JP5482349B2 - 画像形成装置、画像形成システム、定着制御方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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近年、この電力消費を必要最小限に抑え、TEC(Typical Electricity Consumption)値を基準に省電力化を図ることへの要求の高まりが見られる。
これは、定着する記録用紙上のトナー像の形状が孤立した小さな点であると、十分に高温で定着しないと印刷後にはがれる可能性が高くなるからである。他方、トナー像の形状が十分に長い線や、十分に広い面だと比較的低い定着温度でもはがれることは少なく、実用に耐えることが経験の示すところである。
本発明の目的は、ホストから送信されてくる印刷データをもとに記録用紙に画像を形成するプリンタ、複合機等の画像形成装置の定着制御における上記先行技術の問題に鑑みなされたもので、この先行技術の定着制御において、画質を低下させること無く目標温度を低減することにある。
以下に示す実施形態は、本発明の画像形成装置をレーザプリンタ、即ち、描画された出力用画像データによって点灯が制御されるレーザビームにより走査露光を行い、静電写真方式で画像を形成するプリンタに実施した例を示す。なお、本実施形態では、カラー及びモノクロのプリント出力ができるプリンタを示すが、モノクロ出力だけのものでも良い。
ただ、描画処理によってプリント出力用画像データ(以下、単に「出力用画像データ」ともいう)を生成するプロセスでは、予め用意された複数種類のディザの中から、ページ記述言語(PDL)による印刷データ(以下「PDLデータ」ともいう)に示される描画条件に対応して選択されるディザを使用して描画処理を行うことを前提とする。なお、上記の描画処理とは、PDLデータからプリンタエンジンで用いる出力用画像データを生成する処理を指す。
よって、上記の前提を満たせば、電子写真方式で高分解能の画像を形成するレーザプリンタ以外の画像形成装置を実施対象とすることができる。
図1は、本発明の実施形態に係るプリンタのハードウェア構成を示す図である。
同図に示す画像形成装置としてのプリンタ20は、プリンタ全体を制御するコントローラ10と、描画された出力用画像データをもとに記録用紙に印刷(画像形成)をするプリンタエンジン23と、表示部と入力キー等の操作部を備えユーザーインターフェースとしての機能を提供する操作パネル24を有する。
なお、コントローラ10を構成する上記の要素は、それぞれ内部バス19を介して接続されている。
また、ネットワークI/F15と通信手段(不図示)で接続したホストPC40と、画像形成装置としてのプリンタ20とにより構成するシステムを画像形成システムという。
プリンタ20は、ROM12やNV−RAM14などの記憶装置に格納された制御プログラム及び制御や処理の動作条件に係る設定情報を読出し、CPU11の作業メモリ領域を提供するRAM13のメモリ領域に展開し、またRAM13を画像形成処理の作業領域として利用することによって、後述する図2及び図3に示す各機能を実現する手段を構成する。
図2は、図1に示したプリンタ20のソフトウェア構成を示す機能ブロック図である。
ホストPC40は、所定のプリンタドライバを使用して、アプリケーションによって作成もしくは処理した文書を複数の描画コマンドからなる印刷データに変換して、プリンタ20に送信し、印刷出力を要求する。上記描画コマンドは、通常、文字、イメージ、グラフィックの各描画を指示するコマンドである。また上記印刷データは、PostScript(登録商標)、PCL(登録商標)、RPDL(登録商標)など、各種のPDLで記述されたデータで表現される。
こうした管理機能は、画像形成装置とホストをネットワークで接続する画像形成システムを構成する場合にも機能することが必要である。なお、このような管理機能は、プリンタ等の画像形成装置とこれを利用するホストPC等の機器で構成する従来のクライアントサーバシステムにおいては、ユーザーインターフェースの基本機能として装備される技術であるから、この既存の技術を本実施形態におけるプリンタ制御システム部104とホストPC40のプリンタドライバとの間で実行する当該機能に適用することにより実施することができる。
上記コントローラ10のプリンタ制御システム部104の制御下で動作するPDL部105は、印刷データをもとにプリント出力用の画像データを生成するほか、ここで生成した画像データを用いてプリンタエンジン23がプリント出力に伴って行う定着処理、即ち記録用紙に形成されるトナー画像を加熱定着する処理における制御条件として、定着温度及び紙搬送速度の各制御目標値(後記で詳述)を決める。
よって、PDL部105には、既存のプリンタが有するPDLの処理部に、上記制御条件を求めるための機能が必要とする要素が加わる。
同図に示すように、PDL部105は、ホストPC40が印刷を要求して送信してくるPostScript(登録商標)、PCL(登録商標)、RPDL(登録商標)などのPDLで記述された印刷データの構文解析をPDLの種類ごとに行うPDLパーサ部108と、印刷データのPDLを解析した結果として得られる描画条件に従い、プリント出力用の画像データ等を生成する描画コアモジュール部110を構成要素として有する。
PDLパーサ部108は、ディザ情報109を管理する。ディザ情報109は、描画条件に応じて選択されるディザのパターン情報、定着温度及び紙搬送速度の各制御目標値(後記で詳述)等よりなる。ディザ情報109は、このプリンタの環境に適合するデータをデータベースとして構築し、例えばROM12に保存しておく。PDLパーサ部108は、コントローラ10の起動時に、ROM12から保存されたディザ情報を取得し、PDL部105内でディザ情報109として管理する。
中間データ保存部113は、描画モジュールI/F部111から渡される、文字、図形、イメージの描画コマンド及び描画色を設定するためのコマンド、ページの解像度、ビット深さなどを設定するためのコマンドにより指示される描画条件をもとに、このページで使用するディザIDを選択する。また、選択したディザに対して後述する定着温度/紙搬送速度決定部119で決定される処理対象のページをプリント出力する際の制御目標値として設定する定着温度及び紙搬送速度の目標値を受け取るとともに、描画条件を確定し、確定した描画条件と前記制御目標値をプリンタエンジン23に通知する。なお、描画モジュールI/F部111は、定着温度/紙搬送速度決定部119の処理を待つまでも無く、省エネ判定部118及びディザ情報よりページの定着温度及び紙搬送速度の各制御目標値が決定できる場合、その時点で決定結果をプリンタエンジン23に通知する。
省エネ判定部118は、操作パネル24を介してユーザーが印刷ジョブに対する処理を省エネの設定で行うことを指示したか否か、或いはホストPC40からの印刷データに省エネで処理を行う設定があるか否かを、定着温度をどの程度下げて省エネを行うかの省エネレベル(後述する「省エネ最優先」「省エネ優先」「通常」モードの動作、参照)、を含めて判定する。なお、この省エネの設定は、上記のように外部からの指示で行う以外に、機種に固定の設定による方法をとってもよい。
レーザプリンタにおいて、ディザによる描画処理で生成された画像データを用いて記録用紙に転写されたトナー画像を紙面に定着させる際、記録用紙上のトナー像の形状が孤立した小さな点であると、十分に高温で定着しないと、印刷後に剥がれる可能性が高くなるために、従来では、比較的低い定着温度でも剥がれることの少ない広い面を持つトナー像に対しても、孤立した小さな点に適応する高温に固定して定着を行う方法をとっていた。
ただ、この従来技術の問題点として、上述したように、広い面に対しては、必要以上の温度で加熱する結果となり、定着用ヒータを点灯する電力を省電力化する観点から望ましくない。
この実施形態では、印刷データに指示される描画条件(描画コマンド及び描画設定情報)と関係付けて用意された複数種類のディザの中から印刷データに指示された描画条件によって使用するディザが選択され、また選択されるディザは、それぞれのディザが持つパターンとの関係で定着温度を通常の目標値より低減できるか否かを判断し、基本的にはこの判断に従って定着温度の目標値を決める。
この実施形態では、定着温度の目標値は、ディザIDによって特定されるディザの種類に対応して所定値をとるので、ディザ情報の1つとして「ディザ−定着温度対応テーブル」の形式でこの両者の関係を表す情報を予めデータベースとして用意する。
図4は、データベースとして用意する「ディザ−定着温度対応テーブル」の1例を示す図である。
図4の「ディザ−定着温度対応テーブル」において、ディザの種類を表すディザIDに対応付けて定着温度を「NORMAL」「LV1」「LV2」という温度情報で示している。ここでは、定着温度情報として、標準温度で定着を行う「NORMAL」と、1段階目まで定着温度を下げることができる「LV1」と、「LV1」よりも大きく定着温度を下げることのできる「LV2」の3段階の定着温度を目標値として表している。つまり、「LV1」「LV2」を目標値とする定着制御を行うことで、目的とする省電力化が図れる。なお、この動作が、必要以上の温度で加熱していた従来技術の問題を解決し、省エネを実現する定着制御の基本動作(後述する標準モードの動作)である。
ただ、図4の「ディザ−定着温度対応テーブル」において、例えば、“ディザID:1番,プレーン:K,濃度値:0”に対応する定着温度情報が“NORMAL”であるのに対して、“ディザID:0番,プレーン:K,濃度値:0”に対応する定着温度情報が“LV2”であることが示すように、一義的にはディザの種類に対応して定着温度の目標値を“NORMAL”から下げて定着制御を行っても、定着を正常に行うことが可能であり、省電力という目的を達成できることを表している。
なお、処理対象の描画に使用するディザの選択や定着温度を決定する中間データ保存部113及び定着温度/紙搬送速度決定部119は、ディザの種類に対応する定着温度の目標値をカラープレーン及び濃度値を加味して決定する場合、描画モジュールI/F部111が求める描画条件からカラープレーン及び濃度値を得、PDLパーサ部108によって管理されるディザ情報109の「ディザ−定着温度対応テーブル」を参照することによって、定着温度及び紙搬送速度の各制御目標値の決定に用いる。
ディザの種類に対応する定着温度の目標値は、それぞれ所定値をとり、上記では、図4に示したように、両者の関係を「ディザ−定着温度対応テーブル」としているが、フラグ形式で実施しても構わない。フラグ形式で実施する場合は、あるディザIDのカラープレーンごとにフラグを持つ、といった方法で実施が可能である。また、最も高い濃度値(255)でのディザパターンが全てのドットにトナーが載るベタ塗りの場合はディザ種を区別する必要が無い。
図5は、フラグ形式の実施例で用意する「ディザ−定着温度対応情報」の1例を示す図である。
同図に示すように、カラープレーンごとに2本のフラグ、即ち、濃度値[255(ベタ塗り)]と[255以外]のフラグを持つ形式により実施できる。このような方法をとることにより、図4に示した「ディザ−定着温度対応テーブル」の場合よりも少ないメモリ量でディザの種類に対応する定着温度の目標値を保持することが可能となる。
上記[描画条件に対応する定着制御の基本動作]では、印刷データの内容(描画条件)に適応する定着温度を制御目標値とすることによって、必要以上の温度で加熱することをなくし、省エネを実現する定着制御の基本動作を中心に説明した。
以下の説明では、上記の基本動作に加え、選択された使用予定ディザに対して省エネを実現するために定めた予定定着温度目標値をさらに低減させて、指定される省エネレベルにより省エネ動作を行えるようにする。
ただ、画質を低下させること無く定着温度を低減するために、ここでは、定着過程で加熱定着部に所定速度で搬送する記録用紙の搬送速度を省エネレベルに応じて制御することにより、定着加熱量を維持しつつ定着温度目標値を低減する方法によって実施する形態について、説明をする。
(1)標準モード
上記定着制御の基本動作に相当する動作を行う。入力PDLデータの解析結果に基づき、「ディザ−定着温度対応テーブル」を参照の上、使用するディザID・カラープレーン・濃度値から定着温度情報「NORMAL」「LV1」「LV2」を参照し、その値を定着温度目標値として決定する。定着温度目標値の決定を描画コマンド単位で行い、ページ内の全描画コマンドにおける定着温度目標値が決定できれば、定着温度目標値の最も高いレベルをそのページの定着温度目標値としてプリンタエンジン23に通知する。よって、ページ内で1度でも定着温度目標値「NORMAL」が使用される場合、標準温度「NORMAL」で定着を行う。
なお、定着温度目標値の最も高いレベルが「LV1」であったときには、省エネ動作となるので、この点が従来技術と相違する。
また、この標準モードでは、加熱定着部に搬送する記録用紙の搬送速度(以下、「紙搬送速度」という)は、標準の速度「NORMAL」で制御される。
省エネレベルを「LV1」よりも低くしない定着温度目標値を制御目標値とする。例えば、「ディザ−定着温度対応テーブル」をもとに定まる使用予定ディザに対する予定定着温度目標値が「NORMAL」であった場合、制御目標値を「LV1」に低減するので、定着温度の制御目標値を低減した分に応じて、定着加熱量を維持するために紙搬送速度を遅くする。なお、このとき定着温度の制御目標値の低減に伴い、変更する紙搬送速度の制御目標値は、1レベル落とすので「LV1」と表す。
(3)省エネ最優先モード
省エネレベルを最も高くする定着温度目標値「LV2」を制御目標値とする。例えば、「ディザ−定着温度対応テーブル」をもとに定まる使用予定ディザに対する予定定着温度目標値が「NORMAL」であった場合、制御目標値を「LV2」に低減するので、定着温度の制御目標値を低減した分に応じて、定着加熱量を維持するために紙搬送速度を2レベル遅く、即ち「LV2」とする。
指定された省エネレベルに対応して行う紙搬送速度の変更について、上記(1)〜(3)の動作モードそれぞれに対応して示す下記変更例1〜3によって具体的に説明する。
図6は、処理すべき印刷データと使用予定のディザに対応する予定定着温度目標値の関係を説明する概念図である。
同図において、通常処理では、描画コマンド“C”は、最も高い定着温度「NORMAL」を必要とするディザを用い、描画コマンド“A”は「NORMAL」よりも低い定着温度「LV1」を必要とするディザを用い、描画コマンド“B”はさらに低い定着温度「LV2」を必要とするディザを用いる印刷データを示している。
また、図7は、予定定着温度目標値に対する定着温度及び紙搬送速度の各制御目標値の関係を動作モードそれぞれに対応付けて示すテーブルの1例を示す図である。なお、同図中の見出し「省エネ設定」は動作モードに当たり、「ディザの定着温度情報」は予定定着温度目標値に当たり、「エンジンに通知する定着温度」は定着温度の制御目標値に当たり、「エンジンに通知する紙搬送速度」は紙搬送速度の制御目標値に当たる。
入力印刷データを解析し描画コマンドを含む描画条件を得、得られる描画コマンドに用いるディザを選択し、選択したディザに対応する予定定着温度目標値を、ディザID・カラープレーン・濃度値にもとづいて「ディザ−定着温度対応テーブル」(図4)を参照し求める。
ただ、PDLデータをもとに行う描画の処理単位は、ページ単位であり、プリント出力を行う途中で定着温度の設定を変更することはあり得ない。
つまり、ページ単位の印刷データから得られる描画コマンドに対応するディザが複数種類あり、それぞれの定着温度目標値が決定されても、設定される目標値は1つである。ここでは、画質を低下させないことが前提であるから、各描画コマンドに対して決定された定着温度のなかで最も高い温度をそのページの定着温度の制御目標値とする。
なお、紙搬送速度は変更しないので、図7に示すように、定着温度の制御目標値に係らず、いずれのページも紙搬送速度の各制御目標値を「NORMAL」とする。このようにして決定される定着温度及び紙搬送速度の各制御目標値は、プリンタエンジン23に通知され、定着制御に用いられる。
省エネ優先モードでも、ページ単位の予定定着温度目標値を求める方法は、上記標準モードにおける方法と同様である。
省エネ優先モードが指定された場合に、処理対象ページの印刷データから、上記と同様にして求めた予定定着温度目標値が、図7に示すように、それぞれのページで「NORMAL」、「LV1」、「LV2」という結果になったとする。
この省エネ優先モードでは、制御目標値を「LV1」以下とするので、図7中の「NORMAL」となった予定定着温度目標値は、制御目標値を「LV1」に低減し、また、「LV1」及び「LV2」となった予定定着温度目標値は、そのままの値を制御目標値とする。
他方、予定定着温度目標値をそのまま制御目標値とする「LV1」及び「LV2」は、紙搬送速度の制御目標値も変更しないので、図7に示すように、紙搬送速度の制御目標値を「NORMAL」とし、標準モードのときの値と変えない。
省エネ最優先モードでも、ページ単位の予定定着温度目標値を求める方法は、上記標準モードにおける方法と同様である。
省エネ最優先モードが指定された場合に、処理対象ページの印刷データから、上記と同様にして求めた予定定着温度目標値が、図7に示すように、それぞれのページで「NORMAL」、「LV1」、「LV2」という結果になったとする。
この省エネ最優先モードでは、制御目標値を省エネレベルの最も高い「LV2」とするので、図7中の「NORMAL」、「LV1」となった予定定着温度目標値は、制御目標値をそれぞれ「LV2」に低減し、また、「LV2」となった予定定着温度目標値は、そのままの値を制御目標値とする。
また、制御目標値を「LV1」から「LV2」に低減するときには、定着温度の制御目標値を低減した分に応じて、定着加熱量を維持するために紙搬送速度を遅くするので、紙搬送速度の制御目標値は、図7に示すように、標準モードのとき「NORMAL」とする値を1レベル落として「LV1」とする。
他方、予定定着温度目標値をそのまま制御目標値とする「LV2」は、紙搬送速度の制御目標値も変更しないので、図7に示すように、紙搬送速度の制御目標値を「NORMAL」とし、標準モードのときの値と変えない。
次に、ページ単位の描画処理とともに行われる定着温度及び紙搬送速度の決定処理の実施形態をプロセスに沿って説明する。
ホストPC40上のドライバからプリンタ20のコントローラ10へ送られてくる印刷データはジョブを単位とし、1つのジョブは1枚以上のページから構成されている。なお、1ページの描画処理は複数バンド構成の処理であってもよいが、定着温度及び紙搬送速度の設定処理はページごとに行う。この実施形態では、1ページ分のピクセルデータを格納するのに充分な容量のフレームメモリが確保されており、処理単位をページとする。
ジョブの印刷データには、描画コマンドや描画設定情報等の情報が挿入されている。代表的な描画コマンドには文宇、図形、イメージがある。また、描画設定情報として、描画色を設定するためのコマンド、ページの解像度、ビット深さなどを設定するためのコマンドが挿入されている。
描画モジュールI/F部111から渡されるコマンドを受け取る中間データ保存部113は、文字、図形、イメージの描画コマンド及び描画色を設定するためのコマンド、ページの解像度、ビット深さなどを設定するためのコマンドにより指示される描画条件をもとに、このページで使用を予定するディザIDを選択する。なお、このディザの選択は、このプリンタの環境に適合するデータベースとして構築されPDLパーサ部108で管理されているディザ情報109の複数種のディザから上記描画条件に適合するディザの種類を選択し、そのディザIDを得る。
なお、定着温度/紙搬送速度決定部119は、決定した定着温度及び紙搬送速度の各制御目標値等の決定結果を処理単位(ここでは、ページを単位とする)のプリント出力の間、保持しておく。
また、中間データ保存部113は、ディザID・カラープレーン・濃度値よりなる描画条件を確定し、確定した描画条件を中間データメモリ115に保存することにより、描画処理部117がこの描画条件にもとづいて処理対象のページ画像の描画処理を行う。
図8は、処理対象のジョブの定着温度及び紙搬送速度を決定する処理のフローを示す図である。
コントローラ10のプリンタ制御システム部104は、ネットワークI/F部102で印刷ジョブを受け付けたタイミングで、図8に示す処理フローを起動する。
プリンタ制御システム部104は、印刷ジョブが複数ページからなる場合でも、ページ単位で設定する定着温度の目標値を決めていくのでページごとにこの処理を起動する。
先ず、処理対象のジョブに設定されている省エネモードを判定する(ステップS101)。この判定は、上記「省エネ最優先」「省エネ優先」「標準」モードのどれが設定されているかを、ユーザーの操作や印刷データの設定から判定する。
また、上記の処理と並行に、この処理対象ページのPDLデータを解析することにより得られる描画コマンド等の描画条件をそのまま、即ちPDLの設定を変更することなく、描画処理を行い(ステップS111)、描画処理の終了を確認して、このフローの処理を終了する。
即ち、定着温度の決定処理の対象とした描画コマンドについて、使用予定ディザに対して省エネを実現するために定めた定着温度目標値(予定定着温度目標値)と指定された省エネレベルにもとづいて、上述の決定方法に従って当該描画コマンドに対する定着温度及び紙搬送速度の各制御目標値を決定する(ステップS104)。
よって、ステップS105で紙搬送速度の変更が必要になる場合には(ステップS105−YES)、ステップS104の処理で決定された結果に従い、紙搬送速度の制御目標値を変更する(ステップS106)。なお、ステップS105で紙搬送速度の変更が必要にならない場合には(ステップS105−NO)、何もせずに次のステップS107に移行する。
ステップS107の確認の結果、ページの定着温度が決まった場合(ステップS107−YES)、ステップS110に移行し、上記ステップS110の処理と同様の処理を経て、このフローの処理を終了する。
ステップS108では、処理対象ページの全描画コマンドの処理を終了したか否かを確認し、未処理の描画コマンドがある場合には、次の描画コマンドの定着温度を決定する処理を行うためにステップS103に戻す。
また、ステップS108で未処理の描画コマンドがなくページの全描画コマンドの処理を終了したことが確認できれば、ステップS110に移行し、上記ステップS110の処理と同様の処理を経て、このフローの処理を終了する。
Claims (9)
- ページ記述言語の印刷データを解析し設定された描画コマンドを含む描画条件を得るPDL解析手段、予め描画条件と関係付けて用意された複数種類のディザの中から前記PDL解析手段によって解析された描画条件によってディザを選択する手段、ディザを用い描画条件に従って描画処理を行うことにより出力用画像データを生成する描画手段、前記出力画像データを用いて記録用紙に画像を形成する手段、所定速度で搬送する記録用紙上に形成された画像を定着温度に加熱し記録用紙に定着する手段、前記定着温度を目標値に制御する定着制御手段及び前記記録用紙に搬送する前記所定速度を目標速度に制御する搬送制御手段を有する画像形成装置であって、
複数種類のディザそれぞれと省電力を実現するために定めた定着温度目標値とを対応づけたデータベースと、
前記印刷データに対して指定されている省電力レベルを判定する省電力指示判定手段と、
前記PDL解析手段によって解析された描画条件によって選択される少なくとも1つのディザの種類に対応する定着温度目標値を前記データベースから取得し、取得した少なくとも1つの定着温度目標値に基づいて前記印刷データのページ毎の定着温度目標値を決定し、前記省電力指示判定手段によって判定した省電力レベルと、前記決定された定着温度目標値とに基づいて、該定着温度目標値が該省電力レベルを満たさない場合に、当該省電力レベルを満たすように該定着温度目標値を変更し、かつ前記定着温度目標値の変更に基づいて前記印刷データのページ毎に記録用紙の搬送目標速度を決定する省電力動作条件決定手段と、を備え、
前記搬送制御手段は、前記省電力動作条件決定手段によって決定された記録用紙の搬送目標速度への制御を行い、
前記定着制御手段は、前記省電力動作条件決定手段によって決定された定着温度目標値への制御を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載された画像形成装置において、
前記ディザの種類は、カラープレーン及び濃度によって分類されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載された画像形成装置において、
前記ディザの種類は、前記印刷データに設定される解像度、ビット深さの少なくとも一方の描画条件の違いによって分類されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載された画像形成装置において、
表示部と操作部を持つユーザーインターフェースを備え、
前記ユーザーインターフェースは、印刷データに対し省電力レベルを指定した省電力処理を指示する前記操作部の入力操作を受け付け、前記省電力動作条件決定手段の決定結果を前記表示部によって表示することを特徴とする画像形成装置。 - コンピュータを請求項1乃至4のいずれかに記載された画像形成装置が有する、前記データベース、前記省電力指示判定手段、前記省電力動作条件決定手段、前記描画手段、前記搬送制御手段、前記定着制御手段の各手段として機能させるためのプログラム。
- 請求項5に記載されたプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載された画像形成装置と、
前記画像形成装置と通信手段で接続し、前記通信手段により画像形成装置に対し印刷ジョブを送り、該印刷ジョブの処理状況の通知を受けるホストであって、
表示部と操作部を持つユーザーインターフェースと、
前記印刷ジョブの処理状況の通知を前記ユーザーインターフェースで表示するための処理手段及び該ユーザーインターフェースからの指示操作に従い、ページ記述言語の印刷データを作成する手段として機能するプリンタドライバと
を有するホストと、
により構成することを特徴とする画像形成システム。 - 請求項7に記載された画像形成システムにおいて、
前記印刷ジョブの処理状況の通知が前記省電力動作条件決定手段の決定結果であることを特徴とする画像形成システム。 - ページ記述言語の印刷データを解析し設定された描画コマンドを含む描画条件を得るPDL解析手段、予め描画条件と関係付けて用意された複数種類のディザの中から前記PDL解析手段によって解析された描画条件によってディザを選択する手段、ディザを用い描画条件に従って描画処理を行うことにより出力用画像データを生成する描画手段、前記出力用画像データを用いて記録用紙に画像を形成する手段、所定速度で搬送する記録用紙上に形成された画像を定着温度に加熱し記録用紙に定着する手段、前記定着温度を目標値に制御する定着制御手段及び前記記録用紙を搬送する前記所定速度を目標速度に制御する搬送制御手段を有する画像形成装置における定着制御方法であって、
複数種類のディザそれぞれと省電力を実現するために定めた定着温度目標値とを対応づけたデータベースを用意し、前記印刷データに対して指定されている省電力レベルを判定する省電力指示判定工程と、
前記PDL解析手段によって解析された描画条件によって選択される少なくとも1つのディザの種類に対応する定着温度目標値を前記データベースから取得し、取得した少なくとも1つの定着温度目標値に基づいて前記印刷データのページ毎の定着温度目標値を決定し、前記省電力指示判定工程において判定した省電力レベルと、前記決定した定着温度目標値とに基づいて、該定着温度目標値が該省電力レベルを満たさない場合に、当該省電力レベルを満たすように該定着温度目標値を変更し、かつ前記定着温度目標値の変更に基づいて前記印刷データのページ毎に記録用紙の搬送目標速度を決定する省電力動作条件決定工程と、
前記省電力動作条件決定工程で決定された記録用紙の搬送目標速度への制御を行うとともに、前記省電力動作条件決定工程で決定された定着温度目標値への制御を行う定着制御工程と、
を有することを特徴とする定着制御方法。
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