以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る丁合装置10の全体構成図である。丁合装置10は、本体部12および管理部14を備える。本体部12は、丁合ユニット20、用紙フィーダ24、リジェクトユニット25、用紙供給ユニット26、包装ユニット27、およびスタッカ28を有する。
丁合ユニット20は、第1給紙トレイ40A〜第20給紙トレイ40U(以下、必要に応じてこれらを「給紙トレイ40」と総称する)、給紙機構42、折り紙用給紙トレイ44、給紙機構46、折り機構50、および搬送ベルト62を有する。給紙トレイ40の各々は用紙を積載可能に設けられる。給紙機構42は、それぞれ給紙トレイ40のいずれかに対応するよう設けられ、対応する給紙トレイ40に積載された用紙のうち最上位の用紙を一枚ずつ送り出す。
図2は、本実施形態に係る丁合ユニット20における給紙トレイ40の一つとその周辺の構成を示す図である。給紙機構42は、給紙トレイ40の端部近傍に配置される。給紙トレイ40は、給紙機構42に近づくにしたがって下がるよう傾斜して配置される。
給紙機構42は、給紙補助ローラ80、給紙ローラ82、分離パッド84、ガイド板86、および横搬送ローラ88を有する。給紙補助ローラ80は給紙トレイ40の端部上方に配置され、給紙トレイ40に積載された用紙のうち最上位の用紙を送り出す。給紙ローラ82は、給紙補助ローラ80の用紙搬送方向下流側(以下、単に「下流側」という)に配置され、分離パッド84は、給紙ローラ82と接するよう給紙ローラ82の下方に配置される。給紙ローラ82および分離パッド84は、給紙補助ローラ80によって送り出された用紙が複数重なり合った状態となっている場合、それらを分離して最上位の用紙を一枚ずつ送り出す。給紙ローラ82および分離パッド84によって分離され送り出された用紙は、略水平なガイド板86上を搬送され、一対の横搬送ローラ88によって用紙セット搬送路90に送り出される。
用紙セット搬送路90は、間隔をもって配置された用紙搬送プレートによって形成され、鉛直方向に伸びるよう設けられる。用紙セット搬送路90に搬送された用紙は、用紙セット搬送路90を挟んで対向する一対の縦搬送ローラ92によって下方へと搬送される。こうして、複数の給紙トレイ40から給紙機構42によって送り出された複数の用紙が用紙セット搬送路90において重ね合わされ、用紙セットが形成される。
給紙センサ94は、給紙トレイ40の各々に対応して設けられている。給紙センサ94は、対応する給紙トレイ40から用紙が送り出されるときの空送りおよび重送を含む給紙エラーを検知する。具体的には、給紙センサ94は光センサによって構成され、検知されるべきタイミングで用紙の先端が検知されるか否かによって、給紙トレイ40からの空送りを検知する。また、給紙センサ94は、給紙トレイ40から送り出される用紙を透過する光を検知することによって、給紙トレイ40からの重送を検知する。これらの検知方法については公知であるため説明を省略する。なお、給紙センサ94は空送りだけ検知可能に設けられてもよい。
図3は、本実施形態に係る折り紙用給紙トレイ44および給紙機構46の構成を模式的に示す図である。折り紙用給紙トレイ44は、用紙を積載可能に設けられる。折り紙用給紙トレイ44の下流側には分離プレート102が配置され、さらにその下流側には中継プレート104が配置される。折り紙用給紙トレイ44は、下流側に進むにしたがって下がるよう傾斜して配置される。この折り紙用給紙トレイ44に用紙が直接積載される。分離プレート102および中継プレート104は、略水平に配置される。
給紙機構46は、折り紙用給紙トレイ44に積載された用紙から一枚ずつ用紙を送り出す。給紙機構46は、給紙補助ローラ106、給紙ローラ108、およびタイミングローラ110を有する。給紙補助ローラ106は、折り紙用給紙トレイ44に積載された用紙のうち最上位の用紙を下流側に送り出す。給紙ローラ108は、分離プレート102と共に用紙を挟持した状態で回転することにより、最上位をその下方の用紙から分離して下流側に送り出す。給紙ローラ108によって送り出された用紙はタイミングローラ110によってさらに下流側に送り出される。
給紙センサ94は、折り紙用給紙トレイ44にも対応して設けられる。給紙センサ94は、折り紙用給紙トレイ44から用紙が送り出されるときの空送りおよび重送などの給紙エラーを検知する。
図4は、本実施形態に係る丁合ユニット20の斜視図である。丁合ユニット20は、ベースフレーム31、フロントプレート32、およびリヤプレート34をさらに有する。フロントプレート32は奥行き方向の長さが短く、上下方向の長さが長い略直方体形状に形成され、丁合ユニット20の前方に配置される。リヤプレート34もフロントプレート32と略同一の形状に形成され、丁合ユニット20の後方に配置される。フロントプレート32およびリヤプレート34は、相互に間隔をもって対向するように、ベースフレーム31の上に固定される。
フロントプレート32とリヤプレート34の間に、給紙トレイ40の各々、および折り紙用給紙トレイ44が挟まれるように配置される。第1給紙トレイ40A〜第10トレイ40Jは、フロントプレート32とリヤプレート34との左側の間隔部から突出するように上下方向に略等間隔に下から順に配置される。第11給紙トレイ40K〜第20給紙トレイ40Uは、フロントプレート32とリヤプレート34との右側の間隔部から突出するように上下方向に略等間隔に上から順に配置される。
図1に戻る。折り紙用給紙トレイ44には、給紙トレイ40から送り出され重ね合わされた用紙セットを挟むように含んで折りたたまれるべき用紙が積載される。折り紙用給紙トレイ44に積載された用紙は、給紙機構46によって用紙セット搬送路90に向けて送り出される。折り紙用給紙トレイ44と用紙セット搬送路90を挟んだ反対側には、折り機構50が設けられる。折り機構50は、折り板52、ストッパ54、折りナイフ56、および折りローラ58を有する。
給紙機構46に積載された用紙を用紙セットに含ませる場合、給紙機構46によって折り紙用給紙トレイ44から送り出された用紙は、折り板52に搬送され、用紙の中央が用紙セット搬送路90に位置するようストッパ54によって先端が係止される。折り板52上に送り出された用紙に、用紙セット搬送路90から搬送された用紙セットが到達する直前のタイミングで折りナイフ56が下降し、折り板52上に載置された用紙の中央が折りローラ58によって折りたたまれる。
給紙機構46に積載された用紙を用紙セットに含ませない場合、用紙セット搬送路90から搬送された用紙セットはそのまま折り機構50を通過する。こうして形成された用紙セットは、搬送ベルト62によってコンベヤ64に搬送される。
コンベヤ64は、本体部12の内部において水平に伸びるよう設けられる。このコンベヤ64に沿うよう、丁合ユニット20から用紙フィーダ24、リジェクトユニット25、用紙供給ユニット26、包装ユニット27、およびスタッカ28の順に各々が配置される。
用紙フィーダ24は、給紙トレイ130および吸着パッド132を有する。給紙トレイ130は用紙を積載可能に設けられる。吸着パッド132は、給紙トレイ130に積載された用紙のうち最下位の用紙を吸着してコンベヤ64に送り出す。こうして、丁合ユニット20によって作成された用紙セットにさらに用紙を重ね合わせる。以下、給紙トレイ40、折り紙用給紙トレイ44、および給紙トレイ130を、必要に応じて「給紙トレイ」と総称する。
リジェクトユニット25は、ゲート134、リジェクト搬送路136、およびリジェクトトレイ138を有する。ゲート134はコンベヤ64に設けられ、コンベヤ64上に搬送される用紙セットをそのままコンベヤ64上で搬送させる状態と、リジェクト搬送路136に送り込む状態のいずれかに切り替え可能に設けられている。このようにゲート134は、給紙トレイ40から送り出された用紙の搬送先を切り替える搬送先切り替え機構として機能する。リジェクト搬送路136に搬送された用紙セットは、リジェクトトレイ138に排出され積載される。
用紙供給ユニット26は、プリンタ140および用紙搬送機構142を有する。プリンタ140は、本体144および用紙トレイ146を有する。本体144は、用紙トレイ146に積載された用紙を一枚ずつ送り出してその用紙に画像を記録し、用紙搬送機構142に送り出す。用紙搬送機構142は、プリンタ140から送り込まれた用紙をリジェクトトレイ138に排出する。用紙供給ユニット26は電子写真方式により用紙に画像を記録する。なお、用紙供給ユニット26は、インクジェット方式またはオフセット印刷方式によって用紙に画像を記録してもよい。
包装ユニット27は、フィルムロール150、フォーマ152、横シールヒータ154、および縦シールヒータ156を有する。フォーマ152は、フィルムロール150から送り出されたフィルムでコンベヤ64上の用紙セットを包む。用紙セットを包むフィルムは、横シールヒータ154および縦シールヒータ156によって端部がシールされて用紙セットを密封する。こうして包装された用紙セットは、一対の排出ローラ160によってスタッカ28に送り出される。スタッカ28は、スタックトレイ162を有する。スタッカ28に送り込まれた用紙は、スタックトレイ162に積載される。
本体部12には、さらに本体制御部170が設けられる。本体制御部170は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMを有する。本体制御部170は、丁合ユニット20、用紙フィーダ24、リジェクトユニット25、用紙供給ユニット26、および包装ユニット27の作動を制御する。
管理部14は、PC180、入力デバイス182、およびディスプレイ184、を有する。PC180もまた、CPU、ROM、およびRAMを有する。入力デバイス182は、PC180に接続されたマウス(図示せず)、およびキーボード(図示せず)を含む。ディスプレイ184は、PC180に接続される。
図5は、本実施形態に係る丁合装置10の機能ブロック図である。なお、図5においてPC180および本体制御部170は、CPU、ROM、RAMなどのハードウェア、およびソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックが描かれている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェアおよびソフトウェアの組合せによって様々な形で実現することができる。
PC180は、情報取得部200、記憶部202、作成管理部204、および表示制御部206を有する。情報取得部200は、例えば配送すべき宛名を示す宛名情報、広告主を示す広告主情報、広告内容を示す内容情報、年齢、性別、配偶者の有無、子供数、および嗜好などに関する属性情報を取得する。記憶部202には、情報取得部200によって取得された情報などが保存される。作成管理部204は、用紙セットの作成状況を管理する。表示制御部206は、ディスプレイ184の表示内容を制御する。なお、宛名情報は、用紙セットを特定する用紙セット識別情報として利用される。
本体制御部170は、丁合制御部210、リジェクト制御部212、包装制御部216、および用紙供給制御部214を有する。丁合制御部210は、丁合マップにおいて各々の宛名情報に対応付けられた給紙トレイから用紙を送り出すよう複数の給紙機構による用紙の送り出しを制御することにより、各々の宛名情報に対応する用紙セットを作成する。丁合制御部210は、各々の宛名情報によって特定される用紙セットを作成すべく、丁合マップにおいて各々の宛名情報に対応付けられた給紙トレイから用紙を送り出すよう給紙機構42、給紙機構46、および吸着パッド132による用紙の送り出しを制御する。
丁合制御部210は、作成すべき用紙セットに含まれるべき用紙が積載された給紙トレイから用紙を送り出すよう、給紙機構42による用紙の送り出しを制御する。また、丁合制御部210は、吸着パッド132の作動を制御して用紙フィーダ24からの用紙の送り出しを制御する。
リジェクト制御部212は、ゲート134による用紙セットの搬送先の切り替えを制御する。したがってリジェクト制御部212は、用紙セットの搬送先を制御する搬送先制御部として機能する。リジェクト制御部212は、エラーセットをリジェクトトレイ138に排出させるようゲート134を切り替える。すなわちリジェクト制御部212は、給紙エラーが検知されなかった用紙セットとは異なる搬送先にエラーセットを搬送するよう、用紙搬送先を切り替える。包装制御部216は、包装ユニット27に含まれる各構成要素の作動を制御して用紙セットの包装を制御する。
図6は、属性設定画面400を示す図である。表示制御部206は、給紙トレイの各々に対応して設けられた属性設定ボタン(図示せず)がユーザによってクリックされたとき、属性設定画面400をディスプレイ184に表示させる。
属性設定画面400は、設定ボタン402、トレイ表示欄404、広告主表示欄406、およびユーザ設定欄408を含む。トレイ表示欄404には、ユーザによって選択された給紙トレイを示す給紙トレイ情報が表示される。広告主表示欄406には、その給紙トレイ情報に対応付けられている広告主情報が表示される。なお、広告主表示欄406は、入力デバイス182を用いてユーザが文字を入力して広告主情報を変更することが可能となっている。
ユーザ設定欄408には、年齢入力欄410、性別入力欄412、配偶者有無入力欄414、子供数入力欄416、および嗜好入力欄418が表示される。ユーザは、これら各々の欄に対して、年齢、性別、配偶者の有無、子供数、および嗜好を含む属性をチェックボックスにチェックを入れることで入力することができる。丁合制御部210は、この属性情報を利用して、作成すべき用紙セットの各々に対して、対応する給紙トレイ40に積載された用紙を含めるべき用紙か否かを判定する。したがって、属性情報は、作成すべき用紙セットに含ませるべき用紙か否かを示す情報として利用される。
情報取得部200は、ユーザによって設定ボタン402がクリックされたときにチェックボックスにチェックが入れられている属性を、トレイ表示欄404に表示された給紙トレイに積載された用紙の属性情報として取得する。情報取得部200は、取得した属性情報とトレイ表示欄404に表示された給紙トレイ情報とを対応付けた第1対応関係データベースを作成する。
なお、ユーザは、広告主が申込み時に事前に記載した申込書の属性情報を、広告主情報と共に入力デバイス182などを用いてPC180に入力してもよい。また、ユーザは、ネットワークを介して広告主情報および属性情報を入力してもよい。このときも、情報取得部200は、入力された広告主情報、および属性情報を給紙トレイ情報に対応付けた第1対応関係データベースを作成する。
図7は、第1対応関係データベースの一例を示す図である。第1対応関係データベースでは、ハンディスキャナなどによって入力され取得した広告主情報や内容情報など、用紙を識別するための用紙識別情報と、ユーザによって選択され取得した給紙トレイ情報と、ユーザによって入力されるなどして取得した属性情報と、が互いに対応付けられている。
図8は、第2対応関係データベースの一例を示す図である。広告の配送を希望する顧客は、ネットワークなどを介して、年齢、性別、配偶者の有無、子供数、および嗜好を含む属性情報をPC180に入力することができる。なお、顧客は、申込み用紙に宛名や属性を記載して丁合装置10のユーザに郵送してもよい。丁合装置10のユーザは、こうして配達された申込み用紙を見ながらPC180に宛名情報や属性情報を入力してもよい。情報取得部200は、配送を希望した顧客毎に、図8に示すように宛名情報と属性情報とを対応付けた第2対応関係データベースを作成する。
図9は、丁合マップの一例を示す図である。図9において、「○」は、その宛名情報に配送する用紙セットを作成するために、その給紙トレイ情報によって特定される給紙トレイ40または折り紙用給紙トレイ44から用紙を送り出すべきことを示している。
情報取得部200は、第1対応関係データベースと第2対応関係データベースとを利用して、丁合マップを作成する。具体的には、情報取得部200は、第2対応関係データベースの各々の宛名情報に対応付けられたものと同一の属性情報を、第1対応関係データベースにおいて検索する。情報取得部200は、1つでも共通する属性情報がある場合、第1対応関係データベースにおいてその属性情報に対応付けられた給紙トレイ情報と、第2対応関係データベースにおいてその属性情報に対応付けられた宛名情報とを、互いに対応付ける。こうして情報取得部200は、各々の宛名情報に配送すべき用紙セットを作成するために用紙を送り出すべき給紙トレイ40を特定する。
なお、第2対応関係データベースにおいて、宛名情報と、広告主情報や内容情報などの用紙識別情報とが対応付けられていてもよい。この場合も、情報取得部200は、1つでも共通する用紙識別情報がある場合、第1対応関係データベースにおいてその用紙識別情報に対応付けられた給紙トレイ情報と、第2対応関係データベースにおいてその用紙識別情報に対応付けられた宛名情報とを、互いに対応付ける。
図9に示すように、丁合マップでは、用紙セットの作成順と、宛名情報と、用紙を送り出すべき給紙トレイ40、折り紙用給紙トレイ44、および用紙フィーダ24を示す給紙トレイ情報とが対応付けられている。このように、丁合マップでは、宛名情報ごとに異なる給紙トレイ情報の組み合わせが対応付けられる。
図10は、本実施形態に係る丁合装置10による丁合制御の手順を示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、ユーザによって丁合スタートボタン(図示せず)がクリックされたときに開始し、丁合すべき全ての用紙セットの丁合が終了する、またはジャムなどのトラブルによって丁合動作が停止するまで所定時間毎に繰り返し実行される。
作成管理部204は、丁合マップにおいてグループ化が未了か否かを判定する(S10)。グループ化未了の場合(S10のY)、作成管理部204は、丁合マップにおいてグループ化を実施し(S12)、グループ化がすでに完了している場合(S10のN)、S12の処理をスキップする。ここでグループは、同じ組み合わせの給紙トレイから送り出された用紙によって作成される用紙セット群によって構成される。本実施形態では、同じグループの用紙セットは連続して作成される。
図11は、グループ化した丁合マップを示す図である。丁合マップの中には、同じ給紙トレイ情報の組み合わせに対応付けられた宛名情報が複数存在する場合がある。これらの宛名情報の宛名に配布すべき用紙セットは、同じ組み合わせの給紙トレイから送り出された用紙によって作成される。丁合制御部210は、このように同じ組み合わせの給紙トレイから送り出された用紙によって作成される用紙セットを同じグループに含める。
具体的には、丁合制御部210は、同じ給紙トレイ情報の組み合わせに対応付けられた複数の宛名情報を同じグループに含める。このために丁合制御部210は、丁合マップの最初の宛名情報に対応付けられた給紙トレイ情報の組み合わせと同じ組み合わせに対応付けられた宛名情報を丁合マップの中から検索する。丁合制御部210は、そのような宛名情報を発見した場合、その宛名情報を最初の宛名情報と同じグループに含める。丁合制御部210はこの作業を丁合マップ全体にわたって行う。次に丁合制御部210は、グループ化されていない宛名情報のうち最初の宛名情報に対応付けられた給紙トレイ情報の組み合わせと同じ組み合わせに対応付けられた宛名情報を丁合マップの中から検索する。以下、丁合制御部210は、すべての宛名情報がグループ化されるまでこの作業を繰り返し、丁合マップに含まれる宛名情報のすべてをいずれかのグループに含める。
図10に戻る。丁合マップにおけるグループ化が完了していることが確認されると、丁合制御部210は、丁合のための給紙が開始済みか否かを判定し(S14)、丁合動作がまだ開始されていない場合(S14のN)、最初のグループにおける最初の用紙セットの作成を開始する(S16)。丁合動作がすでに開始されている場合(S14のY)、丁合制御部210は、給紙センサ94の検出結果を利用して、前回の判定タイミングから今回の判定タイミングまでの間に給紙エラーが発生した否かを判定する(S18)。給紙エラーが発生した場合(S18のN)、丁合制御部210は、後述するエラー処理を実行する(S20)。
なお、丁合制御部210は、空送りの給紙エラーが発生した場合にエラー処理を実行し、重送の給紙エラーが発生した場合にはエラー処理の実行を回避してもよい。用紙セットに含ませるべき広告の欠落は防止する必要があるが、同じ広告が重送により複数枚含んでいても、顧客は問題としない場合がある。このように重送によるエラー処理の実行を回避することにより、重送発生による用紙セット作成の生産性低下を抑制することができる。
給紙エラーが発生していない場合(S18のY)、丁合制御部210は、次の用紙セットの作成開始タイミングか否かを判定する(S22)。丁合制御部210は、所定時間毎に用紙セットの作成を開始すべく、その用紙セットに含ませるべき用紙の給紙トレイ40からの送り出しを開始させる。丁合制御部210は、最後の用紙セットの作成開始時からの所定時間が経過したか否かを判定することにより次の用紙セットの作成開始タイミングか否かを判定する。次の用紙セットの作成開始タイミングでない場合(S22のN)、本フローチャートにおける処理を一旦終了する。
次の用紙セットの作成開始タイミングの場合(S22のY)、丁合制御部210は、グループ内のすべての用紙セットの作成が完了したか否かを判定する(S24)。完了している場合(S24のY)、丁合制御部210は、次のグループにおける最初の用紙セットの作成を開始する(S26)。完了していない場合(S24のN)、丁合制御部210は、同じグループにおける次の用紙セットの作成開始する(S28)。丁合制御部210は、このように同じ組み合わせの給紙トレイから送り出された用紙によって作成される用紙セットが連続して作成されるよう、用紙セットの作成順を調整する、すなわち作成順を変更する。
図12は、図10におけるS20のエラー処理の手順を示すフローチャートである。丁合制御部210は、給紙エラーが発生した用紙セットに含めるための他の用紙の送り出しを中止し、すでに搬送が開始されている用紙だけでその用紙セットに対応するエラーセットを作成し、コンベヤ64に送り出す。リジェクトユニット25は、ゲート134を切り替えて、作成されたエラーセットをリジェクトトレイ138に排出させる(S50)。なお、丁合制御部210は、給紙エラーが生じた用紙セットに含ませるべき用紙のうち少なくとも既に送り出しを開始している用紙の搬送を継続させればよく、例えば給紙エラーが生じた用紙セットに含ませるべき用紙のうち、給紙エラーが生じた用紙以外の用紙すべての送り出しを継続させてもよい。
このとき、単一のグループ内でのみ用紙セットの作成が並行して行われている場合、エラーセットの次に作成すべき用紙セットをエラーセットに代わりとして丁合動作を継続させることにより、丁合動作を停止させることなく、且つ作成される用紙セットを欠落させることなく丁合動作を継続させることが可能である。このため丁合制御部210は、まず単一のグループ内で用紙セットを作成中か否かを判定する(S52)。
単一のグループ内で用紙セットが作成中の場合(S52のY)、まず丁合制御部210は、エラーセットの次に作成される用紙セットをエラーセットの代わりとして後続の用紙セットの作成を継続させる。このように丁合制御部210は、同じグループの用紙セットのみの作成工程が並行して進行しているときにいずれかの給紙トレイ40において給紙エラーが検知された場合、給紙エラーが生じた用紙セットと同じグループの用紙セットを給紙エラーが生じた用紙セットの分補充する。これにより、給紙エラーが発生することによる用紙セットの欠落を回避することができる。
また、用紙供給制御部214は、宛名用紙の供給タイミングを用紙セット1つ分後にずらす(S54)。こうして用紙供給ユニット26は、宛名情報に対応する画像が記録された宛名用紙をその宛名情報によって特定される用紙セットに含ませるよう、用紙セットに用紙を供給する。なお、用紙供給ユニット26は、同じグループの用紙セットのうち、給紙エラーが生じた用紙セットより後に作成される用紙セットのいずれかに、給紙エラーが生じた用紙セットに含ませるべき用紙を含ませればよい。例えば用紙供給ユニット26は、同じグループの用紙セットのうち、最後に作成される用紙セットに宛名用紙を含ませてもよい。どの用紙セットに宛名用紙を含ませても同じグループであれば含ませるべき用紙に違いが無いためである。
例えば図11の丁合マップにおいて、グループAのN04、N07、およびN10の宛名に送付するための用紙セットの作成中に、N07の宛名に送付すべき用紙セットに含ませるための用紙の送り出し時にいずれかの給紙トレイにおいて給紙エラーが発生したと仮定する。このとき、N07の用紙セットよりも先に作成されるN04の用紙セットは影響を受けないため、丁合制御部210は、N04の用紙セットを作成するための用紙の送り出しをそのまま継続させる。N07の用紙セットについては給紙エラーが発生したため、リジェクト制御部212は、N07の用紙セットに含ませるべき用紙のうち、すでに搬送が開始されている用紙を重ね合わせてエラーセットとしてリジェクトトレイ138に排出させる。
一方、そのまま用紙セットの作成を継続させると、N07の用紙セットが欠落することになる。このため、丁合制御部210は、N10の用紙セットとして既に作成工程を進めていた用紙セットをN07の用紙セットとして用いる。さらに丁合制御部210は、N10の用紙セットの作成工程から丁合動作を再び開始させる。以下、図11に表された宛名の順に用紙セットの作成を進める。このようにエラーセットの次に作成される用紙セットをエラーセットの代わりとして後続の用紙セットの作成を継続させることにより、給紙エラーの発生による用紙セットの欠落を回避することができる。
図12に戻る。これに対し、複数のグループに跨って複数の用紙セットの作成工程が進行している場合(S52のN)、エラーセットの次に作成される用紙セットをエラーセットの代わりとして後続の用紙セットの作成を継続させても、用紙セットの欠落を回避することは困難となる。このため丁合制御部210は、給紙エラーが発生した用紙セットを欠落させて後続の用紙セットの作成を継続させる。このとき用紙供給制御部214は、エラーセットとなった用紙セットに含ませるはずであった宛名用紙の作成をスキップする(S56)。また、作成管理部204は、給紙エラーが発生した用紙セットの宛名情報をエラーセット情報として登録するエラー登録処理を実行する(S58)。
丁合制御部210は、ユーザによって所定の入力操作がPC180になされたときに、登録されたエラーセット情報をディスプレイ184に表示させる。これによりユーザは、欠落した用紙セットを簡易に特定することができる。また、エラーセット情報には、欠落した用紙セットを作成するためのスタートボタン(図示せず)が表示される。ユーザによってこのスタートボタンが押されたとき、丁合制御部210は、丁合マップにおいて欠落した用紙セットの各々に対応付けられた給紙トレイから用紙を送り出して欠落した用紙セットの各々を作成する。
図13は、ステータス画面500を示す図である。ユーザによって丁合スタートボタンがクリックされると、表示制御部206は、ディスプレイ184にステータス画面500を表示させる。ステータス画面500には、グループ名表示欄502、第1ボタン表示欄504、広告数表示欄506、配布先数表示欄508、完了数表示欄510、ステータス表示欄512、および第2ボタン表示欄514が表示される。
グループ名表示欄502には、各グループに対応して、グループ名が表示されたグループボタン520が表示される。第1ボタン表示欄504には、各グループに対応して条件表示ボタン522が表示される。広告数表示欄506には、各グループに対応して、広告数、すなわち用紙を送り出すべき給紙トレイの数が表示される。配布先数表示欄508には、各グループに対応して、配布先数、すなわち用紙セットを作成すべき数が表示される。完了数表示欄510には、各グループにおいて用紙セットの作成が完了した数が表示される。
ステータス表示欄512には、「丁合完了」、「丁合中」、および「未丁合」など丁合の状況が表されたステータス表示ボタン524が各グループに対応して表示される。このように表示制御部206は、用紙セットの作成状況を、用紙セットのグループの包括した処理状況としてディスプレイ184に表示させる。これにより、ユーザはグループ毎の用紙セットの作成状況を簡易に把握することができる。
第2ボタン表示欄514には、丁合の状況が「丁合中」であればストップボタン526が表示され、丁合の状況が「未丁合」であればスタートボタン528が表示される。ユーザは、ストップボタン526をクリックすることによってそのグループの丁合を停止させることができる。このとき、リジェクト制御部212は、既に送り出しが開始されている用紙をリジェクトトレイ138に排出してもよい。また、ユーザは、スタートボタン528をクリックすることによってそのグループの丁合を開始させることができる。
図14は、グループ確認画面550を示す図である。ユーザによりステータス画面500のグループボタン520がクリックされた場合、表示制御部206は、ディスプレイ184にグループ確認画面550を表示させる。グループ確認画面550には、グループ名表示欄552、トレイ表示欄554、および広告主表示欄556が設けられる。
グループ名表示欄552には、ステータス画面500においてクリックされたグループボタン520に対応するグループの名称が表示される。トレイ表示欄554は、給紙トレイ40、折り紙用給紙トレイ44、および用紙フィーダ24の各々の番号や名称を、実際の配置にしたがって配置することにより、丁合装置10の給紙トレイの各々を模式的に示している。広告主表示欄556には、トレイ表示欄554の各々の給紙トレイ情報に第1対応関係データベースにおいて対応付けられている広告主情報が表示される。
同じグループでは、各々の宛名情報は同じ組み合わせの給紙トレイ情報に対応付けられている。グループ確認画面550では、この給紙トレイ情報の組み合わせにおいて、各々の給紙トレイ情報に対応付けられた広告主情報がユーザに識別可能となるよう強調表示される。これにより、グループ名表示欄552に表示されたグループにおいて用紙セットに含められる広告をユーザに適切に把握させることができる。なお、グループ名表示欄552において宛名情報の各々に対応付けられた給紙トレイ情報のトレイ表示欄554を強調表示させてもよい。
図15は、条件表示画面600を示す図である。表示制御部206は、ステータス画面500の条件表示ボタン522がユーザによってクリックされたとき、ディスプレイ184に条件表示画面600を表示させる。条件表示画面600には、グループ名表示欄602および属性表示欄604が表示される。
グループ名表示欄602には、ステータス画面500においてクリックされたグループボタン520に対応するグループの名称が表示される。属性表示欄604には、グループ名表示欄602に表示されるグループの持つ属性が表示される。具体的には、属性表示欄604には、年齢、性別、配偶者有無、子供数、および嗜好の各項目についての属性が表示される。これらは、グループ名表示欄602に表示されたグループに含まれる各々の宛名情報に第2対応関係データベースにおいて対応付けられた属性情報と、第1対応関係データベースにおいて給紙トレイ情報の各々に対応付けられた属性情報との重複部分の属性情報が表示される。このように重複部分の属性情報を表示するのは、各々の宛名情報の用紙セットに含ませる用紙として属性情報の重複がある広告を選択することに基づく。これにより、ユーザはそのグループに分類された根拠となる属性情報を確認することができる。
図16は、ステータス確認画面650を示す図である。表示制御部206は、ステータス画面500においてステータス表示ボタン524がユーザによってクリックされたとき、ディスプレイ184にステータス確認画面650を表示させる。図16では、「丁合中」と表示されたステータス表示ボタン524がクリックされたときに表示されるステータス確認画面650の一例を示している。ステータス確認画面650には、氏名表示欄652およびステータス表示欄654が表示される。
氏名表示欄652には、クリックされたステータス表示ボタン524に対応するグループに含まれる宛名情報が表示される。本実施形態では宛名情報のうち氏名のみが表示されているが、宛名情報に含まれる住所が氏名と併記されてもよい。このように、表示制御部206は、同じグループにおける複数の宛名情報を、そのグループに含まれていることを識別可能にディスプレイ184に表示させる。これにより、ユーザはグループに含まれる宛名情報を確認することができる。
ステータス表示欄654には、各々の宛名情報に対応する用紙セットの作成が、「完了」しているか、「丁合中」であるか、「未丁合」であるかというステータスが表示される。表示制御部206は、各々の用紙セットの作成状況を監視し、ステータス表示欄654の表示内容を逐次更新させる。これにより、ユーザはどの宛名情報の用紙セットの作成工程がどのようなステータスになっているかを容易に確認することができる。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を本実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そのような例をあげる。
ある変形例では、スタッカ28に代えて、作成された用紙セットに後処理を施す後処理ユニットが設けられる。後処理ユニットは、例えば綴じ、穿孔、折り、糊製本のいずれかを含んでもよい。後処理ユニットは、作成された用紙セットの厚さに応じた調整処理を実施してからその用紙セットに後処理を施すよう設けられる。例えば後処理ユニットに折りユニットが含められ、用紙セットに折り目を付けるための一対の折りローラの間隔を用紙セットの厚さに応じて変更する。この後処理ユニットには、これら一対の折りローラの間隔などを調整する後処理ユニット制御部が設けられている。後処理ユニット制御部は、グループにおいて宛名情報に対応付けられている給紙トレイ情報の数によってその用紙セットに含ませるべき用紙数を取得し、取得した用紙数に応じて一対の折りローラの間隔を調整する。なお、情報取得部200は、入力デバイス182などを用いてユーザに入力された用紙の厚さを取得してもよい。後処理ユニット制御部は、取得された用紙の厚さに枚数を掛けた値から用紙セットの厚さを推定してもよい。
上述のようにグループ化して用紙セットを作成することにより、グループ内の用紙セットの作成が終了するまでは用紙セットの厚みは画一的となる。このため、このように用紙セットの厚さに応じて用紙セットに後処理を施す場合において、グループ内の用紙セットに対しては厚さに対する調整処理を簡略化することができる。このため、後処理ユニットの信頼性を向上させることができ、後処理ユニットの制御も容易にすることができる。
ある別の変形例では、丁合制御部210は、あるグループにおいて最後に作成されるべき用紙セットの作成工程を開始した後、ユーザによって再び丁合スタートボタンが押されることによって入力される丁合開始信号を受信するまで、次のグループに含まれる用紙セットの作成工程の開始を保留する。これにより、複数グループに跨って用紙セットの作成工程が並行して行われることを回避することができる。このため、図12のS52のNに相当する処理を回避することができ、給紙エラーが発生することにより用紙セットが欠落することを回避することができる。また、ユーザがグループ毎に仕分けすることを希望する場合において、この仕分け作業の作業負担を軽減させることができる。
ある別の変形例では、ユーザは、用紙セットを作成するグループの順序を指定することができる。例えばユーザは、ステータス画面500におけるスタートボタン528を押すことにより、次に用紙セットの作成を開始すべきグループを指定することができる。丁合制御部210は、スタートボタン528が押されそのスタートボタン528に対応するグループを示す信号を受信した場合、用紙セットの作成を開始すべき次のグループとして、その信号が示すグループを登録する。丁合制御部210は、現在用紙セットを作成しているグループにおいて最後に作成すべき用紙セットの作成工程を開始した後、次に用紙セットの作成を開始すべきグループとして登録されたグループの用紙セットの作成を開始する。
なお、丁合制御部210は、上述のようにあるグループにおいて最後に作成されるべき用紙セットの作成工程を開始した後、ユーザによって再び丁合スタートボタンが押されることによって入力される丁合開始信号を受信するまで、次のグループに含まれる用紙セットの作成工程の開始を保留してもよい。この場合、丁合制御部210は、再び丁合スタートボタンが押された場合に、次に用紙セットの作成を開始すべきグループとして登録されたグループの用紙セットの作成を開始する。