以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る丁合装置10の全体構成図である。丁合装置10は、本体部12および管理部14を備える。本体部12は、丁合ユニット20、用紙フィーダ22、宛名フィーダ24、リジェクトユニット25、シート供給ユニット26、包装ユニット27、およびスタッカ28を有する。
丁合ユニット20は、第1給紙トレイ40A〜第20給紙トレイ40U(以下、必要に応じてこれらを「給紙トレイ40」と総称する)、給紙機構42、折り紙用給紙トレイ44、給紙機構46、折り機構50、および搬送ベルト62を有する。給紙トレイ40の各々は用紙を積載可能に設けられる。給紙機構42は、それぞれ給紙トレイ40のいずれかに対応するよう設けられ、対応する給紙トレイ40に積載された用紙のうち最上位の用紙を一枚ずつ送り出す。
図2は、第1の実施形態に係る丁合ユニット20における給紙トレイ40の一つとその周辺の構成を示す図である。給紙機構42は、給紙トレイ40の端部近傍に配置される。給紙トレイ40は、給紙機構42に近づくにしたがって下がるよう傾斜して配置される。
給紙機構42は、給紙補助ローラ80、給紙ローラ82、分離パッド84、ガイド板86、および横搬送ローラ88を有する。給紙補助ローラ80は給紙トレイ40の端部上方に配置され、給紙トレイ40に積載された用紙のうち最上位の用紙を送り出す。給紙ローラ82は、給紙補助ローラ80の用紙搬送方向下流側(以下、単に「下流側」という)に配置され、分離パッド84は、給紙ローラ82と接するよう給紙ローラ82の下方に配置される。給紙ローラ82および分離パッド84は、給紙補助ローラ80によって送り出された用紙が複数重なり合った状態となっている場合、それらを分離して最上位の用紙を一枚ずつ送り出す。給紙ローラ82および分離パッド84によって分離され送り出された用紙は、略水平なガイド板86上を搬送され、一対の横搬送ローラ88によって用紙セット搬送路90に送り出される。
用紙セット搬送路90は、間隔をもって配置された用紙搬送プレートによって形成され、鉛直方向に伸びるよう設けられる。用紙セット搬送路90に搬送された用紙は、用紙セット搬送路90を挟んで対向する一対の縦搬送ローラ92によって下方へと搬送される。こうして、複数の給紙トレイ40から給紙機構42によって送り出された複数の用紙が用紙セット搬送路90において重ね合わされ、用紙セットが形成される。
給紙センサ94は、給紙トレイ40の各々に対応して設けられている。給紙センサ94は、対応する給紙トレイ40から用紙が送り出されるときの空送りおよび重送を含む給紙エラーを検知する。具体的には、給紙センサ94は光センサによって構成され、検知されるべきタイミングで用紙の先端が検知されるか否かによって、給紙トレイ40からの空送りを検知する。また、給紙センサ94は、給紙トレイ40から送り出される用紙を透過する光を検知することによって、給紙トレイ40からの重送を検知する。これらの検知方法については公知であるため説明を省略する。
図3は、第1の実施形態に係る折り紙用給紙トレイ44および給紙機構46の構成を模式的に示す図である。折り紙用給紙トレイ44は、用紙を積載可能に設けられる。折り紙用給紙トレイ44の下流側には分離プレート102が配置され、さらにその下流側には中継プレート104が配置される。折り紙用給紙トレイ44は、下流側に進むにしたがって下がるよう傾斜して配置される。この折り紙用給紙トレイ44に用紙が直接積載される。分離プレート102および中継プレート104は、略水平に配置される。
給紙機構46は、折り紙用給紙トレイ44に積載された用紙から一枚ずつ用紙を送り出す。給紙機構46は、給紙補助ローラ106、給紙ローラ108、およびタイミングローラ110を有する。給紙補助ローラ106は、折り紙用給紙トレイ44に積載された用紙のうち最上位の用紙を下流側に送り出す。給紙ローラ108は、分離プレート102と共に用紙を挟持した状態で回転することにより、最上位をその下方の用紙から分離して下流側に送り出す。給紙ローラ108によって送り出された用紙はタイミングローラ110によってさらに下流側に送り出される。
給紙センサ94は、折り紙用給紙トレイ44にも対応して設けられる。給紙センサ94は、折り紙用給紙トレイ44から用紙が送り出されるときの空送りおよび重送などの給紙エラーを検知する。
図4は、第1の実施形態に係る丁合ユニット20の斜視図である。丁合ユニット20は、ベースフレーム31、フロントプレート32、およびリヤプレート34をさらに有する。フロントプレート32は奥行き方向の長さが短く、上下方向の長さが長い略直方体形状に形成され、丁合ユニット20の前方に配置される。リヤプレート34もフロントプレート32と略同一の形状に形成され、丁合ユニット20の後方に配置される。フロントプレート32およびリヤプレート34は、相互に間隔をもって対向するように、ベースフレーム31の上に固定される。
フロントプレート32とリヤプレート34の間に、給紙トレイ40の各々、および折り紙用給紙トレイ44が挟まれるように配置される。第1給紙トレイ40A〜第10トレイ40Jは、フロントプレート32とリヤプレート34との左側の間隔部から突出するように上下方向に略等間隔に下から順に配置される。第11給紙トレイ40K〜第20給紙トレイ40Uは、フロントプレート32とリヤプレート34との右側の間隔部から突出するように上下方向に略等間隔に上から順に配置される。
図1に戻る。折り紙用給紙トレイ44には、給紙トレイ40から送り出され重ね合わされた用紙セットを挟むように含んで折りたたまれるべき用紙が積載される。折り紙用給紙トレイ44に積載された用紙は、給紙機構46によって用紙セット搬送路90に向けて送り出される。折り紙用給紙トレイ44と用紙セット搬送路90を挟んだ反対側には、折り機構50が設けられる。折り機構50は、折り板52、ストッパ54、折りナイフ56、および折りローラ58を有する。
給紙機構46に積載された用紙を用紙セットに含ませる場合、給紙機構46によって折り紙用給紙トレイ44から送り出された用紙は、折り板52に搬送され、用紙の中央が用紙セット搬送路90に位置するようストッパ54によって先端が係止される。折り板52上に送り出された用紙に、用紙セット搬送路90から搬送された用紙セットが到達する直前のタイミングで折りナイフ56が下降し、折り板52上に載置された用紙の中央が折りローラ58によって折りたたまれる。
このように折り機構50は、折り紙用給紙トレイ44から送り出された用紙を、1以上の給紙トレイ40から送り出された用紙を挟むように折りたたむ挟み折り処理を施す。なお、折り機構50は、挟み折り処理を施して用紙セットを作成すべきときに、いずれかの給紙トレイ40で給紙エラーが検知された場合においても、その給紙エラーが生じたエラーセットを挟み折り処理を施して作成する。
給紙機構46に積載された用紙を用紙セットに含ませない場合、用紙セット搬送路90から搬送された用紙セットはそのまま折り機構50を通過する。こうして形成された用紙セットは、搬送ベルト62によってコンベヤ64に搬送される。
コンベヤ64は、本体部12の内部において水平に伸びるよう設けられる。このコンベヤ64に沿うよう、丁合ユニット20から用紙フィーダ22、宛名フィーダ24、リジェクトユニット25、包装ユニット27、およびスタッカ28の順に各々が配置される。
用紙フィーダ22は、給紙トレイ120および吸着パッド122を有する。給紙トレイ120は用紙を積載可能に設けられる。吸着パッド122は、給紙トレイ120に積載された用紙のうち最下位の用紙を吸着してコンベヤ64に送り出す。こうして、丁合ユニット20によって作成された用紙セットにさらに用紙を重ね合わせる。
宛名フィーダ24は、給紙トレイ130および吸着パッド132を有する。給紙トレイ130は用紙を積載可能に設けられる。給紙トレイ130には、主に用紙セットを配送すべき宛先が記載された宛名シートが積載される。吸着パッド132は、給紙トレイ130に積載された用紙のうち最下位の用紙を吸着してコンベヤ64に送り出す。こうして、コンベヤ64によって搬送される用紙セットにさらに宛名シートを重ね合わせる。以下、給紙トレイ40、折り紙用給紙トレイ44、給紙トレイ120、および給紙トレイ130を、必要に応じて「給紙トレイ」と総称する。
リジェクトユニット25は、ゲート140、リジェクト搬送路142、およびリジェクトトレイ144を有する。ゲート140はコンベヤ64に設けられ、コンベヤ64上に搬送される用紙セットをそのままコンベヤ64上で搬送させる状態と、リジェクト搬送路142に送り込む状態のいずれかに切り替え可能に設けられている。このようにゲート140は、給紙トレイ40から送り出された用紙の搬送先を切り替える搬送先切り替え機構として機能する。リジェクト搬送路142に搬送された用紙セットは、リジェクトトレイ144に排出され積載される。
シート供給ユニット26は、プリンタ145および用紙搬送機構146を有する。プリンタ145は、本体147および用紙トレイ148を有する。本体147は、用紙トレイ148に積載された用紙を一枚ずつ送り出してその用紙に画像を記録し、用紙搬送機構146に送り出す。用紙搬送機構146は、プリンタ145から送り込まれた用紙をリジェクトトレイ144に排出する。シート供給ユニット26は電子写真方式により用紙に画像を記録する。なお、シート供給ユニット26は、インクジェット方式またはオフセット印刷方式によって用紙に画像を記録してもよい。
包装ユニット27は、フィルムロール150、フォーマ152、横シールヒータ154、および縦シールヒータ156を有する。フォーマ152は、フィルムロール150から送り出されたフィルムでコンベヤ64上の用紙セットを包む。用紙セットを包むフィルムは、横シールヒータ154および縦シールヒータ156によって端部がシールされて用紙セットを密封する。こうして包装された用紙セットは、一対の排出ローラ160によってスタッカ28に送り出される。スタッカ28は、スタックトレイ162を有する。スタッカ28に送り込まれた用紙は、スタックトレイ162に積載される。
本体部12には、さらに本体制御部170が設けられる。本体制御部170は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMを有する。本体制御部170は、丁合ユニット20、用紙フィーダ22、宛名フィーダ24、リジェクトユニット25、シート供給ユニット26、および包装ユニット27の作動を制御する。
管理部14は、PC180、入力デバイス182、ディスプレイ184、およびハンディスキャナ186を有する。PC180もまた、CPU、ROM、およびRAMを有する。入力デバイス182は、PC180に接続されたマウス(図示せず)、およびキーボード(図示せず)を含む。ディスプレイ184は、PC180に接続される。
ハンディスキャナ186は、読み取りユニットとして機能し、バーコードや2次元コードなどの識別記号から情報を読み取るスキャナが採用されている。具体的には、第1の実施形態では、積載する前の用紙は、印刷などにより用紙に画像や文字を記録した後、その記録内容を識別するためのバーコードなどの識別記号が付された用紙(伝票)が添付されて納品される。添付される伝票には、広告内容を識別用紙識別情報が符号化された識別記号が付されている。ハンディスキャナ186は、このように積載すべき用紙に添付された用紙の識別記号から用紙識別情報を読み取る。このようなハンディスキャナは公知であることから、識別記号から用紙識別情報を読み取るための構成についての説明は省略する。ハンディスキャナ186は、PC180に接続されており、読み取った用紙識別情報をPC180に入力する。
図5は、第1の実施形態に係る丁合装置10の機能ブロック図である。なお、図5においてPC180および本体制御部170は、CPU、ROM、RAMなどのハードウェア、およびソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックが描かれている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェアおよびソフトウェアの組合せによって様々な形で実現することができる。
PC180は、情報取得部200、記憶部202、作成管理部204、および表示制御部206を有する。情報取得部200は、例えば配送すべき宛名を示す宛名情報、広告主を示す広告主情報、広告内容を示す内容情報、配布すべき地域、家族構成、性別、および嗜好などの属性に関する属性情報を取得する。
用紙識別情報は、例えばバーコードや2次元コードなどの識別記号を読み取るハンディスキャナなどによって読み取られてもよい。この場合、ハンディスキャナは、用紙識別情報を読み取る読み取りユニットとして機能する。
積載する前の用紙は、印刷などにより用紙に画像や文字を記録した後、その記録内容を識別するためのバーコードなどの識別記号が付された用紙(伝票)が添付されて納品される。この伝票に、広告主情報や内容情報などの用紙識別情報が符号化された識別記号が付されていてもよい。ハンディスキャナは、このように積載すべき用紙に添付された用紙の識別記号から用紙識別情報を読み取る。このようなハンディスキャナは公知であることから、識別記号から用紙識別情報を読み取るための構成についての説明は省略する。ハンディスキャナは、PC180に接続されており、読み取った用紙識別情報をPC180に入力する。なお、入力デバイス182を用いてユーザによって用紙識別情報が入力されてもよい。情報取得部200は、こうして入力された用紙識別情報を取得する。
また、ユーザは、入力デバイス182などを用いて、上述のように入力された用紙識別情報が示す用紙を積載すべき給紙トレイ40をディスプレイ184で選択することが可能となっている。情報取得部200は、こうしてユーザによって選択された給紙トレイ40を特定する給紙トレイ情報を取得する。情報取得部200は、例えばハンディスキャナによって読み取られた用紙識別情報と、その用紙識別情報によって識別される用紙が積載されるべき給紙トレイを示す給紙トレイ情報とを対応付けた第1の対応関係データベースを作成する。作成された第1の対応関係データベースは、記憶部202に格納される。
さらにユーザは、入力デバイス182などを利用して、ハンディスキャナ186によって読み取られた用紙識別情報に対応して属性情報を入力することが可能となっている。情報取得部200は、入力された属性情報を、その用紙識別情報に対応付けて第1の対応関係データベースを再構築する。
また、情報取得部200は、ユーザ、またはネットワークなどを介して、用紙セットの配送を希望する顧客によって入力された宛名情報および属性情報を、互いに対応付けられた状態で取得する。情報取得部200は、これら宛名情報および属性情報を互いに対応付けた第2の対応関係データベースを作成する。作成された第2の対応関係データベースは、記憶部202に格納される。
情報取得部200は、第1の対応関係データベースおよび第2の対応関係データベースを利用して、丁合マップを作成する。この丁合マップでは、用紙セットの配送先を示す宛名情報と、その用紙セットに含ませる用紙を送り出すべき給紙トレイ40と、その用紙セットの作成順とが複数の組合せで対応付けられる。宛名情報は、複数の用紙を重ね合わせて作成される用紙セットを特定する用紙セット識別情報として利用される。
具体的には、情報取得部200は、第2の対応関係データベースの各々の宛名情報に対応付けられたものと同一の属性情報を、第1の対応関係データベースにおいて検索する。情報取得部200は、1つでも共通する属性情報がある場合、第1の対応関係データベースにおいてその属性情報に対応付けられた給紙トレイ情報と、第2の対応関係データベースにおいてその属性情報に対応付けられた宛名情報とを、互いに対応付ける。こうして情報取得部200は、各々の宛名情報に配送すべき用紙束を作成するために用紙を送り出すべき給紙トレイ40を特定し、丁合マップを作成する。なお、丁合マップは、丁合動作の開始を指示するスタートボタンがユーザによって押されたあと、丁合動作と並行して、情報取得部200が第1の対応関係データベースおよび第2の対応関係データベースを利用して丁合マップを作成してもよい。記憶部202は、作成された丁合マップを保持する。
作成管理部204は、用紙セットの作成状況を管理する。表示制御部206は、ディスプレイ184の表示内容を制御する。
本体制御部170は、丁合制御部210、リジェクト制御部212、包装制御部214、およびシート供給ユニット制御部216を有する。丁合制御部210は、丁合マップにおいて各々の宛名情報に対応付けられた給紙トレイから用紙を送り出すよう複数の給紙機構による用紙の送り出しを制御することにより、各々の宛名情報に対応する用紙セットを作成する。
なお、丁合制御部210は、丁合マップを用いることなく、複数の給紙トレイのうち、2以上の給紙トレイの各々から用紙を送り出すよう複数の給紙機構による用紙の送り出しを制御することにより、送り出されたその2以上の用紙を重ね合わせて用紙セットを作成してもよい。例えば丁合制御部210は、所定の同じ複数の給紙トレイから用紙を送り出して各々の用紙セットを作成するよう用紙の送り出しを制御してもよい。このときの予定の複数の給紙トレイは、例えば入力デバイス182などを用いてユーザに選択された給紙トレイであってもよい。また、用紙が積載されていると判定された複数の給紙トレイを、上記予定の複数の給紙トレイとしてもよい。このときの用紙が積載されているか否かを判定は、給紙トレイに設けられた用紙積載センサ(図示せず)の検知結果を利用して行われてもよい。
丁合制御部210は、作成すべき用紙セットに含まれるべき用紙が積載された給紙トレイから用紙を送り出すよう、給紙機構42による用紙の送り出しを制御する。また、丁合制御部210は、吸着パッド122の作動を制御して用紙フィーダ22からの用紙の送り出しを制御し、吸着パッド132の作動を制御して宛名フィーダ24からの用紙の送り出しを制御する。
リジェクト制御部212は、ゲート140による用紙セットの搬送先の切り替えを制御する。したがってリジェクト制御部212は、用紙セットの搬送先を制御する搬送先制御部として機能する。リジェクト制御部212は、エラーセットをリジェクトトレイ144に排出させるようゲート140を切り替える。すなわちリジェクト制御部212は、給紙エラーが検知されなかった用紙セットとは異なる搬送先にエラーセットを搬送するよう、用紙搬送先を切り替える。包装制御部214は、包装ユニット27に含まれる各構成要素の作動を制御して用紙セットの包装を制御する。
図6は、第1の実施形態に係る丁合マップの一例を示す図である。図6において、「○」は、その宛名情報に配送する用紙束を作成するために、その給紙トレイ情報によって特定される給紙トレイから用紙を送り出すべきことを示している。
図6に示すように、丁合マップでは、用紙セットの作成順と、宛名情報と、用紙を送り出すべき給紙トレイ40、折り紙用給紙トレイ44、用紙フィーダ22、および宛名フィーダ24を示す給紙トレイ情報とが対応付けられている。このように、丁合マップでは、宛名情報ごとに異なる給紙トレイ情報の組み合わせが対応付けられている。
なお、第1の実施形態では、丁合マップにおいて、すべての宛名情報に対して、宛名フィーダ24の給紙トレイ130を示す「宛」と記載された給紙トレイ情報のすべてが「○」とされている。すなわち丁合マップでは、宛名情報と給紙トレイとの複数の組合せのすべてにおいて、用紙セットに含ませる用紙を送り出すべき給紙トレイを示す給紙トレイ情報として、宛名フィーダ24の給紙トレイ130を示す給紙トレイ情報が含まれている。宛名フィーダ24の給紙トレイ130には、主に各々の宛名情報が付された宛名シートが積載される。このように用紙を送り出すべき給紙トレイとして常に給紙トレイ130が含まれていることによって、すべての用紙セットに宛名シートを含ませることができる。
第1の実施形態に係る宛名シートには、宛名情報を符号化した識別記号が付されている。ユーザは、ハンディスキャナ186を使ってその識別記号から宛名情報を読み出すことが可能となっている。丁合制御部210は、いずれかの給紙トレイにおいて給紙エラーが検知された場合においても、その給紙エラーが発生したエラーセットに宛名シートを含ませる。これにより、リジェクトトレイ144に排出されたエラーセットの宛名情報を読み出すことができる。
図7は、丁合マップにしたがって丁合を実施したときの給紙エラーの発生状況の一例を示す図である。丁合制御部210は、ある用紙セットの作成工程中に、その用紙セットに含ませるべく用紙を送り出すときにいずれかの給紙トレイ40において給紙エラーが検知された場合においても、その用紙セットの作成を継続することにより、給紙エラーが生じた用紙セットであるエラーセットを作成する。このとき、作成管理部204は、いずれかの給紙トレイで給紙エラーが発生した場合に、その給紙エラーが発生した用紙セットの宛名情報と、給紙エラーが発生した給紙トレイの給紙トレイ情報、およびその給紙トレイにおいて発生した給紙エラーの内容とを対応付けて保持する。
図7に示す例では、「−」は、給紙エラーが検知されることなく用紙が送り出されたことを示している。また、「D」は、その給紙トレイ情報によって特定される給紙トレイにおいて重送が検知されたことを示している。また、「N」は、その給紙トレイ情報によって特定される給紙トレイにおいて空送りが検知されたことを示している。
図8は、第1の実施形態に係るエラー情報テーブルの一例を示す図である。作成管理部204は、図7に示すような宛名情報と給紙トレイ、および給紙エラーの内容との対応関係を利用して、エラー情報テーブルを作成する。
エラー情報テーブルには、エラー番号、用紙セットの作成順、宛名情報、およびエラー内容情報が対応付けられる。エラー番号は、エラーセットの作成順を示す番号である。このエラー番号は、その給紙エラーが生じたエラーセットを特定する用紙セット識別情報として利用される。エラー内容情報は、給紙エラーが検知された給紙トレイとその給紙トレイで検知された給紙エラーの内容とが互いに対応付けられた情報である。このエラー内容情報は、給紙エラーが生じたことを示すエラー情報として利用される。
たとえば、第1行に記載する「02−D」のうち、「02」は番号が2の給紙トレイ、すなわち第2給紙トレイ40Bの給紙トレイ情報を示している。また、「D」は、重送の発生という給紙エラーの内容を示している。したがって、「02−D」は、第2給紙トレイ40Bで重送が発生したことを示している。また、例えば第1行に記載する「16−N」のうち、「16」は第16給紙トレイ40Qの給紙トレイ情報を示している。また、「N」は、空送りの発生という給紙エラーの内容を示している。したがって、「16−N」は、第16給紙トレイ40Qで空送りが発生したことを示している。このように、エラー情報では、宛名情報の各々に対して、給紙エラーが発生した給紙トレイの給紙トレイ情報と、その給紙トレイで発生した給紙エラーの内容とが対応付けられている。
作成管理部204は、給紙エラーが検知された給紙トレイとその給紙トレイで検知された給紙エラーの内容とが互いに対応付けられたエラー内容情報をエラー情報として、その給紙エラーが生じたエラーセットの宛名情報に対応付けたエラー情報テーブルを作成する。
図9は、エラー情報シート250の一例を示す図である。第1の実施形態では、シート供給ユニット26は、いずれかの給紙トレイで給紙エラーが検知された場合、その給紙エラーが生じたエラーセットを特定するエラー番号、給紙エラーが生じた給紙トレイの給紙トレイ情報、および各々の給紙トレイにおける給紙エラーの内容を表す画像を用紙に記録してエラー情報シート250を作成する。シート供給ユニット26は、作成したエラー情報シート250をリジェクトトレイ144に排出することにより、すでにリジェクトトレイ144に排出されたエラーセットのうち最上位に積載されたエラーセットの上にそのエラー情報シート250を含ませる。なお、シート供給ユニット26は、エラーセットが排出される直前にエラー情報シート250をリジェクトトレイ144に排出することにより、エラーセットの下にエラー情報シート250を含ませてもよい。
このようにエラー情報シート250をエラーセットに含ませることによって、ユーザは、そのエラーセットにどのような給紙エラーが生じたかを容易に把握することができる。このため、そのエラーセットを適切な用紙セットに直すときに、どのように直すべきかをユーザは容易に把握することができる。
また、プリンタ145は、エラー情報シート250に、そのエラーセットの宛名情報、およびエラー内容情報が符号化された識別記号も記録する。ハンディスキャナ186によってこの識別記号から宛名情報およびエラー内容情報が読み取られると、丁合制御部210は、エラー内容情報において空送りの給紙エラーの内容に対応付けられた給紙トレイから用紙を送り出す。リジェクト制御部212は、送り出された用紙をリジェクトトレイ144に排出させる。これにより、ユーザは、ハンディスキャナ186を用いた簡易な操作により、空送りによってエラーセットに含まれなかった用紙を補充することが可能となる。なお、ハンディスキャナ186によってこの識別記号から宛名情報およびエラー内容情報が読み取られたときに、丁合制御部210は、丁合マップにおいてその宛名情報に対応付けられた給紙トレイからの用紙の送り出しを開始させて、あらたにその用紙セットを作成してもよい。
なお、エラー情報シート250に付された識別符号に、用紙を送り出すべき給紙トレイを特定する給紙トレイ情報が符号化されていてもよい。これにより、丁合制御部210は、丁合マップを参照することなく、用紙を送り出すべき給紙トレイを特定することができる。さらにユーザは、エラー情報シート250に付された識別符号に代えて、宛名シートに付された識別記号からハンディスキャナ186を用いて宛名情報を読み取ってもよい。
図10は、第1の実施形態に係るエラー情報画面260を示す図である。ユーザは、入力デバイス182を使ってPC180に所定の入力操作を施すことによって、PC180にエラー情報画面260を表示させるための表示指令を入力することができる。表示制御部206は、その表示指令を受信したときに、エラー情報テーブルを参照して、エラー番号の各々と、そのエラー番号に対応付けられたエラー内容情報に含まれる給紙トレイおよび給紙エラーの内容とを、対応付けてディスプレイ184に表示させる。なお、表示制御部206は、少なくとも1つのエラー番号と、そのエラー番号に対応付けられたエラー内容情報に含まれる給紙トレイおよび給紙エラーの内容とをディスプレイ184に表示させてもよい。
エラー情報画面260には、エラー番号表示欄262、エラー内容表示欄264、システム表示ボタン266、およびリカバリ給紙ボタン268が設けられる。エラー番号表示欄262には、作成されたエラーセットのエラー番号が表示される。エラー内容表示欄264には、給紙エラーが生じた給紙トレイの番号と、その給紙トレイで生じた給紙エラーの内容を表す記号とが対応付けられたエラー内容情報が表示される。このエラー内容表示欄264の各々は、対応するエラー番号のすぐ横に配置される。さらに、エラー番号表示欄262およびエラー内容表示欄264に対応付けるよう、エラー内容表示欄264の各々の横にシステム表示ボタン266が1つずつ配置され、さらにその横にリカバリ給紙ボタン268が1つずつ配置される。システム表示ボタン266がクリックされたときの処理については後述する。
リカバリ給紙ボタン268がクリックされると、PC180は、対応するエラー番号を指定したリカバリ指令を本体制御部170に入力する。丁合制御部210は、リカバリ指令を受信すると、エラー情報テーブルを利用して、指定された用紙セット識別情報によって特定されるエラーセットの作成工程において空送りが検知された給紙トレイから用紙を送り出すよう用紙の送り出しを制御する。リジェクト制御部212は、こうして送り出しされた用紙をリジェクトトレイ144に排出させる。
なお、送り出された用紙がスタックトレイ162に排出されてもよい。また、送り出された用紙が、リジェクトトレイ144やスタックトレイ162とは別に設けられたリカバリ用トレイ(図示せず)に排出されてもよい。ユーザは、こうして送り出された用紙をそのエラー番号のエラーセットに含ませることにより、エラーセットを容易に適切な用紙セットに直すことができる。
図11は、第1の実施形態に係るシステム表示画面300を示す図である。エラー情報画面260のシステム表示ボタン266がクリックされると、表示制御部206は、システム表示画面300をディスプレイ184に表示させる。システム表示画面300は、エラー番号表示欄302、トレイ表示欄304、エラー内容表示欄306、およびリカバリ給紙ボタン310を有する。
エラー番号表示欄302には、クリックされたシステム表示ボタン266に対応するエラー番号が表示される。トレイ表示欄304は、給紙トレイ40、折り紙用給紙トレイ44、宛名フィーダ24、および包装ユニット27の各々の番号や名称を、実際の配置にしたがって配置することにより、丁合装置10の給紙トレイの各々を模式的に示している。
エラー内容表示欄306には、重送が生じたことを示す「Double feed」の文字や、空送りが生じたことを示す「Non feed」などの給紙エラーの内容が文字として表示される。給紙エラーの内容は、その給紙エラーが生じた給紙トレイのすぐ横に表示される。このように、実際の丁合装置10を模したトレイ表示欄304のすぐ横に給紙エラーの内容を表示させることにより、どの給紙トレイでどのような給紙エラーが発生したかをユーザは容易に理解することができる。
なお、システム表示画面300にもリカバリ給紙ボタン310が設けられている。リカバリ給紙ボタン310がクリックされたときの動作は、同じエラー番号表示欄262に対応するリカバリ給紙ボタン268がクリックされたときの動作と同様であるため説明を省略する。
(第2の実施形態)
図12は、第2の実施形態に係る丁合装置400の全体構成図である。特に言及しない限り、丁合装置400の構成および動作は、第1の実施形態に係る丁合装置10と同様である。以下、丁合装置10と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
丁合装置400では、用紙フィーダ22、宛名フィーダ24、およびシート供給ユニット26が削除され、バーコードリーダ402が追加された以外は、第1の実施形態に係る丁合装置10と同様に構成される。第2の実施形態では、折り紙用給紙トレイ44が、宛名シートが積載されるべき給紙トレイとなる。
バーコードリーダ402は、折り紙用給紙トレイ44に積載された用紙に付され且つ所定領域において露出する識別記号から宛名情報を読み取る。バーコードリーダ402は、本体制御部170を介してPC180に接続されている。バーコードリーダ402によって読み取られた宛名情報は、本体制御部170を通じてPC180に入力される。
なお、バーコードリーダ402は、折り紙用給紙トレイ44と共に、または折り紙用給紙トレイ44に代えて、給紙トレイ40のうち1以上の給紙トレイ40の各々に対応して設けられてもよい。バーコードリーダ402は、対応する給紙トレイ40に積載された用紙に付された画像からその用紙を識別するための宛名情報を読み取ってもよい。
丁合制御部210は、バーコードリーダ402によって読み取られた宛名情報と一致する宛名情報を丁合マップにおいて検索する。一致する宛名情報がある場合、丁合制御部210は、その宛名情報に対応付けられた給紙トレイから用紙を送り出すよう、給紙機構による用紙の送り出しを制御する。
なお、丁合制御部210は、丁合マップの作成順に、その作成順に対応付けられた給紙トレイから用紙を送り出すよう、給紙機構による用紙の送り出しを制御してもよい。この場合、丁合制御部210は、バーコードリーダ402によって読み取られた宛名情報が、丁合マップにおける作成順通りの宛名情報か否かを判定する。折り紙用給紙トレイ44における重送や空送りなどが原因で、読み取られた宛名情報が丁合マップにおける作成順通りの宛名情報となっていない場合、丁合制御部210は、丁合動作を停止してもよく、または現在送り出しが開始されている用紙をリジェクトトレイ144に排出してもよい。
図13は、第2の実施形態に係るエラー情報画面450を示す図である。ユーザは、入力デバイス182を使ってPC180に所定の入力操作を施すことによって、PC180にエラー情報画面450を表示させるための表示指令を入力することができる。表示制御部206は、その表示指令を受信したとき、エラー情報画面450をディスプレイ184に表示させる。
エラー情報画面450は、エラー番号表示欄262に代えて氏名表示欄452が設けられる以外は、第1の実施形態に係るエラー情報画面260と同様である。氏名表示欄452には、エラーセットを識別するための宛名情報が表示される。したがってエラー情報画面450では、エラーセットの各々の宛名情報と、エラー情報テーブルにおいてその宛名情報に対応付けられたエラー内容情報に含まれる給紙トレイおよび給紙エラーの内容とが、対応付けられて表示される。なお、表示制御部206は、少なくとも1つの宛名情報と、そのエラー番号に対応付けられたエラー内容情報に含まれる給紙トレイおよび給紙エラーの内容とをディスプレイ184に表示させてもよい。
第2の実施形態では、丁合マップは、宛名情報と給紙トレイとの複数の組合せのすべてにおいて、用紙セットに含ませる用紙を送り出すべき給紙トレイを示す給紙トレイ情報として折り紙用給紙トレイ44を示す給紙トレイ情報が含まれている。上述のように、第2の実施形態では、折り紙用給紙トレイ44は、宛名シートが積載されるべき給紙トレイとして利用される。このため、すべての用紙セットに宛名シートが含められ、この結果、エラーセットにも宛名シートが含められる。したがってユーザは、エラーセットに含められた宛名シートに記載された宛名と、エラー情報画面450に表示された宛名とを照合することによって、そのエラーセットの作成工程においてどの給紙トレイでどのような給紙エラーが発生したかを容易に特定することができる。
さらに、折り機構50は、挟み折り処理を施して用紙セットを作成すべきときに、いずれかの給紙トレイ40で給紙エラーが検知された場合においても、その給紙エラーが生じたエラーセットを挟み折り処理を施して作成する。宛名シートの裏面には宛名が記載されており、挟み折り処理が施されることにより用紙セットの表紙に宛名が表示される。このため、ユーザは簡易に宛名を確認することが可能となっている。また、複数のエラーセットがリジェクトトレイ144に排出された場合においても、各々のエラーセットに挟み折り処理が施されることにより、エラーセット同士を容易に分離することができる。
(第3の実施形態)
図14は、第3の実施形態に係る丁合装置500の全体構成図である。特に言及しない限り、丁合装置500の構成および動作は、第1の実施形態に係る丁合装置10と同様である。以下、丁合装置10と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
丁合装置500は、リジェクトユニット25およびシート供給ユニット26に代えてリジェクトユニット502が設けられた以外は、第1の実施形態に係る丁合装置10と同様に構成される。
リジェクトユニット502は、第1リジェクトトレイ504A〜第5リジェクトトレイ504E(以下、必要に応じて「リジェクトトレイ504」と総称する)、および排出先切り替え機構506を有する。リジェクトトレイ504の各々には、エラーセットが排出される。したがって、リジェクトトレイ504の各々は、エラーセット排出部として機能する。排出先切り替え機構506は、エラーセットの排出先をリジェクトトレイ504のいずれかに切り替える。
リジェクト制御部212は、いずれかの給紙トレイで給紙エラーが検知された場合、排出先切り替え機構506による排出先の切り替えを制御して、その給紙エラーが生じたエラーセットをリジェクトトレイ504のいずれかに排出させる。したがってシート供給ユニット制御部216は、エラーセットの排出先を制御する排出制御部として機能する。
具体的には、リジェクト制御部212は、いずれかの給紙トレイ40で給紙エラーが検知された場合、第1リジェクトトレイ504A〜第5リジェクトトレイ504Eの順にエラーセットが排出されるよう、排出先切り替え機構506の切り替えを制御する。すべてのリジェクトトレイ504にエラーセットが排出された場合、丁合制御部210は、最後のエラーセットが排出されたとき、または次にいずれかの給紙トレイで給紙エラーが検知されたときに、丁合動作を停止させてもよい。
図15は、エラー情報テーブルの一例を示す図である。作成管理部204は、リジェクトトレイ504を特定するリジェクトトレイ情報を、そのリジェクトトレイ504に排出されたエラーセットを特定する宛名情報に対応付けたエラー情報テーブルを作成する。リジェクトトレイ番号は、エラーセット排出部を特定する排出部識別情報として利用され、およびその番号のリジェクトトレイ504に排出された用紙セットがエラーセットであることを示すエラー情報としても利用される。
具体的には、作成管理部204は、リジェクトトレイ番号と、リジェクトトレイに排出されたエラーセットの宛名情報と、給紙エラーが検知された給紙トレイとその給紙トレイで検知された給紙エラーの内容とが互いに対応付けられたエラー内容情報と、を互いに対応付けたエラー情報テーブルを作成する。
図16は、第3の実施形態に係るエラー情報画面550を示す図である。ユーザは、入力デバイス182を使ってPC180に所定の入力操作を施すことによって、PC180にエラー情報画面550を表示させるための表示指令を入力することができる。表示制御部206は、その表示指令を受信したとき、エラー情報画面550をディスプレイ184に表示させる。エラー情報画面550は、エラー番号表示欄262に代えてリジェクトトレイ表示欄552が設けられる以外は、第1の実施形態に係るエラー情報画面260と同様である。
リジェクトトレイ表示欄552には、リジェクトトレイ504の各々を識別するための名称が表示される。エラー情報画面550では、リジェクトトレイ504の各々の名称と、そのリジェクトトレイ504に排出されたエラーセットにエラー情報テーブルにおいて対応付けられたエラー内容情報に含まれる給紙トレイおよび給紙エラーの内容とを、互いに対応付けて表示される。
なお、表示制御部206は、エラー情報画面550において、少なくとも1つのエラー番号と、そのエラー番号に対応付けられたエラー内容情報に含まれる給紙トレイおよび給紙エラーの内容とをディスプレイ184に表示させてもよい。なお、エラー情報画面550において、エラーセットが排出されたリジェクトトレイを識別する情報と、そのエラーセットの宛名情報が対応付けられてディスプレイ184に表示されてもよい。
このようにエラー情報画面550を表示することで、ユーザは、リジェクトトレイ504の各々に排出されたエラーセットにおいて、その作成工程中にどのような給紙エラーがどの給紙トレイで生じたかを容易に把握することができる。
第3の実施形態ではリカバリ給紙ボタン268がクリックされると、PC180は、本体制御部170に、クリックされたリカバリ給紙ボタン268に対応するエラー番号を指定したリカバリ指令を入力する。リカバリ指令を受信すると、丁合制御部210は、エラー情報テーブルを利用して、指定された用紙セット識別情報によって特定されるエラーセットの作成工程において空送りが検知された給紙トレイ40から用紙を送り出すよう用紙の送り出しを制御する。リジェクト制御部212は、送り出された用紙を、指定された宛名情報のエラーセットが排出されたリジェクトトレイ504に排出するよう、ゲート140および排出先切り替え機構506の作動を制御する。これにより、空送りについては、リカバリ給紙ボタン268をクリックすることにより簡易に解消することが可能となる。
(第4の実施形態)
図17は、第4の実施形態に係る用紙セット作成状況画面600を示す図である。特に言及しない限り、第4の実施形態に係る丁合装置の構成および動作は、第2の実施形態に係る丁合装置400と同様である。以下、丁合装置10と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
ユーザは、入力デバイス182を使ってPC180に所定の入力操作を施すことによって、PC180に用紙セット作成状況画面600を表示させるための表示指令を入力することができる。表示制御部206は、その表示指令を受信したとき、用紙セット作成状況画面600をディスプレイ184に表示させる。
エラー情報画面550には、作成順表示欄602、宛名表示欄604、丁合状況表示欄610、およびセット無しリカバリ給紙ボタン614が設けられる。作成順表示欄602には、用紙セットの作成順が、上から数字の小さい順に表示される。宛名表示欄604には、用紙セットを配送すべき宛名情報が表示される。宛名表示欄604には、氏名表示欄606および住所表示欄608が設けられている。氏名表示欄606に宛名情報に含まれる氏名が表示され、住所表示欄608に宛名情報に含まれる住所が表示される。丁合状況表示欄610には、用紙セットの作成状況が表示される。用紙セット作成状況画面600では、用紙セットの各々の作成順と、用紙セットの各々の宛名情報と、用紙セットの各々の作成状況とが互いに対応付けて表示される。
給紙エラーが検知されることなく作成された用紙セットに対しては、表示制御部206は、その用紙セットの宛名情報の横の丁合状況表示欄610に、「丁合済み」と表示する。しかし、給紙エラーが発生したエラーセットに対しては、表示制御部206は、そのエラーセットの宛名情報の横の丁合状況表示欄610に、給紙エラー確認ボタン612を表示させる。
図18は、第4の実施形態に係るシステム表示画面650を示す図である。用紙セット作成状況画面600の給紙エラー確認ボタン612がクリックされると、表示制御部206は、システム表示画面650をディスプレイ184に表示させる。システム表示画面650は、エラー番号表示欄302に代えて氏名表示欄652が設けられ、さらに重送クリアボタン654が追加された以外は、第1の実施形態に係るシステム表示画面300と同様である。氏名表示欄652には、クリックされた給紙エラー確認ボタン612に対応する宛名情報に含まれる氏名が表示される。
ユーザは、システム表示画面650を見ながら、氏名表示欄652に表示された氏名が付されたエラーセットから、重送した用紙を取り除くことができる。すべての重送を取り除いた後、ユーザは、重送クリアボタン654をクリックすることにより、そのエラーセットに対応付けられていた重送という給紙エラーの内容を消去することができる。重送クリアボタン654がクリックされると、作成管理部204は、エラー情報テーブルにおいてその宛名情報に対応付けられていた重送という給紙エラーの内容を消去する。表示制御部206は、システム表示画面650のエラー内容表示欄306から、重送を示す「Double feed」という文字を消去する。
また、リカバリ給紙ボタン310がクリックされると、空送りの給紙エラーが発生した給紙トレイから用紙が送り出される。送り出された用紙はエラーセットに適切に含められると考えられる。このため作成管理部204は、リカバリ給紙ボタン310がクリックされると、エラー情報テーブルにおいてその宛名情報に対応付けられていた空送りという給紙エラーの内容を消去する。表示制御部206は、システム表示画面650のエラー内容表示欄306から、空送りを示す「Non feed」という文字を消去する。エラー内容表示欄306から給紙エラーの内容のすべてが消去されると、表示制御部206は、システム表示画面650を閉じて再び用紙セット作成状況画面600をディスプレイ184に表示させる。
図17に戻る。表示制御部206は、このように一度給紙エラーが発生して作成されたエラーセットが適切な用紙セットに直されたことを確認すると、用紙セット作成状況画面600の丁合状況表示欄610に、「丁合済み(リカバリ済み)」と表示する。これにより、一度はエラーセットとなったが、既に適切な用紙セットに直されたことをユーザに報知することができる。
また、作成管理部204は、丁合マップにおいて宛名情報に対応付けられたすべての給紙トレイから用紙が送り出されたか否かの判定結果などを利用して、その宛名情報の用紙セットまたはエラーセットが作成されたか否かを判定する。例えばジャムの発生などによって途中で丁合動作が停止して用紙セットが作成されていない場合、作成管理部204は、その宛名情報に対応して作成未了フラグをオンにすることによって、その宛名情報の用紙セットがまだ作成されていないことを示す情報を保持する。表示制御部206は、作成未了フラグがオンにされている宛名情報がある場合、用紙セット作成状況画面600において、その宛名情報に対応する丁合状況表示欄610に「セット無し」と表示させる。
ユーザによってセット無しリカバリ給紙ボタン614がクリックされると、丁合制御部210は、このようにまだ作成されていないことを示す情報が対応付けられた宛名情報の用紙セットの作成を開始する。その後の処理は、通常の丁合動作と同様である。
なお、第4の実施形態が、第1の実施形態に係る丁合装置10に適用されてもよい。この場合、用紙セット作成状況画面600に、宛名情報に対応付けてエラー番号が表示されてもよい。また、第4の実施形態が、第3の実施形態に係る丁合装置500に適用されてもよい。この場合、用紙セット作成状況画面600に宛名情報に対応付けてリジェクトトレイ番号が表示されてもよい。
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そのような例をあげる。
ある変形例では、給紙エラーが検知されなかった用紙セットと、給紙エラーが検知されたエラーセットとが同じ排出先に排出される。この場合も、エラー情報シートがエラーセットに含められてもよい。これにより、リジェクトトレイなどを設けるスペースやコストを削減することが可能となる。この場合、給紙エラーが検知されたエラーセットを、給紙エラーが検知されなかった用紙セットに対しオフセットして積載するオフセット積載機構が設けられてもよい。