JP5471785B2 - 走行制御装置 - Google Patents

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本発明は、例えば隊列走行時に車間距離を制御する走行制御装置に関するものである。
従来の走行制御装置としては、例えば特許文献1に記載されているように、自車両と前方車両との目標車間距離を徐々に変化させることで、乗員の乗り心地を向上させるようにしたものが知られている。
特開2007−62403号公報
ところで、フレキシブルな分離及び合流が必要となる混在交通環境において隊列走行を行う場合には、自車両と前方車両との目標車間距離が時間経過に従って変化するような目標車間距離変化パターンを生成し、その目標車間距離変化パターンデータを車車間通信により後方車両に送信することがある。この場合、後方車両は、目標車間距離変化パターンデータを受信すると、その目標車間距離変化パターンに従って車間距離の変更制御(車間制御)を行う。しかし、車車間通信の通信周期が長くなると、データ受信側では目標車間距離の連続性が大きく損なわれ、目標車間距離が急激に変化することになる。その結果、目標車間距離変化パターンデータを受信した車両では、車間制御時の駆動力及び制動力の変化度合(加減速度の変動)が大きくなるため、乗員の乗り心地が悪化してしまう。
本発明の目的は、車車間通信により目標車間距離変化パターンのデータを受信した車両における乗員の乗り心地の悪化を抑制することができる走行制御装置を提供することである。
本発明の走行制御装置は、自車両と周辺車両との間で情報の通信を行う通信手段と、通信手段による通信周期を検出する通信周期検出手段と、通信周期検出手段により検出された通信周期に基づいて、自車両と前方車両との目標車間距離が時間経過に従って変化するような目標車間距離変化パターンを生成する目標車間変化パターン生成手段と、目標車間変化パターン生成手段により生成された目標車間距離変化パターンのデータを、通信手段を介して後方車両に送信する目標車間変化パターン送信手段とを備えることを特徴とするものである。
このように本発明の走行制御装置においては、通信手段による通信周期を検出し、その通信周期に基づいて、自車両と前方車両との目標車間距離が時間経過に従って変化するような目標車間距離変化パターンを生成することにより、通信手段による通信周期の影響が少ない適切な目標車間距離変化パターンを得ることが可能となる。この場合には、目標車間距離変化パターンのデータが通信手段を介して後方車両に送信されたときに、データ受信側において目標車間距離の不連続性によって目標車間距離が急激に変化することが防止されるようになる。従って、データ受信側の後方車両では、車間制御時の駆動力及び制動力の変化度合(加減速度の変動)が抑えられるため、乗員の乗り心地の悪化を抑制することができる。
好ましくは、目標車間変化パターン生成手段は、目標車間距離の時間変化量の最大値と通信周期との乗算値が所定値を越えないような目標車間距離変化パターンを生成する。
このような構成では、通信手段による通信周期が長くなると、目標車間距離の時間変化量の最大値が小さくなる。このため、通信手段による通信周期が長くなっても、目標車間距離変化パターンのデータが通信手段を介して後方車両に送信されたときに、データ受信側において目標車間距離の不連続性によって目標車間距離が急激に変化することが確実に防止される。従って、データ受信側の後方車両では、車間制御時の駆動力及び制動力の変化度合が十分抑えられるため、乗員の乗り心地の悪化を一層抑制することができる。
このとき、好ましくは、目標車間変化パターン生成手段は、目標車間距離の時間変化量の最大値と通信周期との乗算値が所定値を越えるときは、目標車間距離が変化する時間領域が長くなるように目標車間距離変化パターンを変更する。
目標車間距離が変化する時間領域を長くすることで、目標車間距離の時間変化量が小さくなる。これにより、目標車間距離の時間変化量の最大値と通信周期との乗算値が所定値を越えないような目標車間距離変化パターンを確実に得ることができる。
本発明によれば、車車間通信により目標車間距離変化パターンを受信した車両における乗員の乗り心地の悪化を抑制することができる。
本発明に係わる走行制御装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図である。 図1に示した車両制御ECUにより実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。 目標車間距離変化パターンの一例を示すグラフである。 目標車間距離変化パターンを変更する様子を示すグラフである。 目標車間距離変化パターンのデータを後方車両に送信する様子を示す概念図である。 目標車間距離変化パターンの送信データと受信データとの関係を示すグラフである。
以下、本発明に係わる走行制御装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる走行制御装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図である。同図において、本実施形態の走行制御装置1は、複数の車両による隊列走行時に、車間距離をフィードバック制御しながら車両を走行させる装置である。走行制御装置1は、隊列走行を行う全ての車両に搭載されている。
走行制御装置1は、車間距離センサ2と、センサECU(Electronic Control Unit)3と、無線制御ECU4と、エンジン制御ECU5と、ブレーキ制御ECU6と、車両制御ECU7とを備えている。車両制御ECU7は、センサECU3、無線制御ECU4、エンジン制御ECU5及びブレーキ制御ECU6と接続されている。
車間距離センサ2は、自車両と前方車両との車間距離を計測するためのセンサであり、ミリ波レーダやレーザレーダ等が用いられる。センサECU3は、車間距離センサ2の計測値から自車両と前方車両との車間距離を求める。
無線制御ECU4は、隊列内の他車両と無線アンテナ4aを介して車車間通信を行う。また、無線制御ECU4は、例えば隊列内の複数の他車両との通信状況から通信周期Tiを検出する。
エンジン制御ECU5は、自車両のエンジン8を制御することで駆動力を制御する。ブレーキ制御ECU6は、自車両のブレーキ9を制御することで制動力を制御する。
車両制御ECU7は、目標車間距離変化パターン(後述)を生成し、このデータを後方車両に送信するように無線制御ECU4を制御すると共に、センサECU3の計算値に基づいて、自車両と前方車両との車間距離を目標車間距離変化パターンに従って変化させるようにエンジン制御ECU5及びブレーキ制御ECU6を制御する。
図2は、車両制御ECU7により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。同図において、まずドライバのスイッチ操作入力または上位システムにより車間距離の変更要求があったかどうかを判断する(手順S51)。
車間距離の変更要求があったと判断されたときは、例えば上位システムからの要求またはドライバの好みに応じた目標車間距離変化パターンL(t)を決定する(手順S52)。目標車間距離変化パターンL(t)は、図3に示すように、時間と目標車間距離との関係を示すパターンであり、ここでは目標車間距離を時間経過に従って短くするように連続的に変化させるパターンとなっている。なお、目標車間距離変化パターンL(t)における車間距離変化時間tsは、目標車間距離が実質的に変化する時間領域である。
続いて、隊列内の複数の他車両iとの通信周期Tiを無線制御ECU4より取得する(手順S53)。そして、各他車両iとの通信周期Tiが全て等しいかどうかを判断する(手順S54)。各他車両iとの通信周期Tiが全て等しいと判断されたときは、隊列通信周期Tを通信周期Tiとする(手順S55)。一方、各他車両iとの通信周期Tiが全て等しいものではないと判断されたときは、隊列通信周期Tを通信周期Tiの最大値とする(手順S56)。
手順S55,S56が実行された後、目標車間距離変化パターンL(t)の車間距離変化時間ts内において、目標車間距離の単位時間当たりの変化量(時間変化量)の最大値である|dL/dt|maxを求める(手順S57)。目標車間距離の時間変化量は、図3の破線Pで示すような目標車間距離の傾きである。
続いて、目標車間距離の時間変化量の最大値と隊列通信周期Tとの乗算値が閾値Tよりも小さいかどうか、つまり下記(A)式を満足するかどうかを判断する(手順S58)。
Figure 0005471785

なお、閾値Tは、制御性能を維持できる1制御周期での目標車間距離の時間変化量の上限値である。
上記(A)式を満足しないと判断されたときは、現在の目標車間距離変化パターンL(t)の車間距離変化時間tsに定数αを加算し、これを新たな車間距離変化時間tsとした目標車間距離変化パターンL(t)を作成し(手順S59)、手順S57に戻る。つまり、図4に示すように、車間距離変化時間tsが定数α分だけ長くなるように目標車間距離変化パターンL(t)を変更する。
手順S58で上記(A)式を満足すると判断されたときは、図5に示すように、目標車間距離変化パターンL(t)のデータを無線制御ECU4に送出することで、当該データを無線アンテナ4aを介して後方車両に送信する(手順S60)。
その後、時間変数tを0に初期設定し(手順S61)、目標車間距離変化パターンL(t)を目標値として、自車両と前方車両との車間距離をフィードバック制御する(手順S62)。具体的には、センサECU3により検出される車間距離が目標車間距離変化パターンL(t)に従って変化するように、エンジン制御ECU5及びブレーキ制御ECU6に制御信号を送出して、自車両の駆動力及び制動力を制御する。
続いて、時間変数tが目標車間距離変化パターンL(t)の車間距離変化時間tsを越えたかどうかを判断する(手順S63)。時間変数tが車間距離変化時間tsを越えていないと判断されたときは、時間変数tに制御周期を加算し(手順S64)、手順S62に戻る。
一方、時間変数tが車間距離変化時間tsを越えたと判断されたときは、車間距離のフィードバック制御を終了する。
以上において、無線制御ECU4及び無線アンテナ4aは、自車両と周辺車両との間で情報の通信を行う通信手段を構成する。無線制御ECU4及び車両制御ECU7の上記手順S53〜S56は、通信手段による通信周期を検出する通信周期検出手段を構成する。車両制御ECU7の上記手順S52,S57〜S59は、通信周期検出手段により検出された通信周期に基づいて、自車両と前方車両との目標車間距離が時間経過に従って変化するような目標車間距離変化パターンを生成する目標車間変化パターン生成手段を構成する。車両制御ECU7の上記手順S60は、目標車間変化パターン生成手段により生成された目標車間距離変化パターンのデータを、通信手段を介して後方車両に送信する目標車間変化パターン送信手段を構成する。
ここで、図5に示すように、自車両から送信された目標車間距離変化パターンL(t)のデータが後方車両で受信されると、後方車両は、隊列走行を乱さないように当該目標車間距離変化パターンL(t)に従って車間距離を制御することとなる。
ところで、電波干渉等により車車間通信の品質が低下し、通信周期が長くなると、図5及び図6に示すように、連続性を有する送信データに対して受信データの連続性が大きく損なわれ、受信データとしての目標車間距離が急激に変化するようになる。このため、目標車間距離変化パターンL(t)のデータを受信した後方車両では、その目標車間距離変化パターンL(t)に従って車間距離を制御するときに、駆動力及び制動力の変化度合(加減速度の変動)が大きくなり、乗員の乗り心地が悪化してしまう。
これに対し本実施形態では、目標車間距離変化パターンL(t)の車間距離変化時間tsにおいて目標車間距離の時間変化量(傾き)の最大値と隊列通信周期Tとの乗算値が閾値Tを越えるときは、車間距離変化時間tsが長くなるように目標車間距離変化パターンL(t)を変えるようにしたので、目標車間距離の時間変化量の最大値が小さくなる。このため、車車間通信の通信周期が長くなっても、目標車間距離変化パターンL(t)のデータ受信側では、目標車間距離の不連続性による影響が低減され、目標車間距離の急激な変化が抑えられる。これにより、目標車間距離変化パターンL(t)のデータを受信した後方車両が目標車間距離変化パターンL(t)に従って車間距離を制御するときに、後方車両の駆動力及び制動力の変化度合(加減速度の変動)が抑えられるため、乗員の乗り心地の悪化を抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態は、隊列走行時に車間距離のフィードバック制御を行うものであるが、本発明の走行制御装置は、特に隊列走行には限られず、車間距離を制御するものであれば適用可能である。
1…走行制御装置、4…無線制御ECU(通信手段、通信周期検出手段)、4a…無線アンテナ(通信手段)、7…車両制御ECU(通信周期検出手段、目標車間変化パターン生成手段、目標車間変化パターン送信手段)。

Claims (3)

  1. 自車両と周辺車両との間で情報の通信を行う通信手段と、
    前記通信手段による通信周期を検出する通信周期検出手段と、
    前記通信周期検出手段により検出された通信周期に基づいて、前記自車両と前方車両との目標車間距離が時間経過に従って変化するような目標車間距離変化パターンを生成する目標車間変化パターン生成手段と、
    前記目標車間変化パターン生成手段により生成された前記目標車間距離変化パターンのデータを、前記通信手段を介して後方車両に送信する目標車間変化パターン送信手段とを備えることを特徴とする走行制御装置。
  2. 前記目標車間変化パターン生成手段は、前記目標車間距離の時間変化量の最大値と前記通信周期との乗算値が所定値を越えないような前記目標車間距離変化パターンを生成することを特徴とする請求項1記載の走行制御装置。
  3. 前記目標車間変化パターン生成手段は、前記目標車間距離の時間変化量の最大値と前記通信周期との乗算値が前記所定値を越えるときは、前記目標車間距離が変化する時間領域が長くなるように前記目標車間距離変化パターンを変更することを特徴とする請求項2記載の走行制御装置。

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