JP5462273B2 - 船舶の貨物室で箱形コンテナに入れた建設機器を輸送するための方法および装置 - Google Patents

Description

発明の詳細な説明

［発明の分野］
本発明は、建設機器の輸送に関し、より具体的には、海洋船舶の貨物室で輸送するため、箱形貨物コンテナ内に建設機器を運転して乗り入れたり外に出したりすることを可能にするための方法および装置に関する。
［発明の背景］
製造業者から他の大陸の国々にいる顧客に建設機器を輸送する最も一般的な方法は、海洋船舶を利用することである。通常、バックホーローダや同様な機器は、船舶の貨物室内に乗り入れられ、可能な限り互いに近づけて、ただし積み降ろしや輸送の際に損傷が生じないように、配置される。場合によっては、１つ以上の機器を収納する、蓋無コンテナが用いられて、船舶の貨物室内に積み込まれる。

船舶による商品の輸送料は、重量あるいはその商品が占める船舶の貨物室の容積を基にしている。貨物室の容積は、その貨物室の床面積と全高によって決まる。バックホーローダや同様な機器の輸送に伴う問題点は、そうした機器が船舶の貨物室の床に沿って互いに極めて接近して配置され得る一方、機器上方の貨物室の容積が全て無駄な空間になることである。船舶の所有者は、通常、最大収益を生むことを前提に課金するため、建設機器の製造業者は、機器が床面のみに沿った空間を占めていたとしても、通常、機器の上方に位置する貨物室の全容積に基づいて支払いをしなければならない。

箱形貨物コンテナは、船舶の貨物室内の全容積を効率的に利用する手段として、これまで利用されてきた。この種のコンテナは、互いに積み重ねることができるため、建設機器のように積み重ねられない商品と比べて、貨物室の全容積に対しより多くの部分を満たす。建設機器を箱形貨物コンテナに入れて輸送すると都合がよいが、コンテナの寸法は、現行方式では、バックホーローダや同様な機器が、少なくともその機器の一部を分解しないとコンテナに収まらないようになっている。
［発明の概要］
本発明は、建設機器、特にバックホーローダが、箱形貨物コンテナの内部に入れられて、海洋船舶の貨物室で輸送されることを可能にする方法および装置を対象とする。

好適な本実施形態においては、１対の前部ローラおよび１対の後部ローラが、互いに溶接された第一プレートおよび第二プレートからそれぞれ形成されている。各プレートは、外側に延出するフランジを有し、一方のプレートのフランジが他方のプレートのフランジと反対方向を向いている。周方向に延びる外輪は２つのプレートのフランジに取り付けられており、外輪には、挿入部が固定される凹部が形成されている。

前部ローラおよび後部ローラは、バックホーローダを箱形貨物コンテナの内部に乗り入れたり箱形貨物コンテナの外に出したりすることができるような、そしてバックホーローダの全高寸法が減少するように一時的にバックホーローダの前輪および後輪それぞれの代わりをするような大きさになっている。以下において詳細に説明するように、本発明の方法は、１人の作業者だけで、特殊な器具を使わずに効率的なやり方で積み降ろし作業を行うことを可能にする。

海洋船舶でバックホーローダや同様な機器を輸送するために箱形貨物コンテナを利用すると、輸送コストを大幅に減少させることができる。箱形貨物コンテナは互いに積み重ねることができるため、上記のように、機器が船舶の貨物室内に乗り入れられるだけであって、床面上方の全空間が無駄になっている現行方式に比べて、本発明の方法および装置によって船舶の貨物室の容積をより多く利用することができる。

本発明の好適な本実施形態の構成、作用および効果は、添付の図面とともに以下の説明を考察すれば、さらに明らかになるであろう。

本発明のローラの斜視図である。 図１に示されたローラの一部の断面図である。 バックホーローダの側面図である。 バックホーローダのローダ及び後部スタビライザアームが延長位置にあることを除いて、図３と同様な図である。 前輪および後輪が取り外され、本発明のローラに付け替えられたことを示す、図４と同様な図である。 ローラを取り付けられたバックホーローダが、箱形貨物コンテナの内部に乗り入れられた図である。

［発明の詳細な説明］
図を参照して、前部ローダ１２、後部バックホー１４、運転台１６、フレーム１８、後部スタビライザアーム２０、前輪２２、および後輪２４を備えたバックホーローダ１０に特に関連して、本発明の方法及び装置が説明される。本発明は、図６に概略的に描かれているように、バックホーローダ１０を箱形貨物コンテナ２８の内部に乗り入れたり箱形貨物コンテナ２８の外に出したりすることができるよう、ローダ１０を調整する装置および方法を対象とする。装置が最初に説明され、続いて本発明の方法が論じられる。

図１、２および５において最もよく分かるように、本発明の装置は、２つの前部ローラ３０と２つの後部ローラ３２とを備えており、図においてはそれぞれのうち１つのみが示されている。各ローラ３０，３２が直径以外は同様な構造を有しているので、以下の解説が前部ローラ３０にも同様に適用されることは当然であるため、本文中では後部ローラ３２の詳細のみが説明されている。各後部ローラ３２は、第一プレート３４、第二プレート３６、外側リング３８および挿入部４０を備える。第一プレート３４および第二プレート３６は、ほぼ円形の形状を有し、実質的に互いに左右対称である。第一プレート３４は、中央部４２を備える。中央部４２は、中央孔４４と、該中央孔４４から外側に放射状に延び、該中央孔４４の周囲に周方向に間隔を空けて配置された多数のホイールスタッド孔４６とを有して形成されている。第一プレート３４の外側部分は、第一プレート３４の中央部４２に対してほぼ垂直な方向を向いたフランジ４８を形成するように曲げられている。第二プレート３６は、第一プレート３４と同様な構造を有している。第二プレート３６は、中央孔５２と、ホイールスタッド孔５４と、フランジ５６とを有する中央部５０を備える。第一プレート３４および第二プレート３６は、互いに相関して配置され、それぞれの中央部４２、５０は当接し、それぞれの中央孔４４、５２およびホイールスタッド孔４６、５４は一直線に並び、フランジ４８、５６は実質的に同一の平面内に互いに反対に配置されている。この状態で、第一プレート３４および第二プレート３６は、周方向に間隔を空けて配置された一連の溶接部５８などによって、互いに溶接されていることが好ましい。図２には溶接部５８のうちの１つが示されている。

外輪３８は、反対向きのフランジ４８、５６によって支えられており、反対向きの環状の段部６０および６２とともに形成されることが好ましい。フランジ４８の外端部６４は段部６０に当接し、フランジ５６の外端部６６は段部６２に当接する。段部６０、６２は、外輪３８とフランジ４８、５６とを接続するために、溶接部６８などによって溶接するための面を提供する。図２には溶接部６８のうちの２つが示されている。外輪３８はまた、挿入部４０が内部に取り付けられる、周方向の凹部７０を備えて形成されている。好適な本実施形態において、外輪３８の両側にある端部７２および７４は、それぞれテーパ部を有して形成されている。これにより、フライス盤（図示なし）は、外輪３８から干渉されずに挿入部４０の露出面７６に凸状の湾曲を形成することができる。図２を参照されたい。

第一プレート３４および第二プレート３６と、外輪３８とは、熱延鋼板あるいはその他の適切な材料で形成されることが好ましい。これらの要素３４、３６および３８の寸法は、現在市販されているバックホーローダ１０の重量を考慮して、安全率８以上をもたらすように選択される。挿入部４０は、採掘作業において使用されるタイプの頑丈なコンベアベルト、あるいは荷重をかけても限定的な圧縮を示すだけの同様なベルト状の構造物であることが好ましい。

本発明の方法は、図３〜６を参照して説明することもできる。バックホーローダ１０は、まず、後部スタビライザアーム２０が伸びて存在しているが、その後部スタビライザアーム２０が地面７６からは離れた状態で描かれている。図３を参照されたい。前部ローダ１２およびスタビライザアーム２０が、その後、両方とも図４に示すように伸びた結果、フレーム１８、前輪２２、および後輪２４が地面から持ち上げられる。本考察の目的上、本文中で用いられる「車輪」の語は、バックホーローダ１０のホイールとタイヤの両方に言及するものである。バックホーローダ１０が図４に示された位置にある状態で、作業者は、ホイールスタッド（図示なし）上で前輪２２および後輪２４を支持している車輪ラグ（図示なし）を緩めて、４つの全ての車輪２２、２４を取り外すことができる。

図５に関して、前輪２２が２つの本発明の前部ローラ３０に付け替えられ、後輪２４が２つの後部ローラ３２に付け替えられる。前述し、また図５に示されるように、前部ローラ３０は、バックホーローダ１０の前輪２２が後輪２４より小さいのと同様に直径がより小さいことを除いては、後部ローラと同様な構造を有している。前部ローラ３０および後部ローラ３２が所定の位置に置かれた後、ローダ１２およびスタビライザアーム２０を後退させることができ、これにより、バックホーローダ１０の重量が今度は前記ローラ３０、３２によって支えられる。ローラ３０、３２の直径は、バックホーローダ１０の全高、例えばフレーム１８の最下部から運転台１６の最上部までの寸法、が箱形貨物コンテナ２８の高さより低くなるように選択される。従って、コンテナ２８の上壁部あるいは底壁部に邪魔されることなく、バックホーローダ１０を箱形貨物コンテナ２８内に乗り入れることができる。挿入部４０は、バックホーローダ１０の重みを受けるが、何らかの限定的な圧迫を受けるだけであり、フレーム１８が地面や箱形コンテナ２８の底壁部と噛み合わないようにする。さらに、挿入部４０の凸状に湾曲した露出面７６は、バックホーローダ１０がコンテナ２８に運転して乗り入れられたり外に出されたりする際に、地面やコンテナ２８の底壁部に沿った前記ローラ３０、３２の回転により発生するせん断力による、裂けあるいはその他の損傷に耐える。必要に応じて、バックホーローダ１０の車輪２２、２４は、コンテナ２８内で隣接するバックホーローダ１０（図示なし）同士の間の部分に挿入して、その空間を埋め、車輪２２、２４を輸送する便利な手段を提供することができる。

貨物コンテナ２８を運ぶ船舶が目的地に着くと、上記の手順が単に逆になるだけである。各バックホーローダ１０は、コンテナ２８から運転して出すことができ、前記ローラ３０、３２は、上記のようにフレーム１８を持ち上げ、下ろすことによって車輪２２、２４に付け替えられる。本発明の方法によるバックホーローダ１０および同種の建設機器の輸送は、輸送船の貨物室の総容積を既存の輸送方法より効率的に利用する、積み重ね可能な箱形貨物コンテナ２８の使用を可能にすることにより、輸送費を大幅に低減させる。

本発明は好適な実施形態に関して説明されたが、当業者には当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、同等物により発明の構成要素を置き換えることができる。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況あるいは物質を発明の教示に適応させるために、多くの改良を行うことができる。従って、本発明は、本発明を実施するために熟慮された最良の形態として開示された特定の形態に限定されることを意図しているものではなく、本発明は、添付のクレームの範囲内に入るあらゆる形態を含むものである。

Claims (10)

1. 船舶により輸送されるタイプの箱形貨物コンテナ内に機器を積み込むことを可能にする装置であって、前記機器は少なくとも１つの前輪と、少なくとも２つの後輪と、該機器の最下部および最上部によって規定される高さ寸法とを有し、前記装置は、
   少なくとも１つの第一ローラと少なくとも２つの第二ローラとを備え、該第一ローラおよび第二ローラのそれぞれが、
   （ｉ）ほぼ円形の第一のプレートであって、中央部を有し、該中央部はその中央部の周囲としての外側に向かって伸びる第一のフランジを備え、該中央部が、中央孔と該中央孔の周囲に間隔を空けて周方向に配置された多数のホイールスタッド孔とを有して形成されている、第一のプレートを有することと、
   （ｉｉ）ほぼ円形の第二のプレートであって、中央部を有し、該中央部はその中央部の周囲としての外側に向かって伸びる第二のフランジを備え、該中央部が、中央孔と該中央孔の周囲に間隔を空けて周方向に配置された多数のホイールスタッド孔とを有して形成されている、第二のプレートを有することと、
   （ｉｉｉ）前記第一のプレートと第二のプレートは、前記中央孔および前記ホイールスタッド孔が一直線に並ぶように、ならびに、前記第一のプレートおよび第二のプレートの前記第一のフランジおよび第二のフランジが、それぞれ実質的に同一平面内に位置する
   ように、互いに接続されることと、
   （ｉｖ）円形の前記第一のプレートおよび第二のプレートの周囲に伸び、前記第一のフランジおよび第二のフランジに溶接により接続されている外輪であって、凹部を有して形成されている外輪を有することと、
   （ｖ）前記外輪の前記凹部内に接続され、地面に接する位置において該凹部から半径方向に外側に突出している挿入部を有することと、
   （ｖｉ）前記第一のプレートと第二のプレートとを互いに溶接する溶接部と、を具備し、
   前記機器を運転して箱形貨物コンテナ内に乗り入れたり箱形貨物コンテナの外に出したりする間、および船舶の貨物室内での輸送中に前記機器を箱形貨物コンテナ内に保管する間、前記少なくとも１つの第一ローラが、一時的に前記機器の前記少なくとも１つの前輪の代わりをするように構成され、前記少なくとも２つの第二ローラが、一時的に前記機器の前記少なくとも２つの後輪の代わりをするように構成されていることを特徴とする装置。
2. 前記少なくとも１つの第一ローラと前記少なくとも２つの第二ローラのそれぞれが、前記機器のフレームの最下部が前記箱形貨物コンテナの底壁部に触れずに通過し、前記機器のフレームの最上部が該箱形貨物コンテナの上壁部に触れずに通過しながら、前記機器を該箱形貨物コンテナ内に乗り入れることを可能にする直径を有することを特徴とする、請求項１に記載の装置。
3. 前記挿入部が凸状に湾曲した外表面を備えて形成されたことを特徴とする、請求項１又は請求項２に記載の装置。
4. 前記外輪が、互いに反対向きにテーパが形成された外縁部を有することを特徴とする、請求項１ないし請求項３の何れか１項に記載の装置。
5. 前記挿入部が、コンベアベルトから形成されていることを特徴とする、請求項１ないし請求項４の何れか１項に記載の装置。
6. 前記外輪が、互いに反対向きの段部を有して形成され、各段部が前記第一のフランジおよび第二のフランジの１つと接しており、前記外輪を前記第一のフランジおよび第二のフランジと接続するために、前記段部に沿って溶接部が配置されていることを特徴とする、請求項１ないし請求項５の何れか１項に記載の装置。
7. 前記少なくとも１つの第一ローラと少なくとも２つの第二ローラのそれぞれが直径を有し、前記少なくとも１つの第一ローラの前記直径が前記少なくとも２つの第二ローラの前記直径より小さいことを特徴とする、請求項１ないし請求項６の何れか１項に記載の装置。
8. 船舶の貨物室内において輸送用の箱形貨物コンテナにバックホーローダを入れてそのバックホーローダを輸送する方法であって、
   （ａ）地面に前記バックホーローダのスタビライザアームおよびローダを噛み合わせることと；
   （ｂ）フレームおよび車輪を地面から持ち上げるために、前記バックホーローダの前記スタビライザアームおよび前記ローダを延長することと；
   （ｃ）フレームが地面から持ち上げられた状態で、前記バックホーローダの前記前輪を取り外し、前記後輪を取り外すことと；
   （ｄ）一対の前部ローラおよび一対の後部ローラを準備することと；
   （ｅ）前記前輪の代わりに、前記前部ローラを前記バックホーローダに取り付け、前記後輪の代わりに、前記後部ローラを前記バックホーローダに取り付けることと；
   （ｆ）前記スタビライザアームおよび前記ローダを後退させて、前記前部ローラおよび後部ローラを地面に接するようにすることと；
   （ｇ）前記前部ローラおよび後部ローラに載った前記バックホーローダを運転して、船舶の貨物室内の輸送用の箱形貨物コンテナの内部に入れることと、を含む方法。
9. 請求項８に記載の方法であって、さらに
   （ｈ）前記バックホーローダを運転して箱形コンテナの外に出すことと；
   （ｉ）ステップ（ｂ）を繰り返すことと；
   （ｊ）前記バックホーローダから前記前部ローラおよび前記後部ローラを取り外すことと；
   （ｋ）前記前部ローラおよび後部ローラの代わりに、前記前輪および前記後輪を前記バックホーローダに取り付けることと、を含む方法。
10. 請求項９に記載の方法であって、
    ステップ（ｄ）が、第一フランジと反対向きの第二フランジを有する第二プレートに接続された、第一フランジを有する第一プレートと、前記反対向きの第一フランジおよび第二フランジに取り付けられた外輪と、前記外輪内に形成された凹部に、ステップ（ｆ）、（ｇ）および（ｈ）の間において地面と接するような位置で接続された挿入部と、をそれぞれ備えた、一対の前部ローラと一対の後部ローラを準備することを含む方法。

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