JP5472070B2 - A/d変換回路 - Google Patents

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本発明は、遅延ユニットがリング状に接続されてなるパルス周回回路を用いたA/D変換回路に関する。
従来より、パルス周回回路を備えた時間A/D(TAD)と称される方式のA/D変換回路が提案されている。パルス周回回路は、入力パルス信号を電源電圧に応じた遅延時間だけ遅延させて出力する遅延ユニットをリング状に接続して構成されている。このA/D変換回路は、遅延ユニットの電源電圧としてアナログ入力電圧を印加し、パルス周回回路におけるパルス信号の周回数をカウントし、そのカウント値に基づいてA/D変換データを得るようになっている。TAD方式のA/D変換回路は、ゲートなどのデジタル回路要素により構成でき、回路構成が比較的簡単で、低コストを実現できるなどの多くの利点を持っている。
しかし、TAD方式のA/D変換回路は、電源電圧に依存した遅延時間をもつ遅延ユニット(例えばインバータ)がMOSトランジスタ等の半導体により構成されているため、遅延時間が温度に依存して変化するという特性を有している。すなわち、電源電圧(アナログ入力電圧)が一定であるにもかかわらず、低温時には遅延ユニットの遅延時間が短くなってカウントされる周回数が増大し、高温時には遅延ユニットの遅延時間が長くなってカウントされる周回数が減少する。そのため、A/D変換回路の周囲温度に応じてA/D変換データが変動する。
この温度変動に対する補償技術は、例えば特許文献1、2などに開示されている。特許文献1に記載されたA/D変換回路は、第1パルス周回回路にアナログ入力電圧を入力し、第2パルス周回回路に一定の基準電圧を入力し、各パルス周回回路内で生じるパルス信号の伝送速度の比率を数値化することによりA/D変換データを得ている。しかし、精度のよい補償が可能になるのは、アナログ入力電圧が比較的高い電圧値例えば5Vを超える電圧の場合に限られるため、5Vの電源電圧で動作するセンサ等の機器には採用しにくいという事情があった。
これに対し、特許文献2に記載されたA/D変換回路は、アナログ入力電圧が比較的低い電圧値例えば2V程度の場合に精度のよい補償が可能となる。このA/D変換回路は、遅延ユニットの温度特性が0になる点γを利用する。すなわち、γ点に相当する電圧を第1のパルス周回回路に入力したときに得られるデータY0を予めメモリに記憶しておき、アナログ入力電圧を第1のパルス周回回路に入力したときに得られるデータをYとし、基準電圧Vrefを第2のパルス周回回路に入力したときに得られるデータをYrefとした場合に、補正演算(Y−Y0)/(Yref−Y0)の結果をA/D変換データとしている。
特許第4396063号公報(図5) 特開2008−312185号公報
特許文献2に記載されたA/D変換回路は、温度変化に伴うA/D変換データの変動を抑制する効果があるが、使用温度範囲が極めて広い車載用の電子制御装置に適用するには、A/D変換データの変動をさらに小さく抑えることが必要である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、温度変化にかかわらず高い変換精度を得られるA/D変換回路を提供することにある。
請求項1に記載した手段は、アナログ入力電圧Vinと基準電圧Vrefとの差分ΔVに応じたA/D変換データを出力するA/D変換回路である。アナログ入力電圧Vinは、基準電圧VrefとA/D変換データに応じた信号電圧ΔVとの和として表せる。A/D変換回路は、第1ないし第3パルス周回回路、これら第1ないし第3パルス周回回路におけるパルス信号の周回数をカウントしそのカウント値を出力する第1ないし第3カウンタ、および第1ないし第5演算手段を有している。第1パルス周回回路と第2パルス周回回路は対をなして用いられる。
上記3つのパルス周回回路は、入力信号を電源電圧に応じて定まる遅延時間だけ遅延させて出力する複数の遅延ユニットがリング状に接続されて構成され、これら遅延ユニットにパルス信号を周回させるようになっている。第1ないし第3パルス周回回路は、互いに同数の遅延ユニットを有し、互いに熱的に結合した状態に形成されている。
第1パルス周回回路は、アナログ入力電圧を電源電圧としてパルス周回動作をし、第2パルス周回回路は、基準電圧の2倍の電圧値を持つ規定電圧とアナログ入力電圧との差電圧を電源電圧としてパルス周回動作をする。第1、第2演算手段は、それぞれ第1、第2カウンタから出力されるカウント値に基づいて検出周期あたりのカウント値を演算し(例えば第1カウンタから出力されるカウント値の今回値と検出周期だけ前の前回値との差分値を演算し)第1、第2デジタルデータとして出力する。第3演算手段は、第1デジタルデータから第2デジタルデータを減算した値を第3デジタルデータYとして出力する。
この第1、第2パルス周回回路に係る構成によれば、第1および第2パルス周回回路について、第1パルス周回回路の電源電圧Vin(アナログ入力電圧)がΔVだけ増加または減少したときには、第2パルス周回回路の電源電圧がΔVだけ減少または増加する関係となる。第1および第2パルス周回回路について、パルス周回回路の電源電圧と検出周期当たりの周回数とは、基準電圧を中心にして二次特性に近い特性を有している。
第1パルス周回回路の電源電圧をV1(=Vref+ΔV)、第2パルス周回回路の電源電圧をV2(=Vref−ΔV)とすれば、第1パルス周回回路の検出周期当たりの周回数Y1と第2パルス周回回路の検出周期当たりの周回数Y2との差Y1−Y2すなわち第3デジタルデータYは、ΔVおよび上記二次特性の一次係数Bに比例する(Y=Y1−Y2=2×B×ΔV)ことが導出される。つまり、第3デジタルデータYは、アナログ入力電圧Vin(差分ΔV)に対して良好な直線性が確保されていることが分かる。
第3パルス周回回路は、所定の参照電圧Vrを電源電圧としてパルス周回動作をする。第4演算手段は、第3カウンタから出力されるカウント値に基づいて検出周期あたりのカウント値を演算し(例えば今回値と検出周期だけ前の前回値との差分値を演算し)第4デジタルデータYrとして出力する。第5演算手段は、第1ないし第3パルス周回回路についてその電源電圧に対するパルス信号の周回数の温度特性が0となる温特ゼロ点(γ点)の当該電源電圧V0における検出周期当たりのパルス信号の周回数をY0とした場合、Y/(Yr−Y0)の演算結果をA/D変換データとする。この第3パルス周回回路に固有のγ点(V0、Y0)は予め測定しておく。
第3パルス周回回路についても、その電源電圧と検出周期当たりの周回数とは、γ点を中心として二次特性に近い特性を有している。ここで、二次の項は一次の項に対して十分に小さく、γ点を中心とする二次特性の一次係数Bと基準電圧Vrefを中心とする二次特性の一次係数Bとが相等しいとの近似の下では、Y/(Yr−Y0)≒2×ΔV/ΔVr(ただし、ΔVr=Vr−V0)となることが導出される。この第1変換部の出力Yを(Yr−Y0)で除算したA/D変換データからは、温度特性を有する一次係数Bが除かれており、温度依存性のない高精度のA/D変換データを得られる。
請求項2に記載した手段は、第1ないし第3パルス周回回路における検出周期ごとのパルス位置をそれぞれ検出する第1ないし第3周回位置検出回路を備えている。第1演算手段は、第1カウンタから出力されるカウント値のデータを上位ビットとし、第1周回位置検出回路から出力されるパルス位置のデータを下位ビットとする周回数データの検出周期あたりの値(例えば今回値と検出周期だけ前の前回値との差分値)を演算して第1デジタルデータとして出力する。第2、第3演算手段も同様にして第2、第4デジタルデータを出力する。これにより、A/D変換データの分解能を高めることができる。
請求項3に記載した手段によれば、第1パルス周回回路の遅延ユニットは、アナログ入力電圧が入力される信号入力線とグランド線とから電源電圧の供給を受け、第2パルス周回回路の遅延ユニットは、規定電圧を持つ規定電圧線とアナログ入力電圧が入力される信号入力線とから電源電圧の供給を受ける。すなわち、グランド線と規定電圧線との間に、信号入力線を挟んで、第1パルス周回回路の遅延ユニットと第2パルス周回回路の遅延ユニットが縦積みされた形態を持つ。
この構成によれば、入力インターフェイス回路を追加することなく、規定電圧の1/2である基準電圧が設定されたことと等価となり、グランド線側に繋がる遅延ユニットと規定電圧線側に繋がる遅延ユニットが基準電圧を中心に動作することとなる。入力インターフェイス回路がないため、高周波においても入力インターフェイス回路の遅延や波形歪の影響がなく、両遅延ユニットの入力電圧が常に同期して増減することにより、電圧に対する上記二次特性がより一致し易くなり、非直線性が相殺され易くなる。
請求項4に記載した手段によれば、アナログ入力電圧と基準電圧を入力し当該基準電圧の2倍の電圧とアナログ入力電圧との差電圧を出力する増幅回路を備えている。第1パルス周回回路の遅延ユニットは、アナログ入力電圧が入力される信号入力線とグランド線とから電源電圧の供給を受け、第2パルス周回回路の遅延ユニットは、増幅回路の出力線とグランド線とから電源電圧の供給を受ける。
この構成によれば、すべてのパルス周回回路の遅延ユニットは、グランド線に接続される。例えばMOS構造において、Nチャネルトランジスタのバックゲートをグランド電位以外に接続できない場合に有用である。MOSトランジスタは、基板バイアス効果によりバックゲートの電位が特性に影響するが、本実施形態ではそのような影響を排除でき、一層高精度のA/D変換データが得られる。
請求項5に記載した手段は、アナログ入力電圧から基準電圧を減じた差分電圧とその正負反転電圧とを基準電圧に対して正負対称にそれぞれ非反転出力端子と反転出力端子から出力する全差動増幅回路を備えている。第1パルス周回回路の遅延ユニットは、全差動増幅回路の非反転出力端子とグランド線とから電源電圧の供給を受け、第2パルス周回回路の遅延ユニットは、全差動増幅回路の反転出力端子とグランド線とから電源電圧の供給を受ける。全差動増幅回路を用いると、第1および第2パルス周回回路に対する増幅回路の遅延時間が等しくなり、より高精度のA/D変換データが得られる。
第1の実施形態を示すA/D変換回路の全体構成図 第1変換部と第2変換部の構成図 パルス周回回路およびレベルシフト回路の構成図 パルス周回回路単独での実際の伝達特性を示す図 パルス周回回路単独での伝達特性を示す説明図 マイクロプロセッサが実行する演算処理のフローチャート A/D変換回路の総合誤差を示す図 第2の実施形態を示す図2相当図 第3の実施形態を示す図2相当図 A/D変換回路を圧力センサの出力電圧に適用した構成図
各実施形態において実質的に同一の構成部分には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について図1ないし図7を参照しながら説明する。
図1は、時間A/D(TAD)方式のA/D変換回路を示すブロック構成図である。このA/D変換回路1は、例えば自動車の電子制御ユニット(ECU)に搭載されたマイクロコンピュータやECUとのデジタル通信機能を有するセンサ製品などの半導体集積回路装置内にMOS製造プロセスにより形成される。センサ等から出力されたアナログ信号を入力し、そのアナログ入力電圧Vinを基準電圧Vrefとの差分ΔVに応じたデジタル値に変換し、それをA/D変換データDTとして出力する。
A/D変換回路1は、第1変換部2、第2変換部3、マイクロプロセッサ4およびROM5から構成されている。マイクロプロセッサ4は専用のDSP等に置き換えることもでき、本発明の第5演算手段に相当する。不揮発性メモリであるROM5には後述する温特ゼロ点(以下、γ点と称す)に対応する周回数データY0が記憶されている。マイクロプロセッサ4は、第1変換部2と第2変換部3に対しスタートパルスSPとリセットパルスRPを与える。
図2は、第1変換部2と第2変換部3の具体的な構成を示している。第1変換部2は第1パルス周回回路6と第2パルス周回回路7を備えており、第2変換部3は第3パルス周回回路8を備えている。これらのパルス周回回路6〜8は、入力信号を電源電圧に応じて定まる遅延時間だけ遅延させて出力する複数且つ同数の反転回路Na、Nb、…、Nx(遅延ユニット)がリング状に接続されて構成されている。
反転回路Na〜Nxのうち反転回路NaはNANDゲートから構成され、反転回路Nb〜Nxはインバータから構成されている。パルス周回回路6〜8が有する反転回路Na〜Nxは互いに熱的に結合した状態に形成されている。NANDゲートの非リング側入力端子にHレベルのスタートパルスSPが入力されている期間、電源電圧に応じて定まる速度で反転回路Na〜Nxにパルス信号が周回する。
第1パルス周回回路6と第2パルス周回回路7は対になって動作する。第1パルス周回回路6の反転回路Na〜Nxは、アナログ入力電圧Vinが入力される信号入力線9とグランド線10とから電源電圧(Vin)の供給を受ける。第2パルス周回回路7の反転回路Na〜Nxは、規定電圧Vc(=2・Vref)を持つ規定電圧線11と信号入力線9とから電源電圧(Vc−Vin)の供給を受ける。従って、グランド線10と規定電圧線11との間に、信号入力線9を挟んで、第1パルス周回回路6の反転回路Na〜Nxと第2パルス周回回路7の反転回路Na〜Nxがそれぞれ縦積みされた形態を持つ。第3パルス周回回路8の反転回路Na〜Nxは、参照電圧Vrを持つ参照電圧線12とグランド線10とから電源電圧(Vr)の供給を受ける。
第1変換部2のうちパルス周回回路6、7を除く回路部分は、規定電圧線11とグランド線10とから規定電圧Vcの供給を受けて動作する。この規定電圧Vcとパルス周回回路6、7の電源電圧とは異なるため、パルス周回回路6、7への信号の入出力にはレベルシフト回路が必要となる。パルス周回回路6の反転回路(NANDゲート)Naの前には入力レベルシフト回路13が設けられ、パルス周回回路7の反転回路(NANDゲート)Naの前には入力レベルシフト回路14が設けられている。また、パルス周回回路6の反転回路Nxの後には出力レベルシフト回路15が設けられ、パルス周回回路7の反転回路Nxの後には出力レベルシフト回路16が設けられている。
検出周期を持つクロック信号CLKの立ち上がりに同期してパルス周回回路6〜8でのパルス位置を検出するため、第1ないし第3周回位置検出回路としてラッチ&エンコーダ17〜19が設けられている。第1パルス周回回路6とラッチ&エンコーダ17との間および第2パルス周回回路7とラッチ&エンコーダ18との間にも、それぞれ出力レベルシフト回路20、21が設けられている。
図3は、第1パルス周回回路6、第2パルス周回回路7、入力レベルシフト回路13、14および出力レベルシフト回路15、16の具体的な回路構成を示している。規定電圧線11とグランド線10との間には、トランジスタ22aと抵抗22bとトランジスタ22cとが直列に接続された定電流回路22が設けられている。
第1パルス周回回路6は、信号入力線9とグランド線10との間に形成され、反転回路(NANDゲート)Naはトランジスタ6aないし6dから構成され、反転回路(インバータ)Nb、…、Nxはトランジスタ6eと6fから構成されている。パルスを周回させるため、最後に位置する反転回路(インバータ)Nxの出力ノードが、最初に位置する反転回路(NANDゲート)Naのリング側入力ノードに接続されている。第2パルス周回回路7は、規定電圧線11と信号入力線9との間に形成され、同様にしてトランジスタ7aないし7fから構成されている。
入力レベルシフト回路13は、グランド電位を基準とするVc振幅のスタートパルスSPを、Vin振幅の信号にレベル変換して第1パルス周回回路6に与えるもので、トランジスタ13aないし13fから構成されている。トランジスタ13d、13eは、定電流回路22のトランジスタ22cとともにカレントミラー回路を構成し、定電流駆動回路として動作する。
入力レベルシフト回路14は、グランド電位を基準とするVc振幅のスタートパルスSPを、信号入力線9を基準電位とする(Vc−Vin)振幅の信号にレベル変換して第2パルス周回回路7に与えるもので、トランジスタ14aないし14fから構成されている。トランジスタ14b、14cは、定電流回路22のトランジスタ22aとともにカレントミラー回路を構成し、定電流駆動回路として動作する。
出力レベルシフト回路15は、グランド電位を基準とするVin振幅の周回パルス信号を、Vc振幅の信号にレベル変換して後述する第1カウンタ23に与えるもので、トランジスタ15a、15bから構成されている。トランジスタ15aは、定電流回路22のトランジスタ22aとともにカレントミラー回路を構成し、定電流駆動回路として動作する。
出力レベルシフト回路16は、信号入力線9を基準電位とする(Vc−Vin)振幅の周回パルス信号を、グランド電位を基準とするVc振幅の信号にレベル変換して後述する第2カウンタ24に与えるもので、トランジスタ16a、16bから構成されている。トランジスタ16bは、定電流回路22のトランジスタ22cとともにカレントミラー回路を構成し、定電流駆動回路として動作する。
図2に示す出力レベルシフト回路20は、出力レベルシフト回路15と同一の回路が、パルス周回回路6の反転回路Na〜Nxの各出力端子に対しそれぞれ設けられている。同様に、出力レベルシフト回路21は、出力レベルシフト回路16と同一の回路が、パルス周回回路7の反転回路Na〜Nxの各出力端子に対しそれぞれ設けられている。
第2変換部3のうちパルス周回回路8を除く回路部分は、規定電圧線11とグランド線10とから規定電圧Vcの供給を受けて動作する。本実施形態においては規定電圧Vcとパルス周回回路8の電源電圧(参照電圧Vr)とが異なるため、パルス周回回路8への信号の入出力にはレベルシフト回路が必要となる。パルス周回回路8の反転回路(NANDゲート)Naの前には入力レベルシフト回路13が設けられ、反転回路Nxの後には出力レベルシフト回路15が設けられている。また、パルス周回回路8とラッチ&エンコーダ19との間にも出力レベルシフト回路20が設けられている。
図2に示すラッチ&エンコーダ17は、第1パルス周回回路6の反転回路Na〜Nxの出力信号を、出力レベルシフト回路20を介して並列に入力する。ラッチ&エンコーダ17は、これらの出力信号に基づいて第1パルス周回回路6内でのパルス信号の周回位置を検出(エンコード)する。そして、ラッチ&エンコーダ17のラッチ指令端子に入力されるクロック信号CLKが立ち上がると、パルス周回回路6を構成する反転回路Na〜Nxの数に応じたビット幅(例えば4ビット)で位置データをラッチし出力する。ラッチ&エンコーダ18、19も同様に構成されている。
第1ないし第3カウンタ23〜25は、それぞれパルス周回回路6〜8におけるパルス信号の周回数をカウントし、そのカウント値(例えば14ビット)を出力する。ラッチ26〜28は、それぞれラッチ指令端子に入力されるクロック信号CLKが立ち上がると、その時のカウンタ23〜25のカウント値をラッチし出力する。
第1演算回路29(第1演算手段)は、ラッチ29aと減算器29bを備えている。ラッチ26に保持された14ビットの周回数データを上位ビットとし、ラッチ&エンコーダ17に保持された4ビットのパルス位置データを下位ビットとして形成される周回データは、ラッチ29aと減算器29bに入力される。ラッチ29aは、周回データについて1クロック前の前回値を保持するために用いられる。減算器29bは、周回データの今回値と検出周期だけ前の前回値との差分値を演算して第1デジタルデータD1(後述するY1に相当)として出力する。第2演算回路30(第2演算手段)も同様にラッチ30aと減算器30bを備えて構成され、第2デジタルデータD2(後述するY2に相当)を出力する。
第3演算回路31(第3演算手段)は、第1デジタルデータD1から第2デジタルデータD2を減算した値を第3デジタルデータD3(後述するYに相当)として出力する。また、第4演算回路32(第4演算手段)も第1演算回路29と同様にラッチ32aと減算器32bを備えて構成され、第4デジタルデータD4(後述するYrに相当)として出力する。
なお、以下の説明で3つのパルス周回回路6〜8を容易に区別するため、第1パルス周回回路6、ラッチ&エンコーダ17、レベルシフト回路13、15、20、第1カウンタ23、ラッチ26および第1演算回路29からなる回路グループを「系統A」と称し、第2パルス周回回路7、ラッチ&エンコーダ18、レベルシフト回路14、16、21、第2カウンタ24、ラッチ27および第2演算回路30からなる回路グループを「系統B」と称し、第3パルス周回回路8、ラッチ&エンコーダ19、第3カウンタ25、ラッチ28および第4演算回路32からなる回路グループを「系統C」と称する。
次に、本実施形態の作用について図4ないし図7を参照しながら説明する。
図4は、本実施形態で用いるパルス周回回路6〜8の単独の伝達特性の例を示している。パルス周回回路6〜8は、互いに熱的に結合され且つ同数の反転回路Na〜Nxを備えているので、非常に近い伝達特性を有している。横軸は印加する電源電圧を示し、縦軸はクロック周期(検出周期)当たりの周回数(回)を示している。周囲温度は−35℃、−5℃、25℃、55℃、85℃である。
この図から、電圧と検出周期当たりの周回数との関係は、線形ではなく2次関数で近似可能な特性を有していること、および周囲温度が低いほど反転回路Na〜Nxの遅延が小さくなり検出周期当たりの周回数が増加することが分かる。電源電圧が1.8V付近において各温度の特性線が1点で交差しているが、この点が温度特性0となるγ点である。なお、数値例は半導体プロセスおよび素子レイアウト等に依存することは言うまでもない。
図5は、以下に述べるA/D変換データ導出のための説明図である。図5(a)は系統A、Bに係る説明図で、パルス周回回路6、7への印加電圧と検出周期当たりの周回数との関係を示している。説明図であるため、各特性線はやや誇張して描いてある。また、図中に示す(V0,Y0)がγ点である。
図2に示す構成によれば、系統Aのパルス周回回路6には電源電圧V1(=入力電圧Vin)が印加され、系統Bのパルス周回回路7には電源電圧V2(=Vc−Vin)が印加されている。その結果、基準電圧Vrefに対し常に(1)式と(2)式が成り立つ。ΔVは、系統A、Bにおける入力電圧Vinと基準電圧Vrefとの差分電圧である。
V1=Vref+ΔV …(1)
V2=Vref−ΔV …(2)
すなわち、系統Aの第1パルス周回回路6の電源電圧がΔVだけ増加したとき、系統Bの第2パルス周回回路7の電源電圧がΔVだけ減少し、系統Aと系統Bのパルス周回回路6、7への電源電圧が等しくなったときの電圧がVrefとなる。このことから、規定電圧Vcは、基準電圧Vrefの2倍の電圧値を持つ関係となる。
系統A、Bのパルス周回回路6、7の特性は、任意の基準電圧Vrefを中心にして(3)式、(4)式に示す2次関数で近似できる。Y1、Y2は、それぞれ系統A、Bのパルス周回回路6、7に電源電圧V1、V2を印加したときの検出周期当たりの周回数である。
Y1=A・(ΔV)2+B・(ΔV)+Yref …(3)
Y2=A・(−ΔV)2+B・(−ΔV)+Yref …(4)
ここで、係数AはΔVに対する2次係数、係数BはΔVに対する1次係数であり、それぞれ(5)式、(6)式で表せる。α2、β2は温度t℃に対する2次係数、α1、β1は温度t℃に対する1次係数であり、3次以上の項は十分小さく無視できるものとする。また、a、bは25℃の時のΔVに対する係数である。ここでは基準温度を25℃としたが、任意の基準温度に変更が可能である。
A=a・(1+α1・(t−25)+α2・(t−25)2) …(5)
B=b・(1+β1・(t−25)+β2・(t−25)2) …(6)
なお、図5(a)に示すように(7)式が成り立つ。
Yref=ΔYref0+Y0 …(7)
(3)式、(4)式より次の(8)式が成り立つ。
Y=Y1−Y2=2・B・ΔV …(8)
この(8)式によれば、系統Aと系統Bの検出周期当たりの周回数差Yには、差分電圧ΔVに対する非直線性成分である2次係数Aの項がなくなっており、良好な直線性が確保されていることが分かる。
図5(b)は系統Cに係る説明図で、パルス周回回路8への印加電圧と検出周期当たりの周回数との関係を示している。系統Cのパルス周回回路8の特性は、γ点(V0,Y0)を中心にして(9)式に示す2次関数で近似できる。ΔVrは系統Cにおける参照電圧Vrとγ点の電圧V0との差分電圧であり、Yrは系統Cのパルス周回回路8に参照電圧Vrを印加したときの検出周期当たりの周回数である。
Yr=A′・(ΔVr)2+B′・(ΔVr)+Y0 …(9)
YrとY0との差分ΔYrは(10)式となる。
ΔYr=Yr−Y0=A′・(ΔVr)2+B′・(ΔVr) …(10)
(8)式と(10)式とから(11)式が得られる。
Y/ΔYr=Y/(Yr−Y0)=(2・B・ΔV)/(A′・(ΔVr)2+B′・(ΔVr))…(11)
ここで、A′(ΔVr)2<<B′(ΔVr)かつB=B′との近似を行えば、次の(12)式が得られる。なお、A′(ΔVr)2<<B′(ΔVr)の近似は、図4に示すように特性の非直線性がわずかであることから成り立つ。また、B=B′の近似は、基準電圧とγ点の電圧が近く、各系統のパルス周回回路の特性が同じであることから成り立つ。
Y/ΔYr=Y/(Yr−Y0)≒2×ΔV/ΔVr …(12)
ΔVrは予め決められた一定値であり、ΔVはアナログ入力電圧Vinと基準電圧Vrefとの差分電圧である。従って、このY/(Yr−Y0)自体が、基準電圧Vrefから見たアナログ入力電圧VinのA/D変換データDTとなる。アナログ入力電圧Vinが基準電圧Vrefに等しいときは、ΔV=0なのでA/D変換データDT=0となる。差分電圧ΔVはアナログ入力電圧Vinに応じて正負ともに取り得るので、負の値は例えば2の補数で表せばよい。
図6は、マイクロプロセッサ4が実行するA/D変換データの演算処理を示すフローチャートである。A/D変換回路1が形成されたICの検査工程では、温度特性0となるγ点の第3パルス周回回路8への印加電圧V0と検出周期当たりの周回数Y0が測定される。周回数データY0はROM5に書き込まれる。また、参照電圧VrがV0+ΔVrとなるように電圧生成回路(図示せず)の出力電圧が調整される。
電源投入後、マイクロプロセッサ4は、ROM5からγ点の周回数データY0を読み込む(ステップS1)。クロック信号CLKが安定した後、カウンタ23、24、25をリセットし(ステップS2)、スタートパルスSPをLレベルからHレベルに変化させる(ステップS3)。これにより、パルス周回回路6、7、8が同時にパルス周回動作を開始する。カウンタ23、24、25は、それぞれパルス周回回路6、7、8のパルスが1周するごとにアップカウントする。
クロック信号CLKの立ち上がりエッジに同期して、ラッチ29a、30a、32aは周回データの前回値を保持し、ラッチ&エンコーダ17、18、19はパルス周回回路6、7、8のパルス位置を保持し、ラッチ26、27、28はカウンタ23、24、25のカウント値を保持する。これにより、第1変換部2はデータY(第3デジタルデータD3)を出力し、第2変換部3はデータYr(第4デジタルデータD4)を出力する。
マイクロプロセッサ4は、第1変換部2からデータYを入力し(ステップS4)、第2変換部3はデータYrを入力する(ステップS5)。A/D変換データDTとしてY/(Yr−Y0)を演算し(ステップS6)、そのA/D変換データDTを出力する。その後は、再びステップS4に戻り、次のクロック信号CLKの立ち上がりエッジに同期して演算されるデータY、Yrを待つ。
図7は、A/D変換回路1の非直線性をはじめとする総合誤差を示すグラフである。横軸はアナログ入力電圧Vinを示し、縦軸は総合誤差(%)を示している。系統AないしCの全てに、図4に示す特性を持つパルス周回回路を適用したもので、周囲温度は−35℃、−5℃、25℃、55℃、85℃の場合である。基準電圧Vrefは2.5V、規定電圧Vcは5V、参照電圧Vrは3.1Vである。ここでの総合誤差は、25℃の2.5V、3.1Vの点を直線で結び、その直線に対する誤差をフルスケール1.2V(1.9V〜3.1V=2.5±0.6V)と見なして百分率で表したものである。
基準電圧Vref=2.5Vを中心とする0.6V幅の入力電圧範囲では、アナログ入力電圧VinとA/D変換データDTとの間に非常に良好な線形性が確保されている。しかも、−35℃から+85℃もの広範な温度変化が生じても総合誤差が極めて小さく、温度変化にかかわらず高い直線性が維持されていることが分かる。
以上説明したように、本実施形態のA/D変換回路1は、グランド線10と規定電圧線11との間に信号入力線9を挟んで縦積みされた第1、第2パルス周回回路6、7を備え、クロック周期(検出周期)ごとに周回データの差分値である第3デジタルデータD3(=Y)を出力する第1変換部2を備えている。また、参照電圧線12とグランド線10との間に接続された第3パルス周回回路8を備え、クロック周期(検出周期)ごとに周回データである第4デジタルデータD4(=Yr)を出力する第2変換部3を備えている。マイクロプロセッサ4はY/(Yr−Y0)を演算し、このデータDTがアナログ入力電圧Vinと基準電圧Vrefとの差分電圧ΔVのA/D変換データとなる。
第1変換部2は、パルス周回回路における電源電圧と周回速度との非線形性を補償して線形化する作用を有し、第2変換部3は、上記演算を行うことで温度特性を補償して温度依存性を低減する作用を有する。その結果、A/D変換データDTは非常に良好な直線性を持つとともに、広範な温度変化に対しても良好な直線性を維持したままで高い変換精度が得られる。また、センサ等の動作用電源電圧に規定電圧Vcを用いれば、その中央値である基準電圧Vrefを中心として高電位側と低電位側の電圧範囲で高精度のA/D変換データが得られる。これにより、温度補償範囲が高電圧側または低電圧側に偏っていた従来のものと異なり、センサ信号のA/D変換などに好適となる。
系統A、B、Cにラッチ&エンコーダ17、18、19を備え、第1、第2、第3パルス周回回路6、7、8を周回する1周に満たないパルス信号の移動量を位置データとして検出し、周回データの下位ビットデータとして用いた。これにより、パルス周回回路6、7、8を構成する反転回路の数に応じて一層高い分解能が得られる。なお、ラッチ&エンコーダ17、18、19は必要に応じて設ければよい。
本実施形態のA/D変換回路1は、3系統のパルス周回回路6〜7の特性が揃っていることを利用して温度特性を相殺しているので、半導体集積回路装置の素子レイアウトについて下記の点に配慮した設計を行うことが望ましい。
(1)3系統のパルス周回回路6〜8を同一の半導体チップ上に互いに近接して配置する。この配置によれば、反転回路Na〜Nxの温度がほぼ等しくなり、温度特性が相殺される。
(2)3系統のパルス周回回路6〜8を同一形状・同一寸法に配置する。この配置によれば反転回路Na〜Nxの特性が等しくなり、温度特性が良好に相殺される。
(3)3系統のパルス周回回路6〜8を同一方向に配置する。この配置によれば、半導体プロセスでのできばえが同じになり、温度特性が良好に相殺される。
(4)3系統のパルス周回回路6〜8のサイズをできるだけ大きくする。これにより、半導体プロセスでの寸法ばらつきが相対的に小さくなり、温度特性が良好に相殺される。
(5)カウンタ23、24、25などの周辺回路も、同一チップ上でパルス周回回路6〜8の近くに配置する。この配置によれば、配線に伴う寄生容量を低減でき、信号遅延に基づく誤動作を回避することができる。
(第2の実施形態)
図8は、第1の実施形態に対して第1パルス周回回路6と第2パルス周回回路7への電源電圧の付与形態を変更した第2の実施形態を示している。このA/D変換回路は、パルス周回回路や入力レベルシフト回路などを構成するNチャネル型MOSトランジスタのバックゲートを基板電位(グランド)以外には接続できない構成に対し有用である。
第1変換部41の系統Bには増幅回路42が設けられている。この増幅回路42は、オペアンプ42aと抵抗42b、42cからなる反転増幅回路であり、アナログ入力電圧Vinと基準電圧Vrefを入力し、(13)式で示す電圧を出力する。第2パルス周回回路7の反転回路Na〜Nxは、第1の実施形態と異なり増幅回路42の出力線とグランド線10とから電圧の供給を受ける。
増幅回路42の出力電圧=Vref−(Vin−Vref) …(13)
この構成により、パルス周回回路6〜8の低電位側に位置するNチャネルMOSトランジスタのソースとバックゲートは全てグランド電位に接続される。また、パルス周回回路6、7、8の反転回路(NANDゲート)Naの前に入力レベルシフト回路13が設けられ、パルス周回回路6、7、8の反転回路Nxの後に出力レベルシフト回路15が設けられ、パルス周回回路6、7、8とラッチ&エンコーダ17、18、19との間に出力レベルシフト回路20が設けられている。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
この構成によれば、第1の実施形態と同様に、系統Aの第1パルス周回回路6の電源電圧がΔVだけ増加したとき、系統Bの第2パルス周回回路7の電源電圧がΔVだけ減少する関係を持つ。従って、第1の実施形態と同様にして(12)式に従ってA/D変換データDTが得られ、第1の実施形態と同様の作用、効果が得られる。
MOSトランジスタは、基板バイアス効果によりバックゲートとの電位差が特性に影響する。第1の実施形態では、第2パルス周回回路7を構成するトランジスタの各端子はグランド電位から離れ、第1、第3パルス周回回路6、8を構成するトランジスタの端子はグランド電位に近い。このため、バックゲートを基板電位(グランド)以外には接続できない場合において、対をなす両トランジスタ間に特性差が生じ易い。これに対し、本実施形態では、第1ないし第3パルス周回回路6〜8を構成する各トランジスタの端子は揃ってグランド電位に近付くため、両トランジスタに特性差が生じにくく、一層高精度のA/D変換データが得られる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図9および図10を参照しながら説明する。本実施形態のA/D変換回路は、第2の実施形態における増幅回路42を全差動増幅回路51に変更した構成を持つ。一般に全差動増幅回路は、非反転側出力電圧と反転側出力電圧の平均値が一定値となるように構成されている。全差動増幅回路51はコモンモードフィードバックの構成を備えているので、上記平均値(出力コモン電圧)は基準電圧Vrefに等しくなる。
図9では、非反転出力側は通常のオペアンプのボルテージフォロワとして動作し、非反転出力電圧はアナログ入力電圧Vinに等しくなる。反転出力電圧は2・Vref−Vinとなる。すなわち、全差動増幅回路51は、アナログ入力電圧Vinから基準電圧Vrefを減じた差分電圧とその正負反転電圧とを基準電圧Vrefに対して正負対称にそれぞれ非反転出力端子と反転出力端子から出力する。第1パルス周回回路6は、全差動増幅回路51の非反転出力端子とグランド線10とから電圧の供給を受け、第2パルス周回回路7は、全差動増幅回路51の反転出力端子とグランド線10とから電圧の供給を受ける。
図10は、上記A/D変換回路を圧力センサ53の出力電圧に適用した構成を示している。A/D変換回路については系統A、Bの一部の構成のみを示している。全差動増幅回路51の非反転出力側は、抵抗52を介して反転入力端子にフィードバックされている。圧力センサ53は、ピエゾ抵抗効果を有する2つの歪ゲージ53a、53b(拡散抵抗Ra、Rb)と抵抗53c、53d(抵抗R1、R2)からなるハーフブリッジ回路を備えている。2つの歪ゲージ53a、53bは、歪み量に対する抵抗値の変化の向きが逆になるように形成されている。
増幅回路部の構成は、特開2002−148131号公報に記載されたものであり、通常の増幅回路と異なり、歪ゲージ53a、53bの歪み量に対する抵抗値の変化に伴い変化する電流を抵抗52に流すことによって非反転出力の電圧を得ている。抵抗52の抵抗値を大きくすることで、出力感度(通常の増幅度に相当)を調整できる。また、歪ゲージ53a、53bと抵抗52は異なる不純物濃度の拡散抵抗により形成され、それぞれの不純物濃度を適切に調整することにより、感度の温度特性をなくすことができる構成となっている。
本実施形態によれば、第2の実施形態と同様の作用、効果が得られる。また、系統A、Bの両入力に対して全差動増幅回路51が介在するので、系統A、Bの入力における遅延が等しくなり、A/D変換精度が一層高まることが期待できる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形、拡張を行うことができる。
各実施形態では連続してA/D変換データを得ることを想定しているため、第1、第2、第4演算回路29、30、32で今回値と前回値の差分を演算しているが、毎回第1、第2、第3カウンタ23、24、25をリセットすることにより差分演算を省略することが可能である。
第1の実施形態の系統Cおよび第2、第3の実施形態において、レベルシフト回路は必要に応じて設ければよい。
第2、第3の実施形態でラッチ&エンコーダ17〜19は必要に応じて設ければよい。
第3の実施形態において、全差動増幅回路51として全差動オぺアンプを用いれば、ボルテージフォロワの接続形態とする必要はない。
図面中、1はA/D変換回路、4はマイクロプロセッサ(第5演算手段)、6は第1パルス周回回路、7は第2パルス周回回路、8は第3パルス周回回路、9は信号入力線、10はグランド線、11は規定電圧線、17はラッチ&エンコーダ(第1周回位置検出回路)、18はラッチ&エンコーダ(第2周回位置検出回路)、19はラッチ&エンコーダ(第3周回位置検出回路)、23は第1カウンタ、24は第2カウンタ、25は第3カウンタ、29は第1演算回路(第1演算手段)、30は第2演算回路(第2演算手段)、31は第3演算回路(第3演算手段)、32は第4演算回路(第4演算手段)、42は増幅回路、51は全差動増幅回路、Na〜Nxは反転回路(遅延ユニット)、Vinはアナログ入力電圧、Vcは規定電圧、Vrは参照電圧、Vrefは基準電圧、DTはA/D変換データ、CLKはクロック信号である。

Claims (5)

  1. アナログ入力電圧と基準電圧との差分に応じたA/D変換データを出力するA/D変換回路であって、
    前記アナログ入力電圧を電源電圧とし、入力信号を当該電源電圧に応じて定まる遅延時間だけ遅延させて出力する複数の遅延ユニットがリング状に接続されて構成され、これら遅延ユニットにパルス信号を周回させる第1パルス周回回路と、
    前記第1パルス周回回路における所定の検出周期ごとのパルス信号の周回数をカウントしそのカウント値を出力する第1カウンタと、
    前記第1カウンタから出力されるカウント値に基づいて検出周期あたりのカウント値を演算し第1デジタルデータとして出力する第1演算手段と、
    前記基準電圧の2倍の電圧値を持つ規定電圧と前記アナログ入力電圧との差電圧を電源電圧とし、入力信号を当該電源電圧に応じて定まる遅延時間だけ遅延させて出力する複数の遅延ユニットがリング状に接続されて構成され、これら遅延ユニットにパルス信号を周回させる第2パルス周回回路と、
    前記第2パルス周回回路における検出周期ごとのパルス信号の周回数をカウントしそのカウント値を出力する第2カウンタと、
    前記第2カウンタから出力されるカウント値に基づいて検出周期あたりのカウント値を演算し第2デジタルデータとして出力する第2演算手段と、
    前記第1デジタルデータから前記第2デジタルデータを減算した値を第3デジタルデータとして出力する第3演算手段と、
    所定の参照電圧を電源電圧とし、入力信号を当該電源電圧に応じて定まる遅延時間だけ遅延させて出力する複数の遅延ユニットがリング状に接続されて構成され、これら遅延ユニットにパルス信号を周回させる第3パルス周回回路と、
    前記第3パルス周回回路における検出周期ごとのパルス信号の周回数をカウントしそのカウント値を出力する第3カウンタと、
    前記第3カウンタから出力されるカウント値に基づいて検出周期あたりのカウント値を演算し第4デジタルデータとして出力する第4演算手段と、
    前記第1ないし第3パルス周回回路についてその電源電圧に対するパルス信号の周回数の温度特性が0となる温特ゼロ点の当該電源電圧における前記検出周期当たりのパルス信号の周回数をY0、アナログ入力電圧に対して前記第3演算手段から出力される前記第3デジタルデータをY、前記参照電圧に対して前記第4演算手段から出力される前記第4デジタルデータをYrとした場合、Y/(Yr−Y0)の演算結果を前記A/D変換データとする第5演算手段とを備え、
    前記第1ないし第3パルス周回回路が有する遅延ユニットは同数で且つ互いに熱的に結合した状態に形成されていることを特徴とするA/D変換回路。
  2. 前記第1ないし第3パルス周回回路における検出周期ごとのパルス位置をそれぞれ検出する第1ないし第3周回位置検出回路を備え、
    前記第1演算手段は、前記第1カウンタから出力されるカウント値のデータを上位ビットとし、前記第1周回位置検出回路から出力されるパルス位置のデータを下位ビットとする周回データの検出周期あたりの値を演算して前記第1デジタルデータとして出力し、
    前記第2演算手段は、前記第2カウンタから出力されるカウント値のデータを上位ビットとし、前記第2周回位置検出回路から出力されるパルス位置のデータを下位ビットとする周回データの検出周期あたりの値を演算して前記第2デジタルデータとして出力し、
    前記第4演算手段は、前記第3カウンタから出力されるカウント値のデータを上位ビットとし、前記第3周回位置検出回路から出力されるパルス位置のデータを下位ビットとする周回データの検出周期あたりの値を演算して前記第4デジタルデータとして出力することを特徴とする請求項1記載のA/D変換回路。
  3. 前記第1パルス周回回路の遅延ユニットは、前記アナログ入力電圧が入力される信号入力線とグランド線とから電源電圧の供給を受け、
    前記第2パルス周回回路の遅延ユニットは、前記規定電圧を持つ規定電圧線と前記信号入力線とから電源電圧の供給を受けるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のA/D変換回路。
  4. 前記アナログ入力電圧と前記基準電圧を入力し当該基準電圧の2倍の電圧と前記アナログ入力電圧との差電圧を出力する増幅回路を備え、
    前記第1パルス周回回路の遅延ユニットは、前記アナログ入力電圧が入力される信号入力線とグランド線とから電源電圧の供給を受け、
    前記第2パルス周回回路の遅延ユニットは、前記増幅回路の出力線とグランド線とから電源電圧の供給を受けるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のA/D変換回路。
  5. 前記アナログ入力電圧から前記基準電圧を減じた差分電圧とその正負反転電圧とを前記基準電圧に対して正負対称にそれぞれ非反転出力端子と反転出力端子から出力する全差動増幅回路を備え、
    前記第1パルス周回回路の遅延ユニットは、前記全差動増幅回路の非反転出力端子とグランド線とから電源電圧の供給を受け、
    前記第2パルス周回回路の遅延ユニットは、前記全差動増幅回路の反転出力端子とグランド線とから電源電圧の供給を受けるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のA/D変換回路。
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