JP2013041218A - 画像形成装置、定着制御方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

画像形成装置、定着制御方法、プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 描画条件に対応する目標温度の設定で画像の定着制御を行う際、先行画像の目標温度から次画像の目標温度への制御の切替えに遅れが生じないようにし、生産性の低下を防ぐこと。
【解決手段】 先行ページの定着温度目標値に制御されている定着温度を次ページに適用する目標値に制御する所要時間を算出し(S201)、算出した所要時間を、次ページの記録用紙が定着処理を受ける予定時刻から逆算し、昇温動作への切り替え時刻を求め(S202)、タイムリミットとなるこの時刻に至ったときに(S203-YES)、次ページの描画処理が完了していない場合に、昇温動作への切り替えが必要であると推定し(S204)、即時に制御を切替える(S207)ことで、次ページの記録用紙が定着処理を受けるタイミングに間に合わせることが可能になり、生産性の低下を防ぐことができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、印刷データを基に記録媒体(記録用紙)に画像を形成するプリンタ、複合機等の画像形成装置に関し、より詳しくは、記録用紙にトナーによって形成した画像を加熱定着するために消費する電力を低減する制御を行う画像形成装置、定着制御方法、前記制御を実行するためのプログラム及び該プログラムを記録した記録媒体(メモリ等の記憶媒体)に関する。
従来から、プリンタドライバを搭載したPC(Personal computer)等のホスト装置から送信されてくる印刷データをもとに記録用紙に画像を形成するプリンタ、複合機等の画像形成装置において、プリンタエンジンとして、いわゆるレーザプリンタが広く利用されている。このレーザプリンタは、描画された画像データによって点灯が制御されるLD(レーザダイオード)からの光ビームにより走査露光を行い、電子写真方式で画像を形成する。この方式による画像形成過程では、記録用紙上に作成したトナー像を用紙に定着させる際に、高温加熱が必要で、この定着処理に用いるヒータで消費される電力が相当大きくなる。
近年、環境に対する意識の高まりもあり、定着で消費される電力を必要最小限に抑え、TEC(Typical Electricity Consumption)値を基準に省電力化を図ることへの要求が一層強まっている。
定着で消費される電力を抑制することを目的として、従来、例えば、省エネモードの定着温度として設定された温度に対応してトナーの載り量を変更すること(特許文献1)や、省エネモードの指示により定着温度を低く設定することにより消費電力を抑えること(特許文献2)が提案されている。
また、並行して複数の印刷ジョブを実行する際、使用電力に制限がある場合に、制限内の電力で生産性を向上するために、印刷ジョブの実行順序を入れ替えること(特許文献3)が提案されている。
ところで、レーザプリンタにおいては、高解像度で画像が形成でき、中間調を描画する例えばディザ等によるパターン画像のように、定着する記録用紙上のトナー像の形状が孤立した小さな点であると、十分に高温で定着しないと印刷後にはがれる可能性が高くなるが、他方、トナー像の形状が十分に長い線や、十分に広い面であると、カラープレーン及び濃度並びに解像度によって違いがあるが、比較的低い定着温度でもはがれることは少なく、実用に耐え得ることが分かってきた。
しかし、従来の定着処理においては、描画条件の違いによって定着温度を変えるという対処をすることはなく、トナー像における孤立した小さな点が示す上記の性質を考慮して、定着温度の設定を高温に保持することにより対応しているので、トナー像の形状が十分に長い線や、十分に広い面に対しては、必要以上の温度で加熱する結果となっている。
必要以上の温度で加熱が行われているこの問題を解消するために、本出願人は、先の出願(特願2010-50476号、以下「先願」という)では、印刷データに指示される、描画条件との関係で定着制御の目標温度の設定を変える手法を採用している。つまり、描画条件との関係で用いるディザの種類が違って、トナー像における孤立点の形状が異なってくるので、印刷データの内容に応じて選択されるディザの種類に対応する目標温度の設定で定着制御を行う。
このように、上記先願では、印刷データの内容に応じた目標温度の設定で定着制御を行うことで、必要以上の定着温度による無駄な電力消費をなくすことができ、上記従来技術の問題を解消している。
ただ、先願のように、記録用紙(ページ)を単位として印刷(PDL:ページ記述言語)データの内容(例えば、用いるディザの種類)に適応する目標温度で連続印刷する各記録用紙に対する定着制御を行うと、所定の間隔をおいて給紙される記録用紙を定着処理に掛けるまでに目標温度に制御する動作が間に合わず、生産性が低下する状況になることがある。
ここで、上記の生産性低下が生じる状況になる場合の印刷動作について、図8を参照して説明する。
図8は、連続印刷における各記録用紙に対する先願の定着温度制御に係る動作として、上記生産性の低下が生じる場合の動作を説明するタイムチャートである。
図8(A)は、共通の時間軸に、「エンジン」「定着」「描画」の各動作状態を示したものである。同図の「エンジン」は、プリンタエンジンで連続印刷時に印刷される記録用紙のページ「P.1,P.2,P.3,・・・」の給紙・排紙タイミングを順に示す。「定着」は、各ページに合わせて定着温度を上昇させる制御を行う期間(実線の矢印)を示す。「描画」は、印刷データに基づいて描画処理を行うページ「P.1,P.2,P.3,・・・」の処理期間を順に示している。同図に示すように、描画処理に要する時間は、モノクロ画像よりもカラー画像の方が長い時間を要する。
図8(B)は、図8(A)の時間軸に合わせて、定着温度の変化を示し、この例では、目標定着温度を「高」「中」「低」の3段階で制御する例を示している。
図8に示す動作では、各ページにおいて、描画処理を終えてから、必要な定着温度制御動作の切替えを行っている。
よって、定着に低温を適用できるページP.1から中温を適用するページP.2への定着温度制御動作の切替えは、ページP.2の描画処理を終えた時刻t2’で行い、ページP.2に対するプリンタエンジンにおける記録用紙の給紙時には、定着温度が中温となっているので、正常に印刷が行われる。
しかし、定着に中温を適用できるページP.3から高温を適用するページP.4への定着温度制御動作の切替えは、ページP.4の描画処理を終えた時刻t4’で行うが、プリンタエンジンにおいてページP.4に対する記録用紙を給紙できる時刻T4では、まだ昇温動作期間thの途中であって、定着温度が高温になっていない、即ち、定着温度の上昇がページP.4の給紙に間に合わない。このため、ページP.4が給紙できる状態で印刷動作を止めて、定着温度が高温に達したことを確認して、新たに印刷動作を開始し、ページP.4の印刷を行うことになってしまい、生産性の低下が起きる。
本発明の目的は、印刷データに設定された描画条件に対応する目標温度の設定で画像の定着制御を行う際に、先行画像に適応する目標温度に対して次画像に対する目標温度への制御の切替えに遅れが生じないようにして、先願において生じ得る生産性の低下を防ぐことである。
本発明は、記録媒体の記録面に形成する画像の描画条件に対応して予め定めた定着温度目標値により、前記記録媒体に対する定着温度を制御して形成した画像の定着処理を行う画像形成装置であって、描画条件と、前記描画条件に対応して定められた定着温度目標値とを対応付けて記憶する定着温度目標値記憶手段と、前記記録媒体の記録面に形成する先行画像と次画像の描画条件が異なる場合、各描画条件に対応する定着温度目標値として、前記定着温度目標値記憶手段から取得された定着温度目標値に基づいて、先行画像から次画像の定着温度目標値へ定着温度の制御動作を切替えてから次画像の定着温度目標値に定着温度が達するまでの所要時間を算出する目標温度到達時間算出手段と、供給される前記記録媒体が定着処理を受ける予定時刻から前記目標温度到達時間算出手段によって算出された所要時間を逆算して得た時刻までに、前記定着温度の制御動作の切替えを行う制御手段とを有する画像形成装置である。
本発明は、記録媒体の記録面に形成する画像の描画条件に対応して予め定めた定着温度目標値により、前記記録媒体に対する定着温度を制御して形成した画像の定着処理を行う画像形成装置における定着制御方法であって、前記記録媒体の記録面に形成する先行画像と次画像の描画条件が異なる場合、描画条件と、前記描画条件に対応して定められた定着温度目標値とを対応付けて記憶しておいた定着温度目標値記憶手段から、前記先行画像と次画像の各描画条件に対応する定着温度目標値を取得する定着温度目標値取得工程と、前記定着温度目標値取得工程で取得した定着温度目標値に基づいて、先行画像から次画像の定着温度目標値へ定着温度の制御動作を切替えてから次画像の定着温度目標値に定着温度が達するまでの所要時間を算出する目標温度到達時間算出工程と、供給される前記記録媒体が定着処理を受ける予定時刻から前記目標温度到達時間算出工程によって算出された所要時間を逆算して得た時刻までに、前記定着温度の制御動作の切替えを行う制御工程とを有する定着制御方法である。
本発明によれば、先行画像に適応する目標温度に対して次画像に対する目標温度への制御の切替えに遅れが生じないようにしたことにより、先願において生じた生産性の低下を防ぎつつ、定着制御に要する消費電力を低減することができる。
本発明の画像形成装置の実施形態に係るプリンタのハードウェア構成を示す図である。 図1に示したプリンタに搭載したソフトウェア構成を示すブロック図である。 図2に示した機能ブロック図のPDL部の詳細な構成を示す図である。 処理対象の印刷ジョブの定着温度を判定する処理のフローを示す図である。 連続印刷における各記録用紙に対する本発明の実施形態の定着温度制御に係る動作を説明するタイムチャートである。 本発明の実施形態に係る連続印刷時における定着温度制御のフロー図である。 先行ページから次ページの定着温度目標値への昇温時に必要な時間を求めるために用意するテーブルの一例を示す図である。 連続印刷における各記録用紙に対する先願の定着温度制御に係る動作を説明するタイムチャートである。
本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
以下に示す実施形態は、本発明の画像形成装置をレーザプリンタ、即ち、描画された出力用画像データによって点灯が制御されるレーザビームにより走査露光を行い、電子写真方式で画像を形成するプリンタに実施した例を示す。なお、本実施形態では、カラー及びモノクロの印刷出力ができるプリンタを示すが、モノクロ印刷出力だけのものでもよい。
ただ、描画処理によって印刷出力用画像データ(以下、単に「出力用画像データ」ともいう)を生成するプロセスでは、予め用意された複数種類のディザの中から、印刷データに示される描画条件に対応して選択されるディザを使用して、プリンタエンジンで用いる出力用画像データを生成する描画処理を行う形態を例示する。
なお、電子写真方式で高分解能の画像を形成する装置であれば、レーザプリンタ以外の画像形成装置を実施形態としてもよい。
[ハードウェア構成の概要]
図1は、本発明の実施形態に係るプリンタのハードウェア構成を示す図である。
同図に示す画像形成装置としてのプリンタ20は、プリンタ全体を制御するコントローラ10と、描画された出力用画像データ(以下「描画データ」という)をもとに記録用紙に印刷(画像形成)をするプリンタエンジン23と、表示部と入力キー等の操作部を備えユーザーインターフェースとしての機能を提供する操作パネル24を有する。
コントローラ10は、ソフトウェアプログラムの命令を実行するためのCPU(Central Processing Unit)11と、コントローラを動作させるためにCPU11によって使用される制御プログラム、制御用データ等を格納するROM(Read Only Memory)12と、前記制御プログラムによって生成される描画データなどを一時的に保存するページ(フレーム)メモリ或いはソフトウェアプログラムの動作に必要なデータを保存するワークメモリとして利用するRAM(Random Access Memory)13と、機器に依存する処理条件等の設定データなどを保存しておく不揮発性メモリであるNV−RAM(Non Volatile RAM)14を構成要素として有する。つまり、CPU11、ROM12、RAM13の各要素よりなるコンピュータをコントローラ10として機能させる。
さらに、コントローラ10は、プリンタエンジン23との間でデータを交換するためのエンジンインタフェース(I/F)16と、操作パネル24との間でデータを交換するための操作パネルI/F17と、ネットワーク上に接続された、プリンタドライバ等の印刷データを作成する手段を搭載したホスト装置としてのPC(以下、「ホストPC」という)40との間でデータを交換するためのネットワークI/F15を構成要素として有する。
なお、コントローラ10を構成する上記の要素は、それぞれ内部バス19を介して接続されている。
また、ネットワークI/F15と通信手段(不図示)で接続したホスト装置としてのホストPC40と、画像形成装置としてのプリンタ20とにより構成するシステムを画像形成システムという。
コントローラ10は、ホストPC40から受信したPDLによる印刷データにもとづいて、各種の変換処理を含む描画処理を行い、印刷出力に用いる描画データを生成し、プリンタエンジン23で出力を行わせる。RAM13は、ホストPC40からの印刷データ、該印刷データから生成される中間データ形式の画像データ、ラスタ形式のピクセルデータ、その後段の処理で生成される印刷出力に用いる描画データを記憶する。
プリンタ20は、ROM12やNV−RAM14などの記憶装置に格納された制御プログラム及び制御や処理の動作条件に係る設定情報を読出し、CPU11の作業メモリ領域を提供するRAM13のメモリ領域に展開し、またRAM13を画像形成処理の作業領域として利用することによって、後述する図2及び図3に示す各機能を実現する手段を構成する。
[ソフトウェア構成]
図2は、図1に示したプリンタ20に搭載したソフトウェア構成を示すブロック図である。
ホストPC40は、PDL(後記に例示)で記述された印刷データを作成するプリンタドライバを使用して、アプリケーションによって作成もしくは処理した文書を複数の描画コマンドからなる印刷データに変換して、プリンタ20に送信し、印刷出力を要求する。上記描画コマンドは、通常、文字、イメージ、グラフィックの各描画を指示するコマンドである。また、PDLで記述された印刷データは、PostScript(登録商標)、PCL(登録商標)、RPDL(登録商標)などで表現される。
コントローラ10は、コントローラ全体を制御する機能ブロックとしてプリンタ制御システム部104を有する。また、コントローラ10内のモジュールの構成としては、プリンタ制御システム部104の制御下で、画像形成システムを構成するホストPC40とデータ交換を行うネットワークI/F部102と、操作パネル24とのデータ交換によりユーザーに対する表示を行いかつユーザーの操作による入力を受付ける操作パネルI/F部103と、受信した印刷データを解析して、解析結果として得られる描画条件に従い印刷出力用の描画データ等を生成するPDL部105と、プリンタエンジン23に対し印刷出力を指示し、印刷出力に用いる描画データ、定着の制御条件(後記で詳述する定着温度など)を含む各種印刷条件の設定データなどを送信するエンジンI/F部106を有する。
また、プリンタ制御システム部104は、印刷ジョブを管理する機能(不図示)を有する。この管理機能は、印刷データを、印刷データに付随するか、或いはユーザーの操作を通して設定された条件に従い処理するよう各印刷ジョブを管理する。また、この管理機能の一つとして、印刷データの処理状況を把握し、処理条件を変更して処理が行われる場合には、その処理状況を必要に応じてユーザーに報知する機能を持つ。例えば、異常の発生や、コントローラ側の判断で動作を変更する場合のように、ユーザーの意図しない動作が行われる可能性がある場合には、操作パネル24の表示部等を通じてユーザーに状況を知らせる。
こうした印刷ジョブの管理機能は、画像形成装置とホストをネットワークで接続する画像形成システムを構成する場合にも機能することが必要である。なお、プリンタ等の画像形成装置とこれを利用するホストPC等の機器で構成する従来のクライアントサーバシステムにおいて、このような管理機能は、ユーザーインターフェースの基本機能として装備される技術であるから、この既存の技術を本実施形態におけるプリンタ制御システム部104とホストPC40のプリンタドライバとの間で実行する当該機能に適用することにより実施することができる。
〈PDL部の内部構成〉
上記コントローラ10のプリンタ制御システム部104の制御下で動作するPDL部105は、印刷データをもとに印刷出力用の描画データを生成するほか、ここで生成した描画データによる印刷出力の際、プリンタエンジン23で行われる定着処理、即ち記録用紙に形成されるトナー画像を加熱定着する処理における制御条件として、設定する定着温度の制御目標値(後記で詳述)を定める。
よって、PDL部105には、既存のプリンタが有するPDLの処理部に、上記制御条件を設定するための機能に必要な要素が加わる。
図3は、図2に示したPDL部105内部のモジュール構成を示す図である。
同図に示すように、PDL部105は、ホストPC40が印刷を要求して送信してくるPostScript(登録商標)、PCL(登録商標)、RPDL(登録商標)などのPDLで記述された印刷データの構文解析をPDLの種類に応じて行うPDLパーサ部108と、PDLの解析結果として得られる描画条件に従い、印刷出力用の画像データ等を生成する描画コアモジュール部110を構成要素として有する。
PDLパーサ部108は、ディザ情報109を管理する。ディザ情報109は、描画条件に応じて選択されるディザに用いるパターン情報、各ディザごとに対応付けて定められた後記で詳述する定着温度の制御目標値(以下「定着温度目標値」という)等よりなる。このプリンタの環境に適合するディザ情報109は、例えばROM12に保存しておく。つまり、ディザと、各ディザごとに対応付けて定められた定着温度目標値とを対応付けて記憶する定着温度目標値記憶手段として、ここではROM12を用いる。
PDLパーサ部108は、コントローラ10の起動時に、ROM12から保存されたディザ情報を取得し、PDL部105内でディザ情報109として管理する。
描画コアモジュール部110は、PDLパーサ部108から描画条件としてのテキスト、イメージ、ベクターグラフィックスの各描画コマンドや描画設定情報を受け取るためのI/Fである描画モジュールI/F部111と、テキスト、イメージ、ベクターグラフィックスなどの描画コマンドと色や透過設定などを持つ描画設定情報を中間データとして保存する中間データ保存部113と、中間データの保存先のメモリである中間データメモリ115と、描画用の中間データにもとづいて、印刷出力用の描画データをレンダリングする複数の描画処理部117のモジュールを有する。
また、描画コアモジュール部110は、使用ディザ判定部112を有する。使用ディザ判定部112は、要求された印刷出力を行うときに使用するディザとして、PDLパーサ部108で管理されているディザ情報109の複数種のディザから、描画モジュールI/F部111を介して受け取る処理対象のPDLデータに指示される描画条件に適合するディザの種類を判定する。さらに、使用ディザ判定部112は、使用するディザの種類の判定とともに、後述するが、ディザの種類に対応する定着温度の目標値をPDLパーサ部108によって管理されているディザ情報109に基づいて定める。なお、定めた目標値は、処理単位(ここでは、ページを単位とする)のプリント出力の間、使用ディザ判定部112に保持される。
中間データ保存部113は、使用ディザ判定部112から、判定結果として得られた使用ディザ、定着温度目標値を受け取るとともに、描画条件を確定し、印刷出力順序に従い、各ページの描画条件と定着温度目標値を、プリンタエンジン23を制御するコントローラ10のプリンタ制御システム部104(図2)へ渡す。
[描画条件に対応する定着制御]
レーザプリンタにおいて、ディザによる描画処理で生成された画像データを用いて記録用紙に転写されたトナー画像を紙面に定着させる際、記録用紙上のトナー像の形状が孤立した小さな点であると、十分に高温で定着しないと、印刷後に剥がれる可能性が高くなるために、従来では、描画条件の如何に係りなく、孤立した小さな点に適応する高温に固定して定着を行う方法をとっていた。
このため、比較的低い定着温度でも剥がれることの少ない広い面を持つトナー像に対しても高温を適用することになり、必要以上の温度で加熱する結果となり、定着用ヒータの点灯電力の省電力化にとって問題となる。
そこで、本実施形態では、描画対象が孤立した小さな点を持たず、広い面を持つトナー像を形成する印刷要求であるか否かを印刷データの内容から判断し、それぞれに適応する定着温度で定着をする制御を行うことで、上記問題点を解決する。
この実施形態では、印刷データに指示される描画条件と関係付けて用意された複数種類のディザの中から印刷データに指示された描画条件によって使用するディザが選択され、また選択されるディザは、それぞれのディザに用いるパターンとカラー/モノクロ及び濃度、並びに印刷データに設定される解像度、ビット深さ、紙種等の描画条件との関係で定着温度を通常の目標値(従来の固定値)より低減できるか否かを判断し、基本的にはこの判断に従って定着温度の目標値を定める。
この実施形態では、定着温度の目標値は、ディザの種類ごとに対応する所定値をとるので、ディザ情報の1つとして「ディザ−定着温度対応テーブル」の形式で、ディザとディザごとに定められた定着温度目標値の対応関係を表す情報を予め用意する。
この「ディザ−定着温度対応テーブル」において、ディザの種類を表すディザIDに対応付けて定着温度を「NORMAL」「LV1」「LV2」という温度情報で示す。ここでは、定着温度情報として、標準温度で定着を行う「NORMAL」と、1段階目まで定着温度を下げることができる「LV1」と、「LV1」よりも大きく定着温度を下げることのできる「LV2」の3段階の定着温度を目標値として表す。つまり、「LV1」「LV2」を目標値とする定着制御を行うことで、目的とする省電力化が図れる。
また、このテーブルは、描画条件としてKCMY(K:ブラック,C:シアン,M:マゼンタ,Y:イェロー)の各カラープレーン及び濃度値(0,1,2,・・,255)ごとにそれぞれの定着温度を対応付けて用意することにより、動作を適正化できる。
ディザの種類に対応する定着温度目標値をカラープレーン及び濃度値を加味して指定する場合、使用ディザ判定部112は、描画モジュールI/F部111が求める描画条件からカラープレーン及び濃度値を得、PDLパーサ部108によって管理されるディザ情報109の「ディザ−定着温度対応テーブル」を参照することによって、当該ディザに対応する定着温度目標値を取得し、取得した値を定着制御において設定する定着温度目標値として指定する。
[定着温度の設定]
ところで、PDLデータ記述した印刷データをもとに行う描画の処理単位は、ページ単位であり、1ページの描画処理により得られる画像データを用いて実際にプリント出力を行う途中で定着温度の設定を変更することはあり得ない。
よって、ページ単位の印刷(PDL)データから解析結果として得られる描画条件によって選択される使用ディザが複数種類あり、それぞれに対応する定着温度の目標値がディザ情報109に基づいて決定されても、設定される目標値は1つである。
〈ページ単位で行う定着温度の判定処理〉
ここで、ページ単位の描画処理とともに行われる定着温度の判定処理の実施形態をプロセスに沿って説明する。
ホストPC40上のドライバからプリンタ20のコントローラ10へ送られてくる印刷データはジョブを単位とし、1つのジョブは1枚以上のページから構成されているとする。なお、1ページの描画処理は複数バンド構成の処理であってもよいが、定着温度の判定処理はページごとに行う。この実施形態では、1ページ分のピクセルデータを格納するに充分な容量のフレームメモリが確保されており、処理単位をページとする。
ジョブの印刷データには、描画コマンドや描画設定情報等の情報が挿入されている。代表的な描画コマンドには文字、図形、イメージがある。また、描画設定情報として、描画色を設定するためのコマンド、ページの解像度、ビット深さなどを設定するためのコマンドが挿入されている。
印刷データを受け取るPDLパーサ部108は、印刷データを解析することにより描画コマンドなどの各コマンドに切り分けて、切り分けたコマンドを描画モジュールI/F111へ伝達する。また、描画モジュールI/F部111は、受け入れたコマンドを使用ディザ判定部112へ伝達する。
描画モジュールI/F部111から渡されるコマンドを受け取る使用ディザ判定部112は、文字、図形、イメージの描画コマンド及び描画色を設定するためのコマンド、ページの解像度、ビット深さなどを設定するためのコマンドにより指示される描画条件をもとに、このページで使用するディザIDを選択する。なお、使用ディザの判定は、PDLパーサ部108でこのプリンタの環境下で適用するために管理されているディザ情報109の複数種のディザから、上記描画条件に適合するディザの種類を判定し、そのディザIDを得る。
次に、描画色が設定され、描画モジュールI/F111の中の描画コマンドI/Fが呼ばれると、その描画コマンドの描画先座標で使用されるディザが、使用ディザ判定部112で判定されたディザIDに加え、カラープレーンと濃度値まで確定する。
ディザID、カラープレーン、濃度値まで確定すると、使用ディザ判定部112は、PDLパーサ部108で管理されているディザ情報109の「ディザ−定着温度対応テーブル」を参照することによって、使用するディザに対応する定着温度の目標値が「NORMAL」「LV1」「LV2」のいずれであるかを求める。
描画コマンドごとの定着温度の目標値は、それぞれ上記の方法で求まる。処理単位のページに含まれる全ての描画コマンドに対してこの判定を行い、全ての描画コマンドについて求めた定着温度の目標値のうちで、予め定めた優先度に従い、この処理単位のページに対する定着温度の目標値を決定する。
優先度は、例えば、温度が高い順と決めておけば、定着温度の目標値「NORMAL」が最も高く、次に「LV1」、最も低いのが「LV2」となる。このように優先度を決めておくことによって、処理単位のページで使用される最も高い定着温度を必要とするディザの定着温度で全ページが印刷されるので、定着が不完全でトナーが剥がれることを防ぐことができる。
また、処理単位のページで使用される最も高い定着温度が「LV1」や「LV2」である場合には、目標値を通常よりも低く設定でき、定着用ヒータを点灯する電力を省電力化することができる。
また、処理単位のページの各描画コマンドについて、順次に定着温度の目標値を求めていく処理を行っていく過程で、最も優先度が高いものをページの終了まで使用ディザ判定部112で保持し、そのページの定着温度の目標値として、プリンタエンジン23の定着制御に用いる。この手順によれば、処理単位のページの途中で、ある描画コマンドで最も優先度の高い定着温度「NORMAL」が目標値として求まった場合には、その後のページの終了まで定着温度の目標値を求める処理を省略できる。
〈定着温度の判定処理フロー〉
図4は、処理対象の印刷ジョブの定着温度を判定する処理のフローを示す図である。
コントローラ10のプリンタ制御システム部104は、ネットワークI/F部102で印刷ジョブを受け付けたタイミングで、図4の処理フローを起動する。
プリンタ制御システム部104は、印刷ジョブが複数ページからなる場合に、先頭ページから順にページ単位で設定する定着温度の目標値を決めていくので、先ず、先頭ページの処理を開始し(ステップS101)、このページの定着制御に用いる定着温度の目標値を判定する(ステップS102)。
ステップS102は、後段のステップS104における描画コマンド単位の判定処理を行うことなく、ページ単位の設定値が判定されてしまう場合である。ページ単位で設定値が判定される場合としては、このプリンタの環境として予めROM12にディザ情報等の形で保持された設定条件がある場合であり、例えば、ディザIDの全てを「NORMAL」の定着温度の目標値で対応する設定とする指示がある場合、或いは、全てのディザIDのあるカラープレーンが最も優先度の高い「NORMAL」の定着温度の目標値で対応する設定とする指示がある場合である。こうした設定条件を知る手段を設けることにより後段の描画コマンド単位の決定処理を省略して、ページ単位の設定を行うことができる。
次に、ステップS102で判定処理を行った結果、「NORMAL」の定着温度の目標値で対応することが確定できたか否かを確認する(ステップS103)。
ここで、「NORMAL」の定着温度の目標値で対応することが確定できた場合には(ステップS103-YES)、ステップS107に移行する。
他方、ステップS103で「NORMAL」の定着温度の目標値で対応することが確定できない場合には(ステップS103-NO)、描画コマンド単位で定着制御に用いる定着温度の目標値を判定する処理を行う(ステップS104)。ここで行う定着温度の目標値を判定する処理は、上記〈ページ単位で行う定着温度の判定処理〉で説明した処理を行う。
次に、ステップS104で決定処理を行った結果、「NORMAL」の定着温度の目標値で対応することが確定できたか否かを確認する(ステップS105)。
ここで、「NORMAL」の定着温度の目標値で対応することが確定できた場合には(ステップS105-YES)、ステップS107に移行する。
他方、ステップS105で「NORMAL」の定着温度の目標値で対応することが確定できない場合には(ステップS105-NO)、全描画コマンドについてステップS104の定着温度の目標値を判定する処理を終了したか否かを確認する(ステップS106)。
ステップS106で未処理の描画コマンドがある場合には(ステップS106-NO)、未処理の描画コマンドの処理をするために、ステップS104の定着温度の目標値を判定する処理に戻す。
また、全描画コマンドについてステップS104の定着温度の目標値を判定する処理を終了した場合には(ステップS106-YES)、ステップS107に移行する。なお、ステップS106で判定処理を終了した場合、定着温度の目標値として「LV1」、「LV2」のどちらか高い方が保持されているので、この値が定着温度の目標値の判定結果として確定される。
ステップS103、S105及びS106のいずれかで定着温度の目標値か確定されると、ページ単位で行う定着温度の判定処理が終了するので、判定された定着温度の目標値を定着制御の設定値としてプリンタエンジン23へ仲介するエンジンI/F部106へ伝達する(ステップS107)。
この後、処理対象ジョブの全ページの処理を終了したか否かを確認し(ステップS108)、未処理のページがある場合には(ステップS108-NO)、次のページの処理を行うためにステップS101に戻す。
他方、未処理のページがなくジョブの処理を終了したことが確認できれば(ステップS108-YES)、このフローの処理を終了する。
[連続印刷における定着温度制御動作]
上記のように、記録用紙(ページ)を単位として印刷データの内容(例えば、使用するディザ)に応じた定着温度目標値の設定で画像の定着制御を行うことで、必要以上の定着温度による無駄な電力消費をなくすことができる。
ただ、上記定着制御を連続印刷する各記録用紙に対して行う際、上記[背景技術]で図8を参照して説明したように、次ページの描画処理を終了した時点で、次ページの定着温度目標値が先行ページよりも高ければ、定着温度制御を昇温動作に切替える制御動作にすると、定着温度目標値に制御する動作が、所定の間隔をおいて給紙される記録用紙を定着処理に掛けるまでに間に合わず、生産性が低下する状況になることがある。
そこで、本実施形態の定着温度制御では、描画処理の終了如何に係りなく、給紙される記録用紙が定着処理を受ける予定時刻において、当該ページ画像に適用する定着温度になっているよう時刻を定めて昇温動作への切替えを行い、上記問題を解決する。
この定着温度制御動作を実現するため、本実施形態では、先行ページ画像の定着目標温度を描画処理中の次ページ画像の定着目標温度に昇温するのに要する時間を求め、給紙される次ページ画像の記録用紙が定着処理を受ける時刻として予定されている時刻から、求めた昇温に要する時間を逆算し、得られる時刻をタイムリミットとし、少なくともこの時刻までに定着温度制御を昇温動作に切替えるようにする。
図5は、連続印刷における各記録用紙に対する本実施形態の定着温度制御に係る動作を説明するタイムチャートである。
図5(A)は、共通の時間軸に、「エンジン」「定着」「描画」の各動作状態を示したものである。同図の「エンジン」は、プリンタエンジンで連続印刷時に印刷される記録用紙のページ「P.1,P.2,P.3,・・・」の給紙・排紙タイミングを順に示す(図示する矢印の元が給紙時刻T1,T2,T3,・・・を表し、矢印の先が排紙時刻を表す)。「定着」は、各ページに合わせて定着温度を上昇させる制御を行う期間(実線の矢印)を示す。「描画」は、印刷データに基づいて描画処理を行うページ「P.1,P.2,P.3,・・・」の処理期間(実線の矢印)を順に示している。同図に示すように、描画処理に掛かる時間は、モノクロ画像よりもカラー画像の方が長くなる。
図5(B)は、定着温度の変化を図5(A)の時間軸に合わせて示す図であり、この例では、定着温度目標値を「高」「中」「低」の3段階として、各定着温度目標値に制御する動作の一例を示している。
図5(B)に示す温度勾配が生じている昇温期間は、図5(A)の「定着」における定着温度の上昇制御期間(実線の矢印)に一致し、温度勾配が生じていないその他の期間では、各々の定着温度目標値を保つ制御期間である。
なお、連続印刷においては、光ビームによる書き込み部(露光走査装置)の動作を、感光体に連続して画像を作成することを可能にした状態に保持し、先行画像(ページ)と次画像の紙間をできるだけ空けずに給紙される記録用紙に同期させて、光書き込み部を制御し、画像を形成する動作となる。よって、同じサイズの記録用紙の連続印刷であれば、図5(A)に示すように、記録用紙は、所定の間隔をおいて給紙、排紙される。
定着温度制御を昇温動作に切替える時刻を定める手順としては、先ず、先行ページ画像の定着目標温度を描画処理中の次ページの定着目標温度に昇温するのに要する時間を求める。例えば、先行ページ画像の定着温度目標値が「低温」であり、次ページが「中温」であれば、中温への昇温に要する時間を、予め用意しておいた温度変化と時間の関係を示す演算手段、テーブル等の手段により算出する。ここで、次ページが「高温」であれば、昇温に要する時間はより長い時間となる。他方、先行ページ画像の定着温度目標値が「低」であり、次ページも「低」である場合のように、昇温を要しない場合には、求める所要時間は「0」である。
次に、給紙される次ページ画像の記録用紙が定着処理を受ける時刻として予定されている時刻を得、得た時刻から、先に求めた昇温に要する時間を逆算する。この逆算により得られる時刻が、少なくともこの時刻までに定着温度制御を昇温動作に切替えるタイムリミットとして定められる時刻である。
なお、上記次ページの定着目標温度に昇温するのに要する時間は、定着ヒーター(不図示)の性能等の加熱条件及び昇温前後の定着温度目標値等の昇温条件により予め定められるもので、これらの条件と所要時間との関係を演算手段の形で予め用意しておき、上記手順を実施する際に用いる。用意する演算手段、前記テーブル等は、機器の仕様として得られた条件或いは実験等により得られる経験値に基づいて作成することができる。テーブルの場合、昇温前後の定着温度目標値と、昇温前後の定着温度目標値に基づいて算出した目標温度への上昇に要する所要時間とを対応づけてROM12等の記憶手段にテーブルの形で保存しておき、上記制御手順を実行する際にこのテーブルを参照することで前記所要時間を取得する(図7に関する後記の説明、参照)。
また、記録用紙が定着処理を受ける時刻として予定されている時刻についても、プリンタエンジンを制御するコントローラとしてのプリンタ制御システム部104が管理する情報である。
図5の動作例では、定着温度が低温でよいページP.1から定着温度が中温となるページP.2に対する定着温度制御動作の切替えは、ページP.2の描画処理を終えた時刻t2で行っている。ここでは、昇温に要する時間はそれほど長く掛からないので、中温に達した後、ページP.2の記録用紙が定着処理を受ける時刻T2になるまでまだ余裕があり、切り替えを遅らせても、正常な定着処理を行うことが可能である。
ページP.3に対しては定着温度が中温であるから、定着温度制御動作の切替えは、必要がない。
定着温度が中温でよいページP.3から定着温度が高温となるページP.4に対する定着温度制御動作の切替えは、ページP.4の記録用紙が定着処理を受ける時刻T4から、定着温度を高温に昇温するのに要する時間を逆算して求めた時刻t4で行っている。
時刻t4は、ページP.4の描画処理中であるが、ページP.4の記録用紙が定着処理を受ける時刻T4に定着温度を高温にするタイムリミットであるから、この時刻t4以前に高温への定着温度制御動作の切替えを行うことで、生産性の低下を回避して、正常に定着処理を行うことができる。なお、この時刻t4より後に切替えを行うと、先に図8を参照して説明したように、定着温度の上昇がページP.4の給紙に間に合わず、生産性の低下が起きる。
〈定着温度制御フロー〉
記録用紙が定着処理を受ける時刻に間に合わせて適正温度に上昇させる昇温動作への切り替えを行う本実施形態における定着温度制御の手順について説明する。
図6は、本実施形態に係る連続印刷時における定着温度制御のフロー図である。
コントローラ10のプリンタ制御システム部104は、受け付けた印刷ジョブが連続印刷となることを確認した上でページごとに、この制御フローを起動する。なお、この制御フローは、当該印刷ジョブの各ページに適用する定着温度目標値が、図4を参照して先に説明した処理フローに従って判定され、既に与えられていることを前提とする。
プリンタ制御システム部104は、印刷ジョブが連続印刷であるとき、先頭ページから順に描画処理を開始し、先行ページが描画処理を経て、記録用紙の給紙に合わせて印刷処理に回されると、描画処理は、次ページの処理に移る。
このとき、描画処理される次ページは、処理対象の画像データとともに定着温度目標値を属性情報の一つとして有している。
そこで、次ページに対する描画処理と並行に、図6に示す定着温度制御の制御フローによる動作を開始し、その手順として、先ず、描画処理の対象となった次ページに対する定着温度制御の切り替え時刻を定めるため、先行ページの定着温度目標値に制御されている定着温度を次ページに適用する定着温度目標値に制御するために必要となる時間を算出する(ステップS201)。
この時間の算出は、先行ページ、次ページの各定着温度目標値(先行ページに対しては、現在の実測温度でもよい)を変数として、所定の演算を行うことで求めることができるが、ここでは、先行ページから次ページの定着温度目標値への昇温時に必要な時間を予め求め、テーブルの形式でまとめておき、このテーブルを参照することで、求める所要時間を得る。
図7は、先行ページから次ページの定着温度目標値への昇温時に必要な時間を求めるために用意するテーブルの一例を示す図である。同図は、マトリクスの縦を先行ページの温度目標値(高、中、低の3段階)、横を次ページの温度目標値(高、中、低の3段階)とし、マトリクスの交点に所要時間を示している。
図7のテーブルは、基本的には、昇温時に必要な時間を求めるものであって、先行ページ画像の定着温度目標値が「低」であり、次ページが「高」であれば、昇温に長い時間が掛かり、「低」から「中」又は「中」から「高」へ昇温する場合は、より短い時間となる。また、先行ページ画像と次ページ画像の定着温度目標値が同じであれば、昇温を要しないので、求める所要時間は「0」である。
実際には、図7のテーブル中の「長い時間」「短い時間」には、それぞれ実験的に確認する等の方法により求めた適当な秒数を当てる。
ステップS201で昇温に必要な時間を求めた後、次ページの定着温度目標値に上昇させる昇温動作へ定着温度制御を切り替える時刻を算出する(ステップS202)。ここで求める時刻は、次ページの記録用紙が定着処理を受ける時刻に間に合うタイムリミットとなる時刻であり、昇温動作への定着温度制御の切り替えは、このタイムリミット以前に行う必要がある。
この時刻の算出方法は、次ページの記録用紙が定着処理を受ける時刻が予定されているので、予定された時刻から、ステップS201で求めた、次ページ画像の定着温度目標値に定着温度を上昇させるのに必要な時間を逆算して得る。
なお、プリンタ制御システム部104は、システムクロックを有し、システムクロックによって連続印刷全体の動作タイミングを管理するので、各ページの記録用紙が定着処理を受ける時刻も管理下のデータとして保持しており、上記切り替える時刻の算出を行うことができ、また、得られた昇温動作への定着温度制御の切り替え時刻は、後段の制御動作に用いるデータとして管理しておく。
次いで、プリンタ制御システム部104は、ステップS202で求めた昇温動作への定着温度制御の切り替え時刻に基づく動作を行うために、求めた切り替え時刻になったか否かをループ動作によって確認する(ステップS203)。
ステップS203で昇温動作への定着温度制御の切り替え時刻になったことを確認した(ステップS203-YES)後、直ちに、現時点で描画処理の対象となっている次ページの描画処理が完了しているか否かを確認する(ステップS204)。
このステップは、現時刻が定着温度制御の切り替え時刻のタイムリミットであるから、この時刻に次ページの描画処理が完了していない場合には、次ページの定着には昇温が必要であるという推定をし、この推定に基づいて、この時刻に定着温度制御を昇温動作に切り替えないと、次ページの記録用紙が定着処理を受ける時刻に定着温度目標値に上昇できなくなると判断する。
したがって、ステップS204で次ページの描画処理が完了していない場合(ステップS204-NO)、即時、先行ページの定着温度目標値よりも高温である次ページの定着温度目標値に制御目標値の設定を変更することで、昇温動作へ定着温度制御を切り替える(ステップS207)。この後、このページに対する制御フローを終了する。
他方、ステップS204で次ページの描画処理が完了している場合(ステップS204-YES)、切り替え時刻のタイムリミットになるまでには、まだ余裕があると推定ができるが、次ページの定着温度目標値によっては、設定を変更する必要がある。
そこで、定着温度制御を切り替える必要があるか否かを確認する(ステップS205)。
ステップS205の確認は、次ページの定着温度目標値が先行ページの定着温度目標値と同じであれば、定着温度制御を切り替える必要がないので、この確認をする。
ここで、次ページの定着温度目標値が、先行ページの定着温度目標値と同じではない場合は、次ページの定着温度目標値を先行ページより低温にする場合である。この場合にも、定着温度制御を切り替えないと、必要以上に定着温度を高くしたことによる無駄な電力消費が生じる。
よって、ステップS205において、次ページの定着温度目標値が先行ページの定着温度目標値と同じであり、定着温度制御を切り替える必要がない場合(ステップS205-NO)、定着温度制御の設定を変えることなく、このページに対する制御フローを終了する。
他方、ステップS205において、次ページの定着温度目標値が先行ページの定着温度目標値よりも低温であり、定着温度制御を切り替える必要がある場合(ステップS205-YES)、先行ページの定着温度目標値よりも低温である次ページの定着温度目標値に制御目標値の設定を変更することで、定着温度制御の動作を切り替える(ステップS206)。この後、このページに対する制御フローを終了する。
上記の制御フローに示す手順によると、次ページの記録用紙が定着処理を受ける予定時刻から、先行ページの定着温度目標値に制御されている定着温度を次ページに適用する目標値に制御する所要時間を逆算し、昇温動作への切り替え時刻を求める。
求めた時刻は、次ページの定着に適用する温度に昇温する制御に切替えるタイムリミットとなるので、この時刻に至ったときに、次ページの描画処理が完了していない場合に、昇温への切り替えが必要であると推定する。
したがって、この推定が成り立つとき、即時に制御を切替えることで、次ページの記録用紙が定着処理を受けるタイミングに間に合わせることができ、生産性の低下を防ぎつつ省電力を図ることができる。
10・・コントローラ、11・・CPU、12・・ROM、13・・RAM、14・・NV−RAM、15・・ネットワークI/F、16・・エンジンI/F、17・・操作パネルI/F、20・・プリンタ、23・・プリンタエンジン、24・・操作パネル、40・・ホストPC、102・・ネットワークI/F部、103・・操作パネルI/F部、104・・プリンタ制御システム部、105・・PDL部、106・・エンジンI/F部、108・・PDLパーサ部、109・・ディザ情報、110・・描画コアモジュール部、111・・描画モジュールI/F部、112・・使用ディザ判定部、113・・中間データ保存部、115・・中間データメモリ、117・・描画処理部。
特開2009−151102号公報 特開平6−19257号公報 特開2009−96067号公報

Claims (6)

  1. 記録媒体の記録面に形成する画像の描画条件に対応して予め定めた定着温度目標値により、前記記録媒体に対する定着温度を制御して形成した画像の定着処理を行う画像形成装置であって、
    描画条件と、前記描画条件に対応して定められた定着温度目標値とを対応付けて記憶する定着温度目標値記憶手段と、
    前記記録媒体の記録面に形成する先行画像と次画像の描画条件が異なる場合、各描画条件に対応する定着温度目標値として、前記定着温度目標値記憶手段から取得された定着温度目標値に基づいて、先行画像から次画像の定着温度目標値へ定着温度の制御動作を切替えてから次画像の定着温度目標値に定着温度が達するまでの所要時間を算出する目標温度到達時間算出手段と、
    供給される前記記録媒体が定着処理を受ける予定時刻から前記目標温度到達時間算出手段によって算出された所要時間を逆算して得た時刻までに、前記定着温度の制御動作の切替えを行う制御手段と
    を有する画像形成装置。
  2. 請求項1に記載された画像形成装置において、
    昇温前後の定着温度目標値と、昇温前後の定着温度目標値に基づいて算出した昇温後の定着温度目標値に定着温度が達するまでの所要時間とを対応付けて記憶する所要時間記憶手段を有し、
    前記目標温度到達時間算出手段は、昇温時の先行画像と次画像の各定着温度目標値に対応する所要時間を前記所要時間記憶手段から取得する手段である
    画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載された画像形成装置において、
    前記描画条件が、ディザの種類であり、
    前記定着温度目標値記憶手段は、ディザの種類と定着温度目標値とを対応付けて記憶する手段である
    画像形成装置。
  4. コンピュータを請求項1乃至3のいずれかに記載された画像形成装置が有する前記目標温度到達時間算出手段、前記制御手段の各手段として機能させるためのプログラム。
  5. 請求項4に記載されたプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  6. 記録媒体の記録面に形成する画像の描画条件に対応して予め定めた定着温度目標値により、前記記録媒体に対する定着温度を制御して形成した画像の定着処理を行う画像形成装置における定着制御方法であって、
    前記記録媒体の記録面に形成する先行画像と次画像の描画条件が異なる場合、描画条件と、前記描画条件に対応して定められた定着温度目標値とを対応付けて記憶しておいた定着温度目標値記憶手段から、前記先行画像と次画像の各描画条件に対応する定着温度目標値を取得する定着温度目標値取得工程と、
    前記定着温度目標値取得工程で取得した定着温度目標値に基づいて、先行画像から次画像の定着温度目標値へ定着温度の制御動作を切替えてから次画像の定着温度目標値に定着温度が達するまでの所要時間を算出する目標温度到達時間算出工程と、
    供給される前記記録媒体が定着処理を受ける予定時刻から前記目標温度到達時間算出工程によって算出された所要時間を逆算して得た時刻までに、前記定着温度の制御動作の切替えを行う制御工程と
    を有する定着制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015148771A (ja) * 2014-02-07 2015-08-20 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置および定着装置
JP2016105124A (ja) * 2014-12-01 2016-06-09 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置及び定着温度制御方法並びに定着温度制御プログラム

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