド誘導体の合成>
ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(10モル)ジメチルエーテル
CHO[(EO)10/(PO)10]CH(ランダムポリマー)
プロピレングリコール76gと触媒として水酸化カリウム3.1gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエチレンオキシド440gとプロピレンオキシド522gの混合物を滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム224gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル188gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため減圧−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。更に処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、前記ランダム型アルキレンオキシド誘導体(ランダムポリマー)を得た。
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が107、得られた化合物の水酸基価が0.4、末端メチル基数に対する水素原子数の割合は0.004であり、ほぼ完全に水素原子がメチル基に変換されている。
また、本発明の水中油エマルションにおけるアルキレンオキシド誘導体の配合量は、エマルション全量に対し0.1〜20質量%が好適であり、さらに好ましくは1〜10質量%である。配合量が0.1質量%未満であるとエマルションが肌になじみにくくなり、20質量%を超えると乳化安定性が損なわれることがある。
本発明の水中油型エマルションに含まれる粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、チタン酸鉄等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられ、単独で用いることも2種以上を配合することもできる。また、粉末に金属酸化物等を被覆させて得られる複合粉体や、粉末表面を化合物等で処理した改質粉体を用いてもよい。本発明においては、特にシリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛又はこれらを含む複合粉末を用いることが好適である。これらの粉末は乳化作用に加え、紫外線防御効果を有することから、配合効率上好ましい。
粉体の粒径には特に規定はないが、香粧品へ配合する際の扱い易さや、乳化安定性の観点からいえば、粒子径が1〜200nmであるものが好ましい。
本発明の水中油型エマルションにおける粉末成分の配合量としては、エマルション全量に対し0.1〜20質量%であることが好適であり、1〜10質量%が特に好適である。配合量が0.1質量%未満であると乳化が十分に進まないことがあり、20質量%を超えると乳化安定性や肌へのなじみが低下する傾向にある。
本発明の水中油型エマルションに含まれる油相成分としては、液体油脂として、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、 POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、 12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)、アクリルシリコーン類等が挙げられる。
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
また、本発明の水中油型エマルションは、上記成分が含有されていれば、ほとんどの場合において界面活性剤を用いなくとも十分な乳化が可能であるが、含有する粉末成分の種類によっては微量の界面活性剤を添加することで、より効果的な乳化が可能となる。その場合の界面活性剤の配合量は、エマルション全量に対し、0.1質量%を超えないことが好ましい。
通常、界面活性剤の配合量がエマルションに対し0.1質量%以下であると、界面活性剤のみで系を乳化させるには量的に不十分であるが、本発明の水中油型エマルションにおいてはアルキレンオキシド誘導体及び粉体成分の乳化作用を促進する。一方、界面活性剤の配合量が0.1質量%を超えると、乳化安定性が低下することがあり好ましくない。
また、本発明の水中油型エマルションに紫外線防御剤を添加すれば、その紫外線防御能に優れた耐水性を賦与することができる。
本発明に適用し得る紫外線防御剤としては、有機化合物である紫外線吸収剤として、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等);3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等が挙げられる。
無機化合物である紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、又はこれらを含む複合粉末等が挙げられる。
また、本発明の水中油型エマルションには、上記成分の他、その効果を損なわない範囲において、通常化粧料や医薬部外品に用いられる成分を配合することができ、常法に応じて製造される。配合可能な成分には制限はないが、例えば保湿剤、単糖、オリゴ糖、有機アミン、酸化防止剤、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等)、美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等)、各種抽出物(例えば、ショウガ、ウバク、オウレン、シコン、バーチ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、ボタン、海藻等)、賦活剤(例えば、パンテニールエチルエーテル、ニコチン酸アミド、ビオチン、パントテン酸、ローヤルゼリー、コレステロール誘導体等)、抗脂漏剤(例えば、ピリドキシン類、チアントール等)、香料、色素等が挙げられる。
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等);六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等);アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム) 、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
また、本発明の水中油型エマルションの剤型に規定はなく、ローション状、乳液状、クリーム状、ジェル状等、処方成分や使用目的等によって適宜決定すればよい。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれによって限定されるものではない。配合量については、断りのない限り質量%とする。
初めに、実施例で用いた評価法について説明する。
評価(1):乳化安定性(外観)
エマルション調製後1日以内に、エマルションの外観を肉眼で観察した。
○・・・試料は均一で、油浮きや粉の凝集を認めなかった。
△・・・試料はほぼ均一であるが、わずかな油浮きなどを認めた。
×・・・試料が均一でないか、著しい油相の分離、もしくは粉の凝集を認めた。
評価(2):乳化安定性(乳化粒子)
試料を光学顕微鏡で観察したときに、
○・・・乳化粒子は均一で、合一や凝集を認めなかった。
△・・・乳化粒子はほぼ均一であるが、わずかな合一や凝集などを認めた。
×・・・乳化粒子が均一でなく、著しい合一や凝集を認めた。
評価(3):塗布時の肌へのなじみ感
専門パネル10名によって、各々の試料の実使用試験を実施した。評価基準は以下のとおりである。
◎・・・パネル8名以上が、塗布中なじみが良好であると認めた。
○・・・パネル6名以上8名未満が、塗布中なじみが良好であると認めた。
△・・・パネル3名以上6名未満が、塗布中なじみが良好であると認めた。
×・・・パネル3名未満が、塗布中なじみが良好であると認めた。
評価(4):紫外線防御能の耐水性
各々の試料について、人の皮膚を模した基板に対して2mg/cm塗布し、乾燥させた後、分光光度計を用いて塗布膜の波長310nmの吸光度スペクトルを測定した。その後、塗布膜を流水(1l/s)に20分間浸した後、再度310nmの吸光度スペクトルを測定した。水洗前の吸光度に対する水洗後の吸光度から試料の基板残存率を求め、その耐水性を評価した。
○・・・残存率80%以上
△・・・残存率50%以上
×・・・残存率50%以下
表1に記載した配合組成よりなる水中油型エマルションを常法により製造し、各試料について、上記評価(1)〜(4)に関する評価試験を行った。
(表1)
表1より、特定構造のアルキレンオキシド誘導体を含まない試験例3においては、乳化安定性が不十分な上、肌へのなじみ感が劣っていた。また、粉末を用いず、通常の界面活性剤のみを用いた試験例4では、乳化安定性、肌なじみ共に良好であったが、紫外線防御能に耐水性がほとんど認められなかった。
これに対し、特定構造のアルキレンオキシド誘導体を配合し、粉末のみを用いて乳化を行った試験例1及び、粉末と微量の界面活性剤を添加した試験例2においては、乳化安定性、肌へのなじみ感に優れ、紫外線防御能の耐水性も良好であった。
以上より、特定構造のアルキレンオキシド誘導体及び粉末によるエマルションは、通常の界面活性剤によるものと同等以上の乳化安定性を有し、且つ紫外線防御能の耐水性が向上することが認められた。すなわち、本発明の水中油型エマルションは、界面活性剤を用いない安全性の高いエマルションでありながら、従来界面活性剤なしでは実現できなかった乳化安定性を有し、さらに紫外線防御剤を添加すれば、その紫外線防御能に耐水性を賦与することが可能である。
続いて、特定構造のアルキレンオキシド誘導体の好適な配合量を調べるために、表2に記載した配合組成よりなる水中油型エマルションを常法により製造し、各試料について、上記評価(1)〜(4)に関する評価試験を行った。
(表2)
表2より、試験例5〜9において、エマルションは優れた乳化安定性及び十分な肌なじみを示した。特に試験例6及び7では、肌なじみの良さに著しく改善が認められた。一方、アルキレンオキシド誘導体を25質量%配合した実施例10のエマルションは、乳化安定性がやや劣るものであった。
したがって、本発明の水中油型エマルションは、特定構造のアルキレンオキシド誘導体の配合量がエマルション全量に対し0.1〜20質量%であることが好適である。また、エマルションの肌なじみを考慮するならば、配合量は1.0〜10質量%がより好適である。
続いて、粉末成分の好適な配合量を調べるために、表3に記載した配合組成よりなる水中油型エマルションを常法により製造し、各試料について、上記評価(1)〜(4)に関する評価試験を行った。
(表3)
表3によれば、粉末成分であるトリメチルシラン1%処理シリカ被覆酸化亜鉛を0.1〜20質量%配合した試験例11〜15においては乳化安定性及び肌なじみに優れたエマルションが得られた。一方、粉末成分を25質量%配合した試験例16は肌なじみが他の試験例にやや劣る結果となった。
したがって、本発明の水中油型エマルションは、粉末成分の配合量がエマルション全量に対し0.1〜20質量%であることが好適である。また、エマルションの肌なじみを考慮するならば、配合量は1.0〜10質量%がより好適である。
本発明の水中油型エマルションへの界面活性剤の配合について、その配合量を検討した。下記表4の配合組成よりなる水中油型エマルションを常法により製造し、各試料について、上記評価(1)〜(4)に関する評価試験を行った。
(表4)
表4より、乳化に粉末成分のみを用いた試験例17の場合、乳化安定性にやや劣るが、エマルション全量に対して0.1質量%以下の範囲で界面活性剤を配合した試験例18〜20においては、乳化安定性に優れ、肌なじみ感の改善が認められた。一方、界面活性剤を0.2質量%配合した試験例21では、乳化安定性が著しく低下した。
以上より、本発明の水中油型エマルションは、界面活性剤の微量の添加により乳化安定性が向上することがあるが、その配合量は0.1質量%を超えないことが好適であると認められた。
以下に本発明の水中油型エマルションの処方例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の処方例によって得られた水中油型エマルションは、いずれも乳化安定性が高く、優れた肌なじみ感を有するものであった。
<処方例1> 乳液
(質量%)
A相
スクワラン 4.0
オレイルオレート 2.5
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 0.8
月見草油 0.2
香料 0.1
B相
POE(55)POP(28)ジメチルエーテル(ランダムポリマー) 6.0
1,3ブチレングリコール 1.5
エタノール 2.0
疎水化処理シリカ 3.0
精製水 適 量
C相
カルボキシビニルポリマー 0.2
水酸化カリウム 0.1
L−アルギニンL−アスパラギン酸塩 0.01
エデト酸塩 0.05
防腐剤 適 量
精製水 残 余
(製法)
B相をミキサーもしくは超音波で分散した後、C相を添加し、これにA相を加えて、乳化機で乳化することによって、乳液を得た。
<処方例2> 紫外線防御乳液
(質量%)
A相
スクワラン 4.0
オクチルメトキシシンナメート 8.0
シクロペンタジメチルシロキサン 5.0
香料 0.1
B相
POE(55)POP(28)ジメチルエーテル(ランダムポリマー) 6.0
1,3ブチレングリコール 1.5
エタノール 2.0
シリカ被覆酸化亜鉛 3.0
塩化セチルトリメチルアンモニウム 0.015
精製水 適 量
C相
サクシノグリカン 0.2
グリセリン 3.0
L−アルギニンL−アスパラギン酸塩 0.01
エデト酸塩 0.05
防腐剤 適 量
精製水 残 余
(製法)
B相を70℃に加熱後、ミキサーもしくは超音波で分散した後、均一に溶解したC相を添加する。70℃に過熱したB相に、70℃に過熱したA相を加えて、乳化機で乳化する。これを冷却して乳液を得た。
<処方例3> 水中油型乳液ファンデーション
(質量%)
A相
疎水化処理二酸化チタン 10.0
疎水化処理タルク 3.0
疎水化処理黄酸化鉄 0.8
疎水化処理黒酸化鉄 0.16
疎水化処理ベンガラ 0.36
デカメチルペンタシクロシロキサン 10.0
パラメトキシ桂皮酸オクチル 5.0
B相
疎水化処理シリカ被覆酸化亜鉛 3.0
POE(55)POP(28)ジメチルエーテル(ランダムポリマー) 6.0
ダイナマイトグリセリン 6.0
キサンタンガム 0.3
カルボキシメチルセルロース 0.3
エタノール 5.0
イオン交換水 残 余
(製法)
A相を混合し、分散破砕した後、B相を分散・溶解した水相に対して、ホモミキサーをかけながら添加する。

Claims (2)

  1. (a)下記式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体を0.1〜20質量%と、
    (b)シリカ被覆酸化亜鉛、トリメチルシラン処理シリカ被覆酸化亜鉛、疎水化処理シリカから選択される1種以上を含む粉末成分を0.1〜20質量%と、
    (c)油相と、
    (d)水相と、を含有し、
    界面活性剤を含まないか、界面活性剤のみで油相と水相を乳化できる量の界面活性剤を含まないことを特徴とする水中油型エマルション。
    (化1)
    O−[(AO)(EO)]−R (I)
    (式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、m及びnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合が、20〜80質量%である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していても良い。R及びRは同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。)
  2. 請求項1に記載のエマルションにおいて、1種類以上の紫外線防御剤を含むことを特徴とする水中油型エマルション。
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