図1は本発明の実施の形態のディスク装置の全体構造を示す分解斜視図、図2はディスク装置の平面図、図3は挿入口の内側に設けられた移送検知機構を、図2および図4とは逆側である下方側から見た部分底面図、図4はディスク装置の回路構成を示すブロック図である。なお、図4では、移送検知機構の構造を簡略化して示している。
図1に示すディスク装置1は箱型の筐体2を有している。図1において、筐体2の基準方向は、図示Z1側が下側、Z2側が上側、X1側が左側、X2側が右側、Y1側が手前側、Y2側が奥側である。また、図示X1−X2方向が横方向、Y1−Y2方向が奥行き方向である。
筐体2は、下側から上側に向けて、下部筐体3、中間筐体4および上部筐体5が順に重ねられて組み立てられている。下部筐体3は筐体2の底面6を有し、中間筐体4は、筐体2の前面7と右側面8を有しており、前面7にディスクDが挿入され排出される挿入口23が開口している。上部筐体5は、筐体2の左側面9と後面10および天井面11を有している。
図1に示すように、下部筐体3の底面6の上面には第1の切換え機構12が設けられている。第1の切換え機構12には、図示しない切換えモータの動力によって図示Y1−Y2方向へ駆動されるラック部材30が設けられている。
下部筐体3では、第1の切換え機構12の上にユニット支持ベース13が設けられ、ユニット支持ベース13は、下部筐体3の底面6に設けられた複数のダンパー18によって弾性支持されている。ユニット支持ベース13には図示Y2方向へ突出する規制軸13aと図示Y1方向へ突出する規制軸13b,13bが設けられている。
下部筐体3では、Y2側の側板の内側にロック部材54が設けられ、このロック部材54に制御穴56が形成されている。ユニット支持ベース13に設けられた規制軸13aは制御穴56内に挿入されている。下部筐体3のY1側の側板の内側にもロック部材(図示せず)が設けられ、このロック部材に2つの制御穴が形成されて、ユニット支持ベース13に設けられた規制軸13b,13bが前記2つの制御穴のそれぞれに挿入されている。
第1の切換え機構12では、ラック部材30の移動力が回動アーム35を介してロック切換えスライダ36に与えられる。このロック切換えスライダ36によって、ロック部材54および、Y1側の側板の内側に設けられた他のロック部材がX1方向またはX2方向へ移動させられる。
ユニット支持ベース13上には、駆動ユニット14が設置されている。駆動ユニット14には、回転駆動部であるターンテーブル82とターンテーブル82を駆動するスピンドルモータが設けられている。また、駆動ユニット14は光ヘッド83を有しており、光ヘッド83は、駆動ユニット14に搭載されたスレッド機構によって、ターンテーブル82に接近する方向、及びターンテーブル82から離れる方向へ向けて移動する。このとき、光ヘッド83に設けられた対物レンズ83aが、ターンテーブル82にクランプされたディスクDの記録面に沿って移動する。
ユニット支持ベース13には、図示Y2側の端部に垂直に立ち上がる支持軸80が設けられ、駆動ユニット14は、支持軸80を中心として水平方向へ回動できるように支持されている。図1では、駆動ユニット14が退避位置にあるが、この退避位置から矢印(a)方向へ回動すると、図2および図4に示すように、ターンテーブル82が下部筐体3のほぼ中心部へ移動して、駆動ユニット14は、選択されたディスクDを回転駆動可能な駆動位置に設定される。
駆動ユニット14は、第1の切換え機構12によって、前記退避位置から前記駆動位置へ向けて回動させられる。図1に示すように、第1の切換え機構12には、ラック部材30と共に図示Y1−Y2方向へ移動する切換えスライダ34が設けられ、この切換えスライダ34に駆動ピン33が固定されている。ラック部材30が図示Y2方向へ移動していると、切換えスライダ34が図示Y2方向へ移動し、駆動ピン33によって、駆動ユニット14が、図1に示す退避位置へ回動させられて保持される。ラック部材30が図示Y1方向へ移動し、これと共に切換えスライダ34が図示Y1方向へ移動すると、駆動ピン33によって、駆動ユニット14が矢印(a)方向へ回動させられて駆動位置へ移動する。
ターンテーブル82には、ディスクDの中心穴D1をクランプするクランプ機構(クランプ手段)が搭載されている。このクランプ機構は、いわゆるセルフクランプ機構である。ターンテーブル82の中心部にはZ2方向へ突出する凸部82aが設けられており、ディスクDの中心穴D1は、この凸部82aに嵌合する。凸部82a内には3つのクランプ爪が設けられており、このクランプ爪が凸部82aの外周から半径方向へ突出し、また凸部82aに後退する。このクランプ爪は、ターンテーブル82の回転中心に対して120度の角度配置で設けられている。
駆動ユニット14内には、クランプ動力を伝達する伝達機構が設けられ、支持軸80には前記伝達機構に連結された伝達リンクが回動自在に支持されている。前述のように、駆動ユニット14が図1に示す退避位置にある状態から、切換えスライダ34がY1方向へ移動すると、駆動ピン33によって、駆動ユニット14が(a)方向へ回動させられて、図2または図4に示す駆動位置へ回動する。その後さらに、ラック部材30の駆動力で切換えスライダ34がY1方向へ移動すると、駆動ユニット14が前記駆動位置に停止した状態で、駆動ピン33により前記伝達リンクが回動させられる。この伝達リンクの回動力が前記伝達機構によりターンテーブル82の内部に伝達され、前記クランプ爪が凸部82aの外周から突出してクランプ動作完了状態となる。
ディスクDの中心穴D1が凸部82aに嵌合している状態で、前記クランプ爪がクランプ動作完了状態になると、ディスクDの中心穴D1にクランプ爪が圧接し、ディスクDがターンテーブル82に一緒に回転できる状態にクランプされる。
下部筐体3内には、ラック部材30のY1方向への移動位置を検知する複数の検知スイッチが設けられている。いずれかの検知スイッチにより、ラック部材30が図1に示す位置へ移動して、駆動ユニット14が退避位置にあることを検知でき、他の検知スイッチにより、ラック部材30がY1方向の所定位置へ移動し、駆動ユニット14の駆動位置への回動が完了したことを検知できる。さらに他の検知スイッチにより、ラック部材30がY1方向へ移動し、前記クランプ手段によるクランプ動作が完了したことを検知できる。
なお、前記クランプ手段として、駆動ユニット14内に小型のモータを搭載し、このモータの動力で前記クランプ爪を動作させるとともに、前記クランプ爪がクランプ動作完了状態に至ったことを検知する検知スイッチを設けてもよい。
さらに本発明は、クランプ手段が前記クランプ爪を有するセルフクランプ機構に限定されるものではなく、例えば駆動ユニット14に、ターンテーブル82に対向するクランパが回転自在に支持されており、ターンテーブル82の凸部82aがディスクDの中心穴D1に嵌合した状態で、前記クランパがターンテーブル82に加圧されて、ディスクDがターンテーブル82とクランパとで挟持されるものであってもよい。
図1に示すように、中間筐体4の上部には、底面6と平行な機構ベース15が設けられ、機構ベース15の上に第2の切換え機構16が設けられている。中間筐体4では、機構ベース15の下側で且つ前面7の内側に移送ユニット17が設けられている。
図2と図4に示すように、移送ユニット17には、移送ローラ112,113が設けられている。移送ローラ112,113は単一のローラ軸114の外周に設けられている。移送ユニット17には、移送ローラ112,113と対向する合成樹脂製の挟持部材が固定されており、移送ローラ112,113は、ばねの力で前記挟持部材に圧接されている。挿入口23から挿入されたディスクDは移送ローラ112,113と挟持部材とで挟持される。
図1に示すように、下部筐体3の底面には支持軸17aが垂直に固定されており、移送ユニット17のX1側の端部は、支持軸17aに回動自在に支持されている。図1と図2では、移送ユニット17が前面7の内側に沿う待機位置にある。待機位置にある移送ユニット17は、図2に示すように、筐体2内に収納されているディスクDの外周縁の外側に位置している。
図1に示すように、第2の切換え機構16には、円弧状の駆動部材37が設けられ、機構ベース15上に設けられた第2の移送モータM2の動力で、駆動部材37がその長手方向に向けて円弧軌跡で移動する。機構ベース15上には回動リンク38が回動自在に支持されている。駆動部材37がY2方向へ向けて移動すると、この駆動部材37の移動力によって、回動リンク38が反時計方向へ回動させられる。このときの回動リンク38の回動力によって、移送ユニット17が、支持軸17aを支点として(b)方向へ回動させられる。移送ユニット17は図4に示す移送動作位置まで回動する。
図1に示す下部筐体3内には、第1の移送モータM1が設けられている。支持軸17aには伝達歯車17bが回転自在に支持されており、第1の移送モータM1により伝達歯車17bが回転させられる。この伝達歯車17bの回転力は、移送ユニット17内のローラ軸114に伝達されて、移送ローラ112,113が回転駆動される。
なお、第1の移送モータM1と第2の移送モータM2は、図4において、簡易的にブロック図で記載している。
図1に示すように、上部筐体5の、左側面9と後面10および天井面11で囲まれた領域がディスク収納領域20となっており、ディスク収納領域20には、複数の支持体21が、その厚み方向であるZ1−Z2方向に並べられて設けられている。この実施の形態では、支持体21が6枚設けられている。
上部筐体5には支持体選択手段22が設けられている。支持体選択手段22は3箇所に設けられたスクリュー軸であり、それぞれが天井面11に回動自在に支持されている。そして、複数の支持体21のそれぞれは、支持体選択手段22のスクリュー溝に摺動自在に嵌合している。図示しない選択モータによって各支持体選択手段22が同期して回転駆動されると、前記スクリュー溝によって、それぞれの支持体21が図示Z1−Z2方向へ移動して支持体21の選択動作が行われる。選択された支持体21は、挿入口23とほぼ同じ高さの選択位置に設定され、選択位置にある支持体21とその下に位置する支持体21との間に大きな隙間が形成される。
挿入口23から挿入されて筐体2内に搬入されたディスクDは、選択位置にある支持体21の下面に設置される。図2と図4に示すように、それぞれの支持体21の下面には保持爪41,42,43が設けられている。保持爪41,42,43は、支持体21に回動自在に支持されており、その回転中心は、それぞれの支持体選択手段22の回転中心に一致している。それぞれの保持爪41,42,43はばねにより支持体21の中心部に向かって突出するように付勢されており、ディスクDは、支持体21の下面と保持爪41,42,43とで保持される。筐体2内には、図示しない保持解除機構が設けられており、選択位置に移動した支持体21の保持爪41,42,43が保持解除機構に対向する。選択位置に移動した支持体21の下面のディスクDがターンテーブル82にクランプされると、前記保持解除機構により保持爪41,42,43が回動させられ、保持爪41,42,43がディスクDと重ならない位置に退避し、ディスクDと支持体21とが分離される。
ディスクDは、直径が12cmであって、例えばCD(コンパクト・ディスク)、CD−ROM、DVD(ディジタル・バーサタイル・ディスク)などであり、中心穴D1を有している。
図2および図4に示すように、移送ユニット17には、移送検知機構を構成する右側光学検知器F1と左側光学検知器F2が設けられている。光学検知器F1,F2は、移送ユニット17のユニット枠に設けられている。それぞれの光学検知器F1,F2は、移送ユニット17に設けられた前記挟持部材と各移送ローラ112,113との間を通過するディスクDを挟んで、一方の側に発光素子が、他方の側に受光素子が互いに対向して構成されている。
光学検知器F1,F2は、図2に示すディスクDが挿入されるときおよび搬出されるときのディスク中心の軌跡である中心線Oaに対して、左右に等距離を開けて配置されている。それぞれの光学検知器F1,F2は、第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113との間に位置し、ローラ軸114よりも挿入口23側に設けられている。
図2に示すように、移送ユニット17が待機位置にあるとき、光学検知器F1,F2は、ローラ軸114と挿入口23との間に位置する。挿入口23からディスクDが挿入される前の状態では、光学検知器F1,F2の発光素子から発せられる検知光は遮られておらず、受光素子に通光状態となっている。このとき、光学検知器F1,F2の検知出力は高いレベル(Hレベル)となっている。挿入口23からディスクDが挿入されると、その挿入方向に向く前縁部が第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113に当たる前に、このディスクDによって光学検知器F1,F2の検知光が遮られ、光学検知器F1,F2は遮光状態となる。このとき、光学検知器F1,F2の検知出力は、HレベルからLレベル(低いレベル)の状態に切り換わる。これによって、挿入口23からディスクDが挿入されたことを検知できる。
すなわち、光学検知器F1,F2は、「Lレベル」がディスクDを検知している「検知状態」であり、「Hレベル」がディスクDを検知していない「非検知状態」である。
挿入口23からディスクDが挿入されて光学検知器F1と光学検知器F2の少なくとも一方が非検知状態から検知状態に切り換わると、図4に示す第1の移送モータM1が始動し、第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113がディスク搬入方向へ自転を開始する。ディスクDが第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113に至った時点で、両移送ローラ112,113がディスク搬入方向へ自転を開始しているため、挿入口23から挿入されたディスクDは、移送ローラ112,113の回転力によって筐体2内にスムーズに送り込まれる。
図3に示すように、筐体2の前面7の内側には、機構式の移送検知機構200が設けられている。
移送検知機構200は、前面7の内側で且つ移送ユニット17の下側に固定された移送検知基板201と、ディスクDの筐体2内での位置に対応して、中心線Oaと直交する方向へ移動する移動検知手段202とを有している。
移送検知基板201は、表面にフレキシブルプリント基板が取り付けられた金属板である。移送検知基板201のX2側の端部に設けられた固定部201Aは直角に折り曲げられ、前面7の内面にねじで固定されている。また、移送検知基板201には、中心線Oa上に位置する固定部201Bが直角に折り曲げられており、この固定部201Bも前面7の内面にねじで固定されている。
図3と図4に示すように、移送検知基板201には、機構式の検知スイッチL1,R1,R2,R3が固定されている。検知スイッチL1,R1,R2,R3は、それぞれ接触動作部L11,R11,R21,R31を有している。それぞれの検知スイッチの端子は、移送検知基板201の表面に固定されたフレキシブルプリント基板の配線パターンに接続されており、それぞれの検知スイッチの検知出力は、前記配線パターンを介して図4に示すCPUなどで構成された制御部302に与えられている。
同様に、光学検知器F1,F2で検知された検知出力も、図示しない配線部材を介して制御部302に与えられる。
この実施の形態では、検知スイッチL1とR1が「第1の検知機構」であり、検知スイッチR2が「第2の検知機構」であり、検知スイッチR3が「第3の検知機構」である。また、光学検知器F1,F2も「第1の検知機構」として機能することがある。
図3と図4に示すように、移動検知手段202は、中心線OaよりもX2側に位置する右側移動部材202Aと、中心線OaよりもX1側に位置する左側移動部材202Bを有している。
右側移動部材202Aは金属板で形成されており、筐体2の前面7の内側において、中心線Oaと直交する向きであるX1−X2方向へ摺動自在に支持されている。左側移動部材202Bも、筐体2の前面7の内側において、X1−X2方向へ摺動自在に支持されている。
右側移動部材202Aには切換え部材204Aが固定されている。切換え部材204Aは金属板で形成されており、この切換え部材204Aが、中心線OaよりもX2側に位置している検知スイッチR1,R2,R3の接触動作部R11,R21,R31を押圧することで、検知スイッチR1,R2,R3が順に切換えられる。左側移動部材202Bにも、金属板で形成された切換え部材204Bが固定されている。中心線OaよりもX1側に位置している検知スイッチL1の接触動作部L11が切換え部材204Bで押されることで、検知スイッチL1が切換えられる。
右側移動部材202Aには、検知部材である検知ピン203Aが固定されており、左側移動部材202Bには、検知部材である検知ピン203Bが固定されている。検知ピン203Aと検知ピン203Bは、挿入口23を横断して配置されている。右側移動部材202Aと左側移動部材202Bは、いずれも中心線Oaに向かう方向へばねで付勢されており、検知ピン203Aと検知ピン203Bに外力が作用していないとき、検知ピン203Aと検知ピン203Bの距離が最短になる。このとき、検知ピン203Aと中心線Oaとの距離と、検知ピン203Bと中心線Oaとの距離が等しい。このときの、検知ピン203Aと検知ピン203Bとの距離は、ディスクDの直径である12cmよりも十分に短い。
また、移送ローラ112,113の回転力でディスクDが中心線Oaに沿って搬送されるときに、ディスクDの外周縁が検知ピン203Aと検知ピン203Bに当たって摺動し、ディスクDの移動位置に応じて、検知ピン203Aと検知ピン203Bが中心線Oaから離れる方向へ移動させられる。
図3と図4に示すように、ディスクDが移送検知機構200上に位置していないとき、右側移動部材202Aと左側移動部材202Bが、共に中心線Oaに接近しており、切換え部材204Aで検知スイッチR1の接触動作部R11が押され、検知スイッチR1の検知出力がONになっている。同様に、切換え部材203Bで検知スイッチL1の接触動作部L11が押されて、検知スイッチL1の検知出力がONである。このとき、右側の切換え部材204Aは、検知スイッチR2の接触動作部R21と検知スイッチR3の接触動作部R31から離れており、検知スイッチR2の検知出力と、検知スイッチR3の検知出力は共にOFFである。
ディスクDが中心線Oaに沿って筐体2の内部に向けて挿入され、または筐体2の内部から挿入口23に向けて排出されるとき、ディスクDの外周縁で検知ピン203Aと203Bが押されて、右側移動部材202Aと左側移動部材202Bが互いに離れる方向へ移動する。このとき、最初に切換え部材204Aが検知スイッチR1の接触動作部R11から離れ、また切換え部材204Bが検知スイッチL1の接触動作部L11から離れて、検知スイッチR1と検知スイッチL1の検知出力が共にOFFに切換えられる。
さらにディスクDが移動し、ディスクDの外周縁で右側移動部材202AがX2方向へ移動させられると、切換え部材204Aによって、検知スイッチR2の接触動作部R21が押されて検知スイッチR2がONになり、その後に、検知スイッチR3の接触動作部R31が押されて検知スイッチR3がONになる。
さらにディスクDが同じ方向へ移動し続けて、ディスクDの中心が移送検知機構200上を通過すると、その後は、ディスクDの外周縁の形状にしたがって、右側移動部材202Aと左側移動部材202Bが互いに接近する。このとき、最初に切換え部材204Aが検知スイッチR3の接触動作部R31から離れて検知スイッチR3がOFFになり、その後に切換え部材204Aが検知スイッチR2の接触動作部R21から離れて検知スイッチR2がOFFになる。そして、ディスクDが移送検知機構200上から外れると、再び、図3に示すように、右側移動部材202Aと左側移動部材202Bが接近し、検知スイッチR1と検知スイッチL1が共にONになる。
この移送検知機構200では、第1の検知機構である検知スイッチR1および検知スイッチL1は、その切換え出力が「ON」のときがディスクを検知していない「非検知状態」であり、切換え出力が「OFF」に切り換わるとディスクを検知する「検知状態」となる。また、第2の検知機構である検知スイッチR2と、第3の検知機構である検知スイッチR3は、その切換え出力が「OFF」のときが、ディスクを検知していない「非検知状態」であり、切換え出力が「ON」になると、ディスクを検知している「検知状態」となる。
ディスクDが挿入口23から筐体2の内部に搬入されるとき、または筐体2の内部から挿入口23へ排出されるときのいずれにおいても、その動作の最初に「第1の検知機構」である検知スイッチR1,L1が「非検知状態」である「ON」から「検知状態」である「OFF」に切換えられる。その後に、「第1の検知機構」が「検知状態」を継続しつつ、「第2の検知機構」である検知スイッチR2と、「第3の検知機構」である検知スイッチR3が、順に「検知状態」である「ON」に切換えられる。
さらにディスクDの中心が移送検知機構200の上を通過した後は、「第3の検知機構」である検知スイッチR3が先に「非検知状態」である「OFF」になり、その後に、「第2の検知機構」である検知スイッチR2が「非検知状態」である「OFF」になる。その後に、「第1の検知機構」である検知スイッチR1とL1が、共に「非検知状態」である「ON」に切り換えられる。
次に、このディスク装置の動作を説明する。
ディスク装置1へのディスクDの挿入を待機する待機モードでは、駆動ユニット14が図2において破線で示すように退避位置であり、また移送ユニット17は図2において実線で示すように待機位置にある。
外部からの操作でディスクDを装填しようとする支持体21の番号を指定すると、スクリュー軸である支持体選択手段22が動作して、支持体21がZ1−Z2方向へ移動させられて、番号で指定された空の支持体21が挿入口23と同じ高さの選択位置に移動して停止する。
その後、図1に示す第1の切換え機構12が動作し、駆動ユニット14が時計方向へ回動して、駆動ユニット14は図2において実線で示す駆動位置に至る。
この状態で、挿入口23からディスクDが挿入され、待機位置の移送ユニット17に設けられた光学検知器F1と光学検知器F2が、共にディスクを検知して検知状態になると、制御部302から第1の移送モータM1を始動する制御指令が出され、ローラ軸114がディスクを搬入する搬入方向へ回転し始める。ディスクDは、回転する移送ローラ112,113と挟持部材とで挟持されて筐体2の内部に向けて搬入される。
ディスクDが筐体2内の所定位置まで搬入されると、第2の移送モータM2が始動し、図1に示す第2の切換え機構16が動作して、図4に示すように、ローラ軸114が回転しながら移送ユニット17が(b)方向へ回動させられる。よって、ディスクDは、移送ローラ112,113の自転力と、移送ユニット17の(b)方向への回動力の双方の力によって、ディスク収納領域20内に向けて送り込まれ、ディスクDは選択位置にある支持体21の下面と保持爪41,42,43との間で保持される。
搬入したディスクDを駆動するときには、移送ローラ112,113と挟持部材とでディスクを挟持したまま、駆動ユニット14がやや上昇して、ディスクDの中心穴がターンテーブル82にクランプされる。その後に、移送ローラ112,113が搬入方向へ回転しながら、移送ユニット17が図2に示す待機位置へ向けて回動し、移送ローラ112,113がディスクDから外れる。さらに保持爪41,42,43と支持体21とでのディスクDの保持が解除されて、ディスクDがターンテーブル82とともに回転駆動される。
ディスクを排出するときは、ターンテーブル82でディスクDをクランプした状態で、移送ローラ112,113が搬出方向へ回転しながら、移送ユニット17が図4に示す移送動作位置まで回動して、移送ローラ112,113と挟持部材とでディスクDが挟持される。その後に、ターンテーブル82によるディスクDのクランプが解除され、移送ローラ112,113が搬出方向へ自転しながら、移送ユニット17が図2に示す待機位置へ向けて回動する。よって、ディスクDは、移送ローラ112,113の回転力と移送ユニット17の回動力との双方の力によって挿入口23から排出される。
ディスクDが筐体2の内部から挿入口23へ排出されるときには、ディスクDの搬出側の先部が移送検知機構200に至り、ディスクDの外周縁によって検知ピン203A,203Bが押し開かれて、「第1の検知機構」である検知スイッチR1,L1が「非検知状態」である「ON」から「検知状態」である「OFF」に切り換えられる。その後に、「第1の検知機構」が「検知状態」を継続しつつ、「第2の検知機構」である検知スイッチR2と、「第3の検知機構」である検知スイッチR3が、順に「検知状態」である「ON」に切り換えられる。さらに、ディスクDの中心が移送検知機構200の上を通過した後は、「第3の検知機構」である検知スイッチR3が先に「非検知状態」である「OFF」になり、その後に、「第2の検知機構」である検知スイッチR2が「非検知状態」である「OFF」になる。なお、移送ユニット17は、「第2の検知機構」が「非検知状態」となる前の時点で、図2において実線で示す待機位置へ移動している。
制御部302では、ディスクDの搬出モードが実行されているときに、「検知状態」となった「第1の検知機構」である検知スイッチR1とL1の少なくとも一方がそのまま「検知状態」を継続し、且つ「第2の検知機構」である検知スイッチR2が、「検知状態」である「ON」から「非検知状態」である「OFF」に切り換わったときに、第1の移送モータM1を停止させて、移送ローラ112,113を停止させる。
その結果、ディスクDは、Y2側の端部が図2に示す待機位置で停止している移送ローラ112,113と挟持部材とで挟持された状態で停止する。よって、挿入口23から外部にディスクDが突出している状態で、このディスクDが、筐体2から簡単に脱落することを防止できる。この位置がディスクDの正常な排出完了位置である。
このように、制御部302では、ディスクの排出モードが設定されているときに、「第1の検知機構」である検知スイッチR1とL1の少なくとも一方が「検知状態」を継続し、且つ「第2の検知機構」である検知スイッチR2が、「検知状態」である「ON」から「非検知状態」である「OFF」に切り換わったときに、ディスクが正常な排出完了位置に至ったと判断し、排出動作を停止させている。
そのため、例えば、ディスクDの搬出モードが設定されているときで、「第1の検知機構」である検知スイッチR1とL1の少なくとも一方が「検知状態」を継続し、且つ「第2の検知機構」である検知スイッチR2が「検知状態」のONであるときに、挿入口23から突出しようとするディスクDを、図6において破線で示す位置まで強引に筐体2内に押し込むと、検知スイッチR1とL1の少なくとも一方が「検知状態」を継続したまま、「第2の検知機構」である検知スイッチR2が「非検知状態」である「OFF」に切り換わってしまう。このとき、制御部302では、ディスクDが正常な排出完了位置に移動したと判断することになり、第1の移送モータM1を停止してしまう。そのために、ディスクDが図6に破線で示すように筐体2の内部に位置している状態でディスク装置1が停止し、ディスクDを筐体2の内部から取り出せなくなる。
このような現象が生じたときに、制御部302において、再度のディスクの排出要求を受け付けるように設定しておけば、イジェクト釦などを押すことで、図6において破線で示す位置にあるディスクDを挿入口23から排出させることができる。しかし、制御部302において、再度のディスクの排出要求を受け付けるように構成すると、ディスクDが図6において実線で示すように正常な排出完了位置で停止しているときであっても、イジェクト釦を操作したときに、移送ユニット17が排出動作を行ってしまう。そのため、移送ローラ112,113が搬出方向へ回転を始め、正常な排出完了位置で停止していたディスクが、挿入口23から吐き出されて、挿入口23から落下するという不都合が生じる。
そこで、このディスク装置1では、制御部302において、ディスクDが正常な排出完了位置に至ったと認識しているときに、イジェクト釦が操作されて再度の排出要求がなされたときに、以下に示す制御を行っている。
図5は、制御部302において、ディスクの搬出動作が完了し、ディスクDが正常な排出完了位置に停止していると認識しているときに、イジェクト釦などが操作されて再度の排出要求を受けたときの制御動作を示すフローチャートである。以下のフローチャートでは「ステップ」を「S」で示している。
制御部302でディスクDの搬出動作が完了したと判断し、ディスク装置1を停止させたときに、移送ユニット17は、図2に示す待機位置で停止しており、移送ローラ112,113も停止している。そして、「第1の検知機構」である検知スイッチL1とR1は、少なくとも一方が「検知状態」の「OFF」であり、「第2の検知機構」である検知スイッチR2は「非検知状態」の「OFF」である。
図5のS1(ステップ1)に示すように、ディスクDの搬出動作が完了した後に、操作者がイジェクト釦を操作するなどして、制御部302が再度の搬出要求を受けると、制御部302では、検知スイッチL1,R1および光学検知器F1,F2の出力状態を確認する。
S2とS3において、第1の検知機構である検知スイッチL1,R1の切換え出力が、共に「検知状態」のOFFであると判断されたときが状態A1である。状態A1は、図6に示すように、ディスクDの外周縁で検知ピン203Aと203Bが共に押されて、右側移動部材202Aと左側移動部材202Bの双方が互いに離れる方向へ移動させられている状態である。この状態A1では、ディスクDは、図6において実線で示すように、そのほとんどの部分が挿入口23から突出し、後端部が移送検知機構200の上に位置している。
ただし、前述のように、ディスクDが搬出されているときで、検知スイッチL1,R2がOFFを継続し、且つ検知スイッチR2がONからOFFに切り換わる前に、ディスクDが筐体2の内部に強引に押し込まれて、ディスクDが図6において破線で示す位置で停止しているときも、制御部302では状態A1であると判断してしまう。
図5のフローチャートのS2,S3,S4において、検知スイッチL1が検知状態のOFFであり、検知スイッチR1が非検知状態のONであるときが状態A2である。状態A2は、ディスクDの排出完了位置が、図6よりもややX1側に寄っている状態である。状態A2では、ディスクDが、図6に実線で示す位置よりもX1側に寄って停止しているときと、図6において破線で示す位置よりもX1側に寄って停止しているときとがある。
検知スイッチL1が非検知状態であるONで、検知スイッチR1が検知状態であるOFFのときが、状態A3である。状態A3は、制御部302がディスクの搬出動作完了と認識しているときに、ディスクDは、図6において実線で示す位置よりもややX2側に寄った位置で停止している。または、図6で破線で示す位置よりもややX2側に寄った位置で停止している。
図5のS4において、検知スイッチL1と検知スイッチR1が共に非検知状態のONであるときには、S5,S6,S7に移行し、制御部302は、移送ユニット17に搭載されている光学検知器F1,F2の出力を確認する。光学検知器F1,F2の双方がLレベルすなわち検知状態であるときが状態A4である。この状態A4は、搬出完了位置にあるディスクDが、図7において実線で示すように、図6よりもY1側へ排出された位置で停止している。あるいは、状態A4は、図7において破線で示すように、ディスクDが図6で破線で示すよりもさらに筐体2の内方へ押し込まれた位置で停止している。
光学検知器F2がLレベルすなわち検知状態で、光学検知器F1がHレベルすなわち非検知状態のときが状態A5である。また、光学検知器F2が非検知状態のHレベルで光学検知器F1が検知状態のLレベルのときが状態A6である。状態A5と状態A6は、ディスクDが図7で実線で示す位置よりもX1方向またはX2方向へ寄った位置で停止している状態、あるいはディスクが図7において破線で示す位置よりもX1方向またはX2方向へ寄った位置で停止している状態である。
状態A4、状態A5および状態A6は、第1の検知機構の検知スイッチL1,R1がディスクDを検知していないが、光学検知器F1,F2がディスクDを検知しているときのフローである。検知スイッチL1,R1が共に非検知状態で、光学検知器F1,F2の少なくとも一方が検知状態のときは、この後の制御においては、光学検知器F1,F2が、検知スイッチL1,R1の代わりに「第1の検知機構」としての検知機能を発揮する。
以下、各状態別に制御動作を説明する。
(状態A1,A2,A3のとき)
図8のフローチャートで示すように、状態A1,A2,A3のいずれかのときは、ステップS8に移行し、第1の移送モータM1を始動して、移送ローラ112,113をディスク搬入方向へ回転させる。ただし、このとき、移送ユニット17は図2に示す待機位置に停止したまま、移送ローラ112,113が回転させられる。S9では、移送ローラ112,113が搬入方向へ回転し始めたときにタイマーを2秒に設定する。
ステップS9の後にステップS10に移行し、検知スイッチL1,R1の出力状態を監視する。検知スイッチL1,R1の出力状態が共にOFFであればS11に移行する。すなわち、状態A1では、検知スイッチL1,R1のOFFが継続していればS11に移行し、状態A2のときには、検知スイッチR1がONからOFFに切り換わればS11に移行し、状態A3のときは、検知スイッチL1がONからOFFに切り換わればS11に移行する。
S11では、第2の検知機構である検知スイッチR2の出力状態を監視する。S11において、検知スイッチL1とR1が検知状態であるOFFを継続し、且つ検知スイッチR2がONになったらS20へ移行する。S20となるのは、S8で移送ローラ112,113を搬入方向へ始動して時点で、ディスクDが、図6において実線で示すように、その後端部のみが移送検知機構200の上に位置しているとき、すなわちディスクDが正常に排出完了位置で停止しているときである。
図9に示すように、S20では、検知スイッチR2がONになった直後に、第1の移送モータM1を逆転させて、移送ローラ112,113を搬出方向へ回転させる。S21では、移送ローラ112,113を搬出方向へ逆転させたと同時にタイマーを2秒に設定する。
S22では、検知スイッチR2の出力状態を監視する。検知スイッチR2が検知状態であるONから非検知状態であるOFFに切り換わったときには、ディスクDが再度正常な排出完了位置に至ったと判断し、S23で移送ローラ112,113を停止し、さらにS24で、ディスク装置1の動作を全て停止させる。
このように、ディスクの搬出要求を受けたときに、ディスクDが図6において実線で示すように正常な搬出完了位置にあるときには、図8のS8において移送ローラ112,113を搬入方向へ動作させたとしても、検知スイッチR2が直ぐにONになって、S20で移送ローラ112,113の回転方向が搬出方向へ切換えられ、S23で移送ローラ112,113が停止する。よって、S8において、移送ローラ112,113を搬入方向へ動作させても、図6において実線で示すディスクDが筐体2の内部に引き込まれることはなく、イジェクト釦が操作させられて、再度の搬出要求が成されたときに、図6において実線で示すディスクDが、少しだけ往復移動するのみである。よって、ディスクDが正常な排出完了位置で停止しているときに、イジェクト釦などが押されると、ディスクDが少しだけ動くことになり、操作者は、イジェクト釦を押したことを認識でき、操作感触が良好になる。
なお、図9のS25において、移送ローラ112,113が搬出方向へ回転した後の2秒以内に、検知スイッチR2がOFFに切り換わらなかったときは、S23,S24に移行し、移送ローラ112,113の回転を停止させて、ディスク装置1の動作を停止させる。この状態は、S10で検知スイッチL1とR1とがOFFであり、S11で検知スイッチR2がONに切り換わった後の動作であるため、仮にS25においてタイマーが2秒を超えたとしても、ディスクDはそのほとんどの部分が挿入口23から突出しているので、ディスクDを指で掴んで取り出すことが可能である。
また、図8のS11において、検知スイッチR2の出力状態がONに切り換わらないときは、S12に移行して、タイマーの計測時間を監視し、S9で設定されたタイマーの計測時間が2秒を超えたら、S13で移送ローラ112,113を停止し、S14でディスク装置1の動作を停止させる。これは、例えばS8で移送ローラ112,113を搬入方向へ始動したときに、移送ローラ112,113とディスクDとがスリップして、移送ローラ112,113からディスクDに搬入力が作用しないときなどである。この場合も、S10において、検知スイッチL1とR1が検知状態のOFFであることが確認されているのであるから、ディスクDのほとんどが挿入口23から外へ突出しており、ディスクDを挿入口23の外へ取り出すことが可能である。
図5に示す状態A1,A2,A3のいずれかのときに、図8のS8で移送ローラ112,113を搬入方向へ始動したにもかかわらず、S10において、検知スイッチL1とR1が共に検知状態であるOFFにならないとき、ディスクDは、図6において破線で示すように、筐体2の内部で停止している可能性がある。この場合には、図10のS30に移行して移送ローラ112,113を搬出方向へ回転させ、S31でタイマーをリセットして、新たにタイマーで2秒間の計測を開始する。
そして、S32において2秒間以内に第3の検知機構である検知スイッチR3が検知状態であるONに切り換わるか否かを監視する。S32において検知スイッチ32がONになると判断されるのは、図6の破線で示すように筐体2の内部に有ったディスクDが挿入口23に向けて搬出されることを意味している。このときは、さらにS33でタイマーをリセットして新たに2秒の計測を開始し、S34では、2秒の間に、第2の検知機構である検知スイッチR2が検知状態であるONから非検知状態であるOFFに切り換わるかを監視する。S34において、検知スイッチR2がONからOFFに切り換わったら、ディスクDが図6において実線で示すように正常な排出完了位置に移動したと判断し、S35において移送ローラ112,113を停止し、S36でディスク装置1の動作を停止させる。
S32において、検知スイッチR3がONにならずに、S39においてタイマーの計測時間が2秒を超えたと判断したとき、またはS34において検知スイッチR2がOFFにならずに、S37においてタイマーの計測時間が2秒を超えたと判断したときには、S38に移行し、排出動作のリトライ動作に移行する。リトライ動作では、さらに移送ローラ112,113を搬入方向へ動作させ、その後に搬出動作に切換えて、S32で検知スイッチR3を監視し、またはS34で検知スイッチR2を監視する。このリトライ動作を所定回数繰り返しても、S35,S36に移行できないときは、移送ローラ112,113を停止し、ディスク装置1の動作を停止させる。
以上のように、制御部302において、ディスク装置1が、図5に示す状態A1,A2,A3のいずれかであると認識しているときに、図8ないし図10に示す制御を行うことにより、ディスクDが図6において実線で示す正常な搬出完了位置にあるときには、ディスクDが少し往復動作するのみで、その後正常な搬出完了位置に停止する。また、ディスクDが、図6において破線で示すように、筐体2の内部に位置しているときには、ディスクDが挿入口23から搬出されて、図6において実線で示す正常な排出停止位置に移動して停止させられる。
(状態A4,A5,A6のとき)
図5において、ディスク装置1が状態A4,A5,A6であると判断されたときは、図7に示すように、検知スイッチL1,R1が非検知状態であるが、光学検知器F1,F2が検知状態である。
このときは、図11に示すフローチャートにしたがった制御動作が行われる。ここで、図11と図8とを比較すると、図8のS10では、検知スイッチL1とR2が共に検知状態であるOFFとなっているか否かを判断しているのに対し、図11のS42では、光学検知器F1とF2が共に検知状態であるLレベルとなっているか否かを判断している点で相違している。ただし、図8と図11とでは、S10とS42以外のフローが実質的に同じである。つまり、ディスクDの搬出を完了したときに、光学検知器F1,F2の少なくとも一方がディスクDを検知しているときには、第1の検知機構であるL1,R2の切換え出力の代わりに光学検知器F1,F2の検知出力を監視することで、図8に示すのと同等の制御動作を行うことができる。
すなわち、図11に示すS40で移送ローラ112,113を搬入方向へ始動してS41においてタイマーで2秒の計測を開始する。S42において、光学検知器F1とF2が共に検知状態であるLレベルとなったら、S43に移行し、検知スイッチR2がONになるか否か監視する。検知スイッチR2がONになったら、図9のS20に移行する。
この制御動作によって、図7において実線で示すように、ディスクDが正常な搬出完了位置にあるときに、搬出要求が出されると、ディスクが少しだけ動いて正常な排出完了位置で停止する。
なお、図11のS44において、2秒以内にS43において検知スイッチR2がONにならないと判断したときには、S45で移送ローラ112,113を停止させ、S46でディスク装置1の動作を停止させる。
図11に示すS40において移送ローラ112,113を搬入方向へ動作させても、S42において光学検知器F1とF2が共に検知状態であるLレベルとならない場合には、ディスクDは、図7において破線で示すように、筐体2の内部で停止している可能性がある。この場合には、図12に示すS50に移行して移送ローラ112,113を搬出方向へ回転させ、S51においてタイマーをリセットして計測時間を2秒に設定する。そして、S52において、光学検知器F1,F2がLレベルになったら、S53でタイマーをリセットして2秒の計測を開始するとともに図10に示すS32に移行する。
なお、S52において、2秒以内に光学検知器F1,F2が共にLレベルとならないときは、S55で移送ローラ112,113を停止し、S56でディスク装置1の動作を停止させる。
以上の制御により、ディスクDが、図7において破線で示す位置に停止しているときに、ディスクDを正常な搬出完了位置へ移動させて停止させることができる。
また、ディスクDの搬出動作を完了したときに、図5のS7において、検知スイッチL1,R2のいずれもが非検知状態のONであり、且つ光学検知器F1,F2のいずれもが非検知状態のHレベルである場合には、図13に示すステップS60に移行する。これは、例えば、制御部302がディスクDの搬出動作が完了したと判断したと同時に、ディスクDが挿入口23から引き抜かれた場合、またはディスクが筐体2内に押し込まれた場合などである。
この場合、制御部302が搬出要求を受けた直後に、S60において、移送ローラ112,113を搬出方向へ移動させ、S61でタイマーを2秒に設定して、図12に示すS52に移行する。移送ローラ112,113を搬出方向へ動作させても、S52で光学検知器F1,F2がディスクを検知しないときは、ディスクDは筐体2の内部に存在していないため、S55で移送ローラ112,113を停止し、S56でディスク装置1の動作を停止させる。
S52で光学検知器F1,F2がディスクを検知したときは、ディスクDが筐体2の内部に位置していたことを意味する。この場合には、S34以後の制御により、ディスクDが正常な搬出完了位置に移動させられる。
上記においては、回転駆動部とは別個に複数の支持体21が設けられたディスク収納型のディスク装置について説明したが、本発明はそれには限定されず、支持体が設けられておらず、筐体内の回転駆動部に、ディスクを1枚ずつ搬入して搬出する、1枚のみのディスクを受け付けるディスク装置にも適用される。
また、搬送手段は、それ自体が待機位置と移送動作位置に回動する移送ユニット17を有するものに限られず、筐体の挿入口の内側に移送ローラが配置されているものであってもよい。