JP5473256B2 - ディスク装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学検知部材を使用して、正規のディスクが正常な位置に装填されたか否かを判断でき、しかも待機時の消費電力を低減できるディスク装置に関する。
筐体に開口したスリット状の挿入口からディスクが挿入されるスロットイン方式のディスク装置は、挿入口の内側に検知手段が設けられ、この検知手段がディスクの挿入を検知したときに、搬送ローラを有する搬送機構が始動してディスクが装置の内方へ向けて搬入される。また、挿入口から挿入されて搬入されているのが正規のディスクであるか否かを識別することも必要である。例えば、正規のディスクが直径12cmである場合に、直径が8cmのディスクや、外形が円形でないディスク、さらには四角形状のカードなどが挿入されたときに、これらを正規のディスクではないと判別して、速やかに挿入口から搬出することが必要である。
以下の特許文献1に記載されているディスク装置は、挿入口の内側に、挿入されたディスクの外周縁が摺動する一対の検知部材が設けられている。一対の検知部材はばねの力で互いに接近する位置へ付勢されており、ディスクの外周縁に押されて検知部材が所定量動かされたことが検知されると、挿入口からディスクが挿入されたと判断されて搬送機構が始動する。その後、搬送機構によってディスクが搬入される間、ディスクの外周縁と一対の検知部材とが摺動して一対の検知部材の対向距離が変化する。この対向距離の変化を検知することで、正規のディスクが正常に搬入されているか否かが判別される。
また、以下の特許文献4に記載されたディスク装置は、検知手段として光学検知部材が使用されている。このディスク装置は、ディスクで光学検知部材の光路が遮断されると、挿入口からディスクが挿入されたと判断されて、搬送機構が始動しディスクが装置の内部に向けて搬送される。ディスクが装置内方へ向けて搬送される間に、ディスクに対向する複数の光学検知部材からの検知出力の組み合わせを監視することによって、正規のディスクが正常に搬入されているのか否かが判別される。
特開2006−99833号公報 特開2000−149367号公報 特開2001−143351号公報 特開2005−251329号公報
特許文献1に記載されたディスク装置は、ディスクが搬入されている間、ディスクの外周縁が検知部材に摺動し続けるため、ディスクが装置内へ搬入される際の抵抗が大きいのみならず、挿入されたディスクの外周縁が円形でない場合や、誤ってカードなどが挿入されたときに、これらが検知部材に引っ掛かってしまい、その後に挿入口から取り出すことができなくなるなどの問題がある。
また、特許文献4に記載されているように、光学検知部材でディスクを検知するディスク装置は、ディスクの挿入を待機している間に、光学検知部材に通電し続けて、ディスクが挿入口から挿入されたときに、これを検知できることが必要である。そのため、ディスクの挿入を待機している間の消費電力が多くなり、例えば、車載用の場合に、エンジンが停止しているときに、バッテリーの電力を過剰に消費する欠点がある。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、光学検知部材の検知動作に基いて搬送機構を動作させることで、ディスクと摺動する検知機構を少なくでき、しかも、ディスクの挿入を待機しているときの電力の消費量を低減できるようにしたディスク装置を提供することを目的としている。
本発明は、ディスク挿入される挿入口と、前記挿入口よりも装置奥側に設けられ、ディスクを搬送する搬送機構とを有するディスク装置において、
前記挿入口から挿入されたディスクの挿入方向への移動力によって検知状態に切り替えられる接点開閉式の検知スイッチと、前記挿入口から挿入されたディスクによって光路が遮られることで検知状態となる光学検知部材とが設けられており、
前記検知スイッチが検知状態に切り替わることで、前記光学検知部材への通電が開始され、その後に、前記検知スイッチと前記光学検知部材の双方がディスクを検知する検知状態となったときに、前記搬送機構が始動してディスク装置内へ搬入が可能になることを特徴とするものである。
本発明のディスク装置は、装置内でディスクを検知するための検知手段として光学検知部材が設けられている。この光学検知部材がディスクを検知したときを基準として各種動作制御を行うことにより、ディスクと直接に接触することで検知動作を行う検知機構の数を少なくできる。よって、外周が円形でない異物が挿入されたときに、異物が検知機構に引っ掛かるなどの問題が生じにくくなる。また、ディスクの挿入を待機しているときは、光学検知部材に通電されず、挿入されたディスクで検知スイッチが検知状態となったときに光学検知部材が通電されるため、ディスクの挿入を待機する間の電力の消費を低減できる。
本発明は、前記検知スイッチと前記光学検知部材、前記挿入口と前記搬送機構との間に配置されている。
本発明では、搬送機構を始動するための検知手段を光学検知部材で構成したため、搬送機構によってディスクが搬送され始めた後に、搬送機構を始動するのに使用した検知手段が、ディスクの搬入の負荷にならず、また、搬入される異物が、搬送機構を始動するのに使用した検知手段に引っ掛かるなどの問題が生じなくなる。
本発明では、検知スイッチ動作した後に、前記光学検知部材の光路を遮断しない形状の異物が挿入されたときに、搬送機構が始動しないため、異物が装置内方へ搬入されることを未然に防ぐことができる。
また、本発明は、前記光学検知部材の検知出力を監視することで、正規の寸法のディスクが搬入されているかが判断されるものとして構成できる。
光学検知部材によって挿入された物の形状を検知することにより、この形状判別のための検知機構が、ディスクと摺動して搬入負荷を増大したり、または検知機構に異物が引っ掛かるなどの問題が生じにくくなる。
例えば、本発明は、前記光学検知部材は、通電状態となってから正規の寸法のディスクが正常な装填位置に至るまで、検知状態を継続する位置に配置されている。
さらに本発明は、前記光学検知部材は、装置内に搬入されるディスクの中心が通る中心線から一方の側に離れた位置に配置されており、正規のディスクが正常な装填位置に至ったときに、前記光学検知部材がディスクの前記挿入口に向く外周縁のすぐ内側に対向するものである。
上記のように光学検知部材を配置することで、正規のディスクが搬入されているときは、このディスクが正常な装填位置に至ったことを検知することができ、異物が搬入されているときは、正規のディスクでないことを迅速に検知して、搬出させるなどの処理に移行させることができる。
また、本発明は、装置内に搬入されるディスクの中心が通る中心線から一方の側に離れた位置に前記光学検知部材が2個設けられ、2個の前記光学検知部材が、正常な位置に装填されたディスクの中心から等距離に配置されており、
2個の前記光学検知部材は、通電状態となってから正規の寸法のディスクが正常な装填位置に至るまで、共に検知状態を継続するものとして構成できる。
2個の光学検知部材の検知出力を共に監視して正規のディスクが正常な位置まで装填されたかを判断することで、正規のディスクであるか否かの判断の精度を高めることができる。
また、本発明は、装填完了位置まで搬入されたディスクがターンテーブルにクランプされたことを検知する装填完了検知スイッチが設けられており、前記光学検知部材が検知状態になってから所定時間を経過しても、前記装填完了検知スイッチが検知状態とならないときに、ディスクが正常な装填位置に至っていないと判断するものである。
この場合に、ディスクが正常な装填位置に至っていないと判断したときに、前記搬送機構を逆転させて、排出動作に移行することができる。
本発明のディスク装置は、ディスクが挿入口から挿入されたことを検知する検知スイッチ以外の検知手段を光学検知部材で構成しているため、搬送機構を始動させる検知手段や、搬入されている物の形状を判断する検知手段を、ディスクと接触しないように構成にでき、搬入時の負荷の増大を防止でき、また異物などが装置内で引っ掛かる確率を低下させることができる。
また、ディスクの挿入を待機しているときに、光学検知部材に通電する必要がないため、ディスクの挿入を待機しているときの消費電力を低減できる。
さらに、検知スイッチと光学検知部材のいずれか一方が検知状態となっても、双方が検知状態とならない限り搬送機構が始動しないので、いずれか一方のみを検知状態とする形状の異物が挿入口から挿入されたときに、この異物が装置内に搬入されることを防止できる。
図1は、本発明の実施の形態のディスク装置の全体構造を示す斜視図、図2は図1の右側面図である。図2においては、右側方スライダ30aの図示を省略している。図3ないし図6はディスク装置の動作状態を順に示す平面図である。図においては、X1側が右方向、X2側が左方向、Y1側が前方、Y2側が後方、Z1側が上方、Z2側が下方である。
ディスク装置は、DVD(デジタルバーサタイルディスク)やCD(コンパクトディスク)などの直径が12cmの真円形のディスクDが正規のディスクとして装填可能であり、正規のディスク以外のもので、例えば、直径が8cmのディスクや、外周の形状が楕円形やその他の形状の異形ディスクや、四角形のカードCなどが挿入されたときは、これらを異物として排出する。
図3ないし図6に示すように、ディスク装置は、金属板から形成された筐体1を有している。車載用のディスク装置の場合、筐体1の大きさは、例えば1DINサイズまたは1/2DINサイズであり、筐体1は自動車の車室内のインストルメントパネルに埋設して設置される。
図3ないし図6に示すように、筐体1は、Y1側に向く前面板2と、Y2側に向く後面板3と、X1側とX2側に向く側面板4,5を有している。また、筐体1は天井板と底板を有している。前面板2には、左右方向(X1−X2方向)に向けて細長い挿入口(図示せず)が開口している。筐体1の前面板2の前方に、合成樹脂で形成された化粧ノーズが取り付けられており、この化粧ノーズの前面に各種操作部材や表示装置が設けられている。化粧ノーズには、挿入口に連通するノーズ部挿入口が開口しており、このノーズ部挿入口と前面板2に形成された挿入口を経て、ディスクDが筐体1の内部に向けて挿入される。
筐体1の内部に、図1に示す機構ユニット10が収納されている。機構ユニット10は底部側にドライブベース11を有し、上部側にクランプベース12を有している。ドライブベース11とクランプベース12は共に金属板を折り曲げて形成されている。ドライブベース11には、Y2側においてX1方向とX2方向へ延びる連結軸13が設けられており、クランプベース12のY2側の端部が、連結軸13に回動自在に支持されている。
図1と図2および図3ないし図6に示すように、筐体1の内部には、ドライブベース11を弾性的に支持する複数のダンパー15a,15b,15cが設けられている。これらダンパー15a,15b,15cは、弾性体の袋の内部にオイルが封入されて構成されている。ダンパー15a,15b,15cは、筐体1の内面に固定されており、ドライブベース11に固定された支持軸がそれぞれのダンパー15a,15b,15cに支持されている。機構ユニット10にディスクDが装填された後は、ドライブベース11が、ダンパー15a,15b,15cに弾性支持された状態で、ディスクDが回転駆動される。
図2に示すように、ドライブベース11のY1側には、回転駆動部20が設けられている。回転駆動部20は、ドライブベース11の上に固定されたスピンドルモータと、スピンドルモータの回転軸に固定された合成樹脂製のターンテーブル23を有している。
図1に示すように、ドライブベース11には光ヘッド25が搭載されている。光ヘッド25は、ドライブベース11に設けられたガイド機構によって移動自在に支持されているとともに、光ヘッド25を前記ガイド機構に沿って往復移動させるスレッド機構が設けられている。光ヘッド25は、スレッド機構によって、ターンテーブル23にクランプされたディスクDの記録面に沿って、ディスクDの半径方向に向けて移動させられる。
図1に示すように、クランプベース12のY1側の端部には、合成樹脂製のクランパ27が回動自在に支持されているとともに、クランパ27の回転軸を下方(Z2方向)へ押圧する板ばね26が設けられている。
図1と図2に示すように、ドライブベース11のY2側の端部にはX1方向へ突出する突出片12aが一体に形成され、この突出片12aに、トーションコイルばね17が取り付けられている。トーションコイルばね17の一方の腕部は、ドライブベース11に掛けられ、他方の腕部がクランプベース12に掛けられて、クランプベース12は、連結軸13を支点として、反時計方向へ常に付勢されている。すなわち、クランプベース12は、クランパ27がターンテーブル23に押圧されるように常に回動付勢されている。
図2に示すように、クランプベース12のY1側の端部には、X1方向へ突出する持ち上げ軸18が固定されている。この持ち上げ軸18に上方(Z1方向)への力を与えると、クランプベース12はトーションコイルばね17の付勢力に対抗して時計方向へ回動させられ、クランパ27がターンテーブル23から離れる。
図1や図3などに示すように、クランプベース12の左右の側方には、下方に向けて突出する一対のストッパ部材16a,16bが形成されている。ストッパ部材は、金属製のピンであり、筐体1の内部に搬入されたディスクDの外周縁が、ストッパ部材16a,16aに当たったときに、ディスクDはその中心がターンテーブル23の中心に一致するように位置決めされる。
図1および図3などに示すように、ドライブベース11には、X1側に右側方スライダ30aが設けられ、X2側に左側方スライダ30bが設けられている。図1に示すように、右側方スライダ30aには前後方向(Y1−Y2方向)に延びる案内長穴31が開口し、ドライブベース11に案内軸19が固定されている。案内長穴31と案内軸19は、ひとつの右側方スライダ30aに複数組設けられているが、図1では1組のみ図示している。案内長穴31が案内軸19を摺動することで、右側方スライダ30aがY1−Y2方向へ往復移動可能である。同様に、左側方スライダ30bも、ドライブベース11のX2側の側部において前後方向へ往復移動可能に支持されている。
ドライブベース11の左後方にモータMが設けられており、このモータMの動力によって左側方スライダ30bが前後方向へ駆動される。図4に示すように、機構ユニット10の底面側でY1側には、リンクスライダ46がX1−X2方向に移動自在に設けられている。図4と図6に示すように、リンクスライダ46と右側方スライダ30aとの間には、反転レバー47が設けられている。反転レバー47は、支持軸47aを中心に回動自在に支持されている。反転レバー47の一方の腕部に設けられた連結軸47bが、リンクスライダ46に連結され、他方の腕部に設けられた伝達軸47cが右側方スライダ30aに連結されている。
左側方スライダ30bがモータMの動力によってY1−Y2方向に移動させられると、その移動力が、リンクスライダ46と反転レバー47を含むリンク機構を介して右側方スライダ30aに伝達され、右側方スライダ30aと左側方スライダ30bとが同期してY1−Y2方向に移動させられる。図1と図2に示す待機状態では、右側方スライダ30aと左側方スライダ30bが、共に後方(Y2方向)へ移動させられている。
図3ないし図6に示すように、機構ユニット10のY2側には、トリガー部材14が設けられている。トリガー部材14は、ドライブベース11上に回動自在に支持されているアーム14Bとこのアーム14Bに固定されて、搬入されるディスクDの外周縁に対向する検知ピン14Aとを有している。
搬入される直径が12cmの正規のディスクDが図5に示す位置まで移動すると、このディスクDの外周縁で検知ピン14Aが押されてアーム14Bが反時計方向へ回動する。このとき、アーム14Bの回動力によって歯車が噛み合い動力伝達機構の伝達経路が成立する。この動力伝達機構の伝達経路の成立により、モータMの動力が、左側方スライダ30bにY1方向への直線移動力として伝達され、右側方スライダ30aと左側方スライダ30bが同期してY1方向へ移動させられる。
以下では、主に右側方スライダ30aについて説明する。右側方スライダ30aと左側方スライダ30bは同じ機能を発揮するものであり、左側方スライダ30bの形状および構造は、右側方スライダ30aと同等である。
図1に示すように、右側方スライダ30aにはクランプ制御カム部32が設けられている。クランプ制御カム部32は、前方(Y1方向)に向かうにしたがって上方(Z1方向)へ向けられるカム長穴32aと、このカム長穴32aとY2側で連続する大きな直径の逃げ穴部32bを有している。クランプベース12に設けられた持ち上げ軸18は、カム長穴32aと逃げ穴部32bの内部を移動できるように挿入されている。
図1に示す待機状態では、右側方スライダ30aが後方(Y2方向)へ移動しているため、カム長穴32aによって持ち上げ軸18がZ1方向へ持ち上げられている。このとき、クランプベース12が時計方向へ回動させられ、クランパ27がターンテーブル23から上方へ離れたクランプ解除状態に設定されている。正常なディスクDの中心穴がターンテーブル23の上に移動して、モータMが始動して、右側方スライダ30aが前方(Y1方向)へ移動させられると、持ち上げ軸18が、逃げ穴部32b内に移動する。このとき、クランプベース12がトーションコイルばね17の弾性力によって反時計方向へ回動し、クランパ27によってディスクDの中心部がターンテーブル23に押し付けられ、ディスクDがターンテーブル23にクランプされる。
図1に示すように、右側方スライダ30aにはロックカム部33が設けられている。このロックカム部33は、前後方向に延びるロック長穴33aと、ロック長穴33aのY2側に連続する大きな直径の逃げ穴部33bとを有している。
図1に示す待機状態で、右側方スライダ30aがY2方向へ移動していると、筐体1の左右の側面板4,5の内面に固定された拘束軸(図示せず)が、ロック長穴33a内に保持される。このとき、機構ユニット10は、筐体1の内側において動くことなく保持され、挿入口から搬入されたディスクDが、ターンテーブル23と、ターンテーブル23から離れているクランパ27との間の隙間内に移動しやすくなる。右側方スライダ30aがY1方向へ移動すると、クランパ27が下降してディスクDの中心部がクランプされるとともに、ロック長穴33aが前記拘束軸から外れ、拘束軸が逃げ穴部33bに移動する。このとき、機構ユニット10は筐体内1で拘束されず、ダンパー15a,15b,15cによって弾性支持される。ターンテーブル23にクランプされたディスクDが回転駆動される間に、外部振動がダンパー15a,15b,15cの振動として吸収されやすくなり、機構ユニット10に直接に影響を及ぼすことが防止される。
図1と図2に示すように、挿入口と回転駆動部との間に搬送機構40が設けられている。
搬送機構40は、搬送ローラ41と、搬送ローラ41のZ1側に対向する固定案内部43とを有している。
固定案内部43は、摩擦係数の小さい合成樹脂材料で形成されて、筐体1の天井板の下面に動かないように固定されている。図2に示すように、固定案内部43は、その下面43aがY1−Y2方向へ水平に延びる案内面となっている。
搬送ローラ41は、合成ゴムなどの摩擦係数の大きな材料で円筒状に形成されており、金属製のローラ軸42の外周に装着されている。ローラ軸42の右端部と左端部はローラブラケット44に支持されている。
ローラブラケット44は金属板で形成されている。図1と図2に示すように、ローラブラケット44は、X1側に形成された右側支持部44aおよびこの右側支持部44aのY1側の先部から上方へ延びる右側先部44bと、X2側に形成されている左側支持部44cおよびこの左側支持部44cのY1側の先部から上方へ延びる左側先部44dとを有している。
右側先部44bに支持穴44eが開口し、左側先部44dに支持穴44fが開口している。支持穴44eと支持穴44fは、X1−X2軸と平行な軸線上に位置している。筐体1の左右の側面板4,5のそれぞれの内面には短い一対の支持軸45,45が固定されており、支持穴44e,44fがそれぞれの支持軸45,45に支持され、ローラブラケット44は、支持軸45,45を回動支点として回動自在に支持されている。ローラブラケット44と筐体の底板との間に引っ張りコイルばね(図示せず)が掛けられており、ローラブラケット44は常に図2における反時計方向へ付勢されている。
図2に示すように、ローラブラケット44の右側支持部44aのY2側の端部に保持穴44gが形成され、左側支持部44cのY2側の端部にも同様に保持穴44gが開口している。ローラ軸42の左右両端部は、それぞれ保持穴44g,44g内に挿入されている。図1に示す待機状態では、引っ張りコイルばねの弾性力でローラブラケット44が反時計方向へ付勢されており、この付勢力によって、ローラ軸42が固定案内部43に押し付けられている。
図3ないし図6に示すように、ローラ軸42のX2側の端部にピニオン歯車48が固定され、筐体1の左側(X2側)の側面板5の内側には、図示しない搬送モータからの回転動力が与えられる駆動歯車49が設けられている。図1と図2に示すディスクDの挿入待機状態から、図5に示すようにディスクDが所定の装填完了位置まで搬入されるまでの間は、ローラブラケット44が反時計方向へ回動しているため、ピニオン歯車48は駆動歯車49と噛み合っている。この間、前記搬送モータの回転力が駆動歯車49からピニオン歯車48に伝達されて、ローラ軸42がディスクDを搬入する方向へ連続回転する。
図2に示すように、ローラブラケット44には、右側支持部44aの上縁と左側支持部44cの上縁とをつなぐ対向案内部44hが設けられている。すなわち、右側支持部44aは対向案内部44hのX1側で下向きに直角に折り曲げて形成され、左側支持部44cは対向案内部44hのX2側で下向きに直角に折り曲げられて形成されている。
対向案内部44hの上面の案内面44iは平坦面である。図2に示す待機状態では、案内面44iが、後方(Y2方向)に向かうにしたがって上方(Z1方向)へ持ち上がるように傾斜している。
搬送機構40と、挿入口を有する前面板2との間には、可動部材である可動案内部50が設けられている。可動案内部50は、固定案内部43と同じ低摩擦係数の合成樹脂材料で形成されており、その下面は平滑な案内面51である。案内面51は、ローラブラケット44に設けられた対向案内部44hの案内面44iに上方から対向している。
可動案内部50の先部(Y1側)には、X1方向とX2方向へ突出する短い支持軸52,52が一体に形成されている。それぞれの支持軸52,52は、筐体の両側面板に設けられた軸受部に回動自在に支持されている。可動案内部50はその自重と図示しないばね部材の付勢力によって、支持軸52,52を中心として時計方向へ回動付勢されている。可動案内部50の上面には、支持軸52,52よりもY1側にストッパ部53が形成されている。可動案内部50は、ストッパ部53が筐体1の天井板の下面に当たったときに、それ以上は時計方向へ回動しない回動限界となる。可動案内部50は、図2に示すように傾斜しているときに、挿入口から挿入されたディスクDが案内面51に当たりやすくなっている。
図2に示す待機状態では、可動案内部50の下面の案内面51と対向案内部44hの案内面44iとの対向間隔が、挿入口側で広く、搬送ローラ41に向かうにしたがって徐々に狭くなっている。
図1に示すように、固定案内部43の前端(Y1側の端部)には、X1−X2方向のほぼ中心部分に、内部に機械的な開閉接点を有する検知スイッチS1が固定され、検知スイッチS1のアクチュエータSaがY1方向へ突出している。また、可動案内部50のY2側の端部には、その上面に凹部54が形成されている。可動案内部50がばね部材の付勢力に対向して反時計方向へ回動させられると、凹部54の底面によってアクチュエータSaが押され検知スイッチS1の出力がOFFからONに切り替えられる。
可動案内部50の後端部(Y2側の端部)には、X1方向とX2方向へ突出する持ち上げ突部55,55が一体に形成されている。
図1に示すように、右側方スライダ30aのY1側には、ローラ制御カム部34が設けられている。ローラ制御カム部34は、上側に形成された上側案内部34aと、それよりもY2側で且つ下側に形成された下側拘束部34bと、上側案内部34aと下側拘束部34bとに連続する傾斜案内穴34cとを有している。ローラ軸42のX1側の端部は、ローラ制御カム部34に摺動自在に挿入されている。
右側方スライダ30aのY1側の端部には、案内制御カム部35が形成されている。案内制御カム部35は、Y1側の持ち上げ案内部35aとY2側に延びる保持案内部35bとを有している。持ち上げ案内部35aは、後方(Y2方向)へ向かうにしたがって徐々に上向きになる傾斜面であり、保持案内部35bは、Y1−Y2方向へ延びる水平な平面である。可動案内部50に設けられた持ち上げ突部55の姿勢は、案内制御カム部35によって制御される。
図1に示す待機状態では、右側方スライダ30aがY2方向へ移動しているため、ローラ軸42の右端部は、ローラ制御カム部34の上側案内部34a内に位置している。上側案内部34aの上下の開口幅はローラ軸42の直径よりも広くなっており、図2に示すように、引っ張りコイルばねによって反時計方向へ回動させられているローラブラケット44の付勢力で、ローラ軸42が固定案内部43に向けて押圧されている。
また、図1に示す待機状態では、右側方スライダ30aのY1側の端部に設けられた持ち上げ案内部35aが、持ち上げ突部55からY2方向へ離れており、可動案内部50が時計方向へ回動させられている。
直径が12cmで真円形の正規のディスクDが搬入され、ディスクDが正常なクランプ可能位置に至ると、モータMが始動し、右側方スライダ30aと左側方スライダ30bが同期してY1方向へ移動する。前述のように、右側方スライダ30aがY1方向へ移動すると、クランプ動作が行われ、且つ機構ユニット10の拘束が解除される。
さらに、右側方スライダ30aと左側方スライダ30bがY1方向へ移動すると、ローラ軸42の右端部が、ローラ制御カム部34の傾斜案内穴34cによって下向きに案内されて、下側拘束部34bで保持される。よって、ローラブラケット44が時計方向へ回動させられ、搬送ローラ41が固定案内部43およびディスクDから離れる位置へ移動するとともに、対向案内部44hも可動案内部50から下側へ離れる方向へ移動する。さらに、可動案内部50に設けられた持ち上げ突部55が、右側方スライダ30aの持ち上げ案内部35aにより持ち上げられて、保持案内部35bを摺動する。このとき、可動案内部50がほぼ水平な案内姿勢となる。
図3に示すように、筐体1の天井板の下面に回路基板70が設けられ、回路基板70の下面には光学検知部材71A,71Bが設けられている。
光学検知部材71A,71Bはそれぞれ、検知光を発する発光素子と、検知光を受光する受光素子とがZ方向で対向して設けられている。可動案内部50には、それぞれの光学検知部材71A,71Bが対応する位置に検知穴が形成されており、発光素子からの検知光は検知穴を通って下方に発せられ、受光素子で受光される。ディスクDが、受光素子で受光する光を遮っていないとき、光学検知部材71A,71Bから、非検知出力であるHレベルの出力信号が出力される。ディスクDが光を遮ると受光素子が受光できなくなり、光学検知部材71A,71Bからは、検知出力であるLレベルの出力信号が出力される。
図3に示すように、光学検知部材71A,71Bは共に、搬送ローラ41と挿入口を有する前面板2との間に配置されており、第1の光学検知部材である光学検知部材71Bが、第2の光学検知部材である光学検知部材71Aよりも前面板2に近い側に配置されている。
図3に示すように、ターンテーブル23の回転中心を通ってY1−Y2方向に延びる線を搬送中心線Oa−Oaとしたときに、光学検知部材71A,71Bは、共に搬送中心線Oa−Oaよりも左側(X2側)に離れて配置されている。そして、直径が12cmの正規のディスクDがY2方向へ搬入される間、ディスクDの中心穴Daおよびその周辺のリング状の透明部が、光学検知部材71A,71Bを通過しないようになっている。
図3に示すように、光学検知部材71A,71Bは、ターンテーブル23の回転中心から共に同じ距離r0離れた位置に配置されている。しかも、図6に示すように、正規のディスクDがターンテーブル23にクランプされたときに、光学検知部材71A,71Bが共に、ディスクDの外周縁のすぐ内側に位置し、且つディスクDの外周縁に通常形成されているリング状の透明部のすぐ内側に配置されている。
そのため、挿入口から正規のディスクDが挿入されて、光学検知部材71A,71Bの双方が検知状態であるLレベルとなった後に、このディスクDが正常に搬入されて、図6に示すように、ディスクDの中心がターンテーブル23の回転中心と一致する正常な装填完了位置に位置決めされるまでの間、光学検知部材71A,71Bは、共にLレベルを継続する。
図6に示すように、筐体の底板の上面には回路基板が設けられ、その回路基板のX1側に、リミットスイッチS2が設けられている。リミットスイッチS2のアクチュエータSbがX1方向に突出している。
左側方スライダ30bの移動力を右側方スライダ30aに伝達するための反転レバー47の下面には、接触部(図示せず)が設けられている。反転レバー47が、支持軸47aを中心に時計方向に回動して、右側方スライダ30aが最もY1方向へ移動したときに、前記接触部がリミットスイッチS2のアクチュエータSbに接触し、リミットスイッチS2の出力がOFFからONに切り替えられる。このとき、右側方スライダ30aと左側方スライダ30bが最もY1方向へ移動したことが検知され、図示しない制御回路で、ディスクDの一連の装填動作が完了したと判断され、モータMが停止させられる。
次に、ディスク装置の内部にディスクDを搬入する動作およびディスクDを挿入口から搬出する動作を説明する。
図7は、挿入口からディスクが挿入されてからクランプ可能位置まで搬入されるまでの動作を示すフローチャートである。図7のフローチャートでは、各ステップを「ST」の符号で示している。
(ディスク挿入待機状態)
図1と図2に示すように、ディスクDが挿入される前のディスク挿入待機状態では、右側方スライダ30aと左側方スライダ30bの双方がY2方向へ移動している。右側方スライダ30aに設けられたクランプ制御カム部32のカム長穴32aによって持ち上げ軸18が持ち上げられ、クランプベース12が時計方向へ回動させられて、クランパ27がターンテーブル23から上方へ離れている。
また、ローラ軸42の右端部が、右側方スライダ30aに形成されたローラ制御カム部34の上側案内部34aに案内され、引っ張りコイルばねからローラブラケット44に作用する弾性力により、搬送ローラ41が固定案内部43に向けて付勢されている。また、右側方スライダ30aのY1側の端部の持ち上げ案内部35aが持ち上げ突部55から離れており、可動案内部50が時計方向へ回動して傾斜して当接姿勢となっている。
図1と図2に示す待機状態では、搬送モータに通電されていない。また、検知スイッチS1には検知電圧が与えられているが、検知スイッチS1の接点が非接触で開かれているため、検知スイッチS1に電流が流れていない。また、光学検知部材71A,71Bの発光素子に通電されておらず、この時点で発光素子からは検知光が発せられていない。
(搬入動作)
図1と図2に示す待機状態で、挿入口からディスクDがY2方向へ挿入されると(ST1)、ディスクDのY2側に向く周縁部が、可動案内部50の案内面51と、その下に対向する対向案内部44hの案内面44iとの間で導かれる。待機状態では、可動案内部50の案内面51と対向案内部44hの案内面44iとの間隔がY2側に向かうにしたがって徐々に狭くなっている。そのため、ディスクDが、図3の(i)に示す位置または(ii)に示す位置まで挿入されると、ディスクDの上面によって可動案内部50が持ち上げられ、可動案内部50の凹部54の底部によってアクチュエータSaが持ち上げられて、検知スイッチS1の出力がOFFからONに切り替えられる。
ST2では、図示しない制御回路によって、検知スイッチS1の出力がOFFのままであると認識された場合にはST3に移行して、図1と図2に示す待機状態が継続される。
ST2において、検知スイッチS1の出力がOFFからONに切り替えられると、制御回路は光学検知部材71A,71Bの発光素子の通電を開始する。それ以後は、光学検知部材71A,71Bの発光素子に連続的に通電され、または間欠するパルス状の電流が与えられて検知光が発せられる。
検知スイッチS1の出力がONに切り替えられるまでは光学検知部材71A,71Bに通電されず、挿入口からディスクDなどが挿入されて検知スイッチS1の出力がONに切り替えられて初めて光学検知部材71A,71Bに通電されるため、ディスク挿入待機中における消費電力を低減できる。
ST4では、光学検知部材71Aの出力信号がHレベルのままで、且つ光学検知部材71Bの出力信号がHレベルからLレベルに変化したか否かが判断される。
挿入されたものが、外周縁が円形でない異形ディスクやカードなどではなく、外周縁が円形の正規のディスクDであって、この正規のディスクDが、図3の(i)で示す位置から(ii)で示す位置まで挿入されると、ディスクDのY2側の端部によって、光学検知部材71Bの検知光が最初に遮られ、その時点で光学検知部材71Aの検知光は未だ遮られない。よって、光学検知部材71Bの出力信号はHレベルからLレベルに変化し、光学検知部材71Aの出力信号はHレベルのままである。このとき、制御回路は、搬入してもよいディスクDが挿入されたものと判断して、ST5に移行し、搬送モータが始動して、ローラ軸42をディスク搬入方向へ始動する。
なお、直径が12cmの正規のディスクDが挿入されたときに、ST2で検知スイッチS1がONに切り替わった後に、遅れてST4に示すように、光学検知部材71Bのみが検知状態であるLレベルになってもよいし、ST2で検知スイッチS1がONに切り替わったときに、既にディスクDによって光学検知部材71Bが遮られており、ST2になったのと同時にST4が成立し、このときに正規のディスクDが挿入されたものと判断してもよい。
ここで、検知スイッチS1がONになり、光学検知部材71A,71Bに通電された後に、光学検知部材71Bの出力信号が検知状態であるLレベルにならないときは、搬送モータを始動せずローラ軸42を回転させることなく、そのまま光学検知部材71A,71Bの通電を継続する。そして、検知スイッチS1がOFFになったら、挿入口から挿入されているものが無くなったと判断して、光学検知部材71A,71Bの通電を停止する。
また、ST4において、光学検知部材71Bの出力信号が非検知状態のHレベルのままで、奥側の光学検知部材71Aの出力信号のみが検知状態のLレベルになったときは、制御回路は、挿入口から挿入されているのが円形のディスクではないと判断し、ST5へは移行せず、ローラ軸42を始動しない。このときも、検知スイッチS1がOFFになるのを待って、光学検知部材71A,71Bへの通電を停止する。
すなわち、正規のディスクDが挿入口から正常に挿入され、そのディスクDのY2側の外周縁が、搬送ローラ41に当たった時点では、図3に示す(ii)のように、光学検知部材71Bの出力信号は検知状態のLレベルになるが、光学検知部材71Aの出力信号が検知状態とならないように、搬送ローラ41と、光学検知部材71A,71Bの位置関係が決められている。これにより、正規のディスクDが正常に挿入されたときは、ローラ軸42を始動でき、それ以外の異形ディスクやカードなどが挿入されたときは、ローラ軸42が始動せず、これら異形ディスクなどが装置内に搬入することを阻止できる確率が高くなる。
また、光学検知部材71A,71Bは、搬送中心線Oa−Oaよりも左側に離れた位置にのみ設けられており、挿入口側の光学検知部材71Bよりも右側には、光学検知部材が設けられていない領域が広く存在している。例えば、クレジットカードまたはそれと同等の寸法のカード状の異物が、右側(X1側)に寄った位置で挿入口に挿入されて検知スイッチS1がONになったとしても、光学検知部材71Bが検知状態となる確率が低くなり、これら異物が挿入されたときに、ローラ軸42が始動することがなく、搬入動作に移行することはない。
図4には直径が8cmの小径ディスクD1を示しているが、この小径ディスクD1が右寄りで挿入口から挿入されたときも、光学検知部材71Bが検知状態とならず、搬送モータが始動することを避けることができる。
ST5において、搬送モータが始動し、ローラ軸42が搬入方向へ回転すると、ディスクDのY2側の周縁部が、搬送ローラ41の回転力によって、搬送ローラ41と固定案内部43との間に導かれる。ローラ軸42に引っ張りコイルばねの弾性力が作用しているため、ディスクDは搬送ローラ41と固定案内部43の下面43aとで挟持され、搬送ローラ41の回転力によって筐体1の内方へ向けて搬入される。
制御回路では、ST4で、光学検知部材71Bの出力信号がHレベルからLレベルに変化したことが前記制御部によって認識されたときに計測タイマーを始動し、ST4が成立したときを基準として時間の計測を開始する。
ST6では、光学検知部材71Bが検知状態となった後に、光学検知部材71Bが検知状態を維持したまま、光学検知部材71Aの出力信号が検知状態であるLレベルに切り替わるか否かを監視する。前記の時間計測の開始から予め決められた所定時間を経過するまでに光学検知部材71BがLレベルにならなかったら、搬入されているのが正規のディスクDではないと判断し、ST7に移行し、搬送モータを逆転しローラ軸42を逆転させて、搬出動作に移行する。
所定時間以内に光学検知部材71Aの出力信号がLレベルになったら、搬送ローラ41の回転による搬入動作を継続し、ST8に移行する。
その後の搬入動作において、直径が12cmの正規のディスクが搬送ローラ41の回転力で正常に搬入されているときは、正規のディスクDの中心穴またはその外周のリング状の透明部分が光学検知部材71A,71Bを通過することがなく、ディスクDの外周縁のリング状の透明部分も光学検知部材71A,71Bを通過することがない。また、図5に示すように、正規のディスクDの中心がターンテーブル23の中心に一致する正常な装填位置に位置決めされたときに、光学検知部材71A,71Bは、正規のディスクDの外周縁のリング状の透明部分よりもすぐ内側に対向する。
そのため、正規のディスクDが搬入されているときは、図5に示すように、ディスクDの位置決めが完了するまで、光学検知部材71A,71Bが共にLレベルを継続する。制御回路では、この間、光学検知部材71A,71Bの少なくとも一方が非検知状態であるHレベルになったら、搬入されているのが正規のディスクではないと判断し、搬送ローラを逆転させ、ローラ軸42を逆転させて、これらを挿入口から排出する。
すなわち、ST8において、光学検知部材71Bが検知状態であるLレベルを継続しているか、ST9で、光学検知部材71Aが検知状態であるLレベルを継続しているかを監視する。そして、ST8とST9の双方の成立が継続している間は、正規のディスクDが正常に搬入され続けていると判断し、ST8とST9の少なくとも一方が成立しなかったら、その時点で直ちにST7に移行し、搬出動作に移行する。
また、図3に示すターンテーブル23の回転中心から光学検知部材71A,71Bまでの距離r0は、4cm以上に設定されている。図4に示すように、直径が8cmの小径ディスクD1が挿入されたときは、光学検知部材71Aと光学検知部材71Bの双方が検知状態とならず、ST6が成立しない確率が高いが、仮にST6が成立したとしても、小径ディスクD1の中心がターンテーブル23に近づいた時点で、光学検知部材71Aと光学検知部材71Bの少なくとも一方が非検知状態となる。そのため、直ちにST7に移行して小径ディスクD1が搬出される。
また、小径ディスクD1以外の、外形が円形でない異形ディスクやカードなどが搬入されたときも同様にST7の搬出動作に移行する確率が高くなる。
正規のディスクDが、図4に示す状態からさらにY2方向に搬入され、図5に示す位置に至ると、ディスクDのY2側の外周縁によって、トリガー部材14を構成する検知ピン14AがY2方向に押圧され、アーム14Bが反時計方向に回動させられる。同時に、正規のディスクDの外周縁が、一対のストッパ部材16a,16bに当たり、ディスクDはクランプ可能位置である正常な搬入完了位置に位置決めされる。
トリガー部材14のアーム14Bが反時計方向へ回動すると、モータMが始動するとともに動力伝達機構の歯車が噛み合わされ、モータMの動力により左側方スライダ30bがY1方向へ移動させられる。なお、モータMを搬送モータとして兼用し、ST5においてモータMを始動してローラ軸42を回転させ、その後、図5の状態で、アーム14Bの回動力で動力伝達機構が成立して、モータMの動力が動力伝達機構から左側方スライダ30bに伝達されてもよい。
その後は、右側方スライダ30aと左側方スライダ30bが同期して、図5に示す位置からY1方向へ移動する。この過程で、図1に示す右側方スライダ30aに設けられたクランプ制御カム部32のカム長穴32aによって持ち上げ軸18が下方へ案内されて逃げ穴部32bに移動させられる。よって、クランプベース12が、トーションコイルばね17の付勢力によって、連結軸13,13を支点として反時計方向へ回動させられ、クランパ27がターンテーブル23に向けて下降する。
上記のクランプベース12の反時計方向への回動動作とほぼ同時に、ローラ軸42の右端部が、右側方スライダ30aに設けられたローラ制御カム部34の上側案内部34aから傾斜案内穴34cへ案内され、さらに下側拘束部34bで拘束される。これにより、ローラブラケット44が時計方向へ回動させられて、ローラ軸42および搬送ローラ41が下降させられる。搬送ローラ41の上に乗っている正規のディスクDは、搬送ローラ41と共に下降し、ディスクDの中心穴Daが、ターンテーブル23とクランパ27とで挟持されて、ディスクDがクランプされる。
ローラ制御カム部34の下側拘束部34bによって、搬送ローラ41がディスクDから下側へ離れた位置に拘束された後に、さらに右側方スライダ30aがY1方向へ移動すると、右側方スライダ30aのY1側の端部に設けられた案内制御カム部35の持ち上げ案内部35aで持ち上げ突部55が持ち上げられさらに保持案内部35bで保持される。その結果、可動案内部50は反時計方向へ回動させられ、可動案内部50の下面の案内面51が水平姿勢となり、クランプされているディスクDから上方へ離れる。
右側方スライダ30aが最もY1方向に移動して、上記のように正規のディスクDのクランプ動作が完了すると、図6に示すように、右側方スライダ30aを駆動する反転レバー47の接触部が、リミットスイッチS2のアクチュエータSbに接触し、リミットスイッチS2の出力がOFFからONに切り替えられる(図7のST10)。リミットスイッチS2は、ディスクDがターンテーブル23にクランプされたことを検知するディスクの装填完了検知スイッチとして機能する。
図7に示すフローチャートでは、ST10において、ST4でタイマーの計測が開始された後の予め決められた所定時間以内にリミットスイッチS2がONになったか否かが監視される。所定時間以内にST10が成立すれば、ST11に移行して、ディスク搬入完了と判断し、図6に示す状態で、ターンテーブル23にクランプされたディスクDを回転駆動することが可能になる。
一方、ST4から所定時間以内にST10に至らないときは、ディスクが正常にクランプされるに至っていないと判断し、ST7に移行して搬出動作に移行する。
(搬出動作)
駆動が完了した正規のディスクDを搬出するときは、モータMによって左側方スライダ30bと右側方スライダ30aをY2方向へ移動させ、ディスクDのクランプを解除する。また、搬送ローラ41と固定案内部43とでディスクDを挟持し、ディスクDを挿入口から搬出する。
このとき、光学検知部材71A,71Bの出力信号を監視し、搬出動作を監視してから所定時間以内に、光学検知部材71Aが非検知状態であるHレベルになった直後に、搬送モータを停止する。このとき、正規のディスクDは、図4において実線で示す位置で停止し、ディスクDのY2側の端部は、停止している搬送ローラ41と固定案内部43とで挟持されている。
その後、ディスクDを取り出すと、光学検知部材71Bが非検知状態であるHレベルになるが、制御回路は、光学検知部材71Bが非検知状態になるだけではなく、可動案内部50が時計方向へ回動し、検知スイッチS1がOFFに切り替わったときにディスクDが挿入口から引き抜かれたと判断する。そして、検知スイッチS1がOFFになったときに光学検知部材71A,71Bへの通電を停止し、または検知スイッチS1がOFFになってから所定時間を経過した後に、光学検知部材71A,71Bへの通電を停止する。
次に、図7のST7において、搬入動作中に、正規なディスクが正常に搬入されていないと判断されて搬出動作に移行したときは、光学検知部材71A,71Bの出力信号の変化に拘わらず、搬出しようとするものが搬送ローラ41から外れ、可動案内部50が時計方向へ回動し、検知スイッチS1がOFFに切り替わったときに搬出完了と判断する。そして、光学検知部材71A,71Bへの通電を停止する。
なお、上記実施の形態では、支持軸52,52を中心としてディスクの厚さ方向に回動可能な可動案内部50が設けられ、可動案内部50の回動動作によって、検知スイッチS1がONに切り替えられる。しかし、ディスクDが挿入されたときに、ディスクDの外周縁によって挿入検知ピンや検知スライダが移動させられて、検知スイッチが動作せられるものであってもよい。
本発明の実施の形態のディスク装置の全体構造を示す斜視図、 図1の右側面図、 ディスクが挿入口から挿入された直後の状態を示すディスク装置の平面図、 ディスクが搬送ローラで搬入される動作を示すディスク装置の平面図、 搬送ローラで搬入されるディスクが搬送完了位置に至った状態を示すディスク装置の平面図、 ディスクがターンテーブルにクランプされたときのディスク装置の平面図、 ディスクが挿入されてから搬入を完了するまでの動作を示すフローチャート、
符号の説明
1 筐体
2 前面板
10 機構ユニット
14 トリガー部材
16a,16b 位置決め部材
20 回転駆動部
23 ターンテーブル
27 クランパ
30a 左側方スライダ
30b 右側方スライダ
40 搬送機構
41 搬送ローラ
43 固定案内部
50 可動案内部(可動部材)
71A,71B 光学検知部材
S1 検知スイッチ
S2 リミットスイッチ
D 正規のディスク

Claims (8)

  1. ディスクが挿入される挿入口と、前記挿入口よりも装置奥側に設けられ、ディスクを搬送する搬送機構とを有するディスク装置において、
    前記挿入口から挿入されたディスクの挿入方向への移動力によって検知状態に切り替えられる接点開閉式の検知スイッチと、前記挿入口から挿入されたディスクによって光路が遮られることで検知状態となる光学検知部材とが設けられており、
    前記検知スイッチが検知状態に切り替わることで、前記光学検知部材への通電が開始され、その後に、前記検知スイッチと前記光学検知部材の双方がディスクを検知する検知状態となったときに、前記搬送機構が始動してディスクの装置内への搬入が可能になることを特徴とするディスク装置。
  2. 前記検知スイッチと前記光学検知部材は、前記挿入口と前記搬送機構との間に配置されている請求項1記載のディスク装置。
  3. 前記光学検知部材の検知出力を監視することで、正規の寸法のディスクが搬入されているかが判断される請求項1または2記載のディスク装置。
  4. 前記光学検知部材は、通電状態となってから正規の寸法のディスクが正常な装填位置に至るまで、検知状態を継続する位置に配置されている請求項3記載のディスク装置。
  5. 前記光学検知部材は、装置内に搬入されるディスクの中心が通る中心線から一方の側に離れた位置に配置されており、正規のディスクが正常な装填位置に至ったときに、前記光学検知部材がディスクの前記挿入口に向く外周縁のすぐ内側に対向する請求項4記載のディスク装置。
  6. 装置内に搬入されるディスクの中心が通る中心線から一方の側に離れた位置に前記光学検知部材が2個設けられ、2個の前記光学検知部材が、正常な位置に装填されたディスクの中心から等距離に配置されており、
    2個の前記光学検知部材は、通電状態となってから正規の寸法のディスクが正常な装填位置に至るまで、共に検知状態を継続する請求項5記載のディスク装置。
  7. 装填完了位置まで搬入されたディスクがターンテーブルにクランプされたことを検知する装填完了検知スイッチが設けられており、前記光学検知部材が検知状態になってから所定時間を経過しても、前記装填完了検知スイッチが検知状態とならないときに、ディスクが正常な装填位置に至っていないと判断する請求項1ないし6のいずれかに記載のディスク装置。
  8. ディスクが正常な装填位置に至っていないと判断したときに、前記搬送機構を逆転させて、排出動作に移行する請求項7記載のディスク装置。
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