本発明の実施形態を説明する。図1はパトロールカーのルーフに搭載される緊急車両用の警告灯に適用した実施形態の一部を分解した外観斜視図、図2は平面構成図である。警告灯WLは図には表れない取付部材により前記ルーフ上に固定されるグローブ体1を備え、このグローブ体1の内部に複数の回転灯ユニット3と点滅灯ユニット4が内装された構成となっている。グローブ体1は車幅方向に長く、両端が幾分車両の後方に向けて湾曲された容器状に形成されており、内部には長さ方向の中央に配置されたスピーカ室11と、その両側に配置された左右の各灯室12とを構成している。このグローブ体1は前記スピーカ室11と左右の灯室12にわたって形成された浅皿状をしたベース13と、このベース13上を覆うようにしてベース13に固定されるカバー14で構成されている。カバー14は前記各室11,12を構成するためのスピーカ室カバー14sと左右の灯室カバー14lとで構成されており、中央のスピーカ室カバー14sは例えば、透光性のある黒色カバーとして構成され、左右の灯室カバー14lは透光性のある赤色カバーで構成されている。さらに、前記グローブ体1の内部には前記スピーカ室11と左右の灯室12とを隔成するための透光性及び防水性のある板材からなる隔壁15を備えている。
前記スピーカ室11には車両の前方に向けてスピーカ2が内蔵されており、乗員が車内に配設されている警告音スイッチを操作したとき所定の警告音を発音するようになっている。また、スピーカ室カバー14sの前面には多数の小孔からなる透音孔141が開口され、スピーカ2から発音された警告音をグローブ体1から外部に出音するようになっている。
前記左右の灯室12にはそれぞれ回転灯ユニット3と点滅灯ユニット4が内装されている。この実施形態では、左右の各灯室12にはそれぞれ車幅外側位置に配置した1つの回転灯ユニット3と、車幅内側領域に配置した点滅灯ユニット4、ここでは3つの点滅灯ユニット4f,4r,4sが内装されている。また、各灯室12内には回転灯ユニット3と点滅灯ユニット4の各光が互いに影響しないように両者の境界位置に遮光板5を配設している。
回転灯ユニットは図3に概略構成を示すように、図1に示したグローブ体1のベース13に固定される基板31の上面中央位置に固定的に配設された赤色のLED32と、前記基板31上で前記LED32を中心として水平方向に回転可能な円形の回転板33上に一体に設けられ、図には表れないモータ等の回転駆動源によって回転板33と共に水平方向に回転駆動される回転リフレクタ34で構成されている。回転リフレクタ34は互いに反対方向に向けられた一対の曲面形状の光反射面34aで構成されており、LED32が発光したときに出射される光を各光反射面34aで反射することによってそれぞれ反対方向に向けられた2条の光束を生成し、これらの光束を回転リフレクタ34の回転に伴って水平360度方向に回転走査して照射するようになっている。
前記左右の灯室12にそれぞれ内装されている点滅灯ユニット4、ここでは3つの点滅灯ユニット4f,4r,4sはそれぞれ同じ構成である。この点滅灯ユニット4は、図4に示すように、鉛直方向に立設した状態で図1に示したベース13に固定支持される回路基板41と、この回路基板41に搭載された赤色のLED42と、前記回路基板41の前面に対向するように配設されて回路基板41に一体化されたレンズ43とで構成されている。前記レンズ43は浅皿状に形成されており、周縁部において前記回路基板41の周縁部に嵌合し、あるいはネジ止めすることによって両者を一体的に結合している。前記LED42は複数個、ここでは2個の赤色のLED42が横方向に配列して前記回路基板41に搭載されており、各LED42は発光したときにそれぞれ回路基板41の表面に対してほぼ垂直な方向に向けて光を出射する。このLED42から出射された光はレンズ43に設けたステップ44によって集光され、レンズ43の前面に対して垂直方向に向けられた光軸方向に出射される。この実施形態では、レンズ43の前面には各LED42に対応して2つの円形領域にステップ44が形成されており、この円形領域の内面に同心状をしたフレネルステップ44aが形成され、外面に花弁状をした拡散ステップ44bが形成されており、各LED42から出射した光をフレネルステップ44aと拡散ステップ44bにより屈折して所要の拡散角の光束として出射するように構成される。
そして、図2に示したように、前記左右の各灯室12において、3つの点滅灯ユニット4f,4r,4sは、各光軸方向がそれぞれ異なる方向に向けて前記ベース13上に固定支持されている。1つの点滅灯ユニット4fは灯室12内の前側位置に配置されて光軸が車両の前方に向けられた前方点滅灯ユニットとして構成され、他の1つの点滅灯ユニット4rは灯室112内の後側位置に配置されて光軸が車両の斜めうち側後方に5度程度傾けられた後方点滅灯ユニットとして構成され、残りの1つの点滅灯ユニット4sは灯室12内の内側位置に配置されて光軸が車両の斜め内側前方に向けられた側方点滅灯ユニットとして構成されている。そして、前方点滅灯ユニット4fから出射された光は灯室カバー14lの前面を透光して車両の前方に向けて出射され、後方点滅灯ユニット4rから出射された光は灯室カバー14lの後面を透光して車両の後方に向けて出射され、側方点滅灯ユニット4sから出射された光は直近の隔壁15を透光した後スピーカ室カバー14sの前面を透光し、車両の前方寄りの側方に向けて出射される。これにより、車両の前方、後方、側方から点滅灯ユニット4からの光を視認することができるようになる。
前記左右の灯室12にそれぞれ配設された1つの回転灯ユニット3と点滅等ユニット4(3つの点滅灯ユニット4f,4r,4s)は点灯制御装置6によって点灯が制御される。ここで左右の各灯室12の各回転灯ユニット3と各点滅灯ユニット4の点灯制御は同じであるので、図5では左側の灯室12の回転灯ユニット3と点滅灯ユニット4についての点灯制御装置について説明する。点灯制御装置6には、回転灯ユニット3のLED32を連続発光させるための連続発光制御部61と、回転灯ユニット3の回転リフレクタ34を回転駆動するための回転制御部63と、点滅灯ユニット4の各LED42をそれぞれ点滅発光させるための点滅制御部62を備えている。また、点灯制御装置6には運転者によって操作される点灯スイッチ64と点滅切替スイッチ65が接続されている。点灯スイッチ64は警告灯WLを点灯させるための電源スイッチである。点滅切替スイッチ65は、パトロールカーが警らする際に警告灯を点滅させるための警ら点滅と、緊急時に警告灯を点滅させるための緊急点滅とを切り替えるスイッチである。
前記連続発光制御部61は、前記点灯スイッチ64がオンされたときに回転灯ユニット3のLED32を連続点灯させる回路として構成されており、この回路は通常のLED発光回路がそのまま適用されるのでここでは説明は省略する。また、回転制御部63は、前記点灯スイッチ64がオンされたときに前記回転灯ユニット3の回転駆動源としてのモータを所要の回転速度で連続的に一方向に回転して回転リフレクタ34を回転させるための回転駆動回路として構成されており、この回路についても通常のモータ駆動回路がそのまま適用されるのでここでは説明は省略する。これら連続発光制御部61と回転制御部63の制御により、回転灯ユニット3では警ら時と緊急時のいずれにおいてもLED32は連続発光され、回転リフレクタ34は一定の速度で回転されることになり、これにより回転灯ユニット3を視認したときには図8,9を参照して後述するように一定の周期で光度が変化される灯具、換言すれば当該周期で点滅する灯具として視認されるようになる。
前記点滅制御部62は、点滅切替スイッチ65が切り替えられたときに各点滅灯ユニットを警ら又は緊急の各点滅動作させるための点滅パターンをパターン信号として出力する点滅パターン出力部621と、基準となるパルス信号を出力する基準パルス出力部622と、前記点滅パターン出力部621から出力された点滅パターンに基づいて基準パルスをパルス幅変調(PWM)し、このパルス幅変調したパルス信号を点滅灯ユニット4のLED42に供給して各LED42を点滅発光させるPWM部623とを備えている。したがって、点滅灯ユニット4のLED42はPWM部623から出力されるパルス変調されたパルス信号に基づいて点滅状態に発光されることになる。ただし、本発明においては後述の説明から判るように正確には各LED42は発光と消光を繰り返す点滅状態ではなく、発光光度が最大光度となる明の状態と最小光度となる暗の状態を周期的に繰り返す点灯状態とされるが、ここではこのような明暗変化を含めて点滅と称している。
図6は点滅制御部62における動作を説明する図であり、点滅パターン出力部621には、予め図6(b)の警ら点滅パターンP1と、図6(c)の緊急点滅パターンP2が記憶されており、点滅切替スイッチ65が警ら点滅に切り替えられたときには警ら点滅パターンP1を出力し、緊急点滅に切り替えられたときには緊急点滅パターンP2を出力する。警ら点滅パターンP1は所要の周期Tで繰り替えされる単一波形のパターンとして構成されている。この警らパターンは、図6(a)に示す基準パターンP0のON時の立ち上がり傾き特性とOFF時の立ち下がり傾き特性をそれぞれ緩和させた、すなわち遅延させたパルス形状としたものである。また、緊急点滅パターンP2は警ら点滅パターンP1とほぼ同じ周期、ここでは同一周期Tで繰り返すが、各周期はそれぞれパターン幅が小さい複数個、ここでは第1ないし第3の3つのパルスパターンP21,P22,P23が極短い周期で配列されたパターンとして構成されている。この3つのパルスパターンP21,P22,P23は、第1パルスパターンP21の立ち上がり傾き特性を緩和するが第2と第3パルスパターンP22,P23の立ち上がり傾き特性は基本パターンと同じ急峻な特性とし、また第1ないし第3の全てのパルスパターンP21,P22,P23の各立ち下がり傾き特性を緩和させている。したがって、点滅灯ユニット4は、点滅切替スイッチ65が警ら点滅に切り替えられたときには(b)の点滅パターンP1で点滅発光され、緊急点滅に切り替えられたときには(c)の点滅パターンP2で点滅発光されることになる。なお、これら警ら点滅パターンP1と緊急点滅パターンP2のいずれにおいても前側点滅灯ユニット4fと後側点滅灯ユニット4rは同期した点滅パターンが出力されるが、側方点滅灯ユニット4sに対しては1/2周期ずれた点滅パターンが出力されるようになっている。
PWM部623は基準パターン出力部622からの基準パルスを点滅パターン出力部621の点滅パターンに基づいてパルス形状を整形し、いわゆるPWM変調を実行する。このPWM変調は、図7を参照すると、点灯制御装置6のPWM部623からは微少な単位時間tの時間幅に占めるパルス幅pwを変化させたパルス信号を出力し、このパターン信号の時間だけLED42を発光させる。したがって、パルス幅pwを大きくすればLED42の単位時間における発光時間が長くなって光量が増大し、光度が高くなって明状態となる。パルス幅を小さくすれば単位時間におけるLED42の発光時間が短くなって光量が減少し、光度が低くなって暗状態となる。したがって、点滅制御部62のPWM部623では、点滅パターン部621から読み出した点滅パターンに従って基準パルス出力部622からの基準パルスのパルス幅を時間軸上で変化制御する、いわゆるPWM変調を行うことでLED42の光度を点滅パターンに追従変化させ、LED42を周期的に明暗発光させ、点滅灯ユニット4を本発明で言う点滅発光させることが可能になる。
以上の構成の警告灯WLにおける警告時の点灯状態について説明する。点灯スイッチ64がONされると、点灯制御装置6の連続発光制御部61により回転灯ユニット3のLED32が連続発光され、同時に回転リフレクタ34が回転される。これにより、回転灯ユニット3からは回転リフレクタ34で反射され、集光状態とされた互いに反対方向を向けられた2条の光束が回転走査されることになり、外部からは点滅発光した状態として視認される。このように点滅状態に視認される回転灯ユニット3の発光特性を検証すると、図8(a)に示すように、明るい光度Llと暗い光度Lmが周期Tの2倍の周期で変化する特性であり、最も明るく見えるときの光度Ll、すなわち最大光度は回転リフレクタ34の中心軸が視認者の方向に向けられたときでLED32から出射された光が直接的に視認者によって確認されるときである。一方、この状態から回転リフレクタ34が90度回転すると、本来はLED32が回転リフレクタ34によって遮断されてしまい視認者にはLED32の光が視認できなくなるのであるが、LED32からの光の一部が回転リフレクタ34の反射面で反射される際の拡散反射によって視認者によって確認されるため、全くの暗黒にはならず所定レベルの暗い光度Lm、すなわち最小光度で視認されるようになる。この最大光度Llと最小光度Lmの周期的な変化によって回転灯ユニット3が点滅した状態で視認されることになるが、このような回転リフレクタ34での拡散反射によって回転灯ユニット3の最小光度Lmは零にならず、いわゆる底上げされた特性となり、最大光度Llと最小光度Lmとの差がLED32の発光時と消光時の本来の光度差よりも小さくなる。また、回転リフレクタ34の前記した拡散反射によって、回転灯ユニット3の光度変化における立ち上がりと立ち下がりの各傾き特性がLED32を単純にON,OFF制御したときの図6(a)に示したような急峻な立ち上がりと立ち下がり傾き特性に比較して緩やかなものになる。このような光度差が小さいことと立ち上がりと立ち下がり傾き特性の緩和により、回転灯ユニット3を視認したときの眩しさが軽減され、眼に易しい光として視認できるようになる。特に、立ち下がり傾き特性が緩やかなものになると視認者においていわゆる残像効果が生じ、より柔らかな光として視認できるようになる。
一方、点滅灯ユニット4においては、LED42を単純にON,OFF制御して図6(a)に示した基準パターンのように発光光度を周期的に点滅制御した場合には、LED42の発光時と消光時の光度差がそのまま点滅時における明暗の光度差となり、またLED42の点滅時における立ち上がりと立ち下がりの傾き特性は急峻であるため視認者に眩しさを生じさせてしまうのは前述したとおりである。しかしこの実施形態では、点滅パターン出力部621から出力する点滅パターンは、図6(b),(c)に示したように、暗状態となるときの最小光度が零にはならず所定レベルに底上げしてLED42を発光させるようにしている。この底上げの所定レベルとして、ここでは警ら点滅パターンP1においては、回転灯ユニット4における最小光度Lmにほぼ等しい光度となるように設定しており、緊急点滅パターンP2においてはそれよりも多少高い光度Lm1となるように設定している。
また、点滅パターンの立ち上がりと立ち下がりの傾き特性については、警ら点滅パターンP1では、図6(b)に示したように、1周期の点滅パターンの立ち上がりと立ち下がりの各傾き特性を緩和しているが、ここでは回転灯ユニット3での立ち上がりと立ち下がりの各傾き特性とほぼ等しくなるように設定している。緊急点滅パターンP2においては、図6(c)に示したように、前述したように点滅パターンP2の1周期を構成している3つのパルスパターンP21,P22,P23のうち第1パルスパターンP21の立ち上がりと第1ないし第3パルスパターンP21,P22,P23の立ち下がりの各傾き特性を緩和しているが、ここでは回転灯ユニット3における立ち上がりと立ち下がりの各傾き特性にほぼ等しくなるように設定している。
このように、点灯スイッチ64をオンにして回転灯ユニット3を点滅させると、前述したように回転リフレクタ34での拡散反射によって最小光度Lmが零にはならず底上げされた状態で点滅されるため、最大光度Llと最小光度Lmの差が抑制され、また同じ回転リフレクタ34での拡散反射によって発光時における立ち上がりと立ち下がりの傾き特性が緩和されるため、視認者は眩しさが軽減され眼に易しい状態で点滅を視認することが可能になる。
これと同時に点灯制御装置6の点滅制御部62により点滅灯ユニット4が点滅される。点滅切替スッチ65が警ら点滅に設定されているときには、前方点滅灯ユニット4fと後方点滅灯ユニット4rは図6(b)で示した点滅パターンP1に基づいて、図8(b1)に示すように点滅パターンP1aで点滅され、側方点滅灯ユニット4sは図8(b2)に示すように点滅パターンP1bで点滅される。これら点滅パターンP1a,P1bの周期は回転灯ユニット3の点滅周期にほぼ等しいので、各点滅灯ユニット4f,4rは回転灯ユニット3を視認したときの周期の1/2の周期で点滅される。しかし、前方点滅灯ユニット4f及び後方点滅灯ユニット4rは同時に点滅するが、側方点滅灯ユニット4sは1/2周期だけずれて点滅するため、点滅灯ユニット4の全体、すなわち3つの点滅灯ユニット4f,4r,4sの点滅を合わせたときには回転灯ユニット3を視認したときと同じ周期で点滅しているように見えることになる。さらに、警ら点滅での点滅灯ユニット4での点滅は、図8(b1),(b2)に示したように最大光度Llは回転灯ユニット3の最大光度Llと等しく、また最小光度lmは回転灯ユニット3の最小光度Lmに等しく所定レベルの光度となるように底上げ設定しており、しかも各点滅周期での発光パターンの立ち上がりと立ち下がりの各傾き特性を回転灯ユニット3における立ち上がり特性と立ち下がり特性に等しくしているので、回転灯ユニット3と同じ光度変化で周期的に明暗変化、すなわち点滅することになり、回転灯ユニット3を視認したときと同様に眩しさが軽減されて眼に易しい状態で点滅灯ユニット4での点滅を視認することが可能になる。また、回転灯ユニット3と点滅灯ユニット4の各点滅が同等なものとして視認できることで両者を区別することができなくなり、警告灯WLの全体における点滅特性の統一性を図り、警告灯による警告機能を高めることができる。
点滅切替スイッチ65が緊急点滅に設定されたときには、点滅灯ユニット4は図9(b),(c)に示した点滅パターンP2a,P2bで点滅される。この場合でも点滅に際しての周期Tは図8(a)と同じ図である図9(a)の回転灯ユニット3の点滅周期と同じであるので、前方点滅灯ユニット4f及び後方点滅灯ユニット4rと、側方点滅灯ユニット4sとの点滅を合わせると点滅灯ユニット4は全体として回転灯ユニット3と同じ点滅状態となる。したがって、警告灯WLとしての発光特性の統一性を図ることが可能である。一方、緊急点滅ではLED42は1つの周期に、図6(c)に示した点滅パターンP2を構成している第1ないし第3パルスパターンP21,P22,P23に基づいて発光されるため、実際の点滅周期は警ら点滅の3倍の周期となり、視認者の視覚に対する刺激を高め、警告灯WLによる警告機能が高められる。この場合、LED42が発光したときの最小光度Lm1の所定レベルは警ら時の最小光度Lmよりも幾分高く設定されて最大光度Llと最小光度Lm1との光度差が小さくされているので、3倍の周波数のパルスパターンによって視認者に対する刺激が高くされてもこの刺激を緩和することができ、視認者が眩しく感じることを軽減している。また、各周期における発光の立ち上がりである第1パルスパターンP21の立ち上がりの傾き特性と、当該周期の立ち下がりである第3パルスパターンP23の立ち下がりの傾き特性を回転灯ユニット3における立ち上がりと立ち下がりの各傾き特性に等しくして本来の急峻な特性よりも緩和しているので視認者の眼に易しい点滅となる。なお、実施形態では第2と第3のパルスパターンP22,P23の立ち上がりはLED本来の急峻な立ち上がり特性としているが、第1ないし第3のパルスパターンP21,P22,P23の全ての立ち下がり傾き特性を緩和しているので、高い周波数での点滅によって緊急性をアピールして警告灯WLの警告機能を高める一方で、前述した残像効果によって視認者に対する刺激を緩和し、点滅に際しての眩しさを軽減し眼に易しい点滅が実現できる。
なお、実施形態の点滅パターンでは、図8及び図9に示したように、点滅灯ユニット4の点滅を開始する際には、所定レベルの最小光度Lm,Lm1に達するまではLED42の本来の急峻な立ち上がり傾き特性で発光させ、最小光度Lm,Lm1に達した後に緩和した立ち上がり傾き特性で発光させている。また、点滅を終了する際、すなわち消灯する際には最小光度Lm,Lm1に達するまでは緩和した立ち下がり傾き特性で減光させて行き、最小光度Lm,Lm1まで減光した後はLED42の本来の急峻な傾き特性で消灯させている。このようにすることで、点滅灯ユニット4の点滅開始と点滅終了を明確なものにして警告の開始と終了にメリハリを付け、警告機能を高めることができるようになるとともに、点滅の開始と終了のタイミングも明確なものになり、例えばスピーカ2から警告音を発音するような場合の発音の開始と終了との同期性をとる上で有利になる。
実施形態では点灯制御装置6の点滅制御部62においてPWMにより点滅灯ユニット4の点滅制御を行っているが、アナログ回路で構成してもよい。例えば、LED42に供給する駆動電流回路にバイアスを付与して消光時においても所定レベルの最小光度で発光するように構成すればよい。また、駆動電流回路に遅延回路を設けることで立ち上がりと立ち下がりの傾き特性を緩和するようにしてもよい。
実施形態では、前方点滅灯ユニット4f及び後方点滅灯ユニット4rの点滅周期を一致させ、側方点滅灯ユニット4sの点滅周期を1/2だけずらしているが、これは任意に設定することができる。例えば、前方点滅灯ユニット4f、側方点滅灯ユニット4r、後方点滅灯ユニット4sを所定の順序で周期をずらして点滅するように構成してもよく、このようにすれば点滅灯ユニット4の全体として光出射方向が前方、側方、後方へと順次移動するので、あたかも回転灯ユニット3と同様に光を回転走査する点滅灯ユニットとして視認できるようになり、回転灯ユニット3の発光特性との整合性が得られるようになる。
本発明は点滅灯ユニット4の点滅制御に際して回転灯ユニット3と同程度の発光特性となるように制御を行っているが、最小光度の所定レベルや、発光時の立ち上がりや立ち下がりの各傾き特性を適宜に設定することが可能である。例えば、白熱ランプを点滅させたときの発光特性と同程度になるような点滅制御を行うことも可能である。白熱ランプを点滅させたときには、LEDを点滅させた場合よりも立ち上がりや立ち下がりの傾き特性が緩やかであり、眩しさを軽減して眼に易しい点滅が可能であるので、白熱バルブを用いた灯具と本発明の点滅灯ユニットとを混在させた警告灯を構成する場合に本発明を適用することで警告灯全体の統一性を図るとともに、眩しさを軽減した眼に易しい警告灯が実現できる
本発明における点滅灯ユニットの光源は実施形態に記載のLEDに限られるものではなく、LD等のような発光素子、さらに言えば半導体発光素子を用いることも可能である。