JP4109956B2 - 車間距離制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドライバーが設定した車頭時間および自車の車速から算出した目標車間距離を維持しながら先行車に追従走行するための車間距離制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6には従来の目標車間距離設定手段が示される。目標車間距離はドライバーがスイッチ操作で選択した車頭時間と、そのときの自車の車速とを乗算することにより算出される。車頭時間とは、自車が現在の車速で走行を続けたときに現在の先行車の位置に達するまでの時間であり、例えば「L」(長)、「M」(中)、「S」(短)の3種類のうちの何れかを選択可能である。従って、図7から明らかなように、車速が100km/hのとき、車頭時間が「L」であれば目標車間距離は70mとなり、車頭時間が「M」であれば目標車間距離は50mとなり、車頭時間が「S」であれば目標車間距離は40mとなる。尚、何れの車頭時間を選択した場合でも、目標車間距離は下限値(例えば10m)以下にならないように制限される。
【0003】
ところで、車頭時間を連続的に変化させることができず、上述したように離散的に設定された複数の車頭時間の何れかを選択する場合、車頭時間を変更した瞬間に目標車間距離が急変するため、それに応じて車両が急減速したり急加速したりする可能性がある。そこで、車頭時間に車速を乗算して算出した目標車間距離にレートリミッタ(図6参照)を作用させることで、目標車間距離を緩やかに変化させるものが提案されている(例えば、下記特許文献参照)。
【0004】
図8および図9はレートリミッタの作用を示すもので、図8は車速80km/hでの追従走行中に車頭時間を「S」から「L」に変更した場合に対応し、目標車間距離を時間t1に亘ってゆっくりと変化させることで、実際の車間距離をゆっくりと目標車間距離に収束させており、また図9は車速80km/hでの追従走行中に車頭時間を「L」から「S」に変更した場合に対応し、目標車間距離を時間t2に亘ってゆっくりと変化させることで、実際の車間距離をゆっくりと目標車間距離に収束させている。
【0005】
尚、図8の目標車間距離を増加させる場合には、時間t1を長めに設定して車間距離の時間変化率を3m/secに制限しており、これにより車輪ブレーキが作動するような急減速を回避しながら、ドライバーが車頭時間を切り替えた後の変化を体感できるようにしている。また図9の目標車間距離を減少させる場合には、時間t2を短めに設定して目標車間距離の時間変化率を6m/secに制限しており、これによりトランスミッションがシフトダウンするような急加速を回避しながら、ドライバーが車頭時間を切り替えた後の変化を体感できるようにしている。
【0006】
【特許文献】
特開2001−1789号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来のものは、車頭時間を「L」に設定した状態で遠方から先行車に接近する場合、レーダー装置が先行車を検知してから目標車間距離に達するまでの時間的余裕が少ないため、先行車を検知した後に自車を急減速する必要があり、ドライバーに違和感を与える問題がある。例えば、自車が100km/hで走行中に70km/hで走行中の先行車に後方から接近する場合、設定された車頭時間「L」,「M」,「S」に対応する目標車間距離はそれぞれ70m、50mおよび40mとなる。レーダー装置の検知可能距離は100m程度であるため、車頭時間が「S」の場合には100m−40m=60mの距離で100km/h−70km/h=30km/hだけ減速すれば良いのに対し、車頭時間が「L」の場合には100m−70m=30mの距離で100km/h−70km/h=30km/hだけ減速する必要があり、設定された車頭時間が長いほど急減速が要求されることになる。
【0008】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、車頭時間を長く設定した状態で先行車を検知した場合に、車両の急減速を防止してドライバーの違和感を解消することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、自車の予想軌跡上に存在する移動体を先行車として判定する先行車判定手段と、先行車との車間距離を検出する車間距離検出手段と、先行車との相対速度を検出する相対速度検出手段と、離散的に設定された複数の車頭時間のうちの何れか一つをドライバーのスイッチ操作により選択して設定する車頭時間設定手段と、自車の車速を検出する車速検出手段と、車頭時間および自車の車速に基づいて目標車間距離を設定する目標車間距離設定手段と、目標車間距離設定手段で設定した目標車間距離と、車間距離検出手段で検出した実際の車間距離と、相対速度検出手段で検出した相対速度とに基づいて自車の目標車速を決定する目標車速決定手段と、目標車速に基づいて自車の加減速を制御する加減速制御手段とを備えた車間距離制御装置において、車頭時間設定手段が設定可能な最短車頭時間、先行車との車間距離および先行車との相対速度に基づいて仮想的な目標車速を求めるとともに、該仮想的な目標車速がその先行車を検知する以前に前記目標車速決定手段で決定した目標車速以下か否かを判定する接近状態判定手段を備え、車頭時間設定手段により車頭時間が最短車頭時間よりも長く設定されており、かつ先行車判定手段により自車の予想軌跡上に存在する移動体が先行車として判定されたときに、前記接近状態判定手段により求められた仮想的な目標車速がその先行車を検知する以前に前記目標車速決定手段で決定した目標車速以下であると判定さた場合には、目標車間距離設定手段は、車頭時間設定手段により設定された車頭時間に関わらずに、設定可能な最短車頭時間に基づいて設定された車間距離を目標車間距離とすることを特徴とする車間距離制御装置が提案される。
【0010】
上記構成によれば、車頭時間設定手段により車頭時間が最短車頭時間よりも長く設定されているときに先行車判定手段により先行車が判定された場合において、接近状態判定手段が先行車との目標車間距離、実際の車間距離および相対速度に基づいて求められた仮想的な目標車速がその先行車を検知する以前に前記目標車速決定手段で決定した目標車速以下であると判定すると、車頭時間設定手段により設定された車頭時間に関わらずに、目標車間距離設定手段は設定可能な最短車頭時間に基づいて設定された車間距離を目標車間距離とするので、目標車間距離を前記最短車頭時間に対応する短い目標車間距離に変更することができる。これにより、先行車を判定したときに車間距離が目標車間距離になるように自車を減速する際に、自車は先行車との車間距離が前記変更された短い目標車間距離になるまで時間的な余裕を持って減速することができ、急減速によるドライバーの違和感を解消することができる。
【0011】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、目標車間距離の単位時間あたりの変化率を所定値以下に制限可能な変化率制限手段を備え、車頭時間設定手段により車頭時間が最短車頭時間よりも長く設定されており、かつ先行車判定手段により自車の予想軌跡上に存在する移動体が先行車として判定されたときに、前記接近状態判定手段により求められた仮想的な目標車速がその先行車を検知する以前に前記目標車速決定手段で決定した目標車速以下であると判定された場合には、接近状態判定手段は、変化率制限手段の機能を一時的に停止させることを特徴とする、請求項1に記載の車間距離制御装置が提案される。
【0012】
上記構成によれば、車頭時間設定手段により車頭時間が最短車頭時間よりも長く設定されているときに先行車判定手段により先行車が判定された場合において、接近状態判定手段が先行車との車間距離、相対速度および設定可能な最短車頭時間に基づいて求められた仮想的な目標車速がその先行車を検知する以前に前記目標車速決定手段で決定した目標車速以下であると判定し、目標車間距離設定手段が目標車間距離を前記最短車頭時間に対応する短い目標車間距離に変更したとき、接近状態判定手段が変化率制限手段の機能を一時的に停止させるので、目標車間距離を速やかに短い目標車間距離に変更して急減速の発生を確実に防止することができる。
【0013】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、接近状態判定手段はスロットルバルブの閉弁により車両の減速が行われて車輪ブレーキによる自動制動が禁止される自動制動禁止距離を予め設定するとともに、先行車との車間距離が前記予め設定された自動制動禁止距離以上であるか否かを判定するものであり、車頭時間設定手段により車頭時間が最短車頭時間よりも長く設定されており、接近状態判定手段により先行車との車間距離が前記自動制動禁止距離以上であると判定されている間、目標車間距離設定手段は、車頭時間設定手段により設定された車頭時間に関わらずに、設定可能な最短車頭時間に基づいて設定された車間距離を目標車間距離に維持することを特徴とする車間距離制御装置が提案される。
【0014】
上記構成によれば、車頭時間設定手段により車頭時間が最短車頭時間よりも長く設定されている場合において、接近状態判定手段がスロットルバルブの閉弁により車両の減速が行われて車輪ブレーキによる自動制動が禁止される自動制動禁止距離を予め設定し、かつ先行車との車間距離が予め設定された自動制動禁止距離未満になったと判定するまで、目標車間距離設定手段が目標車間距離を前記最短車頭時間に対応する短い目標車間距離に維持するので、先行車との車間距離が予め設定された自動制動禁止距離未満になって車輪ブレーキによる自動制動が許可された瞬間の目標車間距離を短くし、制動力の強い車輪ブレーキによって急減速が行われるのを防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。 図1〜図5は本発明の一実施例を示すもので、図1は車間距離制御装置の制御系のブロック図、図2は接近状態判定手段を持たない場合で、車頭時間が「S」の場合の作用を説明するタイムチャート、図3は接近状態判定手段を持たない場合で、車頭時間が「L」の場合の作用を説明するタイムチャート、図4は接近状態判定手段を持つ場合で、車頭時間が「L」の場合の作用を説明するタイムチャート、図5は車間距離制御装置の作用を説明するフローチャートである。
【0016】
図1に示すように、車間距離制御装置の電子制御ユニットUは、先行車判定手段M1と、車間距離検出手段M2と、相対速度検出手段M3と、目標車間距離設定手段M4と、目標車速決定手段M5と、加減速制御手段M6と、変化率制限手段M7と、接近状態判定手段M8とを備えており、先行車判定手段M1にはレーザーレーダやミリ波レーダーのようなレーダー装置11と、自車のヨーレートを検出するヨーレート検出手段12とが接続され、目標車間距離設定手段M4には車頭時間を設定する車頭時間設定手段13と、自車の車速を検出する車速検出手段14とが接続され、加減速制御手段M6には車輪ブレーキの作動を制御するブレーキアクチュエータ15と、エンジンのスロットルバルブの開度を制御するスロットルアクチュエータ16とが接続される。
【0017】
先行車判定手段M1は、レーダー装置11で検知した自車の前方に存在する物体の距離、方向および相対速度と、ヨーレート検出手段で検出したヨーレートから算出した自車の予想軌跡とに基づいて、自車の予想軌跡上に存在する移動体を先行車として判定する。また先行車判定手段M1は、一旦判定した先行車を見失った後、新たに検知した先行車が元の先行車であるか、新たな先行車であるかを判定する。車間距離検出手段M2は自車と先行車との車間距離を検出し、相対速度検出手段M3は自車と先行車との相対距離を検出する。
【0018】
目標車間距離設定手段M4は、車頭時間設定手段13で設定した車頭時間と、車速検出手段14で検出した自車の車速とに基づいて自車と先行車との目標車間距離を設定する。車頭時間は、ドライバーのスイッチ操作により「L」(長)、「M」(中)、「S」(短)の何れかを設定可能である。目標車速決定手段M5は、目標車間距離設定手段M4で設定した目標車間距離と、車間距離検出手段M2で検出した実際の車間距離とを比較し、それに相対速度検出手段M3で検出した相対速度を加味して自車の目標車速を決定する。
【0019】
加減速制御手段M6は、目標車速が自車の現在の車速よりも低ければブレーキアクチュエータ15を介して車輪ブレーキを作動させ、あるいはスロットルアクチュエータ16を介してスロットルバルブを閉弁制御することで自車を目標車速まで減速する。また目標車速が自車の現在の車速よりも高ければスロットルアクチュエータ16を介してスロットルバルブを開弁制御することで自車を目標車速まで増速する。
【0020】
変化率制限手段M7は前記レートリミッタに相当するもので、目標車間距離設定手段M4によって目標車間距離が切り替えられたとき、その目標車間距離が急変するのを防止してゆっくりと変化させる。接近状態判定手段M8は、先行車との車間距離、先行車との相対速度および目標車間距離設定手段M4で設定した目標車間距離に基づいて自車の先行車に対する接近状態を判定し、その判定結果に基づいて目標車間距離設定手段M4で設定した目標車間距離を強制的に変化させるとともに、変化率制限手段M7の機能を一時的にキャンセルする。
【0021】
次に、車間距離制御装置が、前記接近状態判定手段M8を備えていないと仮定し、自車が車速110km/hで車速70km/hの先行車に接近する場合の作用を説明する。
【0022】
図2の例は、車頭時間設定手段13によって車頭時間が「S」(短)に設定されている場合に対応する。レーダー装置11の検知結果に基づいて先行車判定手段M1が先行車を判定すると、目標車間距離設定手段M4で設定した目標車間距離と、車間距離検出手段M2で検出した車間距離と、相対速度検出手段M3で検出した相対速度とに基づいて、目標車速決定手段M5が目標車速を決定する。先行車が70km/hで走行を続けていれば、目標車速は現在の自車の現在の車速である110km/hから先行車の車速である70km/hに向けて減少し、それに応じて加減速制御手段M6が自動制動を行うことで、自車の車速が70km/hに向けて減少する。このとき、車頭時間が「S」に設定されていることから、目標車間距離設定手段M4が出力する目標車間距離は、自車の車速の減少に応じて、車頭時間「S」および車速70km/hに対応する目標車間距離である30mに向けて減少する。
【0023】
このように、車頭時間が「S」に設定されている場合には、レーダー装置11の検知結果に基づいて先行車判定手段M1が先行車を判定してから、車間距離が最終的な目標車間距離である30mになるまでに充分な時間的(距離的)余裕があるため、加減速制御手段M6がブレーキアクチュエータ15を作動させることで発生する制動力(ブレーキ油圧)は小さくて済む。その結果、自車が急減速することが防止されてドライバーが違和感を覚えることがない。
【0024】
一方、図3の例は、車頭時間設定手段13によって車頭時間が「L」(長)に設定されている場合に対応する。レーダー装置11の検知結果に基づいて先行車判定手段M1が先行車を判定すると、目標車間距離設定手段M4で設定した目標車間距離と、車間距離検出手段M2で検出した車間距離と、相対速度検出手段M3で検出した相対速度とに基づいて、目標車速決定手段M5が目標車速を決定する。この場合にも、前記図2の例と同様に、先行車が70km/hで走行を続けていれば、目標車速は現在の自車の現在の車速である110km/hから先行車の車速である70km/hに向けて減少し、それに応じて加減速制御手段M6が自動制動を行うことで、自車の車速が70km/hに向けて減少する。このとき、車頭時間が「L」に設定されていることから、目標車間距離設定手段M4が出力する目標車間距離は、自車の車速の減少に応じて、車頭時間「L」および車速70km/hに対応する目標車間距離である50mに向けて減少する。
【0025】
このように、車頭時間が「L」に設定されている場合の目標車間距離は、車頭時間が「S」に設定されている場合の目標車間距離である30mよりも長い50mとなるため、自車が現在の車速である110km/hから目標車速である70km/hに減速するための時間的(距離的)余裕が少なくなり、加減速制御手段M6がブレーキアクチュエータ15を作動させることで発生する制動力(ブレーキ油圧)が大きくなる。その結果、自車が急減速することを余儀なくされてドライバーが違和感を覚える虞がある。
【0026】
このような問題を解消するために、本実施例では図4に示すような制御が行われる。即ち、車頭時間設定手段13によって車頭時間が「L」(長)に設定されている場合に、接近状態判定手段M8が、車間距離検出手段M2で検出した車間距離と相対速度検出手段M3で検出した相対速度とに基づいて自車の先行車に対する接近状態を判定し、車間距離、相対速度および設定可能な最短車頭時間に基づいて求められた仮想的な目標車速がその先行車を検知する以前の目標車速以下であれば、a位置で目標車間距離設定手段M4が車頭時間設定手段13で設定した車頭時間である「L」を最も短い車頭時間である「S」に強制的に変更して目標車間距離を減少させるとともに、車頭時間が変更されたときに目標車間距離の変化率を制限する変化率制限手段M7の作動をキャンセルする。これにより、目標車間距離がステップ状に減少するため、目標車間距離を速やかに減少させて急減速の発生を確実に防止することができる。
【0027】
尚、車頭時間を「L」から「S」に強制的に切り替えたことで目標車間距離が急激に変化しても、その変化は自車の車速を増加させる方向の変化であるため、急減速が発生する虞はない。
【0028】
接近状態判定手段M8の判定基準である「車間距離、相対速度および設定可能な最短車頭時間に基づいて求められた目標車速がその先行車を検知する以前の目標車速以下」という条件は、以下のような理由から設けられている。即ち、車間距離制御はレーダー装置11が先行車を検知してから開始されるが、設定可能な最短車頭時間に基づいて算出された新しい目標車速が先行車を検知する以前の目標車速以上となる場合には、目標車間距離を設定可能な最短車間距離に変更することにより自車が加速してしまうからである。
【0029】
ところで、加減速制御手段M6によって制御されるブレーキアクチュエータ15およびスロットルアクチュエータ16のうち、車間距離が所定距離(実施例では70m)以上の場合はブレーキアクチュエータ15の作動が禁止され、スロットルアクチュエータ16によるスロットルバルブの閉弁によって車両を減速するようになっている。これは、実際の車間距離が大きい場合には車輪ブレーキによる急減速が不要であり、エンジンブレーキだけで充分であるからである。
【0030】
このようにしてエンジンブレーキによる減速が行われ、b位置で実際の車間距離が70m未満になると、目標車間距離設定手段M4で強制的に「S」に切り替えられていた車頭時間が車頭時間設定手段13で設定された本来の「L」に戻され、これと同時にc位置でブレーキアクチュエータ15が作動して車輪ブレーキによる減速が実行される。このように、車輪ブレーキの作動が許可される瞬間まで車頭時間「S」に対応する短い目標車間距離に維持されるので、車輪ブレーキが作動した瞬間に急減速が発生するのを防止することができる。
【0031】
また車輪ブレーキの作動が許可されると同時に変化率制限手段M7の作動が許可されるので、目標車間距離はゆっくりと本来の車頭時間「L」に対応する目標車間距離へと増加することになり、急減速が発生するのを一層効果的に防止することができる。
【0032】
そしてブレーキアクチュエータ15により車輪ブレーキが作動して自車の車速が低下することで目標車間距離も減少し、その結果、実際の車間距離が車頭時間「S」に対応する30m付近までアンダーシュートした後に、車頭時間「L」および車速70km/hに対応する目標車間距離である50mに収束する。
【0033】
図2〜図4のブレーキ油圧を比較すると明らかなように、車頭時間が同じ「L」であっても、本実施例(図4)のブレーキ油圧は、接近状態判定手段M8を持たない場合(図3参照)のブレーキ油圧に比べて減少しており、接近状態判定手段M8を持たず、かつ車頭時間が「S」である場合のブレーキ油圧(図2参照)と同程度に抑えられている。
【0034】
以上のように、車頭時間設定手段13により車頭時間が「L」に設定されていても、実際の車間距離は車頭時間が「S」に設定されている場合の目標車間距離である30mの近傍まで一旦減少するので、自車の車速である110km/hを先行車の車速である70km/hまで減速して追従走行制御に移行する時間的(距離的)余裕を確保し、急制動が行われるのを防止してドライバーの違和感を解消することができる。
【0035】
上記作用を図5のフローチャートに基づいて更に説明する。
【0036】
先ずステップS1で新規の先行車が検知されない場合、あるいは実際の車間距離が70m以上であって車輪ブレーキの作動が禁止されている場合、ステップS2で内部スイッチ、つまり目標車間距離設定手段M4に設けられた車頭時間を強制的に切り替える仮想的なスイッチをドライバーが操作した車頭時間設定手段13の設定どうりに切り替える。
【0037】
前記ステップS1で新規の先行車が検知された場合、あるいは実際の車間距離が70m未満であって車輪ブレーキの作動禁止が解除されている場合、ステップS3で車頭時間を「S」に切り替えても目標車速が現在の車速よりも低くならない場合には、自車を減速する必要がないために、ステップS4で前記内部スイッチをドライバーが操作した車頭時間設定手段13の設定どうりに切り替える。
【0038】
前記ステップS3で車頭時間を「S」に切り替えても目標車速が現在の車速よりも低くなる場合には、ステップS5で前記内部スイッチをドライバーが操作した車頭時間設定手段13の設定に関わらずに最も短い「S」に切り替え、続くステップS6で変化率制限手段M7の作動をキャンセルする。
【0039】
尚、前記ステップS1で検知した先行車が新規のものである場合に限って内部スイッチを「S」に切り替える理由は以下のとおりである。即ち、車頭時間「L」で先行車に追従走行しているときに、その先行車を一旦見失った後に再度検知すると車頭時間が「L」から「S」に切り替わってしまう。しかしながら、先行車を一時的に見失っても追従走行を行っている自車および先行車の関係は変化していないので、先行車を再検知した場合に車頭時間を再度「L」から「S」に切り替える必要はない。従って、先行車を新規に検知した場合に限って車頭時間を「L」から「S」に切り替えることにより、上記不具合を解消することができる。
【0040】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、車頭時間設定手段により車頭時間が最短車頭時間よりも長く設定されているときに先行車判定手段により先行車が判定された場合において、接近状態判定手段が先行車との目標車間距離、実際の車間距離および相対速度に基づいて求められた仮想的な目標車速がその先行車を検知する以前に前記目標車速決定手段で決定した目標車速以下であると判定すると、車頭時間設定手段により設定された車頭時間に関わらずに、目標車間距離設定手段は設定可能な最短車頭時間に基づいて設定された車間距離を目標車間距離とするので、目標車間距離を前記最短車頭時間に対応する短い目標車間距離に変更することができる。これにより、先行車を判定したときに車間距離が目標車間距離になるように自車を減速する際に、自車は先行車との車間距離が前記変更された短い目標車間距離になるまで時間的な余裕を持って減速することができ、急減速によるドライバーの違和感を解消することができる。
【0042】
また請求項2に記載された発明によれば、車頭時間設定手段により車頭時間が最短車頭時間よりも長く設定されているときに先行車判定手段により先行車が判定された場合において、接近状態判定手段が先行車との車間距離、相対速度および設定可能な最短車頭時間に基づいて求められた仮想的な目標車速がその先行車を検知する以前に前記目標車速決定手段で決定した目標車速以下であると判定し、目標車間距離設定手段が目標車間距離を前記最短車頭時間に対応する短い目標車間距離に変更したとき、接近状態判定手段が変化率制限手段の機能を一時的に停止させるので、目標車間距離を速やかに短い目標車間距離に変更して急減速の発生を確実に防止することができる。
【0043】
また請求項3に記載された発明によれば、車頭時間設定手段により車頭時間が最短車頭時間よりも長く設定されている場合において、接近状態判定手段がスロットルバルブの閉弁により車両の減速が行われて車輪ブレーキによる自動制動が禁止される自動制動禁止距離を予め設定し、かつ先行車との車間距離が予め設定された自動制動禁止距離未満になったと判定するまで、目標車間距離設定手段が目標車間距離を前記最短車頭時間に対応する短い目標車間距離に維持するので、先行車との車間距離が予め設定された自動制動禁止距離未満になって車輪ブレーキによる自動制動が許可された瞬間の目標車間距離を短くし、制動力の強い車輪ブレーキによって急減速が行われるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車間距離制御装置の制御系のブロック図
【図2】 接近状態判定手段を持たない場合で、車頭時間が「S」の場合の作用を説明するタイムチャート
【図3】 接近状態判定手段を持たない場合で、車頭時間が「L」の場合の作用を説明するタイムチャート
【図4】 接近状態判定手段を持つ場合で、車頭時間が「L」の場合の作用を説明するタイムチャート
【図5】 車間距離制御装置の作用を説明するフローチャート
【図6】 従来の目標車間距離設定部の構造を示す図
【図7】 車頭時間に応じた車速および目標車間距離の関係を示すグラフ
【図8】 車頭時間を「S」から「L」に変更した場合の作用を説明する図
【図9】 車頭時間を「L」から「S」に変更した場合の作用を説明する図
【符号の説明】
M1 先行車判定手段
M2 車間距離検出手段
M3 相対速度検出手段
M4 目標車間距離設定手段
M5 目標車速決定手段
M6 加減速制御手段
M7 変化率制限手段
M8 接近状態判定手段
13 車頭時間設定手段
14 車速検出手段

Claims (3)

  1. 自車の予想軌跡上に存在する移動体を先行車として判定する先行車判定手段(M1)と、
    先行車との車間距離を検出する車間距離検出手段(M2)と、
    先行車との相対速度を検出する相対速度検出手段(M3)と、
    離散的に設定された複数の車頭時間のうちの何れか一つをドライバーのスイッチ操作により選択して設定する車頭時間設定手段(13)と、
    自車の車速を検出する車速検出手段(14)と、
    車頭時間および自車の車速に基づいて目標車間距離を設定する目標車間距離設定手段(M4)と、
    目標車間距離設定手段(M4)で設定した目標車間距離と、車間距離検出手段(M2)で検出した実際の車間距離と、相対速度検出手段(M3)で検出した相対速度とに基づいて自車の目標車速を決定する目標車速決定手段(M5)と、
    目標車速に基づいて自車の加減速を制御する加減速制御手段(M6)と、
    を備えた車間距離制御装置において、
    車頭時間設定手段(13)が設定可能な最短車頭時間、先行車との車間距離および先行車との相対速度に基づいて仮想的な目標車速を求めるとともに、該仮想的な目標車速がその先行車を検知する以前に前記目標車速決定手段(M5)で決定した目標車速以下か否かを判定する接近状態判定手段(M8)を備え、
    車頭時間設定手段(13)により車頭時間が最短車頭時間よりも長く設定されており、かつ先行車判定手段(M1)により自車の予想軌跡上に存在する移動体が先行車として判定されたときに、前記接近状態判定手段(M8)により求められた前記仮想的な目標車速がその先行車を検知する以前に前記目標車速決定手段(M5)で決定した目標車速以下であると判定さた場合には、目標車間距離設定手段(M4)は、車頭時間設定手段(13)により設定された車頭時間に関わらずに、設定可能な最短車頭時間に基づいて設定された車間距離を目標車間距離とすることを特徴とする車間距離制御装置。
  2. 目標車間距離の単位時間あたりの変化率を所定値以下に制限可能な変化率制限手段(M7)を備え、
    車頭時間設定手段(13)により車頭時間が最短車頭時間よりも長く設定されており、かつ先行車判定手段(M1)により自車の予想軌跡上に存在する移動体が先行車として判定されたときに、
    前記接近状態判定手段(M8)により求められた前記仮想的な目標車速がその先行車を検知する以前に前記目標車速決定手段(M5)で決定した目標車速以下であると判定された場合には、接近状態判定手段(M8)は、変化率制限手段(M7)の機能を一時的に停止させることを特徴とする、請求項1に記載の車間距離制御装置。
  3. 接近状態判定手段(M8)はスロットルバルブの閉弁により車両の減速が行われて車輪ブレーキによる自動制動が禁止される自動制動禁止距離を予め設定するとともに、先行車との車間距離が前記予め設定された自動制動禁止距離以上であるか否かを判定するものであり、
    車頭時間設定手段(13)により車頭時間が最短車頭時間よりも長く設定されており、 接近状態判定手段(M8)により先行車との車間距離が前記自動制動禁止距離以上であると判定されている間、目標車間距離設定手段(M4)は、車頭時間設定手段(13)により設定された車頭時間に関わらずに、設定可能な最短車頭時間に基づいて設定された車間距離を目標車間距離に維持することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車間距離制御装置。
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