JP4710529B2 - 走行制御装置 - Google Patents

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本発明は、他の車両の走行特性に応じて自車両の走行制御をする走行制御装置に関する。
特許文献1では、車群の各車両は目標となる先頭車両に対する車間距離を制御すると同時に、各車両の直前の車両との車間距離制御を行っており、その車間距離が所定距離に近づいたときに車間距離を広げるために車間距離偏差のゲインを非線形に増加する特性にしている。
特開平10−162282号公報
前記従来例では、車群を形成する車両が全て同様の走行制御を行うことを想定しており、車群を形成する車両、例えば先頭車両と車群末尾の車両との間にある中間車両が、人間が運転するような場合を想定していない。
例えば、車群を形成する車両間で車車間通信を行っており、前記中間車両を運転者が運転操作しているものとする。ここで、車群末尾の車両、すなわち自車両に着目すると、前記中間車両の運転者の運転操作による減速タイミングが遅い場合、先頭車両に基づく減速制御により自車両が先行して減速することとなり、自車両と直前の車両との車間が広くなってしまい、運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。また、前記中間車両の運転者の運転操作による減速タイミングが早い場合、先頭車両に基づく減速制御では自車両が未だ減速してないことで、自車両と直前の車両との車間が狭くなってしまい、運転者に違和感を与えてしまう。すなわち、前記中間車両の挙動如何により、自車両と直前の車両との車間距離が不要に変動してしまい、運転者に違和感を与えてしまう。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、自車両前方の車両に基づいて自車両を走行制御する場合でも、自車両と直前の車両との車間距離が不要に変動してしまうのを防止できる走行制御装置の提供を目的とする。
請求項1記載の走行制御装置は、他の車両の走行状態を車両走行状態検出手段により検出し、前記車両走行状態検出手段が検出した他の車両の走行状態に基づいて、自車両と同じ車線を走行している前方の複数の車両から構成される車群を車群検出手段により検出し、前記車群検出手段が検出した車群を構成する一の車両を所定の車両に所定車両設定手段により設定し、前記所定車両設定手段が設定した所定の車両の車速を入力とし自車両の車速を出力とした場合の応答特性の目標である目標応答特性を目標応答特性設定手段により設定し、前記目標応答特性設定手段が設定した目標応答特性になるように、自車両を走行制御手段により走行制御する。
そして、走行制御装置は、前記車群検出手段が検出した車群の状態として、前記車群検出手段が検出した車群における前方の車両から後方の車両への車速の加減速の伝播速さを車群状態検出手段により検出し、前記車群状態検出手段が検出した車群の状態に基づいて、前記目標応答特性を目標応答特性変更手段により変更する。
請求項1記載の走行制御装置によれば、車群の状態に基づいて、所定の車両の車速に対して自車両の車速の目標応答特性を変更することで、先頭車両等の所定の車両に基づいて走行制御する場合でも、自車両と直前の車両との車間距離が不要に変動してしまうのを防止できる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態は、本発明に係る走行制御装置を適用した車両用車間距離制御装置を搭載した車両である。図1は、車両用車間距離制御装置の構成を示す。
この図1に示すように、車両用車間距離制御装置は、車車間通信機1、前方車両抽出部2、前方車両特性検出部3、加減速伝搬速さ算出部4、先頭車両切換え部5、走行状態目標値演算部6及び制駆力制御部7を備えている。
車車間通信機1は、車載GPS(Global Positioning System)で測定した複数の他の車両(他車両)それぞれの座標、車速、ストップランプ信号(ON又はOFF信号)及び車両の大きさを表す車両属性信号等の車両走行情報(以下、他車両走行情報という。)を受信するとともに、自車両に関して、受信したその情報と同種の情報(以下、自車両走行情報という。)を他車両に送信する。そして、この車車間通信機1は、他車両走行情報を必要に応じて後述の各構成部に出力する。
前方車両抽出部2は、自車両の位置(自車両走行情報)及び車車間通信機1からの他の車両の位置(他車両走行情報)に基づいて、自車両に対して前方に位置される車両となる自車線前方車両を抽出する、すなわち、複数の自車線前方車両から構成される車群を検出する。前方車両抽出部2は、その抽出結果を前方車両特性検出部3に出力する。
前方車両特性検出部(車群特性検出部)3は、前方車両抽出部2が抽出した複数の自車線前方車両に関し、車車間通信機1から他車両走行情報を取得し、その取得した他車両走行情報に基づいて、当該複数の自車線前方車両から構成される車群の特性を検出する。前方車両特性検出部3は、その検出結果を加減速伝搬速さ算出部4に出力する。
加減速伝搬速さ算出部4は、前方車両特性検出部2の検出結果に基づいて、減速伝搬の速さ度合い(総合指標)を算出する。そして、加減速伝搬速さ算出部4は、その算出結果を先頭車両切換え部5に出力する。
先頭車両切換え部5は、加減速伝搬速さ算出部4の算出結果に基づいて、自車目標応答への入力信号を生成する所定の車両(例えば先頭車両)を選択する(切換える)。そして、先頭車両切換え部5は、その選択結果を走行状態目標値演算部6に出力する。
走行状態目標値演算部6は、先頭車両切換え部5の選択結果に基づいて、自車速が目標応答に応じた値となるように自車両の制駆動力指令値を演算する。そして、走行状態目標値演算部6は、その演算結果を自車両100の制駆力を制御する制駆力制御部7に出力する。
制駆力制御部7は、走行状態目標値演算部6の演算結果に基づいて、自車両100の制駆力を制御する。これにより、自車両100は、制駆力に応じた車速になる。
次に、図2に示すフローチャートを用いて、前記各構成部による一連の処理を説明するとともに、当該各構成部の処理をさらに詳しく説明する。
先ずステップS1において、車車間通信機1により他車両走行情報及び自車両走行情報を検出する。他車両走行情報として、車車間通信により他車両のID番号、位置座標、速度、車両属性データ等を得る。そして、それらの情報をメモリに記憶する。
例えば、ID番号(車両ID)がn(n=0,1,2,3,・・・)の車両のXY座標における位置(XY座標位置という場合もあり。)をPn(xn,yn)に、車速をV(n)に、車両属性データをTP(n)に、ストップランプ信号をSL(n)に、それぞれ記憶する。
ここで、車両属性データTP(n)は、例えば大型貨物車(大型車両)を4とし、中型貨物車(中型車両)を3とし、普通乗用車(普通車両)を2とし、軽自動車(小型車両)を1とし、バイクを0とする。また、ストップランプ信号SL(n)は点灯(ON)を1とし、非点灯(OFF)を0とする。また、XY座標については、例えば、南北にY軸をとり、北をY軸の正方向とし、東西にX軸をとり、東をX軸の正方向とする。また、自車両の車両IDを0にして、自車両走行情報として得ている、GPSで検出した自車両の位置(x0,y0)をP0(x0,y0)に記憶し、自車速をV(0)に記憶する。また、車両におけるGPSアンテナの設置位置を車両位置として、これにより、GPSアンテナが車両重心位置にあれば、車両重心位置が車両位置になる。
なお、以下の説明では、車両nのID番号(車両ID)をID=nと記し、ID=nの車両を車両IDnと記す。例えば、自車両は車両ID0、そのID番号はID=0である。
以下の処理では、このステップS1でメモリに記憶したデータを用いて各種処理を行っている。
続いてステップS2において、前方車両抽出部2により自車両に対して前方に位置される車両となる自車線前方車両を抽出する。具体的には、自車線上で、かつ自車両の前方に存在する他車両を自車線前方車両として抽出しており、次のように抽出処理を行う。
(1)自車両を原点とする座標変換
図3に示すように、自車両の進行方向をV軸とし、自車両の進行方向に垂直な方向をU軸とし、自車両の位置(車両重心位置)を原点(0,0)としたUV座標に、他の車両のXY座標位置Pn(xn,yn)を変換する。
具体的には、先ず、メモリに記憶した自車両のXY座標位置P0(x0,y0)の時系列データ中の、自車両の現在のXY座標位置P0(x0(k),y0(k))と自車両の前回のXY座標位置P0(x0(k−1),y0(k−1)とに基づいて、自車両の進行方向を算出(予測)する。ここで、kは、マイコンのサンプリング回数を表す整数(サンプリング時間)である。
そして、自車両が直進していると仮定し、1回のサンプリングによって変化するX方向の変化量に対するY方向の変化量から、下記(1)式により、XY軸に対する直線(当該直前方向)の傾きaを算出する。
a={y0(k)−y0(k−1)}/{x0(k)−x0(k−1)} ・・・(1)
また、前記(1)式で示す直線に対する垂線の傾きbを下記(2)式により得る。
b=−1/a ・・・(2)
この傾きbがX軸に対するU軸の傾きになり、その傾きの角度θを、下記(3)式により得る。
θ=tan−1(b) ・・・(3)
以上より、他車両のXY座標位置をUV座標上の位置(UV座標位置という場合もあり)にする変換は、他車両のXY座標位置から自車両のXY座標位置(車両重心位置)を差し引き、XY座標の原点とUV座標の原点とを一致させ、それから、下記(4)式によりXY座標位置(pX,pY)(又は(xn,yn)からUV座標位置(pU,pV)に変換することで行う。
Figure 0004710529
このような座標変換を車車間通信により得た全ての他車両の位置について行う。そして、座標変換によりUV座標に変換した他車両の位置(p,p)をPUn(un,vn)としてメモリに記憶する。
(2)自車線前方車両の抽出
先ず、他車両が自車線上に存在するか否かを判定する。具体的には、自車両の座標位置がUV座標の原点(0,0)にあり、自車両の進行方向がV軸方向になっているから、他車両のUV座標位置がV軸近傍か否かを判定する。例えば、他車両nのUV座標位置PUn(un,vn)のU軸の値unが所定値(例えば±2m)以内であれば、当該他車両nを自車線上に存在していると判定する。
続いて、他車両が自車両前方の車両となり得るか否かを判定する。例えば、他の車両nのUV座標位置PUn(un,vn)のV軸の値vnが正値であれば、当該他車両を自車両前方の車両と判定する。
これらの判定により、他車両が、自車線上、かつ自車両前方に存在する車両であれば、当該他車両を自車線前方車両として抽出する。そして、このような判定処理を、車車間通信により得た全ての他車両に対して行い、その中から自車線前方車両を抽出する。そして、抽出した自車線前方車両の台数をメモリに記憶する。
(3)自車線前方車両と自車両との位置関係を検出
先ず、他車両(自車線前方車両)毎に当該他車両から自車両までの車間距離を算出する。ここで、自車両のUV座標位置が原点(0,0)であるから、自車両ID0と他車両IDnとの車間距離D(n)を、他車両nのUV座標位置PUn(un,vn)に基づいて、下記(5)式により算出する。
D(n)=(un+vn0.5 ・・・(5)
続いて、算出した車間距離D(n)に基づいて、車両IDを再設定する。すなわち、車間距離D(n)を他車両同士で比較して、その車間距離D(n)が短くなる順に、新たな車両IDを当該各車両に設定する。
例えば、自車線前方車両がp台存在すれば、図4に示すように、車間距離D(n)が短い順(自車両の手前から順番)に前方車両の車両IDが1,2,3,4,・・・,pとして新たに設定される。そして、このような再設定により、車両ID1,車両ID2,車両ID3,車両ID4,・・・,車両IDpに対応する自車線前方車両の車速がそれぞれV(1),V(2),V(3),V(4),・・・,V(p)となり、当該自車線前方車両の車間距離がD(1),D(2),D(3),D(4),・・・,D(p)となり、当該自車線前方車両の車両種別がTP(1),TP(2),TP(3),TP(4),・・・,TP(p)となり、当該各前方車両のストップランプ信号がSL(1),SL(2),SL(3),SL(4),・・・SL(p)となる。
続いてステップS3において、前記ステップS2で抽出した複数の自車線前方車両から構成される車群について、前方車両特性検出部3によりその特性を検出する。具体的には、後述のステップS4で加減速伝播の速さ度合いの算出に用いる値を算出する。その算出は、以下のようになる。
ここで、加減速伝播の速さ(加減速伝播速さ)とは、車群における前方の車両から後方の車両への車速の加減速の伝播速さをいい、加減速伝播の速さ度合い(加減速伝播速さ度合い)とは、その加減速の伝播速さの度合いをいう。
(1)自車線前方車両の車速平均値算出
各車両の車速V(n)に基づいて、自車線前方車両の全車両の車速平均値VAVRを下記(6)式により算出する。
Figure 0004710529
ここで、pは前記ステップS2で得た自車線前方車両の台数である。
なお、このように算出した車速平均値VAVRを、マイコンのサンプリングタイムで所定回数分を加算し、その加算値を前記所定回数で除算することで、所定時間(前記所定回数分相当の時間)内における平均値として算出しても良い。
(2)所定距離内に存在する自車線前方車両の台数算出(車両密度算出)
自車両から前方の所定距離内、例えば100m内に存在する自車線前方車両の台数NAVRを算出する。
(3)自車線前方車両間の車間時間算出
各自車線前方車両について、当該自車線前方車両とその直前の車両との車間距離を算出する。具体的には、自車線前方車両IDnについて、その直前の車両IDn+1との車間距離L(n)を、前記ステップS2で算出した車間距離D(n)に基づいて、下記(7)式により算出する。
L(n)=D(n+1)−D(n) ・・・(7)
そして、この(7)式により算出した車間距離L(n)を用いて、下記(8)式により自車線前方車両IDnの車間時間TH(n)を算出する。ここで、D(0)を0とする。
TH(n)=L(n)/V(n) ・・・(8)
ここで、車両の車体において、GPSアンテナの設置位置から車両前端までの距離LFとGPSアンテナの設置位置から車両後端までの距離LRが取得できれば、車間距離L(n)を下記(9)式により算出しても良い。
L(n)=(D(n+1)−LR(n+1))−(D(n)+LF(n)) ・・・(9)
ここで、LF(n)は、車両nの車体において、GPSアンテナの設置位置から車両前端までの距離であり、LR(n+1)は、その車両IDnの直前の車両IDn+1の車体において、GPSアンテナの設置位置から車両後端までの距離である。
また、このように算出した車間距離L(n)をメモリに記憶していくが、車間時間TH(n)の急激な変化を抑えるため、更新する際の車間時間TH(n)の変化幅を制限するように、変化率リミッタを設定しても良い。
続いて、自車線前方車両の全車両の平均の車間時間THAVR を下記(10)式により算出する。
Figure 0004710529
ここで、このように算出した平均車間時間THAVRを、マイコンのサンプリングタイムで所定回数分を加算し、その加算値を前記所定回数で除算することで、所定時間(前記所定回数分相当の時間)内における平均値として算出しても良い。
(4)大型車両台数の割合算出
前記ステップS1で取得した車両属性データTP(n)に基づいて、自車線前方車両中の大型車両(TPn=4)の台数p1(≦p)を検出し、自車線前方車両の総台数pにおける大型車両の台数p1の割合RTLV(=p1/p)を算出する。
(5)減速伝播時間算出
ここでは、自車線前方車両中の所定の車両である先頭車両から自車両直前の自車線前方車両(以下、自車両直前車両という。)までの車速の伝播を数式により模擬する数式モデルを予め用意しておき、この数式モデルの演算結果と実応答との差分を算出して、その算出した差分に基づいて、先頭車両から自車両直前車両までの車速(減速時の車速)の伝播時間を算出する。
ここで、先頭車両には、自車両前方の複数の自車線前方車両により構成される車群の先頭を走行する車両の他、車群の先頭を走行していないが、当該車群の走行挙動を決定付けるような車両をも含むものとする。先頭車両は、具体的には、後述のステップS5で選択される。なお、このステップS3の最初の処理では、初期設定の先頭車両に基づいて計算することになる。例えば、初期設定の先頭車両は、車群の先頭を走行する車両である。
(5−1)数式モデル
数式モデルは、先頭車両から自車両直前車両までの車間距離応答特性を数式化したモデル(中間車両応答モデル)である。すなわち、この数式モデルは、運転者が自車両(車両IDn)をその直前の車両(車両IDn+1)に追従させる際の運転操作が、当該直前の車両との車間距離を車間時間に応じた値にし、かつ当該直前の車両との相対速度が0となるように、調整すると仮定した、いわゆる運転者追従をモデル化したものである。以下にその数式モデルによる演算を説明する。
(5−2)車間距離目標値算出
先ず、車両IDnの運転者がその直前の車両IDn+1との間で確保しようとする車間距離目標値(車間距離指令値)LCd(n)を車間時間を基準にした値にする。すなわち、車両IDnについての車間時間をTHd(n)とし、当該直前の車両IDn+1の車速をVd(n+1)とした場合、下記(11)式により車間距離目標値(車間距離指令値)LCd(n)を算出する。
LCd(n)=THd(n)・Vd(n+1) ・・・(11)
(5−3)加速度指令値算出
次に、車間距離(推定の車間距離)をLd(n)として、その車間距離Ld(n)と前記(11)式で算出した車間距離指令値LCd(n)との偏差(LCd(n)−Ld(n))を0にし、かつ車両IDnと直前の車両IDn+1との相対速度VRd(n)(=Vd(n+1)−Vd(n)、ここでVd(n)は車両IDnの車速)を0にするための加速度指令値Gd(n)を、下記(12)式により算出する。
Gd(n)=exp(−Td(n)・s)・((Vd(n+1)−Vd(n))・KVd(n)−(LCd(n)−Ld(n))・KLd(n)) ・・・(12)
ここで、KLd(n)は、車間距離についての前記偏差に乗じる車間距離偏差ゲインであり、KVd(n)は、相対速度に乗じる相対速度ゲインである。また、Td(n)は、直前の車両IDn+1に対する車両IDnの応答無駄時間であり、sはラプラス演算子である。
(5−4)加速度指令値に応じた車速及び車間距離
そして、車両IDnが前記(12)式で算出した加速度指令値Gd(n)を実現する車速Vd(n)を仮定して、車両IDnの加速度指令値Gd(n)、車速Vd(n)、その直前の車両IDn+1の車速Vd(n+1)、及びその車両間の車間距離Ld(n)の関係を、下記(13)式及び(14)式により得る。
Vd(n)=(1/s)・Gd(n) ・・・(13)
Ld(n)=(1/s)・(Vd(n+1)−Vd(n)) ・・・(14)
(5−5)車間距離応答演算
以上の処理を繰り返し実行して車両1台分の車間距離応答を算出することができる。よって、先頭車両の車両IDがpであれば、当該先頭車両IDpと自車両ID0との間にp−1台の車両(自車線前方車両)が存在するので、それに応じて前記処理を繰り返すことで、当該先頭車両pと自車両ID0との間p−1台分の車両(ID1〜IDp−1)について、車間距離応答を算出できる。
例えば、自車両前方に車両が4台(p=4)存在する場合は、図5に示すように、先頭車両(先頭車両)ID4の実車速V(4)を入力信号として、車両ID3の車速Vd(3)、車間距離Ld(3)及び相対速度VRd(3)を算出し、続いて、それにより算出した車両ID3の車速Vd(3)を用いて、車両ID2の車両の車速Vd(2)、車間距離Ld(2)及び相対速度VRd(2)を算出し、続いて、それにより算出した車両ID2の車速Vd(2)を用いて、車両ID1の車速Vd(1)、車間距離Ld(1)及び相対速度VRd(1)を算出する。このようにして、車群中の一の車両nの車間距離応答を算出する。
(5−6)加減速伝播時間を算出
続いて、前記(5−5)で算出した車両IDnの車速Vd(n)(減速)に対して、自車両直前車両ID1の実車速(実応答の車速)V(1)(減速)がどれだけ遅れるか(加減速伝播時間)を算出する。ここで、例えば十分に速い応答を行う運転者を想定して、前記(12)式で加速度指令値Gd(n)の算出に使用する応答無駄時間Td(n)、車間距離偏差ゲインKLd(n)及び相対速度ゲインKVd(n)を、その想定する運転者特性に合致するように設定する。これにより、十分速い応答特性で伝播された車速Vd(n)を算出し、その算出した値を用いる。
その加減速伝播時間の算出では、例えば、先ず先頭車両IDpの減速度が所定値以上となった場合に、同時に2つの第1及び第2タイマのカウントアップを開始する。そして、自車両直前車両ID1の実車速V(1)を数値微分して実減速度G(1)を計算し、その計算した実減速度G(1)が所定値αd以上になった場合、一方の第1タイマをストップさせ、さらに前記(12)式で算出される自車両直前車両ID1の計算上の減速度Gd(1)が同じく所定値αd以上となった場合、他方の第2タイマをストップさせる。そして、この第1タイマと第2のタイマとの差分(第1タイマのカウント時間−第2タイマのカウント時間)を加減速(特に減速)伝播時間として、TDMDLに設定する。
(6)ストップランプによる減速伝播時間算出
先頭車両(後述のステップS5で選択される車両)のストップランプがOFF状態からON状態になった場合(SL(n)が0から1に変化した場合)、マイコンのカウンタでカウントを開始し、サンプリングタイム毎にカウンタをインクリメントしていき、自車両直前車両ID1のストップランプがOFF状態からON状態になるまで(SL(1)が1から0に変化するまで)、そのカウントを継続し、そのカウント時間をストップランプによる減速伝播時間として、TDSTLに設定する。
続いてステップS4において、加減速伝搬速さ算出部4により減速伝播の速さ度合い(総合指標)を算出する。
ここでは、先ず、前記ステップS3で得た自車線前方車両の車速平均値VAVR、自車線前方車両の台数NAVR、平均車間時間THAVR、大型車両の割合RTLV、減速伝播時間TDMDL及びストップランプによる減速伝播時間TDSTLに基づいて、図6に示す表(指標置換用マップ)から減速伝播の速さを示す指標indxV、indxN、indxTH、indxRT、indxTDM、indxTDSをそれぞれ取得する。
図6に示す表によれば、各指標は、常に0〜10の間の値をとり、車速平均値VAVRが小さくなるほど、それに対応する指標indxVは大きくなり、自車線前方車両の台数NAVRが多くなるほど、それに対応する指標indxNは大きくなり、平均車間時間THAVRが短くなるほど、それに対応する指標indxTHは大きくなり、大型車両の割合RTLVが低くなるほど、それに対応する指標indxRTは大きくなり、減速伝播時間TDMDLが短くなるほど、それに対応する指標indxTDMは大きくなり、ストップランプによる減速伝播時間TDSTLが短くなるほど、それに対応する指標indxTDSは大きくなる。これら各指標は、値が大きくなるほど減速伝播速度が速くなることを示す。なお、この図6に示す表は例であるので、各指標の値の設定は、この図6に基づいて行うことに限定されるものではなく、走行実験による実験値や経験値により決定しても良い。
次に、前記図6の表から取得した各指標を用いて、下記(15)式により、総合的な減速伝播速さ指標(以下、総合指標という。)INDEXttlを算出する。
INDEXttl=W1・indxV+W2・indxN+W3・indxTH+W4・indxRT+W5・indxTDM+W6・indxTDS ・・・(15)
ここで、W1〜W6は、各指標の重み係数であり、例えばW1〜W6の総和が一定値となるように値が決められている。例えば、W1〜W6を走行実験等で決定している。
この総合指標INDEXttlは、複数の自車線前方車両により構成された車群における減速伝播速さを示す指標となり、その値が大きければ、車群において先頭車両が減速した場合に、当該先頭車両から自車両直前車両までの減速伝播速さを速いことを示し、小さければ、減速伝播速さが遅いことを示す。
なお、各指標を前述のように組み合わせて総合指標を算出するが、単独の指標から総合指標を算出しても良い。また、指標を使用しなければ、当該指標のその重み係数を0としても良い。この場合、例えば、W1〜W6の総和を6として、指標としてindxV、indxTH及びindxTDSを使用する場合、使用しない指標indxN、indxRT及びindxTDMの重み係数W2、W4及びW5を0として、使用する指標indxV、indxTH及びindxTDSの重み係数W1、W3及びW6の総和(W1+W3+W6)を6になるようにする。また、単独で使用する場合、例えば指標indxTDSを単独で使用する場合、指標indxTDSの重み係数W6を6として総合指標INDEXttl(=indxTDS・W6)を算出するようにしても良い。
ここで、総合指標INDEXttlを算出する具体例を示す。
W1=0.5、W4=3.0及びW6=2.5(総和が6)とし、また、VAVR=70(km/h)、THAVR=1.0(秒)、TDSTL=7(秒)として、図6の表により指標を求めると、総合指標INDEXttlは下記(16)式のようになる。
INDEXttl=0.5×4+3.0×6+2.5×4=30 ・・・(16)
なお、このようにして算出した総合指標を、その最大値(ここでは60)で除して正規化しても良い。
続いてステップS5において、先頭車両切換え部5により、前記ステップS4で算出した総合指標INDEXttlに基づいて、先頭車両を切り換える(選択する)。
例えば、図7に示す表(先頭車両選択用マップ)を予め用意しておき、この表を用いて、前記ステップS4で算出した総合指標INDEXttlに基づき、先頭車両の車両ID(先頭車両ID)を切り換える。
例えば、このような表は、指標を決定する演算や自車線前方車両の台数等を基準として、走行実験やシミュレーションにより、自車両の挙動が最適になるように決定されている。すなわち例えば、図7に示す表は、自車線前方車両が5台ある場合に使用する表であるから、自車線前方車両が5台以外であれば、その台数に応じた表を用いるようにする。
この図7によれば、総合指標INDEXttlが大きくなるほど、すなわち、減速伝播速さが速くなるほど、選択されるべき先頭車両の車両IDが大きくなる。すなわち、減速伝播速さが速くなるほど、自車両からより遠方に存在する自車線前方車両を先頭車両として選択する。この図7に示す表は、前述のように、自車線前方車両が5台ある場合に使用する表であるが、自車線前方車両が5台以外の表でも、自車両からより遠方に存在する自車線前方車両が先頭車両として選択するといった定性的な特性は同じである。
そして、この先頭車両の選択の結果、先頭車両の切換えを要する場合、すなわち、現在の先頭車両の車両IDと選択した先頭車両の車両IDとが異なる場合、先頭車両を切り換えるとともに、その切換え後の先頭車両の車速をVLに設定する。
ここで、後述するように、基本的には、自車両の走行制御を先頭車両を基準に行っていることから、切換え前の先頭車両と切換え後の先頭車両との車速差が大きいと、その速度差に起因して、自車両の走行挙動が大きく変化する。このようなことから、先頭車両の切換え条件(タイミング)は、現在の先頭車両の車速と切換え後の先頭車両の車速との差分が所定のしきい値(第1の所定値)以下にあるときを条件にする。
なお、現在の先頭車両の加速度と切換え後の先頭車両の加速度との差分が所定のしきい値(第2の所定のしきい値)以下となる条件を先頭車両の切換え条件(タイミング)としてさらに加えても良い。また、先頭車両の切換え時に用いる前記速度差と比較する所定のしきい値や前記加速度と比較する所定のしきい値を実験やシミュレーションで決定している。
続いてステップS6において、走行状態目標値演算部6により、制駆動力指令値を算出する。
ここでは、前記ステップS5で設定した先頭車両の車速(VL)に対する自車速(V(0))の応答が、目標応答になるように制駆動力指令値を算出している。すなわち、自車両の走行制御を先頭車両を基準に行っている。制駆動力指令値を算出するための制御系(処理系)は以下のようになる。
図8は、その制御系の構成例を示す。この制御系では、前記ステップS5で設定された先頭車両の車速VLが、前置補償演算部21、目標車間距離及び相対速度演算部22並びに中間ドライバ応答演算部23に入力されている。
(1)目標車速時間算出
先ず、車両IDがpである先頭車両IDpと自車両との目標車間時間Tmvを下記(17)式により算出する。
Figure 0004710529
ここで、TH(n)は、先頭車両IDpと自車両ID0との間に存在する自車線先行車両ID(n)の車間時間であり、例えば、前記(8)式により各自車線先行車両IDnについて算出した値である。また、車間時間TH(0)は、自車両ID0の運転者が選ぶ目標車間時間である。
この(17)式によれば、先頭車両が自車両に対して遠方になるほど、目標車間時間Tmvは長くなる。
また、前記ステップS5で先頭車両の切換えが必要になった場合、先頭車両から自車両までの目標車間時間も、切換え後の先頭車両のものに切換える必要がある。この場合、目標車間時間Tmvを算出する切換えタイミングは、先頭車両の切換えタイミングと同じである。
(2)図8の前置補償演算部21による演算
続いて、目標応答を下記(18)式により算出する。
Gmv(s)=Bmv(s)/Amv(s) ・・・(18)
但し、
Bmv(s)=(2・ζmv・ωmv−Tmv・ωmv)・s+ωmv
Amv(s)=s+2・ζmv・ωmv・s+ωmv
ここで、Tmvは、前記(17)式により算出した目標車間時間である。また、ζmv,ωmvは、チューニングパラメータ(目標応答特性を決める目標応答パラメータ)であり、ここでは固定値である。
そして、自車両が後述する制駆動力制御系によって加減速度指令値に応じた実加減速度を発生するとした場合、加減速度指令値から車速までの伝達特性は1/sになる。このようなことから、先頭車両車速VLから自車速V(0)までの応答特性を前記(18)式により算出した目標応答Gmv(s)に一致させるための信号UFFは下記(19)式により算出される。
UFF=Gff(s)・VL ・・・(19)
但し、
Gff(s)=s・Bff(s)/Aff(s)
Bff(s)=(2・ζmv・ωmv−Tmv・ωmv)・s+ωmv
Aff(s)=s+2・ζmv・ωmv・s+ωmv
(3)図8の目標車間距離及び相対速度演算部22による演算
続いて、先頭車両IDpの車速VLに対して自車速V(0)が目標応答通りに応答する場合の、前記車間距離(応答)LMDL及び相対速度(応答)VRMDLを下記(20)式及び(21)式により算出する。
LMDL=Gmd(s)・VL ・・・(20)
VRMDL=s・Gmd(s)・VL ・・・(21)
但し、
Gmd(s)=Bmd(S)/Amd(S)
Bmd(S)=s+Tmv・ωmv
Amd(S)=s+2・ζmv・ωmv・s+ωmv
ここで、前記ステップS5で先頭車両を切り換えると、先頭車両の車速VLも切り換わるから、先頭車両に対する自車両の応答特性である車間距離LMDL及び相対速度VRMDLも変化することになる。特に、先頭車両の車速VLも切り換わると、前記(17)式により算出される目標車間時間Tmvも切り換わることから、前記Bmd(S)、さらにはGmd(s)の値が変化することで、車間距離LMDL及び相対速度VRMDLも大きく変化することになる。このように、先頭車両に応じて、自車両の応答特性が決定される。
(4)図8の中間ドライバ応答演算部23(数式モデル)による演算
続いて、車両nとその直前の車両IDn+1との車間距離目標値及び相対速度目標値を算出する。
ここでは、前記ステップS3((5)減速伝播時間算出の処理)で用いた数式モデルと同様な演算により、自車両直前車両ID1との車間距離目標値及び相対速度目標値を算出する。すなわち、先ず、自車両前方の車両IDnについての車間時間をTHdr(n)とし、当該車両IDnの車速をVm(n+1)として、下記(22)式により車間距離目標値LCdr(n)を算出する。
LCdr(n)=THdr(n)・Vm(n+1) ・・・(22)
続いて、車間距離(推定の車間距離)をLdr(n)として、その車間距離Ldr(n)と前記(22)式で算出した車間距離指令値LCdr(n)との偏差(LCdr(n)−Ldr(n))を0にし、かつ直前の車両IDn+1との相対速度VRdr(n)(=V(n+1)−V(n)、ここでV(n)は車両IDnの車速)を0にするための加速度指令値Gd(n)を下記(23)式により算出する。
Gdr(n)=exp(−Tdr(n)・s)・((V(n+1)−V(n))・KVdr(n)−(LCdr(n)−Ldr(n))・KLdr(n)) ・・・(23)
ここで、KLdr(n)は、車間距離についての前記偏差に乗じる車間距離偏差ゲインであり、KVdr(n)は、相対速度に乗じる相対速度ゲインである。また、Tdr(n)は、直前の車両IDn+1に対する車両IDnの応答無駄時間であり、sはラプラス演算子である。
そして、車両IDnが前記(13)式で算出した加速度指令値Gdr(n)を実現する車速Vm(n)を仮定して、車両IDnの加速度指令値Gdr(n)、車速Vm(n)、その直前の車両IDn+1の車速Vm(n+1)、及びその車両間の車間距離Ldr(n)の関係を、下記(24)式及び(25)式により得る。
Vm(n)=(1/s)・Gdr(n) ・・・(24)
Lm(n)=(1/s)・(Vm(n+1)−Vm(n)) ・・・(25)
以上の処理を繰り返し実行して車両1台分の車間距離応答を算出することができる。よって、先頭車両の車両IDがpであれば、当該先頭車両IDpと自車両ID0との間にp−1台の車両(自車線前方車両)が存在するので、それに応じて前記処理を繰り返すことで、当該先頭車両pと自車両ID0との間p−1台分の車両(ID1〜IDp−1)について、車間距離Ldr(1)〜Ldr(p−1)及び相対車速VRdr(1)〜VRdr(p−1)を算出できる。
例えば、自車両前方に車両が4台(p=4)存在する場合は、前記ステップS3で図5を用いて説明したように、先頭車両(先頭車両)ID4の実速度VLを入力信号として、車両ID3の車速Vm(3)、車間距離Ldr(3)及び相対速度VRdr(3)を算出し、続いて、それにより算出した車両ID3の車速Vm(3)を用いて、車両ID2の車速Vm(2)、車間距離Ldr(2)及び相対速度VRdr(2)を算出し、続いて、それにより算出した車両ID2の車速Vm(2)を用いて、車両ID1の車速Vm(1)、実測の車間距離Ldr(1)及び相対速度VRdr(1)を算出する。このように、各車両(ID1〜ID3)について、車間距離Ldr(1)〜Ldr(3)及び相対車速VRdr(1)〜VRdr(3)を算出できる。
なお、実際の運転者の応答に、前記数式モデルで演算(中間ドライバ応答演算部23で演算)した応答がなるべく一致するように補正しても良い。例えば、次のように補正する。
先頭車両の減速度が所定値以上となった場合に、同時に2つの第1及び第2タイマのカウントアップを開始する。そして、自車両直前車両の実車速V(1)を数値微分して実減速度G(1)を算出し、その算出した実減速度G(1)が所定値αd2以上になった場合、一方の第1タイマをストップさせ、さらに、前記(23)式で算出した自車両直前車両ID1の計算上の減速度Gdr(1)が所定値αd2以上となった場合、他方の第2タイマをストップさせる。そして、この第1タイマと第2タイマとの差分(第1タイマのカウント時間−第2タイマのカウント時間)が0になるように、前記数式モデルの演算を修正する。
例えば、前記差分(第1タイマのカウント時間−第2タイマのカウント時間)が正値の場合は、実応答が数式モデルの応答よりも遅くなっているから、その時間差(差分)の度合いに応じて、前記応答無駄時間Tdr(n)を大きくする方向に補正する。これにより、数式モデルの応答性が遅くなることで、実応答と数式モデルとが一致するようになる。又は、前記車間距離偏差ゲインKLdr(n)や相対速度ゲインKVdr(n)を小さくして、数式モデルの応答性を遅くして、実応答と数式モデルの応答とを一致させるようにする。
一方、前記差分(第1タイマのカウント時間−第2タイマのカウント時間)が負値の場合は、実応答が数式モデルよりも速くなっているから、その時間差(差分)の度合いに応じて、前記応答無駄時間Tdr(n)を小さくする方向に補正する(但し、Tdr(n)≧0)。これにより、数式モデルの応答性が速くすることで、実応答と数式モデルの応答とが一致するようになる。又は、前記車間距離偏差ゲインKLdr(n)や相対速度ゲインKVdr(n)を大きくして、数式モデルの応答性を速くして、実応答と数式モデルの応答とを一致させるようにする。
なお、前記ステップS4で得た総合指標INDEXttlに応じて応答無駄時間Tdr(n)やゲインKLdr(n),KVdr(n)を補正しても良い。
(5)図8の加算器24,25による演算
続いて、先頭車両の車両IDをpとすれば、前記目標車間距離及び相対速度演算部22で算出した車間距離LMDL及び相対速度VRMDL、並びに前記中間ドライバ応答演算部23で算出した車間距離Ldr(1)〜Ldr(p−1)及び相対車速VRdr(1)〜VRdr(p−1)を用いて、自車両ID0と自車両直前車両ID1との車間距離目標値Lcmdと相対速度目標値VRcmdを下記(26)式及び(27)式により算出する。
Figure 0004710529
(6)図8のフィードバック補償演算部26による演算
続いて、自車両ID0と自車両直前車両ID1との実車間距離L(1)と実相対速度{V(1)−V(0)}を、前記(26)式及び(27)式により算出した目標値Lcmd,VRcmdに応じた値にするため、下記(28)式を用いてフィードバック補償をする。
UFB=KL0・(L(1)−Lcmd)+KV0・((V(1)−V(0))−VRcmd) ・・・(28)
(7)図8の加算器27及び乗算器28による演算
そして、前記(19)式で算出したUFF及び前記(28)式で算出したUFBを用いて、制駆動力指令値FCMDを下記(29)式により算出する。
FCMD=(UFF+UFB)・M ・・・(29)
ここで、Mは自車両の車重である。
このようにして算出された制駆動力指令値FCMDは、先頭車両の車速(VL)に対する自車速(V(0))の応答が、所定の目標応答に応じたものとなるための制駆動力指令値になる。
なお、以上のステップS6の処理により、自車両前方の複数の車両からなる車群中の所定の車両(先頭車両)に対する自車両の走行応答特性を前記車群の状態に基づいて補正することで、自車両と前記車群において当該自車両の直前を走行する車両との距離が所定距離になるようにしている。
また、走行状態目標値演算部6において、前置補償演算部21は、所定の車両の車速から自車速までの応答特性を目標応答特性に一致させるための第1の制御指令信号を出力する第1制御指令信号出力手段を実現しており、目標車間距離及び相対速度演算部22は、所定の車両の車速に対して自車速が目標応答特性通りに応答する場合の、当該所定の車両と自車両との相対距離及び相対速度を算出する所定車両間相対位置関係算出手段を実現しており、中間ドライバ応答演算部23は、所定の車両と車群検出手段が検出した車群中の当該自車両の直前を走行する車両までの各車両間について、相対距離及び相対速度を算出する他車間相対位置関係算出手段を実現しており、加算器24,25は、所定車両間相対位置関係算出手段及び他車両間相対位置関係検出手段が算出した相対距離及び相対速度に基づいて、自車両と車群検出手段が検出した車群において当該自車両の直前を走行する車両との相対距離及び相対速度を算出する直前車両間相対位置関係算出手段を実現しており、フィードバック補償演算部26は、直前車両間相対位置関係算出手段が算出した相対距離及び相対速度を目標値として、当該目標値と実測の相対距離及び相対速度の値とに基づいて、第2の制御指令信号を出力する第2制御指令信号出力手段を実現している。
続いてステップS7において、前記ステップS6で算出した制駆動力指令値FCMDに基づいて制駆力制御を行う。具体的には、図1及び図8に示す制駆動力制御部7で、実際の制駆動力を前記ステップS6で算出した制駆動力指令値に応じた制駆力を実際に得るためのエンジントルク指令値Ter及びブレーキ液圧指令値Pbrを算出する。その算出は次のようになる。
先ず、前記ステップS6で算出した制駆動力指令値FCMDと駆動軸トルク指令値Twrとの関係は下記(30)式で示せる。
Twr=FCMD・Rw ・・・(30)
ここで、Rwはタイヤ半径である。
今、トルクコンバータのトルク増幅率をRtとし、変速機ギヤ比をRatとし、デファレンシャルギヤ比をRdefとすると、駆動軸トルクTw、エンジントルクTe及びブレーキによる制動トルクTbの関係は下記(31)式に示すようになる。
Tw=Rt・Rat・Rdef・Te−Tb ・・・(31)
ここで、前記(30)式により算出される駆動軸トルク指令値Twrに応じたエンジントルクTeは下記(32)式により算出できる。
Te=Twr/(Rt・Rat・Rdef) ・・・(32)
そして、この(32)式で算出したエンジントルクTeが予めテーブルマップ化されたエンジントルク(エンジンブレーキトルク)Te_IDLEよりも大きいか否かを判定する。
ここで、エンジントルクTe_IDLEは、スロットル開度がゼロ又はスロットルがアイドルポジションにある場合のエンジントルク(エンジンブレーキトルク)である。このエンジントルクTe_IDLEは、エンジン回転数の他、フューエルカットの有無等、エンジンの制御状態によって変化するが、概ねエンジン回転数が高くなるにつれて負の方に大きくなる。例えば、図9に示すように、エンジン回転数が高くなると、エンジントルクTe_IDLEは負の方に大きくなる。そして、この図9に示すようなマップを用意しておき、エンジン回転数に応じて、判定に用いるエジントルクTe_IDLEを選定する。
そして、駆動軸トルク指令値Twrに応じたエンジントルクTeがエンジントルクTe_IDLE以上であれば(Te≧Te_IDLE)、ブレーキを使わずにエンジントルクのみで、駆動軸トルク指令値Twr通りのトルクを実現する。また、エンジントルクTeがエンジンブレーキトルクTe_IDLE未満であれば(Te<Te_IDLE)、エンジンによって出力される駆動軸トルク(エンジンブレーキトルク)だけでは、所望のトルク(制動トルク)を得ることができないことから、駆動軸駆動軸トルク指令値Twrに一致させるためのブレーキ操作量(制動トルク指令値)を算出する。
すなわち、駆動軸トルク指令値Twrに応じたエンジントルクTeとエンジントルクTe_IDLEとの関係から、駆動軸駆動軸トルク指令値Twrを実現するエンジントルク指令値Terと制動トルク指令値Tbrとの分配制御則を下記(33)式〜(36)式のようにする。
(1)Te≧Te_IDLEのとき
Ter=Twr/(Rt・Rat・Rdef) ・・・(33)
Tbr=0 ・・・(34)
(2)Te<Te_IDLEのとき
Ter=Te_IDLE ・・・(35)
Tbr=Rt・Rat・Rdef・Te_IDLE−Twr ・・・(36)
また、このように算出した制動トルク指令値Tbrに基づく、ブレーキ液圧指令値Pbrは、下記(37)式に示すようになる。
Pbr=Tbr/(8・Ab・Rb・μb) ・・・(37)
ここで、Abはブレーキシリンダー面積であり、Rbはロータ有効半径であり、μbはパッド摩擦係数である。
そして、以上のように算出したエンジントルク指令値Terとブレーキ液圧指令値Pbrとをそれぞれ図示しないエンジンコントローラとブレーキ圧コントローラとに出力する。エンジンコントローラでは、エンジントルク指令値Terに応じてエンジン出力を制御し、ブレーキ圧コントローラでは、ブレーキ液圧指令値Pbrに応じてブレーキ液圧制御する。これにより、自車両には、前記制駆動力指令値FCMDに対応する実制駆動力が発生して、自車両は加減速するようになる。すなわち、先頭車両の車速(VL)に対する自車速(V(0))の応答が、所定の目標応答に応じたものとなるように、自車両は加減速する。
以上の一連の処理の概要は以下のようになる。
先ず、車車間通信機1により他車両走行情報及び自車両走行情報を検出し(前記ステップS1)、その検出した他車両走行情報や自車両走行情報に基づいて、前方車両抽出部2により自車線前方車両を抽出する(前記ステップS2)。続いて、その抽出した複数の自車線前方車両により構成される車群の特性を前方車両特性検出部3により検出し、その検出した特性に基づいて、加減速伝搬速さ算出部4により減速伝播の速さ度合いを示す総合指標INDEXttlを算出する(前記ステップS3及びステップS4)。続いて、算出した総合指標INDEXttlに基づいて、先頭車両切換え部4により、必要に応じて先頭車両を切り換える(前記ステップS5)。続いて、走行状態目標値演算部6が、切り換えた先頭車両の車速に対して自車両の車速の応答特性が目標応答特性となるようにししつも、その応答特性をその先頭車両と自車両との間の複数の自車線前方車両の走行特性に基づいて補正して、最終的に制駆動力指令値FCMDを得る(前記ステップS6)。そして、制駆動力制御部7が、制駆動力指令値FCMDを実現するエンジントルク指令値Terとブレーキ液圧指令値Pbrを算出して、その算出したエンジントルク指令値Terとブレーキ液圧指令値Pbrに基づいて車両の制駆動力を制御している(前記ステップS7)。これにより、先頭車両の車速(VL)に対する自車速(V(0))の応答が、所定の目標応答に応じたものとなるように、自車両は加減速する。
これにより、特に、総合指標INDEXttlが大きくなる場合、すなわち、減速伝播速さが速くなるほど、具体的には、車速平均値VAVRが小さくなるほど、又は自車線前方車両の台数NAVRが多くなるほど、又は平均車間時間THAVRが短くなるほど、又は大型車両の割合RTLVが低くなるほど、減速伝播時間TDMDLが短くなるほど、又はストップランプによる減速伝播時間TDSTLが短くなるほど、先頭車両の車両IDが大きくなる、すなわち、自車両に対して、より遠方の自車線先行車両が先頭車両として選択される。
一方、総合指標INDEXttlが小さくなる場合、すなわち、減速伝播速さが遅くなるほど、具体的には、車速平均値VAVRが大きくなるほど、又は自車線前方車両の台数NAVRが少なくなるほど、又は平均車間時間THAVRが長くなるほど、又は大型車両の割合RTLVが高くなるほど、減速伝播時間TDMDLが長くなるほど、又はストップランプによる減速伝播時間TDSTLが長くなるほど、先頭車両の車両IDが小さくなる、すなわち、自車両に対して、より近い自車線先行車両が先頭車両として選択される。
そして、そのように選択した先頭車両の車速(VL)に対する自車速(V(0))の応答が、所定の目標応答に応じたものとなるように、自車両を加減速制御している。すなわち、先頭車両に対する自車両の加減速制御は、車群内の減速伝播速さを加味した制御になっている。
次に前記第1の実施形態における効果を説明する。
前述のように、先頭車両に対して自車両を加減速制御する場合において、車群内の減速伝播速さに基づいて、先行車両を選択している(前記ステップS3〜ステップS5参照)。これにより、自車両と自車両直前車両との車間距離が不要に変動してしまい、運転者に違和感を与えてしまうのを防止できる。すなわち、車群内の減速伝播速さが速いと判断できるような場合には、自車両から遠くの自車線先行車両を先頭車両として選択することで、先頭車両が減速してから直前の車両が減速するまで時間的な余裕を稼ぐことができ、これにより、自車両と自車両直前車両との車間が狭くなってしまうのを防止できる。また、車群内の減速伝播速さが遅いと判断できるような場合には、自車両から近くの自車線先行車両を先頭車両として選択することで、先頭車両が減速してから直前の車両が減速するまでの時間を短くして、これにより、自車両と自車両直前車両との車間が広くなってしまうのを防止できる。
また、前述のように、現在の先頭車両の車速と切換え後の先頭車両(切換え予定の先頭車両)の車速との差分が所定のしきい値(第1の所定値)以下にあるときを先行車両の切り換えタイミングの条件にしている(前記ステップS5参照)。また、さらに加えて、又は単独で、現在の先頭車両の加減速度と切換え後の先頭車両の加減速度との差分が所定のしきい値(第2の所定値)以下にあるときを先行車両の切り換えタイミングの条件にしている(前記ステップS5参照)。これにより、先頭車両に対して自車両を加減速制御しているから、先頭車両の切換え時に自車両挙動(速度変動)が変化してしまうのを抑えることができる。
なお、前記第1の実施形態では、車群における減速の伝播速さや先頭車両が減速した場合に自車両も減速させる減速制御を主に説明した。しかし、これに限定されるものではない。すなわち、車群における加速の伝播速さや先頭車両が加速した場合に自車両も加速させる加速制御についても、本発明を適用できる。この場合、例えば、車群における加速の伝播速さに基づいて、先頭車両を選択するようにする。
また、前記第1の実施形態では、車速平均値VAVR等により、車群における減速の伝播速さを検出(総合指標を算出)している。しかし、これに限定されるものではない。すなわち、車群における減速の伝播速さを検出できるものであれば、車速平均値VAVR等以外の他の値であっても良い。例えば、車両の車間時間TH(n)をも考慮して、車群における減速の伝播速さを検出しても良い。
なお、前記第1の実施形態の説明において、車車間通信機1は、他の車両の走行状態を検出する車両走行状態検出手段を実現しており、前方車両抽出部2は、車両走行状態検出手段が検出した他の車両の走行状態に基づいて、自車両前方の複数の車両から構成される車群を検出する車群検出手段を実現しており、先頭車両切換え部5は、車群検出手段が検出した車群を構成する一の車両を所定の車両に設定する所定車両設定手段を実現しており、走行状態目標値演算部6は、所定車両設定手段が設定した所定の車両の車速に対して自車両の車速の目標応答特性を設定する目標応答特性設定手段及び目標応答特性設定手段が設定した目標応答特性になるように、自車両を走行制御する走行制御手段を実現しており、前方車両特性検出部3及び加減速伝搬速さ算出部4は、前記車群検出手段が検出した車群の状態を検出する車群状態検出手段を実現している。
そして、先頭車両切換え部5は、さらに、車群状態検出手段が検出した車群の状態に基づいて、目標応答特性を変更する目標応答特性変更手段を実現している。すなわち、先頭車両切換え部5は、車群状態検出手段が検出した車群の状態に基づいて所定の車両を変更することで、目標応答特性を変更する目標応答特性変更手段を実現している。
次に第2の実施形態を説明する。
前記第1の実施形態では、車群における減速伝播速さに基づいて、先頭車両を変更している。これに対して、第2の実施形態では、前記第1の実施形態においてステップS6で設定する目標応答パラメータωmv,ζmvを車群における減速伝播速さに基づいて変更している。
図10は、第2の実施形態において、その変更処理を実現する車両用車間距離制御装置の構成を示しており、前記第1の実施形態で用いた図1に対応するものである。この図10に示すように、第2の実施形態における車両用車間距離制御装置では、第1の実施形態における先頭車両切換え部5に換えて、目標応答パラメータ切換え部31を備えている。
また、図11は、第2の実施形態を実現するフローチャートを示しており、前記第1の実施形態で用いた図2に示す処理に対応するものである。この図11に示す処理では、前記図2に示すステップS5の先頭車両の選択処理に換えて、目標応答パラメータ切換え部31により目標応答パラメータωmv,ζmvを変更するステップS10の処理を設けている。
そのステップS10では、前処理のステップS4で加減速伝搬速さ算出部4が算出した総合指標INDEXttlに基づいて、前記目標応答パラメータωmv,ζmvを変更する。具体的には、総合指標INDEXttlが小さくなるほど、目標応答が遅くなる目標応答パラメータωmv,ζmvに変更し、総合指標INDEXttlが大きくなるほど、目標応答が速くなる目標応答パラメータωmv,ζmvに変更する。
例えば、図12に示す表(目標応答パラメータ設定用マップ)を予め用意しておき、この表を用いて、前記ステップS4で算出した総合指標INDEXttlに基づいて、目標応答パラメータωmv,ζmvを設定する。例えば、指標を決定する演算や自車線前方車両の台数等を基準として、走行実験やシミュレーションにより、自車両の挙動が最適になるようにこの表を設定する。
また、目標応答パラメータωmv,ζmvが徐々に変化するように(所定の変化率以下で変化するように)変化率リミッタを設定しても良い。なお、変化率リミッタ(パラメータ変化率)は、実験やシミュレーションによって適値にする。
このように第2の実施形態では、総合指標INDEXttlに基づいて、目標応答パラメータを設定している。具体的には、総合指標INDEXttlが大きい場合、すなわち、車群における減速伝播速さが速いと判断できるような場合、目標応答が早くなるような目標応答パラメータに設定し、総合指標INDEXttlが小さい場合、すなわち、減速伝播速さが遅いと判断できるような場合、目標応答が遅くなるような目標応答パラメータに設定している。
これにより、車群における減速伝播速さが速いと判断できるような場合には、先頭車両の減速に対して自車両直前車両の減速の応答も早くなるが、先頭車両の減速に対する自車両の減速の応答も早くなるから、自車両と自車両直前車両との車間が狭くなってしまうのを防止できる。また、車群内の減速伝播速さが遅いと判断できるような場合には、先頭車両の減速に対して自車両直前車両の減速の応答も遅くなるが、先頭車両の減速に対する自車両の減速の応答も遅くなるから、自車両と自車両直前車両との車間が広くなってしまうのを防止できる。
また、前述のように、変化率リミッタにより目標応答パラメータを徐々に変化させている。これにより、目標応答も徐々に変化し、自車両の走行制御もそれに応じたものになるので、車両の走行特性が急激に変化することで車両の乗り心地が悪くなってしまうのを防止できる。
なお、前記第2の実施形態の説明において、目標応答パラメータ切換え部31は、目標応答特性のパラメータを変更する目標応答特性変更手段を実現している。
次に第3の実施形態を説明する。
第3の実施形態では、車群を構成する自車線先行車両の減速度の大きさ及びその減速をした車両と所定の車両(現在の先頭車両)との位置関係に基づいて、当該減速をした車両を所定の車両(最新の先頭車両)に変更し、目標応答を変更している。
図13は、第3の実施形態における車両用車間距離制御装置の構成を示しており、前記第2の実施形態で用いた図10に対応するものである。この第3の実施形態における車両用車間距離制御装置では、前記図10に示す構成に加えて、前方車両減速時先頭車両切換え部32を新たに備えている。
また、図14は、第3の実施形態を実現するフローチャートを示しており、前記第1の実施形態で用いた図2に示す処理に対応するものである。この図14に示す処理では、ステップS10の目標応答パラメータ変更処理の後に、ステップS20として、前方車両減速時先頭車両切換え部32が行う前方車両減速時の先頭車切換えの処理を設けている。さらに、図15は、そのステップS20の判定処理の処理手順を示す。
先ずステップS21において、全ての自車線前方車両の加減速度を検出する。具体的には、車両IDnについて、下記(38)式により加減速度ACL(n)を算出する。
ACL(n)=Gacl(s)・V(n) ・・・(38)
但し、
Gacl(s)=Bacl(s)/Aacl(s)
Bacl(s)=ωacl・s
Aacl(s)=s+ωacl
ここで、ωaclは定数であり、1/ωaclが加速度検出時のフィルタの時定数Taclになる。
そして、全ての自車線前方車両について、前記(38)式により、加減速度ACLを算出し、その算出結果を、ACL(1),・・・,ACL(n),・・・として記憶する。
続いてステップS22において、全ての自車線前方車両について、車速に無駄時間Taclを付加(考慮)した車速(以下、無駄時間付車速という。)を算出する。
ここで、無駄時間付車速を図16を用いて説明する。この図16に示すように、自車線前方車両が減速した場合、同図中に実線で示すように、時間に応じて車速が減少する。これに対して、無駄時間Taclを付加した車速、すなわち速度変化に遅れがある車速は、同図中に破線で示すように、通常の場合(同図中に実線で示す実際の自車線前方車両の車速)よりも遅れて減少するようになる。
例えば、マイコンのサンプリングタイムをΔTとして、メモリに格納した(Tacl/ΔT)回だけ過去の自車線先行車両の車速を無駄時間付車速として得る。また、定数Kを用いて、(Tacl/ΔT−K)回目だけ過去の自車線先行車両の車速を無駄時間付車速として得る。このように、定数Kを用いることで、無駄時間付車速を得る無駄時間を可変にすることができる。また、定数Kを徐々に(Tacl/ΔT)に近づいていくことで、徐々に無駄時間がない自車線先行車両の車速、すなわち、より現在に近い自車線先行車両の車速を得ることができる。
そして、このような無駄時間付車速を、全ての自車線前方車両について算出し、その算出結果を、Vlag(1),・・・,Vlag(n)として記憶する。
続いてステップS23において、全ての自車線前方車両の中から、所定値(第3の所定値)以上の減速度で最初に減速を行う自車線前方車両を検出する。ここでは、明らかにその運転者がブレーキを踏んで減速を開始した自車線先行車両を検出するため、例えば、前記所定値を約0.1G又はそれ以上の値とすることで、運転者がブレーキを踏んで減速を開始した自車線先行車両を検出する。また、ストップランプ信号がON(SL(n)=1)になっていることを条件して加えることで、明らかに運転者がブレーキを踏んで減速を開始した自車線先行車両を検出するようにしても良い。
続いてステップS24において、前記ステップS23で検出した最初に減速した自車線前方車両(以下、減速車両という。)の車両ID(以下、減速車両IDという。)と、現在の先頭車両の車両ID(以下、現先頭車両IDという。)とを比較する。ここで、車両IDが一致する場合、すなわち、減速車両が現在の先頭車両の場合、ステップS25に進み、先頭車両を変更せず(切り換えず)、当該図15に示す処理を終了する。また、車両IDが一致しない場合、すなわち、減速車両と現在の先頭車両とが異なる場合、ステップS26に進む。
ステップS26では、減速車両IDが、現先頭車両ID未満か否かを判定する。すなわち、自車両からみて、減速車両が現在の先頭車両よりも近くにあるか否かを判定する。
ここで、減速車両IDが現先頭車両ID未満の場合(減速車両ID<現先頭車両ID)、すなわち、現在の先頭車両よりも減速車両の方が自車両に近い場合、ステップS27に進み、減速車両IDが現先頭車両IDよりも大きい場合(減速車両ID>現先頭車両ID)、すなわち、現在の先頭車両よりも減速車両の方が自車両から遠い場合、ステップS30に進む。
ステップS27では、減速車両の減速度が比較的大きな減速度か否か、すなわち例えば0.3G(第2の所定値)よりも大きいか否か、又は減速車両IDが1か否か、すなわち減速車両が自車両直前車両か否かを判定する。ここで、減速車両の減速度が比較的大きい減速度の場合、又は減速車両IDが1の場合、ステップS28に進み、減速車両の減速度が比較的大きい減速度でなく、減速車両IDが1でもない場合、ステップS29に進む。
ステップS28では、減速車両を先頭車両に設定する。そして、当該図15に示す処理を終了する。このステップS28では、例えば、図17(a)に示すように、減速車両の減速度が0.3Gよりも大きい場合(減速車両の減速度>0.3G)、当該減速車両が先頭車両に切り換わる。
ステップS29では、所定の条件に基づいて先頭車両を選択する。具体的には、減速車両の減速度が0.3G以下の場合、下記(1)又は(2)の条件に従い先頭車両を設定する。
(1)原則、減速車両の直後の自車線前方車両を先頭車両に設定する。図17(a)に示すように、減速車両の減速度が0.3G以下の場合(減速車両の減速度≦0.3G)、減速車両の直後の自車線前方車両が先頭車両に切り換わる。
(2)しかし、減速車両の無駄時間付車速と、減速車両の次の自車線前方車両の通常の車速(無駄時間付車速でない車速)とを比較し、早く所定の車速(第4の所定値)まで減速した方を先頭車両にする。ここで、減速車両の方が早く所定の車速まで減速したのであれば、当該減速車両を先頭車両にするとともに、その先頭車両の車速に当該減速車両の無駄時間付車速を設定する。
このように先頭車両を設定して、当該図15に示す処理を終了する。
ステップS30では、減速車両(自車両から現在の先頭車両よりも遠い車両)の減速度が比較的大きな減速度か否か、すなわち例えば減速車両の減速度が0.3G(第2の所定値)よりも大きいか否かを判定する。ここで、減速車両の減速度が比較的大きな減速度の場合、前記ステップS28に進み、当該減速車両(自車両から現在の先頭車両よりも遠い車両)を先頭車両に設定する。例えば、図17(b)に示すように、減速車両(自車両から現在の先頭車両よりも遠い車両)の減速度が0.3Gよりも大きい場合(減速車両の減速度>0.3G)、当該減速車両が先頭車両に切り換わる。また、減速車両の減速度が比較的大きな減速度でない場合、ステップS31に進み、先頭車両を変更せず、当該図15に示す処理を終了する。
このように第3の実施形態では、車群を構成する自車線先行車両の減速度の大きさ及びその減速をした車両と所定の車両(現在の先頭車両)との位置関係に基づいて、当該減速をした車両を所定の車両(最新の先頭車両)に変更し、目標応答を変更している。
具体的には、前述のように、減速車両の減速度が比較的大きな減速度、具体的には0.3Gよりも大きい場合(減速車両の減速度>0.3G)、当該減速車両と現在の先頭車両との位置関係(現在の先頭車両の前後)に関係なく、当該減速車両を先頭車両に切り換えている(前記ステップS26、ステップS27、ステップS30、ステップS28参照)。また、前述のように、減速車両の減速度が比較的小さい減速度、具体的には0.1Gよりも大きい場合において(0.3G≧減速車両の減速度>0.1G)、現在の先頭車両よりも当該減速車両の方が自車両に近い場合、原則として、当該減速車両の直後の自車線先行車両を先頭車両に切り換えている(前記ステップS26、ステップS27、ステップS29参照)。
これは、車群を構成する一の車両が減速した場合、その減速が車群において最初のものであれば、その減速車両以後の車両は、当該減速車両に応じて減速するようになる。このようなことから、先頭車両として減速車両又は当該減速車両の直後の車両を選択することで、そのような減速車両の減速及びそれに応じた車群の挙動に対応した目標応答により自車両が減速制御で減速できるようになるから、自車両と自車両直前車両との車間距離が大きく変化してしまうのを防止して、運転者に違和感を与えてしまうのを防止できる。
そして、減速車両の減速度が比較的小さい減速度の場合には、先頭車両として減速車両の直後の車両を選択することで、加速度検出のフィルタの時定数による影響を考慮した目標応答の切換えを実現している。
すなわち、車両の加減速度検出は、ほぼフィルタの時定数で検出できるので、車両の加減速度を検出した場合、当該車両の速度はフィルタの時定数に応じて既にある程度進んでいることから、例えば、当該車両が最初に減速した減速車両だからといって、そのまま当該車両を先頭車両に切り換えてしまうと、既にある程度減少している車速に対して自車両の車速を応答しまうことになり、自車両の車速が大きく変化してしまう。これでは、例えば、運転者に違和感を与えてしまう。一方、このようなシーンで減速車両の直後の車両は、当然減速車両よりも遅く減速を開始する。
このようなことから、減速車両の減速度が比較的小さい減速度の場合には、先頭車両として減速車両の直後の車両を選択することで、加速度検出のフィルタの時定数による影響を考慮して、先頭車両を減速車両の直後の車両に選択することで(切り換えることで)、先頭車両を減速車両に切り換えることで自車両の車速を大きく変化させてしまうことがないようにしている。
その一方で、減速車両の減速度が比較的大きい減速度の場合には、その減速車両による減速の影響が直ちに自車両に及ぶものと判断して、先頭車両として減速車両そのものを選択することで、減速車両の車速に合致させて、自車両の速度が応答するようにしている。
また、前述のように、減速車両の減速度が比較的小さい減速度の場合でも、減速車両が自車両直前車両の場合、自車両直前車両を先頭車両として選択している(前記ステップS27、ステップS28)。これは、減速車両が自車両直前車両であれば、自車両直前車両による減速の影響が直ちに自車両に及ぶから、先頭車両として減速車両そのものである自車両直前車両を選択することで、減速車両の車速に合致させて、自車両の速度が応答するようにしている。
また、前述のように、減速車両の無駄時間付車速と、減速車両の次の自車線前方車両の通常の車速(無駄時間付車速でない車速)とを比較し、早く所定の車速まで減速した方を先頭車両にしている(前記ステップS27、ステップS29)。
ここで、無駄時間付車速は、前述のように、現実の車速よりも遅れて減少する車速である(前記ステップS22参照)。
前述のように、車両の加減速度を検出しても、当該車両の速度はフィルタの時定数に応じて既にある程度進んでいる場合もあるが、先頭車両を最初に減速した減速車両に切り換える場合に、減速車両の無駄時間付車速を基準に、自車両の車速を応答させれば、自車両の車速が大きく変化しなくなる。また、減速車両の直後の車両を先頭車両とするよりも、減速車両そのものを先頭車両とした方が、例えば、制御が複雑にならないといった利点がある。一方、前述のように、無駄時間付車速の無駄時間を任意に設定するから、その無駄時間の設定の仕方によっては、不要に減速車両の車速の検出が遅れてしまう場合がある。このような場合でも、減速車両そのものを先頭車両にしてしまうと、先頭車両の車速に対して応答遅れが大きくなる等、適切に自車両を減速制御できなくなる。このようなことから、減速車両の無駄時間付車速と、減速車両の次の自車線前方車両の通常の車速(無駄時間付車速でない車速)とを比較し、早く所定の車速まで減速した方を先頭車両にすることで、減速車両の無駄時間付車速を基準に、自車両の減速制御を可能としつつも、無駄時間の設定が適切でないことなどにより、減速車両(先頭車両)の車速の検出が遅れてしまうのを防止している。
なお、前記第3の実施形態は、第2の実施形態を前提とした内容になっているが、減速伝播速さに基づいて先頭車両を選択する第1の実施形態と組み合わせても良く、また、第2の実施形態を前提とすることなく、第1の実施形態とだけ組み合わせても良い。
また、前記第3の実施形態の説明において、前方車両減速時先頭車両切換え部32は、前記車群検出手段が検出した車群中の前記所定の車両でない車両が減速した場合、その減速度の大きさ及びその減速をした車両と所定の車両との位置関係に基づいて、当該減速をした車両を所定の車両に変更し、目標応答特性を変更する目標応答特性変更手段を実現している。
本発明の第1の実施形態における車両用車間距離制御装置の構成を示すブロック図である。 前記第1の実施形態における車両用車間距離制御装置の処理手順を示すフローチャートである。 他の車両のXY座標位置をUV座標位置に変換する説明に使用した図である。 車間距離に基づく車両IDの再設定の説明に使用した図である。 車間距離応答の演算の説明に使用した図である。 減速伝播速さを示す指標を設定するためのテーブルである。 総合指標から先頭車両を選択するためのテーブルである。 走行状態目標値演算部の構成を示すブロック図である。 エンジン回転数とエンジントルクTe_IDLEとの関係を示す特性図である。 本発明の第2の実施形態における車両用車間距離制御装置の構成を示すブロック図である。 前記第2の実施形態における車両用車間距離制御装置の処理手順を示すフローチャートである。 総合指標から目標応答パラメータを設定するためのテーブルである。 本発明の第3の実施形態である車両用車間距離制御装置の構成を示すブロック図である。 前記第3の実施形態における車両用車間距離制御装置の処理手順を示すフローチャートである。 前記第3の実施形態における前方車両減速時先頭車両切換え部による前方車両減速時の先頭車切換えの処理の処理手順を示すフローチャートである。 無駄時間付車速の説明に使用した図である。 前記第3の実施形態における先頭車両の切換えの説明に使用した図である。
符号の説明
1 車車間通信機、2 前方車両抽出部、3 前方車両特性検出部、4 加減速伝搬速さ算出部、5 先頭車両切換え部、6 走行状態目標値演算部、7 制駆力制御部、31 目標応答パラメータ切換え部、32 前方車両減速時先頭車両切換え部

Claims (15)

  1. 他の車両の走行状態を検出する車両走行状態検出手段と、
    前記車両走行状態検出手段が検出した他の車両の走行状態に基づいて、自車両と同じ車線を走行している前方の複数の車両から構成される車群を検出する車群検出手段と、
    前記車群検出手段が検出した車群を構成する一の車両を所定の車両に設定する所定車両設定手段と、
    前記所定車両設定手段が設定した所定の車両の車速を入力とし自車両の車速を出力とした場合の応答特性の目標である目標応答特性を設定する目標応答特性設定手段と、
    前記目標応答特性設定手段が設定した目標応答特性になるように、自車両を走行制御する走行制御手段と、
    前記車群検出手段が検出した車群の状態として、前記車群検出手段が検出した車群における前方の車両から後方の車両への車速の加減速の伝播速さを検出する車群状態検出手段と、
    前記車群状態検出手段が検出した車群の状態に基づいて、前記目標応答特性を変更する目標応答特性変更手段と、
    を備えることを特徴とする走行制御装置。
  2. 前記目標応答特性変更手段は、前記車群状態検出手段が検出した車群の状態に基づいて前記所定の車両を変更することで、前記目標応答特性を変更することを特徴とする請求項1記載の走行制御装置。
  3. 前記目標応答特性変更手段による前記所定の車両の変更は、その変更前の所定の車両の速度とその変更後の所定の車両の速度との差分が第1の所定値以下の条件、及びその変更前の所定の車両の加減速度とその変更後の所定の車両の加減速度との差分が第2の所定値以下の条件の少なくとも一方の条件を満たす場合に行うことを特徴とする請求項2記載の走行制御装置。
  4. 前記目標応答特性変更手段は、前記車群状態検出手段が検出した前記加減速の伝播速さが速いほど、前記所定の車両を自車両から遠方の車両に変更することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の走行制御装置。
  5. 前記車群状態検出手段は、前記車群検出手段が検出した車群を構成する複数の車両の車速平均値、前記車群検出手段が検出した車群を構成する複数の車両のうち、自車両から所定距離内に存在する車両の数、前記車群検出手段が検出した車群を構成する複数の車両それぞれの間の車間時間及び当該車間時間の平均値、前記車群検出手段が検出した車群中の大型車両の数、前記所定の車両から自車両直前の車両までの速度の応答時間についての予測値と実測値との差分、並びに前記所定の車両の制動灯が点灯してから自車両直前の車両の制動灯が点灯するまでの時間のうちの少なくとも一つに基づいて、前記伝播速さを検出することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の走行制御装置。
  6. 前記目標応答特性変更手段は、前記目標応答特性のパラメータを変更することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の走行制御装置。
  7. 前記目標応答特性変更手段は、所定の変化率以下で前記パラメータを変更することを特徴とする請求項記載の走行制御装置。
  8. 前記目標応答特性変更手段は、前記伝播速さが速い場合、前記伝播速さが遅い場合のものよりも、前記目標応答特性が早くなるように、前記パラメータを変更すること特徴とする請求項又はに記載の走行制御装置。
  9. 前記目標応答特性変更手段は、前記車群検出手段が検出した車群中の前記所定の車両でない車両が減速した場合、その減速度の大きさ及びその減速をした車両と前記所定の車両との位置関係に基づいて、当該減速をした車両を前記所定の車両に変更し、前記目標応答特性を変更することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の走行制御装置。
  10. 前記目標応答特性変更手段は、前記車群検出手段が検出した車群中の前記所定の車両でない車両が最初に第2の所定値よりも大きい減速度で減速をした場合、当該車両を前記所定の車両に変更し、前記目標応答特性を変更することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の走行制御装置。
  11. 前記目標応答特性変更手段は、前記車群検出手段が検出した車群中の前記所定の車両でない車両が、最初に前記第2の所定値未満の第3の所定値以上、かつ前記第2の所定値以下の減速度で減速をし、かつ当該車両が自車両の直前の車両の場合、当該自車両の直前の車両を前記所定の車両に変更して、前記目標応答特性を変更することを特徴とする請求項1記載の走行制御装置。
  12. 前記目標応答特性変更手段は、前記車群検出手段が検出した車群を構成中の前記所定の車両でない車両が、最初に前記第2の所定値未満の第3の所定値以上、かつ前記第2の所定値以下の減速度で減速をし、かつ当該車両が前記所定の車両よりも自車両に近い車両の場合、当該自車両に近い車両の直後の車両を前記所定の車両に変更して、前記目標応答特性を変更することを特徴とする請求項10又は11に記載の走行制御装置。
  13. 前記自車両に近い車両の所定時間前の車速と、当該自車両に近い車両の直後の車両の車速とを比較し、前記直後の車両の車速の方が早く第4の所定値に達した場合、前記直後の車両を前記所定の車両に変更し、前記自車両に近い車両の車速の方が早く前記第4の所定値に達した場合、前記自車両に近い車両を前記所定の車両に変更し、かつ前記所定の車両の車速として、前記所定時間前の車速を設定することを特徴とすることを特徴とする請求項12記載の走行制御装置。
  14. 前記走行制御手段は、前記所定の車両の車速から自車速までの応答特性を前記目標応答特性に一致させるための第1の制御指令信号を出力する第1制御指令信号出力手段と、前記所定の車両の車速に対して自車速が前記目標応答特性通りに応答する場合の、当該所定の車両と自車両との相対距離及び相対速度を算出する所定車両間相対位置関係算出手段と、前記所定の車両と前記車群検出手段が検出した車群において自車両の直前を走行する車両までの各車両間について、相対距離及び相対速度を算出する他車間相対位置関係算出手段と、前記所定車両間相対位置関係算出手段及び他車両間相対位置関係検出手段が算出した相対距離及び相対速度に基づいて、自車両と前記車群検出手段が検出した車群中の当該自車両の直前を走行する車両との相対距離及び相対速度を算出する直前車両間相対位置関係算出手段と、前記直前車両間相対位置関係算出手段が算出した相対距離及び相対速度を目標値として、当該目標値と実測の相対距離及び相対速度の値とに基づいて、第2の制御指令信号を出力する第2制御指令信号出力手段と、を備え、前記第1及び第2制御指令信号出力手段が出力する第1及び第2制御指令信号に基づいて、自車両を走行制御することを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の走行制御装置。
  15. 前記目標応答特性変更手段は、前記所定車両間相対位置関係算出手段が算出する相対距離及び相対速度について、前記目標応答特性を変更することを特徴とする請求項14記載の走行制御装置。
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