JP2011242766A - 画像形成装置、画像形成システム、定着制御方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

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Tomoaki Okamura
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美貴也 市川
Yoshio Taga
吉雄 多賀
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Abstract

【課題】 ディザの違いに応じてページごとに目標温度を設定して行う定着制御(先行技術)において、複数のページよりなる印刷ジョブに対して画質を低下させること無くさらに省電力を図ること。
【解決手段】 定着温度指定部119は、印刷データを解析し得られる描画コマンド等の描画条件をもとに中間データ保存部113で選択した使用ディザに対応する省電力を実現する定着温度目標値(「ディザ−定着温度対応テーブル」に記載)を指定し、この目標値と省エネ判定部118で判定されたユーザーが指定した省エネレベルとをもとに、ページ間に生じる定着温度目標値の変化を抑制するために、同一もしくは近い値を持つ定着温度目標値のページをまとめ、高温から順に印刷出力順序を変更するソート処理をページソート処理部112が行い、この順序で出力を行わせることで消費電力をさらに低減する。
【選択図】図3

Description

本発明は、印刷データをもとに記録用紙に画像を形成するプリンタ、複合機等の画像形成装置に関し、より詳しくは、記録用紙にトナーによって形成した画像を加熱定着するために消費する電力を低減する制御を行えるようにした画像形成装置、画像形成システム、定着制御方法、前記制御を実行するためのプログラム及び該プログラムを記録した記録媒体に関する。
従来から、プリンタドライバを搭載したPC(Personal computer)等のホスト装置から送信されてくる印刷データをもとに記録用紙に画像を形成するプリンタ、複合機等の画像形成装置において、プリンタエンジンとして、いわゆるレーザプリンタが広く利用されている。このレーザプリンタは、描画された画像データによって点灯が制御されるレーザビームにより走査露光を行い、電子写真方式で画像を形成する。この方式による画像形成過程では、記録用紙上に作成したトナー像を用紙に定着させる際に、高温加熱が必要で、この定着処理に用いるヒータで消費される電力が相当大きくなる。
近年、環境に対する意識の高まりもあり、定着で消費される電力を必要最小限に抑え、TEC(Typical Electricity Consumption)値を基準に省電力化を図ることへの要求が一層強まっている。
定着で消費される電力を抑制することを目的として提案された従来技術として、例えば、特許文献1,2をあげることができる。特許文献1では、省エネモードの定着温度が設定された場合、定着可能なトナー載り量値をこの定着温度に対応して変更することが示されている。また、特許文献2では、省エネモードの指示により定着温度を低く設定することにより消費電力を抑えることが示されている。
ところで、レーザプリンタやレーザプリンタを搭載する複合機においては、高解像度で画像が形成でき、中間調を描画する例えばディザ等のパターン画像のように、定着する記録用紙上のトナー像の形状が孤立した小さな点であると、十分に高温で定着しないと印刷後にはがれる可能性が高くなる。他方、トナー像の形状が十分に長い線や、十分に広い面であると、カラープレーン及び濃度並びに印刷データに設定される解像度、ビット深さによって多少違いがあるものの、比較的低い定着温度でもはがれることは少なく、実用に耐え得ることが経験の示すところである。
ただ、従来の定着処理においては、描画条件の違いによって定着温度を変えるという思想はなく(この点については、特許文献1,2にも記述はない)、トナー像における孤立した小さな点が示す上記の性質を考慮して、定着温度の設定を高温に保持することにより対応しているので、トナー像の形状が十分に長い線や、十分に広い面に対しては、必要以上の温度で加熱する結果となっている。
この問題を解消するために、提案された先行技術では、印刷データに指示される、描画コマンド及び描画設定情報といった描画条件と関係付けて定着制御の目標温度の設定を変える方法を採用している。つまり、描画条件により用いるディザの種類が異なり、トナー像における孤立点の形状が異なるので、印刷データの内容に応じて選択されるディザの種類に対応する目標温度の設定で定着制御を行うことで、必要以上の温度を設定し、無駄に電力を消費する上記従来技術の問題を解消している。
上記のように、先行技術では、印刷データの内容に応じた目標温度の設定で定着制御を行うので、必要以上の定着温度により無駄な電力を消費することをなくすことができる。
ただ、この先行技術では、ページを単位として印刷データの内容に適応する目標温度で定着制御を行うので、処理対象となる印刷ジョブによっては、ページごとに目標とする定着温度の設定が変わる(後述する図6(A)、参照)、という状況になることがある。
このような場合、ディザの種類、カラー/モノクロ、解像度、紙種等の描画条件によっては、ページ間で目標温度の変化が大きく、また頻繁に変化する場合があり、このような場合、目標温度への制御精度の保証と省電力の両立が困難になる。例えば、目標温度への制御精度を保証するために定着温度を上げる制御動作を繰り返し行わなければならず、制御動作を行うために電力消費が大きくなってしまうこと、或いは定着温度を上げたり下げたりを繰り返す動作が求められる場合に、高温の精度を保証するために定着温度を下げる制御動作を回避することで対処する方法をとる場合には、無駄な電力を消費することになり、省電力にならない。
なお、ページを単位として生じる先行技術の定着制御における上記の問題は、印刷ジョブの単位でも、例えば印刷ジョブごとに目標温度が上下する場合に起きる問題でもある。
本発明は、ページごとに目標温度を設定して行う定着制御における上記先行技術に生じる問題に鑑みなされたもので、その目的は、印刷データに設定された描画条件に対応する目標温度の設定で定着制御を行う際に、画質を低下させること無く、上記先行技術よりも省電力を図る定着制御を行うことにある。
本発明は、印刷データに設定された描画条件に対応して予め定めた定着温度目標値を用いて定着制御を行う画像形成装置であって、描画条件と、各描画条件ごとに定められた定着温度目標値とを対応付けて記憶する定着温度目標値記憶手段と、前記印刷データの印刷出力順序を変更する印刷出力順序変更手段とを有し、前記印刷出力順序変更手段は、前記印刷データに設定された描画条件に対応する定着温度目標値として前記定着温度目標値記憶手段から取得された定着温度目標値が複数あるとき、印刷出力に用いる定着温度目標値の変化を抑制するよう、前記印刷データの印刷出力順序を変更することを特徴とする。
本発明は、印刷データに設定された描画条件に対応して予め定めた定着温度目標値を用いて定着制御を行う画像形成装置における定着制御方法であって、描画条件と、各描画条件ごとに定められた定着温度目標値とを対応付けて定着温度目標値記憶手段に記憶しておき、前記印刷データに設定された描画条件に基づき前記定着温度目標値記憶手段から対応した定着温度目標値を取得し、取得された定着温度目標値が複数あるとき、印刷出力に用いる定着温度目標値の変化を抑制するよう、前記印刷データの印刷出力順序を変更し、変更された印刷出力順序に従って定着制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、定着制御に要する消費電力を低減することができる。
本発明の画像形成装置の実施形態に係るプリンタのハードウェア構成を示す図である。 図1に示したプリンタに搭載したソフトウェア構成を示すブロック図である。 図2に示したブロック図のPDL部の詳細な構成を示す図である。 「ディザ−定着温度対応テーブル」の1例を示す表である。 省エネレベルとソート処理モードとの関係を示す表である。 省エネレベルA,B,Cそれぞれに対応するソート処理によって変更される印刷出力順序で行う定着制御動作を説明する概念図である。 ページソート処理部(図3)が行う省エネレベルBに対応する処理のフローを示す図である。 ページソート処理部(図3)が行う省エネレベルCに対応する処理のフローを示す図である。 印刷ジョブのソート処理を説明する概念図である。
本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
以下に示す実施形態は、本発明の画像形成装置をレーザプリンタ、即ち、描画された出力用画像データによって点灯が制御されるレーザビームにより走査露光を行い、電子写真方式で画像を形成するプリンタに実施した例を示す。なお、本実施形態では、カラー及びモノクロの印刷出力ができるプリンタを示すが、モノクロ印刷出力だけのものでもよい。
ただ、描画処理によって印刷出力用画像データ(以下、単に「出力用画像データ」ともいう)を生成するプロセスでは、予め用意された複数種類のディザの中から、印刷データに示される描画条件に対応して選択されるディザを使用して、プリンタエンジンで用いる出力用画像データを生成する描画処理を行うことを前提とする。
よって、上記の前提を満たし、電子写真方式で高分解能の画像を形成する装置であれば、レーザプリンタ以外の画像形成装置を実施形態としてもよい。
[ハードウェア構成の概要]
図1は、本発明の実施形態に係るプリンタのハードウェア構成を示す図である。
同図に示す画像形成装置としてのプリンタ20は、プリンタ全体を制御するコントローラ10と、描画された出力用画像データをもとに記録用紙に印刷(画像形成)をするプリンタエンジン23と、表示部と入力キー等の操作部を備えユーザーインターフェースとしての機能を提供する操作パネル24を有する。
コントローラ10は、ソフトウェアプログラムの命令を実行するためのCPU(Central Processing Unit)11と、コントローラを動作させるためにCPU11によって使用される制御プログラム、制御用データ等を格納するROM(Read Only Memory)12と、前記制御プログラムによって生成される描画された出力用画像データなどを一時的に保存するページ(フレーム)メモリ或いはソフトウェアプログラムの動作に必要なデータを保存するワークメモリとして利用するRAM(Random Access Memory)13と、機器に依存する処理条件等の設定データなどを保存しておく不揮発性メモリであるNV−RAM(Non Volatile RAM)14を構成要素として有する。つまり、CPU11、ROM12、RAM13の各要素よりなるコンピュータをコントローラ10として機能させる。
さらに、コントローラ10は、プリンタエンジン23との間でデータを交換するためのエンジンインタフェース(I/F)16と、操作パネル24との間でデータを交換するための操作パネルI/F17と、ネットワーク上に接続された、プリンタドライバ等の印刷データを作成する手段を搭載したホスト装置としてのPC(以下、「ホストPC」という)40との間でデータを交換するためのネットワークI/F15を構成要素として有する。
なお、コントローラ10を構成する上記の要素は、それぞれ内部バス19を介して接続されている。
また、ネットワークI/F15と通信手段(不図示)で接続したホスト装置としてのホストPC40と、画像形成装置としてのプリンタ20とにより構成するシステムを画像形成システムという。
コントローラ10は、ホストPC40から受信したPDLによる印刷データにもとづいて、各種の変換処理を含む描画処理を行い、印刷出力に用いる画像データを生成し、プリンタエンジン23で出力を行わせる。RAM13は、ホストPC40からの印刷データ、該印刷データから生成される中間データ形式の画像データ、ラスタ形式のピクセルデータ、その後段の処理で生成される印刷出力に用いる画像データを記憶する。
プリンタ20は、ROM12やNV−RAM14などの記憶装置に格納された制御プログラム及び制御や処理の動作条件に係る設定情報を読出し、CPU11の作業メモリ領域を提供するRAM13のメモリ領域に展開し、またRAM13を画像形成処理の作業領域として利用することによって、後述する図2及び図3に示す各機能を実現する手段を構成する。
[ソフトウェア構成]
図2は、図1に示したプリンタ20に搭載したソフトウェア構成を示すブロック図である。
ホストPC40は、所定のプリンタドライバを使用して、アプリケーションによって作成もしくは処理した文書を複数の描画コマンドからなる印刷データに変換して、プリンタ20に送信し、印刷出力を要求する。上記描画コマンドは、通常、文字、イメージ、グラフィックの各描画を指示するコマンドである。また上記印刷データは、PostScript(登録商標)、PCL(登録商標)、RPDL(登録商標)など、各種のPDLで記述されたデータで表現される。
コントローラ10は、コントローラ全体を制御する機能ブロックとしてプリンタ制御システム部104を有する。また、コントローラ10内のモジュールの構成としては、プリンタ制御システム部104の制御下で、画像形成システムを構成するホストPC40とデータ交換を行うネットワークI/F部102と、操作パネル24とのデータ交換によりユーザーに対する表示を行いかつユーザーの操作による入力を受付ける操作パネルI/F部103と、受信した印刷データを解析して、解析結果として得られる描画条件に従い印刷出力用の画像データ等を生成するPDL部105と、プリンタエンジン23に対し印刷出力を指示し、印刷出力に用いる画像データ、定着の制御条件(後記の定着温度など)を含む各種印刷条件の設定データなどを送信するエンジンI/F部106を有する。
また、プリンタ制御システム部104は、現行の処理対象となっている印刷ジョブを管理する機能(不図示)を有する。この管理機能は、印刷データを設定された条件に従い処理するよう各印刷ジョブを管理し、その一環として印刷データの処理状況を把握し、処理条件を変更して処理が行われる場合には、その処理状況を必要に応じてユーザーに報知する機能を持つ。例えば、異常の発生や後述する、コントローラ側の判断で定着制御の動作を通常のヒータ点灯電力(定着温度)から省電力に動作を変更する場合のように、ユーザーの意図しない動作が行われる可能性がある場合には、操作パネル24の表示部等を通じてユーザーに状況を知らせる。
こうした印刷ジョブの管理機能は、画像形成装置とホストをネットワークで接続する画像形成システムを構成する場合にも機能することが必要である。なお、プリンタ等の画像形成装置とこれを利用するホストPC等の機器で構成する従来のクライアントサーバシステムにおいて、このような管理機能は、ユーザーインターフェースの基本機能として装備される技術であるから、この既存の技術を本実施形態におけるプリンタ制御システム部104とホストPC40のプリンタドライバとの間で実行する当該機能に適用することにより実施することができる。
〈PDL部の内部構成〉
上記コントローラ10のプリンタ制御システム部104の制御下で動作するPDL部105は、印刷データをもとに印刷出力用の画像データを生成するほか、ここで生成した画像データを用いてプリンタエンジン23が印刷出力に伴って行う定着処理、即ち記録用紙に形成されるトナー画像を加熱定着する処理における制御条件として、設定する定着温度の制御目標値(後記参照)を指定する。
よって、PDL部105には、既存のプリンタが有するPDLの処理部に、上記制御条件を設定するための機能に必要な要素が加わる。
図3は、図2に示したPDL部105内部のモジュール構成を示す図である。
同図に示すように、PDL部105は、ホストPC40が印刷を要求して送信してくるPostScript(登録商標)、PCL(登録商標)、RPDL(登録商標)などのPDLで記述された印刷データの構文解析をPDLの種類ごとに行うPDLパーサ部108と、PDLの解析結果として得られる描画条件に従い、印刷出力用の画像データ等を生成する描画コアモジュール部110を構成要素として有する。
PDLパーサ部108は、ディザ情報109を管理する。ディザ情報109は、描画条件に応じて選択されるディザに用いるパターン情報、各ディザごとに対応付けて定められた後記の定着温度の制御目標値(以下「定着温度目標値」という)等よりなる。このプリンタの環境に適合するディザ情報109は、例えばROM12に保存しておく。つまり、ディザと、各ディザごとに定められた定着温度目標値とを対応付けて記憶する定着温度目標値記憶手段として、ここではROM12を用いる。
PDLパーサ部108は、コントローラ10の起動時に、ROM12から保存されたディザ情報を取得し、PDL部105内でディザ情報109として管理する。
描画コアモジュール部110は、PDLパーサ部108から描画条件としてのテキスト、イメージ、ベクターグラフィックスの各描画コマンドや描画設定情報を受け取るためのI/Fである描画モジュールI/F部111と、テキスト、イメージ、ベクターグラフィックスなどの描画コマンドと色や透過設定などを持つ描画設定情報を中間データとして保存する中間データ保存部113と、中間データの保存先のメモリである中間データメモリ115と、描画データ(中間データ)にもとづいて、印刷出力用の画像データをレンダリングする複数の描画処理部117のモジュールを有する。
中間データ保存部113は、描画モジュールI/F部111から渡される、文字、図形、イメージの描画コマンド及び描画色を設定するためのコマンド、ページの解像度、ビット深さなどを設定するためのコマンドにより指示される描画条件をもとに、処理対象のページに使用するディザIDを選択する。また、選択したディザに対して後述する定着温度指定部119で指定される定着温度目標値を受け取るとともに、描画条件を確定し、ページごとに確定した描画条件と定着温度目標値をプリンタエンジン23に渡す。
また、中間データ保存部113は、印刷出力順序に従い、各ページの描画条件と定着温度目標値をプリンタエンジン23へ渡す。
このとき、省エネ(以下省エネルギーの略語である「省エネ」という場合、省電力を指す)の指示に従って、ページソート処理部112によって印刷出力順序が変更される。ページソート処理部112は、印刷出力対象の複数ページそれぞれに指定される定着温度目標値を設定して印刷出力を行う際に、設定値の変化が大きくならず、また頻繁に設定変更を行わないようにするページの印刷出力順序の変更をソート処理として行う(詳細は後述)。このソート処理に必要な情報として、ページソート処理部112は、中間データ保存部113を介して省エネの指示として後述する省エネ判定部118の判定結果である省エネレベルを受け取り、また、後述する定着温度指定部119が指定する定着温度目標値を同様に受け取る。
なお、描画モジュールI/F部111は、定着温度指定部119の処理を待つまでも無く、省エネ判定部118及びディザ情報よりページの定着温度目標値が指定できる場合、その時点で指定結果をページソート処理部112に渡す。
また、描画コアモジュール部110は、印刷ジョブ(印刷データ)に対し省エネで処理を行うことが指示されているか否かを判定する省エネ判定部118と、省エネ判定部118の判定結果を受けて省エネの処理を実行するための定着温度目標値を指定する定着温度指定部119の各モジュールを有する。なお、省エネレベルの指定については、後記[省エネ(電力)レベルの指定]参照。
省エネ判定部118は、操作パネル24を介してユーザーが印刷ジョブに対する処理を省エネの設定で行うことを指示したか否か、或いはホストPC40からの印刷データに省エネで処理を行う設定があるか否か、また省エネで処理を行う設定には、どの程度の省エネを行うかの省エネレベル(後述するソート処理モードの「A」「B」「C」レベル、参照)、を含めて判定する。なお、この省エネの設定は、上記のように外部からの指示で行う以外に、機種に固定の設定による方法をとってもよい。
定着温度指定部119は、省エネ判定部118でユーザーが印刷ジョブに対し省エネが指示されているか否かを判定した結果、省エネを指示している場合に、プリンタエンジン23で定着制御に用いる定着温度目標値を指定する。定着温度目標値を指定する方法(後述する実施例参照)は、中間データ保存部113で選択された使用ディザに対して省エネを実現するために予め求めておいた定着温度を目標値として指定する。定着温度指定部119は、この指定結果を中間データ保存部113に伝える。
なお、省エネの指示は、省エネレベル(後述するソート処理モードによる「A」「B」「C」レベル、参照)を伴っており、この省エネレベルは、定着温度指定部119で指定された定着温度目標値とともに中間データ保存部113を介して、ページソート処理部112に渡される。また、指定した定着温度目標値は、処理単位(ここでは、ページを単位とする)の印刷出力の間、定着温度指定部119に保持される。また、中間データの形式によっては、定着温度指定部119で行う処理を描画処理部117で実施しても構わない。
[描画条件に対応する定着制御の基本動作]
レーザプリンタにおいて、ディザによる描画処理で生成された画像データを用いて記録用紙に転写されたトナー画像を紙面に定着させる際、記録用紙上のトナー像の形状が孤立した小さな点であると、十分に高温で定着しないと、印刷後に剥がれる可能性が高くなるために、従来では、描画条件の如何に係りなく、孤立した小さな点に適応する高温に固定して定着を行う方法をとっていた。
このため、比較的低い定着温度でも剥がれることの少ない広い面を持つトナー像に対しても高温を適用することになり、必要以上の温度で加熱する結果となり、定着用ヒータの点灯電力の省電力化にとって問題となる。
そこで、本実施形態では、描画対象が孤立した小さな点を持たず、広い面を持つトナー像を形成する印刷要求であるか否かを印刷データの内容から判断し、それぞれに適応する定着温度で定着をする制御を行うことで、上記問題点を解決する。
この実施形態では、印刷データに指示される描画条件(描画コマンド及び描画設定情報)と関係付けて用意された複数種類のディザの中から印刷データに指示された描画条件によって使用するディザが選択され、また選択されるディザは、それぞれのディザに用いるパターンとカラー/モノクロ及び濃度、並びに印刷データに設定される解像度、ビット深さ、紙種等の描画条件との関係で定着温度を通常の目標値(従来の固定値)より低減できるか否かを判断し、基本的にはこの判断に従って定着温度の目標値を定める。
〈ディザ−定着温度対応テーブル〉
この実施形態では、定着温度の目標値は、ディザの種類ごとに対応する所定値をとるので、ディザ情報の1つとして「ディザ−定着温度対応テーブル」の形式で、ディザと各ディザごとに定められた定着温度目標値の対応関係を表す情報を予め用意する。
図4は、予め用意する「ディザ−定着温度対応テーブル」の1例を示す表である。
図4の「ディザ−定着温度対応テーブル」において、ディザの種類を表すディザIDに対応付けて定着温度を「NORMAL」「LV1」「LV2」という温度情報で示している。ここでは、定着温度情報として、標準温度で定着を行う「NORMAL」と、1段階目まで定着温度を下げることができる「LV1」と、「LV1」よりも大きく定着温度を下げることのできる「LV2」の3段階の定着温度を目標値として表している。つまり、「LV1」「LV2」を目標値とする定着制御を行うことで、目的とする省電力化が図れる。なお、この動作が、必要以上の温度で加熱していた従来技術の問題を解決し、省エネを実現する定着制御の基本動作(後述する省エネレベルAの動作に相当)である。
また、図4のテーブルは、描画条件の例としてKCMY(K:ブラック,C:シアン,M:マゼンタ,Y:イェロー)の各カラープレーン及び濃度値(0,1,2,・・,255)ごとにそれぞれの定着温度を対応付けている。
ただ、図4の「ディザ−定着温度対応テーブル」において、例えば、“ディザID:1番,プレーン:K,濃度値:0”に対応する定着温度情報が“NORMAL”であるのに対して、“ディザID:0番,プレーン:K,濃度値:0”に対応する定着温度情報が“LV2”であることが示すように、一義的にはディザの種類に対応して定着温度の目標値を“NORMAL”から下げて定着制御を行っても、定着を正常に行うことが可能であり、省電力という目的を達成できることを表している。
なお、処理対象の描画に使用するディザの選択や定着温度を指定する中間データ保存部113及び定着温度指定部119は、ディザの種類に対応する定着温度目標値をカラープレーン及び濃度値を加味して指定する場合、描画モジュールI/F部111が求める描画条件からカラープレーン及び濃度値を得、PDLパーサ部108によって管理されるディザ情報109の「ディザ−定着温度対応テーブル」を参照することによって、当該ディザに対応する定着温度目標値を取得し、取得した値を定着制御において設定する定着温度目標値に指定する。
[省エネレベルの指定]
上記[描画条件に対応する定着制御の基本動作]では、印刷データの描画条件に適応する定着温度目標値をページごとに定めることによって、必要以上の温度で加熱することをなくし、省エネを実現する定着制御の基本動作を中心に説明した。
以下の実施形態では、上記基本動作に加え、印刷ジョブが複数のページよりなり、ページ間で定着温度目標値の変化が大きく、また頻繁に変化する場合に生じ得る無駄な電力消費や画質の低下(上記[発明が解決しようとする課題]の説明、参照)を抑制し、指示される省エネレベルに応じてさらに省電力を図ることを可能にする定着制御動作について示す。
この定着制御動作は、ページ間で生じる定着目標温度の変化を抑制するよう、即ち、変化が大きくならず、また頻繁に変化しないよう、印刷出力の対象となるページ群中の同一もしくは近い値(予め定めた範囲内の値、以下同じ)を持つ定着温度目標値のページをまとめて印刷出力を行う方法によって上記課題の解決を図る。また、同一もしくは近い値を持つ定着温度目標値のページをまとめて印刷出力を行うとき、印刷出力の順序は、高温から低温もしくは低温から高温といったできるだけページ間で目標温度の変化が大きくならない順序でまとめることが省エネ効果を高める方法となる。
よって、この実施形態では、印刷出力の対象となるページ群における各ページの本来の印刷出力順序、即ち、受付けた印刷ジョブにおける当初のページ順にて並ぶページ群に対し、同一もしくは近い値を持つ定着温度目標値のページをまとめ、また印刷出力順序を高温もしくは低温から順になるよう変更するソート処理を行う。なお、このソート処理は、ページソート処理部112(図3)が行う。
ところで、上記ソート処理により変更される印刷出力順序で行う定着制御は、印刷出力の対象となるページ群の全部をソート処理の対象とすれば、最も省エネレベルが高くなる。ただ、このためには、全ページの描画条件を知らなければならず、一旦印刷ジョブ内のページ全部について中間データを得、これを保持する必要があり、この手順で処理を行うために、印刷速度が低下する。つまり、省エネの程度と印刷速度は相反する。
そこで、ソート処理の対象とする範囲、即ち、印刷出力順序を変更する対象ページ範囲を変えることによって、省エネの程度と印刷速度との兼ね合いでユーザーが処理を選ぶことができるように、省エネレベルとしてこれを指示可能とする方法をとる。この実施形態では、図5に示すA,B,Cの順に省エネレベルをより高くする指示を行えるようにする。
即ち、図5の各省エネレベルでは、次に示す制御動作を行う。
省エネレベルA:最も低いレベルであって、上記ソート処理を行わない。よって、印刷データの内容(描画条件)に適応する定着温度目標値をページごとに定める方法、即ち、上記した定着制御の基本動作、によって省電力の定着制御を行う。この動作では、印刷速度が低下することは無い。
省エネレベルB:印刷ジョブの一部をソート処理の適用範囲とし、省エネレベルAよりも高いレベルで省エネを行う。先行して印刷出力されるページの出力終了後に引続き印刷出力を行うために待機するページ(以下「待機ページ」という)、即ち、描画条件が既に分かっているページを適用範囲とする。この制御動作では、待機ページ範囲に上記ソート処理を適用するので、印刷速度が省エネレベルAよりも低下する可能性がある。
省エネレベルC:ソート処理を印刷ジョブの全ページ範囲に適用する方法を付加することによって、最も高いレベルで省電力が図れる定着制御を行う。この動作では、印刷速度が低下する。
図6は、省エネレベルA,B,Cそれぞれに対応するソート処理によって変更される印刷出力順序で行う定着制御動作を説明する概念図である。
同図中の(A)は、省エネレベルAの動作を説明するもので、ソート処理を掛けずに、各ページの本来の印刷出力順序、即ち、受付けた印刷ジョブにおける当初のページ順に従い制御動作を実行する例を示している。ここでは、1ページ目Pから6ページ目Pまで、定着温度が交互に低温と高温を繰り返すので、PとPの間、PとPの間及びPとPの間3箇所で低温から高温への変化に必要となる消費電力が大きくなる。
図6中の(B)は、省エネレベルAよりも高い省エネレベルBの動作を説明するもので、ソート処理を部分的に掛け、その結果に従い制御動作を実行する例を示している。ここでは、待機ページにあたる2ページ分をソート処理の対象にし、高温を優先する方法で同一定着温度目標値のページをまとめる場合を例示している。この例では、1ページ目Pから6ページ目Pまで、定着温度が交互に低温と高温を繰り返す本来の印刷出力順序が変更されることになり、変更後PとPの間とPとPの間の2箇所で低温から高温への変化が必要となる。つまり、本来の印刷出力順序の2ページ目と4ページ目の高温がまとめられて変更後PとPとなる。よって、省エネレベルBでは、受け付けた印刷ジョブに示された本来の出力順序に比べ、省電力化が図れる。
図6中の(C)は、省エネレベルCの動作を説明するもので、ソート処理を印刷ジョブの全ページに掛け、その結果に従い制御動作を実行する例を示している。ここでは、1ページ目Pから6ページ目Pまで、定着温度が交互に低温と高温を繰り返す本来の印刷出力順序が変更されることになり低温から高温への変化を必要としない。つまり、本来の出力順序の2ページ目と4ページ目と6ページ目の高温がまとめられて変更後PとPとPとなり、本来の印刷出力順序の1ページ目と3ページ目と5ページ目の低温がまとめられて変更後PとPとPとなる。よって、受け付けた印刷ジョブに示された本来の出力順序に比べ、省電力化が図れる。
上記のように、複数のページよりなる印刷ジョブを出力対象とする際に、描画条件に適応する定着温度目標値をページごとに定め、画質を低下させること無く省電力を図る定着制御(省エネレベルA)をベースに、さらに印刷ジョブのページにソート処理を部分的に(省エネレベルB)又は全部(省エネレベルC)のページに適用することで、それぞれ程度に違いがあるが印刷速度における低下というリスクを負ってより高いレベルで省電力を図る動作を付加し、この付加動作を行うことで、定着制御に要する消費電力をさらに低減することができ、ページ間で繰り返される定着温度目標値の変化により生じ得る影響を排除し、必要な定着温度を安定に保つことで画質の低下を生じさせることも無くなる。
以下、省エネレベルA,B,Cそれぞれの制御動作に係る処理について、その処理プロセスを詳細に説明する。
[定着温度目標値の指定処理プロセス]
ここで説明する処理プロセスは、ページ単位の描画処理とともに行われる定着温度目標値の指定処理であり、省エネレベルA,B,Cに共通する処理である。ただし、省エネレベルAが設定された場合には、この処理によりページ単位で指定された結果がそのままのページ順序でプリンタエンジン23に通知される。
ホストPC40上のドライバからプリンタ20のコントローラ10へ送られてくる印刷データは印刷ジョブを単位とし、1つの印刷ジョブは1枚以上のページから構成されている。なお、1ページの描画処理は複数バンド構成の処理であってもよいが、定着温度目標値の指定処理はページごとに行う。この実施形態では、少なくとも1ページ分のピクセルデータを格納するに充分な容量のフレームメモリが確保されており、処理単位をページとする。
印刷ジョブの印刷データには、描画コマンドや描画設定情報等の情報が挿入されている。代表的な描画コマンドには文字、図形、イメージがある。また、描画設定情報として、描画色を設定するためのコマンド、ページの解像度、ビット深さ、紙種などを設定するためのコマンドが挿入されている。
印刷データを受け取るPDLパーサ部108は、印刷データを解析することにより描画コマンドなどの各コマンドに切り分けて、切り分けたコマンドを描画モジュールI/F111へ伝達する。また、描画モジュールI/F部111は、受け入れたコマンドを中間データ保存部113へ伝達する。
描画モジュールI/F部111から渡されるコマンドを受け取る中間データ保存部113は、文字、図形、イメージの描画コマンド及び描画色を設定するためのコマンド、ページの解像度、ビット深さ、紙種などを設定するためのコマンドにより指示される描画条件をもとに、このページで使用を予定するディザIDを選択する。なお、このディザの選択は、このプリンタの環境に適合するデータベースとして構築されPDLパーサ部108で管理されているディザ情報109の複数種のディザから上記描画条件に適合するディザの種類を選択し、そのディザIDを得る。
他方、省エネ判定部118は、操作パネル24を介してユーザーが印刷ジョブに対する処理を省エネの設定で行うことを指示したか否か、或いはホストPC40からの印刷データに省エネで処理を行う設定があるか否かを、どの程度の省エネを行うかの省エネレベル(上記「A」「B」「C」レベル、参照)を含めて判定する。なお、操作パネル24で行われるキー操作による印刷ジョブに対する処理条件の指示や印刷データに設定された印刷ジョブの処理条件は、プリンタ制御システム部104(図2)で印刷ジョブの管理情報(データ)を保管しているので、ここに保管されている情報(データ)をもとに、省エネ判定部118は、上記の判定を行い、判定結果を定着温度指定部119に伝える。
定着温度指定部119は、省エネ判定部118で判定された省エネレベルに応じる定着温度の目標値を、プリンタエンジン23で定着制御に用いる目標値として指定する。定着温度の目標値の指定方法は、中間データ保存部113で選択された使用ディザに対して省エネを実現するために予め求めておいた定着温度を目標値として指定する。
この実施形態では、入力PDLデータの解析結果に基づき、「ディザ−定着温度対応テーブル」(図4)を参照の上、使用するディザID・カラープレーン・濃度値等から定着温度情報「NORMAL」「LV1」「LV2」を参照し、取得した値を定着温度目標値として指定する。定着温度目標値の指定を描画コマンド単位で行い、ページ内の全描画コマンドにおける定着温度目標値が指定できれば、定着温度目標値の最も高いレベルをそのページの定着温度目標値とする。よって、ページ内で1度でも定着温度目標値「NORMAL」が使用される場合、標準温度「NORMAL」で定着を行うが、定着温度目標値の最も高いレベルが「LV1」であったときには、標準温度「NORMAL」よりも低い温度が目標値となり、省エネ動作となる。
定着温度指定部119は、これらの指定結果を中間データ保存部113に伝える。また、省エネ判定部118で判定された省エネレベルも指定された定着温度目標値とともに中間データ保存部113に伝える。
なお、定着温度指定部119は、指定した定着温度目標値を処理単位(ここでは、ページを単位とする)の印刷出力の間、保持しておく。
中間データ保存部113は、定着温度指定部119又は描画モジュールI/F部111(省エネ判定部118及びディザ情報より指定できる場合がある)で指定した定着温度目標値を処理対象のページに指定する制御目標値として受け取り、これをプリンタエンジン23に通知する。なお、省エネレベルAが設定された場合には、定着温度目標値の指定結果をそのままのページ順序でプリンタエンジン23に通知する。この動作の場合では、ソート処理を行わないので、この処理により印刷速度が低下することはない。
また、省エネレベルB又はCが設定された場合には、定着温度目標値の指定結果を省エネレベルとともにページソート処理部112に伝え、ソート処理の結果に従いプリンタエンジン23への通知を行う(後記[ソート処理プロセス]参照)。
また、中間データ保存部113は、ディザID・カラープレーン・濃度値等よりなる描画条件を確定し、確定した描画条件を中間データメモリ115に保存することにより、描画処理部117がこの描画条件にもとづいて処理対象のページ画像の描画処理を行う。
[ソート処理プロセス]
この処理プロセスは、省エネレベルB,Cが設定された場合に、それぞれのレベルに対応して定められた印刷出力の対象となるページ群における各ページの本来の印刷出力順序、即ち、受付けた印刷ジョブにおける当初のページ順にて並ぶページ群に対し、同一もしくは近い値を持つ定着温度目標値のページをまとめるよう、印刷出力順序を変更するソート処理を行う。また、このソート処理では、印刷出力の対象を上記のようにまとめ、また、出力順序を変更する際、ページの印刷出力順序を高温もしくは低温から順に行うようにする。
この処理は、中間データ保存部113の管理下でページソート処理部112が行う。ページソート処理部112は、中間データ保存部113を介して定着温度指定部119又は描画モジュールI/F部111によって指定された定着温度目標値の指定結果とともに省エネレベルの設定データ(ここでは、省エネレベルB,Cのいずれかの設定)を受け取り、ページごとの定着温度目標値をもとに設定された省エネレベルのソート処理を処理対象のページに対して行う。
以下、省エネレベルB,Cの各レベルに対応するソート処理の実施形態をそれぞれのフロー図に基づいて説明する。
〈省エネレベルBのソート処理フロー〉
このソート処理は、省エネレベルAの上記定着制御動作(受け付けた印刷ジョブの出力順序を維持)によるよりも高いレベルの省エネを行うための処理であって、印刷出力の処理過程に生じる待機ページを対象にして、上記ソート処理を適用することによって、省エネレベルAよりさらに省電力消費を図る。
図7は、省エネレベルBに対応する本実施形態におけるソート処理のフローを示す図である。
図7の処理フローは、中間データ保存部113の管理下でページソート処理部112が行う処理を主に示すもので、この処理フローは、印刷ジョブを受け付けたタイミングで起動される。
印刷ジョブを受け付けたタイミングでこの処理フローが起動されると、ページソート処理部112は、先ず、定着温度指定部119又は描画モジュールI/F部111によってページ単位で指定される定着温度目標値を順次受け取る(ステップS101)。
この定着温度目標値の受け取りは、プリンタエンジン23で出力用画像データ(ページデータ)の受信ができる状態になるまで継続するので、プリンタエンジン23が先行するページの出力を終え、次のページデータの受信が可能な状態になっているか否かを確認する(ステップS102)。ここで、プリンタエンジン23が先行するページの出力中で、次のページデータを受信可能な状態になっていない場合には(ステップS102-NO)、指定された定着温度目標値を順次受け取るステップS101の処理を続ける。
他方、ステップS102でプリンタエンジン23が次のページデータの受信が可能な状態になっている場合には(ステップS102-YES)、プリンタエンジン23へ送信可能な複数のページデータがあるか否か、即ち、ソート処理の対象となるページがあるか否かを確認する(ステップS103)。
ここで、送信可能なページデータが複数ない場合には(ステップS103-NO)、現在保持している1ページ分のページデータに制御データとして当該ページに対する定着温度目標値を付した出力用画像データをプリンタエンジン23に送信する(ステップS105)。
他方、ステップS103で送信可能なページデータが複数ある場合には(ステップS103-YES)、ページソート処理部112は、既に指定された定着温度目標値を持つ現在保持している複数のページに対し、ページ群中の同一もしくは近い値を持つ定着温度目標値のページをまとめ、高温から順に印刷出力順序を変更するソート処理を行う(ステップS104)。なお、ここでは高温から順に印刷出力順序を変更するソート処理を適用しているが、低温順でもよい。
この後、ステップS104でソート処理を行い得られる印刷出力順序に従い、各ページデータに制御データとして当該ページに対する定着温度目標値を付した出力用画像データをプリンタエンジン23に送信する(ステップS105)。なお、ソート処理を行った場合には、プリンタエンジン23では、ページ順が変わって印刷されてしまうが、フィニッシャによってページ順を整理して排紙する方法をとることで、受け付けた印刷ジョブの出力順序を回復することができる。
ステップS105でプリンタエンジン23へのデータ送信を行った後、現在処理対象となっている印刷ジョブの全ページの送信を行ったか否かを確認する(ステップS106)。
ここで、未送信のページがある場合には(ステップS106-NO)、ページ単位で指定される定着温度目標値を順次受け取るステップS101に戻り、残りのページの処理を行う。
また、全ページの送信を行った場合には(ステップS106-YES)、このフローによる処理を終了する。
図7の処理フローにより、プリンタエンジン23へ出力用ページデータを送信する過程で送信可能な複数ページの当該データが生じた場合に、このページデータを対象に同一もしくは近い値を持つ定着温度目標値のページをまとめ、高温から順に印刷出力順序を変更するソート処理を行うことで、上記で図6(B)を参照して説明したように、さらに省電力消費を達成する定着制御動作を実施することができる。なお、この動作では、印刷速度が低下する可能性はあるが、印刷速度の低下への影響は極めて小さい。
〈省エネレベルCのソート処理フロー〉
このソート処理は、省エネレベルAの上記定着制御動作(受け付けた印刷ジョブの出力順序を維持)によるよりも高いレベルの省エネを行うための処理であって、印刷出力の処理過程にある印刷ジョブ内の全ページを対象にして、同一もしくは近い値を持つ定着温度目標値のページをまとめ、高温から順に印刷出力順序を変更するソート処理を適用することによって、最も高いレベルで省電力消費を図る。
図8は、省エネレベルCに対応する本実施形態におけるソート処理のフローを示す図である。
図8の処理フローは、中間データ保存部113の管理下でページソート処理部112が行う処理を主に示すもので、この処理フローは、印刷ジョブを受け付けたタイミングで起動される。
印刷ジョブを受け付けたタイミングでこの処理フローが起動されると、ページソート処理部112は、先ず、定着温度指定部119又は描画モジュールI/F部111によってページ単位で指定される定着温度目標値を受け取る(ステップS201)。
この省エネレベルCの処理では、印刷ジョブ内の全ページを対象にして後段のソート処理を行うので、印刷ジョブの最終ページの定着温度目標値を受け取ったか否かを確認し(ステップS202)、印刷ジョブの最終ページであることが確認できないうちは(ステップS202-NO)、全ページのデータが揃うまで指定された定着温度目標値を随時受け取る。
全ページの定着温度目標値を受け取ったことが確認できれば(ステップS202-YES)、ページソート処理部112は、指定された定着温度目標値を持つ保持している全ページに対し、同一もしくは近い値を持つ定着温度目標値のページをまとめ、高温から順に印刷出力順序を変更するソート処理を行う(ステップS203)。
この後、ステップS203でソート処理を行い得られる出力順序に従い、各ページデータに制御データとして当該ページに対する定着温度目標値を付した出力用画像データをプリンタエンジン23に送信する(ステップS204)。なお、ソート処理を行った場合には、プリンタエンジン23では、ページ順が変わって印刷されてしまうが、フィニッシャによってページ順を整理して排紙する方法をとることで、受け付けた印刷ジョブの出力順序を回復することができる。
全ページの送信を行った後、このフローによる処理を終了する。
図8の処理フローにより、プリンタエンジン23へ定着温度目標値を付したページデータを送信する前に、全ページデータを対象に同一もしくは近い値を持つ定着温度目標値のページをまとめ、高温から順に印刷出力順序を変更するソート処理を行うことで、上記で図6(C)を参照して説明したように、最も高いレベルで省電力消費を達成する定着制御動作を実施することができる。なお、この動作では、印刷ジョブの全ページのデータが揃い、ソート処理を終えてからプリンタエンジン23への送信を行うので、印刷速度の低下が生じる。
[印刷ジョブに対応するソート処理]
省電力消費を達成する定着制御動作に関するここまでの説明は、印刷ジョブ内のページデータを対象に、ページ間で生じる定着目標温度の変化を抑制するよう、ページの印刷出力順序を変更するソート処理を適用する実施形態を示した。
ただ、ページを単位として生じる定着温度目標値の変化による上記の問題は、印刷ジョブの単位でも、印刷ジョブごとに目標温度が上下する場合に起きる問題でもある。
例えば、印刷ジョブ内の各ページにおいて印刷データが一律の描画条件である場合には、ページを単位とした場合と同様の手法で指定される定着温度目標値は印刷ジョブに1つの値となる。このようにして省電力を可能とする定着温度目標値が定まる場合には、印刷ジョブの単位でも、印刷ジョブごとに定着温度目標値が上下することになる。なお、この状況は、複数の印刷ジョブそれぞれが1ページの印刷データである場合には、上記の複数ページよりなる印刷ジョブで起きる問題と変わらない。
そこで、この実施形態では、印刷ジョブ間に生じる定着温度目標値の変化が大きく、また頻繁に変化する場合に生じ得る無駄な電力消費や画質の低下を抑制するよう、印刷ジョブの印刷出力順序を変更するソート処理を適用する。
印刷ジョブに適用する当該ソート処理は、基本的には、ページ単位で行った上記のソート処理を印刷ジョブ単位に適応する形態で実施することができる。
図9は、この実施形態における印刷ジョブのソート処理を説明する概念図である。
同図の例は、実行中のジョブとして、描画条件を異にするカラー/モノクロ、紙種(普通紙/厚紙)が設定された6個の印刷ジョブが未出力の状態にあることを示している。これらのジョブは、ソート処理を行う前(同図の左欄)における、受け付け順の印刷ジョブの出力順序では、6個の印刷ジョブそれぞれの定着温度目標値が「低-高-低-高-低-高」と頻繁に変化している。これらの印刷ジョブに対して、定着温度目標値の変化を抑制するソート処理として、例えば、上記省エネレベルCに対応するソート処理を適用することで、このソート処理を行った後(同図の右欄)における出力順序では、高温、低温それぞれをまとめて「高−高−高−低−低−低」へと印刷ジョブの印刷出力順序が変更される。
このように、印刷ジョブに対して印刷ジョブ間に生じる定着温度目標値の変化を抑制するソート処理を適用することにより、ページに対する上記ページソート処理により得られる省電力消費を達成する定着制御におけると同様の動作を実現することができる。
上記の実施形態では、PDLデータを処理対象として、印刷出力処理の単位が、ページや印刷ジョブである例を示したが、ページや印刷ジョブ以外の所定の単位で印刷出力処理が行われる印刷データについても、ページ単位と同様の手法を当該印刷データの所定印刷出力単位に適用することで、本発明を実施することができる。
また、上記の実施形態では、描画条件はディザであるとして説明したが、本発明はこれに限定されない。条件ごとに定着温度目標値が設定できる描画条件であればディザに限らず任意である。
10・・コントローラ、11・・CPU、12・・ROM、13・・RAM、14・・NV−RAM、15・・ネットワークI/F、16・・エンジンI/F、17・・操作パネルI/F、20・・プリンタ、23・・プリンタエンジン、24・・操作パネル、40・・ホストPC、102・・ネットワークI/F部、103・・操作パネルI/F部、104・・プリンタ制御システム部、105・・PDL部、106・・エンジンI/F部、108・・PDLパーサ部、109・・ディザ情報、110・・描画コアモジュール部、111・・描画モジュールI/F部、112・・ページソート処理部、113・・中間データ保存部、115・・中間データメモリ、117・・描画処理部、118・・省エネ判定部、119・・定着温度指定部。
特開2009−151102号公報 特開平6−19257号公報

Claims (11)

  1. 印刷データに設定された描画条件に対応して予め定めた定着温度目標値を用いて定着制御を行う画像形成装置であって、
    描画条件と、各描画条件ごとに定められた定着温度目標値とを対応付けて記憶する定着温度目標値記憶手段と、
    前記印刷データの印刷出力順序を変更する印刷出力順序変更手段と
    を有し、
    前記印刷出力順序変更手段は、前記印刷データに設定された描画条件に対応する定着温度目標値として前記定着温度目標値記憶手段から取得された定着温度目標値が複数あるとき、印刷出力に用いる定着温度目標値の変化を抑制するよう、前記印刷データの印刷出力順序を変更する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載された画像形成装置において、
    前記複数の定着温度目標値が前記印刷データの各ページごとに定められた定着温度目標値である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1に記載された画像形成装置において、
    前記複数の定着温度目標値が前記印刷データの各印刷ジョブごとに定められた定着温度目標値である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項2又は3に記載された画像形成装置において、
    前記印刷出力順序変更手段は、前記印刷データに対し指定された省エネレベルに基づき、印刷出力順序を変更する対象印刷データ範囲を変える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4に記載された画像形成装置において、
    前記対象印刷データ範囲は、印刷データ全体とするか又は先行印刷データの印刷出力終了後に引続き印刷出力を行うために待機する印刷データとするかにより範囲の指定を行う
    ことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載された画像形成装置において、
    前記印刷データに対し省エネレベルを指示する入力を受け付ける手段と、前記印刷出力順序変更手段の変更結果を報知する手段を有する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載された画像形成装置において、
    前記描画条件は、ディザである
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. コンピュータを請求項1乃至7のいずれかに記載された画像形成装置が有する前記印刷出力順序変更手段として機能させるためのプログラム。
  9. 請求項8に記載されたプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  10. 請求項1乃至7のいずれかに記載された画像形成装置と、
    前記画像形成装置と通信手段で接続し、前記通信手段により画像形成装置に対し印刷データを送り、該印刷データの処理状況の報知を受けるホスト装置と
    により構成することを特徴とする画像形成システム。
  11. 印刷データに設定された描画条件に対応して予め定めた定着温度目標値を用いて定着制御を行う画像形成装置における定着制御方法であって、
    描画条件と、各描画条件ごとに定められた定着温度目標値とを対応付けて定着温度目標値記憶手段に記憶しておき、
    前記印刷データに設定された描画条件に基づき前記定着温度目標値記憶手段から対応した定着温度目標値を取得し、
    取得された定着温度目標値が複数あるとき、印刷出力に用いる定着温度目標値の変化を抑制するよう、前記印刷データの印刷出力順序を変更し、
    変更された印刷出力順序に従って定着制御を行う
    ことを特徴とする定着制御方法。
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