JP5496167B2 - 半導体ウェハの分割方法及び分割装置 - Google Patents

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本発明は半導体ウェハの分割方法及び分割装置に関するものであり、特に、各チップ間に改質部ないしは亀裂により分割予定ラインが設けられた半導体ウェハを、その分割予定ラインに沿って破断し、複数の半導体チップに分割する半導体ウェハの分割方法及び分割装置に関するものである。
一般に、半導体デバイス製造分野においては、略円板形状である半導体ウェハを、該半導体ウェハの表面に格子状に形成された分割予定ライン(これを「ストリート」とも言う)により複数個に区画し、その区画された複数の領域内にIC、LSI等のデバイスを形成し、該デバイスが形成された各領域を分割予定ラインに沿って破断し、分割して切り離すことにより個々の半導体チップを製造している。このようにして分割された半導体チップは、パッケージングされて携帯電話やパソコン等の電気機器に広く利用されている。
また、従来、半導体ウェハを、分割予定ラインに沿って破断し、個々の半導体チップに分割する加工装置としては、例えば特許文献1〜特許文献4等が知られている。
特許文献1で知られる加工装置は、研削研磨後のウェハにレーザー光を照射し、ウェハ内部に改質領域を形成する改質領域形成手段と、ウェハ裏面にダイシングテープを貼着してウェハをフレームにマウントするテープマウント手段と、ダイシングテープのエキスパンドを行い、ウェハの各チップ間の間隔を拡張するエキスパンド手段等を備えた構成となっている。
ここで、一般に、レーザー光により切断の起点となる改質領域をもつウェハは、ダイシングテープのエキスパンドによって割断されるのであるが、この際に応力として作用するのは、引っ張り応力である。引張応力で物体を破断する場合、通常、破断の際に非常に大きな応力が必要となる。シリコン等の脆性材料によるウェハ等の場合では、引っ張り応力よりも、曲げ応力を与えた方が、ウェハを割る応力として小さくてすむのであるが、エキスパンドでウェハを割る場合には、割るための過剰な応力が必要となる。
また、エキスパンドするダイシングフィルムに貼り付けたウェハを引っ張り応力で割り、それぞれのチップを離間させる場合において、エキスパンドするダイシングフィルム内でチップが離間させるために、フィルム内で伸びる部分と、ウェハを接着力で保持するため、伸びない部分が存在する。こうした伸びる部分や伸びない部分等、フィルム全体で必ずしも完全に均質ではないために、本来割断したいところが、十分に伸びきらず、結果的に割断できずに一部引っ付いた状態で残る場合もある。特に、ウェハ面内で割れに時間的なギャップがある場合等は、割れた部分はフィルムが伸びやすくなり、そのフィルムが伸びた部分で、フィルムにかけられた引っ張り応力が消費されることになるが、一方、局所的にウェハが割れてフィルムが一部先に伸びると、まだウェハが割れていないところに十分な引っ張り応力がかからず、やはりチップ同士が引っ付いたままで残るという事態が発生する。
さらに、こうした事象はフィルム面内の伸びやすさや伸びにくさに起因して起こるだけでもない。ウェハをフィルムで固定するのであるが、これは簡易の接着によって固定されている。ウェハが割れて離間する部分は、フィルムが伸びてウェハとずれを生じることから、この接着はチップ周囲で剥がれるのであるが、このウェハとフィルムを貼り付ける接着材やその強度も均質であるとは限らない。部材であるが故に、必ず一定のばらつきは持っているものである。その際、ウェハとフィルムが局所的に強固に接着している部分は、フィルムが伸びにくくなるため、ウェハが破断しにくくチップに分割されにくいが、弱く接着している部分はフィルムが伸びて割断されやすくなる場合がある。しかし、あまりに弱く接着しているときには、いくつかのウェハチップが一緒になって、フィルムから浮き上がる場合もある。こうした場合は、例えフィルムだけが伸びたとしてもフィルムの伸びがウェハチップ間の引っ張り応力として伝わらず、結果的に一部チップが破断できないという問題が依然として残る。
また、エキスパンドして割る場合、通常エキスパンドするための弾性テープ材料を使用し、それを伸ばして使用することから、当然ウェハを支える部材として、ウェハを強固に固定したリジッドな部材ではない。
したがって、そうした弾性材料上でウェハを引っ張り応力で割る際には、ウェハが割れる瞬間に一部に局所的な振動が発生する。その局所的に発生した振動は、ウェハ面内を伝播するが、これを微視的に見れば本来ウェハが割れてほしくないところまで局所振動の伝播の仕方によって割れてしまう場合が度々発生する。ウェハを強固に固定して本来の切断ラインに応力が集中するようにしてから、応力を付与すれば、こうした誤った割れ方をしないのであるが、弾性フィルム上で弾性フィルムを引っ張って割る場合には、ウェハが割れた瞬間に弾性フィルムが上下に波打ち、誤って割れるのである。
次に、特許文献2における半導体ウェハの分割加工方法は、特許文献1のような単純な引っ張り応力とは異なり、半導体ウェハを概略、次の手順(1)〜(4)のようにして複数個の半導体チップに分割している。
(1)まず、表面に分割予定ラインが設けられている半導体ウェハを、環状フレームの内側に張設してなるエキスパンド可能な弾性保護フィルム上に、その裏面側を下側に向けて載せ、かつ、該弾性保護フィルムに貼り付けて固定し、該半導体ウェハと該弾性保護フィルムを一体化する。
(2)次いで、半導体ウェハと弾性保護フィルムが取り付けられた環状フレームを、ウェハ破断装置のフレーム載置台上にセットする。その後、上部先端部に球面状の押圧面を有する押圧部材を下側から上昇させて、該押圧部材の押圧面を弾性保護フィルムの下面に当接させ、かつ、突き上げて該弾性保護フィルムを押圧する。その結果、半導体ウェハの裏面には弾性保護フィルムを伸長させる応力と弾性保護フィルムを介して半導体ウェハを折り曲げる荷重が作用し、この折り曲げ荷重が分割予定ラインに作用して、該半導体ウェハが該分割予定ラインの部分で破断し、複数個の半導体チップに分割される。
(3)また、押圧部材がさらに押し上げられると、弾性保護フィルムが大きく伸長され、各半導体チップ同志の間に隙間が作られて互いに離間し、個々に分離される。
(4)その後、押圧部材が下降されると、弾性保護フィルムは伸長されたまま、各半導体チップの間に隙間が設けられた状態で保持される。
この場合、球面状の押圧面を有する押圧部材を下側から上昇させると、ウェハを折り曲げる荷重が作用し、前記特許文献1における引っ張り応力だけで割る場合とは、曲げ応力が多少作用する意味では異なる。しかしながら、ウェハをフィルムに貼り、このフィルムに貼り付けられたウェハを球面状の押圧面で下側から上昇させて分割する方法では、最初に球面状の押圧面と接する部分はウェハの内側であるので、内側から先に割れ、順に外側に割れるようになる。しかし、内側の弾性フィルムが伸びることによって、フィルムの伸びに対する耐性が損なわれ、外側には有効にフィルムが伸びなくなる。
また、ウェハの内側が先に割れ、既に割れたチップが傾くことで、ウェハ外周部で球面状の押圧面に倣わせようとしても、一部倣わず、ウェハが完全に割断できなくなる場合が存在する。
さらに、フィルムそのものも完全に均質なフィルムというものは存在せず、多かれ少なかれ伸びやすさの方向の異方性が存在する。このため、球面状押圧面を下側から上昇させたとしても、フィルムそのものの伸びやすさのばらつきにより、球面状押圧面からフィルムの伸びやすい方向にフィルムがずれ、ウェハ面内が一様なフィルムの伸びと、ウェハ各所における一様な曲げ応力を与えることができない。
次に、特許文献3は、ウェハ割断予定線部分を局部的に吸引して、割断予定線部分に曲げ応力を発生させ、この曲げ応力で割断することを開示している。しかし、特許文献3に開示される分割方法では、真空吸引の局部的な応力をウェハ割断の曲げ応力として利用する場合において、ウェハの一部割れた場合の衝撃波がウェハ面内を伝播する際に、必ずしもウェハ割断予定線部分を通るとは限らない。真空吸引によって、急激な局部応力がウェハに係るために、割れた瞬間に、その振動の伝播によって割断予定ラインから逸れた部分を割ることが想定される。
また、ウェハを真空に引いて割る際に、ウェハ全面を吸着支持しているのではなく、割るための局所応力を与えるための手段として真空を使用している。したがって、ウェハの割断予定線に極近い周辺は、吸着支持されておらず、下に支持が無い状態である。すなわち、ウェハをリジッドに固定した状態ではなく、半分浮かせた形態になっている。こうした場合、ウェハ割断予定ラインに曲げ応力が集中するとも限らず、先に述べたようなウェハが破断する際にウェハ面内を伝播する曲げ応力によって、全く想定外の部分が割れるという問題が発生することがある。
さらには、ウェハが割れる際、局所的な曲げ応力が割断予定線部分に集中すればよいが、ウェハ裏面に支持が無いような場合、裏面支持が無い全体において、ウェハが曲がるための空間的な余地が存在することになる。この場合、割断予定線部分に応力を集中させようとして曲げたとしても、その付近の割断予定線のすぐ脇の部分においても、ウェハが局所的に曲げられることになるから、割断予定線に応力を集中させ、少ない曲げ応力で効率よく割ることができなくなる。
また、さらに真空に引くことで、その局所空間で生じる差圧で曲げ応力を発生させる場合、曲げ応力を付与する際に、曲げの変位を与える変位量や、変位を与えるための速度を厳密に制御することはできない。そして、曲げ応力を割断予定線部分に集中させて精度よく割断するためには、過度な変位や、その過度な変位を急激な速度で与えることは、割断予定線以外のウェハが脆くなっている部分にまで、割れを発生することにもなりかねない。また、ウェハを割ることに対するウェハに所定の変位を与えることと、その変位を与えることに対する時間的な制御を行うことは実質的に不可能である。
次に、特許文献4においても、同様に、ウェハ割断予定線近くはウェハが完全に固定されていないため、割断予定線付近においてウェハが曲げられる空間的余地が生まれる。その結果、曲げ応力を割断予定線部分に集中させることができないことから、効率よく、かつ精度よく割ることができなくなる。
特開2007−214457号公報。 特許第4494728号公報。 特開2006−344910号公報。 特許3276506号公報。
しかしながら、上述した従来における半導体ウェハを分割する方法では、押圧部材の押圧面を弾性保護フィルムの下面に押し当て、弾性保護フィルムと半導体ウェハに曲げ加工を施す分割作業と、弾性保護フィルムを伸長させて半導体チップ同志を引き離す分離作業を、同時に行うようにしているため、大きな応力を必要としていた。このため、装置が大型化するという問題点があった。
また、押圧部材により曲げ加工を施す際、押圧部材の上部押圧面に対する弾性保護フィルムの密着性が悪く、弾性保護フィルム及び半導体ウェハが押圧部材の押圧面から離れて該半導体ウェハと該押圧面の間に隙間ができ、この隙間によって押圧部材から弾性保護フィルム及び半導体ウェハに付与される曲げ応力が分散する。この曲げ応力の分散は、分割予定ラインでの分割面の切断に悪い影響を与え、分割面にバリ等を発生させることがある。このため、バリを除去する処理作業が必要となり、作業コストを増加させ、さらに大きな応力も必要とするので、装置も大型化するという問題点があった。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、比較的小さい応力で効率よくチップを割断して、ウェハを貼り付けているダイシングフィルムの弾性のばらつきや、そのエキスパンドする際の異方性のばらつき、及び、ウェハとフィルムの密着性のばらつきによるチップの分割ミスをなくし、また、ウェハ割断の際に、ウェハに曲げ応力を生むための一定の変位量を制御された速度で与えて、割断するための応力を局所的に集中させるようにすることにより、安定したチップの割断及びチップの分割・離間を可能とする半導体ウェハの分割方法及び分割装置を提供するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、半導体ウェハを、該分割予定ラインに沿って破断し、複数の半導体チップに分割する半導体ウェハの分割方法において、前記半導体ウェハの裏面に対してエキスパンド可能な弾性保護フィルムを貼り付ける工程と、前記弾性保護フィルムを貼り付けた前記半導体ウェハを可撓性の真空吸着台に吸着する工程と、吸着させた前記半導体ウェハを前記真空吸着台と一体にした状態で一様に撓ませて、前記分割予定ラインを起点として前記半導体ウェハを破断する工程と、破断後、前記弾性保護フィルムに張力をかけて前記複数の半導体チップに離間する工程と、を含む、半導体ウェハの分割方法を提供する。
この方法によれば、表面に分割予定ラインが設けられている半導体ウェハをエキスパンド可能な弾性保護フィルム上に貼り付け、半導体ウェハと該弾性保護フィルムを一体化するとともに、これを可撓性の真空吸着台上に配置し、かつ、該真空吸着台で吸着して固定する。次に、該半導体ウェハ及び該弾性保護フィルムを真空吸着固定している真空吸着台を撓ませると、この撓みにより半導体ウェハも撓んで折り曲げられ、該半導体ウェハが分割予定ラインを起点として破断される。
これにより、従来のような引っ張り応力によることなく、比較的小さい曲げ応力で効率よくチップを割断することができる。また、ウェハを貼り付けているダイシングフィルムの弾性のばらつきや、そのエキスパンドする際の異方性のばらつき、ウェハとフィルムの密着性のばらつきによって、チップの分割性能が変化することなく、ウェハに一様な曲げ応力を発生するための変位を与えることが可能となる。さらに、そのウェハへ与える曲げ応力を生むための一定の変位量を、同時にウェハを支持する吸着台の面を同時に撓ませることで、同時に与えることができる。また、その一定の変位量を、制御された速度で与えることが可能であるため、切断予定ラインに応力を集中させながら割ることが可能となる。さらに、ウェハを真空で吸着しているため、ウェハは剛体であるウェハチャックに密着支持され、割断付近のウェハ変位は完全に抑制されるために、割断するための応力は局所的に集中することになる。また、ウェハを割ったあとに接着台に固定すると、それから採り剥がすのが大変であるが、真空吸着でウェハを支持して曲げた後、それを元の水平な姿勢に戻して真空をOFFして大気開放するだけで、接着剤を除去する等の手間もなくなり、割れたウェハをテープに貼り付けられた状態で簡便に、取り外すことが可能となる。
特に、フィルムは、ウェハ割断後、ウェハチップ同士を離間させる必要があるため、エキスパンド性(すなわち、伸縮性)を有している必要がある。
例えば、伸縮性を有するフィルムで半導体ウェハの裏面を簡易支持して曲げ応力を与えたとしても、一度ウェハの一箇所が割断されると、その部分において、伸縮性のフィルムが伸びてしまい、フィルム全体に横ずれが発生する。その結果、他の部分において曲げの応力が緩和されるということになる。
一方、ここで述べる真空吸着台は、フィルムのような伸縮性を持たない。ただし、撓ませることは可能である。そのため、半導体ウェハを貼り付けた伸縮性を有するフィルムを、それごと真空吸着することで、ウェハ位置およびフィルム位置は、横ずれが防止されて、割断予定のチップの各々がその吸着台位置で固定される。その状態で真空吸着台を撓ませることで、その位置を固定しながら、半導体ウェハ及び伸縮性を有するフィルムに一様な曲げ応力が与えられる。ここで、例え半導体ウェハの一箇所が先に割断したとしても、その割断が他の部分への曲げ応力の緩和等に影響しない。何故ならば、真空吸着台自体は伸縮性を有するフィルムのような伸縮性を持っておらず、その上でその真空吸着台にフィルム及び半導体ウェハが強固に固定されて横ずれを防止しているからである。
その結果、吸着台を撓ませる過程で一部のウェハ箇所が先に割れたとしても、伸縮性を有するフィルムは横方向には伸縮しないために横ずれすることがなく、依然他の部分へも一定の曲げによる曲げ応力が安定して与えられる。
その結果、吸着台の面基準で半導体ウェハのどの位置であっても全面一様に撓むことになり、どの箇所も一定の撓みを持つようになる。例えば、円形状の吸着台を撓ませる場合の円板の撓み式は以下の通りとなる。
まず、等分布荷重を受ける円板を想定した場合、円板の曲げにおけるたわみの微分方程式は以下となる。
この一般解は、次式で与えられる。
この関係から、撓み、撓み角、及び曲げモーメントを求めるが、例えば境界条件として、半径
の円板が周辺支持された条件として
とすると先の一般解は次のようになる。
したがって、上記を微分して傾斜率を求めると
となり、撓んだ曲面は
の曲率を持った半径の球面となる。撓みによって一様な連続的な曲面形状が形成されることがわかる。
また、上記において、半径aの円板上面に一様な分布荷重pがかかった場合の撓みは、以下の式で表すことができる。
よって、曲げ応力による撓みにより、半径rの関数で表すことができ、連続的な滑らかな曲面形状が形成される。
また、実施例にあるウェハの中央部一点のみを圧力
で押圧して吸着台を曲げる場合においても、以下のような式で表すことができ、いずれにしても、半径rの関数であらわすことができるなめらかな連続的形状を有する曲面を形成することができる。
ここで、
である。
吸着台が一様な材質で構成される場合、吸着台を撓ませる際の半径方向の曲率は変化するが、材料の曲げ剛性に対応した曲率を維持しながら、撓むことがわかる。
尚、ここでは、ウェハを中心対称に球面状に撓ませる場合を想定して記載したが、たとえば、割断ラインに沿って撓ませる場合、すなわちX軸対称方向およびY軸対称方向に撓ませる場合においても、同様に板の撓み理論によって、滑らかかつ連続的に吸着台を撓ませて、その結果、ウェハに一定の曲げ応力を与えることが可能となる。
以上のことから、部材の撓みを利用しつつ、割断される対象の半導体ウェハ内のチップの位置が固定されることで、たとえウェハが割れたとしても、その位置が固定されており、絶えずウェハ面内に一様な曲率を与えることができ、その結果、各チップに対しても、一様な曲げ応力を与えることが可能となり、半導体ウェハの全面を精度よく割断することが可能となる。
また、上記目的を達成するために、請求項1記載の構成において、上記弾性保護フィルムが通気性を有するフィルムでなる、半導体ウェハの分割方法を提供する。
この方法によれば、真空吸着台に真空吸着された弾性保護フィルムは、その通気性により、真空吸着台に対して多少の移動が可能となり、弾性保護フィルムにシワを作ることなく密着した状態で吸着保持される。
また、上記目的を達成するために、半導体ウェハを割断予定ラインに沿って分割するウェハ分割方法であって、ウェハにエキスパンド可能な弾性保護フィルムを貼り付けるステップと、ウェハに貼り付けた弾性保護フィルムを、真空吸着台に真空吸着するステップと、真空吸着した状態で、前記真空吸着台を一様に撓ませて、ウェハを割断するステップとを有する半導体ウェハの分割方法を提供する。
この方法によれば、請求項1及び2記載の半導体ウェハの分割方法を容易に実施することが可能になる。
また、上記目的を達成するために、半導体ウェハを割断予定ラインに沿って分割するウェハ割断方法であって、半導体ウェハの両面にエキスパンド可能な伸縮フィルムを各々貼り付けるステップと、両面がフィルムで拘束された半導体ウェハの一面側を真空吸着台にフィルムを介して真空吸着するステップと、半導体ウェハを真空吸着した状態で真空吸着台を撓ませて半導体ウェハを分割するステップと、を有する半導体ウェハの分割方法を提供する。
この方法では、半導体ウェハを曲げ応力により割断する際、半導体ウェハの上下両面にフィルムを貼り付けた状態で半導体ウェハに曲げ応力を加えるようになる。ここで、半導体ウェハの下面だけにしかフィルムが貼り付けられていない場合、あるいは上下面の何れにもフィルムが貼り付けて無い場合、半導体ウェハを曲げ応力により割断する際、最も弱い箇所が起点となって半導体ウェハが破壊し、その破壊による衝撃波が半導体ウェハを流れる。その際、切断予定ラインからその衝撃波によって大きくずれて、本来のラインとは違う部分が破壊される場合もある。
しかし、半導体ウェハの上下両面にフィルムを貼り付けてある場合、半導体ウェハに曲げ応力が加えられて半導体ウェハが破壊しても、その破壊によって半導体ウェハが跳ね上がることはない。よって、破壊の衝撃波が半導体ウェハ間に伝播し、二次的な破壊で切断ラインから大きくずれることはない。また、破壊前もフィルムが過剰な半導体ウェハの変形を抑制し、亀裂のある部分にのみ応力が集中するようになる。その結果、効率的に分割できる。
上記目的を達成するために、半導体ウェハを割断予定ラインに沿って分割するウェハ割断方法であって、半導体ウェハの両面にエキスパンド可能なフィルムを各々貼り付けるステップと、両面がフィルムで拘束された半導体ウェハの一面側を真空吸着台にフィルムを介して真空吸着するステップと、真空吸着台と反対の他面側に貼り付けられたフィルムを介して半導体ウェハの他面側を冷却すると共に真空吸着台を撓ませて半導体ウェハを分割するステップと、を有する半導体ウェハの分割方法を提供する。
通常、半導体ウェハの表面は金属膜等がある場合、冷却すると金属は低温脆性を持つために脆くなる。したがって、上面にフィルムを貼り付けた後に、フィルムを介して半導体ウェハの表面を即座に冷やすと、半導体ウェハの熱が取り除かれることで半導体ウェハが収縮しようとする。このとき、真空吸着台を介して半導体ウェハを撓ませると、半導体ウェハに曲げによる引っ張り応力が作用するので、より効率的に割断し易くなる。
また、上記目的を達成するために、半導体ウェハを割断予定ラインに沿って分割するウェハ割断装置であって、少なくとも下面側にエキスパンド可能な弾性保護フィルムを貼り付けたウェハが、フィルム貼り付け面を対向させて配置されると共に、フィルムを介して半導体ウェハを全面で真空に吸着する真空吸着台と、半導体ウェハを真空吸着した状態で真空吸着台を一様に撓ませて半導体ウェハを分割する機構と、を有した半導体ウェハの分割装置を提供する。
この構成によれば、請求項1,2,3,4または5記載の上記半導体ウェハの分割方法を容易に実施することが可能になる。
また、上記目的を達成するために、半導体ウェハを割断予定ラインに沿って分割するウェハ割断装置であって、上下両面にエキスパンド可能なフィルムを各々貼り付けた半導体ウェハが、フィルム貼り付け面を対向させて配置されると共に、フィルムを介して半導体ウェハの下面側を全面で真空吸着する真空吸着台と、真空吸着台と反対側に貼り付けられた伸縮フィルムを介して半導体ウェハの上側表面を冷やす冷却手段と、半導体ウェハが冷却され、かつ真空吸着された状態で真空吸着台を一様に撓ませて半導体ウェハを分割する機構と、を有した半導体ウェハの分割装置を提供する。
この構成によれば、請求項5記載の上記半導体ウェハの分割方法を容易に実施することが可能になる。
また、上記目的を達成するために、請求項6または7記載の構成において、上記フィルムが通気性を有するフィルムである、半導体ウェハの分割装置を提供する。
この構成によれば、真空吸着台に真空吸着されたフィルムは、その通気性により、真空吸着台に対して多少の移動が可能となり、フィルムにシワを作ることなく密着した状態で吸着保持される。
本発明によれば、比較的小さい応力で効率よくチップを割断して、半導体ウェハを貼り付けているダイシングフィルムの弾性のばらつきや、そのエキスパンドする際の異方性のばらつき、及び、半導体ウェハとフィルムの密着性のばらつきによるチップの分割ミスをなくすことができる。また、ウェハ割断の際に、半導体ウェハに曲げ応力を生むための一定の変位量を制御された速度で与えて、割断するための応力を局所的に集中させるようにすることができ、安定したチップの割断及びチップの分割・離間を可能とすることができる。さらに、装置の小形化と、バリ取り作業等を軽減化して作業性の向上が図れる。
本発明に係るウェハの分割方法の一実施例を説明する工程図。 ウェハの一例を示す斜視図。 ウェハを弾性保護フィルム及び環状フレームに固定した状態を示す斜視図。 ウェハ破断装置の第1実施例を示す要部概略斜視図。 図4のA−A線断面を示し、(a)は突き出し杆を下降させた状態で示す図で、(b)は突き出し杆を上昇させた状態で示す図。 真空吸着台の一例を示す平面図。 図6のB−B線拡大断面図。 本発明の半導体チップ分離・離間工程を説明する断面図。 真空吸着台の他の例を示す平面図。 図9のC−C線拡大断面図。 真空吸着台を湾曲変形させる他の方法を説明する説明図。 ウェハ破断装置の第2実施例を示す概略断面図で、(a)は分割操作開始前の状態、(b)分割操作途中の状態を示す。 第2実施例のウェハ破断装置における真空吸着台の平面図。 ウェハ破断方法で半導体ウェハの両面にフィルムを貼り付けた場合の効果を説明する図。 ウェハ破断装置の第3実施例を示す概略断面図。
本発明は、小さな曲げ応力で、かつ分割時に綺麗な分割面を得ることができるようにするという目的を達成するために、表面に機能素子が形成された各チップ間に、改質部ないしは亀裂により分割予定ラインが設けられた半導体ウェハを、該分割予定ラインに沿って破断し、複数の半導体チップに分割する半導体ウェハの分割方法において、前記半導体ウェハの裏面に対してエキスパンド可能な弾性保護フィルムを貼り付ける工程と、前記弾性保護フィルムを貼り付けた前記半導体ウェハを可撓性の真空吸着台に吸着する工程と、吸着させた前記半導体ウェハを前記真空吸着台ごと撓ませて、前記分割予定ラインを起点として前記半導体ウェハを破断する工程と、破断後、前記弾性保護フィルムに張力をかけて前記複数の半導体チップに分割離間する工程と、を含むようにしたことにより実現した。
以下、本発明のウェハの分割方法について、添付図面を参照して説明する。
図1は、半導体ウェハとしてのシリコンウェハを個々の半導体チップに分割するための本発明を実施するための分割工程を示す図である。本実施例の分割方法では、半導体ウェハの裏面に対して伸縮性を有してエキスパンド可能なフィルムである弾性保護フィルムを貼り付ける工程S1と、該弾性保護フィルムを貼り付けた半導体ウェハを可撓性の真空吸着台に真空吸着固定する工程S2と、真空吸着固定した半導体ウェハを真空吸着台ごと撓ませて、分割予定ラインを起点として半導体ウェハを破断する工程S3と、破断後、弾性保護フィルムに張力をかけて個々の半導体チップに分割・離間する工程S4を経て、半導体ウェハから個々の半導体チップが形成されるようになっている。
次に、その各工程について詳細に説明する。まず、本実施例で使用する半導体ウェハ10は、図2に示すように平行に形成された表裏面を有している。該半導体ウェハ10の表面側には、格子状に配列された複数の分割予定ライン11が設けられている。そして、該分割予定ライン11により、半導体ウェハ10の表面側が格子状をした複数の領域に区画されており、この区画された各領域にそれぞれ半導体チップ12,12…を形成するIC、LSI等の機能素子を設けている。なお、ここでの分割予定ライン11は、レーザー加工により形成された改質部ないしは亀裂であり、半導体ウェハ10を容易に破断することが出来るようにして設けられているが、これ以外の手段により形成される場合もある。
そして、分割予定ライン11が形成された半導体ウェハ10は、前記工程S1において、図3に示すように、外周部分が環状のフレーム13で支持されている弾性保護フィルム14上に、その裏面を下側に向けて載せ、その半導体ウェハ10の裏面を弾性保護フィルム14上に貼り付けて固定する。この貼着固定は、例えば半導体ウェハ10の裏面と弾性保護フィルム14の間を加熱しつつ、該半導体ウェハ10を弾性保護フィルム14上に押圧して貼着する、あるいは半導体ウェハ10の裏面と弾性保護フィルム14の間に接着剤を介在させて脱着固定する等の手段が適宜採用される。
また、該弾性保護フィルム14は、例えば厚さが約70μmのシート状のフィルムであり、常温では伸縮性を有し、所定温度(例えば70℃)以上の熱によって収縮する性質を有するポリ塩化ビニール(PVC)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン等の合成樹脂シートで、かつ、通気性が得られる構成となっている。
前記工程S1において半導体ウェハ10が取り付けられた弾性保護フィルム14は、次に、図4及び図5に示すように、半導体ウェハ破断装置15上に移動され、該半導体ウェハ破断装置15に、該半導体ウェハ10を上側にして環状フレーム13と共にセットする。該半導体ウェハ破断装置15は、前記工程S2と工程S3を処理するための装置であり、環状フレーム13が脱着可能に取り付けられる中空管状のフレーム載置台16と、該フレーム載置台16内に配設された真空吸着台17と該真空吸着台17の中心部分を下側から上側に向かって押圧する上部先端が球状面として形成されてなる突き出し杆18等で構成されている。
前記フレーム載置台16は、前記半導体ウェハ10及び前記弾性保護フィルム14
が取り付けられた管状フレーム13を受ける載置面を上面に有している。また、該フレーム載置台16の上部外周には、管状フレーム13を取り外し可能に固定する4個のクランプ機構19,19,19,19が設けられている。そして、該フレーム載置台16の載置面上に載置された環状フレーム13は、クランプ機構19,19,19,19によりフレーム載置台16に取り外し可能に固定される。
前記真空吸着台17は、図5に示すように、半導体ウェハ10の平面外周形状よりも若干大きな外径をしてなる円盤状の部材であり、環状フレーム13と共にフレーム載置台16の載置面上に載置された、弾性保護フィルム14及び半導体ウェハ10の直ぐ下側に位置するようにして配設されている。また、該真空吸着テーブル17は、可撓性を有し、通常は同図(a)に示すように水平面状をなして保持されている。そして、同図(b)に示すように中央部分Oが、突き出し杆18により下側から突き上げられると上側に突出して全体がドーム状に湾曲変形し、また突き出し杆18の突き上げが無くなると、再び水平面状に形状復帰する構成となっている。なお、前記中央部分Oが前記突き出し杆18により下側から突き上げる方法としては、前記真空吸着台17に対して突き出し杆18を突き上げる方法、または前記突き出し杆18を固定し、前記フレーム載置台16を前記真空吸着台17と共に下降させて前記突き出し杆18に押し付ける方法等があり、突き上げ状態が得られれば何れの方法であってもよい。
図6及び図7は真空吸着台17の一例を示す。同図に示すように、真空吸着台17は、可撓性円盤17aと、該可撓性円盤17aの上面に螺旋状に連続形成されてなる溝17bと、一端側が該溝17b内に通じ、他端側が可撓性円盤17bの裏面から導出された真空引き用の空気排出管17cとを備えている。
そして、真空吸着台17は、通常、空気排出管17cによる真空引きは停止されており、弾性保護フィルム14及び半導体ウェハ10を設けた環状フレーム13がフレーム載置台16の載置面に固定されると、弾性保護フィルム14の裏面と隣接配置される。また、環状フレーム13がフレーム載置台16の載置面に固定された状態において、空気排出管17cを通して外部から真空引きが行われると、溝17b内の空気が空気排出管17cを通して抜かれ、これと同時に弾性保護フィルム14が可撓性円盤17aの上面に吸着保持される。すなわち、前記吸着工程S2の処理が行われる。すなわち、図4(a)は、この吸着工程処理の状態を示している。なお、この吸着処理状態では、弾性保護フィルム14に通気性が持たされているので、弾性保護フィルム14は可撓性円盤17aに対して多少の移動が可能となり、シワが作られた場合は環状フレーム13による張力で補正され、弾性保護フィルム14がシワになることなく密着して吸着保持される。
次いで、この吸着保持状態において、図4(b)に示すように、突き出し杆18が突き出されて真空吸着台17の中央部分Oを上部先端が突き上げると、該真空吸着台17が前記弾性保護フィルム14と共に中央部分Oを上方に突出させて全体がドーム状に湾曲変形する。このとき弾性保護フィルム14上に貼り付けられている半導体ウェハ10も上方に突出されてドーム状に湾曲変形される。この湾曲により、半導体ウェハ10が分割予定ライン11を基点として、該分割予定ライン11に沿って折り曲げられ、この折り曲げにより個々の半導体チップ12,12…毎に破断される。すなわち、前記分割工程S3の処理が行われることになる。
なお、このように弾性保護フィルム14が真空吸着台17に吸着保持されている状態でドーム状に湾曲されて分割処理された場合では、半導体ウェハ10は真空吸着台17と一体化されていて該真空吸着台17から浮き上がらないので、曲げ応力は各分割予定ライン11の部分に集中することになる。したがって、基台に弾性保護フィルム1を吸着しないで曲げて破断する従来の方法に比べて、分割するための曲げ応力は小さくて済み、また破断面にバリ等を作ることなく綺麗に分割することができる。
また、前記分割工程S3の処理が終了したら、突き出し杆18は真空吸着台17と離れた初期位置に下降され、真空吸着台17も水平な円盤状に形状復帰される。
このようにして分割工程S3による半導体ウェハの分割処理が終了したら、次に、環状フレーム13から弾性保護フィルム14を半導体ウェハ10と共に取り外す。その後、図7に示すように弾性保護フィルム14を水平外側方向に引っ張る。この引っ張りにより、弾性保護フィルム14が各分割予定ライン11の部分で延ばされ、この伸長により各半導体チップ12,12…が互いに隙間σだけ大きく離間し、個々の半導体チップ12,12…に分割される。すなわち、前記分離・離間工程S4の処理が終了する。また、弾性保護フィルム14を伸長させて各半導体チップ12,12…間に形成された隙間σは、弾性保護フィルム14の張力を取り除いた後も維持される。そして、このように分割処理された半導体ウェハ10では、各半導体チップ12,12…の間に弾性保護フィルム14が伸長されてなる隙間σを有して離間されているので、個々の半導体チップ12,12同士が接触することはなく、搬送時等において半導体チップ12,12…同士が接触して損傷するのを防止することができる。
なお、本実施例において、弾性保護フィルム14を引き延ばす前記分離・離間工程S4の処理では、弾性保護フィルム14を環状フレーム13から半導体ウェハ10と共に取り外し、その後から該弾性保護フィルム14を引き延ばすようにした場合を説明したが、環状フレーム13に取り付けたままの状態で該弾性保護フィルム14を引き延ばし、引き延ばし後に、該弾性保護フィルム14を半導体ウェハ10と共に環状フレーム13から取り外すようにしてもよい。
また、真空吸着台17は、上記実施例の構造に限らず、それ以外の構造とすることも可能である。例えば、図9及び図10に示すように、真空吸着台17を、中央一端側(中央
部分O側)が閉塞された可撓性を有するパイプ材117を螺旋円盤状に巻回すると共に、
該パイプ材117の上面(弾性保護フィルム14と対向する面)に複数個の吸気孔118を設けてなる円盤構造とし、該パイプ材117の他端側から真空引きをして、該弾性フィルム14を真空吸着台17の一面に吸着保持する構造とするとも可能である。
この構造にあっても、真空吸着台17は、通常、パイプ材117による真空引きは停止されている。そして、弾性保護フィルム14及び半導体ウェハ10を設けた環状フレーム13がフレーム載置台16の載置面に固定されると、弾性保護フィルム14の裏面と隣接配置される。また、環状フレーム13がフレーム載置台16の載置面に固定された状態において、パイプ材117内の真空引きが行われると、該パイプ材117内の空気が抜かれ、これと同時に弾性保護フィルム14が可撓性円盤17aの上面に吸着保持される。すなわち、前記吸着工程S2の処理が行われる。
また吸着保持状態において、突き出し杆18が突き出されて、上部先端がパイプ材117の中央部分Oを上方に突き上げると、該真空吸着台17が前記弾性保護フィルム14と共に中央部分Oを上方に突出させて全体がドーム状に湾曲変形する。このとき弾性保護フィルム14上に貼り付けられている半導体ウェハ10も上方に突出されてドーム状に湾曲する。この湾曲により、半導体ウェハ10が分割予定ライン11を基点として、該分割予定ライン11に沿って折り曲げられ、この折り曲げにより個々の半導体チップ12,12…毎に破断される。すなわち、前記分割工程S3の処理が行われることになる。また、前記分割工程S3の処理が終了したら、突き出し杆18は真空吸着台17と離れた初期位置に下降され、真空吸着台17も水平な円盤状に形状復帰される。
さらに、真空吸着台17をドーム状に湾曲させる方法としては、真空吸着台17の下側に空気室を設け、該空気室に空気を送り込んで真空吸着台17をドーム状に膨出させるようにしてもよい。
また、真空吸着台17を湾曲変形させる方法としては、突き出し杆18に変えて、図11に示すように蒲鉾状の基台20を用意し、蒲鉾状に湾曲させるようにしてもよい。この場合、通常、割断予定ラインは、XY方向にある場合が多い。そのため、まずウェハを真空吸着台17に真空吸着させた状態で、蒲鉾状の基台20に載せる。ここでの蒲鉾状の基台20は、ウェハに対して、相対的に0度位置(図11中に符号(a)を付して示す蒲鉾状の基台20の状態)と90度位置(図11中に符号(b)を付して示す蒲鉾状の基台20の状態)にそれぞれ回転して位置切り換えすることができるようになっている。
そして、まずは、蒲鉾状の基台20をX方向に合わせて、ウェハを真空吸着している真空吸着台17と共に蒲鉾状の基台20に押し付け、真空吸着台17に真空吸着させたウェハを湾曲させて撓ませ、X方向を分割する。次に蒲鉾状の基台20を90度回転させてY方向に合わせて、ウェハを真空吸着している真空吸着台17と共に蒲鉾状の基台20に押し付け、真空吸着台17に真空吸着させたウェハを湾曲させて撓ませ、Y方向を分割する。これにより、ウェハはX、Y方向ともに割断予定ラインに沿って割ることが可能となる。
なお、真空に吸着せず、弾性保護フィルム14であるダイシングフィルムを介して蒲鉾状の基台20に載せて倣わせる場合、ある一部でウェハが先に割れるとその割れた部分でウェハ同士が急峻に曲がり、そこで台の曲率が吸収されるため、部分的にチップが曲がらず、引っ付いたままで台に倣うことがある。しかし、ウェハをまず真空吸着台17に真空吸着させて、チャックで平面矯正した後、そのチャックごと撓ませると、ウェハ内の各部分はチャックの撓みに対応してウェハ面は吸着しつつ倣うため、ウェハ面内で一様に一定の曲げ変位による曲げ応力で、割れ残りがなくウェハを分割できることになる。
さらに、真空吸着台17を湾曲させる方法として、上記実施例では半導体ウェハ10を突き上げる際に、真空吸着台17が撓みながら、弾性保護フィルム14が伸びてその突き上げを支えるようになるが、弾性保護フィルム14が伸びて撓みを支えるのではなく、例えば図12及び図13に示すように、真空吸着台17自身が精度よく撓むようにしてもよい。
その図12は、ウェハ破断装置の第2実施例を示す概略断面図で、図13は真空吸着台の平面図である。なお、図12の第2実施例では、説明の便宜上、図4及び図5に示す部材と対応する部材には同一符号を付し、重複説明は省略する。同図において、真空吸着台23は半導体ウェハ10と略同径ないしは少し大きい円板形状になっており、また外周部分が約90度おきに設けられた4本の支柱24a〜24dにより支えられている。各支柱24a〜24dと真空吸着台23は、各支柱24a〜24dに対して真空吸着台23が上下方向に揺動できるようにヒンジ機構25a〜25dで各々連結されており、真空吸着台23が撓んだ場合でも、撓みを阻害せずに各支柱24a〜24dが真空吸着台23を支持できるように結合されている。
また、真空吸着台23の下面には、相対向するヒンジ機構25aとヒンジ機構25cの間、及び、ヒンジ機構25bとヒンジ機構25dの間をそれぞれ結ぶようにして帯状をした弾性連結板26a,26bが取り付けられている。
この真空吸着台23で半導体ウェハ10を分割させる動作を説明する。まず、図12(
a)の分割開始前の状態から、図12の(b)に示すようにX方向2本の支柱24b,24
dをそのままZ方向位置で保持し、Y方向の支柱24a,24cをX方向の支柱24b,24dに対して相対的に突き上げる、またはY方向の2本の支柱24a,24cをそのままZ方向位置で保持し、X方向の支柱24b,24dを相対的に引き下げる。すると、真空吸着台23は、弾性連結板26aを稜線としてX軸方向に大きく撓むようになる。これでスクライブラインの各X位置においてY方向にそれぞれ割断されることになる。
続いて、逆に、Y方向の2本の支柱24a,24cをそのままZ方向位置で保持して、X方向の支柱24b,24dをY方向の支柱24a,24cに対して相対的に突き上げる、またはX方向の2本の支柱24b,24dをそのままZ方向位置で保持し、Y方向の支柱24a,24dを相対的に引き下げる。すると、真空吸着台23は、弾性連結板26bを稜線としてY軸方向に大きく撓むようになる。これでスクライブラインの各Y位置においてX方向にそれぞれ割断されることになる。
この第2実施例の構造では、従来において真空吸着台23があまり撓まずに、弾性保護フィルム14だけが過剰に伸びるという不都合があったが、このようにすれば、弾性保護フィルム14の無用な伸びをなくして、効率良く半導体ウェハ10に曲げ応力を付与することが可能となる。
なお、上記第1、第2実施例では、半導体ウェハ10の下面だけ弾性保護フィルム14が貼られた半導体ウェハ10を使用した場合を説明したが、半導体ウェハ10の下面だけ弾性保護フィルム14が貼られている場合、あるいは上下面の何れにも弾性保護フィルム14が貼り付けて無い場合は、半導体ウェハ10を曲げ応力により割断する際、最も弱い箇所が起点となって半導体ウェハ10が破壊し、その破壊による衝撃波が半導体ウェハ10を流れる。その際、切断予定ラインからその衝撃波によって大きくずれて本来のラインとは違う部分が破壊される場合もある。
このように半導体ウェハ10を割断する際、一定の曲げ変形が与えられれば半導体ウェハ10は割断できるが、正確に割断する場合にはそれでは不十分な場合もある。例えば、半導体ウェハ10が割断すると、その割れる際の衝撃によって、必ずしも所望のラインに沿って割れない場合である。特に、半導体ウェハ10のようなへき開性がある脆性材料の場合、割れた際に、割れた衝撃がウェハ面内に伝わり、図14の(a)に示すようにウェハ面内において上下方向に大きく振れ、その振れによって半導体ウェハ10が思わぬところで割れることがある。これは、いずれもウェハ面内を伝播する衝撃によるためであり、半導体ウェハ10の上側が開放されているために、割れた瞬間の衝撃で半導体ウェハ10が上下に大きく震動し、場合によっては弾性保護フィルム14から半導体ウェハ10が一部剥離して、その結果、半導体ウェ10ハが跳ねて思わぬところで割れを起こすのである。こうした場合の対処として、図14の(b)に示すようにエキスパンド用の弾性保護フィルム14の他に、半導体ウェハ10の上面側からも押さえ込ための衝撃吸収フィルム24を貼り付けておくとよい。
このように半導体ウェハ10の上下両面をフィルム14,24で挟み込んで拘束すると、仮に半導体ウェハ10が割れたとしても半導体ウェハ10が上下方向に振れることは無くなる。また、半導体ウェハ10が割れた衝撃で多少振れたとしても、上下に貼り付けたフィルム14,24によってその衝撃の伝播を吸収して大きく押さえ込むことができる。それによって、所望ではない部分が割れるということを防ぐことができる。
さらに、半導体ウェハ10を撓ませる前に、予め半導体ウェハ10がフィルム14,25により上下面から拘束されていることで、半導体ウェハ10を緩やかに撓ませる際、両側のフィルム14,24に働く張力の影響で、ウェハ部分に一様に半導体ウェハ10の中立面に沿って垂直に押さえる力が作用し、曲げ応力が加わった際、一部が局所的に曲がるのではなく、一様に緩やかに曲がるように作用する。その結果、所望の割断部分に緩やかな応力集中が起こり、最終的に臨界応力になったときに静かに割れる。
さらに、このウェハがフィルムにより上下面から拘束されていると、ウェハが真空吸着台で支持されることによって、上下面からのフィルムの拘束がさらに効果的に作用する。すなわち、真空吸着台で支持すると、ウェハがその位置に固定されることになる。
たとえば、ウェハを真空吸着することなく、単にウェハをフィルムによって上下面を支持して撓ませた場合、ウェハの一部が割れた際に、ウェハがその割れに応じてフィルム内を微小に移動する。それによって、上下面で拘束したフィルムによって、割れなかった部分は上下面のフィルムが保護するように働きウェハは割れずにそのまま保護され、一方で割れた部分はフィルムがさらに伸びてさらに大きく割るように作用する。よって、ウェハの一様な分割において逆方向に作用する。
しかし、撓む真空吸着台を使用し、真空に引いてウェハ内の各位置を固定し、ウェハの上下面をフィルムにより拘束された状態で撓ませると、ウェハの位置は移動しないため、たとえ、一部のウェハ箇所が割れたとしても、フィルムによって作用する拘束状態がウェハ面内で一様に作用する。そのため、様々なウェハ面内箇所が安定して一様な撓みの下で、一様に割断させることができる。
こうした衝撃吸収フィルム27は、割る際に貼り付けてもよいが、半導体ウェハ10を薄くする工程でバックグラインド研削する場合においては、予め表面保護用のバックグラインドフィルムが貼られている場合がある。こうした場合には、バックグラインドフィルムを剥がすことなくそのまま適用して、半導体ウェハ10の両面をフィルムで挟んだまま割断するとよい。また、バックグラインドフィルム以外でも、環状フレーム13に付けたフィルム14をそのまま半導体ウェハ10の表面に被せるようにしてから、ウェハ上下面をフィルムではさんだ後に、真空吸着台17に吸着して撓ませて割断するようにしてもよい。
なお、衝撃吸収フィルム27を貼り付ける方法としては、市販のテープ貼り付け装置等を使用すれば容易にウェハ表面に衝撃吸収フィルム27を貼り付けることができる。(例
えば、特開2006−100413等を参照)。
また、衝撃吸収フィルム27を貼り付ける範囲はウェハ面のみの場合、バックグラインドした際に貼り付けるバックグラインドテープ等を使用してもよい。さらに、バックグラインド後にテープが貼り付けられた状態を利用してもよい。なお、衝撃吸収フィルム27としては、EVA(エチレン・酢酸ビニール共重合体)やPE、PET等が使用される。
図15は、本発明の第3実施例として示すウェハ破断装置の概略断面図である。なお、図15の第3実施例では、説明の便宜上、図4及び図5、図12、図13に示す部材と対応する部材は、同一符号を付して重複説明は省略する。同図において、半導体ウェハ破断装置28は、さらに、割断を促進するために、衝撃吸収フィルム27等のテープ(以下、
「衝撃吸収フィルム27」という)をウェハ表面に貼り付けた後に、その衝撃吸収フィル
ム27の上から液体窒素等が封入されて冷却されてなる冷凍の弾性体29を接触させて半導体ウェハ10の上面を冷やす構成にしたものである。
通常、ウェハ表面は金属膜等がある場合、冷却すると金属は低温脆性を持つために脆くなる。これを利用して、衝撃吸収フィルム27を貼り付けた後に、衝撃吸収フィルム27を介して即座に冷却手段としての冷凍の弾性体29を接触させて半導体ウェハ10の上面を冷やす。
弾性体29とした理由は、弾性体の場合、半導体ウェハ10の表面に倣って一様に隙間無く接触するからである。また、接触させることで、熱伝達によって、半導体ウェハ10の表面の熱をすぐさま取り除くために、急速かつ一様に冷却することができる。その上で、半導体ウェハ10を撓ませると、熱が取り除かれることで半導体ウェハ10が収縮しようとしているところに曲げによる引っ張り応力が作用するので、より効率的に割断しやすくなる。
なお、冷凍の弾性体の弾性材料としては、ニトリルブタジエンゴムやスチレンブタジエンゴム等が比較的低温でも一定の弾性を有しており使用できる。弾性体を一様に変形性させるためには溝入れ加工をしておくか、表面に微小なエンボス加工をしておくのがよい。
または、ポリエチレン等のビニールの袋の中に液体窒素等を入れて袋状にしておき、その袋を半導体ウェハ10の上にゆっくりと載せ置きするようにしてもよい。このようにすると、パスカルの原理を利用して一様な圧力で半導体ウェハ10の表面に一様に接触させて冷却させることができる。
また、表面に結露によって水が凝固し、弾性体表面の一部に霜が降りて硬くならないように、冷凍で保持しておく際には、密室等で湿度管理を行い十分乾燥させて保持しておく必要がある。
こうしたことで、半導体ウェハ10の表面に金属材料がある場合や、低温脆性をもつ基板(金属膜材料を含む)では脆性的に割断される度合いが大きく、また熱膨張率が大きい基板では大きい温度勾配が発生して、さらに効率的に割ることが可能となる。
さらに、このように両表面間で大きい温度差
を与えることは、先述べたような吸着台やウェハそのものを撓ませることを意味する。例えば、厚みtの円板が撓んだときに表面に持つ歪は、中立面からの距離がt/2であることから、曲率
とすると、以下となる。
一方、熱膨張係数を
とすると、相対的に
のひずみが生じ、中立面を基準に表面が持つ歪は
となる。よって、曲率半径
なる球面状に基板が撓むことになる。このように、故意に応力や変位を与えて吸着台を撓ませずとも、両面間に温度差を形成することによっても、面内に連続的に一様な撓みを形成することができ、このような撓みによって、ウェハを一様かつ連続的に自然に撓ませて割断することが可能となる。
また、こうした温度勾配で自然に撓む状態に対して、さらに真空吸着台を撓ませることで外的に撓ませる応力を与える(例えば熱とは逆方向に撓む応力)と、基板の低温による脆性破壊も相まって、一様に割断することができるようになる。
なお、割断後は、衝撃吸収フィルム27を剥離し、エキスパンドテープを伸ばすことで、チップ間を離間させることが可能となる。
また、本発明は、上述したように本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
以上説明したように、本発明は半導体ウェハを分割する以外にも、プリント配線基板等を分割する装置にも応用できる。
10 半導体ウェハ
11 分割予定ライン
12 半導体チップ
13 環状フレーム
14 弾性保護フィルム
15 半導体ウェハ破断装置
16 フレーム載置台
17 真空吸着台
17a 可撓性円盤
17b 溝
17c 空気排出管
18 突き出し杆
19 クランプ機構
20 蒲鉾状の基台
21 半導体ウェハ破断装置
23 真空吸着台
24a〜24d 支柱
25a〜25d ヒンジ機構
26a〜26d 弾性連結板
27 衝撃吸収フィルム
28 半導体ウェハ破断装置
29 冷凍の弾性体(冷却手段)
117 パイプ材
σ 隙間

Claims (8)

  1. 半導体ウェハを、該分割予定ラインに沿って破断し、複数の半導体チップに分割する半導体ウェハの分割方法において、
    前記半導体ウェハの裏面に対してエキスパンド可能な弾性保護フィルムを貼り付ける工程と、
    前記弾性保護フィルムを貼り付けた前記半導体ウェハを可撓性の真空吸着台に吸着する工程と、
    吸着させた前記半導体ウェハを前記真空吸着台と一体にした状態で一様に撓ませて、前記分割予定ラインを起点として前記半導体ウェハを破断する工程と、
    破断後、前記弾性保護フィルムに張力をかけて前記複数の半導体チップに離間する工程と、を含む、
    ことを特徴とする半導体ウェハの分割方法。
  2. 上記保護フィルムが通気性を有するフィルムでなることを特徴とする請求項1記載の半導体ウェハの分割方法。
  3. 導体ウェハを割断予定ラインに沿って分割する分割方法であって、
    ウェハにエキスパンド可能な弾性保護フィルムを貼り付けるステップと、
    ウェハに貼り付けた弾性保護フィルムを、真空吸着台に真空吸着するステップと、
    真空吸着した状態で、前記真空吸着台を一様に撓ませて、ウェハを割断するステップと、
    を有することを特徴とする半導体ウェハの分割方法。
  4. 半導体ウェハを割断予定ラインに沿って分割する分割方法であって、
    半導体ウェハの両面にエキスパンド可能なフィルムを各々貼り付けるステップと、
    両面がフィルムで拘束された半導体ウェハの一面側を真空吸着台にフィルムを介して真空吸着するステップと、
    半導体ウェハを真空吸着した状態で真空吸着台を撓ませて半導体ウェハを分割するステップと、
    を有することを特徴とする半導体ウェハの分割方法。
  5. 半導体ウェハを割断予定ラインに沿って分割するウェハ割断方法であって、
    半導体ウェハの両面にエキスパンド可能なフィルムを各々貼り付けるステップと、
    両面がフィルムで拘束された半導体ウェハの一面側を真空吸着台にフィルムを介して真空吸着するステップと、
    真空吸着台と反対の他面側に貼り付けられた伸縮フィルムを介して半導体ウェハの他面側を冷却すると共に真空吸着台を撓ませて半導体ウェハを分割するステップと、
    を有することを特徴とする半導体ウェハの分割方法。
  6. 半導体ウェハを割断予定ラインに沿って分割するウェハ割断装置であって、
    少なくとも下面側にエキスパンド可能なフィルムを貼り付けたウェハが、フィルム貼り付け面を対向させて配置されると共に、フィルムを介して半導体ウェハを全面で真空吸着する真空吸着台と、
    半導体ウェハを真空吸着した状態で真空吸着台を一様に撓ませて半導体ウェハを分割する機構と、
    を有したことを特徴とする半導体ウェハの分割装置。
  7. 半導体ウェハを割断予定ラインに沿って分割するウェハ割断装置であって、
    上下面側にエキスパンド可能なフィルムを貼り付けたウェハが、フィルム貼り付け面を対向させて配置されると共に、フィルムを介して半導体ウェハの下面側全面を真空吸着する真空吸着台と、
    真空吸着台と反対側に貼り付けられた伸縮フィルムを介して半導体ウェハの上側表面を冷やす冷却手段と、
    半導体ウェハが冷却され、かつ真空吸着された状態で真空吸着台を一様に撓ませて半導体ウェハを分割する機構と、
    を有したことを特徴とする半導体ウェハの分割装置。
  8. 上記フィルムが通気性を有するフィルムであることを特徴とする請求項6または7記載の半導体ウェハの分割装置。
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