以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
(丁合装置)
図1は、実施形態に係る丁合装置10の構成を示す。丁合装置10は、複数の用紙を積載して、所望の積載順に各用紙が並べられた用紙束を作成する。丁合装置10は、給紙装置100と、中綴じ折り装置200と、断裁装置300と、用紙積載装置400と、管理装置500と、を備える。
(給紙装置)
給紙装置100は、用紙束に含めるべき用紙を送り出す。給紙装置100は、第1給紙部110a〜第10給紙部110j(これらをまとめて「給紙部110」ともよぶ)と、搬送路120と、を含む。各給紙部110は上下方向に並設される。ここでは、第1給紙部110a〜第10給紙部110jが、この順に上側から並んでいる。各給紙部110はそれぞれ、給紙台111と、分離給送機構112と、エラーセンサ113と、用紙有無センサ114と、を含む。
給紙台111には用紙が積載される。したがって、給紙台111は用紙を収容する用紙収容部として機能する。分離給送機構112は、管理装置500から給紙指示を受け付けると、給紙台111に積載された用紙のうち最上位の用紙を分離して搬送路120に送り出す。分離給送機構112は、エア吸引式の分離給送機構やフリクション式の分離給送機構などの公知の技術を用いて構成される。
エラーセンサ113は、用紙が重なったまま送り出される重送、送り出されるべき用紙が送り出されない空送り、紙詰まり(ジャム)、等の給紙エラーを検出する。エラーセンサ113は、搬送路を挟んで設けられた発光素子および受光素子(いずれも不図示)を有する。例えばエラーセンサ113は、用紙が通過したときに用紙を透過する透過光量を測定し、これが所定の閾値よりも低い場合に重送と判断する。つまり、2枚以上の場合は用紙を透過する光量が低くなることを利用している。また、発光素子と受光素子との間を用紙の先端が通過してから後端が通過するまでのパルス数を計測することによって、用紙の長さを測定することもできる。エラーセンサ113は公知の技術であるため、これ以上の説明は省略する。用紙有無センサ114は、給紙台111の用紙の有無(用紙切れ)を検出する。用紙有無センサ114は公知の技術を用いて構成される。
搬送路120は、給紙部110から送り出された用紙を搬送する。搬送路120は、下方において搬送路120aと搬送路120bとに分岐する。搬送路120aは中綴じ折り装置200に接続され、搬送路120bは用紙積載装置400に接続される。作成する用紙束を中綴じ折り装置200側に排出する(以下、「左出し排出」とよぶ)場合は搬送路120aに用紙を送り出し、用紙積載装置400側に排出する(以下、「右出し排出」とよぶ)場合は搬送路120bに用紙を送り出す。
(中綴じ折り装置)
中綴じ折り装置200は、給紙装置100から送り込まれた用紙に中綴じ折り処理を施す。中綴じ折り装置200は、搬送路210と、ベルト搬送機構212と、綴じ機構220と、折り機構230と、綴じ折り冊子搬送路240と、折り無しスタッカ250と、リジェクトトレイ260を有する。綴じ機構220および折り機構230は、搬送路210の周辺に配置される。搬送路210は、給紙装置100から送り込まれた用紙を搬送する。
綴じ機構220は、サイドジョガー221と、ステッチャ222と、綴じストッパ223と、バックジョガー224と、を有する。給紙装置100から送られてきた用紙は、綴じストッパ223トッパに当接して停止する。したがって、この位置で用紙が積載されて用紙束が作成される。用紙束の後端にバックジョガー224が当接する。バックジョガー224は、用紙束の後端から用紙搬送方向上流側(以下、単に「上流側」という)に少し離れた位置と、用紙束に当接する位置との間を往復する。これにより用紙の前後方向が揃う。同様に、サイドジョガー221は、用紙の側端から幅方向に少し離れた位置と、用紙束に当接する位置との間を往復する。これより用紙の幅方向が揃う。
ステッチャ222は揃えられた用紙束を綴じる。ステッチャ222は、長尺の針金から所定長さだけ切り出して、これをコの字に変形させて用紙束に打ち込み、突き抜けた脚の部分を内側に折り曲げて綴じを行う。続いて綴じストッパ223が下降し、用紙束は折り機構230に送り込まれる。
折り機構230は、綴じ機構220よりも搬送方向下流側(以下、単に「下流側」とよぶ)に設けられる。折り機構230は、綴じ機構220において綴じられた用紙束を、綴じた箇所で折りたたむ。折り機構230は、一対の折りローラ231と、折りナイフ232と、折りストッパ233と、を有する。
綴じ機構220から送られてきた用紙束は、折りストッパ233に当接して停止する。一対の折りローラ231は、軸方向が用紙搬送方向と垂直な方向に向くよう、用紙搬送方向に並設されている。折りストッパ233により用紙搬送方向の用紙束の位置決めがされた状態で折りナイフ232を一対の折りローラ231の間に上昇させると、用紙束が一対の折りローラ231の間に巻き込まれる。一対の折りローラ231は、用紙束を上方に搬送するよう回転する。これにより、用紙束が綴じた位置で二つ折りされて冊子の形になる。二つ折りされた用紙束は、上方に向かう綴じ折り冊子搬送路240を通ってベルト搬送機構212に送り込まれる。ベルト搬送機構212は、作成された用紙束を断裁装置300の搬送路310(後述)に送り出す。
折りストッパ233は、搬送路210に進退可能となっている。「平綴じ」や「綴じなし」など折りが不要な場合は、折りストッパ233を搬送路210から退避させる。これにより、用紙束は折りストッパ233の下流に設けられた折り無しスタッカ250に積載される。
(断裁装置)
断裁装置300は、搬送路310と、小口断裁機構320と、綴じ折りスタッカ330と、搬送エラーセンサ340と、を有する。小口断裁機構320は、中綴じ折り装置200から送られてきた用紙束の小口を断裁して最終的な用紙束を作成する。小口断裁機構320は、小口断裁刃321と、用紙押さえ部322と、小口断裁ストッパ323と、を有する。
小口断裁ストッパ323は、搬送路310に進退可能とされている。冊子の形にされた用紙束の小口を断裁する場合、断裁装置300は、用紙束が送り込まれるタイミングで小口断裁ストッパ323を搬送路310に突出させる。これにより、断裁装置300に送り込まれた用紙束は下流側の端部が小口断裁ストッパ323に当接して停止する。
用紙押さえ部322は小口断裁ストッパ323より上流側の搬送路310上方に配置され、モータ(不図示)が作動することにより下降する。小口断裁刃321は、用紙押さえ部322より上流側の搬送路310上方に設けられ、モータ(不図示)が作動することにより下降する。用紙押さえ部322を下降させて用紙束を押さえつけ、用紙束のふくらみを無くす。この状態で、小口断裁刃321を下降させて用紙束の小口を切り揃える。切り揃えられた冊子は、綴じ折りスタッカ330上に蓄積される。
搬送エラーセンサ340は、到来するはずの用紙が来ない場合に搬送エラーとして検知する。なお、搬送エラーセンサ340は、断裁装置300に代えて、あるいは断裁装置300とともに他の装置に設けられてもよい。また、搬送エラーセンサ340は、通過するはずの用紙が通過せず検知したままになった場合も、搬送エラーとして検知してもよい。
(用紙積載装置)
用紙積載装置400は、紙受けガイド410と、紙受台420と、移動機構430と、搬送エラーセンサ440と、を有する。給紙装置100の右側排出口側に送られた用紙束は、用紙積載装置400の紙受台420上に排出される。排出時に紙受けガイド410で揃えられるとともに、用紙束1束の区切りがわかるように、1束ずつずらして積載される。用紙束を載置するごとに移動機構430により紙受台420を用紙束の厚み分下降させる。これにより積載された用紙束の最上位の束の位置が、紙受けガイド410の近傍に保たれる。搬送エラーセンサ440は、到来するはずの用紙が来ない場合に搬送エラーとして検知する。
(管理装置)
管理装置500は、給紙装置100、中綴じ折り装置200、断裁装置300および用紙積載装置400を制御する。管理装置500と各装置とは、無線網または/および有線網の通信網を介して接続される。管理装置500は、入力装置510および出力装置520と接続される。入力装置510は、例えば、ユーザの入力を受けるためのキーボードやマウスである。入力装置510は、インターネットなどのネットワークやCD、DVDなどの記録媒体から入力を受けるよう構成されていてもよい。出力装置520は、例えば、ディスプレイなどの表示機器である。管理装置500は、図2〜6で後述する各種画面を出力装置520に表示し、各種画面に対するユーザの入力を入力装置510を介して受け付ける。
図2〜6は、出力装置520に表示される各種画面を示す。
図2は、初期画面600を示す。初期画面600は、丁合装置10に電源が投入されたときに出力装置520に表示される。アクションボタン欄601には、各装置の操作を行うためのボタンが表示される。予備給紙ボタン602をクリックすると予備給紙が開始される。「予備給紙」とは、各給紙台111に積載されている用紙の物性を取得するための給紙である。より具体的には、予備給紙とは、各給紙台111に積載されている用紙の透過光量と長さとを取得するための給紙である。用紙の透過光量は、重送検知の閾値の決定に使用される。用紙の長さは、給紙部110に給紙指示を送る給紙間隔を決定するのに使用される。用紙が短いほど短い間隔での給紙指示を送ることができ、処理速度が向上する。本実施の形態では、エラーセンサ113を利用してこれらを取得する。
スタートボタン603をクリックすると用紙束の作成が開始される。ストップボタン604をクリックすると用紙束の作成が中断される。カウンタ欄605には、作成する用紙束の数と、作成された用紙束のリアルタイムの数とが表示される。作成する用紙束の数は、テンキーボタン606をクリックしてテンキーを表示させて入力する。
表示切替アイコン欄607には、表示領域608の表示を切り換えるためのアイコンが表示される。表示切替アイコン欄607には、ジョブアイコン609、モニターアイコン610、インテリジェントアイコン611が表示されている。ジョブアイコン609をクリックすると、ジョブの設定を行うためのウィンドウが表示領域608に表示される。モニターアイコン610をクリックすると、モニターウィンドウが表示領域608に表示される。モニターウィンドウには、各装置でエラーが生じた場合に、そのエラー内容とエラー箇所が表示される。インテリジェントアイコン611がクリックされると、インテリジェント給紙の設定を行うためのウィンドウが表示領域608に表示される。「インテリジェント給紙」とは、1冊分の用紙束を形成するときに1つの給紙部から複数枚給紙したり、上下方向で給紙の順序を入れ替える等の給紙を含む給紙をいう。つまり、用紙を上位の給紙部から順に1枚ずつ送り出して重ねて用紙束を作成する「通常給紙」と比べて、比較的複雑な設定ができる給紙をいう。
図3は、基本設定画面620を示す。基本設定画面620では、用紙サイズや製本スタイルなどの基本設定を行う。基本設定画面620は、初期画面600のジョブアイコン609をクリックすると表示される。
用紙サイズアイコン621をクリックすると、図4で後述する用紙サイズ設定画面630が表示され、用紙サイズを設定できる。給紙方向欄622では、左出し排出するか右出し排出するかを選択する。ここでは、左出し排出が選択されている。処理モード欄623では、「通常給紙」か「インテリジェント給紙」かをプルダウン形式で選択する。ここでは、「インテリジェント給紙」が選択されている。
綴じ形態欄624では、用紙束の綴じ形態を選択する。具体的には、「中綴じ」か「平綴じ」か「綴じなし」かをプルダウン形式で選択する。「中綴じ」は中央部で用紙束を綴じること、「平綴じ」は端部で用紙束を綴じること、「綴じなし」は用紙束を綴じないこと、をそれぞれ指す。ここでは、「中綴じ」が選択されている。
折りチェックボックス625は、用紙束を中央部で2つ折りするときにチェックされる。小口断裁チェックボックス626は、小口側を断裁して切り揃えるときにチェックされる。なお、折りチェックボックス625がチェックされていない場合は、小口断裁チェックボックス626をチェックできないようグレーアウトされる。ここでは、折りチェックボックス625と小口断裁チェックボックス626の両方がチェックされている。
図4は、用紙サイズ設定画面630を示す。用紙サイズ設定画面630は、基本設定画面620の用紙サイズアイコン621をクリックすると表示される。用紙サイズ欄631には定型の用紙サイズが表示される。これをクリックして用紙サイズを選択する。ここでは、「A4」の用紙が選択されている。積載方向ボタン632をクリックすると用紙積載方向(縦向きか横向きか)を切り替えることができる。プレビュー欄633の数字(点線で囲んだ箇所)をクリックするとテンキーが表示され、任意のサイズを入力できる。
図5は、第1給紙設定画面640を示す。第1給紙設定画面640は、初期画面600においてインテリジェントアイコン611をクリックすると表示される。この画面では、インテリジェント給紙の給紙設定をする。給紙部情報欄654には、給紙部に対する各種の設定が表示される。給紙部名欄641には、給紙部を識別する番号が表示される。ここでは1〜10の番号が表示されている。これらは、図1の第1給紙部110a〜第10給紙部110jにそれぞれ対応する。以降、これらを給紙部1〜10とよぶ。なお、この画面で給紙設定をする場合、左出し排出のときは下側の給紙部から優先して給紙され、右出し排出のときは上側の給紙部から優先して給紙される。したがって、各給紙部に載せる用紙、各給紙部に対する設定は、これを考慮して決定する必要がある。
用紙名欄643では、給紙部に積載される用紙の用紙名をプルダウン形式で選択する。「用紙名」は、積載される用紙を識別するために便宜上付与する名前、すなわち用紙を識別する識別情報である。プルダウンには、ユーザが事前に設定した用紙名または/およびデフォルトで設定されている用紙名が表示される。用紙名ボタン650をクリックすると図6で後述する用紙名設定画面680が表示され、用紙名を設定できる。ここでは、給紙部2〜8に用紙名が設定されている。また、給紙部3と給紙部4には同じ用紙名が設定されている。給紙部5〜7もそれぞれ同じ用紙名が設定されている
連段チェックボックス642は、「連段グループ」の設定をするときにチェックする。チェックした給紙部と、その一段上の給紙部とが連段グループに設定される。「連段グループ」とは、同じグループに属する給紙部には同じ用紙が積載されていることを前提に、グループに属する給紙部をひとくくりにして制御することを許容するための設定である。つまり、連段グループに含まれる複数の給紙部がひとつの給紙部として取り扱われる。
連段グループに含まれる複数の給紙部のうちの1つの給紙部は稼働給紙部に設定される。その連段グループに含まれる残りの給紙部は待機給紙部に設定される。稼働給紙部は用紙を送り出し、待機給紙部は用紙を送り出さない。稼働給紙部の用紙がなくなったことが検知されると、同じ連段グループの他の給紙部、すなわち待機給紙部のうちの1つが稼働給紙部に変更され、それまでの稼働給紙部が待機給紙部に変更される。以降は、新たな稼働給紙部が用紙を送り出す。
シート枚数欄644には、各給紙部が用紙束1束あたりに送り出す用紙の枚数が入力される。図5の例では、シート枚数欄644の設定は以下のようになっている。
・給紙部1:0枚
・給紙部2:1枚
・給紙部3、4の連段グループ(以下、「給紙部A」とよぶ):4枚
・給紙部5〜7の連段グループ(以下、「給紙部B」とよぶ):5枚
・給紙部8:2枚
・給紙部9:1枚
・給紙部10:0枚
ここで、前述したように連段グループに含まれる複数の給紙部はひとつの給紙部として取り扱われる。そのため、連段グループが設定された場合のシート枚数欄644の設定は連段グループごとになる。連段グループでは、グループの最上位の給紙部(図5の例では給紙部3、5)で枚数の設定を行う。連段グループの他の給紙部(図5の例では給紙部4、6、7)のシート枚数欄644はグレーアウトされて設定できないようになっている。
この例では、給紙部A、給紙部Bおよび給紙部8のシート枚数欄644には、それぞれ4枚、5枚、2枚が設定されている。すなわち、給紙部A、給紙部Bおよび給紙部8は、用紙束1束あたりに複数枚の用紙を送り出す。このように1つの給紙部から複数枚の用紙を給紙する必要が生じる理由は2通りある。1つは、給紙部に積載されている用紙が丁合済みである場合である。つまり、給紙部Aの各給紙部には異なるページを4枚重ねた束が繰り返し積載された用紙束が積載され、給紙部Bの各給紙部には異なるページを5枚重ねた束が繰り返し積載された用紙束が積載され、給紙部8には異なるページを2枚重ねた束が繰り返し積載された用紙束が積載されている場合である。近年発達著しいデジタル印刷はページ順の印刷を行うことから、予めページ順に丁合された束ができる。複数の異なるデジタル印刷機がそれぞれ用紙束の一部を印刷すると、このように予め丁合された束を複数組み合わせる必要性が生じる。
もう1つは用紙束の中に全く同一の用紙を複数枚含める場合である。この場合は、ひとつの給紙部に積載されている用紙はすべて同じ用紙であることを前提とする。つまり、給紙部Aに積載されている用紙はすべて同じであり、同様に、給紙部Bに積載されている用紙もすべて同じであり、給紙部8に積載されている用紙もすべて同じである場合である。白紙のメモ部を含む用紙束や、伝票の丁合等に、このようなニーズがある。
これらはそれぞれ給紙動作が異なる。以後、前者を第1モード、後者を第2モードとよぶ。どちらのモードで動作させるのかは、用紙タイプ欄651で選択できる。第1モードの場合は左側、第2モードの場合は右側をクリックする。
オンオフ欄645では、給紙部から給紙を行うか否かを選択する。「オフ」が選択されている場合は、用紙が積載されていても給紙は行われない。シート枚数欄644に1以上の枚数が入力されるとオンオフ欄645は自動的に「オン」が選択される。0枚が入力されるとオンオフ欄645は自動的に「オフ」が選択される。ただし、シート枚数欄644に1以上の枚数が入力されているときに、「オフ」を選択することは可能である。
例えば給紙部1〜5で作業し、次に給紙部6〜10で作業する場合を考える。この場合、給紙部1〜5、給紙部6〜10とも事前にシート枚数欄644の入力を行っておき、その上で給紙部1〜5をオンに、給紙部6〜10をオフにしておけば、給紙部1〜5での作業後は、給紙部1〜5をオフに、給紙部6〜10をオンに切り替えればよい。つまり、切り替えのたびにシート枚数欄644の枚数を変更する必要がない。
最上部のオンボタン647をクリックすると給紙部1〜10が一斉にオンになり、オフボタン648をクリックすると給紙部1〜10が一斉にオフになる。Cボタン646がクリックされるとその給紙部の入力がすべてクリアされる。最上部のCボタン649がクリックされると給紙部1〜10の入力が一括でクリアされる。
給紙装置100は複数台連結して使用することができる。連結して使用している場合は、連結台数分のタブ652が表示される。例えば4台連結されている場合は、右から左にA〜Dの4個のタブが表示される。各タブをクリックすると、対応する給紙装置の給紙部の設定画面が表示される。なお、複数台連結して使用する場合、左出し排出のときは、Aに対応する給紙装置、Bに対応する給紙装置、Cに対応する給紙装置、Dに対応する給紙装置の順、すなわち、より左側のタブに対応した給紙装置が優先して給紙する。右出し排出のときはDに対応する給紙装置、Cに対応する給紙装置、Bに対応する給紙装置、Aに対応する給紙装置、すなわち、より右側のタブに対応した給紙装置が優先して給紙する。もちろん、左出し排出のときにより右側のタブに対応した給紙装置が優先して給紙し、右出し排出のときにより左側のタブに対応した給紙装置が優先して給紙するようにしてもよい。また、どの給紙装置が優先して給紙するかユーザ選択できるように構成されてもよい。
図6は、用紙名設定画面680を示す。前述したように、用紙名設定画面680は、第1給紙設定画面640の用紙名ボタン650をクリックすると表示される。用紙名一覧681には設定されている用紙名が表示される。用紙名を追加する場合は、用紙名入力欄682に用紙名を入力し、カラー欄683で背景色を選択し、テキストカラー欄684でテキスト色を選択する。そして、追加ボタン685をクリックすると、用紙名一覧681に入力した用紙名が表示される。
用紙名一覧681に表示された用紙名をクリックすると、その用紙名の設定内容が用紙名入力欄682、カラー欄683、テキストカラー欄684に表示される。この状態で、用紙名入力欄682、カラー欄683、テキストカラー欄684の入力を変更すると、設定内容が変更される。また、用紙名を選んだ状態で削除アイコン686をクリックすると、その用紙名が用紙名一覧681から削除される。
図7は、本実施の形態に係る丁合装置10の機能構成を示すブロック図である。これら各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
管理装置500は、表示制御部530と、入力受付部540と、処理内容取得部550と、決定部560と、制御部570と、記憶部580と、を含む。表示制御部530は、図2〜図6の画面を含む各種画面を出力装置520に表示させる。
入力受付部540は、ユーザが各種画面に入力した情報を、入力装置510を介して受け付ける。入力受付部540は、設定情報受付部541と、作成指示受付部543と、予備給紙指示受付部544と、を含む。
設定情報受付部541は、第1給紙設定画面640の給紙部情報欄654に入力された情報を取得する。具体的には、給紙部を識別する番号(給紙部名欄641に表示される番号)と、各給紙部に積載される用紙の用紙名(用紙名欄643に入力された用紙名)と、各給紙部が用紙束1束あたりに送り出す用紙の枚数(シート枚数欄644に入力された枚数)と、を対応付けた「第1積載情報」を受け付ける。設定情報受付部541は、給紙部情報欄654の連段チェックボックス642、基本設定画面620の給紙方向欄622、綴じ形態欄624、折りチェックボックス625、および小口断裁チェックボックス626に入力された情報も受け付ける。給紙方向欄622に入力された情報、すなわち左出し排出か右出し排出かを示す情報により、下側の給紙部(給紙部10側)から優先して給紙されるか上側の給紙部(給紙部1側)から優先して給紙されるかの給紙順序が決まる。
作成指示受付部543は、用紙束の作成指示を受け付ける。作成指示受付部543は、各画面においてスタートボタン603がクリックされたときにこの指示を受け付ける。予備給紙指示受付部544は、予備給紙の指示を受け付ける。予備給紙指示受付部544は、各画面において予備給紙ボタン602がクリックされたときにこの指示を受け付ける。
処理内容取得部550は、入力受付部540が受け付けた情報から処理内容を取得する。処理内容取得部550は、給紙情報取得部551と、グループ情報取得部553と、綴じ形態取得部554と、折り情報取得部555と、を含む。給紙情報取得部551は、設定情報受付部541が受け付けた第1積載情報から、作成するべき用紙束に含まれる複数の用紙の積載順と各用紙を送り出す給紙部110とを対応付けた給紙情報を取得する。
グループ情報取得部553は、設定情報受付部541が受け付けた情報から、連段グループに設定された給紙部を示す連段グループ情報を取得する。綴じ形態取得部554は、綴じ形態に関する情報を取得する。特に、綴じ形態取得部554は、「中央綴じ」、「平綴じる」、「綴じなし」のいずれかを取得する。折り情報取得部555は、「折り」を施すか否かを取得する。
記憶部580は、入力受付部540が受け付けた情報をジョブとして保存する。表示制御部530は、記憶部580に記憶されたジョブを取得して、その内容が設定された各種画面を出力装置520に表示する。また、記憶部580は、予備給紙で取得した物性をこのジョブと対応付けて記憶部580に記憶してもよい。そして、給紙制御部561は、ジョブが呼び出された場合、そのジョブに対応付けて記憶された物性値を用いて重送検知等を行ってもよい。この場合、表示制御部530は、ジョブを記憶したときから所定以上の時間が経過していたときは、再度予備給紙を行うように促すための通知を出力装置520に表示してもよい。時間が経過していると、重送検知センサが劣化したり、紙粉がたまったりして、発光量が弱くなったりすることがあるからである。
用紙を間に挟まない状態で受光光量を測定して物性とともにジョブと対応付けて記憶部580に記憶してもよい。用紙束を作成するための給紙を行う前に受光光量を測定し、その受光光量を記憶部580に記憶された受光光量と比較して、その差が所定の範囲に収まっていない場合に、予備給紙をするよう促すための通知を出力装置520に表示してもよい。
決定部560は、各指示タイミングにおいて給紙指示を受けるべき給紙部を決定する。別の言い方をすると、各指示タイミングにおいて給紙制御部571(後述)が給紙指示を送るべき給紙部を決定する。ここで、用紙束を作成する場合、各給紙部から送り出された用紙を給紙装置100内の搬送路120で合流させて重ね、中綴じ折り装置200に送り込む方法と、給紙装置100から個別に送り出された用紙を、中綴じ折り装置200の綴じストッパ223で停止させた位置で蓄積して束にする方法とがある。前者の方が処理が早いが、1つの給紙部から複数枚の用紙を送り出す場合は、搬送路120で合流させることができない。そこで本実施の形態では、決定部560は、重ねられるものはできる限り搬送路120で重なるよう、各指示タイミングにおいて給紙指示を受けるべき給紙部を決定する。すなわち、積載順が隣り合う用紙であってそれぞれ異なる給紙部から送り出される用紙が搬送路120で少なくとも部分的に重なるように各指示タイミングで給紙指示を受けるべき給紙部を決定する。
なお、同一の指示タイミングで給紙指示を受けた給紙部が送り出した用紙が搬送路120で重なり合うように、給紙部の位置関係、つまり給紙部の上下方向の位置に応じて、所定時間経過後に給紙を行うようにする。例えば、給紙部9および給紙部8から給紙される用紙を搬送路120で重ねるためには、給紙部9が給紙した後、所定時間経過後に給紙部8が給紙する。
制御部570は、各装置を制御する。制御部570は、給紙制御部571と、綴じ制御部572と、折り制御部573と、断裁制御部574と、用紙積載制御部575と、を含む。給紙制御部571は、給紙部110による用紙の送り出しを制御する。給紙制御部571は、分離給送機構112の動作を制御することにより給紙台111からの用紙の送り出しを制御する。特に、給紙制御部571は、決定部560により決定された指示タイミングにしたがって各給紙部に給紙指示を送る。
綴じ制御部572は、綴じ機構220による綴じ処理を制御する。綴じ制御部572は、綴じ形態が「綴じなし」の場合、用紙束を綴じることなく綴じストッパ223を退避させる。綴じ形態が「中央綴じ」の場合、ステッチャ222が用紙束の中央に位置するよう綴じストッパ223およびバックジョガー224を移動させ、綴じ処理を実施する。綴じ形態が「平綴じ」の場合は、ステッチャ222が用紙束の端に位置するよう綴じストッパ223およびバックジョガー224を移動させ、綴じ処理を実施する。綴じ制御部572は、綴じ処理後、綴じストッパ223を待避させて用紙束を折り機構230に送り出す。
折り制御部573は、折り処理を実施しない場合、綴じストッパ223を退避させて、折り無しスタッカ250に用紙束が積載するようにする。折り処理を実施する場合は、折り制御部573は、折りナイフ232を上方に移動させて綴じ位置で用紙束を折りたたんで冊子の形にする。
断裁制御部574は、小口断裁機構320による断裁処理を制御する。用紙束が小口断裁機構320に搬入されると、断裁制御部574は、用紙押さえ部322を制御して、小口断裁ストッパ323で停止した用紙束を押さえつけ、小口断裁刃321を制御して用紙束の小口側を断裁する。用紙積載制御部590は、紙受けガイド410および移動機構430を制御する。
以上のように構成された丁合装置10の動作を説明する。以下では、次の5つの場合の動作を説明する。なお、(1)〜(4)では、中綴じ折り装置200、断裁装置300、用紙積載装置400での動作について説明を省略する。
(1)左出し排出の用紙束作成
(2)左出し排出の予備給紙
(3)右出し排出の用紙束作成
(4)右出し排出の予備給紙
(5)エラー発生時のリカバリ
(1)左出し排出の用紙束作成
左出し排出の用紙束作成について説明する。したがって、設定情報受付部541が受け付ける給紙方向欄622に入力された情報は、「左出し排出」を示すことを前提とする。図8は、左出し排出の用紙束作成における丁合装置10の動作を示すフローチャートである。図8のごとく、管理装置500の作成指示受付部543が用紙束の作成指示を受け付けると(S10)、設定情報受付部541は第1積載情報およびその他の情報を受け付ける(S11)。図5に示す例では、第1積載情報として以下のような情報を受け付ける。
給紙部 :用紙名 :枚数
給紙部1 :− :0枚
給紙部2 :Cover01 :1枚
給紙部3 :Page01 :4枚
給紙部4 :Page01 :0枚
給紙部5 :Page02 :5枚
給紙部6 :Page02 :0枚
給紙部7 :Page02 :0枚
給紙部8 :Page03 :2枚
給紙部9 :Cover02 :1枚
給紙部10:− :0枚
グループ情報取得部553は、設定情報受付部541が受け付けた情報から連段グループ情報を取得する(S12)。ここでは、給紙部3、4と、給紙部5、6、7の2つの連段グループが設定されていることを取得する。
給紙情報取得部551は、第1積載情報および連段グループ情報から、作成するべき用紙束に含まれる複数の用紙の積載順と各用紙を送り出す給紙部とを対応付けた給紙情報を取得する(S13)。左出し排出であることを考慮すると、すなわち下側の給紙部から給紙されていくことを考慮すると、図5に示す例では、給紙情報は以下のようになる。
13ページ目:給紙部2
12ページ目:給紙部A
11ページ目:給紙部A
10ページ目:給紙部A
9ページ目:給紙部A
8ページ目:給紙部B
7ページ目:給紙部B
6ページ目:給紙部B
5ページ目:給紙部B
4ページ目:給紙部B
3ページ目:給紙部8
2ページ目:給紙部8
1ページ目:給紙部9
決定部560は、給紙情報を基に、各指示タイミングで給紙指示を受けるべき用紙を送り出すべき給紙部を決定する(S14)。具体的には、前述したように、積載順が隣り合う用紙であってそれぞれ異なる給紙部から送り出される用紙が搬送路120で少なくとも部分的に重なるように各指示タイミングで給紙指示を受けるべき給紙部を決定する。上記の給紙情報の場合、例えば隣り合う1ページ目と2ページ目は、それぞれ異なる給紙部(給紙部8と給紙部9)から送り出されるため、搬送路120で少なくとも部分的に重なるように同一の指示タイミングで給紙指示を受けるよう決定される。一方、2ページ目と3ページ目は同一の給紙部から送り出されるので、異なる指示タイミングで給紙指示を受けるよう決定される。結局、上記の給紙情報の例では、以下のようになる。
指示タイミング1:給紙部9、給紙部8
指示タイミング2:給紙部8、給紙部B
指示タイミング3:給紙部B
指示タイミング4:給紙部B
指示タイミング5:給紙部B
指示タイミング6:給紙部B、給紙部A
指示タイミング7:給紙部A
指示タイミング8:給紙部A
指示タイミング9:給紙部A、給紙部2
この例では、指示タイミング1で給紙部9および給紙部8に給紙指示を送り、給紙部9および給紙部8から送り出される2枚が搬送路120で重なり、中綴じ折り装置200に送り込まれることになる。また、指示タイミング2で給紙部8および給紙部Bに給紙指示を送り、給紙部8および給紙部Bから送り出される2枚が搬送路120で重なる。また、指示タイミング6で給紙部Bおよび給紙部Aに給紙指示を送り、給紙部Bおよび給紙部Aから送りされる2枚が搬送路120で重なる。また、指示タイミング9で給紙部Aおよび給紙部2に給紙指示を送り、給紙部Aおよび給紙部2から送り出される2枚が搬送路120で重なる。その他のタイミングでは、1つの給紙部にだけ給紙指示を送るため、搬送路120で用紙同士は重ならない。
次に、給紙制御部571は、連段グループ内の稼働給紙部と待機給紙部とを設定する(S15)。給紙制御部571は、例えばより上位の給紙部を優先的に稼働給紙部に設定するようにしてもよい。ここでは、給紙制御部571は、給紙部A、Bそれぞれの最上位の給紙部3、5を稼働給紙部に設定し、それ以外の給紙部4、6、7を待機給紙部に設定する。したがって、給紙部2から1枚、給紙部3から4枚、給紙部5から5枚、給紙部8から2枚、給紙部9から1枚、用紙を送り出し、1束分の用紙束を作成する。
なお、稼働給紙部で用紙無が検知されると、当該稼働給紙部は待機給紙部に変更され、同一のグループ内の待機給紙部の一つが稼働給紙部となり、以後は変更された稼働給紙部から用紙が送られる。その間に空となった待機給紙部に用紙を積載すれば、装置を停止させることなく、用紙束の作成を継続できる。図5の例では、給紙部Aにおいて給紙部3の用紙が無くなると、稼働給紙部が給紙部4に移り、以後は給紙部3に代えて給紙部4から送り出しが行われる。待機状態となった給紙部3に用紙を積載しておけば、さらに給紙部4で用紙が無くなると、稼働給紙部が自動的に給紙部3に移り、以後は給紙部4に代えて給紙部3から送り出しが行われる。
給紙部Bにおいても同様に、給紙部5で用紙が無くなると、稼働給紙部が給紙部5から給紙部6へ、さらに給紙部6で用紙が無くなると、給紙部7へ移る。給紙部7で用紙が無くなると、給紙部5に戻る。各グループ内の給紙部で用紙が無くなったときに、同一のグループに属する他の給紙部いずれにも用紙が積載されていなければ、用紙無しエラーを出して装置がいったん停止する。
給紙制御部571は、決定部560が決定した指示タイミングにしたがって、各給紙部に給紙指示を送る(S16)。具体的には、給紙制御部571は、各指示タイミングで、各給紙部に設けられた子制御部に信号(給紙トリガ)を送る。子制御部は、同一の指示タイミングで発信された給紙トリガにより給紙された用紙は、搬送路120で少なくとも一部が重なるように、その給紙トリガから、自らの給紙部の丁合装置全体の中での高さ方向の位置に応じたパルス数だけ遅らせて、給紙動作を開始させる。子制御部は、自らの給紙部が最上位に位置していた場合は、給紙トリガを受けると直ちに給紙を開始する。すなわちこの場合はパルス数=0となっている。丁合機が複数連結されている場合、給紙トリガはすべての丁合機のすべての給紙部へ一斉に送られる。そして、同一の指示タイミングで送られた給紙トリガにより給紙された用紙が、搬送路120で互いに少なくともその一部が重なるとともに、異なる丁合機の搬送路120から各々送られてきた用紙も互いにその一部が重なるように、給紙トリガから所定のパルス数だけ遅らせて、給紙動作が行われる。
各給紙部から送り出された用紙は、中綴じ折り装置200の綴じストッパ223に当接して停止し、そこで積載されて用紙束が形成され得る。綴じ制御部270は、取得した綴じ形態にしたがって用紙束に綴じ処理を施す。折り制御部573は、取得した折情報にしたがって用紙束に折り処理を施す。小口断裁刃321および用紙押さえ部322を制御して、小口側を断裁して切り揃える。続いて、断裁制御部574は、小口断裁ストッパ323を搬送路310から退避させる。このようにして用紙束が作成される。
(2)左出し排出の予備給紙
図9は、左出し排出の予備給紙における丁合装置10の動作を示すフローチャートである。図9のごとく、管理装置500の予備給紙指示受付部544が予備給紙の指示を受け付けると(S20)、設定情報受付部541は第1積載情報およびその他の情報を受け付ける(S21)。グループ情報取得部553は連段グループ情報を取得し(S22)、給紙情報取得部551は給紙情報を取得する(S23)。S21〜S23は(1)のS11〜S13に対応する。図5の例では、給紙情報は(1)と同様になる。
決定部560は、給紙情報を基に、各指示タイミングで給紙指示を受けるべき給紙部を決定する(S24)。ここで、連段グループが設定されていても、予備給紙の場合はグループ内すべての給紙部の給紙が必要となる。透過光量は、エラーセンサ113の個体差や発光量によっても異なるため、すべての給紙部において用紙の物性を取得する必要があるからである。しかし、例えば給紙部Bにおいて、給紙部5で5枚、給紙部6で5枚、給紙部7で5枚の給紙を順々におこなっていくと、時間がかかる。そこで、予備給紙の場合は、同一の指示タイミングにおいて、連段グループ内のすべての給紙部に給紙指示を送るようにする。すると、指示タイミングは以下のようになる。
指示タイミング1:給紙部9、給紙部8
指示タイミング2:給紙部8、給紙部5、6、7
指示タイミング3:給紙部5、6、7
指示タイミング4:給紙部5、6、7
指示タイミング5:給紙部5、6、7
指示タイミング6:給紙部5、6、7、給紙部3、4
指示タイミング7:給紙部3、4
指示タイミング8:給紙部3、4
指示タイミング9:給紙部3、4、給紙部2
この例では、指示タイミング1で給紙部9および給紙部8に給紙指示を送り、給紙部9および給紙部8から送り出された2枚が搬送路120で重なり、リジェクトトレイ260に送り込まれることになる。また、指示タイミング2で給紙部8および給紙部5、6、7に給紙指示を送り、給紙部8および給紙部5、6、7から送り出された4枚が搬送路120で重なる。また、指示タイミング3〜5で給紙部5、6、7に給紙指示を送り、給紙部5、6、7から送り出された3枚が搬送路120で重なる。指示タイミング6で給紙部5、6、7および給紙部3、4に給紙指示を送り、給紙部5、6、7および給紙部3、4から送り出された5枚が搬送路120で重なる。また、指示タイミング7、8で給紙部3、4に給紙指示を送り、給紙部3、4から送り出された2枚が搬送路120で重なる。また、指示タイミング9で給紙部3、4および給紙部2に給紙指示を送り、給紙部3、4および給紙部2から送りされた3枚が搬送路120で重なる。
中綴じ折り装置200の綴じ制御部270は、送り込まれた用紙がリジェクトトレイ260に送り込まれるよう分岐制御する(S25)。この状態で、給紙制御部571は、決定部560が決定した指示タイミングにしたがって各給紙部に給紙指示を送る(S26)。
この動作例によれば、すべての給紙部において用紙の物性を取得できる。また、待機給紙部を除くすべての給紙部に給紙指示を送るタイミングが、用紙束を作成するときと一致する。そうすると、予備給紙動作と本番動作との制御上の相違は、連段グループ設定した給紙部内で待機給紙部からも送り出しを行うか否かだけとなる。したがって、予備給紙の場合は待機給紙部であっても用紙を送り出す、という制御さえすればよいため、制御プログラムの容量を著しく低減させることができる。
(3)右出し排出の用紙束作成
右出し排出の用紙束作成について説明する。したがって、設定情報受付部541が受け付ける給紙方向欄622に入力された情報は、「右出し排出」を示すことを前提とする。図10は、右出し排出の用紙束作成における丁合装置10の動作を示すフローチャートである。図10のごとく、管理装置500の作成指示受付部543が用紙束の作成指示を受け付けると(S30)、設定情報受付部541は第1積載情報およびその他の情報を受け付ける(S31)。グループ情報取得部553は連段グループ情報を取得する(S32)。
給紙情報取得部551は、第1積載情報および連段グループ情報から、作成するべき用紙束に含まれる複数の用紙の積載順と各用紙を送り出す給紙部とを対応付けた給紙情報を取得する(S33)。右出し排出であることを考慮すると、すなわち上側の給紙部から給紙されていくことを考慮すると、図5に示す例では、給紙情報は以下のようになる。
13ページ目:給紙部9
12ページ目:給紙部8
11ページ目:給紙部8
10ページ目:給紙部B
9ページ目:給紙部B
8ページ目:給紙部B
7ページ目:給紙部B
6ページ目:給紙部B
5ページ目:給紙部A
4ページ目:給紙部A
3ページ目:給紙部A
2ページ目:給紙部A
1ページ目:給紙部2
続いて決定部560は、取得した給紙情報を基に、各指示タイミングで給紙指示を受けるべき給紙部を決定する(S34)。具体的には、(1)の場合と同様に、積載順が隣り合う用紙であってそれぞれ異なる給紙部から送り出される用紙が搬送路120で少なくとも部分的に重なるように各指示タイミングで給紙指示を受けるべき給紙部を決定する。したがって、上記の給紙情報の例では、指示タイミングは以下のようになる。
指示タイミング1:給紙部2、給紙部A
指示タイミング2:給紙部A
指示タイミング3:給紙部A
指示タイミング4:給紙部A、給紙部B
指示タイミング5:給紙部B
指示タイミング6:給紙部B
指示タイミング7:給紙部B
指示タイミング8:給紙部B、給紙部8
指示タイミング9:給紙部8、給紙部9
給紙制御部571は、決定部560が決定した指示タイミングにしたがって各給紙部110に給紙指示を送る(S36)。各給紙部110は、給紙指示を受ける度に用紙を1枚だけ搬送路120に送り出す。用紙は、用紙積載装置400の紙受台420上に蓄積されて用紙束が作成される。
(4)右出し排出の予備給紙
図11は、右出し排出の予備給紙における丁合装置10の動作を示すフローチャートである。図11のごとく、管理装置500の予備給紙指示受付部544が予備給紙の指示を受け付けると(S40)、設定情報受付部541は第1積載情報およびその他の情報を受け付ける(S41)。グループ情報取得部553は連段グループ情報を取得し(S42)、給紙情報取得部551は給紙情報を取得する(S43)。S40〜S43は(2)のS20〜S23に対応する。図5の例では、給紙情報は(3)と同様になる。
決定部560は、給紙情報を基に、各指示タイミングで用紙を送り出すべき給紙部を決定する(S44)。ここで、(2)において説明したように、連段グループが設定されていても、グループ内すべての給紙部で予備給紙が必要となる。したがって、右出し排出の場合も、同一の指示タイミングにおいて、連段グループ内のすべての給紙部に給紙指示を送るようにする。そのため、図5に示す例では、給紙情報は以下のようになる。
指示タイミング1:給紙部2、給紙部3、4
指示タイミング2:給紙部3、4
指示タイミング3:給紙部3、4
指示タイミング4:給紙部3、4、給紙部5、6、7
指示タイミング5:給紙部5、6、7
指示タイミング6:給紙部5、6、7
指示タイミング7:給紙部5、6、7
指示タイミング8:給紙部5、6、7、給紙部8
指示タイミング9:給紙部8、9
給紙制御部571は、決定部560が決定した指示タイミングにしたがって各給紙部110に給紙指示を送る(S45)。送り出された用紙は、用紙積載装置400の紙受台420に積載される。この予備給紙において作成される用紙束の構成は、本来作成するべき用紙束とは構成が異なる。そのため、表示制御部530は、予備給紙において用紙積載装置400の紙受台420に排出された用紙を取り除くよう促す通知を出力装置520に表示する(S46)。
(5)エラー発生時のリカバリ
図12は、エラー発生時のリカバリにおける丁合装置10の動作を示すフローチャートである。図12のごとく、エラーセンサ113または用紙有無センサ114または搬送エラーセンサ340がエラーを検知する(S50)。エラーが検知されると、給紙制御部571は、給紙指示の中止と、どの指示タイミングに対応する用紙でエラーが起きたかの特定とを実施する(S51)。具体的には、エラーセンサ113または用紙有無センサ114がエラーを検知した場合、すなわち重送、空送り、紙詰、または用紙切れのエラーが検知された場合、そのエラーが発生した給紙部に設けられた子制御部が、当該エラーの種類とともに、当該エラーがどの指示タイミングで発生したかを認識し、これを給紙制御部571に通知する。給紙制御部571は、この子制御部からの通知に基づき、給紙制御部571は、エラーが検知されたタイミングからどの指示タイミングに対応する用紙でエラーが起きたかを特定するとともに、給紙部への給紙指示を中止する。搬送エラーセンサ340がエラーを検知した場合、すなわち搬送エラーが検知された場合、給紙制御部571は、まず給紙部への給紙指示を中止し、続いてエラーが検知されたタイミングからどの指示タイミングに対応する用紙でエラーが起きたかを特定する。以降、エラーの対象となった用紙に対応する指示タイミングをエラー指示タイミングとよぶ。
ここで、「通常給紙」の場合は、単に各給紙部ごとに、同一用紙だけで構成された束が積載され、1回の給紙指示で用紙が積載されたすべての給紙部(各給紙部ごとに給紙のオンオフ設定が可能な場合は、オン設定された給紙部)から1枚ずつ用紙を取り出して重ねる、という動作を行う。このとき、給紙部で重送エラー、空送りエラー、紙詰まりエラーのいずれかが発生した場合、そのエラーを含む用紙束はリジェクトトレイへ送られるとともに、そのまま次の給紙指示を行って、次の用紙束作成を行う。したがって通常給紙の場合は、各給紙棚に各々同一の紙で構成された束が積載されているから、給紙エラーが発生しても、その次に送った給紙指示に応じて作成された束は、正常な束となるからである。給紙エラーが2度連続して発生した場合には、装置を停止させる。これに対して、「インテリジェント給紙」の場合は、各給紙部、あるいは連段グループ単位で、作成すべき用紙束1束につき送り出す用紙の枚数が設定できる。そうすると、用紙束1束を作成するために、複数回の給紙指示が必要になるため、給紙指示ごとに送り出される用紙が異なることになるので、給紙エラーが発生した場合には必ず停止するようになっている。
続いて綴じ制御部572は、用紙がリジェクトトレイ260へ送られるよう分岐制御する(S52)。エラーが検知された時点で既にエラー指示タイミングの次以降の指示タイミングの給紙指示が行われ、用紙が送り出されている場合がある。例えば、給紙部110から離れた場所で搬送エラーが起きた場合にこのようなケースが起こる。この場合、それらの用紙もリジェクトトレイ260に送りこまれる。
リジェクトトレイ260に送れない用紙、すなわち既にリジェクトトレイへの分岐点を通過していた用紙は、折り無しスタッカ250または綴じ折りスタッカ324か、搬送路210、綴じ折り冊子搬送路240、搬送路310で詰まっているため、エラー指示タイミングおよびそれ以降の指示タイミングに相当する用紙または用紙束をユーザが取り除く。
表示制御部530は、各給紙部に積載された用紙を修正するようユーザに通知する(S53)。例えば、第1モードの場合であって、用紙束1束あたりに複数枚の用紙を送り出す給紙部で重送または紙詰まりエラーが発生した場合は、ユーザが、その給紙部に積載された束の最上位の用紙を、エラー発生前のページに直す必要がある。そのため、これをユーザに通知する。例えば、左出し排出の用紙束作成、すなわち(1)の場合を考えると、指示タイミング4で紙詰まりエラーが発生した場合は指示タイミング4から再開させることになるが、給紙部5に積載されている用紙は既に3ページ目まで送り出されているため、最上位は4ページ目になっている。したがって、3ページ目の用紙を積載する必要がある。重送の場合は、3、4ページ目の用紙が既に送られているため、当該3、4ページ目の用紙を載せ直さなければならない。指示タイミング4の用紙が搬送エラーの場合であって、既に指示タイミング5の用紙が取り出されていた場合も、既に3、4ページ目の用紙が既に送られていることになるため、当該3、4ページ目の用紙を載せ直さなければならない。要するに、エラーの対象となった用紙を給紙した指示タイミングで取り出すべきページが最上位にくるように修正するよう、ユーザに促せばよい。
また例えば、第1モードでの紙無しエラーの場合であって、指示タイミング2〜4のいずれかのタイミングで給紙部Bの用紙なしが検知された場合は、給紙部Bに積載された5ページ分の用紙の送り出しが完了する前に紙がなくなったことになる。この場合は、例えば指示タイミング3で判明した場合は、その次には指示タイミング4に相当する4ページ目が最上位にくるように積載しなければならないから、そのように促す表示をするのがよい。なお、空送りの場合は、給紙部Bの用紙は最上位が3ページ目のままであるから、ユーザが修正する必要はなく、メッセージを表示する必要もない。
作成指示受付部543が再スタート指示を受け付けると、給紙制御部571は、エラー指示タイミングから再開する(S54)。
以上、丁合装置10を実施の形態をもとに説明した。本実施の形態に係る丁合装置10によると、丁合された用紙が積載されている給紙部と、そうでない用紙が積載されている給紙部とが混在していても所望の用紙束を作成することができる。また、搬送路120で重ねられるものをできる限り重なるよう、各指示タイミングにおいて用紙を送り出すべき給紙部を決定するため、丁合処理を比較的早くすることができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態に係る丁合装置10と第2の実施の形態に係る丁合装置の主な違いは、給紙設定画面の構成である。
図13〜16は、第2給紙設定画面660を示す。図13の第2給紙設定画面660は、図5の第1給紙設定画面640の給紙データチェックボックス653をチェックすると表示される。第2給紙設定画面660も第1給紙設定画面640と同様にインテリジェント給紙の給紙設定をするための画面である。
給紙データ領域661内の用紙名欄662には、ユーザが事前に設定した用紙名または/およびデフォルトで設定されている用紙名がプルダウン形式で表示される。用紙名を選択して追加ボタン663をクリックすると用紙名欄664に選んだ用紙名が表示される。これを繰り返すと、用紙名欄664には選択された用紙名が並んで表示される。シート枚数欄665には、用紙束1束中に送り込まれる各用紙の枚数が入力される。図13では、「Cover01」、「Page02」、「Page01」、「Page03」、「Cover02」がこの順で用紙名欄に表示され、シート枚数欄665にはそれぞれ1枚、3枚、4枚、2枚、1枚が設定されている。
給紙データ領域661内の右側には作成される用紙束のプレビュー画像666が表示される。このプレビュー画像666は完成品の用紙束を模式的に表示したものである。基本設定画面620の折りチェックボックス625がチェックされている場合、すなわち用紙束を中央部で2つ折りにする場合、プレビュー画像666は中央で折りを施した形状になる。折りチェックボックス625がチェックされていない場合、すなわち用紙束を2つ折りにしない場合、プレビュー画像666は折り目のない形状になる。右出し排出の場合もプレビュー画像666は折り目のない形状になる。各用紙名の背景色がプレビュー画像666の各用紙の色として表示される。これにより、どの用紙が用紙束のどの部分を構成しているかを容易に把握することができる。
用紙名欄664に表示された用紙名を選択した状態で上移動ボタン667または下移動ボタン668をクリックすることにより、用紙名の順序を入れ替えることもできる。また、用紙名を選択した状態で削除ボタン669をクリックして削除することもできる。
図14は、図13の例に対して、各給紙部が積載している用紙を設定した状態を示す。
給紙部情報欄674には給紙部に対する設定が表示される。給紙部名欄671には、給紙部を識別する番号が表示される。用紙名欄673では、給紙部に積載される用紙の用紙名をプルダウン形式で選択する。連段グループの設定をするときには連段チェックボックス672をチェックする。同じ用紙を積載した給紙部同士は、連段チェックボックス672をチェックする。
この給紙形態設定画面660では、第1の実施の形態の給紙形態設定画面640のような給紙部の位置による給紙順序の制約、すなわち左出し排出の場合は下側の給紙部から給紙され、右出し排出の場合は上側の給紙部から給紙されるといった制約はないため、どの給紙部にどの用紙を積載するかを自由に決めることができる。
図15は、図14の例に対して、給紙データの設定を変更した状態を示す。図15では、給紙データ領域661において用紙「Page01」と用紙「Page02」の順序と枚数とを入れ替えて、「Cover01」、「Page01」、「Page02」、「Page03」、「Cover02」の順序とし、用紙束1束あたりに送り出す用紙の枚数をそれぞれ1、3、4、2、1枚としている。図14の用紙「Page02」を選択した状態で下移動ボタン668をクリックするか、「Page01」を選択した情報で上移動ボタン667をクリックすることによって順序を変更し、さらにそれぞれのシート枚数欄665を変更する。このように、用紙名欄673の設定をそのままに、すなわちどの給紙部がどの用紙を積載しているかの設定をそのままに、給紙データ領域661の設定を変更すれば、用紙の積み替え等を行わずに作成される用紙束の形態を変更することができる。
図16は、図14から一部の設定を削除した画面を示す。図16では、給紙データ領域661から「Page01」を削除している。図14の用紙「Page01」を選択した情報で削除ボタン669をクリックすることによって削除する。これにより、「Page01」を給紙3、4に載せたまま、用紙束から「Page01」を除くことができる。この場合、給紙部3、4から給紙は行われず、「Page01」を含まない用紙束を作成することができる。複数種類の用紙束を構成する用紙をすべて積載しておき、給紙部にそれぞれの用紙名を設定した上で、作成したい用紙束に応じて給紙データ領域661の設定を変更すれば、所望の用紙束が得られる。特に同一の表紙で中身だけ変えたりする場合には便利である。
本実施の形態では、設定情報受付部541は、第2給紙設定画面660の給紙データ領域661および給紙部情報欄674に入力された情報を取得する。具体的には、作成するべき用紙束に含まれる用紙を、同一給紙部あるいは同一連段グループに積載されるべき用紙を単位として識別する用紙名であって用紙束における積載順に並べられた用紙名(用紙名欄664に入力された用紙名)と、用紙名によって識別される各用紙の用紙束における枚数(シート枚数欄665に入力された枚数)と、を対応付けた「用紙束情報」と、各給紙部を識別する番号(給紙部名欄671に表示される番号)と、各給紙部に積載された用紙の用紙名(用紙名欄673に入力された用紙名)と、を対応付けた「第2積載情報」を取得する。また、設定情報受付部541は、第1の実施の形態と同様に、給紙部情報欄674の連段チェックボックス672、基本設定画面620の綴じ形態欄624、折りチェックボックス625、および小口断裁チェックボックス626に入力された情報も受け付ける。給紙情報取得部551は、用紙束情報と第2積載情報とから給紙情報を取得する。
本実施の形態に係る丁合装置によると、第1の実施の形態に係る丁合装置10によって奏される作用効果と同様の作用効果が奏される。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態に係る丁合装置10と第3の実施の形態に係る丁合装置の主な違いは、第2モードの場合の指示タイミングである。
本実施の形態では決定部560は、第2モードの場合、連段グループに設定された給紙部については、用紙束を1束作成するために連段グループが送り出すべき用紙の枚数が、連段グループに属する給紙部の数と同じかあるいは少なければ、連段グループに属する給紙部のうち、送り出す用紙の枚数と同数の給紙部に、実質的に同一の指示タイミングで給紙指示を送るよう、決定する。
連段グループに属する給紙部が、送り出すべき用紙の枚数を超えている場合、その枚数を連段グループに属する給紙部の数で割った商の数だけ、連段グループに属するすべての給紙部に同一の指示タイミングで給紙指示を送り、それに加えて、剰余分に等しい数の給紙部に給紙指示を送るよう決定する。もちろん、連段グループに属する給紙部のうち剰余分に等しい数の給紙部に同一の指示タイミングでさらに1の給紙指示を送るよう決定する。
図5の例では、左出し排出の場合、指示タイミングは以下のようになる。
指示タイミング1:給紙部9、給紙部8
指示タイミング2:給紙部8、給紙部5、6、7
指示タイミング3:給紙部3、4、給紙部5、6(給紙部3、4、給紙部5、7、または給紙部3、4、給紙部6、7でもよい)
指示タイミング4:給紙部2、給紙部3、4
また、右出し排出の場合、指示タイミング以下のようになる。
指示タイミング1:給紙部2、給紙部3、4
指示タイミング2:給紙部3、4、給紙部5、6、7
指示タイミング3:給紙部5、6、給紙部8(給紙部5、7、給紙部8、または給紙部6、7、給紙部8でもよい)
指示タイミング4:給紙部8、9
本実施の形態の場合、連段グループ内で紙無しの給紙部が発生した場合は、給紙指示を中断してもよい。中断することなく、連段グループを構成する給紙部の数が1つ少なくなったものとして給紙が継続されてもよい。例えば左出し排出の場合で給紙部5が紙無しとなった場合、給紙順序を以下のように変更してもよい。
指示タイミング1:給紙部9、給紙部8
指示タイミング2:給紙部8、給紙部6、7
指示タイミング3:給紙部6、7
指示タイミング4:給紙部3、4、給紙部6(給紙部3、4、給紙部7でもよい)
指示タイミング5:給紙部2、給紙部3、4
次に予備給紙について説明する。第1モードにおいては、少なくとも1つの給紙部に、予め丁合された束が積載されている。予め重なった複数ページは互いに印刷内容が異なっていたり、用紙の厚さや紙質が異なっている場合がある。したがって、そのページごとに透過光量が異なるため、ページごとに透過光量を測定し、重送検知のための閾値を決定しなければならない。例えば図5の例では、給紙部B(給紙部5、6、7の連段グループ)は、予備給紙において5ページ分すべてを給紙する必要がある。
これに対し、第2モードにおいては、1回の指示タイミングで用紙の積載されている給紙部すべて(図5の例では給紙部2〜9)から1枚ずつ用紙を取り出せばよい。同じ束には同じ用紙しか含まれていないから、各給紙部から1枚ずつ用紙を取り出せば物性の把握が完了するからである。したがって、予備給紙に必要な指示タイミングは1回だけで、その1回ですべての給紙部から用紙を送り出せばよい。
本実施の形態に係る丁合装置によると、第1の実施の形態に係る丁合装置10によって奏される作用効果と同様の作用効果が奏される。加えて、本実施の形態に係る丁合装置によると、第2モードの場合の丁合処理をさらに早くすることができる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(変形例1)
予備給紙の場合であっても、用紙束として使えるような順序で給紙して、中綴じ製本機で製本するようにしてもよい。
冊子として使えるようにするためには、1冊あたり、連段グループに設定されている複数の給紙部のうちの1つしか動作させることができない。しかし予備給紙においては、連段グループに設定されているすべての給紙部で用紙の物性を把握しなければならないので、予備給紙で作成される冊子の数は、設定されている連段グループの中で、所属する給紙部数が最大である連段グループにおける、その最大の給紙部の数と一致することになる。
図5の設定例では、給紙部Bに所属する給紙部の数[3]が最大であるから、予備給紙では3束の用紙束が作成されることになる。具体的には、左出し排出の設定として以下のようになる。
(1束目)
指示タイミング1:給紙部8、9
指示タイミング2:給紙部5、8
指示タイミング3:給紙部5
指示タイミング4:給紙部5
指示タイミング5:給紙部5
指示タイミング6:給紙部3、5
指示タイミング7:給紙部3
指示タイミング8:給紙部3
指示タイミング9:給紙部2、3
(2束目)
指示タイミング1:給紙部8、9
指示タイミング2:給紙部6、8
指示タイミング3:給紙部6
指示タイミング4:給紙部6
指示タイミング5:給紙部6
指示タイミング6:給紙部4、6
指示タイミング7:給紙部4
指示タイミング8:給紙部4
指示タイミング9:給紙部2、4
(3束目)
指示タイミング1:給紙部8、9
指示タイミング2:給紙部7、8
指示タイミング3:給紙部7
指示タイミング4:給紙部7
指示タイミング5:給紙部7
指示タイミング6:給紙部3、7(または給紙部4、7)
指示タイミング7:給紙部4
指示タイミング8:給紙部4
指示タイミング9:給紙部2、3(または給紙部2、4)
なお、予備給紙においては重送検知センサの閾値が、その用紙に適したものに決定されていないから、デフォルト値を使うことになる。したがって、検知精度が保証できないため、形成された用紙束については、重送しているか否かを目視で確認する必要がある。そのため、表示制御部530は、確認を促す通知を表示させてもよい。また、このように予備給紙で用紙束を作成するか、作成せずに9回の指示タイミングのみで予備給紙を完了させるかを、ユーザがモード選択できるようにしてもよい。
(変形例2)
実施の形態では、中綴じ折り装置200側にはすなわち左出し排出側にだけリジェクトトレイ260が設けられ、右出し排出の予備給紙で送り出された用紙は用紙積載装置400の紙受台420に積載される場合について説明したが、これに限られない。例えば、右出し排出であっても、予備給紙の場合には、左側のリジェクトトレイ260に排出されるようにしてもよい。この場合、綴じ制御部572は、搬送路120に送り込まれた用紙がリジェクトトレイ260に送り込まれるよう、分岐ゲートを制御する。また例えば、用紙積載装置400に、すなわち右出し排出側にリジェクトトレイを設けてもよい。本変形例によれば、本番給紙の前に用紙積載装置400の紙受台420から予備給紙の用紙を取り除く必要がないため、ユーザの負荷が軽減される。
(変形例3)
実施の形態では、エラー指示タイミングの次の指示タイミングから給紙指示を再開する場合について説明したが、これに限られない。紙無しエラーの場合は、エラー指示タイミングにおける給紙を行ったのと実質的に同時にエラーを検知できる。つまり、エラー指示タイミングの次の指示タイミングの給紙指示が送られる前にエラーを検知することができる。したがって、検知されたエラーが紙無しエラーの場合は、エラー指示タイミングの次の指示タイミングから給紙指示を再開してもよい。
(変形例4)
実施の形態では、エラーが検知された場合に、給紙制御部571による給紙指示を中止する場合について説明したが、これに限られない。紙無しが検知されても、その後の用紙の取出しに影響がなければ、1束分の給紙を完了させてから給紙指示を中止してもよい。例えば指示タイミング2の給紙の後に給紙部8の紙無しが検知された場合は、指示タイミング3〜9の給紙では給紙部8から取り出す必要はないため、指示タイミング9まで給紙を行って給紙指示を中断すればよい。
また、次に給紙部5が給紙する指示タイミングの直前の指示タイミングの給紙を行ってから給紙制御部による給紙を中止してもよい。例えば、指示タイミング6の給紙の後に給紙部5の紙無し検知された場合は、その用紙束1束分の給紙をすべて完了させたあと、その次の用紙束の指示タイミング1まで給紙を行ってから、給紙指示を中断させてもよい。
(変形例5)
実施の形態では、作成指示受付部543が再スタート指示を受け付けると、給紙制御部571が給紙指示を再開する場合について説明したが、これに限られない。エラー指示タイミング以降に送られた用紙すべてがリジェクトトレイ260へ送り込まれた場合で、かつ、ユーザによる修正を要しないエラーの場合には、自動再スタートするようにしてもよい。
(変形例6)
用紙の積載設定を変更しなければ、基本的には予備給紙の必要がない。予備給紙が必要となるのは以下の4つの場合である。
・第1モードで、かつ、第1給紙設定画面640で給紙設定した場合において、給紙部情報欄654の用紙名欄643または/およびシート枚数欄644の設定を変更した場合
・第1モードで、かつ、給紙設定画面670で給紙設定した場合において、給紙部情報欄654の用紙名欄643または/および給紙データ領域661の用紙名欄664の設定を変更した場合
・第2モードで、かつ、第1給紙設定画面640で給紙設定した場合において、用紙名欄643の設定を変更した場合
・第2モードで、かつ、給紙設定画面670で給紙設定した場合において、給紙部情報欄654の用紙名欄643の設定を変更した場合
したがって、予備給紙後は、上記4つのうちのいずれかに該当しない限り、予備給紙のスイッチをクリックしても予備給紙を行わず、予備給紙が不要である旨を表示したり、予備給紙することなく本番スタートが可能となるようにしてもよい。用紙の積載設定を変更した時以外は、予備給紙スイッチをグレーアウトしておいて、受け付けないようにしてもよい。
(変形例7)
実施の形態では、作成するべき用紙束単位で第1モードとするか第2モードとするかを選択する場合について説明したがこれに限られない。例えば、連段グループ単位で設定できるようにしてもよい。図17は変形例に係る給紙設定画面を示す。図17は図5に対応する。図17に示すように、連段グループを設定し、かつその連段グループが送り出す用紙の枚数が複数枚に設定された場合、その最上位の給紙部に対して、第1モードで動作させるか第2モードで動作させるかを選択できる。第1モードの場合は用紙タイプ欄651で左側を選択し、第2モードの場合は右側を選択する。連段グループの最上位の給紙部以外はグレーアウトされていて、設定することができないようになっている。この例では、給紙部A(給紙部3、4)には4ページ分、ページ順に予め丁合された用紙が積載され、給紙部B(給紙部5、6、7)には同一の用紙が積載されていて、作成すべき用紙束には、給紙部Aからページ順の用紙が4枚、給紙部Bから全く同一の用紙が5枚送り込まれることになる。
この場合、左出し排出での指示タイミングは以下のようになる。
指示タイミング1:給紙部9、給紙部8
指示タイミング2:給紙部8、給紙部7、6、5
指示タイミング3:給紙部6、5、給紙部A(給紙部7、6、A、または給紙部7、5、Aでもよい)
指示タイミング4:給紙部A
指示タイミング5:給紙部A
指示タイミング6:給紙部A、給紙部2
右出し排出での指示タイミングは以下のようになる。
指示タイミング1:給紙部2、給紙部A
指示タイミング2:給紙部A
指示タイミング3:給紙部A
指示タイミング4:給紙部A、給紙部5、6、7
指示タイミング5:給紙部6、7、8(給紙部5、6、8または給紙部5、7、8でもよい)
指示タイミング6:給紙部8、9