以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図16にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側には、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯(点滅))により、発光演出を実行する枠用ランプ部16が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、上球皿15から溢れ出た遊技球を貯留する下球皿18及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作して、該発射装置19を駆動させることにより、上球皿15内の遊技球が遊技盤13の遊技領域13aへ発射されるようになっている。
また、上球皿15には、その左方側に機内部から払出される遊技球の払出口が設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路が連設されており、さらに右方側に貯留通路内の遊技球を機内部に取り込む取込口が設けられている。上球皿15に貯留された遊技球は、貯留通路により前記取込口へ案内されるとともに該取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤13に向けて発射される。遊技盤13に向けて発射される遊技球は、発射装置19の発射ハンドル19aの回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下球皿18には、上球皿15から溢れ出て流下した遊技球の出口18aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部18bが遊技球の出口18aに連設されている。
また、図2に示すように、遊技盤13の前面には、発射ハンドル19aの操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域13aを形成する誘導レール13bが円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール13bによって遊技盤13には、該遊技盤13の左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路13cが形成されるとともに、誘導レール13bの内側に遊技領域13aが形成される。遊技盤13の遊技領域13aのほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)20が装着されている。表示枠体20の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口20aが形成されており、当該セット口20aに整合して液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置28が装着されている。演出表示装置28(画像表示部GH)には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置28の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置28の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出用図柄)を用いて行われる。
また、表示枠体20の右下方には、特別図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する表示手段としての特別図柄表示装置30が設けられている。特別図柄表示装置30は、例えば7セグメントLED型の発光装置から構成されている。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
演出表示装置28と特別図柄表示装置30では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置30では特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示装置28では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、演出表示装置28と特別図柄表示装置30には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り又ははずれを認識し得る図柄が確定的に停止表示(以下、「確定停止表示」と示す)される。
具体的に言えば、特別図柄表示装置30には、複数種類(本実施形態では102種類)の特別図柄の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。本実施形態において102種類の特別図柄は、大当りを認識し得る図柄となる96種類の大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる6種類のはずれ図柄とに分類される。96種類の大当り図柄には、大当りに当選し、15ラウンド大当り遊技の場合に選択される大当り図柄と、2ラウンド大当り遊技の場合に選択される大当り図柄とがある。また、6種類のはずれ図柄には、大当り抽選に当選しなかった場合に行う小当り抽選に当選した場合に選択される5種類のはずれ図柄と、前記小当り抽選に当選しなかった場合に選択される1種類のはずれ図柄とがある。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10において大当り遊技の種類として規定する15ラウンド大当り遊技、2ラウンド大当り遊技、及び小当り遊技については後で詳細に説明する。また、以下の説明においては、はずれ図柄のうち、小当り遊技に当選した場合に選択されるはずれ図柄を「小当り図柄」と示す場合もある。
そして、演出表示装置28の図柄変動ゲームは、特別図柄表示装置30の図柄変動ゲームの変動表示結果に対応付けて行われ、特別図柄の変動表示結果に対応する飾り図柄の変動表示結果を導出する。具体的に言えば、演出表示装置28には、大当り抽選に当選している場合、特別図柄表示装置30に導出される大当り図柄に対応する飾り図柄の図柄組み合わせが確定停止表示される。大当り図柄に対応する飾り図柄の図柄組み合わせには、例えば、全列(3列)の飾り図柄が同一の飾り図柄からなる組み合わせ([111]など)がある。一方、演出表示装置28には、大当り抽選に当選していない場合、特別図柄表示装置30に導出されるはずれ図柄に対応する飾り図柄の図柄組み合わせが確定停止表示される。はずれ図柄に対応する飾り図柄の図柄組み合わせには、例えば、全列(3列)の飾り図柄が同一の飾り図柄とはならない組み合わせ([123]など)や、2列の飾り図柄が同一の飾り図柄であって、1列の飾り図柄が異なる飾り図柄となる組み合わせ([121]や[112]など)がある。本実施形態において演出表示装置28には、各列毎に、[1]〜[8]までの数字を模した図柄が飾り図柄として表示されるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置28の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置30の表示領域よりも大きく形成し、演出表示装置28を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置30よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出(例えば、リーチ演出や予告演出)が行われる演出表示装置28の表示内容に注目し、該演出表示装置28の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。また、本実施形態において、演出表示装置28の図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って各列が変動表示される。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列が変動を開始すると)、演出表示装置28において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に変動が停止するようになっている。変動の停止によって表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、リーチが形成され、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチを認識し得る。リーチは、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の図柄が同一種類となって表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)が変動表示されている状態である。
また、表示枠体20の下方の遊技領域13aには、遊技球の入球口Naを有する上始動入賞口21aと遊技球の入球口Nbを有する下始動入賞口21bが上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口21aは、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口Naを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口21bは普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根22を備えており、開閉羽根22が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口Nbを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口21bは、開閉羽根22が開動作して入球口Nbが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。本実施形態では、上始動入賞口21aと下始動入賞口21bにより、始動入賞手段が構成される。本実施形態では、開閉羽根22とアクチュエータによって下始動入賞口21bの開閉機構が構成される。
上始動入賞口21aの奥方には、入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1(図4に示す)が配設されているとともに、下始動入賞口21bの奥方には、入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2(図4に示す)が配設されている。上始動入賞口21aと下始動入賞口21bは、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口21bは開閉羽根22が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根22が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球の入球が不能となる状態とされる。
また、表示枠体20であって、下始動入賞口21bの下方の遊技領域13aには、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉24を備えた入賞手段としての大入賞口(特別電動役物)23が配設されている。大入賞口23の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図4に示す)が配設されている。大入賞口23は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
そして、大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じて大入賞口扉24が開動作して大入賞口23が開放され、その開放により遊技球の入球が許容される。このため、遊技者は、大入賞口23への遊技球の入球個数に応じた賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、賞球獲得のチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、大当り抽選に当選し、特別図柄表示装置30の図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉24の開動作により大入賞口23が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数(上限ラウンド回数)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過したこと、及び1回のラウンド遊技において予め定めた入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかの終了条件を満たすことにより終了する。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
また、遊技盤13の遊技領域13aの最下方(大入賞口23よりも下方)には、遊技領域13aに発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口25が形成されている。アウト球口25を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の遊技機設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、表示枠体20の左方の遊技領域13aには、普通図柄作動ゲート26が配設されている。普通図柄作動ゲート26の奥方には、該普通図柄作動ゲート26へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図4に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート26は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件のみを付与し得る。そして、表示枠体20の右下方には、普通図柄表示装置31が設けられている。本実施形態において普通図柄表示装置31は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバー(図2では表面に「○(丸)」と「×(ばつ)」を装飾したもの)で覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置31では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う当りか否か(開閉羽根22の開動作により下始動入賞口21bを開放するか否か)の内部抽選(当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態の普通図柄表示装置31では、当り抽選で当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで普通図柄からなる当り図柄が確定停止表示(本実施形態では「○(丸)」側の普通図柄表示部が点灯)される。一方、本実施形態の普通図柄表示装置31では、当り抽選ではずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームで普通図柄からなるはずれ図柄が確定停止表示(本実施形態では「×(ばつ)」側の普通図柄表示部が点灯)される。
また、表示枠体20の右下方には、機内部(主制御用RAM45c)で記憶された図柄変動ゲームの始動保留球の記憶数(以下、「特図保留記憶数」を示す)に基づく保留中の図柄変動ゲームの回数を報知する特別図柄保留表示装置32が設けられている。特図保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。そして、特図保留記憶数は、始動入賞口(上始動入賞口21aと下始動入賞口21b)に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特図保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。特別図柄保留表示装置32は、例えば複数のランプから構成され、特図保留記憶数に対応する個数のランプを点灯させることによって特図保留記憶数を遊技者に報知する。
また、表示枠体20の右下方には、機内部(主制御用RAM45c)で記憶された普通図柄変動ゲームの始動保留球の記憶数(以下、「普図保留記憶数」を示す)に基づく保留中の普通図柄変動ゲームの回数を報知する普通図柄保留表示装置33が設けられている。普図保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。そして、普図保留記憶数は、普通図柄作動ゲート26に遊技球が入球することで1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、普通図柄変動ゲーム中に普通図柄作動ゲート26へ遊技球が入球すると、普図保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。普通図柄保留表示装置33は、例えば複数のランプから構成され、普図保留記憶数に対応する個数のランプを点灯させることによって普図保留記憶数を遊技者に報知する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率である通常確率から高確率に変動する確変状態(大当り抽選の高確率抽選状態)を付与する機能である。確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、確変状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態において確変状態は、予め定めた回数として10000回を定めているため、実質的に次回の大当りが生起される迄の間付与されることと同等となっている。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(大当り抽選の低確率抽選状態を付与する)大当りが非確変大当りとなる。本実施形態のパチンコ遊技機10では、96種類の特別図柄の大当り図柄のうち、60種類の特別図柄が確変大当りとなる特別図柄(特定図柄)に設定されているとともに、36種類の特別図柄が非確変大当りとなる特別図柄(非特定図柄)に設定されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート26の通過に基づく普通図柄変動ゲームの抽選確率(当りの当選確率)が低確率である通常確率から高確率に変動する時短状態を特典として付与する機能である。また、時短状態が付与されている場合と時短状態が付与されていない場合とで下始動入賞口21bの開閉羽根22は、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、時短状態が付与されていない時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根22が第1回数(例えば1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば、0.3(秒))経過するまで開放状態を維持するようになっている。一方、時短状態が付与されている時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根22が開放する回数が増加(例えば、3回)して第1回数よりも多い第2回数となり、1回の開放において開放してから第1開放時間よりも長い第2開放時間(例えば、1.4(秒))が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根22は、時短状態が付与されている場合、時短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。時短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、時短状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。なお、時短状態が付与される前記回数は、大当りに当選した時の遊技状態に応じて変化する。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技(15ラウンド大当り遊技と2ラウンド大当り遊技)、及び小当り遊技について、図3をもとに詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、図3に示す3種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づいた大当り遊技が付与されるようになっている。そして、3種類の大当りのうち、何れの大当りを付与するかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において96種類の特別図柄の大当り図柄は、図3に示すように、図柄A、図柄B、及び図柄Cの3種類に分類される。そして、図柄Aには31種類の大当り図柄が、図柄Bには29種類の大当り図柄が、図柄Cには36種類の大当り図柄がそれぞれ振分けられている。また、図3に示す図柄Dには、小当りに対応する5種類の特別図柄(はずれ図柄)が振分けられている。
図柄Aに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Aに基づく大当り遊技を「確変15ラウンド大当り遊技」と示す。確変15ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、確変15ラウンド大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口23を「1回」開放させるように設定されている。また、確変15ラウンド大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、その確変状態の終了時まで時短状態を付与するようになっている。なお、図3では、確変状態の終了時まで時短状態を付与する場合を「リミットなし」と表記している。
また、確変15ラウンド大当り遊技では、オープニング時間として「10(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25(秒)」が、エンディング時間として「10(秒)」がそれぞれ設定されている。各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。このため、確変15ラウンド大当り遊技において、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間である「25(秒)」は最大時間となる。なお、図3には図示しないが、確変15ラウンド大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「2.0(秒)」に設定されている。
図柄Bに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する2ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Bに基づく大当り遊技を「確変2ラウンド大当り遊技」と示す。確変2ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、確変2ラウンド大当り遊技における2回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口23を「1回」開放させるように設定されている。また、確変2ラウンド大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に確変状態とその確変状態の終了時まで時短状態を付与する場合と、大当り遊技終了後に確変状態のみを付与する場合とがある。
また、確変2ラウンド大当り遊技では、オープニング時間として「0.004(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.6(秒)」が、エンディング時間として「0.9(秒)」がそれぞれ設定されている。また、図3には図示しないが、確変2ラウンド大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。これにより、確変2ラウンド大当り遊技は、大当り遊技が開始してから終了するまでの時間が、0.004(秒)+0.6(秒)+2.0(秒)+0.6(秒)+0.9(秒)=4.104(秒)となる。このため、確変2ラウンド大当り遊技が付与される場合には、確変2ラウンド大当り遊技を付与する図柄変動ゲームの変動停止後、前述した「4.104(秒)」の確変2ラウンド大当り遊技を経て、次回の図柄変動ゲームが開始することになる。
なお、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。しかしながら、確変2ラウンド大当り遊技のラウンド遊技時間(0.6(秒))は、1回のラウンド遊技において、大入賞口23に入球する遊技球の入球個数が、入球上限個数を満たさないような時間に設定されている。因みに、パチンコ遊技機10では、1分間あたりの遊技球の発射個数がおおよそ「100球」に設定されているので、遊技球を1球発射させるために要する時間は「0.6(秒)」となる。したがって、確変2ラウンド大当り遊技の各ラウンド遊技において、ラウンド遊技時間(0.6(秒))内に、入球上限個数となる「9球」の遊技球を発射して、入球させるのは実質的に無理である。
図柄Cに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない(非確変状態を付与する)15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Dに基づく大当りを「非確変15ラウンド大当り遊技」と示す。また、非確変15ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、非確変15ラウンド大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口23を「1回」開放させるように設定されている。また、非確変15ラウンド大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後には確変状態を付与せずに、予め定めた回数(本実施形態では100回)を上限回数として時短状態を付与するようになっている。
また、非確変15ラウンド大当り遊技では、オープニング時間として「10(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25(秒)」が、エンディング時間として「10(秒)」がそれぞれ設定されている。つまり、確変15ラウンド大当り遊技と非確変15ラウンド大当り遊技は、大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否かが異なり、規定ラウンド数、入球上限個数、オープニング時間、ラウンド遊技時間、及びエンディング時間は、同一態様の設定とされている。なお、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。なお、図3には図示しないが、非確変15ラウンド大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。
図柄Dに基づく小当り遊技は、規定ラウンド数が「1回」に設定されているとともに、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、小当り遊技の1回のラウンド遊技では、大入賞口23を「2回」開放させるように設定されている。また、小当り遊技では、当該小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させるようになっている。すなわち、小当り遊技では、小当り抽選の当選時の遊技状態が確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が時短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を時短状態に継続させる。また、小当り遊技では、小当り抽選の当選時の遊技状態が非確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が非時短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非時短状態に継続させる。
また、小当り遊技では、オープニング時間として「0.004(秒)」が、エンディング時間として「0.9(秒)」がそれぞれ設定されている。そして、小当り遊技におけるラウンド遊技の大入賞口23の開放態様として、開放1回目と開放2回目の開放時間が「0.6(秒)」に設定されているとともに、開放1回目と開放2回目の間にはインターバル時間として「2.0(秒)」が設定されている。これにより、小当り遊技における1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間は、「0.6(秒)+2.0(秒)+0.6(秒)」からなる「3.2(秒)」に設定されていることになる。このため、小当り遊技のラウンド遊技時間は、確変2ラウンド大当り遊技の1ラウンド目で大入賞口23が開放してから2ラウンド目で大入賞口23が閉鎖するまでの時間と同一時間とされる。
また、小当り遊技は、小当り遊技が開始してから終了するまでの時間が、0.004(秒)+0.6(秒)+2.0(秒)+0.6(秒)+0.9(秒)=4.104(秒)となる。このため、小当り遊技が付与される場合には、小当り遊技を付与する図柄変動ゲームの変動停止後、前述した「4.104(秒)」の小当り遊技を経て、次回の図柄変動ゲームが開始することになる。すなわち、本実施形態では、確変2ラウンド大当り遊技を付与する図柄変動ゲームの変動停止から確変2ラウンド大当り遊技を経て次の図柄変動ゲームが開始する迄の時間と、小当り遊技を付与する図柄変動ゲームの変動停止から小当り遊技を経て次の図柄変動ゲームが開始する迄の時間が、同一時間に設定されている。したがって、本実施形態において、確変2ラウンド大当り遊技と小当り遊技は、大入賞口23の開閉動作態様や時間からその差異を遊技者が判別不能となっている。すなわち、遊技者は、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の何れが付与されたのかを大入賞口23の開閉動作や時間からは判別し得ない。
なお、小当り遊技におけるラウンド遊技のラウンド遊技時間は、ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。しかしながら、小当り遊技のラウンド遊技時間(3.2(秒))は、1回のラウンド遊技において、大入賞口23に入球する遊技球の入球個数が、入球上限個数を満たさないような時間に設定されている。したがって、小当り遊技のラウンド遊技において、ラウンド遊技時間(3.2(秒))内に、入球上限個数となる「9球」の遊技球を発射して、入球させるのは実質的に無理である。
なお、図3の「当った時の状態」欄に示す「低確+時短なし」、「低確+時短あり」、「高確+時短なし」、「高確+時短あり」の4つの状態は、それぞれ次のような状態を示す。「低確+時短なし」は、非確変状態で、かつ非時短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10においては「通常状態」となる。「低確+時短あり」は、非確変状態で、かつ時短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10において「低確+時短あり」の状態は、非確変15ラウンド大当り遊技が付与されることによって作り出される。「高確+時短なし」は、確変状態で、かつ非時短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+時短なし」の状態は、「低確+時短なし」の状態で確変2ラウンド大当り遊技が付与されることによって作り出される。「高確+時短あり」は、確変状態で、かつ時短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+時短あり」の状態は、確変15ラウンド大当り遊技が付与されることによって作り出される。また、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+時短あり」の状態は、「低確+時短あり」、「高確+時短なし」及び「高確+時短あり」の状態で2ラウンド大当り遊技が付与されることによっても作り出される。
本実施形態では、確変15ラウンド大当り遊技(図柄Aに基づく大当り遊技)が「第1大当り遊技」となり、確変2ラウンド大当り遊技(図柄Bに基づく大当り遊技)が「第2大当り遊技」となる。そして、確変15ラウンド大当り遊技と確変2ラウンド大当り遊技では、大入賞口23への1球の入球に対する賞球数(例えば、15球)を同一設定にしたもとで、ラウンド遊技時間やラウンド回数が異なることにより、遊技者に与えられる価値(獲得賞球数)が異なる。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について図4にしたがって説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御装置としての主制御基板45が装着されている。主制御基板45は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板46と、演出表示制御基板47と、音声・ランプ制御基板48が装着されている。本実施形態では、サブ統括制御基板46と、演出表示制御基板47と、音声・ランプ制御基板48によって副制御装置が構成されている。
サブ統括制御基板46は、主制御基板45が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48を統括的に制御する。演出表示制御基板47は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置28の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板48は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、枠用ランプ部16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板45、サブ統括制御基板46及び演出表示制御基板47について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板45には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU45aと、主制御用CPU45aの制御プログラムを格納する主制御用ROM45bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM45cが設けられている。主制御用CPU45aには、主制御用ROM45bと主制御用RAM45cが接続されている。また、主制御用CPU45aには、上始動入賞口21aに入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1と、下始動入賞口21bに入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU45aには、大入賞口23に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3と、普通図柄作動ゲート26を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4が接続されている。また、主制御用CPU45aには、図柄表示基板49を介して、特別図柄表示装置30、普通図柄表示装置31、特別図柄保留表示装置32、及び普通図柄保留表示装置33が接続されている。図柄表示基板49は、特別図柄表示装置30、普通図柄表示装置31、特別図柄保留表示装置32、及び普通図柄保留表示装置33と対応する位置に装着されている。
主制御用CPU45aは、特別図柄用の当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、普通図柄用の当り判定用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM45cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。特別図柄用の当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数であるとともに、大当り抽選に当選しなかった場合に小当りとするか否かの小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。大当り図柄用乱数は、大当りとする場合に特別図柄表示装置30に確定停止表示させる特別図柄としての大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。普通図柄用の当り判定用乱数は、普通図柄の当りとするか否かの普通図柄当り抽選(普通図柄当り判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容(大当り演出、はずれ演出など)を決定する際に用いる乱数である。また、本実施形態の主制御用CPU45aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
主制御用ROM45bには、前記制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンと各種判定値(大当り判定値、小当り判定値、普通図柄当り判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、特別図柄用の当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。そして、大当り判定値は、遊技状態が非確変状態(低確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値と、遊技状態が確変状態(高確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値とがある。例えば、特別図柄用の当り判定用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「599」までの全600通りの整数に設定し、その値の中から、低確率用の大当り判定値として2個の値を設定した場合、非確変状態時に大当り判定が肯定判定される割合、すなわち当選確率は600分の2(300分の1)となる。また、当り判定用乱数の取り得る数値「0(零)」〜「599」の中から、高確率用の大当り判定値として20個の値を設定した場合、確変状態時に大当り判定が肯定判定される割合、すなわち当選確率は600分の20(30分の1)となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変状態時の大当り抽選の当選確率を、非確変状態時の大当り抽選の当選確率に対して10分の1に設定している。
小当り判定値は、小当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。例えば、当り判定用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「599」までの全600通りの整数に設定し、その値の中から小当り判定値として3つの値を設定した場合、小当り判定が肯定判定される割合、すなわち小当りの当選確率は600分の3(200分の1)となる。
普通図柄当り判定値は、普通図柄当り抽選で用いる判定値であり、普通図柄用の当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。そして、普通図柄当り判定値は、遊技状態が非時短状態の時の普通図柄当り抽選で用いる低確率用の普通図柄当り判定値と、遊技状態が時短状態の時の普通図柄当り抽選で用いる高確率用の普通図柄当り判定値とがある。例えば、普通図柄用の当り判定用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「250」までの全251通りの整数に設定し、その値の中から、低確率用の普通図柄当り判定値として1個の値を設定した場合、非時短状態時に普通図柄当り判定が肯定判定される割合、すなわち当選確率は251分の1となる。また、普通図柄用の当り判定用乱数の取り得る数値「0(零)」〜「251」の中から、高確率用の普通図柄当り判定値として250個の値を設定した場合、時短状態時に普通図柄当り判定が肯定判定される割合、すなわち当選確率は251分の250となる。
変動パターンは、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30において図柄の変動開始による図柄変動ゲームが開始してから、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30において図柄が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了するまでの変動時間と演出内容を特定するためのパターンである。すなわち、変動パターンの決定により、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームの演出態様が決定される。
そして、変動パターンに基づき特別図柄表示装置30では、特別図柄の変動が開始してから、変動パターンに定める変動時間の経過時に図柄の変動が停止し、大当り図柄、小当り図柄又ははずれ図柄が確定停止表示される図柄変動ゲームが実行される。一方、変動パターンに基づき演出表示装置28では、飾り図柄の変動が開始してから、変動パターンで特定される演出内容で各種遊技演出が行われるとともに変動パターンに定める変動時間の経過時に図柄の変動が停止し、特別図柄に対応する飾り図柄の図柄組み合わせが確定停止表示させる図柄変動ゲームが実行される。
変動パターンは、大当り抽選に当選した際に選択される大当り演出用の変動パターンと、小当り抽選に当選した際に選択される小当り演出用の変動パターンと、大当り抽選及び小当り抽選の何れにも当選しなかったはずれの場合に選択されるはずれ演出用の変動パターンとからなる。はずれ演出用の変動パターンには、リーチを形成した後に最終的にはずれとするリーチありの変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするリーチなしの変動パターンとがある。また、本実施形態において大当り演出用の変動パターンには、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技が決定された際に選択される変動パターンや、確変2ラウンド大当り遊技が決定された際に選択される変動パターンがある。本実施形態において確変2ラウンド大当り遊技、及び小当り遊技が決定された際に選択される変動パターンは、図柄変動ゲームにおいて共通の演出を実行し、かつ同一の変動時間が対応付けられたパターンとなっている。これにより、本実施形態のパチンコ遊技機10では、画像表示部GHの表示内容を視認しても、確変2ラウンド大当り遊技と小当り遊技の区別が付かない。
なお、図5は、主制御用ROM45bに記憶される変動パターン振分テーブルを示す。図5の変動パターン振分テーブルには、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技が決定された際に選択される変動パターンとして変動パターンP1を、2ラウンド大当り遊技が決定された際に選択される変動パターンとして変動パターンP2を例示している。また、図5の変動パターン振分テーブルには、小当り遊技が決定された際に選択される変動パターンとして変動パターンP3を例示している。また、図5の変動パターン振分テーブルには、リーチを形成した後に最終的にはずれとするリーチありの変動パターンとして変動パターンP4を、リーチを形成せずにはずれとするリーチなしの変動パターンとして変動パターンP5を例示している。
次に、サブ統括制御基板46について説明する。
サブ統括制御基板46には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU46aと、統括制御用CPU46aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM46bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM46cが設けられている。統括制御用CPU46aには、統括制御用ROM46bと統括制御用RAM46cが接続されている。そして、統括制御用CPU46aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
次に、演出表示制御基板47について説明する。
演出表示制御基板47には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU47aと、表示制御用CPU47aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM47bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM47cが設けられている。表示制御用CPU47aには、演出表示装置28(画像表示部GH)が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU47aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM47bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板45、サブ統括制御基板46及び演出表示制御基板47が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板45の制御内容を説明する。本実施形態では、制御プログラムに基づき以下の各種処理を実行する主制御基板45の主制御用CPU45aが、大当り抽選手段、状態移行判定手段、小当り抽選手段、状態制御手段、及び開閉制御手段として機能する。
主制御基板45の主制御用CPU45aは、上始動入賞口21a又は下始動入賞口21bへ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM45cに記憶されている特図保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特図保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU45aは、特図保留記憶数を1加算(+1)し、特図保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU45aは、保留判定を肯定判定している場合、特別図柄用の当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その取得した特別図柄用の当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を特図保留記憶数に対応付けて主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU45aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特図保留記憶数の書き換えを行わないとともに、特別図柄用の当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を取得しない。
そして、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納した特別図柄用の当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した特別図柄用の当り判定用乱数の値と主制御用ROM45bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定を行う。大当り判定において主制御用CPU45aは、遊技状態が非確変状態の場合には低確率用の大当り判定値と特別図柄用の当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態が確変状態の場合には高確率用の大当り判定値と特別図柄用の当り判定用乱数の値を比較する。
大当り判定の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU45aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU45aは、当り図柄用乱数の値をもとに、特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる大当り図柄(特別図柄)を決定する。特別図柄の大当り図柄は、図3に示すように、大当り遊技の種類毎に振り分けられていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当り遊技の種類を決定したことになる。
また、大当りを決定した主制御用CPU45aは、大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択し、決定する。このとき、主制御用CPU45aは、決定した大当り図柄から今回付与する大当り遊技の種類を特定し、その特定した大当り遊技に対応する大当り演出用の変動パターンを選択し、決定する。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、大当り図柄が、確変15ラウンド大当り遊技、及び非確変15ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、変動パターンとして変動パターンP1を選択し、決定する。一方、主制御用CPU45aは、大当り図柄が、確変2ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、変動パターンとして変動パターンP2を選択し、決定する。
また、主制御用CPU45aは、大当り判定の判定結果が否定(当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、前記特別図柄用の当り判定用乱数の値と主制御用ROM45bに記憶されている小当り判定値を比較して、小当りか否かの小当り判定を行う。小当り判定の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と小当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU45aは、小当りを決定する。小当りを決定した主制御用CPU45aは、特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる小当り図柄(特別図柄)を決定する。そして、小当り図柄を決定した主制御用CPU45aは、決定した小当り図柄を主制御用RAM45cに記憶する。また、小当りを決定した主制御用CPU45aは、小当り演出用の変動パターンP3を選択し、決定する。
また、主制御用CPU45aは、小当り判定の判定結果が否定(当り判定用乱数の値と小当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。はずれを決定した主制御用CPU45aは、特別図柄表示装置30に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれを決定した主制御用CPU45aは、はずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択し、決定する。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU45aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板46(統括制御用CPU46a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。次に、主制御用CPU45aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU45aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを出力する。また、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数を1減算(−1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置30の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
また、主制御基板45の主制御用CPU45aは、普通図柄作動ゲート26へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した普通図柄変動スイッチSW4が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM45cに記憶されている普図保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(普図保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU45aは、普図保留記憶数を1加算(+1)し、普図保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU45aは、保留判定を肯定判定している場合、普通図柄用の当り判定用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その取得した普通図柄用の当り判定用乱数の値を普図保留記憶数に対応付けて主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU45aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える普図保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普通図柄用の当り判定用乱数の値を取得しない。
そして、主制御用CPU45aは、普通図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納した普通図柄用の当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した普通図柄用の当り判定用乱数の値と主制御用ROM45bに記憶されている普通図柄当り判定値とを比較し、普通図柄当りか否かの普通図柄当り判定を行う。普通図柄当り判定において主制御用CPU45aは、遊技状態が非時短状態の場合には低確率用の普通図柄当り判定値と普通図柄用の当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態が時短状態の場合には高確率用の普通図柄当り判定値と普通図柄用の当り判定用乱数の値を比較する。
普通図柄当り判定の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と普通図柄当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU45aは、普通図柄当りを決定する。普通図柄当りを決定した主制御用CPU45aは、普通図柄表示装置31で行われる普通図柄変動ゲームで確定停止表示させる当り図柄(普通図柄)を決定する。一方、普通図柄当り判定の判定結果が否定(当り判定用乱数の値と普通図柄当り判定値とが不一致)の場合、主制御用CPU45aは、普通図柄はずれを決定する。普通図柄はずれを決定した主制御用CPU45aは、普通図柄表示装置31で行われる普通図柄変動ゲームで確定停止表示させるはずれ図柄(普通図柄)を決定する。
そして、主制御用CPU45aは、普通図柄変動ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置31の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU45aは、普通図柄変動ゲームの開始により普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に決定した普通図柄(当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。なお、主制御用CPU45aは、普通図柄変動ゲームの開始時の遊技状態に応じて、普通図柄変動ゲームの変動時間として異なる変動時間を設定し、普通図柄を確定停止表示させる。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、非時短状態の場合には変動時間として「10000(m秒)」を設定し、時短状態の場合には変動時間として非時短状態時よりも短い時間となる「1100(m秒)」を設定する。これにより、時短状態時に行われる普通図柄変動ゲームの変動時間は、非時短状態時に行われる図柄変動ゲームの変動時間よりも短縮される。
次に、主制御用CPU45aが実行する制御内容として、大当り遊技時及び小当り遊技時の制御内容を説明する。
主制御用CPU45aは、各大当り遊技及び小当り遊技において、大当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに大当り遊技の終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニングの開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディングの開始を指示する。また、主制御用CPU45aは、各大当り遊技及び小当り遊技において、各ラウンド遊技の開始時に、大入賞口23を開放させるための開放信号を出力する。開放信号は、大入賞口扉24のアクチュエータに対して出力され、前記開放信号によって前記アクチュエータが作動し、大入賞口扉24が開動作される。また、主制御用CPU45aは、各大当り遊技及び小当り遊技において、ラウンド遊技毎に予め定めたラウンド遊技時間を計測するとともに、カウントスイッチSW3からの検知信号を入力してラウンド遊技中に入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、主制御用CPU45aは、各大当り遊技及び小当り遊技において、ラウンド遊技時間が経過したこと、及び入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかの終了条件を満たすことにより、大入賞口23を閉鎖させるための閉鎖信号を出力する。閉鎖信号は、大入賞口扉24のアクチュエータに対して出力され、前記閉鎖信号によって前記アクチュエータが作動し、大入賞口扉24が閉動作される。
そして、大当り遊技及び小当り遊技を終了させた主制御用CPU45aは、大当り遊技及び小当り遊技の終了時点の特図保留記憶数が「1」以上の場合、その始動保留球をもとに、次の図柄変動ゲームを開始させる。一方、主制御用CPU45aは、大当り遊技及び小当り遊技の終了時点の特図保留記憶数が「0」の場合、始動入賞口に遊技球が入球し、始動条件が成立するまで、図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
また、各大当り遊技を終了させた主制御用CPU45aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否かの状態移行判定の判定結果に基づき、前記判定結果が肯定の場合には確変状態を付与し、前記判定結果が否定の場合には確変状態を付与しない。本実施形態では、確変15ラウンド大当り遊技及び確変2ラウンド大当り遊技に当選している場合、前記状態移行判定が肯定判定される。そして、主制御用CPU45aは、大当り遊技の終了後、遊技状態を確変状態及び時短状態とする場合には高確率指定コマンドと時短作動コマンドを出力し、時短状態とする場合には時短作動コマンドのみを出力する。一方、小当り遊技の場合、小当り当選時の遊技状態が維持されることから、主制御用CPU45aは、小当り遊技中も小当り当選時の遊技状態で制御し、かつ小当り遊技終了後には遊技状態を指定するコマンドを出力しない。すなわち、主制御用CPU45aは、小当り遊技に当選した場合、確変状態を付与するか否かの状態移行判定を行わない。
次に、主制御用CPU45aが実行する制御内容として、普通図柄当り時の制御内容を説明する。
主制御用CPU45aは、普通図柄当りとなる普通図柄変動ゲームの終了後、開閉羽根22を開放させるための開放信号と開閉羽根22を閉鎖させるための閉鎖信号を出力し、開閉羽根22の開放態様を制御する。開放信号及び閉鎖信号は、開閉羽根22のアクチュエータに対して出力され、前記開放信号によって前記アクチュエータが作動し、開閉羽根22が開動作されるとともに、前記閉鎖信号によって前記アクチュエータが作動し、開閉羽根22が閉動作される。そして、主制御用CPU45aは、普通図柄当り時の遊技状態に応じて、開閉羽根22の開放態様を制御する。具体的に言えば、非時短状態時において主制御用CPU45aは、開閉羽根22を第1開放時間(例えば、0.3(秒))で第1回数(例えば、1(回))分、開放させるように制御する。また、時短状態時において主制御用CPU45aは、開閉羽根22を第2開放時間(例えば、1.4(秒))で第2回数(例えば、3(回))分、開放させるように制御する。
また、主制御用CPU45aは、開閉羽根22の開放中に下始動入賞口21bに入球した遊技球の数をカウントする。そして、主制御用CPU45aは、このカウントした遊技球の数が入球上限個数(本実施形態では8個)に達した場合、その時点で閉鎖信号を出力して開閉羽根22を閉動作させ、普通図柄当りに基づく開閉羽根22の開放制御を終了する。普通図柄当りに基づく開閉羽根22の開放制御を終了した主制御用CPU45aは、その終了時点の普図保留記憶数が「1」以上の場合、その始動保留球をもとに、次の普通図柄変動ゲームを開始させる。一方、主制御用CPU45aは、開閉羽根22の開放制御の終了時点の普図保留記憶数が「0」の場合、普通図柄作動ゲート26に遊技球が入球し、始動条件が成立するまで、普通図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
次に、サブ統括制御基板46の制御内容を説明する。本実施形態では、制御プログラムに基づき以下に説明する各種処理を実行するサブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aが、秘匿演出実行手段、及び大当り予告実行手段として機能する。
サブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、その停止図柄指定コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置28に停止表示させる図柄組み合わせを構成する飾り図柄を決定する。また、統括制御用CPU46aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力した際、特別図柄の停止図柄指定として大当り図柄が指定されている場合には、その指定された特別図柄の大当り図柄を統括制御用RAM46cに記憶する。また、統括制御用CPU46aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、主制御基板45からオープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、付与される大当り遊技に応じて予め定めた演出内容を指示する演出指示コマンドを、演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48にそれぞれ出力する。
統括制御用CPU46aは、停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、確変15ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、確変大当りを認識し得る図柄組み合わせを決定する。また、統括制御用CPU46aは、停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、非確変15ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、非確変大当りを認識し得る図柄組み合わせを決定する。また、統括制御用CPU46aは、停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、確変2ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、はずれを認識し得る図柄組み合わせのうち、予め定めた特定の図柄組み合わせ(チャンス目)を決定する。特定の図柄組み合わせは、リーチを形成しないはずれの図柄組み合わせからなる。また、統括制御用CPU46aは、停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、小当り図柄の場合には、確変2ラウンド大当り遊技の時と同様に、予め定めた特定の図柄組み合わせ(チャンス目)を決定する。また、統括制御用CPU46aは、停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、小当り図柄を除くはずれ図柄の場合、はずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。なお、はずれ図柄の場合にはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する際には、前記特定の図柄組み合わせを除いて組み合わせを決定しても良いし、前記特定の図柄組み合わせを含んで組み合わせを決定しても良い。そして、飾り図柄を決定した統括制御用CPU46aは、飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板47に出力する。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10は、大当り予告演出が実行可能に構成されている。大当り予告演出は、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを示唆する演出である。本実施形態では、演出表示装置28の図柄変動ゲームで、大当り予告演出用のキャラクタKA、及びキャラクタKBを登場(画像表示)させて大当り予告演出を実行させるようになっている。本実施形態において大当り予告演出は、図柄変動ゲームの開始後、リーチ形成時に行われるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技に当選した場合、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の終了後の遊技状態が確変状態であるか否かを秘匿する秘匿期間(以下、「チャンスタイム」と示す)を設定し、秘匿演出を実行させるようになっている。チャンスタイムは、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームの開始とともに付与されるようになっている。このチャンスタイムの突入時には、図12(c)に示すように、画像表示部GHの背景画像が、チャンスタイム背景画像H3に設定されるとともに、「チャンスタイム突入」という文字画像Inaが画像表示されて、遊技者に報知される。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、チャンスタイム中、前述した3種類の大当り予告演出のうち、特定の大当り予告演出が実行されると、その大当り予告演出を伴う図柄組み合わせゲームが必ず大当り(確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技の何れか)となるようになっている。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機10は、チャンスタイム中に、大当りとなる場合のみに特定の大当り予告演出が実行され、かつはずれとなる場合に特定の大当り予告演出を実行させないように制御される。なお、特定の大当り予告演出は、チャンスタイムが設定されていない場合、はずれとなる図柄変動ゲームにおいても実行される大当り予告演出とされている。本実施形態では、特定の大当り予告演出として、キャラクタKAが登場する大当り予告演出が設定されている。
以下、統括制御用CPU46aが実行する制御内容として、チャンスタイムの設定に係る処理、及び大当り予告演出の選択(実行)に係る処理を、図6〜図11にしたがって詳しく説明する。
図8は、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技を付与する際のオープニング処理を示す。
オープニング処理において統括制御用CPU46aは、チャンスタイムの期間を選択する(ステップS10)。ステップS10にて統括制御用CPU46aは、図7に示す継続時間振分テーブルにしたがってチャンスタイムの期間を選択する。継続時間振分テーブルには、チャンスタイムの期間(継続時間)を示す複数(本実施形態では4つ)の時間パターンと、各時間パターン毎に時間パターン振分乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜349までの全350通りの整数)が所定個数ずつ振分けられている。時間パターン振分乱数は、統括制御用CPU46aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、統括制御用CPU46aは、更新後の値を統括制御用RAM46cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。
本実施形態では、時間パターンとして、単一期間の経過によってチャンスタイムを終了する単一時間パターンと、一つの期間終了後にチャンスタイムを継続させ、複数期間の経過によってチャンスタイムを終了する複数期間パターンとが用意されている。そして、継続時間振分テーブルには、単一時間パターンとして、継続時間T1(例えば、3分)を定めた時間パターンと、継続時間T2(例えば、5分)を定めた時間パターンとが振分けられている。また、継続時間振分テーブルには、複数時間パターンとして、2回の継続時間T1を定めた時間パターンと、継続時間T1と継続時間T2を定めた時間パターンが振分けられている。2回の継続時間T1を定めた時間パターンにおいてチャンスタイムは、1回目の継続時間T1が経過すると、次の図柄変動ゲームの開始に伴ってチャンスタイムの継続が報知され、さらに継続時間T1の間、継続されるようになっている。また、継続時間T1と継続時間T2を定めた時間パターンにおいてチャンスタイムは、1回目の継続時間T1が経過すると、次の図柄変動ゲームの開始に伴ってチャンスタイムの継続が報知され、さらに継続時間T2の間、継続されるようになっている。
なお、本実施形態においてチャンスタイムは、次に示す3つの終了条件のうち、何れか1つの終了条件の成立を契機に終了するように設定されている。第1の終了条件は、時間パターンに基づく時間が終了したことに設定されている。第2の終了条件は、チャンスタイム中に確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選したことに設定されている。第3の終了条件は、確変状態時のチャンスタイムで確変2ラウンド大当り遊技に当選したことに設定されている。
図7に示す継続時間振分テーブルにおいて時間パターン振分乱数の値は、確変2ラウンド大当り遊技(図中、「2R大当り」と示す)の当選時と、小当り遊技(図中、「小当り」と示す)の当選時とで時間パターンが異なる態様で選択されるように振り分けられている。具体的に言えば、確変2ラウンド大当り遊技の場合、継続時間T1を定めた時間パターンには「100個」の乱数値が、継続時間T2を定めた時間パターンには「125個」の乱数値が、2回の継続時間T1を定めた時間パターンには「70個」の乱数値が、継続時間T1と継続時間T2を定めた時間パターンには「55個」の乱数値が振分けられている。一方、小当り遊技の場合、継続時間T1を定めた時間パターンには「175個」の乱数値が、継続時間T2を定めた時間パターンには「130個」の乱数値が、2回の継続時間T1を定めた時間パターンには「30個」の乱数値が、継続時間T1と継続時間T2を定めた時間パターンには「15個」の乱数値が振分けられている。
このような時間パターン振分乱数の振分けにより、本実施形態では、小当り遊技の場合の方が、確変2ラウンド大当り遊技の場合よりも単一時間パターンが選択され易くなっている。また、本実施形態では、2ラウンド大当り遊技の場合の方が、小当り遊技の場合よりも複数期間パターンが選択され易くなっている。
図8のオープニング処理のステップS10の説明に戻り、ステップS10にて統括制御用CPU46aは、2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の各オープニングコマンドを入力すると、統括制御用RAM46cから時間パターン振分乱数の値を取得する。そして、統括制御用CPU46aは、確変2ラウンド大当り遊技のオープニングコマンドを入力している場合、取得した時間パターン振分乱数の値をもとに、継続時間振分テーブルにおいて確変2ラウンド大当り遊技に振分けられている時間パターンを選択する。一方、統括制御用CPU46aは、小当り遊技のオープニングコマンドを入力している場合、取得した時間パターン振分乱数の値をもとに、継続時間振分テーブルにおいて小当り遊技に振分けられている時間パターンを選択する。
次に、統括制御用CPU46aは、ステップS10で選択した時間パターンをもとに、チャンスタイムの期間を示す期間フラグを統括制御用RAM46cに設定する(ステップS11)。ステップS11にて統括制御用CPU46aは、例えば、選択した時間パターンが継続時間T1を定めた時間パターンの場合、その時間パターンに対応させて定めた期間フラグを統括制御用RAM46cに設定する。また、ステップS11にて統括制御用CPU46aは、例えば、選択した時間パターンが2回の継続時間T1を定めた時間パターンの場合、その時間パターンに対応させて定めた期間フラグを統括制御用RAM46cに設定する。
次に、統括制御用CPU46aは、確変2ラウンド大当り遊技、及び小当り遊技の終了後、次回の図柄変動ゲームの開始とともに画像表示部GHに設定する背景画像の種類を示す背景フラグを統括制御用RAM46cに設定する(ステップS12)。本実施形態のパチンコ遊技機10では、画像表示部GHの背景画像として、図12(a)に示す通常背景画像H1と、図12(b)に示す確変背景画像H2と、図12(c),(d)に示すチャンスタイム背景画像H3の3種類が用意されている。通常背景画像H1は、遊技状態が、非確変状態の時の背景画像である。確変背景画像H2は、遊技状態が、確変状態で、かつ時短状態の時の背景画像である。この確変背景画像H2は、遊技者に確変状態であることを報知する場合に、画像表示部GHに画像表示される。また、チャンスタイム背景画像H3は、チャンスタイムの時の背景画像である。このチャンスタイム背景画像H3は、遊技者に確変状態であるか否かを秘匿する場合に、画像表示部GHに画像表示される。このため、画像表示部GHにチャンスタイム背景画像H3が画像表示されている場合、遊技状態は、確変状態及び非確変状態の何れかとなる。
そして、ステップS12にて統括制御用CPU46aは、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技に当選した時の遊技状態を確認し、その確認結果をもとに、確変背景画像H2に対応する背景フラグ及びチャンスタイム背景画像H3に対応する背景フラグのいずれかを設定する。すなわち、統括制御用CPU46aは、確変状態中に確変2ラウンド大当り遊技に当選した時には、その確変2ラウンド大当り遊技の終了後に確変状態であることを報知することから、ステップS12にて確変背景画像H2に対応する背景フラグを設定する。また、統括制御用CPU46aは、非確変状態中に確変2ラウンド大当り遊技に当選した時には、その確変2ラウンド大当り遊技の終了後に確変状態であるか否かを秘匿するためにチャンスタイムを開始させることから、ステップS12にてチャンスタイム背景画像H3に対応する背景フラグを設定する。また、統括制御用CPU46aは、非確変状態中及び確変状態中に小当り遊技に当選した時には、その小当り遊技の終了後に確変状態であるか否かを秘匿するためにチャンスタイムを開始させることから、ステップS12にてチャンスタイム背景画像H3に対応する背景フラグを設定する。なお、ステップS12にて統括制御用CPU46aは、確変背景画像H2に対応する背景フラグを設定した場合、ステップS11で設定した期間フラグを「0(零)」クリアする。期間フラグ=0の状態は、チャンスタイムの期間設定が無い状態を示す。そして、ステップS12にて背景フラグを設定した統括制御用CPU46aは、オープニング処理を終了する。統括制御用CPU46aは、ステップS12で背景フラグを設定した場合、その背景フラグに対応する背景画像を指示する背景指定コマンドを、次周期以降の制御周期で演出表示制御基板47に出力する。
図9は、図柄変動ゲームの開始時に行う変動開始時処理を示す。統括制御用CPU46aは、所定の制御周期毎に変動開始時処理を実行する。
変動開始処理にて統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS20)。この判定結果が否定の場合、統括制御用CPU46aは、図柄変動ゲームを開始させないことから、変動開始時処理を終了する。一方、ステップS20の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、図柄変動ゲームを開始させることから、ステップS21からの処理を実行する。
ステップS21にて統括制御用CPU46aは、今回の図柄変動ゲームを開始させるに際して前回の図柄変動ゲーム(1回前の変動)が、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技に当選した当りの変動であったか否かを判定する。ステップS21の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに設定される背景フラグを確認し、その背景フラグがチャンスタイム背景画像H3に対応する背景フラグであるか否かを判定する(ステップS22)。背景フラグは、図8に示すオープニング処理のステップS12にて設定される。このステップS22にて統括制御用CPU46aは、今回の図柄変動ゲームの開始にともなってチャンスタイムを開始させるか否かを判定する。ステップS22の判定結果が否定の場合、すなわち背景フラグが確変背景画像H2に対応する背景フラグの場合、統括制御用CPU46aは、前回の図柄変動ゲームが確変状態中に確変2ラウンド大当り遊技に当選したことから、ステップS32の通常振分け処理に移行する。通常振分け処理は、今回の図柄変動ゲームで実行する大当り予告演出の演出内容を決定する処理であり、詳細は後述する。
一方、ステップS22の判定結果が肯定の場合、すなわち背景フラグがチャンスタイム背景画像H3に対応する背景フラグの場合、統括制御用CPU46aは、今回の図柄変動ゲームの開始とともにチャンスタイムを開始させることから、図10に示すチャンスタイム開始設定処理を実行する(ステップS23)。
ここで、チャンスタイム開始設定処理を図10にしたがって説明する。
チャンスタイム開始設定処理にて統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに設定される期間フラグを確認する(ステップS40)。次に、統括制御用CPU46aは、ステップS40で確認した期間フラグをもとに、新たな期間フラグを統括制御用RAM46cに設定する(ステップS41)。ステップS41にて統括制御用CPU46aは、時間パターンとして複数時間パターンが選択されている場合のように、複数期間の設定によってチャンスタイムを継続させるか否かを、後述するステップS29の処理で判定するために新たな期間フラグを設定する。具体的に言えば、統括制御用CPU46aは、ステップS40で確認した期間フラグが、継続時間T1又は継続時間T2を定めた時間パターンに対応する期間フラグの場合、ステップS41において期間フラグを「0(零)」クリアする。この場合、統括制御用CPU46aは、今回設定するチャンスタイム期間の終了をもってチャンスタイムを終了させ、チャンスタイムを継続させないことから、ステップS41において期間フラグを「0(零)」クリアする。
一方、統括制御用CPU46aは、ステップS40で確認した期間フラグが、2回の継続時間T1を定めた時間パターンに対応する期間フラグの場合、ステップS41において「継続時間T1に対応する期間フラグ」を新たに設定する。また、統括制御用CPU46aは、ステップS40で確認した期間フラグが、継続時間T1と継続時間T2を定めた時間パターンに対応する期間フラグの場合、ステップS41において「継続時間T2に対応する期間フラグ」を新たに設定する。これらの場合、統括制御用CPU46aは、今回設定するチャンスタイム期間の終了後、チャンスタイムをさらに所定期間の間、継続して行わせることから、ステップS41において前記所定期間に対応する期間フラグを新たに設定する。本実施形態において統括制御用CPU46aは、前記所定期間に対応する期間フラグとして、前述のように、継続時間T1を定めた時間パターンに対応する期間フラグと継続時間T2を定めた時間パターンに対応する期間フラグを流用するようになっている。
そして、ステップS41の処理を実行した統括制御用CPU46aは、続いて、今回設定するチャンスタイムの継続時間をタイマに設定するタイマ設定処理を実行する(ステップS42)。ステップS42にて統括制御用CPU46aは、今回設定するチャンスタイムの継続時間が、継続時間T1の場合には継続時間T1をタイマに設定し、継続時間T2の場合には継続時間T2をタイマに設定する。その後、統括制御用CPU46aは、チャンスタイム開始設定処理を終了する。
図9の変動開始処理の説明に戻り、ステップS23のチャンスタイム開始設定処理を終了した統括制御用CPU46aは、続いて、前回の図柄変動ゲーム(1回前の変動)で当選した確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技が、チャンスタイム中の当りであったか否かを判定する(ステップS24)。ステップS24にて統括制御用CPU46aは、今回の図柄変動ゲームの開始とともにチャンスタイムを開始させるのか、又は今回の図柄変動ゲームの開始とともにチャンスタイムを継続させるのかを判別する。
そして、ステップS24の判定結果が否定の場合、すなわちチャンスタイム中の当りではない場合、統括制御用CPU46aは、今回の図柄変動ゲームでチャンスタイムを開始させることから、チャンスタイムの開始を指示するチャンスタイム開始コマンドを統括制御用RAM46cに設定する(ステップS25)。その後、統括制御用CPU46aは、ステップS26に移行する。ステップS25で設定したチャンスタイム開始コマンドは、次周期以降の制御周期にて演出表示制御基板47に出力される。
一方、ステップS24の判定結果が肯定の場合、すなわちチャンスタイム中の当りである場合、統括制御用CPU46aは、今回の図柄変動ゲームでチャンスタイムを継続させることから、ステップS31に移行し、チャンスタイムの継続を指示するチャンスタイム継続コマンドを統括制御用RAM46cに設定する。その後、統括制御用CPU46aは、ステップS26に移行する。ステップS31で設定したチャンスタイム継続コマンドは、次周期以降の制御周期にて演出表示制御基板47に出力される。
ステップS26に移行した統括制御用CPU46aは、画像表示部GHの背景をチャンスタイム背景画像H3とした旨を示す設定を行う。また、ステップS26にて統括制御用CPU46aは、チャンスタイムに係る期間の設定がなされている旨を示す設定を行う。そして、統括制御用CPU46aは、禁則振分け処理を実行した後(ステップS27)、変動開始時処理を終了する。禁則振分け処理は、今回の図柄変動ゲームで実行する大当り予告演出の演出内容を決定する処理である。
以下、ステップS27の禁則振分け処理について詳しく説明する。
禁則振分け処理では、今回の図柄変動ゲームが、確変15ラウンド大当り遊技、及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選している場合のみに、特定の大当り予告演出を出現させるように大当り予告演出の演出内容を決定する。そして、統括制御用ROM46bには、ステップS27の禁則振分け処理で用いるチャンスタイム中の予告パターン振分テーブル(図6(a))が記憶されている。
チャンスタイム中の予告パターン振分テーブルには、大当り予告演出の具体的な演出内容を特定するための3種類の予告パターンYA,YB,YCが振分けられている。本実施形態では、予告パターンYAによってキャラクタKAが登場する大当り予告演出の演出内容が、予告パターンYBによってキャラクタKBが登場する大当り予告演出の演出内容が、予告パターンYCによって大当り予告演出を実行しない旨の演出内容が特定されるようになっている。
また、予告パターン振分テーブルの各予告パターンYA〜YCには、予告パターン振分乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜99までの全100通りの整数)が所定個数ずつ振分けられている。予告パターン振分乱数は、統括制御用CPU46aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、統括制御用CPU46aは、更新後の値を統括制御用RAM46cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。そして、予告パターン振分テーブルにおいて予告パターン振分乱数の値は、変動パターンP1の選択時と変動パターンP4の選択時とで予告パターンが異なる態様で選択されるように振分けられている。なお、変動パターンP1は、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技の当選時に選択される変動パターンであり、変動パターンP4はリーチを形成して最終的にはずれとなるはずれリーチ演出を実行する際に選択される変動パターンである。
予告パターン振分乱数の振分け態様を具体的に言えば、図6(a)に示す予告パターン振分テーブルでは、変動パターンP1の場合、予告パターンYAに「0」〜「79」の乱数値が、予告パターンYBに「80」〜「94」の乱数値が、予告パターンYCに「95」〜「99」の乱数値が振分けられている。一方、変動パターンP4の場合、予告パターンYAに乱数値が振分けられておらず、予告パターンYBに「0」〜「49」の乱数値が、予告パターンYCに「50」〜「99」の乱数値が振分けられている。
このように予告パターン振分乱数を振分けた予告パターン振分テーブル(図6(a))を用いて、変動開始処理のステップS27の禁則振分け処理では、今回の図柄変動ゲームで実行する予告パターンが選択される。そして、ステップS27の禁則振分け処理にて統括制御用CPU46aは、チャンスタイム中、変動パターンP1が指定された場合、すなわち確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選した場合、予告パターンYA〜YCの中から1つの予告パターンを選択する。一方、ステップS27の禁則振分け処理にて統括制御用CPU46aは、チャンスタイム中、変動パターンP4が指定された場合、すなわち確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選していない場合、予告パターンYB,YCの中から1つの予告パターンを選択する。すなわち、統括制御用CPU46aは、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選していない場合、予告パターンYAに乱数値が振分けられていないことから、予告パターンYAを選択し得ない。換言すれば、統括制御用CPU46aは、図6(a)の予告パターン振分テーブルにより、チャンスタイム中は確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選した時のみに予告パターンYAを選択し得る。その結果、チャンスタイム中に予告パターンYAに基づく大当り予告演出が実行された場合には、その大当り予告演出を伴う図柄変動ゲームが必ず大当りとなり、当該ゲームの終了後に確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技の何れかが付与される。そして、予告パターンYAに基づく大当り予告演出は、チャンスタイム中に限り、大当り確定の演出として位置付けられる。
ステップS27の禁則振分け処理にて統括制御用CPU46aは、入力した変動パターン指定コマンドが変動パターンP1,P4の場合、統括制御用RAM46cから予告パターン振分乱数の値を取得する。そして、統括制御用CPU46aは、取得した予告パターン振分乱数の値と変動パターンの種類をもとに、チャンスタイム中の予告パターン振分テーブルの中から1つの予告パターンを選択する。予告パターンを選択した統括制御用CPU46aは、その選択した予告パターンを指示する予告パターン指定コマンドを統括制御用RAM46cに設定する。予告パターン指定コマンドは、次周期以降の制御周期で演出表示制御基板47に出力される。なお、ステップS27の禁則振分け処理にて統括制御用CPU46aは、入力した変動パターン指定コマンドが変動パターンP1,P4以外の場合(変動パターンP2,P3,P5の場合)、予告パターンを選択することなく、処理を終了する。
図9の変動開始時処理の説明に戻り、ステップS21の判定結果が否定の場合、すなわち前回の図柄変動ゲームが、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技に当選した当りの変動ではない場合、統括制御用CPU46aは、現在、チャンスタイム中であるか否かを判定する(ステップS28)。ステップS28にて統括制御用CPU46aは、チャンスタイムに係る期間の設定がなされているか否かを示す設定が行われているか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、チャンスタイム中であることからステップS27の禁則振分け処理に移行し、今回の図柄変動ゲームで実行させる大当り予告演出の演出内容を決定する。一方、ステップS28の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU46aは、ステップS29に移行する。ステップS28にて統括制御用CPU46aは、後述する図11のタイマ減算処理のステップS57でタイマに設定される時間t(例えば、3分)が経過するまでの間、ステップS28を肯定判定し、時間tの経過後はステップS28を否定判定する。時間tは、チャンスタイム終了後に設定される時間であって、本実施形態ではチャンスタイム終了後、時間tの経過時までステップS27の禁則振分け処理を実行し、図柄変動ゲームで特定の大当り予告演出を実行させないように規制する。
ステップS29に移行した統括制御用CPU46aは、今回の図柄変動ゲームの開始とともにチャンスタイムを継続させる設定がなされているか否かを判定する。ステップS29にて統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに設定される期間フラグを確認し、その期間フラグに時間パターンを示す期間フラグが設定されている場合、すなわち期間フラグ=0(零)ではない場合、ステップS29を肯定判定してステップS30に移行する。一方、ステップS29にて統括制御用CPU46aは、期間フラグ=0(零)の場合、今回の図柄変動ゲームでチャンスタイムを開始及び継続させないことから、ステップS29を否定判定してステップS32に移行する。
ステップS30に移行した統括制御用CPU46aは、図10に示すチャンスタイム開始設定処理を実行する。チャンスタイム開始設定処理の具体的な内容は、前述したとおりである。そして、ステップS30でチャンスタイム開始設定処理を実行した後、統括制御用CPU46aは、今回の図柄変動ゲームでチャンスタイムを継続させることから、チャンスタイムの継続を指示するチャンスタイム継続コマンドを統括制御用RAM46cに設定する(ステップS31)。その後、統括制御用CPU46aは、ステップS26の処理とステップS27の禁則振分け処理を実行する。
また、ステップS32に移行した統括制御用CPU46aは、通常振分け処理を実行した後、変動開始時処理を終了する。通常振分け処理は、今回の図柄変動ゲームで実行する大当り予告演出の演出内容を決定する処理である。
以下、ステップS32の通常振分け処理について詳しく説明する。
通常振分け処理では、今回の図柄変動ゲームが、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選しているか否か、及びはずれリーチ演出であるか否かに関係なく、大当り予告演出の演出内容を決定する。そして、統括制御用ROM46bには、ステップS32の通常振分け処理で用いる予告パターン振分テーブル(図6(b))が記憶されている。
図6(b)に示す予告パターン振分テーブルには、大当り予告演出の具体的な演出内容を特定するための3種類の予告パターンYA,YB,YCが振分けられている。なお、予告パターン振分テーブルには、図6(a)に示すチャンスタイム中の予告パターン振分テーブルと同じ演出内容を特定し得る予告パターンYA〜YCが振分けられている。
また、予告パターン振分テーブルの各予告パターンYA〜YCには、予告パターン振分乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜99までの全100通りの整数)が所定個数ずつ振分けられている。そして、予告パターン振分テーブルにおいて予告パターン振分乱数の値は、変動パターンP1の選択時と変動パターンP4の選択時とで予告パターンが異なる態様で選択されるように振分けられている。予告パターン振分乱数の振分け態様を具体的に言えば、図6(b)に示す予告パターン振分テーブルでは、変動パターンP1の場合、予告パターンYAに「0」〜「79」の乱数値が、予告パターンYBに「80」〜「94」の乱数値が、予告パターンYCに「95」〜「99」の乱数値が振分けられている。一方、変動パターンP4の場合、予告パターンYAに「0」〜「4」の乱数値が、予告パターンYBに「5」〜「49」の乱数値が、予告パターンYCに「50」〜「99」の乱数値が振分けられている。
このように予告パターン振分乱数を振分けた予告パターン振分テーブル(図6(b))を用いて、変動開始処理のステップS32の通常振分け処理では、今回の図柄変動ゲームで実行する予告パターンが選択される。そして、ステップS32の通常振分け処理にて統括制御用CPU46aは、チャンスタイムが付与されていない状態で変動パターンP1が指定された場合、すなわち確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選した場合、予告パターンYA〜YCの中から1つの予告パターンを選択する。同様に、ステップS32の通常振分け処理にて統括制御用CPU46aは、チャンスタイムが付与されていない状態で変動パターンP4が指定された場合、すなわち確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選していない場合、予告パターンYA〜YCの中から1つの予告パターンを選択する。すなわち、統括制御用CPU46aは、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選した場合、及びはずれリーチ演出の場合の何れの場合も、各予告パターンYA〜YCに乱数値が振分けられていることから、予告パターンYA〜YCの中から常に予告パターンを選択する。その結果、チャンスタイム中に大当り確定として位置付けた予告パターンYAに基づく大当り予告演出は、チャンスタイムが付与されていない時には大当り及びはずれの何れの場合も出現することになる。
ステップS32の通常振分け処理にて統括制御用CPU46aは、入力した変動パターン指定コマンドが変動パターンP1,P4の場合、統括制御用RAM46cから予告パターン振分乱数の値を取得する。そして、統括制御用CPU46aは、取得した予告パターン振分乱数の値と変動パターンの種類をもとに、チャンスタイム中の予告パターン振分テーブルの中から1つの予告パターンを選択する。予告パターンを選択した統括制御用CPU46aは、その選択した予告パターンを指示する予告パターン指定コマンドを統括制御用RAM46cに設定する。予告パターン指定コマンドは、次周期以降の制御周期で演出表示制御基板47に出力される。なお、ステップS32の通常振分け処理にて統括制御用CPU46aは、入力した変動パターン指定コマンドが変動パターンP1,P4以外の場合(変動パターンP2,P3,P5の場合)、予告パターンを選択することなく、処理を終了する。
本実施形態では、図6(a)の予告パターン振分テーブルと図6(b)の予告パターン振分テーブルにそれぞれ3種類の予告パターンYA,YB,YCを振分けることで、大当りの場合とはずれの場合とで共通な演出内容で大当り予告演出が実行される。本実施形態では、図6(a),(b)の予告パターン振分テーブルに振分けられた予告パターンYA,YB,YCに基づく大当り予告演出の演出内容が共通演出内容となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り予告演出の演出内容(キャラクタKA,KBの種類)に応じて、大当り遊技が付与される割合(大当り信頼度)を異ならせている。より詳しく言えば、予告パターンYC(大当り予告演出が実行されない)<予告パターンYBに基づく大当り予告演出(キャラクタKBが登場)<予告パターンYAに基づく大当り予告演出(キャラクタKAが登場)の順に、大当り遊技が付与される割合が高くなるように設定されている。これは、大当り予告演出が実行されない場合よりも実行される場合の方が、キャラクタKBが登場するよりもキャラクタKAが登場する方が、大当り遊技が付与される可能性が高まることを示している。
そして、予告パターンYAに基づく大当り予告演出<予告パターンYBに基づく大当り予告演出<予告パターンYC(大当り予告演出が実行されない)の順に、最終的にはずれが確定する際に出現する割合が高くなっている。その一方で、予告パターンYC(大当り予告演出が実行されない)<予告パターンYBに基づく大当り予告演出<予告パターンYAに基づく大当り予告演出の順に、最終的に大当りが確定する際に出現する割合が高くなっている。この出現する割合は、各予告パターン振分テーブルに対する予告パターンYA〜YCの振分け態様(予告パターン振分乱数の振分け態様)に応じて決定される。即ち、大当り遊技が付与される割合を高くするためには、予告パターンYA〜YCに基づく大当り予告演出が、図柄変動ゲームで実行される割合(大当りの場合とはずれの場合に実行される全体の割合)に対して、大当りの場合に実行される割合を高く設定すればよい。この設定によって、大当り予告演出の有無、及び実行された場合の大当り予告演出の種類に応じて、遊技者が抱く大当りの期待感を変化させることができる。
本実施形態では、図6(b)に示す予告パターン振分けテーブルにおいて予告パターンYAの大当り信頼度が最も高く設定されている。そして、予告パターンYAは、大当りの場合に統括制御用CPU46aが予告パターン振分テーブルの中から最も選択し易く、かつ、はずれの場合(はずれリーチの場合)に予告パターン振分テーブルの中から最も選択し難いように予告パターン振分乱数が振分けられている。なお、最も選択し易くするためには予告パターン振分乱数を最も多く振分け、最も選択し難くするためには予告パターン振分乱数を最も少なく振分ければ良い。
本実施形態では、チャンスタイム中に大当り確定となる大当り予告演出を、チャンスタイムが付与されていない場合であって、はずれ時にも出現する大当り予告演出の中で最も大当り信頼度が高い予告パターンYAに基づく大当り予告演出としている。また、チャンスタイムは、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の当選を契機に設定される。すなわち、チャンスタイムは、確変2ラウンド大当り遊技を経由した確変状態時にも設定される。このため、確変状態時のチャンスタイムでは、大当り抽選の当選確率が高確率とされているので、チャンスタイムが付与されていない時に最も大当り信頼度が高い予告パターンYAに基づく大当り予告演出の出現率も向上させることができる。
図11は、チャンスタイムに係る時間を計測するタイマの値を減算するために行うタイマ減算処理を示す。統括制御用CPU46aは、所定の制御周期毎にタイマ減算処理を実行する。
タイマ減算処理にて統括制御用CPU46aは、現在、チャンスタイム中であるか否かを判定する(ステップS50)。ステップS50にて統括制御用CPU46aは、チャンスタイムに係る期間の設定がなされている旨を示す設定が行われているか否かを判定する。この判定結果が否定の場合、統括制御用CPU46aは、タイマ減算処理を終了する。一方、ステップS50の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、ステップS51に移行する。ステップS50にて統括制御用CPU46aは、後述するステップS57でタイマに設定される時間t(例えば、3分)が経過するまでの間、ステップS50を肯定判定し、時間tの経過後はステップS50を否定判定する。
ステップS51に移行した統括制御用CPU46aは、図柄変動ゲームの変動中にタイマの値が「0(零)」になっていたか否かを判定する。ステップS51にて統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに変動中タイマフラグが設定されているか否かを判定し、変動中タイマフラグが設定されている場合にはステップS51を肯定判定し、変動中タイマフラグが設定されていない場合にはステップS51を否定判定する。変動中タイマフラグは、ステップS59で設定されるフラグであり、図柄変動ゲームの変動中にタイマの値が「0(零)」となった場合(ステップS54を肯定判定した場合)に、統括制御用RAM46cに設定される。ステップS51の判定結果が肯定の場合、すなわち変動中タイマフラグが設定されている場合、統括制御用RAM46cは、タイマの値が「0(零)」となっていることから、タイマ減算処理を終了する。
一方、ステップS51の判定結果が否定の場合、すなわち変動中タイマフラグが設定されていない場合、統括制御用CPU46aは、タイマの値が「0(零)」となっていないことから、タイマの値を減算する(ステップS52)。ステップS52にて統括制御用CPU46aは、制御周期分の時間をタイマの値から減算する。次に、統括制御用CPU46aは、タイマの値が「0(零)」でないか否かを判定する(ステップS53)。この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、タイマ減算処理を終了する。一方、ステップS53の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU46aは、今回の制御周期においてタイマの値が「0(零)」となったことから、現在、図柄変動ゲームの変動中であるか否かを判定する(ステップS54)。
ステップS54の判定結果が否定の場合、すなわち今回の制御周期において図柄変動ゲームが終了する場合、統括制御用CPU46aは、画像表示部GHの背景としてチャンスタイム背景画像H3が設定されているか否かを判定する(ステップS55)。この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに設定される期間フラグを確認し、チャンスタイムを継続させる設定がなされているか否かを判定する(ステップS56)。ステップS56にて統括制御用CPU46aは、期間フラグに「0(零)」が設定されていない場合、すなわち時間パターンに対応する期間フラグが設定されている場合、チャンスタイムを継続させる設定がなされていることから、ステップS56を肯定判定する。一方、ステップS56にて統括制御用CPU46aは、期間フラグに「0(零)」が設定されている場合、チャンスタイムを継続させる設定がなされていないことから、ステップS56を否定判定する。
ステップS56の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、チャンスタイムが継続されることから、タイマ減算処理を終了する。一方、ステップS56の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU46aは、チャンスタイムの期間が終了したことから、タイマに時間tを設定する(ステップS57)。また、ステップS57にて統括制御用CPU46aは、画像表示部GHの背景画像をチャンスタイム背景画像H3から通常背景画像H1に戻すため、通常背景画像H1を指示する背景指定コマンドを統括制御用RAM46cに設定する。ステップS57で設定した背景指定コマンドは、次周期以降の制御周期で演出表示制御基板47に出力される。また、ステップS57にて通常背景画像H1を指示する背景指定コマンドを設定した統括制御用CPU46aは、図9に示す変動開始処理のステップS26で設定した画像表示部GHの背景をチャンスタイム背景画像H3とした旨を示す設定を解除する。そして、ステップS57の処理を実行した統括制御用CPU46aは、タイマ減算処理を終了する。
また、ステップS55の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU46aは、画像表示部GHの背景としてチャンスタイム背景画像H3が設定されていないことから、チャンスタイムを終了させる(ステップS58)。ステップS55は、ステップS57で設定した時間tが経過した場合に肯定判定される。このため、ステップS58にて統括制御用CPU46aは、図9に示す変動開始処理のステップS26で設定したチャンスタイムに係る期間の設定がなされている旨を示す設定を解除する。そして、統括制御用CPU46aは、タイマ減算処理を終了する。
タイマ減算処理のステップS55〜S58の処理では、チャンスタイムが継続されるのか、時間パターンに基づくチャンスタイムの期間が終了したのか、及びチャンスタイムを完全に終了させるのかが判定され、その判定結果に応じた処理が行われるようになっている。すなわち、次回の図柄変動ゲームからチャンスタイムが継続される場合には、時間tを設定しないように処理が行われる。また、時間パターンに基づくチャンスタイムの期間が終了した場合には、時間tを設定するように処理が行われる。また、時間パターンに基づくチャンスタイムの期間が終了し、かつ時間tが経過した場合には、チャンスタイムを完全に終了させるように処理が行われる。
また、統括制御用CPU46aは、予め定めた特定条件のもとでチャンスタイムを完全に終了させた場合、チャンスタイムを再設定するか否かの再設定抽選を行うようになっている。本実施形態において特定条件は、確変2ラウンド大当り遊技の当選を契機にチャンスタイムを開始し、そのチャンスタイム中に確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技の何れにも当選しなかった場合としている。そして、統括制御用CPU46aは、特定条件が成立している状態でチャンスタイムを完全に終了させた場合、次回からの図柄変動ゲームにおいて当該ゲームがリーチを形成せずにはずれとなるはずれ演出であるときに再設定抽選を行う。本実施形態において再設定抽選は、当選確率を15分の1に設定して行われる。
そして、再設定抽選に当選した場合、統括制御用CPU46aは、その当選した図柄変動ゲームの開始とともにチャンスタイムを再び開始させる。本実施形態において統括制御用CPU46aは、再設定抽選に当選したことによりチャンスタイムを設定する場合、チャンスタイムの期間として当該チャンスタイム中に確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技の何れかに当選すると考えられる時間(例えば99分)を設定する。再設定抽選に当選した場合、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技に当選してチャンスタイムが開始する場合とは異なり、大入賞口23の開放を伴わずにチャンスタイムが開始することになる。このため、再設定抽選に当選し、チャンスタイムが開始した場合は、そのチャンスタイムの開始によって確変状態であることが確定する。なお、再設定抽選に当選して開始したチャンスタイム中に確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技の何れにも当選しなかった場合、統括制御用CPU46aは、チャンスタイムを同じ時間だけ継続させる。すなわち、チャンスタイムは、チャンスタイムの期間が終了した図柄変動ゲームの次に行われる図柄変動ゲームから継続される。
次に、演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aが実行する制御内容を説明する。
演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。また、表示制御用CPU47aは、予告パターン指定コマンドを入力した場合、当該予告パターン指定コマンドに指示される予告パターンに対応する演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲーム中に大当り予告演出を実行させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU47aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM47bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。
そして、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、2ms毎)に切り替える。そして、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された図柄を画像表示部GHに確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
また、表示制御用CPU47aは、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技が付与されている場合、サブ統括制御基板46が出力する演出指示コマンドをもとに、オープニング演出、各ラウンド演出及びエンディング演出を実行させる。具体的に言えば、表示制御用CPU47aは、各演出に係る演出指示コマンドを入力すると、所定の演出内容で各演出をそれぞれ実行させるように演出表示装置28(画像表示部GH)の表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU47aは、表示制御用ROM47bの画像データを用いて各演出の演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。そして、表示制御用CPU47aは、生成した表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、2ms毎)に切り替える。
また、表示制御用CPU47aは、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技が付与されている場合、サブ統括制御基板46が出力する演出指示コマンドをもとに、オープニング演出、各ラウンド演出及びエンディング演出を実行させる。このとき、表示制御用CPU47aは、演出内容から確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の何れが付与されているか分からないように、同一演出内容で演出を実行させる。これにより、本実施形態のパチンコ遊技機10は、大入賞口23の開放態様に加えて、確変2ラウンド大当り遊技中及び小当り遊技中の演出内容からも何れが付与されているのか認識し得ないようになっている。
また、表示制御用CPU47aは、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技が付与されている場合、大当り遊技終了後に出力される高確率指定コマンドと時短作動指定コマンドをもとに、大当り遊技終了後の画像表示部GHの背景画像を制御する。すなわち、表示制御用CPU47aは、確変15ラウンド大当り遊技が付与されている場合、大当り遊技終了後の画像表示部GHの背景画像として確変背景画像H2を画像表示する。そして、表示制御用CPU47aは、確変状態が終了するまで画像表示部GHに確変背景画像H2を画像表示する。また、表示制御用CPU47aは、非確変15ラウンド大当り遊技が付与されている場合、大当り遊技終了後の画像表示部GHの背景画像として通常背景画像H1を画像表示する。
また、表示制御用CPU47aは、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技が付与されている場合、背景指定コマンドをもとに、大当り遊技終了後の画像表示部GHの背景画像を制御する。すなわち、表示制御用CPU47aは、確変背景画像H2を指示する背景指定コマンドを入力した場合、大当り遊技終了後の画像表示部GHの背景画像として確変背景画像H2を画像表示する。そして、表示制御用CPU47aは、確変状態が終了するまで画像表示部GHに確変背景画像H2を画像表示する。また、表示制御用CPU47aは、チャンスタイム背景画像H3を指示する背景指定コマンドを入力した場合、大当り遊技終了後の画像表示部GHの背景画像としてチャンスタイム背景画像H3を画像表示する。そして、表示制御用CPU47aは、チャンスタイムの期間が終了するまで、すなわち通常背景画像H1を指示する背景指定コマンドを入力するまで画像表示部GHにチャンスタイム背景画像H3を画像表示する。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10においてチャンスタイムが設定される態様を、図13〜図16にしたがって説明する。図13〜図16において、「2R大当り」は確変2ラウンド大当り遊技を示し、「小当り」は小当り遊技を示す。また、図13〜図16において、「通常背景」は画像表示部GHの背景が「通常背景画像H1」であることを示し、「チャンスタイム背景」は画像表示部GHの背景が「チャンスタイム背景画像H3」であることを示し、「高確率時背景」は画像表示部GHの背景が「確変背景画像H2」であることを示す。また、図13〜図16において、「低確率状態」は非確変状態(大当り抽選の低確率抽選状態)を示し、「高確率状態」は確変状態(大当り抽選の高確率抽選状態)を示す。また、図13〜図16は、チャンスタイム中に確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選しなかったことを前提としている。
図13(a)は、遊技状態が「非確変状態」の場合に確変2ラウンド大当り遊技に当選し、その当選を契機にチャンスタイムに突入した例を示している。
この場合、確変2ラウンド大当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームからチャンスタイムに突入する。このとき、パチンコ遊技機10は、制御的には遊技状態として確変状態を設定するが、その確変状態を秘匿するために画像表示部GHの背景は、「通常背景画像H1(図12(a))」から「チャンスタイム背景画像H3(図12(c))」に切り替わる。また、画像表示部GHには、図12(c)に示すように、チャンスタイムに突入したことを報知する「チャンスタイム突入」からなる文字画像Inaが画像表示される。そして、継続時間T1を定めた時間パターンを選択している場合、チャンスタイムは、継続時間T1の間、継続される。チャンスタイム中は、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技の当選時のみに特定の大当り予告演出が出現し、はずれ時における特定の大当り予告演出の出現が規制される。
その後、継続時間T1の経過によってチャンスタイムが終了すると、時間tが設定されてはずれ時における特定の大当り予告演出の出現が規制される。また、チャンスタイムの期間(継続時間T1)が経過すると、画像表示部GHの背景が「チャンスタイム背景画像H3」から「通常背景画像H1」に切り替わる。また、図13(a)の例では、確変2ラウンド大当り遊技を契機にチャンスタイムへ突入しているので、チャンスタイムの終了後、はずれとなる図柄変動ゲームの開始時にチャンスタイムの再設定抽選が行われる。この再設定抽選に当選した場合は、その当選した図柄変動ゲームの開始にともなってチャンスタイムへ再突入する。そして、継続時間T2を定めた時間パターンを選択している場合、チャンスタイムは、継続時間T2の間、継続される。
図13(b)は、「非確変状態」の場合に確変2ラウンド大当り遊技に当選し、その当選を契機に、2回の継続時間T1を定めた時間パターンに基づくチャンスタイムに突入した例を示している。
この場合、確変2ラウンド大当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームからチャンスタイムに突入する。このとき、図13(a)の例と同様に、パチンコ遊技機10は、制御的には遊技状態として確変状態を設定するが、画像表示部GHの背景は「チャンスタイム背景画像H3(図12(c))」となる。そして、継続時間T1が経過する図柄変動ゲームが終了すると、当該ゲームの次の図柄変動ゲームでチャンスタイムが継続される。チャンスタイムの継続時、画像表示部GHには、図12(d)に示すように、チャンスタイムが継続したことを報知する「チャンスタイム継続」からなる文字画像Inbが画像表示される。継続したチャンスタイムは、継続時間T1の間、継続される。
図14(a)は、「非確変状態」の場合に確変2ラウンド大当り遊技に当選し、その当選を契機にチャンスタイムに突入し、チャンスタイム中に再び確変2ラウンド大当り遊技に当選した例を示している。図中の時間Txは、時間パターンに定める継続時間T1よりも短い時間を示す。
この場合、確変2ラウンド大当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームからチャンスタイムに突入する。このとき、図13(a),(b)の例と同様に、パチンコ遊技機10は、制御的には遊技状態として確変状態を設定するが、画像表示部GHの背景は「チャンスタイム背景画像H3(図12(c))」となる。このチャンスタイム中に確変2ラウンド大当り遊技に再び当選した場合は、その確変2ラウンド大当り遊技の終了とともにチャンスタイムも終了する。そして、チャンスタイム中に当選した確変2ラウンド大当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームから画像表示部GHの背景は、「確変背景画像H2」に切り替わる。これにより、確変状態中の確変2ラウンド大当り遊技の当選を契機に、確変状態であることが遊技者に報知される。また、確変状態に加えて、時短状態も付与される。
図14(b)は、「非確変状態」の場合に確変2ラウンド大当り遊技に当選し、その当選を契機にチャンスタイムに突入し、チャンスタイム中に小当り遊技に当選した例を示している。図中の時間Txは、時間パターンに定める継続時間T1よりも短い時間を示す。
この場合、確変2ラウンド大当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームからチャンスタイムに突入する。このとき、図13(a),(b)の例と同様に、パチンコ遊技機10は、制御的には遊技状態として確変状態を設定するが、画像表示部GHの背景は「チャンスタイム背景画像H3(図12(c))」となる。このチャンスタイム中に小当り遊技に当選した場合は、小当り遊技の当選を契機にチャンスタイムが再設定される。すなわち、小当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームから小当り遊技の当選に基づくチャンスタイムが開始する。しかし、この例の場合、見た目上はチャンスタイムが継続しているかのように視認し得るので、小当り遊技の当選に基づくチャンスタイムの突入時、画像表示部GHには、図12(d)に示すように、「チャンスタイム継続」からなる文字画像Inbが画像表示される。そして、新たに開始したチャンスタイムは、継続時間T1を定めた時間パターンを選択している場合、継続時間T1の間、継続される。また、小当り遊技に伴う遊技状態の移行は行われないので、制御的な遊技状態は確変状態を維持する。
図15(a)は、遊技状態が「非確変状態」の場合に小当りに当選し、その当選を契機にチャンスタイムに突入した例を示している。
この場合、小当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームからチャンスタイムに突入する。このとき、パチンコ遊技機10は、制御的には遊技状態として非確変状態を設定するが、確変状態であるか否かを秘匿するために画像表示部GHの背景は、「通常背景画像H1(図12(a))」から「チャンスタイム背景画像H3(図12(c))」に切り替わる。また、画像表示部GHには、図12(c)に示すように、チャンスタイムに突入したことを報知する「チャンスタイム突入」からなる文字画像Inaが画像表示される。そして、継続時間T1を定めた時間パターンを選択している場合、チャンスタイムは、継続時間T1の間、継続される。チャンスタイム中は、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技の当選時のみに特定の大当り予告演出が出現し、はずれ時における特定の大当り予告演出の出現が規制される。
その後、継続時間T1の経過によってチャンスタイムが終了すると、時間tが設定されてはずれ時における特定の大当り予告演出の出現が規制される。また、チャンスタイムの期間(継続時間T1)が経過すると、画像表示部GHの背景が「チャンスタイム背景画像H3」から「通常背景画像H1」に切り替わる。また、図15(a)のように、小当り遊技を契機にチャンスタイムへ突入した場合は、チャンスタイムの再設定抽選は行われない。そして、チャンスタイムの終了後、小当り遊技に再び当選した場合は、前述同様に、小当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームからチャンスタイムに突入する。このとき、チャンスタイムは、先のチャンスタイムと何ら関連付けられることなく開始するので、画像表示部GHには、図12(c)に示すように、チャンスタイムに突入したことを報知する「チャンスタイム突入」からなる文字画像Inaが画像表示される。
図15(b)は、「非確変状態」の場合に小当り遊技に当選し、その当選を契機にチャンスタイムに突入し、チャンスタイム中に再び確変2ラウンド大当り遊技に当選した例を示している。図中の時間Txは、時間パターンに定める継続時間T1よりも短い時間を示す。
この場合、小当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームからチャンスタイムに突入する。このとき、図15(a)の例と同様に、パチンコ遊技機10は、制御的には遊技状態として非確変状態を設定するが、確変状態であるか否かを秘匿するために画像表示部GHの背景は「チャンスタイム背景画像H3(図12(c))」となる。このチャンスタイム中に小当り遊技に再び当選した場合は、小当り遊技の当選を契機にチャンスタイムが再設定される。すなわち、小当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームから小当り遊技の当選に基づくチャンスタイムが開始する。しかし、この例の場合、見た目上はチャンスタイムが継続しているかのように視認し得るので、小当り遊技の当選に基づくチャンスタイムの突入時、画像表示部GHには、図12(d)に示すように、「チャンスタイム継続」からなる文字画像Inbが画像表示される。そして、新たに開始したチャンスタイムは、継続時間T1を定めた時間パターンを選択している場合、継続時間T1の間、継続される。また、小当り遊技に伴う遊技状態の移行は行われないので、制御的な遊技状態は非確変状態を維持する。
図16は、「非確変状態」の場合に小当り遊技に当選し、その当選を契機にチャンスタイムに突入し、チャンスタイム中に確変2ラウンド大当り遊技に当選した例を示している。図中の時間Txは、時間パターンに定める継続時間T1よりも短い時間を示す。
この場合、小当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームからチャンスタイムに突入する。このとき、図15(a),(b)の例と同様に、パチンコ遊技機10は、制御的には遊技状態として非確変状態を設定するが、確変状態であるか否かを秘匿するために画像表示部GHの背景は「チャンスタイム背景画像H3(図12(c))」となる。このチャンスタイム中に確変2ラウンド大当り遊技に当選した場合は、確変2ラウンド大当り遊技の当選を契機にチャンスタイムが再設定される。すなわち、確変2ラウンド大当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームから確変2ラウンド大当り遊技の当選に基づくチャンスタイムが開始する。しかし、この例の場合、見た目上はチャンスタイムが継続しているかのように視認し得るので、確変2ラウンド大当り遊技の当選に基づくチャンスタイムの突入時、画像表示部GHには、図12(d)に示すように、「チャンスタイム継続」からなる文字画像Inbが画像表示される。そして、新たに開始したチャンスタイムは、継続時間T1を定めた時間パターンを選択している場合、継続時間T1の間、継続される。
また、図16の例では、確変2ラウンド大当り遊技の当選を契機に、制御的には遊技状態として確変状態が設定される。しかし、非確変状態での確変2ラウンド大当り遊技の当選であることから、この段階では確変状態であることが秘匿され、画像表示部GHの背景は「チャンスタイム背景画像H3(図12(c))」を維持する。また、非確変状態での確変2ラウンド大当り遊技の当選であることから、遊技状態が非確変状態から確変状態へ移行するだけで、時短状態は付与されない。
なお、図13〜図16の例では、チャンスタイム中に、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選しなかったことを前提に説明したが、これらの大当り遊技に当選した場合は以下に説明するように制御が行われる。
すなわち、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選した場合、これらの大当り遊技を付与する図柄変動ゲームでは、特定の大当り予告演出の出現に対する規制が解除される。そして、変動開始処理(図9)の禁則振分け処理(ステップS27)で特定の大当り予告が選択された場合は、チャンスタイム中に行われる図柄変動ゲームで特定の大当り予告が出現する。これにより、遊技者は、特定の大当り予告が出現した段階で大当りを認識でき、図柄変動ゲームの終了後に確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技が付与される。なお、チャンスタイムは、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技を付与する図柄変動ゲームの終了とともに終了することになるので、これらの大当り遊技終了後、画像表示部GHの背景は「確変背景画像H2(図12(b))」及び「通常背景画像H1(図12(a))」の何れかとなる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)チャンスタイムを、確変2ラウンド大当り遊技の終了後、及び小当り遊技の終了後に設定し、チャンスタイム中は確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選した場合に特定の大当り予告演出を実行させるようにした。このため、チャンスタイムは、確変2ラウンド大当り遊技を経由した確変状態時(大当り抽選の高確率抽選状態時)にも設定されるようになることで、チャンスタイム中における特定の大当り予告演出の出現に対する期待感を高めることができる。すなわち、確変状態時(大当り抽選の高確率抽選状態時)のチャンスタイムでは、大当り抽選に当選する確率も高くなっているので、特定の大当り予告演出も出現し易くなっている。その結果、チャンスタイム中における大当りとなる期待感を向上させることができる。また、特定の大当り予告演出の出現に対する期待感を向上させることができる。
(2)特定の大当り予告演出は、チャンスタイム中に限り大当り確定の演出となることから、チャンスタイムの終了直後にはずれ時の演出として出現させると、その出現に対する遊技者の落胆が大きくなり、不満に繋がる。このため、チャンスタイムの終了後、所定期間(本実施形態では時間t)の間は、特定の大当り予告演出の出現を規制することで、その出現に対して遊技者が抱く不満感を解消し得る。
(3)チャンスタイムとして、単一期間のみが設定される場合と複数期間が設定される場合とを作り、確変2ラウンド大当り遊技の終了後のチャンスタイムでは複数期間が設定され易くした。このため、チャンスタイム中は、特定の大当り予告演出の出現の有無に加え、設定されたチャンスタイムの内容(期間)からも確変状態(大当り抽選の高確率抽選状態)への期待感を抱かせることができる。
(4)大入賞口23の開放動作を伴わずにチャンスタイムが設定された場合には、確変状態(大当り抽選の高確率抽選状態)が確定することになるので、チャンスタイムの終了後にも遊技者の興趣を持続させることができる。
(5)また、チャンスタイム中に再びチャンスタイムが設定された場合には、何れかが小当り遊技の付与に伴うチャンスタイムであること、及び両方が小当り遊技の付与に伴うチャンスタイムであることが確定する。しかし、チャンスタイムを再び設定することで、確変状態(大当り抽選の高確率抽選状態)であることへの期待感を継続して抱かせることができる。
(6)確変状態中は、確変2ラウンド大当り遊技の当選割合も高確率に変動していることから、チャンスタイム中に賞球獲得を期待し得ない大入賞口23の開放動作が行われても、確変状態中のチャンスタイムであることを期待させることができる。すなわち、大入賞口23の開放動作後、確変状態の報知がなされること及び時短状態が付与されることに対して期待感を抱かせることができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、変動開始処理(図9)の禁則振分け処理(ステップS27)及び通常振分け処理(ステップS32)で用いる予告パターン振分テーブルを、図17(a),(b)のように変更しても良い。図17(a)の予告パターン振分テーブルは、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選した時(変動パターンP1が選択された時)に予告パターンを選択するテーブルである。図17(b)の予告パターン振分テーブルは、はずれリーチ演出の実行時(変動パターンP4が選択された時)に予告パターンを選択するテーブルである。そして、統括制御用CPU46aは、禁則振分け処理(ステップS27)及び通常振分け処理(ステップS32)において変動パターンに基づき、図17(a),(b)の予告パターン振分テーブルを選択し、1つの予告パターンを選択する。このとき、本別例で統括制御用CPU46aは、禁則振分け処理(ステップS27)においてはずれリーチ演出の実行時に図17(b)の予告パターン振分テーブルから特定の大当り予告演出(予告パターンYA)を選択すると、予告パターンを他の予告パターン(予告パターンYB又は予告パターンYC)の再選択によって変更する。そして、図柄変動ゲームでは、変更後の予告パターンに基づき大当り予告演出が実行される。このように構成しても、チャンスタイム中は、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選した時のみに特定の大当り予告演出を出現させることができるとともに、前記大当り遊技に当選していない時の特定の大当り予告演出の出現を規制することができる。なお、本別例で統括制御用CPU46aは、通常振分け処理(ステップS32)において、予告パターン振分テーブルから予告パターンを選択し、その選択した予告パターンを指示する。すなわち、通常振分け処理(ステップS32)においては、予告パターンの再選択を行わない。
○ 実施形態において、チャンスタイム中に確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選した時の特定の大当り予告演出の選択率が、チャンスタイム中でない時の選択率よりも高くなるようにチャンスタイム中の予告パターン振分テーブルを構成しても良い。この場合、チャンスタイム中に確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選した時には、大当り予告演出の出現率が高くなる。
○ 実施形態において、予告パターン振分テーブルに振分ける予告パターンの数や、予告パターン振分乱数の振分け態様を変更しても良い。
○ 実施形態は、小当り遊技に代えて、非確変2ラウンド大当り遊技を設定したパチンコ遊技機10に具体化しても良い。非確変2ラウンド大当り遊技は、大当り遊技終了後に非確変状態を付与する大当り遊技である。
○ 実施形態において、再設定抽選の当選確率を変更しても良い。また、再設定抽選を行わないようにしても良い。
○ 実施形態において、継続時間振分けテーブルにおける時間パターン振分乱数の振分け態様を変更しても良い。また、継続時間振分けテーブルに振分ける時間パターンの数を増加させたり、又は減少させたりしても良い。また、時間パターンに定める継続時間を変更しても良い。
○ 実施形態において、チャンスタイム終了後に設定される時間tを、例えば1分や5分などに変更しても良い。また、チャンスタイム終了後に時間tを設定しなくても良い。
○ 実施形態において、遊技盤13に複数の大入賞口を配設し、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技の時に開放する大入賞口と、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技の時に開放する大入賞口を異ならせても良い。
○ 実施形態において、各大当り遊技及び小当り遊技における大入賞口23の開放態様(規定ラウンド数、開放回数、ラウンド遊技時間など)を変更しても良い。なお、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技における大入賞口23の開放態様は、確変状態であるか否かを秘匿するために同一開放態様であることが好ましく、大入賞口23の開放回数は2回以上が好ましい。
○ 実施形態において、確変2ラウンド大当り遊技及び小当り遊技に当選した場合、図柄変動ゲームの終了から次の図柄変動ゲームが開始する迄の時間は完全同一である必要はなく、遊技者が時間的な相違を判別できない程度(例えば、2ms)で異なる時間を設定しても良い。
○ 実施形態において、大当り予告演出の出現タイミングを図柄変動ゲームの変動開始時に変更しても良い。
○ 実施形態において、大当り予告演出をリーチ形成時に行われるリーチ演出としても良い。そして、チャンスタイム中は、確変15ラウンド大当り遊技及び非確変15ラウンド大当り遊技に当選した場合のみに特定のリーチ演出を行わせるようにしても良い。
○ 実施形態は、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、飾り図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
○ 実施形態において、サブ統括制御基板46を省略し、サブ統括制御基板46で実行する処理を演出表示制御基板47で実行するようにしても良い。また、サブ統括制御基板46と音声・ランプ制御基板48を単一の基板で構成しても良い。また、サブ統括制御基板46と演出表示制御基板47を単一の基板で構成しても良い。これらの場合、基板には、統括制御用のCPUと表示制御用又は音声・ランプ制御用のCPUを別々に搭載しても良いし、単一のCPUを兼用して搭載しても良い。また、音声・ランプ制御基板48は、音声制御基板とランプ制御基板に分割されていても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記特定の大当り予告演出は、全ての大当り予告演出のうち、前記大当り抽選に当選した際に最も出現し易く設定した大当り予告演出であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
(ロ)遊技盤に配設した始動入賞手段への遊技球の入球を契機に、大当り遊技を付与するか否かの大当り抽選を行う大当り抽選手段と、前記大当り抽選に当選した場合には、大当り遊技の終了後に大当りの当選確率を低確率抽選状態から高確率抽選状態に移行させるか否かを判定する状態移行判定手段と、前記大当り抽選に当選しなかった場合には、小当り遊技を付与するか否かの小当り抽選を行う小当り抽選手段と、前記大当り抽選手段及び前記小当り抽選手段の抽選結果を示唆する図柄変動ゲームを表示する表示手段と、前記状態移行判定手段の判定結果が肯定の場合には前記大当り遊技の終了後に前記高確率抽選状態を付与するとともに、前記状態移行判定手段の判定結果が否定の場合には前記大当り遊技の終了後に前記低確率抽選状態を付与し、前記小当り抽選に当選した場合には前記小当り遊技の終了後に前記小当り抽選の当選時の遊技状態が前記低確率抽選状態のときには前記低確率抽選状態を継続させ、前記小当り抽選の当選時の遊技状態が前記高確率抽選状態のときには前記高確率抽選状態を継続させる状態制御手段と、を備え、前記大当り遊技は複数種類用意され、各大当り遊技は当該大当り遊技中に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放する複数回のラウンド遊技によって構成されるとともに大当り遊技毎に上限ラウンド回数が設定され、前記大当り遊技における1回のラウンド遊技では前記入賞手段の開放及び閉鎖からなる開閉動作が少なくとも1回行われ、前記1回のラウンド遊技は当該ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過したこと、及び1回のラウンド遊技において前記入賞手段へ予め定めた入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかの終了条件を満たすことにより終了し、前記大当り遊技終了後に前記高確率抽選状態を付与する際に行われる大当り遊技は、第1大当り遊技と、前記第1大当り遊技よりも前記上限ラウンド回数を少なく設定した第2大当り遊技を含み、前記小当り遊技は、当該小当り遊技中に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技から構成され、前記小当り遊技を付与する前記図柄変動ゲームの変動停止から前記小当り遊技を経て次の図柄変動ゲームが開始する迄の時間が、前記第2大当り遊技を付与する前記図柄変動ゲームの変動停止から前記第2大当り遊技を経て次の図柄変動ゲームが開始する迄の時間と略同一時間に設定されており、前記小当り遊技のラウンド遊技は当該ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過したこと、及び1回のラウンド遊技において前記入賞手段へ予め定めた入球上限個数の遊技球が入球したことのいずれかの終了条件を満たすことにより終了し、当該終了条件を満たすことにより前記小当り遊技を終了させる遊技機において、前記第2大当り遊技及び前記小当り遊技の終了後の遊技状態が前記高確率抽選状態であるか否かを秘匿する秘匿期間を設定し、秘匿演出を実行させる秘匿演出実行手段と、前記図柄変動ゲームにおいて当該ゲームが大当りとなるか否かを示唆する大当り予告演出を実行させる大当り予告実行手段と、を備え、前記大当り予告演出は複数種類用意され、前記複数種類の大当り予告演出には、前記大当り抽選及び前記小当り抽選に当選しなかったはずれ時にも出現し、そのはずれ時に出現する大当り予告演出の中で前記大当り抽選に当選した際に最も出現し易く設定した特定の大当り予告演出を含み、前記大当り予告実行手段は、前記秘匿期間が設定されている場合、前記秘匿期間中に前記大当り抽選に当選し、かつ前記第1大当り遊技が付与されるときのみに前記特定の大当り予告演出を実行させることを特徴とする遊技機。
10…パチンコ遊技機、13…遊技盤、21a…上始動入賞口、21b…下始動入賞口、22…開閉羽根、23…大入賞口、45…主制御基板、45a…主制御用CPU、45b…主制御用ROM、45c…主制御用RAM、46…サブ統括制御基板、46a…統括制御用CPU、46b…統括制御用ROM、46c…統括制御用RAM、Na,Nb…入球口。