JP3565685B2 - ラグセグメントを備えたタイヤ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、装輪式建設車両のタイヤに係り、リムの外周に隣接して多数個並列に配設されるラグセグメントの係合構造を改良したラグセグメントを備えたタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の建設車両等で用いられるソリッドタイヤは、リムの外周にゴム(中実)を接着あるいはボルト締めしたものが用いられているが、パンクするおそれはなく、また、剛性が高いため作業現場で安定した作業ができるが、乗心地が悪いだけでなく高速走行するとゴム内部の温度が上昇し溶融する等の問題がある。
最近は、都市土木作業が増加して市街地の走行移動と作業現場での掘削作業が可能な装輪式建設車両が開発されている。この装輪式建設車両のタイヤは、パンクするおそれがない上に、剛性が高く作業時の安定性に優れ、しかも市街地での高速走行に耐え得るものにする必要がある。
【0003】
装輪式建設車両のタイヤの先行技術として、例えば、特表平5−507046号が出願されている。同出願内容を図18,図19により説明する。
負荷下で弾性的に変形するように構成された本体(本発明ではラグセグメントと言う。)61及び前記本体61上に設けられたトレッドを含み、前記トレッドは外周状に設けられ且つそれらの間に溝61bが画定される複数の隆起部61aを含んでおり、各隆起部61aは第1の中央部分61c並びにそれぞれ前記中央部分61cから本体61の一側に向って外側に延在する一対の側部分61dを含んでおり、前記側部分61dはV構造を画定し、また前記第1の中央部分61cは前記側部分61dの外縁より離間する向きにおいて前記V構造から隣接する前記隆起部61aのV構造に向って延在していることを特徴とする。また、本体61には開口(中空部)69が形成されている
図19に示す、本体61には、開口69の底面69aにボルト82の挿入孔69bが穿設されている。リム71には、本体61の孔69bに対向するボルト82の挿入孔71pが穿設されている。プレート91には、ボルト82の挿入孔91aが穿設されている。リム71のボルト挿入孔71pと、本体61のボルト挿入孔69bを位置決め後、プレート91を本体61の開口69から中へ挿入し、プレート91のボルト挿入孔91aと本体61のボルト挿入孔69bを位置決めする。次いで、1つの本体61に対して4本のボルト82を、本体61、プレート91およびリム71の位置決めされたボルト挿入孔91a,69b,71pに挿入してナット83で締着するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図18,図19に示す、本体61とリム71とをボルト82で締着する構成では以下の問題点がある。
(1) タイヤの組立作業時に、リム71に多数個の本体61をボルト82により締着するため、作業工数大となる。
(2) 本体61およびリム71にボルト挿入孔69b,71pを穿設しているので、長時間の稼働により、そのボルト孔から本体61およびリム71に亀裂が発生するという問題があり、リムの強度を増す必要がある。
(3) 本体61およびリム71を多数のボルト82で締着するため、タイヤの重量が大きくなるので、走行に必要な駆動力を増加する必要がある。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に着目し、リムの外周に隣接して多数個並列に配置されるラグセグメントの固定方法を改良して、リムと、ラグセグメントとを係合部により固定する構造にして、組立作業の容易化、タイヤの軽量化および耐久性を向上するラグセグメントを備えたタイヤを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用効果】
上記目的を達成するため、本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第1発明は、リムの外周に隣接して多数個並列に配置するラグセグメントを備えたタイヤにおいて、ラグセグメント21の長手方向の端面の少なくとも1部の凸部22が、リム11の凹部14に挿入されて係合せしめるように構成したものである。従来のラグセグメントを備えたタイヤでは、図19に示すように、リム71に本体61(ラグセグメント)をボルト82により締着するために多数のボルトが必要であり組立作業工数大等の問題があったが、
上記構成によれば、ラグセグメントの端面の凸部とリムの凹部とを係合せしめることにより、ラグセグメントをリムに固定することができるので、ボルト本数を大幅に減らすことができる。
この場合、車体内側に面した方にリムの凹部を配置するようにすれば、ボルト締め作業は行わなくても良いのでタイヤの組立作業は容易となるが、車体外側に面した方にリムの凹部を配置するようにしても良い。
したがって、タイヤの組立性が向上するとともに、リムにボルト挿入孔を設ける必要がないので製作コストも安価となる。
また、ボルト本数が大幅に減らすことができるのでタイヤを軽量化にすることができるので、無駄な駆動力を増加する必要がない。
さらに、ラグセグメントとリムに多数のボルト挿入孔を設ける必要がないので、ボルト挿入孔からの亀裂発生がなくなり耐久性が向上し、長時間の稼働にも耐えられるラグセグメントを備えたタイヤとすることができるので装輪式建設車両のタイヤに有用である。
【0007】
第2発明は、第1発明の構成において、ラグセグメントの長手方向の全幅L1 は、リムの全幅L2 より大きくしたものである。
上記構成によれば、第1発明の作用効果に加えて、図13に示すようにラグセグメント21Dが接地状態になっても、リム11Dの端部11i,15j、および平板状ロックプレート16dは路面に接触しないようにしてある。
したがって、公道を安全に走行することができる。
【0008】
第3発明は、第1発明の構成において、リム11,11Eの凹部はラグセグメント21,21Eの長手方向の端面に形成される凸部22,27dに対向し、かつ、リム11,11Eの一端側、および/あるいは他端側の端面に形成される係合溝部14,14cからなり、リム11,11Eの係合溝部14,14cとラグセグメント21,21Eの凸部22,27dとを係合せしめるように構成したものである。
上記構成によれば、リムの係合溝部14,14cとラグセグメント21,21Eの凸部22,27dとを係合することにより確実にラグセグメント21,21Eがリム11,11Eに固定することができる。
【0009】
第4発明は、第3発明の構成において、ラグセグメント21,21Aの長手方向の端面に形成される凸部22,22aと、この凸部22,22aが挿入されるリム11,11Aの係合溝部14,14aとが当接する面のいずれかがテーパ面12t,22tに形成されている構成としたものである。
上記構成によれば、リム11,11Aの係合溝部14,14a、あるいはラグセグメント21,21Aの凸部22,22aの製作誤差が生じても、ラグセグメントとリムとはテーパ面で確実に係合することができる。
したがって、ラグセグメント21,21Aがリム11,11Aに固定することができる。
【0010】
第5発明は、第4発明の構成において、リム11の係合溝部14と当接するラグセグメント21Bの長手方向の端面に形成される凸部22の面に数カ所のテーパ状の突起部22hを形成した構成としたものである。
上記構成によれば、リム11の係合溝部14の製作誤差が生じても、ラグセグメントとリムとはテーパ状の突起部22hで確実に係合することができる。
したがって、ラグセグメント21Bがリム11に固定することができる。
【0011】
第6発明は、リムの外周に隣接して多数個並列に配置するラグセグメントを備えたタイヤにおいて、長手方向の両端面に形成されるラグセグメント21Dの凸部22c,23cと、ラグセグメント21Dの端面の凸部22cに対向して形成される断面がコ字状のリムの係合溝部14とからなり、リムの係合溝部14とラグセグメント21Dの凸部22cとを係合せしめるように構成したものである。
上記構成によれば、リムの端面に設けられるコ字状の係合溝14により、ラグセグメント21Dの凸部22cが確実に保持される。
この場合、車体内側に面した方にリムの係合溝部を配置するようにすれば、ボルト締め作業は行わなくても良いのでタイヤの組立作業は容易となる。これとは逆に、車体外側に面した方にリムの係合溝部を配置するようにしても良い。
したがって、長時間の稼働にも耐えられるラグセグメントを備えたタイヤとすることができるので装輪式建設車両のタイヤに有用である。
【0012】
第7発明は、第6発明の構成において、リム11の他方の端面13aをL字状に形成し、リム11に挿入されるラグセグメント21Aの他方の凸部23aを、リムのL字形状と、断面が平板状、L字状、あるいはコ字状のいずれかのロックプレート16b,16c,16d,16eで係止する構成としたものである。
上記構成によれば、第6発明の作用効果に加えて、リム11の他方の端面とラグセグメント21Aの凸部23aが確実に係止することができる。
したがって、ラグセグメント21Aがリム11に固定することができる。
【0013】
第8発明は、リムの外周に隣接して多数個並列に配置するラグセグメントを備えたタイヤにおいて、リム11Fの両端面12d,12dをL字状に形成し、リム11Fに挿入されるラグセグメント21Eの両端面に形成される凸部27d,27dを、リムのL字形状と、断面が平板状、L字状、あるいはコ字状のいずれかのロックプレート16b,16c,16d,16eで係止する構成としたものである。
上記構成によれば、ラグセグメントの端面の凸部27d,27dとリム11FのL字形状の両端面12d,12dとを係止せしめることにより、ラグセグメント21Eをリム11Fに固定することができるので、ボルト本数を大幅に減らすことができる。
したがって、タイヤの組立性が向上するとともに、リムにボルト挿入孔を設ける必要がないので製作コストも安価となる。
また、ボルト本数が大幅に減らすことができるのでタイヤを軽量化にすることができるので、無駄な駆動力を増加する必要がない。
さらに、ラグセグメントとリムに多数のボルト挿入孔を設ける必要がないので、ボルト挿入孔からの亀裂発生がなくなり耐久性が向上し、長時間の稼働にも耐えられるラグセグメントを備えたタイヤとすることができるので装輪式建設車両のタイヤに有用である。
【0014】
第9発明は、リムの外周に隣接して多数個並列に配置するラグセグメントを備えたタイヤにおいて、長手方向の両端面に凸部27d,27dを形成し、かつ、リム11Gの外周上に2列に配置されるラグセグメント21F,21Fと、2列に配置されるラグセグメント21F,21F間に挿入されて、両ラグセグメント21F,21Fの凸部27d,27dを係止する断面がT字状、あるいは平板状で円筒形のリング30,31とを備えた構成としたものである。
上記構成によれば、2つのラグセグメント21F,21Fを、リムの外周上に2列に配設することにより、ダブルタイヤとして用いることができる。
したがって、タイヤの組立性が向上するとともに、リムにボルト挿入孔を設ける必要がないので製作コストも安価となる。
また、ボルト本数が大幅に減らすことができるのでタイヤを軽量化にすることができるので、無駄な駆動力を増加する必要がない。
さらに、ラグセグメントとリムに多数のボルト挿入孔を設ける必要がないので、ボルト挿入孔からの亀裂発生がなくなり耐久性が向上し、長時間の稼働にも耐えられるラグセグメントを備えたタイヤとすることができるので装輪式建設車両のダブルタイヤに有用である。
【0015】
第10発明は、第9発明の構成において、リムの一方の端面、あるいは両方の端面はラグセグメントの一端側の凸部が挿入されるコ字状に形成される係合溝部14,14a,14cと、リムの他方の端面、あるいは両方の端面はラグセグメントの他端側の凸部が係止されるL字状の係止部12d,13aに形成されるとともに、リムの他方の端面に挿入されるラグセグメントの外側端面に形成される凸部を、リムのL字状の係止部に係止する断面が平板状、L字状、あるいはコ字状で円筒形のいずれかのロックプレート16b,16c,16d,16eを組合わせた構成としたものである。
上記構成によれば、第9発明の作用効果に加えて、リムの一方の端面、あるいは両方の端面はラグセグメントの一端側の凸部が挿入されるコ字状に形成される係合溝部14,14a,14cと係合する、あるいは、ラグセグメントの凸部とリムのL字状の係止部を、平板状、L字状、あるいはコ字状で円筒形のいずれかのロックプレートにより係止するようにしたので、確実に2つのラグセグメントとリムとを固定することができる。
【0016】
第11発明は、リムの外周に隣接して多数個並列に配置するラグセグメントを備えたタイヤにおいて、長手方向の両端面に凸部22b,23bを形成されるラグセグメント21Bと、断面がコ字状で円筒形の係合溝部11d、係合溝部11dと一体的に固設される円筒形の外周部11b、および円筒形の外周部11bと固着する円板部11aからなる第1円板部11Bと、第1円板部11Bの係合溝部11dと反対側の円筒形の外周部11bの端面に当接するL字状の係止部11f、L字状の係止部11fと一体的に固設される円板部11eからなる第2円板部11Cとからなるリムを有し、ラグセグメント21Bの一端側の凸部22bを係合溝部11dに挿入するとともに、ラグセグメント21Bの他端側の凸部23bをL字状の係止部11fに挿入し、かつ、第1円板部11Bと第2円板部11Cとをボルト18により共締めすることにより、ラグセグメント21Bをリムに固定せしめる構成としたものである。
上記構成によれば、ラグセグメント21Bを第1円板部11Bの円筒形の外周部11bに配置して、第1円板部11Bと第2円板部11Cとをボルト18により共締めする簡単な構成により、ラグセグメント21Bをリムに固定することができる。
したがって、タイヤの組立性が向上するとともに、リムにボルト挿入孔を設ける必要がないので製作コストも安価となる。
また、ボルト本数が大幅に減らすことができるのでタイヤを軽量化にすることができるので、無駄な駆動力を増加する必要がない。
さらに、ラグセグメントとリムに多数のボルト挿入孔を設ける必要がないので、ボルト挿入孔からの亀裂発生がなくなり耐久性が向上し、長時間の稼働にも耐えられるラグセグメントを備えたタイヤとすることができるので装輪式建設車両のタイヤに有用である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤについて図1乃至図17により説明する。
先ず、図1に示す装輪式建設車両5は、タイヤ20を回転自在に配設する下部走行体1、運転室3を載置する上部旋回体2およびブーム、アームおよびバケットからなる作業機4を装備している。
図2,図2のZ視図の図3,図3のY視図の図4,図4のA−A断面図の図5は、本発明のラグセグメントを備えたタイヤの概略説明図を示しており、詳しくは図6乃至図17により説明する。
図2に示すように、油圧モータ等の駆動装置10はリム11,11に連結している。このリム11,11と、ゴム等の弾性体で形成されるラグセグメント21とは、詳しくは後述する第1実施例〜第10実施例に示す、ラグセグメントの端面に形成される凸部とリムの端面に形成される凹部により係合しラグセグメントをリムに固定するように構成したものである。
以下の実施例の説明では、リムの端面に形成される凹部を係合溝部として説明する。本発明は、シングルタイヤ及びダブルタイヤとして用いることができる。
また、以下の実施例の組合わせにより、装輪式建設車両の大きさや作業現場の使い方によって適したラグセグメントを備えたタイヤとすることは可能である。
本発明の主たる目的とするところは、ラグセグメントとリムとを直接ボルトにより固定することを廃止して、ラグセグメントの端面に形成される凸部とリムの端面に形成される凹部とを係合、あるいは係止する構造としたので、ボルト本数が大幅に減らすことができ、しかもタイヤの製作も容易となるとともに、耐久性を向上させることにある。
図2はダブルタイヤの構造を示しているが、シングルタイヤであっても良い。
図3,図4に示すように、リム11の外周にV型に形成された多数のラグセグメント21,21が所定の間隔で配設されている。
図3,図5に示すように、ラグセグメント21は中空部21bを設けている。
この中空部21bを略U字形状、あるいは、略コ字形状にする突起部21cを設けている。タイヤ20は、ラグセグメント21に中空部21bを形成していることにより高速走行しても乗心地が良好となっている。
【0018】
本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第1実施例について、図1乃至図5を参照して、図6(a),および図6(a)のX視図の図6(b)により説明する。
図3に示すように、リム11の外周にラグセグメント21を隣接して多数個並列に配置している。
ラグセグメント21は、長手方向の端面に第1凸部22、及び第2凸部23が形成されている。リム11の車体内側に面した端面には、ラグセグメント21の第1凸部22に対向して、第1凸部22を係合する凹部14(以下、コ字状の係合溝部14と言う。)が一体的に形成されている。
リム11の車体外側に面した端面には、ラグセグメント21の第2凸部23に対向して、第2凸部23の端面が当接するL字状の係止部13が一体的に形成されている。これらのコ字状の係合溝部14、およびL字状の係止部13は、リム11の内外側端部の全周にわたって形成されている。
このように構成されたラグセグメント21は、第1凸部22をリム11の係合溝部14に挿入した後、第2凸部23を係止部13に当接させる。
次いで、L字状のロックプレート16aは、ラグセグメントの第2凸部23の上面とリム11の係止部13の端面とを被って、同係止部13とボルト17により取着される。
これにより、ラグセグメント21は、第1凸部22がリム11の係合溝部14に係合するとともに、第2凸部23がリム11の係止部13及びL字状のロックプレート16aにより係止して、リム11に固定される。
【0019】
このような第1実施例によれば、図19に示す従来のラグセグメント61は、4本のボルト82によりリム71に締着していたものに対して、ラグセグメント21の第2凸部23を、リム11の係止部13に当接させて、L字状のロックプレート16aで被ってボルトにより係止する構造としたので、従来の構造に比してボルト本数を減らすことができる。
また、図19に示す従来のラグセグメント61は、開口69内にボルト82を挿入してリム71に締着する必要があるので作業工数大となっていたが、本発明のラグセグメント21の外側で、リム11との組立作業が容易に行うことができる。さらに、図19に示す従来のリム71には、外周上に多数のボルト挿入孔71pを設ける必要があり、リムの強度を増す必要があったが、本発明のリム11は、係止部13にボルト挿入孔を設けるだけで良い。これにより、リム11の耐久性が向上する。また、リム11を薄くできるので軽量にできる。
【0020】
以下、図7乃至図11は、図6(a)のP部、及びQ部を拡大して説明する他の実施例である。
第2実施例のラグセグメントを備えたタイヤは図7のP部詳細図(a)に示すように、ラグセグメント21Aは、長手方向の端面に凸部22aが形成されている。このラグセグメント21Aの凸部22aの上面にはテーパ面22tが形成されている。
リム11には、ラグセグメント21Aの凸部22aに対向して、凸部22aを係合するコ字状の係合溝部14が一体的に形成されている。
図7では車体内側に面した、ラグセグメント21Aの一方の凸部22aとリム11の一方のコ字状の係合溝部14との係合構造を示している。
図7では省略してある反対側のラグセグメント21Aの他方の凸部とリム11の他方の係止部との係止構造は、詳しくは後述する図10に示すように、車体外側に面した、リム11の端面13aはL字状に形成されている。
このリム11のL字状の端面13aと、ラグセグメントの他方の凸部23aとを断面が平板状で円筒形のロックプレート16bを用いてボルト17により締着して係止する構造としても良い。このラグセグメントの他方の凸部23aの上面にはテーパ面22tが形成されている。
また、図11に示すように、車体外側に面した、リム11の端面13aはL字状に形成されている。このリム11のL字状の端面13aと、ラグセグメントの他方の凸部23aとをコ字状のロックプレート16cを用いてボルト17により締着して係止する構造としても良い。このラグセグメントの他方の凸部23aの上面にはテーパ面22tが形成されている。
このような第2実施例によれば、リム11の係合溝部14、あるいはラグセグメント21の製作誤差が生じても、リムの係合溝部14とラグセグメント21Aの凸部22aとはテーパ面22tにより、確実に係合することができるので、ラグセグメント21はリム11に固定することができる。
【0021】
第3実施例のラグセグメントを備えたタイヤは図8のP部詳細図(b)に示すように、ラグセグメント21は、長手方向の端面に凸部22が形成されている。
リム11Aには、ラグセグメント21の凸部22に対向して、凸部22を係合するコ字状の係合溝部14aが一体的に形成されている。
この係合溝部14aの上部の内面にはテーパ面12tが形成されている。
図8では車体内側に面した、ラグセグメント21の一方の凸部22とリム11の一方のコ字状の係合溝部14aとの係合構造を示している。
図8では省略してある車体外側に面したラグセグメントの他方の凸部とリムの他方の係止部との係止構造は、前述の図6(a)のQ部に示す係止構造と同一のものでも良い。また、リムの両端面を係合溝部14aに形成するようにしても良い。
このような第3実施例によれば、ラグセグメント21、あるいはリム11Aの係合溝部14aの製作誤差が生じても、ラグセグメント21の凸部22とリムの係合溝部14aとは、テーパ面12tにより、確実に係合することができるので、ラグセグメント21はリム11に固定することができる。
【0022】
第4実施例のラグセグメントを備えたタイヤは図9(a)のP部詳細図(c)、及び図9(a)のB−B断面図の図9(b)に示すように、ラグセグメント21Bは、長手方向の端面に凸部22が形成されている。このラグセグメント21Bの凸部22の上面には、テーパを有する突起部22hが数カ所形成されている。リム11には、ラグセグメント21Bの凸部22に対向して、凸部22を係合するコ字状の係合溝部14が一体的に形成されている。
図9では車体内側に面した、ラグセグメント21Bの一方の凸部22とリム11の一方のコ字状の係合溝部14との係合構造を示している。
図9では省略してある車体外側に面したラグセグメント21Bの他方の凸部も同様にテーパを有する突起部22hが数カ所形成されている。この他方の凸部とリム11の他方の係止部との係止構造は、後述する図10,図11に示す係止構造と同一のもので良い。
このような第4実施例によれば、リム11の係合溝部14の製作誤差が生じても、ラグセグメントとリムとはテーパ状の突起部22hで確実に係合することができるので、ラグセグメント21Bはリム11に固定することができる。
【0023】
第5実施例のラグセグメントを備えたタイヤは図10のQ部詳細図(a)に示すように、ラグセグメント21Aは、長手方向の端面に凸部23aが形成されている。このラグセグメント21Aの凸部23aの上面にはテーパ面22tが形成されている。この凸部23aの上面は図ではテーパ面22tを形成しているが、平面であっても良い。
リム11の端面には、ラグセグメント21Aの凸部23aに対向して、凸部23aを係止するL字状の係止部13aが一体的に形成されている。
このように構成したラグセグメント21Aの凸部23aとリム11の係止部13aとを当接させて、断面が平板状で円筒形のロックプレート16bを用いてボルト17により締着して係止するようになっている。
図10では車体外側に面した、ラグセグメント21Aの凸部23aとリム11の係止部13aとの係止構造を示している。
図10では省略してある車体内側に面したラグセグメント21Aの他方の凸部とリム11とは、前述の図7、あるいは図8に示す係合構造としても良い。
このような第5実施例によれば、リム11のL字状の係止部13aとラグセグメント21Aの凸部23aとが確実に係止することができるので、ラグセグメント21Aはリム11に固定することができる。
【0024】
第6実施例のラグセグメントを備えたタイヤは図11のQ部詳細図(b)に示すように、ラグセグメント21Aは、長手方向の端面に凸部23aが形成されている。このラグセグメント21Aの凸部23aの上面にはテーパ面22tが形成されている。この凸部23aの上面は図ではテーパ面22tを形成しているが、平面であっても良い。
リム11の端面には、ラグセグメント21Aの凸部23aに対向して、凸部23aを係止するL字状の係止部13aが一体的に形成されている。
このように構成したラグセグメント21Aの凸部23aとリム11の係止部13aとを当接させて、断面がコ字状で円筒形のロックプレート16cを用いてボルト17により締着して係止するようになっている。
図11では車体外側に面した、ラグセグメント21Aの凸部23aとリム11の係止部13aとの係止構造を示している。
図11では省略してある車体内側に面したラグセグメント21Aの他方の凸部とリム11とは、前述の図7、あるいは図8に示す係合構造としても良い。
このような第6実施例によれば、リム11のL字状の係止部13aとラグセグメント21Aの凸部23aとが確実に係止することができるので、ラグセグメント21Aはリム11に固定することができる。
【0025】
次に、本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第7実施例を図3を参照して、図12により説明する。
図3に示すように、リムの外周にラグセグメントを隣接して多数個並列に配置している。
ラグセグメント21Bは、長手方向の両端面に、車体内側に突出する凸部22b,および車体外側に突出する凸部23bを形成している。リムは第1円板部11Bと第2円板部11Cとからなっている。
第1円板部11Bは、ラグセグメント21の凸部22bが挿入される断面がコ字状で円筒形の係合溝部11dと、この係合溝部11dと一体的に固設され、かつ、ラグセグメント21Bを載置する円筒形の外周部11bと、この円筒形の外周部11bと固着する円板部11aとからなっている。
第2円板部11Cは、第1円板部11Bの係合溝部11dと反対側の円筒形の外周部11bの端面に当接するL字状の係止部11fと、このL字状の係止部11fと一体的に固設される円板部11eとからなっている。
このように構成されたラグセグメント21Bの一端側の凸部22bをリムの係合溝部11dに挿入するとともに、ラグセグメント21Bの他端側の凸部23bをL字状の係止部11fに挿入した後、第1円板部11Bと第2円板部11Cとを駆動装置10にボルト18により共締めするようにしてある。
このような第7実施例によれば、ラグセグメント21Bを第1円板部11Bの円筒形の外周部11bに配置して、第1円板部11Bと第2円板部11Cとをボルト18により共締めする簡単な構成により、ラグセグメント21Bをリムに固定することができる。
これにより、タイヤの組立性が向上するとともに、リムにボルト挿入孔を設ける必要がないので製作コストも安価となる。
また、ボルト本数が大幅に減らすことができるのでタイヤを軽量化にすることができるので、無駄な駆動力を増加する必要がない。
さらに、ラグセグメントとリムに多数のボルト挿入孔を設ける必要がないので、ボルト挿入孔からの亀裂発生がなくなり耐久性が向上し、長時間の稼働にも耐えられるラグセグメントを備えたタイヤとすることができるので装輪式建設車両のタイヤに有用である。
【0026】
本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第8実施例を図3を参照して、図13により説明する。
図3に示すように、リムの外周にラグセグメントを隣接して多数個並列に配置している。
ラグセグメント21Dは、上面21hから延在して車体内側に面する端面21iと、この端面21iから延在する凹部25cと、この凹部25cから延在するとともに、車体内側に面して突出する凸部22cとを形成している。
また、ラグセグメント21Dは、上面21hから延在して車体外側に面する端面21jと、この端面21jから延在する凹部26cと、この凹部26cから延在するとともに、車体外側に面して突出する凸部23cとを形成している。
このように、ラグセグメント21Dは所謂キノコ型に形成されている。
ラグセグメント21Dは、図3に示すように中空部21bを略U字形状、あるいは、略コ字形状にする突起部21cを設けているが、図では省略してある。
【0027】
リム11Dは、ラグセグメント21Dの凸部22cに対向し、凸部22cに係合する係合部11i及び凸部22cが挿入される係合溝部14が一体的に形成されている。
また、リム11Dは、ラグセグメント21Dの凸部23cに対向し、凸部23cの端面が当接するL字状の係止部15jが一体的に形成されている。
これらの係合溝部14及び係止部15jはリム11Dの内外側端部の全周にわたって形成されている。
このように構成されたラグセグメント21Dは、凸部22cをリム11Dの係合溝部14に挿入した後、凸部23cを係止部15jに対向して配置させる。
次いで、断面が平面状で円筒形のロックプレート16dは、ラグセグメントの凸部23cの上面とリム11Dの係止部15jの上面とを被って、同係止部15jとボルト17により取着される。
これにより、ラグセグメント21Dは、凸部22cがリム11Dの係合溝部14に係合するとともに、凸部23cがリム11Dの係止部15j及び断面が平面状で円筒形のロックプレート16dにより係止して、リム11Dに固定される。
【0028】
ラグセグメントの凸部22cの上面にはテーパ面22eが形成されている。また、凸部23cの上面にはテーパ面23eが形成されている。
このように両凸部22c,23cの上面にテーパ面が形成されているので、ラグセグメント21Dの凸部22c,23cと係合溝部14及び係止部15jとの製作誤差が生じても、凸部22cのテーパ面22eと係合溝部14とが確実に係合、及び凸部23cのテーパ面23eと係止部15j及び断面が平面状で円筒形のロックプレート16dとは確実に係止される。
ラグセグメント21Dの端面21iから端面21jまでのラグセグメントの全幅寸法L1 である。リム11Dの係合部11iの端面から係止部15jの端面までのリムの全幅寸法L2 である。
このような第8実施例によれば、ラグセグメント21Dの長手方向の全幅L1 寸法と、リム11Dの全幅L2 寸法との関係は、L1 >L2 である。
このため、ラグセグメント21Dが接地状態でリム11Dの係合部11i及び係止部15jが接触して路面を損傷させることはない。
【0029】
次に、本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第9実施例を図14により説明する。ラグセグメント21Eの車体内側に突出する凸部27dの上面と下面にテーパ27eを形成している。
ラグセグメント21Eは、上面21hから延在して車体内側に面する端面21iと、この端面21iから延在する凹部25dと、この凹部25dから延在するとともに、車体内側に面して突出し、かつ、上面と下面にテーパ27eを形成する凸部27dを有している。図14ではラグセグメント21Dの車体内側に面した左半分を示しており、車体外側に面する右半分は、詳しくは後述する図15と同一構成であり、省略している。
リム11Eは、ラグセグメント21Eの凸部27dに対向し、凸部27dの端面が当接する係合溝部14cが一体的に形成されている。
この係合溝部14はリム11Eの内側端部の全周にわたって形成されている。
これにより、ラグセグメント21Eは、凸部27dがリム11Eの係合溝部14cに係合しリム11Eに固定される。
このような第9実施例によれば、リム11Eの係合溝部14cの製作誤差が生じても、ラグセグメント21Eの凸部27dのテーパ面27eと係合溝部14cとが確実に係合して、ラグセグメント21EがL〕11Eに固定することができる。
【0030】
本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第10実施例を図3を参照して、図15により説明する。図3に示すように、リムの外周にラグセグメントを隣接して多数個並列に配置している。
ラグセグメント21Eは、上面21hから延在して車体内側に面する端面21iと、この端面21iから延在する凹部25dと、この凹部25dから延在するとともに、車体内側に面して突出し、かつ、上面と下面にテーパ27eを形成する凸部27dと、この凸部27dから延在する端面21kとを有している。
また、ラグセグメント21Dは、車体外側に面する方も上記と同一形状を有しており、同一符号を付した部分の説明は省略する。
【0031】
リム11Fは、ラグセグメント21Eの車体内側と車体外側に面して突出する凸部27d,27d及び端面21k,21kを係止するL字状の係止部12d,12dが一体的に形成されている。
このように構成されたラグセグメント21Eは、車体内外側の凸部27d,27dを、リム11Dの係止部12d,12に係止するように配置する。
次いで、車体内外側からラグセグメント21Eとリム11Fとを固定するために用いるL字状のロックプレート16e,16eは、ラグセグメント21Eの凸部27d,27dの上面に形成されるテーパ面27e,27eとリム11Fの係止部12d,12dを被って、同係止部12d,12dとボルト17,17により取着される。
このような第9実施例によれば、リム11Fの係止部12d,12dの高さ寸法の製作誤差が生じても、凸部27d,27dのテーパ面27e,27eと係止部12d,12dとが確実に係止して、ラグセグメント21Dをリム11Fに固定することができる。
【0032】
本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第11実施例を図16により説明する。本実施例はラグセグメントを備えたタイヤをダブルタイヤに適用した例を示すものである。
ダブルタイヤに用いる2つのラグセグメント21F,21Fを備えている。
車体内側と車体外側に用いる2つのラグセグメント21F,21Fは、図では同一形状で表しているが、車体内側と車体外側とのトレッドパターンを変更、あるいは、異なる形状のものを用いるようにしても良い。
リム11Gは、幅方向に2つのラグセグメント21F,21Fを配設するために広幅となっている。
リム11Gの車体内外側にL字状の係止部12d,12dが形成されている。
車体内側に配設されるラグセグメント21Fは、リムの係止部12dに対向して、上面21hから延在して車体内側に面する端面21iと、この端面21iから延在する凹部25dと、この凹部25dから延在するとともに、車体内側に面して突出し、かつ、上面と下面にテーパ27eを形成する凸部27dと、この凸部27dから延在する端面21kとを有している。
車体外側に配設されるラグセグメント21Fも、同様に上面21hから延在して車体外側に面する端面21iと、この端面21iから延在する凹部25dと、この凹部25dから延在するとともに、車体外側に面して突出し、かつ、上面と下面にテーパ27eを形成する凸部27dと、この凸部27dから延在する端面21kとを有している。
また、2つのラグセグメント21F,21Fには、リム中央部にそれぞれT字型のリング30を係止する凸部27d,27dが形成されている。
このT字型のリング30は、リム11Gの外周上に配設される多数個のラグセグメント21Fを固定するために用いられる。
【0033】
1つの広幅のリム11Gの外周上に2列にラグセグメント21F,21Fを配設して、車体内外側にラグセグメント21F,21Fの凸部27d,27dを、リム11Gの係止部12d,12dに係止するように配置する。
次いで、車体内外側からラグセグメント21F,21Fとリム11Gとを固定するために用いる2つの断面がL字状で円筒形のロックプレート16f,16fは、2つのラグセグメント21F,21Fの凸部27d,27dの上面のテーパ面27e,27eとリム11Gの係止部12d,12dを被って、同係止部12d,12dとボルト17,17により取着される。
このような第11実施例によれば、前記第1〜第10実施例で説明したシングルタイヤに対して、2つの同一形状、あるいは、異なる形状のラグセグメントを広幅のリムに配設することにより簡単にダブルタイヤとして用いることができる。しかも、リム11Gの係止部12d,12dの高さ寸法の製作誤差が生じても、ラグセグメント21F,21Fの凸部27d,27dのテーパ面27e,27eと係止部12d,12dとが確実に係止して、ラグセグメント21Fをリム11Gに固定することができる。
【0034】
図16は、図15に示すT字型リングを平板状リング31に変更したものであり、平板状リング31を用いても2つのラグセグメント21F,21Fを固定することができる。それ以外の構成は第11実施例と同一であり説明は省略する。
【0035】
上記の図6乃至図17で説明した第1〜第11実施例の構成を適宜組合わせて、シングルタイヤ、あるいは、ダブルタイヤに適用することは可能であり、またラグセグメントの凸部とリムの凹部(係合溝部)との係合位置は、車体内側に面する位置で説明したが、車体外側に面する位置であっても良い。
本発明は、以上の説明した通り、ラグセグメントの端面に形成される凸部とリムの端面に形成される凹部(係合溝部、係止部)とを係合せしめることにより、ラグセグメントをリムに固定することができるので、ボルト本数を大幅に減らすことができる。
これにより、タイヤの組立性が向上するとともに、リムにボルト挿入孔を設ける必要がないので製作コストも安価となる。
【0036】
また、ボルト本数が大幅に減らすことができるのでタイヤを軽量化にすることができるので、無駄な駆動力を増加する必要がない。
さらに、従来は、図19に示すようにリムにボルト挿入孔を設ける必要があり、リムの強度を増す必要があったが、本発明によれば、ラグセグメントとリムに多数のボルト挿入孔を設ける必要がないので、リムを薄くして軽量にすることができるとともに、ボルト挿入孔からの亀裂発生がなくなり耐久性が向上する。
【0037】
さらにまた、ラグセグメントの長手方向の全幅L1 と、リムの全幅L2 との関係をL1 >L2 としたので、図13に示すようにラグセグメント21Dが接地状態になっても、リム11Dの端部は路面に接触しないようにしてある。これにより、公道を安全に走行することができる。
【0038】
また、リムの係合溝部とラグセグメントの凸部とを係合することにより確実にラグセグメントがリムに固定することができる。
さらに、リムの係合溝部の内側にテーパ面、またはラグセグメントの端面の凸部にテーパ面を形成したので、リムの係合溝部の製作誤差が生じても、ラグセグメントとリムとはテーパ面で確実に係合することができる。
さらにまた、ラグセグメントの端面の凸部にテーパ状の突起部を数カ所形成するようにすれば、リムの係合溝部の製作誤差が生じても、ラグセグメントとリムとはテーパ状の突起部で確実に係合することができる。
【0039】
また、リムの端面に設けられるコ字状の係合溝により、ラグセグメントの凸部が確実に保持されるので、長時間の稼働にも耐えられるラグセグメントを備えたタイヤとすることができるので装輪式建設車両のタイヤに有用である。
さらに、リムの他方の端面はラグセグメントの凸部が係止されるL字状の係止部に形成され、かつ、ラグセグメントの凸部とリムのL字状の係止部を被うようにして平板状、L字状、あるいはコ字状のロックプレートで係止せしめるように構成したので、リムの他方の端面とラグセグメントの凸部が確実に係止することができる。
【0040】
さらにまた、リムの両端面はラグセグメントの凸部が係止されるL字状の係止部に形成され、かつ、ラグセグメントの凸部とリムのL字状の係止部を被うようにしてL字状のロックプレートで係止せしめるように構成したので、簡単な係止構造により確実にラグセグメントとリムとを固定することができるとともに、製作コストも安価である。
【0041】
また、ダブルタイヤとして用いる時は、リムの外周上に2列に多数個隣接して配設されるラグセグメントと、リムの両端面は2つのラグセグメントの凸部が係止されるL字状の係止部に形成され、かつ、リムの中央部で2つのラグセグメントの凸部を係止せしめるT字型リング、あるいは、平板状リングとを備えることにより実施可能である。
これにより。簡単な係止構造により確実に2つのラグセグメントとリムとを固定することができるとともに、製作コストも安価である。
【0042】
そして、ダブルタイヤの他の例として、リムの外周上に2列に多数個隣接して配設されるラグセグメントと、リムの少なくとも一方の端面はラグセグメントの凸部が挿入されるコ字状の係合溝と、リムの他方の端面はラグセグメントの凸部が係止されるL字状の係止部に形成されるとともに、ラグセグメントの凸部とリムのL字状の係止部を被うようにして配設される平板状、L字状、あるいはコ字状のロックプレートと、リムの中央部で2つのラグセグメントの凸部を係止せしめるT字型リング、あるいは、平板状リングとを備えることにより実施可能である。これにより、ラグセグメントの凸部とリムのL字状の係止部を被うようにして配設される平板状、L字状、あるいはコ字状のロックプレートにより係止するようにしたので、過酷な作業現場であっても、ダブルタイヤとして確実に2つのラグセグメントとリムとを固定することができる。
【0043】
本発明のラグセグメントを備えたタイヤは、装輪式建設車両以外にクレーン車、ホイールローダ、および産業車両に適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】装輪式建設車両の端面図である。
【図2】タイヤの取付構造を説明する図である。
【図3】図2のZ視図である。
【図4】図3のY視図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第1実施例の説明図である。(a)はラグセグメントを備えたタイヤの全体説明図を示し、(b)は(a)のX視図である。
【図7】同、図6(a)のP部詳細図(a)を示す第2実施例の説明図である。
【図8】同、図6(a)のP部詳細図(b)を示す第3実施例の説明図である。
【図9】同、(a)は図6(a)のP部詳細図(c)を示す第4実施例の説明図である。(b)は(a)のB−B断面図である。
【図10】同、図6(a)のQ部詳細図(a)を示す第5実施例の説明図である。
【図11】同、図6(a)のQ部詳細図(b)を示す第6実施例の説明図である。
【図12】同、第7実施例の説明図である。
【図13】同、第8実施例の説明図である。
【図14】同、第9実施例の説明図である。
【図15】同、第10実施例の説明図である。
【図16】同、第11実施例の説明図である。
【図17】同、図16のT字型リングを平板状リングに変更した例を説明する図である。
【図18】従来のラグセグメントを備えたタイヤの全体図である。
【図19】同、ラグセグメントとリムの装着状態を説明する図である。
【符号の説明】
10…駆動装置、11,11A,11D,11E,11F,11G…リム、11B…第1円板部(リム)、11C…第2円板部(リム)、11a…円板部(リム)、11b…外周部(リム)、11d…係合溝部(リム)、11e…円板部(リム)、11f…係止部(リム)、11i…端面(リム)、12t…テーパ面(凹部)、11e,12d,13,13a,15j…係止部、14,14a,14c…凹部(係合溝部)、16a,16e,16f…L字状ロックプレート、16b,16d…平面状ロックプレート、16c…コ字状ロックプレート、17,18…ボルト、20…タイヤ、21,21A,21B,21D,21E,21F…ラグセグメント、21b…中空部、21h…上面、21i,21j,21k…端面、22,22a,22b,22c,27d…第1凸部(凸部)、22e,22t,23e,27e…テーパ面(凸部)、22h…テーパ状突起部、23,23a,23b,23c…第2凸部(凸部)、25c,25d,26c…凹部(ラグセグメント)、30…T字型リング、31…平板状リング。
【発明の属する技術分野】
本発明は、装輪式建設車両のタイヤに係り、リムの外周に隣接して多数個並列に配設されるラグセグメントの係合構造を改良したラグセグメントを備えたタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の建設車両等で用いられるソリッドタイヤは、リムの外周にゴム(中実)を接着あるいはボルト締めしたものが用いられているが、パンクするおそれはなく、また、剛性が高いため作業現場で安定した作業ができるが、乗心地が悪いだけでなく高速走行するとゴム内部の温度が上昇し溶融する等の問題がある。
最近は、都市土木作業が増加して市街地の走行移動と作業現場での掘削作業が可能な装輪式建設車両が開発されている。この装輪式建設車両のタイヤは、パンクするおそれがない上に、剛性が高く作業時の安定性に優れ、しかも市街地での高速走行に耐え得るものにする必要がある。
【0003】
装輪式建設車両のタイヤの先行技術として、例えば、特表平5−507046号が出願されている。同出願内容を図18,図19により説明する。
負荷下で弾性的に変形するように構成された本体(本発明ではラグセグメントと言う。)61及び前記本体61上に設けられたトレッドを含み、前記トレッドは外周状に設けられ且つそれらの間に溝61bが画定される複数の隆起部61aを含んでおり、各隆起部61aは第1の中央部分61c並びにそれぞれ前記中央部分61cから本体61の一側に向って外側に延在する一対の側部分61dを含んでおり、前記側部分61dはV構造を画定し、また前記第1の中央部分61cは前記側部分61dの外縁より離間する向きにおいて前記V構造から隣接する前記隆起部61aのV構造に向って延在していることを特徴とする。また、本体61には開口(中空部)69が形成されている
図19に示す、本体61には、開口69の底面69aにボルト82の挿入孔69bが穿設されている。リム71には、本体61の孔69bに対向するボルト82の挿入孔71pが穿設されている。プレート91には、ボルト82の挿入孔91aが穿設されている。リム71のボルト挿入孔71pと、本体61のボルト挿入孔69bを位置決め後、プレート91を本体61の開口69から中へ挿入し、プレート91のボルト挿入孔91aと本体61のボルト挿入孔69bを位置決めする。次いで、1つの本体61に対して4本のボルト82を、本体61、プレート91およびリム71の位置決めされたボルト挿入孔91a,69b,71pに挿入してナット83で締着するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図18,図19に示す、本体61とリム71とをボルト82で締着する構成では以下の問題点がある。
(1) タイヤの組立作業時に、リム71に多数個の本体61をボルト82により締着するため、作業工数大となる。
(2) 本体61およびリム71にボルト挿入孔69b,71pを穿設しているので、長時間の稼働により、そのボルト孔から本体61およびリム71に亀裂が発生するという問題があり、リムの強度を増す必要がある。
(3) 本体61およびリム71を多数のボルト82で締着するため、タイヤの重量が大きくなるので、走行に必要な駆動力を増加する必要がある。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に着目し、リムの外周に隣接して多数個並列に配置されるラグセグメントの固定方法を改良して、リムと、ラグセグメントとを係合部により固定する構造にして、組立作業の容易化、タイヤの軽量化および耐久性を向上するラグセグメントを備えたタイヤを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用効果】
上記目的を達成するため、本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第1発明は、リムの外周に隣接して多数個並列に配置するラグセグメントを備えたタイヤにおいて、ラグセグメント21の長手方向の端面の少なくとも1部の凸部22が、リム11の凹部14に挿入されて係合せしめるように構成したものである。従来のラグセグメントを備えたタイヤでは、図19に示すように、リム71に本体61(ラグセグメント)をボルト82により締着するために多数のボルトが必要であり組立作業工数大等の問題があったが、
上記構成によれば、ラグセグメントの端面の凸部とリムの凹部とを係合せしめることにより、ラグセグメントをリムに固定することができるので、ボルト本数を大幅に減らすことができる。
この場合、車体内側に面した方にリムの凹部を配置するようにすれば、ボルト締め作業は行わなくても良いのでタイヤの組立作業は容易となるが、車体外側に面した方にリムの凹部を配置するようにしても良い。
したがって、タイヤの組立性が向上するとともに、リムにボルト挿入孔を設ける必要がないので製作コストも安価となる。
また、ボルト本数が大幅に減らすことができるのでタイヤを軽量化にすることができるので、無駄な駆動力を増加する必要がない。
さらに、ラグセグメントとリムに多数のボルト挿入孔を設ける必要がないので、ボルト挿入孔からの亀裂発生がなくなり耐久性が向上し、長時間の稼働にも耐えられるラグセグメントを備えたタイヤとすることができるので装輪式建設車両のタイヤに有用である。
【0007】
第2発明は、第1発明の構成において、ラグセグメントの長手方向の全幅L1 は、リムの全幅L2 より大きくしたものである。
上記構成によれば、第1発明の作用効果に加えて、図13に示すようにラグセグメント21Dが接地状態になっても、リム11Dの端部11i,15j、および平板状ロックプレート16dは路面に接触しないようにしてある。
したがって、公道を安全に走行することができる。
【0008】
第3発明は、第1発明の構成において、リム11,11Eの凹部はラグセグメント21,21Eの長手方向の端面に形成される凸部22,27dに対向し、かつ、リム11,11Eの一端側、および/あるいは他端側の端面に形成される係合溝部14,14cからなり、リム11,11Eの係合溝部14,14cとラグセグメント21,21Eの凸部22,27dとを係合せしめるように構成したものである。
上記構成によれば、リムの係合溝部14,14cとラグセグメント21,21Eの凸部22,27dとを係合することにより確実にラグセグメント21,21Eがリム11,11Eに固定することができる。
【0009】
第4発明は、第3発明の構成において、ラグセグメント21,21Aの長手方向の端面に形成される凸部22,22aと、この凸部22,22aが挿入されるリム11,11Aの係合溝部14,14aとが当接する面のいずれかがテーパ面12t,22tに形成されている構成としたものである。
上記構成によれば、リム11,11Aの係合溝部14,14a、あるいはラグセグメント21,21Aの凸部22,22aの製作誤差が生じても、ラグセグメントとリムとはテーパ面で確実に係合することができる。
したがって、ラグセグメント21,21Aがリム11,11Aに固定することができる。
【0010】
第5発明は、第4発明の構成において、リム11の係合溝部14と当接するラグセグメント21Bの長手方向の端面に形成される凸部22の面に数カ所のテーパ状の突起部22hを形成した構成としたものである。
上記構成によれば、リム11の係合溝部14の製作誤差が生じても、ラグセグメントとリムとはテーパ状の突起部22hで確実に係合することができる。
したがって、ラグセグメント21Bがリム11に固定することができる。
【0011】
第6発明は、リムの外周に隣接して多数個並列に配置するラグセグメントを備えたタイヤにおいて、長手方向の両端面に形成されるラグセグメント21Dの凸部22c,23cと、ラグセグメント21Dの端面の凸部22cに対向して形成される断面がコ字状のリムの係合溝部14とからなり、リムの係合溝部14とラグセグメント21Dの凸部22cとを係合せしめるように構成したものである。
上記構成によれば、リムの端面に設けられるコ字状の係合溝14により、ラグセグメント21Dの凸部22cが確実に保持される。
この場合、車体内側に面した方にリムの係合溝部を配置するようにすれば、ボルト締め作業は行わなくても良いのでタイヤの組立作業は容易となる。これとは逆に、車体外側に面した方にリムの係合溝部を配置するようにしても良い。
したがって、長時間の稼働にも耐えられるラグセグメントを備えたタイヤとすることができるので装輪式建設車両のタイヤに有用である。
【0012】
第7発明は、第6発明の構成において、リム11の他方の端面13aをL字状に形成し、リム11に挿入されるラグセグメント21Aの他方の凸部23aを、リムのL字形状と、断面が平板状、L字状、あるいはコ字状のいずれかのロックプレート16b,16c,16d,16eで係止する構成としたものである。
上記構成によれば、第6発明の作用効果に加えて、リム11の他方の端面とラグセグメント21Aの凸部23aが確実に係止することができる。
したがって、ラグセグメント21Aがリム11に固定することができる。
【0013】
第8発明は、リムの外周に隣接して多数個並列に配置するラグセグメントを備えたタイヤにおいて、リム11Fの両端面12d,12dをL字状に形成し、リム11Fに挿入されるラグセグメント21Eの両端面に形成される凸部27d,27dを、リムのL字形状と、断面が平板状、L字状、あるいはコ字状のいずれかのロックプレート16b,16c,16d,16eで係止する構成としたものである。
上記構成によれば、ラグセグメントの端面の凸部27d,27dとリム11FのL字形状の両端面12d,12dとを係止せしめることにより、ラグセグメント21Eをリム11Fに固定することができるので、ボルト本数を大幅に減らすことができる。
したがって、タイヤの組立性が向上するとともに、リムにボルト挿入孔を設ける必要がないので製作コストも安価となる。
また、ボルト本数が大幅に減らすことができるのでタイヤを軽量化にすることができるので、無駄な駆動力を増加する必要がない。
さらに、ラグセグメントとリムに多数のボルト挿入孔を設ける必要がないので、ボルト挿入孔からの亀裂発生がなくなり耐久性が向上し、長時間の稼働にも耐えられるラグセグメントを備えたタイヤとすることができるので装輪式建設車両のタイヤに有用である。
【0014】
第9発明は、リムの外周に隣接して多数個並列に配置するラグセグメントを備えたタイヤにおいて、長手方向の両端面に凸部27d,27dを形成し、かつ、リム11Gの外周上に2列に配置されるラグセグメント21F,21Fと、2列に配置されるラグセグメント21F,21F間に挿入されて、両ラグセグメント21F,21Fの凸部27d,27dを係止する断面がT字状、あるいは平板状で円筒形のリング30,31とを備えた構成としたものである。
上記構成によれば、2つのラグセグメント21F,21Fを、リムの外周上に2列に配設することにより、ダブルタイヤとして用いることができる。
したがって、タイヤの組立性が向上するとともに、リムにボルト挿入孔を設ける必要がないので製作コストも安価となる。
また、ボルト本数が大幅に減らすことができるのでタイヤを軽量化にすることができるので、無駄な駆動力を増加する必要がない。
さらに、ラグセグメントとリムに多数のボルト挿入孔を設ける必要がないので、ボルト挿入孔からの亀裂発生がなくなり耐久性が向上し、長時間の稼働にも耐えられるラグセグメントを備えたタイヤとすることができるので装輪式建設車両のダブルタイヤに有用である。
【0015】
第10発明は、第9発明の構成において、リムの一方の端面、あるいは両方の端面はラグセグメントの一端側の凸部が挿入されるコ字状に形成される係合溝部14,14a,14cと、リムの他方の端面、あるいは両方の端面はラグセグメントの他端側の凸部が係止されるL字状の係止部12d,13aに形成されるとともに、リムの他方の端面に挿入されるラグセグメントの外側端面に形成される凸部を、リムのL字状の係止部に係止する断面が平板状、L字状、あるいはコ字状で円筒形のいずれかのロックプレート16b,16c,16d,16eを組合わせた構成としたものである。
上記構成によれば、第9発明の作用効果に加えて、リムの一方の端面、あるいは両方の端面はラグセグメントの一端側の凸部が挿入されるコ字状に形成される係合溝部14,14a,14cと係合する、あるいは、ラグセグメントの凸部とリムのL字状の係止部を、平板状、L字状、あるいはコ字状で円筒形のいずれかのロックプレートにより係止するようにしたので、確実に2つのラグセグメントとリムとを固定することができる。
【0016】
第11発明は、リムの外周に隣接して多数個並列に配置するラグセグメントを備えたタイヤにおいて、長手方向の両端面に凸部22b,23bを形成されるラグセグメント21Bと、断面がコ字状で円筒形の係合溝部11d、係合溝部11dと一体的に固設される円筒形の外周部11b、および円筒形の外周部11bと固着する円板部11aからなる第1円板部11Bと、第1円板部11Bの係合溝部11dと反対側の円筒形の外周部11bの端面に当接するL字状の係止部11f、L字状の係止部11fと一体的に固設される円板部11eからなる第2円板部11Cとからなるリムを有し、ラグセグメント21Bの一端側の凸部22bを係合溝部11dに挿入するとともに、ラグセグメント21Bの他端側の凸部23bをL字状の係止部11fに挿入し、かつ、第1円板部11Bと第2円板部11Cとをボルト18により共締めすることにより、ラグセグメント21Bをリムに固定せしめる構成としたものである。
上記構成によれば、ラグセグメント21Bを第1円板部11Bの円筒形の外周部11bに配置して、第1円板部11Bと第2円板部11Cとをボルト18により共締めする簡単な構成により、ラグセグメント21Bをリムに固定することができる。
したがって、タイヤの組立性が向上するとともに、リムにボルト挿入孔を設ける必要がないので製作コストも安価となる。
また、ボルト本数が大幅に減らすことができるのでタイヤを軽量化にすることができるので、無駄な駆動力を増加する必要がない。
さらに、ラグセグメントとリムに多数のボルト挿入孔を設ける必要がないので、ボルト挿入孔からの亀裂発生がなくなり耐久性が向上し、長時間の稼働にも耐えられるラグセグメントを備えたタイヤとすることができるので装輪式建設車両のタイヤに有用である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤについて図1乃至図17により説明する。
先ず、図1に示す装輪式建設車両5は、タイヤ20を回転自在に配設する下部走行体1、運転室3を載置する上部旋回体2およびブーム、アームおよびバケットからなる作業機4を装備している。
図2,図2のZ視図の図3,図3のY視図の図4,図4のA−A断面図の図5は、本発明のラグセグメントを備えたタイヤの概略説明図を示しており、詳しくは図6乃至図17により説明する。
図2に示すように、油圧モータ等の駆動装置10はリム11,11に連結している。このリム11,11と、ゴム等の弾性体で形成されるラグセグメント21とは、詳しくは後述する第1実施例〜第10実施例に示す、ラグセグメントの端面に形成される凸部とリムの端面に形成される凹部により係合しラグセグメントをリムに固定するように構成したものである。
以下の実施例の説明では、リムの端面に形成される凹部を係合溝部として説明する。本発明は、シングルタイヤ及びダブルタイヤとして用いることができる。
また、以下の実施例の組合わせにより、装輪式建設車両の大きさや作業現場の使い方によって適したラグセグメントを備えたタイヤとすることは可能である。
本発明の主たる目的とするところは、ラグセグメントとリムとを直接ボルトにより固定することを廃止して、ラグセグメントの端面に形成される凸部とリムの端面に形成される凹部とを係合、あるいは係止する構造としたので、ボルト本数が大幅に減らすことができ、しかもタイヤの製作も容易となるとともに、耐久性を向上させることにある。
図2はダブルタイヤの構造を示しているが、シングルタイヤであっても良い。
図3,図4に示すように、リム11の外周にV型に形成された多数のラグセグメント21,21が所定の間隔で配設されている。
図3,図5に示すように、ラグセグメント21は中空部21bを設けている。
この中空部21bを略U字形状、あるいは、略コ字形状にする突起部21cを設けている。タイヤ20は、ラグセグメント21に中空部21bを形成していることにより高速走行しても乗心地が良好となっている。
【0018】
本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第1実施例について、図1乃至図5を参照して、図6(a),および図6(a)のX視図の図6(b)により説明する。
図3に示すように、リム11の外周にラグセグメント21を隣接して多数個並列に配置している。
ラグセグメント21は、長手方向の端面に第1凸部22、及び第2凸部23が形成されている。リム11の車体内側に面した端面には、ラグセグメント21の第1凸部22に対向して、第1凸部22を係合する凹部14(以下、コ字状の係合溝部14と言う。)が一体的に形成されている。
リム11の車体外側に面した端面には、ラグセグメント21の第2凸部23に対向して、第2凸部23の端面が当接するL字状の係止部13が一体的に形成されている。これらのコ字状の係合溝部14、およびL字状の係止部13は、リム11の内外側端部の全周にわたって形成されている。
このように構成されたラグセグメント21は、第1凸部22をリム11の係合溝部14に挿入した後、第2凸部23を係止部13に当接させる。
次いで、L字状のロックプレート16aは、ラグセグメントの第2凸部23の上面とリム11の係止部13の端面とを被って、同係止部13とボルト17により取着される。
これにより、ラグセグメント21は、第1凸部22がリム11の係合溝部14に係合するとともに、第2凸部23がリム11の係止部13及びL字状のロックプレート16aにより係止して、リム11に固定される。
【0019】
このような第1実施例によれば、図19に示す従来のラグセグメント61は、4本のボルト82によりリム71に締着していたものに対して、ラグセグメント21の第2凸部23を、リム11の係止部13に当接させて、L字状のロックプレート16aで被ってボルトにより係止する構造としたので、従来の構造に比してボルト本数を減らすことができる。
また、図19に示す従来のラグセグメント61は、開口69内にボルト82を挿入してリム71に締着する必要があるので作業工数大となっていたが、本発明のラグセグメント21の外側で、リム11との組立作業が容易に行うことができる。さらに、図19に示す従来のリム71には、外周上に多数のボルト挿入孔71pを設ける必要があり、リムの強度を増す必要があったが、本発明のリム11は、係止部13にボルト挿入孔を設けるだけで良い。これにより、リム11の耐久性が向上する。また、リム11を薄くできるので軽量にできる。
【0020】
以下、図7乃至図11は、図6(a)のP部、及びQ部を拡大して説明する他の実施例である。
第2実施例のラグセグメントを備えたタイヤは図7のP部詳細図(a)に示すように、ラグセグメント21Aは、長手方向の端面に凸部22aが形成されている。このラグセグメント21Aの凸部22aの上面にはテーパ面22tが形成されている。
リム11には、ラグセグメント21Aの凸部22aに対向して、凸部22aを係合するコ字状の係合溝部14が一体的に形成されている。
図7では車体内側に面した、ラグセグメント21Aの一方の凸部22aとリム11の一方のコ字状の係合溝部14との係合構造を示している。
図7では省略してある反対側のラグセグメント21Aの他方の凸部とリム11の他方の係止部との係止構造は、詳しくは後述する図10に示すように、車体外側に面した、リム11の端面13aはL字状に形成されている。
このリム11のL字状の端面13aと、ラグセグメントの他方の凸部23aとを断面が平板状で円筒形のロックプレート16bを用いてボルト17により締着して係止する構造としても良い。このラグセグメントの他方の凸部23aの上面にはテーパ面22tが形成されている。
また、図11に示すように、車体外側に面した、リム11の端面13aはL字状に形成されている。このリム11のL字状の端面13aと、ラグセグメントの他方の凸部23aとをコ字状のロックプレート16cを用いてボルト17により締着して係止する構造としても良い。このラグセグメントの他方の凸部23aの上面にはテーパ面22tが形成されている。
このような第2実施例によれば、リム11の係合溝部14、あるいはラグセグメント21の製作誤差が生じても、リムの係合溝部14とラグセグメント21Aの凸部22aとはテーパ面22tにより、確実に係合することができるので、ラグセグメント21はリム11に固定することができる。
【0021】
第3実施例のラグセグメントを備えたタイヤは図8のP部詳細図(b)に示すように、ラグセグメント21は、長手方向の端面に凸部22が形成されている。
リム11Aには、ラグセグメント21の凸部22に対向して、凸部22を係合するコ字状の係合溝部14aが一体的に形成されている。
この係合溝部14aの上部の内面にはテーパ面12tが形成されている。
図8では車体内側に面した、ラグセグメント21の一方の凸部22とリム11の一方のコ字状の係合溝部14aとの係合構造を示している。
図8では省略してある車体外側に面したラグセグメントの他方の凸部とリムの他方の係止部との係止構造は、前述の図6(a)のQ部に示す係止構造と同一のものでも良い。また、リムの両端面を係合溝部14aに形成するようにしても良い。
このような第3実施例によれば、ラグセグメント21、あるいはリム11Aの係合溝部14aの製作誤差が生じても、ラグセグメント21の凸部22とリムの係合溝部14aとは、テーパ面12tにより、確実に係合することができるので、ラグセグメント21はリム11に固定することができる。
【0022】
第4実施例のラグセグメントを備えたタイヤは図9(a)のP部詳細図(c)、及び図9(a)のB−B断面図の図9(b)に示すように、ラグセグメント21Bは、長手方向の端面に凸部22が形成されている。このラグセグメント21Bの凸部22の上面には、テーパを有する突起部22hが数カ所形成されている。リム11には、ラグセグメント21Bの凸部22に対向して、凸部22を係合するコ字状の係合溝部14が一体的に形成されている。
図9では車体内側に面した、ラグセグメント21Bの一方の凸部22とリム11の一方のコ字状の係合溝部14との係合構造を示している。
図9では省略してある車体外側に面したラグセグメント21Bの他方の凸部も同様にテーパを有する突起部22hが数カ所形成されている。この他方の凸部とリム11の他方の係止部との係止構造は、後述する図10,図11に示す係止構造と同一のもので良い。
このような第4実施例によれば、リム11の係合溝部14の製作誤差が生じても、ラグセグメントとリムとはテーパ状の突起部22hで確実に係合することができるので、ラグセグメント21Bはリム11に固定することができる。
【0023】
第5実施例のラグセグメントを備えたタイヤは図10のQ部詳細図(a)に示すように、ラグセグメント21Aは、長手方向の端面に凸部23aが形成されている。このラグセグメント21Aの凸部23aの上面にはテーパ面22tが形成されている。この凸部23aの上面は図ではテーパ面22tを形成しているが、平面であっても良い。
リム11の端面には、ラグセグメント21Aの凸部23aに対向して、凸部23aを係止するL字状の係止部13aが一体的に形成されている。
このように構成したラグセグメント21Aの凸部23aとリム11の係止部13aとを当接させて、断面が平板状で円筒形のロックプレート16bを用いてボルト17により締着して係止するようになっている。
図10では車体外側に面した、ラグセグメント21Aの凸部23aとリム11の係止部13aとの係止構造を示している。
図10では省略してある車体内側に面したラグセグメント21Aの他方の凸部とリム11とは、前述の図7、あるいは図8に示す係合構造としても良い。
このような第5実施例によれば、リム11のL字状の係止部13aとラグセグメント21Aの凸部23aとが確実に係止することができるので、ラグセグメント21Aはリム11に固定することができる。
【0024】
第6実施例のラグセグメントを備えたタイヤは図11のQ部詳細図(b)に示すように、ラグセグメント21Aは、長手方向の端面に凸部23aが形成されている。このラグセグメント21Aの凸部23aの上面にはテーパ面22tが形成されている。この凸部23aの上面は図ではテーパ面22tを形成しているが、平面であっても良い。
リム11の端面には、ラグセグメント21Aの凸部23aに対向して、凸部23aを係止するL字状の係止部13aが一体的に形成されている。
このように構成したラグセグメント21Aの凸部23aとリム11の係止部13aとを当接させて、断面がコ字状で円筒形のロックプレート16cを用いてボルト17により締着して係止するようになっている。
図11では車体外側に面した、ラグセグメント21Aの凸部23aとリム11の係止部13aとの係止構造を示している。
図11では省略してある車体内側に面したラグセグメント21Aの他方の凸部とリム11とは、前述の図7、あるいは図8に示す係合構造としても良い。
このような第6実施例によれば、リム11のL字状の係止部13aとラグセグメント21Aの凸部23aとが確実に係止することができるので、ラグセグメント21Aはリム11に固定することができる。
【0025】
次に、本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第7実施例を図3を参照して、図12により説明する。
図3に示すように、リムの外周にラグセグメントを隣接して多数個並列に配置している。
ラグセグメント21Bは、長手方向の両端面に、車体内側に突出する凸部22b,および車体外側に突出する凸部23bを形成している。リムは第1円板部11Bと第2円板部11Cとからなっている。
第1円板部11Bは、ラグセグメント21の凸部22bが挿入される断面がコ字状で円筒形の係合溝部11dと、この係合溝部11dと一体的に固設され、かつ、ラグセグメント21Bを載置する円筒形の外周部11bと、この円筒形の外周部11bと固着する円板部11aとからなっている。
第2円板部11Cは、第1円板部11Bの係合溝部11dと反対側の円筒形の外周部11bの端面に当接するL字状の係止部11fと、このL字状の係止部11fと一体的に固設される円板部11eとからなっている。
このように構成されたラグセグメント21Bの一端側の凸部22bをリムの係合溝部11dに挿入するとともに、ラグセグメント21Bの他端側の凸部23bをL字状の係止部11fに挿入した後、第1円板部11Bと第2円板部11Cとを駆動装置10にボルト18により共締めするようにしてある。
このような第7実施例によれば、ラグセグメント21Bを第1円板部11Bの円筒形の外周部11bに配置して、第1円板部11Bと第2円板部11Cとをボルト18により共締めする簡単な構成により、ラグセグメント21Bをリムに固定することができる。
これにより、タイヤの組立性が向上するとともに、リムにボルト挿入孔を設ける必要がないので製作コストも安価となる。
また、ボルト本数が大幅に減らすことができるのでタイヤを軽量化にすることができるので、無駄な駆動力を増加する必要がない。
さらに、ラグセグメントとリムに多数のボルト挿入孔を設ける必要がないので、ボルト挿入孔からの亀裂発生がなくなり耐久性が向上し、長時間の稼働にも耐えられるラグセグメントを備えたタイヤとすることができるので装輪式建設車両のタイヤに有用である。
【0026】
本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第8実施例を図3を参照して、図13により説明する。
図3に示すように、リムの外周にラグセグメントを隣接して多数個並列に配置している。
ラグセグメント21Dは、上面21hから延在して車体内側に面する端面21iと、この端面21iから延在する凹部25cと、この凹部25cから延在するとともに、車体内側に面して突出する凸部22cとを形成している。
また、ラグセグメント21Dは、上面21hから延在して車体外側に面する端面21jと、この端面21jから延在する凹部26cと、この凹部26cから延在するとともに、車体外側に面して突出する凸部23cとを形成している。
このように、ラグセグメント21Dは所謂キノコ型に形成されている。
ラグセグメント21Dは、図3に示すように中空部21bを略U字形状、あるいは、略コ字形状にする突起部21cを設けているが、図では省略してある。
【0027】
リム11Dは、ラグセグメント21Dの凸部22cに対向し、凸部22cに係合する係合部11i及び凸部22cが挿入される係合溝部14が一体的に形成されている。
また、リム11Dは、ラグセグメント21Dの凸部23cに対向し、凸部23cの端面が当接するL字状の係止部15jが一体的に形成されている。
これらの係合溝部14及び係止部15jはリム11Dの内外側端部の全周にわたって形成されている。
このように構成されたラグセグメント21Dは、凸部22cをリム11Dの係合溝部14に挿入した後、凸部23cを係止部15jに対向して配置させる。
次いで、断面が平面状で円筒形のロックプレート16dは、ラグセグメントの凸部23cの上面とリム11Dの係止部15jの上面とを被って、同係止部15jとボルト17により取着される。
これにより、ラグセグメント21Dは、凸部22cがリム11Dの係合溝部14に係合するとともに、凸部23cがリム11Dの係止部15j及び断面が平面状で円筒形のロックプレート16dにより係止して、リム11Dに固定される。
【0028】
ラグセグメントの凸部22cの上面にはテーパ面22eが形成されている。また、凸部23cの上面にはテーパ面23eが形成されている。
このように両凸部22c,23cの上面にテーパ面が形成されているので、ラグセグメント21Dの凸部22c,23cと係合溝部14及び係止部15jとの製作誤差が生じても、凸部22cのテーパ面22eと係合溝部14とが確実に係合、及び凸部23cのテーパ面23eと係止部15j及び断面が平面状で円筒形のロックプレート16dとは確実に係止される。
ラグセグメント21Dの端面21iから端面21jまでのラグセグメントの全幅寸法L1 である。リム11Dの係合部11iの端面から係止部15jの端面までのリムの全幅寸法L2 である。
このような第8実施例によれば、ラグセグメント21Dの長手方向の全幅L1 寸法と、リム11Dの全幅L2 寸法との関係は、L1 >L2 である。
このため、ラグセグメント21Dが接地状態でリム11Dの係合部11i及び係止部15jが接触して路面を損傷させることはない。
【0029】
次に、本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第9実施例を図14により説明する。ラグセグメント21Eの車体内側に突出する凸部27dの上面と下面にテーパ27eを形成している。
ラグセグメント21Eは、上面21hから延在して車体内側に面する端面21iと、この端面21iから延在する凹部25dと、この凹部25dから延在するとともに、車体内側に面して突出し、かつ、上面と下面にテーパ27eを形成する凸部27dを有している。図14ではラグセグメント21Dの車体内側に面した左半分を示しており、車体外側に面する右半分は、詳しくは後述する図15と同一構成であり、省略している。
リム11Eは、ラグセグメント21Eの凸部27dに対向し、凸部27dの端面が当接する係合溝部14cが一体的に形成されている。
この係合溝部14はリム11Eの内側端部の全周にわたって形成されている。
これにより、ラグセグメント21Eは、凸部27dがリム11Eの係合溝部14cに係合しリム11Eに固定される。
このような第9実施例によれば、リム11Eの係合溝部14cの製作誤差が生じても、ラグセグメント21Eの凸部27dのテーパ面27eと係合溝部14cとが確実に係合して、ラグセグメント21EがL〕11Eに固定することができる。
【0030】
本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第10実施例を図3を参照して、図15により説明する。図3に示すように、リムの外周にラグセグメントを隣接して多数個並列に配置している。
ラグセグメント21Eは、上面21hから延在して車体内側に面する端面21iと、この端面21iから延在する凹部25dと、この凹部25dから延在するとともに、車体内側に面して突出し、かつ、上面と下面にテーパ27eを形成する凸部27dと、この凸部27dから延在する端面21kとを有している。
また、ラグセグメント21Dは、車体外側に面する方も上記と同一形状を有しており、同一符号を付した部分の説明は省略する。
【0031】
リム11Fは、ラグセグメント21Eの車体内側と車体外側に面して突出する凸部27d,27d及び端面21k,21kを係止するL字状の係止部12d,12dが一体的に形成されている。
このように構成されたラグセグメント21Eは、車体内外側の凸部27d,27dを、リム11Dの係止部12d,12に係止するように配置する。
次いで、車体内外側からラグセグメント21Eとリム11Fとを固定するために用いるL字状のロックプレート16e,16eは、ラグセグメント21Eの凸部27d,27dの上面に形成されるテーパ面27e,27eとリム11Fの係止部12d,12dを被って、同係止部12d,12dとボルト17,17により取着される。
このような第9実施例によれば、リム11Fの係止部12d,12dの高さ寸法の製作誤差が生じても、凸部27d,27dのテーパ面27e,27eと係止部12d,12dとが確実に係止して、ラグセグメント21Dをリム11Fに固定することができる。
【0032】
本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第11実施例を図16により説明する。本実施例はラグセグメントを備えたタイヤをダブルタイヤに適用した例を示すものである。
ダブルタイヤに用いる2つのラグセグメント21F,21Fを備えている。
車体内側と車体外側に用いる2つのラグセグメント21F,21Fは、図では同一形状で表しているが、車体内側と車体外側とのトレッドパターンを変更、あるいは、異なる形状のものを用いるようにしても良い。
リム11Gは、幅方向に2つのラグセグメント21F,21Fを配設するために広幅となっている。
リム11Gの車体内外側にL字状の係止部12d,12dが形成されている。
車体内側に配設されるラグセグメント21Fは、リムの係止部12dに対向して、上面21hから延在して車体内側に面する端面21iと、この端面21iから延在する凹部25dと、この凹部25dから延在するとともに、車体内側に面して突出し、かつ、上面と下面にテーパ27eを形成する凸部27dと、この凸部27dから延在する端面21kとを有している。
車体外側に配設されるラグセグメント21Fも、同様に上面21hから延在して車体外側に面する端面21iと、この端面21iから延在する凹部25dと、この凹部25dから延在するとともに、車体外側に面して突出し、かつ、上面と下面にテーパ27eを形成する凸部27dと、この凸部27dから延在する端面21kとを有している。
また、2つのラグセグメント21F,21Fには、リム中央部にそれぞれT字型のリング30を係止する凸部27d,27dが形成されている。
このT字型のリング30は、リム11Gの外周上に配設される多数個のラグセグメント21Fを固定するために用いられる。
【0033】
1つの広幅のリム11Gの外周上に2列にラグセグメント21F,21Fを配設して、車体内外側にラグセグメント21F,21Fの凸部27d,27dを、リム11Gの係止部12d,12dに係止するように配置する。
次いで、車体内外側からラグセグメント21F,21Fとリム11Gとを固定するために用いる2つの断面がL字状で円筒形のロックプレート16f,16fは、2つのラグセグメント21F,21Fの凸部27d,27dの上面のテーパ面27e,27eとリム11Gの係止部12d,12dを被って、同係止部12d,12dとボルト17,17により取着される。
このような第11実施例によれば、前記第1〜第10実施例で説明したシングルタイヤに対して、2つの同一形状、あるいは、異なる形状のラグセグメントを広幅のリムに配設することにより簡単にダブルタイヤとして用いることができる。しかも、リム11Gの係止部12d,12dの高さ寸法の製作誤差が生じても、ラグセグメント21F,21Fの凸部27d,27dのテーパ面27e,27eと係止部12d,12dとが確実に係止して、ラグセグメント21Fをリム11Gに固定することができる。
【0034】
図16は、図15に示すT字型リングを平板状リング31に変更したものであり、平板状リング31を用いても2つのラグセグメント21F,21Fを固定することができる。それ以外の構成は第11実施例と同一であり説明は省略する。
【0035】
上記の図6乃至図17で説明した第1〜第11実施例の構成を適宜組合わせて、シングルタイヤ、あるいは、ダブルタイヤに適用することは可能であり、またラグセグメントの凸部とリムの凹部(係合溝部)との係合位置は、車体内側に面する位置で説明したが、車体外側に面する位置であっても良い。
本発明は、以上の説明した通り、ラグセグメントの端面に形成される凸部とリムの端面に形成される凹部(係合溝部、係止部)とを係合せしめることにより、ラグセグメントをリムに固定することができるので、ボルト本数を大幅に減らすことができる。
これにより、タイヤの組立性が向上するとともに、リムにボルト挿入孔を設ける必要がないので製作コストも安価となる。
【0036】
また、ボルト本数が大幅に減らすことができるのでタイヤを軽量化にすることができるので、無駄な駆動力を増加する必要がない。
さらに、従来は、図19に示すようにリムにボルト挿入孔を設ける必要があり、リムの強度を増す必要があったが、本発明によれば、ラグセグメントとリムに多数のボルト挿入孔を設ける必要がないので、リムを薄くして軽量にすることができるとともに、ボルト挿入孔からの亀裂発生がなくなり耐久性が向上する。
【0037】
さらにまた、ラグセグメントの長手方向の全幅L1 と、リムの全幅L2 との関係をL1 >L2 としたので、図13に示すようにラグセグメント21Dが接地状態になっても、リム11Dの端部は路面に接触しないようにしてある。これにより、公道を安全に走行することができる。
【0038】
また、リムの係合溝部とラグセグメントの凸部とを係合することにより確実にラグセグメントがリムに固定することができる。
さらに、リムの係合溝部の内側にテーパ面、またはラグセグメントの端面の凸部にテーパ面を形成したので、リムの係合溝部の製作誤差が生じても、ラグセグメントとリムとはテーパ面で確実に係合することができる。
さらにまた、ラグセグメントの端面の凸部にテーパ状の突起部を数カ所形成するようにすれば、リムの係合溝部の製作誤差が生じても、ラグセグメントとリムとはテーパ状の突起部で確実に係合することができる。
【0039】
また、リムの端面に設けられるコ字状の係合溝により、ラグセグメントの凸部が確実に保持されるので、長時間の稼働にも耐えられるラグセグメントを備えたタイヤとすることができるので装輪式建設車両のタイヤに有用である。
さらに、リムの他方の端面はラグセグメントの凸部が係止されるL字状の係止部に形成され、かつ、ラグセグメントの凸部とリムのL字状の係止部を被うようにして平板状、L字状、あるいはコ字状のロックプレートで係止せしめるように構成したので、リムの他方の端面とラグセグメントの凸部が確実に係止することができる。
【0040】
さらにまた、リムの両端面はラグセグメントの凸部が係止されるL字状の係止部に形成され、かつ、ラグセグメントの凸部とリムのL字状の係止部を被うようにしてL字状のロックプレートで係止せしめるように構成したので、簡単な係止構造により確実にラグセグメントとリムとを固定することができるとともに、製作コストも安価である。
【0041】
また、ダブルタイヤとして用いる時は、リムの外周上に2列に多数個隣接して配設されるラグセグメントと、リムの両端面は2つのラグセグメントの凸部が係止されるL字状の係止部に形成され、かつ、リムの中央部で2つのラグセグメントの凸部を係止せしめるT字型リング、あるいは、平板状リングとを備えることにより実施可能である。
これにより。簡単な係止構造により確実に2つのラグセグメントとリムとを固定することができるとともに、製作コストも安価である。
【0042】
そして、ダブルタイヤの他の例として、リムの外周上に2列に多数個隣接して配設されるラグセグメントと、リムの少なくとも一方の端面はラグセグメントの凸部が挿入されるコ字状の係合溝と、リムの他方の端面はラグセグメントの凸部が係止されるL字状の係止部に形成されるとともに、ラグセグメントの凸部とリムのL字状の係止部を被うようにして配設される平板状、L字状、あるいはコ字状のロックプレートと、リムの中央部で2つのラグセグメントの凸部を係止せしめるT字型リング、あるいは、平板状リングとを備えることにより実施可能である。これにより、ラグセグメントの凸部とリムのL字状の係止部を被うようにして配設される平板状、L字状、あるいはコ字状のロックプレートにより係止するようにしたので、過酷な作業現場であっても、ダブルタイヤとして確実に2つのラグセグメントとリムとを固定することができる。
【0043】
本発明のラグセグメントを備えたタイヤは、装輪式建設車両以外にクレーン車、ホイールローダ、および産業車両に適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】装輪式建設車両の端面図である。
【図2】タイヤの取付構造を説明する図である。
【図3】図2のZ視図である。
【図4】図3のY視図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第1実施例の説明図である。(a)はラグセグメントを備えたタイヤの全体説明図を示し、(b)は(a)のX視図である。
【図7】同、図6(a)のP部詳細図(a)を示す第2実施例の説明図である。
【図8】同、図6(a)のP部詳細図(b)を示す第3実施例の説明図である。
【図9】同、(a)は図6(a)のP部詳細図(c)を示す第4実施例の説明図である。(b)は(a)のB−B断面図である。
【図10】同、図6(a)のQ部詳細図(a)を示す第5実施例の説明図である。
【図11】同、図6(a)のQ部詳細図(b)を示す第6実施例の説明図である。
【図12】同、第7実施例の説明図である。
【図13】同、第8実施例の説明図である。
【図14】同、第9実施例の説明図である。
【図15】同、第10実施例の説明図である。
【図16】同、第11実施例の説明図である。
【図17】同、図16のT字型リングを平板状リングに変更した例を説明する図である。
【図18】従来のラグセグメントを備えたタイヤの全体図である。
【図19】同、ラグセグメントとリムの装着状態を説明する図である。
【符号の説明】
10…駆動装置、11,11A,11D,11E,11F,11G…リム、11B…第1円板部(リム)、11C…第2円板部(リム)、11a…円板部(リム)、11b…外周部(リム)、11d…係合溝部(リム)、11e…円板部(リム)、11f…係止部(リム)、11i…端面(リム)、12t…テーパ面(凹部)、11e,12d,13,13a,15j…係止部、14,14a,14c…凹部(係合溝部)、16a,16e,16f…L字状ロックプレート、16b,16d…平面状ロックプレート、16c…コ字状ロックプレート、17,18…ボルト、20…タイヤ、21,21A,21B,21D,21E,21F…ラグセグメント、21b…中空部、21h…上面、21i,21j,21k…端面、22,22a,22b,22c,27d…第1凸部(凸部)、22e,22t,23e,27e…テーパ面(凸部)、22h…テーパ状突起部、23,23a,23b,23c…第2凸部(凸部)、25c,25d,26c…凹部(ラグセグメント)、30…T字型リング、31…平板状リング。
Claims (11)
- リムの外周に隣接して多数個並列に配置するラグセグメントを備えたタイヤにおいて、ラグセグメントの長手方向の端面の少なくとも1部の凸部が、リムの凹部に挿入されて係合せしめるようにしたことを特徴とするラグセグメントを備えたタイヤ。
- ラグセグメントの長手方向の全幅(L1)は、リムの全幅(L2)より大きくしたことを特徴とする請求項1記載のラグセグメントを備えたタイヤ。
- リムの凹部はラグセグメントの長手方向の端面に形成される凸部に対向し、かつ、リムの一端側、および/あるいは他端側の端面に形成される係合溝部からなり、リムの係合溝部とラグセグメントの凸部とを係合せしめるようにしたことを特徴とする請求項1記載のラグセグメントを備えたタイヤ。
- ラグセグメントの長手方向の端面に形成される凸部と、この凸部が挿入されるリムの係合溝部とが当接する面のいずれかがテーパ面に形成されていることを特徴とする請求項3記載のラグセグメントを備えたタイヤ。
- リムの係合溝部と当接するラグセグメントの長手方向の端面に形成される凸部の面に数カ所のテーパ状の突起部を形成したことを特徴とする請求項4記載のラグセグメントを備えたタイヤ。
- リムの外周に隣接して多数個並列に配置するラグセグメントを備えたタイヤにおいて、長手方向の両端面に形成されるラグセグメントの凸部と、ラグセグメントの端面の凸部に対向して形成される断面がコ字状のリムの係合溝部とからなり、リムの係合溝部とラグセグメントの凸部とを係合せしめるようにしたことを特徴とするラグセグメントを備えたタイヤ。
- リムの他方の端面をL字状に形成し、リムに挿入されるラグセグメントの他方の凸部を、リムのL字形状と、断面が平板状、L字状、あるいはコ字状のいずれかのロックプレートで係止することを特徴とする請求項6記載のラグセグメントを備えたタイヤ。
- リムの外周に隣接して多数個並列に配置するラグセグメントを備えたタイヤにおいて、リムの両端面をL字状に形成し、リムに挿入されるラグセグメントの両端面に形成される凸部を、リムのL字形状と、断面が平板状、L字状、あるいはコ字状のいずれかのロックプレートで係止することを特徴とするラグセグメントを備えたタイヤ。
- リムの外周に隣接して多数個並列に配置するラグセグメントを備えたタイヤにおいて、長手方向の両端面に凸部を形成し、かつ、リムの外周上に2列に配置されるラグセグメントと、2列に配置されるラグセグメント間に挿入されて、両ラグセグメントの凸部を係止する断面がT字状、あるいは平板状で円筒形のリングとを備えたことを特徴とするラグセグメントを備えたタイヤ。
- 請求項9記載のラグセグメントを備えたタイヤにおいて、リムの一方の端面、あるいは両方の端面はラグセグメントの一端側の凸部が挿入されるコ字状に形成される係合溝部と、リムの他方の端面、あるいは両方の端面はラグセグメントの他端側の凸部が係止されるL字状の係止部に形成されるとともに、リムの他方の端面に挿入されるラグセグメントの外側端面に形成される凸部を、リムのL字状の係止部に係止する断面が平板状、L字状、あるいはコ字状で円筒形のいずれかのロックプレートを組合わせた構成としたことを特徴とするラグセグメントを備えたタイヤ。
- リムの外周に隣接して多数個並列に配置するラグセグメントを備えたタイヤにおいて、長手方向の両端面に凸部を形成されるラグセグメントと、断面がコ字状で円筒形の係合溝部、係合溝部と一体的に固設される円筒形の外周部、および円筒形の外周部と固着する円板部からなる第1円板部と、第1円板部の係合溝部と反対側の円筒形の外周部の端面に当接するL字状の係止部、L字状の係止部と一体的に固設される円板部からなる第2円板部とからなるリムを有し、ラグセグメントの一端側の凸部を係合溝部に挿入するとともに、ラグセグメントの他端側の凸部をL字状の係止部に挿入し、かつ、第1円板部と第2円板部とをボルトにより共締めすることにより、ラグセグメントをリムに固定せしめることを特徴とするラグセグメントを備えたタイヤ。
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