JP6801980B2 - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、水中油型乳化化粧料に関する。さらに詳しくは、水や汗等と接触することにより塗布直後よりも肌の凹凸補正効果が増加するという従来にない特性を有する水中油型乳化化粧料に関する。
水中油型乳化物は、内相に色材を配合することによってコンシーラー、ファンデーション、アイシャドウ、アイライナー等のメーキャップ化粧料として用いられたり、紫外線吸収剤を配合することによって日焼け止め化粧料として用いられる。この水中油型乳化物は塗布時の伸びやみずみずしい使用感触が得られるという利点をもつ反面、水、汗、涙などで落ちやすく、メーキャップ効果が低下するという問題点がある。
そこで、従来から水中油型乳化物の耐水性を向上させるための試みがなされてきた。例えば、特許文献1には、外相に水と水溶性高分子を含有し、内相に揮発性油分と油溶性樹脂を含有する乳化物とすることにより、使用性および耐水性をもつ水中油型メーキャップ化粧料が開示されている。また、特許文献2には、皮膜剤を配合することによって耐水性を向上させた水中油型乳化日焼け止め化粧料が開示されている。
しかしながら、化粧料に配合する色材や紫外線吸収剤の流出を防ぐためにシリコーン樹脂や被膜剤等を高配合すると、塗布した化粧料の被膜感が強くなり、使用性が損なわれるほか、適用時の伸びが悪く、通常の洗浄料や石鹸で簡単に落とすことができず、専用クレンジング剤を用いなければならないといった使用上の問題が生じる場合がある。
また、皮膚に塗布した化粧料は、皮膚から分泌される汗や海水といった外部環境からの水分など、塗膜の内外から種々の水分に曝されるため、耐水性を付与するための樹脂や被膜剤を高配合しても、化粧料からの色材や紫外線吸収剤の流出を阻止することは難しく、メーキャップ効果を維持することは困難であった。
このように、従来から水分と接触した際に生じる有効成分の流出を阻止する種々の試みがなされており、色材や紫外線吸収剤等の流出を完全に阻止できた場合であっても、得られるメーキャップ効果は塗布直後を上回ることはないと考えられていた。
特開平7−267817号公報 特開2004−91377号公報
本発明は、水や汗に接してもメーキャップ効果が低下しない化粧料を開発する研究過程において、水や汗等との接触により、塗布直後よりも肌の凹凸補正効果が増加するという現象を見出したことに基づき、水分と接触することにより凹凸補正効果が向上するという従来にない革新的な特性を有する化粧料を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、色材と特定量の脂肪酸とを配合し、前記脂肪酸の中和率を所定値以下とすることによって、前記目的とする新規な特性を有するメーキャップ化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)色材と、(B)3質量%以上の常温で固形の脂肪酸とを含有し、前記脂肪酸の中和率が51%以下である水中油型乳化化粧料を提供するものである。
本発明は、上記構成とすることにより、水や汗等と接触した後の肌の凹凸補正効果が、化粧料を肌に塗布した直後よりも顕著に増加する。即ち、本発明に係る水中油型乳化化粧料は、従来の化粧料において劣化の原因とされていた水分との接触により肌の凹凸補正効果が増加するという、従来の常識とは正反対の特性を有する革新的な化粧料である。
さらに、本発明の化粧料は、耐水性向上のためにシリコーン樹脂や被膜剤等を高配合しなくても優れたメーキャップ効果を発揮するため、被膜感がなく、適用時の伸びが良い。また、水中油型乳化化粧料が元来有する特長を保持しており、塗布時にみずみずしい感触を与えるのみならず、べたつきや油っぽさの無い優れた使用性を有し、通常の洗浄料や石鹸で簡単に落とすことも可能である。
本発明の化粧料が、水分と接触することにより肌の凹凸補正効果が増加するという特異な性質を発揮する作用機序は、現時点で必ずしも解明されているわけではないが、以下のように考えることができる。
まず、上記の構成を有する本発明の化粧料を肌に塗布した直後は、色材を含む塗膜に不均一性が存在すると考えられる。しかし、この塗膜が水道水、海水、汗等の水分と接触すると、これら水分に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオン等のミネラルが脂肪酸成分と相互作用を起こすことで、塗膜の撥水性が高まり、塗布直後の状態と比べて塗膜の均一性が向上する。化粧料の塗膜の均一性がメーキャップ効果に重要であることは知られており、かくして、塗布直後よりも高い凹凸補正効果が実現されると同時に、色材の流出による色落ちが阻止される。
実際に、電子顕微鏡等による観察により、本発明の化粧料の塗布直後と比較して水分に接触させた後の方が、塗膜の均一性(表面の緻密さ及び膜自体の均質性)が向上していることが確認された。逆に従来の化粧料では、水分に接触すると膜の均一性が低下する。本発明者等が確認したところによると、同一の組成の化粧料から形成された塗膜であっても、全体が均一な塗膜の方が、不均一な塗膜に比較して凹凸補正効果が格段に優れている。これは、凹凸補正能が膜厚の増加に伴って相加的に向上するのではなく、膜厚に比例して相乗的に向上することによると考えられる。
次に、本発明の化粧料を構成する各成分について詳述する。
<(A)色材>
本発明に係る水中油型乳化化粧料に配合される(A)色材(以下、単に「(A)成分」と称する場合がある)は、顔料、パール顔料等の、メーキャップ化粧料に通常配合されるものを使用することができる。
具体的には、無機白色系顔料(二酸化チタン、酸化亜鉛)、無機赤色系顔料(酸化鉄(べンガラ)、チタン酸鉄)、無機褐色系顔料(γ−酸化鉄)、無機黄色系顔料(黄酸化鉄、黄土)、無機黒色系顔料(黒酸化鉄、カーボン、低次酸化チタン)、無機紫色系顔料(マンゴバイオレット、コバルトバイオレット)、無機緑色系顔料(酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト)、無機青色系顔料(群青、紺青)、パール顔料(酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、着色酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔)、金属粉末顔料(アルミニウムパウダー、カッパーパウダー)、有機顔料(赤色202号、赤色205号、赤色220号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、青色404号)、ジルコニウム、バリウム、アルミニウムレーキの有機顔料(赤色3号、赤色104号、赤色227号、赤色401号、橙色205号、黄色4号、黄色202号、緑色3号、青色1号)、天然色素(クロロフィル、カルチノイド系(β−カロチン)、カルサミン、コチニール、カルコン、クルクミン、ベタニン、フラボノール、フラボン、アントシアニジン、アントラキノン、ナフトキノン)、機能性顔料(窒化ホウ素、フォトクロミック顔料、合成フッ素金雲母、鉄含有合成フッ素金雲母、微粒子複合粉体(ハイブリッドファインパウダー))の中からいずれか1種又は2種以上を選ぶことができるが、本発明はこれに限られたものではない。
(A)成分の配合量は、水中油型乳化化粧料全量に対して0.5質量%以上であることが好ましい。より好ましくは0.5〜20質量%である。(A)成分の配合量が0.5質量%未満では十分な発色効果が得られにくく、20質量%を超えて配合しても安定性が悪くなるなどの点から好ましくない。
<(B)脂肪酸>
本発明で用いられる(B)脂肪酸(以下、単に「(B)成分」と称する場合がある)は、化粧料等に使用できるものであれば特に限定されるものではなく、直鎖状または分岐鎖状の飽和または不飽和の炭化水素基を有する脂肪酸から選択できる。
特に、常温で固体であり、かつ、炭素数8〜22の直鎖状の高級脂肪酸、たとえば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸(ベヘン酸)、オレイン酸等が挙げられる。中でも、ステアリン酸、パルミチン酸およびベヘニン酸から選択される一種または二種以上を用いるのが特に好ましい。
また、本発明で用いられる脂肪酸は、対イオン(カチオン)によって部分的に中和(中和率が51%以下)されている。
本明細書における「(脂肪酸の)中和率」とは、水中油型乳化化粧料に配合される脂肪酸の合計当量数を「Ea’」、化粧料中の酸性物質から脂肪酸を除いた物質の合計当量数を「Ea”」、化粧料に配合される塩基性物質の合計当量数を「Eb」としたとき、以下の式(A)で表される数値と定義する。
[(Eb−Ea”)/(Ea’)]×100(%) (I)
本発明の化粧料において、前記脂肪酸((B)成分)の中和剤として用いられる塩基性物質は、脂肪酸アニオンを中和する対イオン(カチオン)を供給できる物質であって、化粧品等に配合可能な無機塩基、有機塩基、カチオンポリマー等であればよく、特に限定されるものではない。
無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化アンモニウム等が代表例として挙げられる。
有機塩基としては、アミン類、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパンジオール、2−アミノ−2−メチルプロパノール(AMP)、トリイソプロパノールアミン(TIPA)、トリス[(2−ヒドロキシ)−1−プロピル]アミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)及び2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、N−メチルグルカミン等、塩基性アミノ酸、例えばアルギニンおよびリジンを挙げることができる。
カチオンポリマーは、化粧料や皮膚外用剤で使用しうるカチオンポリマーであればよく特に限定されない。具体例としては、カチオン化セルロース誘導体〔例えば、第4級窒素含有セルロースエーテル(「ポリマーJR−400」、「ポリマーJR−125」、「ポリマーJR−300M」(いずれも米国ユニオンカーバイド社製)など)〕、カチオン化グアガム、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化タラガム、ジアリル四級アンモニウム塩のホモポリマー、ジアリル四級アンモニウム塩・アクリルアミド共重合体〔例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド・アクリルアミド共重合体(「マーコート2200」、ナルコ(株)製)など〕、四級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合物、ビニルイミダゾリウムトリクロライド・ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース・ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン・四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン・アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン・アルキルアミノアクリレート・ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン・メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド・アクリレート・アルキルアミノアルキルアクリルアミド・ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸・ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体、ビニルピロリドン・メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル・アクリル酸ステアリル・ジアクリル酸トリプロピレングリコール共重合体(「CGポリマー(D)」、大阪有機工業株式会社製)など〕等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
本発明においては、化粧料に特定量配合した脂肪酸の中和率を51%以下とすることにより、水分に接した後に肌の凹凸補正効果が増加するという従来にない特性を得ることができる。「中和率が51%以下の脂肪酸」とは、中和されていない脂肪酸及び上記式(I)に従って算出される中和率が51%以下で中和されている脂肪酸を含む。数値範囲で表すと、本発明における脂肪酸の中和率は0〜51%であり、この範囲に含まれる全ての数値、例えば、0.001、0.01、0.1、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45又は50%等の任意の値、あるいはこれらの値を下限値又は上限値とする全ての数値範囲を採ることができる。
本発明の化粧料における(B)成分の配合量は、共に配合される成分の配合量に応じて決定されてよいが、3質量%以上とすることが好ましい。さらに好ましくは5質量%以上の配合量とする。この配合量範囲は、前記範囲内の全ての値をとることができることは言うまでもない。ここで、「3質量%以上」とは、3質量%より多くの配合量、例えば3.1質量%以上、3.5質量%以上、4質量%以上、5質量%以上、6質量%以上、7質量%以上、8質量%以上、9質量%以上又は10質量%以上等とすることができることを意味する。(B)成分の配合量を3質量%未満とすると、水分と接触した後の凹凸補正効果の増加が得られない。また、(B)成分の量が40質量%以上になると、塗布時ののびが非常に重くなってしまい、実際の使用上好ましくない。
一方、脂肪酸を中和するために配合される塩基性物質(中和剤)の量は、前記脂肪酸の配合量および配合される他の酸性物質の配合量から、脂肪酸の中和率が51%以下となるように、上記式(I)に基づいて算出することができる。
<(C)IOBが0.5以上の油分>
本発明の水中油型乳化化粧料では、上記必須成分に加え、(C)IOBが0.5以上の油分をさらに配合することにより、水分と接する前の肌の凹凸補正効果(以下、水浴前の肌の補正効果)を高めることができる。
IOB値とは有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比(Inorganic Organic Balance)であり、「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。有機概念図とは、すべての有機化合物の根源をメタン(CH)とし、他の化合物はすべてメタンの誘導体とみなして、その炭素数、置換基、変態部、環等にそれぞれ一定の数値を設定し、そのスコアを加算して有機性値、無機性値を求め、有機性値をX軸、無機性値をY軸にとった図上にプロットしていくものである(「有機概念図−基礎と応用−」(甲田善生著、三共出版、1984)参照)。
本発明で用いられる(C)IOBが0.5以上の油分(以下において、単に「(C)成分」と称する場合がある)としては、コハク酸ジエトキシエチル、ジネオペンタン酸アルキレンポリグリコール等のエステル油、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)及びポリブチレングリコール(PBG)等のポリアルキレングリコールを含むアルキレンオキシド誘導体等の従来から化粧料に使用されているものでよい。
本発明においては、特にアルキレンオキシド誘導体、中でも以下の式(II)で表されるランダム型アルキレンオキシド誘導体を用いるのが好ましい。
O−[(AO)(EO)]−R (II)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、mおよびnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合が、20〜80質量%である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。RおよびRは同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基または水素原子であり、RおよびRの炭化水素基数に対する水素原子数の割合が0.15以下である。)
式(II)のアルキレンオキシド誘導体において、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、具体的には、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられる。EOはオキシエチレン基である。mは炭素数3〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1≦m≦70、好ましくは2≦m≦50である。nはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、1≦n≦70、好ましくは5≦n≦55である。
また、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は、20〜80質量%であることが好ましい。エチレンオキシドおよび炭素数3〜4のアルキレンオキシドの付加する順序は特に指定はない。またオキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシアルキレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。好ましくはランダム状に付加されているものが挙げられる。
およびRは炭素数1〜4の炭化水素基もしくは水素原子で、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基が挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基である。炭素数5以上の炭化水素基では本発明の効果が低下する傾向がある。R、Rは、同一であっても異なっていても良い。
およびRはそれぞれ1種のみを用いても、炭素数1〜4の炭化水素基と水素原子とが混在しても、炭素数1〜4の炭化水素基が混在しても良い。但し、RおよびRの炭化水素基のうち、炭化水素基と水素原子の存在割合は、炭化水素基の数(X)に対する水素原子の数(Y)の割合Y/Xが0.15以下、好ましくは0.06以下である。
式(II)のアルキレンオキシド誘導体は公知の方法で製造することができる。例えば、水酸基を有している化合物にエチレンオキシドおよび炭素数3〜4のアルキレンオキシドを付加重合した後、ハロゲン化アルキルをアルカリ触媒の存在下でエーテル反応させることによって得られる。
式(II)のアルキレンオキシド誘導体の具体例としては、POE(9)POP(2)ジメチルエーテル、POE(14)POP(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジメチルエーテル、POE(6)POP(14)ジメチルエーテル、POE(15)POP(5)ジメチルエーテル、POE(25)POP(25)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(22)POP(40)ジメチルエーテル、POE(35)POP(40)ジメチルエーテル、POE(50)POP(40)ジメチルエーテル、POE(55)POP(30)ジメチルエーテル、POE(30)POP(34)ジメチルエーテル、POE(25)POP(30)ジメチルエーテル、POE(27)POP(14)ジメチルエーテル、POE(55)POP(28)ジメチルエーテル、POE(36)POP(41)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(17)POP(4)ジメチルエーテル、POE(9)POB(2)ジメチルエーテル、POE(14)POB(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジエチルエーテル、POE(10)POP(10)ジプロピルエーテル、POE(10)POP(10)ジブチルエーテル等が挙げられる。本発明においては、ポリオキシエチレン(POE)/ポリオキシプロピレン(POP)ジメチルエーテルが好ましく使用されるが、これらに限定されない。
なお、上記POE、POP、POBは、それぞれポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンの略である。
本発明におけるアルキレンオキシド誘導体は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)及びポリブチレングリコール(PBG)等のポリアルキレングリコールを包含する。
本発明におけるポリアルキレングリコールは、ポリオキシブチレン(9)ポリオキシプロピレン(1)グリコール等のポリオキシブチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等を含み、化粧料等の皮膚外用剤に使用可能なものから適宜選択されるが、分子量300以上のものが好ましく、分子量1000以上のものが更に好ましい。分子量の上限値は特に限定されないが、例えば、分子量20000以下、5000以下、又は2500以下のものが好適に用いられる。
本発明におけるアルキレンオキシド誘導体は、一種または二種以上を任意に選択して用いることができるが、式(II)のアルキレンオキシド誘導体であるポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンジメチルエーテル、中でも、ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)ジメチルエーテルを含めるのが特に好ましい。
本発明の化粧料における(C)成分のIOB値の上限値は、特に限定されないが、例えばIOB=3.0以下程度の油分が好ましく用いられる。
(C)成分を配合する場合の配合量は、特に限定されないが、例えば、0.005〜20質量%、0.1〜10質量%、又は0.1〜5質量%の範囲で配合することにより、水分と接触した後の肌の凹凸補正効果が増加する。
本発明の水中油型乳化化粧料は、上記必須成分以外に、化粧料に通常用いられる成分、例えば、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤等の紫外線防御剤、保湿剤、増粘剤、粉末、アルコール、天然高分子、合成高分子、糖類、酸化防止剤、緩衝剤、各種抽出液、安定化剤、防腐剤、色素、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
ただし、界面活性剤を5.0質量%を超えて配合すると水に接触した場合に塗布膜自体が流れてしまう場合があるため、界面活性剤の配合量は5.0質量%以下とするのが好ましく、本発明は界面活性剤を含まない態様も包含する。
本発明の水中油型乳化化粧料の製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、油相を構成する成分と水相を構成する成分とを別々に混合し、水相と油相を混合して攪拌乳化することにより調製することができる。
本発明の組成物は、水中油型乳化物が元来有するみずみずしい使用感触および優れた洗浄性を持ち、なおかつ水に接触して肌の凹凸補正効果が向上増加するという特異な効果を発揮するため、新規なタイプの水中油型乳化化粧料としての用途に特に適したものである。
本発明の水中油型乳化化粧料は、例えばファンデーション、化粧下地、メーキャップ化粧料として提供できるのみならず、色材を配合した日焼け止めクリーム、日焼け止め乳液、毛髪化粧料等としても使用できる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、配合量は全量に対する質量%を表す。
(実施例および比較例)
実施例および比較例に示す水中油型乳化化粧料は、水性成分を必要に応じて加温して溶解した水相を、別途油性成分を適宜加温して溶解した油相に添加し、攪拌処理にて乳化することにより調製した。
肌の凹凸補正効果の評価方法
被験試料を腕の皮膚に塗布し、肌の微細な凹凸が視覚的に目立たなくなる度合いについて、以下の基準で評価した。
1:補正効果なし。
2:補正効果ややあり。
3:補正効果あり。
4:補正効果が高い。
(実施例1〜5および比較例1、2)
下記の表1に掲げた組成を有する化粧料を調整し、水浴前後の肌の凹凸補正効果を評価した。
表1に示されるように、(B)脂肪酸の中和率が51%以下であっても、配合量が3質量%未満の場合(比較例1)には水浴後の肌の補正効果が低下した。また、(A)色材及び(B)脂肪酸の配合量が同一であっても、(B)脂肪酸の中和率が51%を超える場合(比較例2)にも、水浴後の肌の補正効果が低下した。これに対し、(B)脂肪酸の配合量が3質量%以上であり、かつ中和率が51%以下の場合(実施例1〜5)には、水浴後の肌の凹凸補正効果が水浴前と比較して顕著に増加した。
以上詳述したように、本発明によれば、(A)色材と(B)脂肪酸を配合する水中油型乳化化粧料において、特定量の脂肪酸を配合し、かつ脂肪酸の中和率を調整することにより、水中油型乳化物特有の優れた使用感触を有し、水分と接触した後に肌の凹凸補正効果が増加する水中油型メーキャップ化粧料が提供される。

Claims (5)

  1. (A)色材
    (B)3質量%以上の常温で固形の脂肪酸、および
    (C)ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリアルキレングリコールおよびポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンジメチルエーテルから選択される、1種又は2種以上のIOBが0.5以上の油分
    を含有し、前記脂肪酸の中和率が51%以下である、水中油型乳化化粧料。
  2. 前記(C)IOBが0.5以上の油分が、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンジメチルエーテルである、請求項に記載の化粧料。
  3. 前記(C)IOBが0.5以上の油分が、ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)ジメチルエーテルである、請求項に記載の化粧料。
  4. 前記(B)脂肪酸が、ステアリン酸、パルミチン酸およびベヘニン酸から選択される一種または二種以上の直鎖脂肪酸である、請求項1からのいずれか一項に記載の化粧料。
  5. 前記(A)色材の配合量が0.5質量%以上である、請求項1からのいずれか一項に記載の化粧料。
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