以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態の保健指導支援システム(以下、本システムとする)の構成を示すブロック図である。本システムは、管理者端末装置100、指導者端末装置200、参加者端末装置300及びサーバ400を備える。ここで、管理者端末装置100と指導者端末装置200は同一でもよい。管理者端末装置100、指導者端末装置200、参加者端末装置300及びサーバ400は、ネットワーク500を介して接続されている。
本実施形態では、保健指導の一例として減量を目的とした生活習慣改善プログラムを提供する保健指導支援システムへ本発明を適用した場合について説明する。また、本実施形態では保健指導の対象者で生活習慣改善プログラムに取り組んでいる人を参加者、参加者に生活習慣改善の指導を行う人を指導者と称する。
本実施形態では、保健指導の対象として、体重の5%を目標体重として90日間で減量する保健指導を支援する一例を示す。減量のための生活習慣を変える生活改善項目は、減量につながる行動が具体的に記載されたカード(減量メニュー=生活改善項目)を選択することにより行う。このカードには、100kcalに相当する運動や食事(食事量を控えることや他のカロリーの低い食品に変更するなど)の行動が記載されている。以下、このカードを100kcalカードと称する。この100kcalカードは、具体的には、「ご飯茶碗2/3杯減らす」、「オレンジジュースを100ml控える」、「徒歩25分増やす」などの行動が記載されている。参加者は、自ら実行可能な100kcalカードを予め選択しておく。このとき、同じ種類のカードを複数選択することも可能である。例えば、ジョギングを約20分実施する場合、「ジョギング10分増やす」という100kcalカード(ジョギングは、体重に依存するが、おおよそ10分で100kcalの消費に相当)を2枚選択する。目標体重までの体重の減少量に応じて日々実施するカードの目標枚数を予め設定し、上述の予め選択した100kcalカードから目標とする枚数を実施することが行動目標となる。なお、以下では保健指導の対象となる健康に関する指標として減量の例を示すが、血圧や血糖値や腹囲など、他の健康に関する指標を保健指導の対象とすることができる。
図1において、管理者端末装置100、指導者端末装置200及び参加者端末装置300は、各々、プロセッサ、メモリ、通信インターフェース、記憶装置及びユーザインターフェースを備える計算機である。なお、これらの端末装置100〜300は、アプリケーションプログラム(例えば、Webブラウザ)が動作するPDAや携帯電話機等の携帯端末であってもよい。
サーバ400は、プロセッサ、メモリ、記憶装置及び通信インターフェースを備える計算機である。サーバ400には、参加者情報登録手段M1、減量プログラム登録手段M2、減量記録登録手段M3、メニュー追加依頼手段M4、メニュー仮登録手段M5、メニュー本登録手段M6、イベント別メニュー提示手段M7、成功体験登録手段M8を備える。これらの各機能は、記憶媒体としての記憶装置からメモリに読み込まれたプログラムをプロセッサが実行することによって提供される。
サーバ400の記憶装置には、指導者管理データベースD1、参加者管理データベースD2、減量プログラムデータベースD3、減量記録データベースD4、メニューデータベースD5、メニュー実施状況データベースD6、メニュー追加候補データベースD7、成功体験データベースD8が格納される。
指導者管理データベースD1は、本システムによる保健指導を実施する指導者の識別子(以下、指導者ID)やパスワード、氏名などの情報が登録される。
参加者管理データベースD2は、図2に示すように、本システムによる保健指導を受ける参加者の情報が登録される。
減量プログラムデータベースD3は、図3に示すように、本システムによる保健指導を受ける参加者の減量プログラムに関する情報が登録される。減量プログラムに関する情報は、保健指導プログラムで実施すべき生活改善項目や保健指導の指標(この例では、体重)の目標値を含む。
減量記録データベースD4は、図4に示すように、本システムによる保健指導を受ける参加者の日々の減量の記録に関する情報が登録される。
メニューデータベースD5は、図5に示すように、本システムによる保健指導において、食事を減らす、運動を増やすなど、指導者が参加者に提示する減量のための生活改善項目(以下、メニューと呼ぶ)に関する情報が登録される。
メニュー実施状況データベースD6は、図6に示すように、本システムによる保健指導を受ける参加者の日々のメニューの実施状況に関する情報が登録される。
メニュー追加候補データベースD7は、本システムによる保健指導を受ける参加者が指導者に対してメニューとして追加登録を依頼する生活改善項目に関する情報が登録される。
成功体験データベースD8は、図16に示すように、本システムによる保健指導を受ける参加者の成功体験に関する情報が登録される。
図2は、参加者管理データベースD2の構成を示す説明図である。
参加者管理データベースD2は、本システムによる保健指導を受ける参加者の情報が登録されるデータベースである。参加者管理データベースD2は、参加者ID201、パスワード202、氏名203、性別204、生年月日205、メールアドレス206を含む。
参加者ID201には、参加者を識別するための識別子(以下、参加者ID)が登録される。参加者ID201は、本システムにおいて、この参加者のデータを識別するために使用される。また、参加者ID201は、パスワード202と共に、この参加者が本システムにアクセスするときに用いられる。氏名203には参加者の氏名が、性別204には参加者の性別が、生年月日205には参加者の生年月日が、メールアドレス206には参加者のメールアドレスが登録される。
図5は、メニューデータベースD5の構成を示す説明図である。
メニューデータベースD5は、本システムによる保健指導において指導者が参加者に提示するメニュー(生活改善項目)に関する情報が登録されるデータベースである。メニューデータベースD5は、メニューID501、メニュー名称502、分類503、登録状態504を含む。
メニューID501には、メニューを識別するための識別子(以下、メニューID)が登録される。メニュー名称502には、「ご飯茶碗2/3杯減らす」、「徒歩25分増やす」などのメニューの名称が登録される。分類503には、このメニューの分類に必要な情報が複数の階層に分かれて登録される。図5の例では、種別として「食事」、「運動」が登録されており、「食事」の中のカテゴリとして「主食」、「間食」など、「運動」の中のカテゴリとして「歩行」、「スポーツ」などが登録されている。登録状態504には、このメニューが本登録されたものか、仮登録状態のものかを判別する情報が登録される。なお、減量のメニューのうち、本登録のメニューは全ての参加者が選択可能なメニューであり、仮登録のメニューは既に減量のメニューを実施している参加者のみ、換言すれば初めての減量のメニューを選択する参加者以外が選択可能なメニューである。なお、本登録及び仮登録のメニューについては後述する。
なお、各メニュー名称502(メニュー)が示す生活改善項目は、一つのメニューが所定の熱量(例えば、100Kcal)に相当し、参加者は指導者の指導の元に複数のメニューを選択し、各メニューを実行することで、円滑に体重の減少を図ることができる。
図3は、減量プログラムデータベースD3の構成を示す説明図である。
減量プログラムデータベースD3は、参加者が取り組む減量プログラムに関する情報が登録されるデータベースである。減量プログラムデータベースD3は、減量プログラムID301、参加者ID302、登録日303、担当指導者ID304、減量開始日305、身長306、開始時体重307、目標体重308、選択メニュー309を含む。
減量プログラムID301には、減量プログラムを識別するための識別子(以下、減量プログラムID)が登録される。参加者ID302には、参加者を識別するための参加者IDが登録され、参加者管理データベースD2の参加者ID201と共通の識別子が使用される。登録日303には、この減量プログラムが登録された年月日が登録される。担当指導者ID304には、この参加者に対する保健指導を担当する指導者の指導者IDが登録される。担当指導者ID304は、指導者データベースD1の指導者IDと共通の識別子が使用される。減量開始日305には減量を開始する年月日が、身長306には参加者の身長が、開始時体重307には減量開始時の参加者の体重が、目標体重308には減量期間終了時の参加者の目標体重が登録される。選択メニュー309には、参加者が減量のために取り組むメニューのメニューIDが1つ以上登録され、メニューデータベースD5のメニューID501と共通の識別子が使用される。
図3の例では、参加者ID「P0001」で識別される参加者の選択メニュー309は、1つ目がメニューID「M0001」すなわち図5のメニューデータベースD5に示した「ご飯茶碗2/3杯減らす」で、2つ目がメニューID「M0005」すなわちメニューデータベースD5に示した「徒歩25分増やす」であることを示している(図5参照)。
減量プログラムは、減量開始後に参加者の意思や指導者の助言に基づいて変更される場合がある。この場合、減量プログラムデータベースD3の情報は、減量プログラムID601が新たに付与され、新規レコードとして登録される。図6の例では、減量プログラムID「G0001」と「G0002」がどちらも参加者ID「P0001」の参加者の減量プログラムであるが、登録日が「2007/12/31」と「2008/01/12」で異なっており、この参加者が日付「2008/01/12」の時点で減量プログラムを変更したことを示している。具体的には、選択メニュー309のメニューID「M0005」が「M0006」すなわち「ジョギング10分増やす」に変更されている(図5参照)。このように、変更前後の情報を別レコードとして登録しておくことにより、参加者や指導者が過去の減量プログラムを振り返ることができるため、次に減量プログラムを変更しようとする場合やその際に実施する指導において、参加者や指導者の意思決定を支援することができる。
図4は、減量記録データベースD4の構成を示す説明図である。減量記録データベースD4は、参加者の日々の減量の記録に関する情報が登録されるデータベースである。減量記録データベースD4は、参加者ID401、日付402、体重403、イベント404、コメント405を含む。
参加者ID401には、参加者を識別するための参加者IDが登録され、参加者管理データベースD2の参加者ID201と共通の識別子が使用される。日付402には参加者の減量に関する情報の年月日が、体重403には日付402における参加者の体重が、イベント404には日付402に発生したイベント(休日、飲み会、外食、出張、旅行、雨天など)を識別するための数値が登録される。コメント405には日付402における生活改善の取り組み状況など参加者の減量に関するコメントが登録される。
図6は、メニュー実施状況データベースD6の構成を示す説明図である。
メニュー実施状況データベースD6は、本システムによる保健指導を受ける参加者の日々のメニューの実施状況に関する情報が登録されるデータベースである。メニュー実施状況データベースD6は、参加者ID601、日付602、メニューID603、実施時刻604、評価点605を含む。
参加者ID601には、参加者を識別するための参加者IDが登録され、参加者管理データベースD2の参加者ID201と共通の識別子が使用される。日付602には、参加者がメニューを実施した年月日が登録される。メニューID603には、参加者が実施したメニューのメニューIDが登録され、メニューデータベースD5のメニューID501と共通の識別子が使用される。実施時刻604には、参加者がメニューを実施した時刻が登録される。評価点605には、仮登録状態のメニューを実施した場合に、取り組みやすかったかどうかなど、実施した参加者による主観的な評価の点数が登録される(評価点の利用方法については後述する)。
図16は、成功体験データベースD8の構成を示す説明図である。
成功体験データベースD8は、本システムによる保健指導を受けた参加者の成功体験に関する情報が登録されるデータベースである。成功体験データベースD8は、イベント1701、メニューID1702、実施時刻別成功回数1703を含む。なお、成功体験データベースD8に格納される情報は、後述する図7の処理M8で登録される。
イベント1701には、発生したイベントを示す数値が1つ以上登録され、減量記録データベースD4のイベント404と共通の数値が使用される。イベント1701は、同じ日に複数のイベントが発生した場合、例えば「休日」、「飲み会」が発生した場合は「1、2」のようにカンマ区切りで表現される。メニューID1702には、イベント1701が発生した日に参加者が実施したメニューのメニューIDが登録され、メニューデータベースD5のメニューID501と共通の識別子が使用される。
実施時刻別成功回数1703には、イベント1701が発生した日に当該メニューを実施した参加者のうち、翌日の体重が減少した参加者の延べ人数が実施時刻別に登録される。例えば、ある参加者が減量期間中に「飲み会」があった日が3日あり、その3日ともメニューID「M0001」を「12時〜18時」に実施して、そのうちの2回が翌日に体重が減った場合は、イベント「2」メニューID「M0001」実施時刻別成功回数「12時〜18時」の欄の数値のうちこの参加者の成功回数は2である。
すなわち、成功体験データベースD8には、イベントが発生した後に、保健指導の対象となる健康の指標が改善したメニューIDと、メニューを実施した時間帯が格納される。なお、成功体験データベースD8は、所定の周期(例えば、24時間)毎にサーバ400が更新する。例えば、サーバ400は、減量記録データベースD4のイベント404と体重403と日付402と参加者ID401を読み込んで、イベント404が発生した翌日の体重が減少している参加者IDと日付を抽出する。次に、サーバ400は、メニュー実施状況データベースD6を参照し、参加者IDと日付からメニューID603と実施時刻604を取得し、上記イベント404から成功体験データベースD8を更新する。つまり、イベント404を成功体験データベースD8のイベント1701に設定し、メニューID603を成功体験データベースD8のメニューID1702に設定し、実施時刻別成功回数1703には実施時刻604に該当する値に1を加算する。
この成功体験データベースD8により、イベントの種類に応じて、どのメニューを何時実施すればイベントが発生したときにも保健指導の対象の指標を改善できるかを参加者または指導者に提示することができる。なお、成功体験データベースD8のメニューIDには仮登録のメニューを含むことができる。
図7は、本システムによる処理の概要を示すフローチャートである。
まず、指導者端末装置200が、本システムによる保健指導を受ける参加者の情報の入力を受け付ける(図示せず)。入力された参加者の情報はサーバ400の参加者管理データベースD2に登録される(M1)。
次に、指導者端末装置200が、参加者の減量プログラムに関する情報の入力を受け付ける(図8参照)。入力された減量プログラムに関する情報はサーバ400の減量プログラムデータベースD3に登録される(M2)。この時点で、参加者はメニューデータベースD5から実施するメニューをメニューデータベースD5のメニューから選択し、指導者は参加者の目標体重308等を設定する。ここで、参加者が初めて減量のメニューを選択する場合、サーバ400は、メニューデータベースD5のメニューのうち、本登録のメニューのみをインターフェースとしての指導者端末装置200へ出力可能とし、本登録のみのメニューから選択を受け付ける。一方、参加者が2回目以降の減量のメニューの選択を行う場合、例えば、減量のメニューの変更などでは、サーバ400は、メニューデータベースD5の本登録及び仮登録の全てのメニューをインターフェースとしての指導者端末装置200または参加者端末装置300へ出力可能とし、全ての減量のメニューから選択を受け付ける。後述するように、メニューデータベースD5の仮登録のメニューは、参加者が提案したメニューであり、当該仮登録の減量のメニューの効果が明確になるまで、指導者は当該仮登録のメニューを本登録へ移行させない。なお、サーバ400は、参加者のIDから減量プログラムデータベースD3を参照し、選択メニュー309にメニューIDが記録されていなければ初回の参加者と判定し、メニューIDが記録されていれば2回目以降の減量のメニューの選択を行う参加者として判定する。
図8は、サーバ400が指導者端末装置200に出力する減量プログラム登録画面の一例を示す画面イメージである。
減量プログラム登録画面は、参加者IDを入力する入力欄801と、参加者管理データベースD2の参加者ID201に対応する参加者氏名を表示する表示欄802と、担当指導者IDを入力する入力欄803、指導者管理データベースD1から担当指導者IDに対応する担当指導者のうち主となる担当指導者の氏名を表示する表示欄804と、当該参加者の減量開始日を入力する入力欄805と、当該参加者の身長を入力する入力欄806と、当該参加者の減量開始時点の体重を入力する入力欄807と、指導者が設定した目標体重を入力欄808と、参加者または指導者が選択したメニューのIDを入力する入力欄809と、メニューデータベースD5からメニューIDに対応するメニュー名称502を出力する表示欄810と、メニューを追加するための「1行追加」ボタン813と、メニューを削除するための「1行削除」ボタン814と、各入力欄の情報をサーバ400に送信する「決定」ボタン815を備える。図8においては、「1行追加」ボタン813をクリックした結果、メニューIDの入力欄811と表示欄812からなる1行が追加され、入力欄811へ入力されたメニューIDに対応するメニュー名称502が表示欄812に出力されている。「決定」ボタン815をクリックすることで、各入力欄の値は、サーバ400に送信されて、減量プログラムデータベースD3に登録される。
次に、参加者端末装置300が、参加者の日々のデータ(体重、メニュー実施状況、イベント等の生活記録)の入力を受け付ける(図9参照)。入力されたデータは、生活記録としてサーバ400の減量記録データベースD4及びメニュー実施状況データベースD6に登録される(M3)。参加者は、体重、実施したメニューと実施した時刻、その日起こったイベント(出張、旅行、外食、休日、雨天など)をシステム(サーバ400の減量記録データベースD4及びメニュー実施状況データベースD6)に入力する。
図9は、サーバ400が参加者端末装置300に出力する減量記録登録画面の一例を示す画面イメージである。この減量記録登録画面は、参加者端末装置300から参加者IDとパスワードを入力することで表示される。
減量記録登録画面は、参加者の日々の減量記録を入力する入力領域901と、参加者の日々の減量記録を表示する表示領域902に大別される。
表示領域902は、当該参加者IDに対応する減量記録データベースD4の体重403を日付順に並べたグラフ部910と、当該参加者IDに対応するメニュー実施状況データベースD6の実施状況をアイコン911で表示した例を示す。なお、アイコン911は、日付毎に実行したメニューの数などに応じて予め設定したアイコンを表示することができる。
入力領域901は、減量記録の登録日を入力する入力欄903と、減量記録の登録日に測定した体重を入力する入力欄904と、減量記録の登録日に実施したメニューの時刻を入力する入力欄906、907、913と、当該参加者が選択しているメニュー名称502を表示するメニュー欄905と、減量記録の登録日における参加者の自己評価を入力する入力欄914と、選択したメニュー以外の実施項目を入力するための「その他」ボタン908と、減量記録の登録日に発生したイベントを入力する入力欄909と、予定された当該イベントがある場合に設定する「予定イベント」ボタン912と、減量記録の登録日における参加者のコメントを入力するコメント欄915と、入力した内容をサーバ400に送信する「確定」ボタンを含む。「確定」ボタンをクリックすることで各入力欄の値は、サーバ400に送信されて、減量記録データベースD4及びメニュー実施状況データベースD6に登録される。
メニューを実施した時刻は、図9のように本システムがあらかじめ「6時〜12時」、「12時〜18時」のように定めた範囲を参加者が選択する(906)。また、例えば特定の時刻ではなく終日を通して実施可能なメニューも存在するため、時刻の指定をしない「指定なし」を選択することもできる(907)。また、参加者が「7:30」のように実施時刻を直接入力してもよい。
参加者が選択メニュー以外で実施した生活改善項目があれば、ボタン908を押下する。実施した生活改善項目が既にメニューとしてメニューデータベースD5に含まれている場合、参加者は該当するメニューを選択する(図17参照)。このとき、仮登録状態のメニューを選択した場合、そのメニューを実施した参加者自身が取り組みやすかったかどうか、効果を実感できたかどうかなどの主観的な評価を0〜10の範囲で評価点として登録する(914)。評価点が10に近いほど、この仮登録メニューに対する参加者の満足度が高いことを示す。
ボタン908押下後の画面(図17参照)において,実施した生活改善項目がメニューデータベースD5に含まれない場合、参加者は、実施した生活改善項目について、食事・運動の種別、主食、おかず、酒類などのカテゴリ、量、単位などを入力し、指導者に対してメニューとして追加登録を依頼できる(図10参照)。追加登録を依頼された生活改善項目はメニュー追加候補データベースD7に登録される(M4)。
図10は、図9の画面の「その他」ボタン908をクリックしたときにサーバ400が参加者端末装置300に出力するメニューの追加登録依頼画面1001の一例を示す画面イメージである。
参加者端末装置300の表示装置には、図10のメニューの追加登録依頼画面1001が表示され、参加者端末装置300の入力装置により参加者が指導者に依頼するメニューの追加登録の詳細を受け付ける。メニュー追加登録依頼画面1001は、追加を依頼するメニューの種別と、カテゴリ及び品目から構成される。
種別は、食事と運動の何れかを選択する。カテゴリは、選択された種別が「食事」の場合、主食、おかず、酒類、飲料、間食の何れかを選択する。なお、種別として運動が選択された場合には、サーバ400がメニューデータベースD5の分類503の種別が「運動」のカテゴリをメニュー追加登録依頼画面1001に出力する。
品目は、メニュー追加登録依頼画面1001で選択されたカテゴリが、主食の場合、サーバ400はメニューデータベースD5の分類503のカテゴリが「主食」のメニュー名称502をメニュー追加登録依頼画面1001に送信する。
参加者は、追加登録したいメニューが品目に存在しない場合には、品目として表示された「その他」を選択することで、追加登録したいメニューの「名称」1002、「量」1003及び「単位」1004をメニュー追加登録依頼画面1001から入力できる。そして、参加者端末装置300から、図10のメニューの追加登録依頼画面1001の送信(メニューとして追加登録依頼)ボタン1005をクリックすることで、「名称」1002、「量」1003及び「単位」1004をサーバ400へ送信し、メニュー追加候補データベースD7に登録する。
次に、指導者端末装置200が、メニュー追加候補データベースD7に登録されている情報を指導者に提示し、参加者からメニューとして追加登録の依頼があった生活改善項目をメニューとしてメニューデータベースD5へ仮登録するかどうかの判断を受け付ける(図11参照)。この処理は、サーバ400が所定の周期(例えば、1日ごと)でメニュー追加候補データベースD7を検索し、新たに登録されたデータ(またはメニューデータベースD5に未登録のデータ)を指導者端末装置200へ出力することができる。あるいは、指導者端末装置200からの指令に応じてサーバ400は、図11のメニュー仮登録画面1101を出力することができる。なお、メニュー追加候補データベースD7の構造は、メニューデータベースD5の構成に、新たなメニューを追加した参加者のIDを格納するフィールドを設けたものであればよい。また、メニュー追加候補データベースD7の分類(種別とカテゴリ)は、後述のメニュー追加登録依頼画面1001で選択した種別及びカテゴリを用いればよい。
図11はサーバ400が指導者端末装置200へ提供するメニュー仮登録画面1101の一例を示す画面イメージである。メニュー仮登録画面1101は、メニュー追加候補データベースD7に登録された追加候補のメニュー(以下、仮メニューとする)を表示する仮メニュー表示領域1102と、仮メニューに対して操作を行うチェックボックス領域1103と、仮メニューを提案した参加者の減量履歴を表示する履歴領域1104と、を主体にして構成される。
仮メニュー表示領域1102には、メニュー追加候補データベースD7に登録された仮メニュー(参加者が提案したメニュー)が表示される。メニュー追加候補データベースD7に登録された仮メニューの提案した参加者の氏名と、仮メニューの種別及びカテゴリと、仮メニューの名称と、量及び単位が表示される。指導者端末装置200のマウスなどの入力装置で、仮メニュー表示領域1102の行(参加者氏名など)を選択すると、履歴領域1104には当該仮メニューを提案した参加者の減量履歴がグラフとして表示される。
チェックボックス領域1103には、現在選択している仮メニューについて、「このまま仮登録」、「内容を変更して仮登録」、「このまま本登録」、「却下」、「差し戻し」の何れかを選択するチェックボックスが表示される。指導者端末装置200でチェックボックス領域1103のうち何れかのチェックボックスをクリックした後に、「決定」ボタンをクリックすると、サーバ400は選択されたチェックボックスに応じて、仮メニューの内容を更新あるいはメニューデータベースD5へ登録するなど、所定の処理を行う。「仮登録」または「本登録」の場合、サーバ400は選択されたメニュー追加候補データベースD7のレコードを、メニューデータベースD5へ追加して、登録状態504を「仮登録」あるいは「本登録」に設定し、メニュー追加候補データベースD7から該当レコードを削除する。
指導者は、メニュー追加候補データベースD7の入力内容が減量のための生活改善項目として、誤解や危険性がないかなどを判断し、適切と判断したものをメニューとしてサーバ400のメニューデータベースD5に仮登録する。指導者端末装置200では、指導者が必要に応じてメニュー追加候補データベースD7の内容を変更することも可能である。また、指導者端末装置200は、メニュー追加候補データベースD7のデータを、メニューデータベースD5へ仮登録せずに本登録することも可能である。
また、指導者端末装置200では、上記メニューデータベースD5への登録の決定内容に関するコメントを参加者に送信できる。
指導者が仮メニューが適切ではないと判断した場合、メニュー仮登録画面1101において「却下」を選択することも可能である。また、指導者が仮メニューの情報が不足しているなどの理由で仮登録の適否を判断できない場合、メニュー仮登録画面1101において「差し戻し」を選択することも可能である。「却下」「差し戻し」が選択された場合、サーバ400はメニュー追加候補データベースD7から該当レコードを削除する。また、指導者端末装置200では、却下理由や差し戻し理由に関するコメントを参加者に送信できる。
指導者端末装置200からの指令によって、仮登録を許可されたメニュー追加候補データベースD7の生活改善項目はメニューデータベースD5に登録状態504=「仮登録」として登録され、本登録されたメニューと同様に他の参加者端末装置300からも参照、選択可能になる(M5)。
次に、指導者端末装置200では、メニューデータベースD5内の仮登録状態のメニューについて、参加者の実施状況と実施した参加者の主観的な評価点のデータをもとに、本登録するか否かの判断を受け付ける(図12参照)。
図12に示すメニュー登録画面1201は、サーバ400が指導者端末装置200からの要求に応じて提供する画面であり、メニューデータベースD5内の仮登録状態のメニューについて本登録へ移行させることができる。
メニュー登録画面1201は、メニューデータベースD5に仮登録されたメニューを表示する仮登録メニュー表示領域1202と、仮登録メニューに対して操作を行うチェックボックス領域1203とを主体にして構成される。
仮登録メニュー表示領域1202は、登録状態504が仮登録のメニューの名称と、仮登録メニューを実施した参加者の数を示す実施者数と、仮登録メニューが実施された回数と、減量効果と、評価の平均点が1行に表示される。実施者数は、メニュー実施状況データベースD6から当該仮メニューのIDを実施したレコードを抽出し、抽出したレコードから重複した参加者ID601を除外した数である。実施回数は、メニュー実施状況データベースD6から当該仮メニューのIDを実施したレコードの数である。
減量効果は、図19に基づいてメニューごとに求めた値を表示する。評価点平均は、メニュー実施状況データベースD6の評価点605の平均値をメニュー毎に求めた値であり、当該仮登録メニューを実施した参加者がそれぞれ設定した値の平均値である。
チェックボックス領域1203には、現在選択している仮登録メニューについて、「本登録する」、「仮登録のまま」、「仮登録を解除する」の何れかを選択するチェックボックスが表示される。指導者端末装置200でチェックボックス領域1203のうち何れかのチェックボックスをクリックした後に、「決定」ボタンをクリックすると、サーバ400は選択されたチェックボックスに応じて、メニューデータベースD5を更新する。すなわち、「本登録する」をチェックした場合には、サーバ400は当該メニューの登録状態を「本登録」に変更する。「仮登録を解除する」をチェックした場合には、サーバ400は,メニューデータベースD5から該当レコードを削除し,メニュー追加候補データベースD7に仮メニューとして追加する。
仮登録メニュー毎に、実施状況と評価点平均を表示し、指導者はこれをもとに指導者が本登録するかどうか判断する。仮登録メニューの実施状況には、実施した参加者数、実施された延べ回数、減量効果(後述)などを含む。本登録を許可されたメニューはメニューデータベースD5に登録状態504=「本登録」として登録される。(M6)。サーバ400は、指導者が承認した仮登録メニューについて、メニューデータベースD5の登録状態504を本登録に更新する。
図19、図20は、メニューの実施状況のうち、図12の仮登録メニュー表示領域1202に表示する減量効果の算出方法の概念図である。減量効果とは各メニュー毎に算出される値で、該当メニューを1回実施したことに相当する体重減少量を求めたものである。まず、参加者毎の体重減少量とメニュー実施回数より、メニュー別の体重減少相当量を算出する。これは、メニュー実施状況データベースD6から現在着目しているメニューの識別子と一致するメニューID603で参加者ID601を抽出し、抽出した参加者ID601のそれぞれについて減量記録データベースD4を参照して体重の減少量を求める。また、メニュー実施状況データベースD6を参照して、各メニュー毎に、参加者ID601の実施回数をそれぞれ求める。
例えば、参加者Aの体重減少量は3.5kg、メニューa、b、cの実施回数はそれぞれ100回、80回、70回であるので、図19の参加者Aで示すように、メニューa、b、cを実施したことによる体重減少相当量はそれぞれ、
100×3.5/(100+80+70)=1.40kg
80×3.5/(100+80+70)=1.12kg
70×3.5/(100+80+70)=0.98kg
と考えることができる。つまり、実施回数×体重減少量÷(メニュー実施回数の総和)を体重減少相当量として求める。
上記体重減少相当量を全ての参加者が実施した全てのメニューについてサーバ400が計算する。次に、メニュー毎の実施回数と体重減少相当量より、メニュー1回実施あたりの体重減少量を算出する(これを減量効果と呼ぶ)。例えば、図20で示すように、メニューaは、参加者A、B、Cによって合計で210回実施され、体重減少相当量は合計で2.89kg減少したと考えられる。したがって、メニューaの減量効果は、
(1.40+0.45+1.04)/(100+20+90)=0.014kg
と考えることができる。同様に、メニューb、cの減量効果は、
(1.12+3.38+0.58)/(80+150+50)=0.018kg
(0.98+0.68+0.69)/(70+30+60)=0.015kg
と考えることができる。減量効果が高いほど、少ない実施回数で効率よく体重をより減少できると考えられる。これにより、指導者は、仮登録メニューの客観的な指標として減量効果を参照しながら、本登録するかどうかを判断できる。
図12では仮登録メニュー表示領域1202に上述した減量効果を表示する例を示したが、仮登録メニュー毎の体重減少相当量を表示しても良い。なお、減量効果は、保健指導の対象とする指標(体重)の変化度合(改善度合い)をメニュー毎の効果として求めたものである。
また、サーバ400は、イベント発生日とその翌日にかけて体重が減少した(または増加しなかった)全ての参加者のメニュー実施状況を、成功体験として成功体験データベースD8に蓄積する(M8)。
例えば、図4において、参加者ID「P0001」で識別される参加者は、日付「2008/01/03」にイベント「2」=「飲み会」があったが、翌日「2008/01/04」には体重が減少している。図6において、この参加者のメニュー実施状況をみると、日付「2008/01/03」にはメニューID「M0001」(ご飯2/3杯減らす)を実施時刻「12時〜18時」に実施している。このとき、成功体験登録手段M8は、成功体験データベースD8のイベント「2」(飲み会)、メニューID「M0001」(ご飯2/3杯減らす)のカウントを1増やす。
予定されるイベントを参加者が事前に登録すると、そのイベントに対応する成功体験をシステムが抽出し、過去の成功体験の中で実施された回数が多いメニューを参加者に提示する(図13、図14参照)。提示されたメニューを選択すると、該当日の減量記録登録画面(図9)上に選択したメニューが表示される(M7)。
図13は、参加者端末装置300が、サーバ400へ予定のイベントを入力する際に表示装置に表示される予定イベント入力画面1301を示す。予定イベント入力画面1301は、参加者端末装置300から参加者IDとパスワードを入力することにより、サーバ400が提供する。なお、予定イベント入力画面1301は、図9の減量記録登録画面の「予定イベント」ボタン908をクリックしたときに呼び出されるようにしても良い。
予定イベント入力画面1301では、イベントが予定される日付と、予定されるイベントの種類(休日、飲み会、外食、出張、旅行、雨天)を選択し、「結果表示」ボタンをクリックすることで、上記選択された日付とイベントの種類がサーバ400に送信され、図15の画面に遷移する。
図14、図15は、参加者端末装置300が、サーバ400へ予定のイベントを入力した後に表示装置に推薦されるメニューを提示するイベント別メニュー表示画面の一例を示す。通常とは異なる行動であるイベントが発生したときに、通常のメニューが実施できない場合が生じる。このため、イベント別メニュー表示画面は、イベントの設定を行ったときに、他の参加者が同様のイベントが発生したときに減量に成功したメニューを提示するメニュー提示部1601を有する。提示部1601には、複数のメニューのいずれかひとつを選択するチェックボックス1602を有し、参加者端末装置300の入力装置でチェックボックス1602を選択し、「メニューを選択」ボタンをクリックすることで、当該参加者の減量記録データベースD4にイベントの種類と日付が格納され、当該参加者のメニュー実施状況データベースD6にメニューIDと実施時刻「指定なし」と日付が格納される。この時点ではイベントは予定であり、メニューも実施されていないが、実際にイベントが発生しなかった場合や選択メニューを実施しなかった場合は、参加者が減量記録登録画面で変更することが可能である。
図18は、イベント別メニュー提示手段M7の処理の詳細を示すフローチャートである。イベント別メニュー提示手段M7は、減量記録登録画面(図9)において、参加者が予定イベントボタン912を押下することによってサーバ400で処理が開始される。
まず、サーバ400は、参加者端末装置300上に予定イベント別入力画面(図13)を表示し、参加者からの日付(本日または翌日以降の指定日)とその日に予定されるイベントの種類の選択を待つ(ステップ1901)。
次に、参加者が図13の予定イベント入力画面1301で結果表示ボタンを押下すると、選択された日付に応じた処理を行う(ステップ1902)。日付に本日が選択されていればステップ1903に進み、翌日以降の指定日が選択されていればステップ1904に進む。
ステップ1903では、成功体験データベースD8を参照し、参加者が選択したイベント1701のうち、参加者が入力した時間帯以降の実施時刻別成功回数の合計が多い順にメニューID1702を抽出する。
ステップ1904では、成功体験データベースD8を参照し、参加者が選択したイベント1701の全ての時間帯について実施時刻別成功回数の合計が多い順にメニューID1702を抽出する。
ステップ1903及びステップ1904の後は、参加者端末装置300上に抽出結果を表示するステップ1905を実行する。
図14は、ステップ1903を経てステップ1905が実行された場合の参加者端末装置300のイベント別メニュー表示画面の例を示す図である。成功体験データベースD8より、参加者が選択したイベント「飲み会」について、参加者が操作した時刻「18:30」を含む時間帯とそれ以降の時間帯及び「指定なし」に該当する実施時刻別成功回数の合計が多い順にメニューIDが抽出され、メニュー名称、合計成功回数、各時間帯における実施時刻別成功回数が表示される。これにより、減量中の参加者は、例えば当日に飲み会など急なイベントの予定が決まった後でも、過去の参加者の成功体験を参考にして、その日その時間帯以降に実施可能なメニューを選択できるようになる。
図15は、ステップ1904を経てステップ1905が実行された場合の参加者端末装置300のイベント別メニュー表示画面の例を示す図である。成功体験データベースD8より、参加者が選択したイベント「休日」について、全ての時間帯について実施時刻別成功回数の合計が多い順にメニューIDが抽出され、メニュー名称、合計成功回数、各時間帯における実施時刻別成功回数が表示される。これにより、減量中の参加者は、過去の参加者の成功体験を参考にして、イベントが予定される日に実施可能なメニューを選択できるようになる。
以上のように、参加者が独自に取り組む生活改善項目を他の参加者と共有することにより、参加者のニーズや取り組みの実態のもとに準備すべき生活改善項目を設定できる。また、予め設定した生活改善項目の実行が困難なイベントが発生した場合には、過去のイベントを克服した参加者の成功実績を提示することにより、参加者が取り組みやすい生活改善項目を提示できる。
また、上記実施形態においては、減量のメニューの追加依頼を保健指導の参加者が要求する例を示したが、外部からの登録の要求を受け付けるようにしても良い。減量のメニューを外部から要求する例としては、例えば、食品メーカが新たな食品の摂取のメニューを提案したり、医療機関などが新たな運動のメニューを提案する場合などであり、これらの提案を減量のメニューの追加要求とすることができる。
また、上記実施形態において、指導者端末装置200と参加者端末装置300を異なる計算機で構成した例を示したが、サーバ400に接続されたインターフェースとして指導者端末装置200または参加者端末装置300何れか一方を指導者と参加者で共用しても良い。
なお、上記実施形態においては、保健指導の対象として減量に関する保健指導支援システムに本発明を適用した例を示したが、保健指導の対象項目としては減量に限定されるものではなく、血圧や血糖値や腹囲など健康に関する指標を保健指導の対象とすることができる。