JP5461127B2 - 測量機 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施の形態による測量機を例示する正面外観図である。測量機100は、いわゆるトータルステーションと呼ばれる測距測角装置である。測量機100は、基盤1と、一対の支柱2、2及び台座3を含む装置本体とを備え、一対の支柱2、2は、台座3に対して鉛直軸Vの回りに回動可能に支持されている。
一対の支柱2、2には視準望遠鏡部4が水平回転軸Hの回りに回動可能に取り付けられている。この視準望遠鏡部4は、目標物(ターゲットなど)を観察するための観察光学系5を有する。なお、測量機100は、基盤1において不図示の三脚などによって鉛直軸Vが鉛直となるように設置される。
第2の微動操作ノブ111は、視準望遠鏡部4と支柱2、2とを一体に鉛直軸V廻りに微動回転させるための回転操作ノブであり、台座3の側面に回転可能に取り付けられている。
操作者は、視準望遠鏡部4を比較的に高速に微動回動したい時には、小径つまみ部11a又は111aを回動操作し、逆に、視準望遠鏡部4を比較的に低速に微動回動したい時には、大径つまみ部11b又は111bを回動操作する。
図2及び図3において、第1の微動操作ノブ11のノブ軸12には、その先端部に平歯車13が固設されている。この平歯車13はシザーズギア14に係合、即ち噛み合っており、このシザーズギア14は、ウォームギヤ軸15の一端部に固設されている。
平歯車13とシザーズギア14とは、減速機構を構成し、第1の微動操作ノブ11の回転を減速して、ウォームギヤ軸15に伝達する。
このウォームギヤ軸15は、中央部にウォームギヤ16を有し、他端部において一対の玉軸受17、18によって回転可能に軸支されている。この第1及び第2の玉軸受17、18は、互いに接近して隣接配置されている。
また、ウォームギヤ軸15は、その一端部付近において球面軸受19によって軸支され、この球面軸受19は、ウォームギヤ軸15を、回動可能に支持すると共に球面軸受19を中心にして揺動可能に支持する。
図4及び図5において、シザーズギア14は、互いに隣接したメイン歯車片14aとサブ歯車片14bとから構成され、これらのメイン歯車片14aとサブ歯車片14bは、平歯車13と係合したときにバックラッシュを除去するようにバネによってそれぞれ逆方向に付勢されている。
球面軸受19は、図5に示すように、ウォームギヤ軸15に形成された凸球面の球面座19aと、支柱2に固設されている保持部19bと、この保持部19bに形成された保持凹部19cと、球面座19aと保持凹部19cとの間に挟持された複数の小球19dと、から構成される。
このようにして、球面軸受19は、曲率中心Oを揺動中心としてウォームギヤ軸15を揺動可能に軸支している。なお、このウォームギヤ軸15の揺動角度は±1°程度である。
図3において、第1及び第2の玉軸受17、18の機能は、紙面に平行な上下方向、即ちウォームギヤ軸15がウォームホイール30に接近する又は離間する方向へのウォームギヤ軸15の僅かな移動又は変位を許容するが、その方向に垂直な方向、即ち紙面に垂直な方向へのウォームギヤ軸15の移動又は変位を阻止することである。
軸受保持部25は、支柱2に固設されており、一部に凸状の押圧部25aを有する。この凸状押圧部25aは、図6及び図7に示すように、第1の玉軸受17の外輪17cの所定の部分Pに当接し、そこを押圧する。この凸状押圧部25aの押圧によって第1の玉軸受17がガタ無く接触し、この部分Pにおいて外輪17cと玉17bと内輪17aとが互いに密着し、これによって図7において、ウォームギヤ軸15の矢印D1方向の変位を実質的に阻止する。なお、この状態においては、Pの反対側の玉軸受17の外輪17cと軸受保持部25との間には隙間が存在している。
押圧部材26の押圧によって第2の玉軸受18がガタ無く接触し、この部分Qにおいて外輪18cと玉18bと内輪18aとが互いに密着し、これによって図8において、ウォームギヤ軸15の矢印D2方向の変位を実質的に阻止する。なお、この状態においては、Qの反対側の玉軸受18の外輪18cと軸受保持部25との間には隙間が存在している。
また、第1及び第2の玉軸受17,18は、ウォームギヤ軸15の揺動中心、即ち上述の曲率中心Oから大きく離れた位置に設置されているので、一層効果的に上述のウォームギヤ軸15の変位を阻止することができる。
この第2の微動回動機構は、上述した第1の微動回動機構と実質的に同一構成である。
図9及び図10において、第2の微動操作ノブ111は、台座3の筐体部分に回転可能に取り付けられている。第2の微動操作ノブ111のノブ軸112にはその先端に平歯車113が固設されている。この平歯車113はシザーズギア114に係合しており、このシザーズギア114は、ウォームギヤ軸115の一端部に固設されている。
また、ウォームギヤ軸115は、その一端部付近において球面軸受119によって軸支され、この球面軸受119は、ウォームギヤ軸115を、回動可能に支持すると共に球面軸受119を中心にして揺動可能に軸支する。
また、ウォームギヤ軸115の他端と台座3との間にはコイルバネ122が張設され、このコイルバネ122は、ウォームギヤ116がウォームホイール130に接近する方向にウォームギヤ軸115を付勢する。
図1乃至図3において、第1の微動操作ノブ11を回転操作すると、平歯車13及びシザーズギア14によって減速され、ウォームギヤ軸15に伝達される。
この時、操作者は、第1の微動操作ノブ11の小径つまみ部11aをつまんで操作すると比較的高速で微動操作を行うことができ、大径つまみ部11bをつまんで操作すると比較的低速で微動操作を行うことができる。
ウォームギヤ軸15の回転は、ウォームギヤ16とウォームホイール30とを介して水平回転軸体31を回動して、視準望遠鏡部4を水平軸Hの回りに微動回転駆動する。
また、ウォームギヤ軸15は、波形バネ21によって軸方向、即ち図3の右方向に付勢され、かつコイルバネ22によって図3の上方向、即ちウォームホイール30の方に付勢されている。従って、ウォームギヤ16とウォームホイール30とは、バックラッシュの発生無く、常に噛み合い状態を確実に保持するので、ウォームギヤ軸15の回転は、遊びの発生無く確実にウォームホイール30に伝達される。
勿論、シザーズギア14の厚さ方向の中心、即ち上記連接面と曲率中心Oとを完全に一致させなくても、シザーズギア14の厚さ方向の中心を曲率中心Oの近傍に位置することによって、シザーズギア14と平歯車13との噛み合いに対するウォームギヤ軸15の揺動の影響を十分に抑制することができる。
保持部19bは、球面軸受19の一部を構成すると共に、波形バネ21を保持する機能を備えるものである。このように保持部19に複数の機能を持たせることによって、ウォームギヤ軸15回りの構成のコンパクト化を図ることができる。
図11において、第2の玉軸受18の左右に第1の玉軸受17と第3の玉軸受170とが配置されている。この第3の玉軸受170と第2の玉軸受18との距離は、第1の玉軸受17と第2の玉軸受18との距離に等しく定められている。なお、第1及び第2の玉軸受17、18は、その構成及び機能が図6の玉軸受17、18と同一である。
第3の玉軸受170と第2の凸状押圧部25bは、その構成及び機能が第1の玉軸受17及び第1の凸状押圧部25aの構成及び機能と同一であり、相違点は第1の玉軸受17と第3の玉軸受170とが玉軸受18を挟むように配置されていることである。
押圧部材26が第2の玉軸受18を押圧すると、第1及び第2の凸状押圧部25a、25bにそれぞれ反力が発生し、この反力が第1の玉軸受17と第3の玉軸受170をそれぞれ押圧する。こうして、第1及び第2の凸状押圧部25a、25bの押圧力は、互いに等しく、押圧部材26の押圧力の半分に等しい。
このような同一構成の第1及び第3の玉軸受17,170を第2の玉軸受18の左右に配置することによって、図6に示した第1及び第2の玉軸受17,18によって発生したモーメントを大幅に低減することができる。
また、シザーズギア14は、メイン歯車片14aの厚さとサブ歯車片14bの厚さが同一であったが、必ずしも、それらの厚さを同一にする必要はなく、メイン歯車片14aの厚さとサブ歯車片14bの厚さとを互いに異ならせても良い。この場合には、シザーズギア14の厚さ方向の中心を球面座19aの曲率中心Oに一致させるのではなく、メイン歯車片14aとサブ歯車片14bとの向かい合った面、即ち連接面を球面座19aの曲率中心Oに一致させることが望ましい。
また、第1の玉軸受17と第2の玉軸受18との間隔は、第2の玉軸受18と第3の玉軸受170との間隔と同一でなくても良く、同様に、第1の玉軸受17の押圧力と第3の玉軸受170の押圧力との和を第2の玉軸受18の押圧力とを同一にする必要もない。必要なことは、第1の玉軸受17の押圧力と第2の玉軸受18の押圧力とによって発生するモーメントを、第2の玉軸受18の押圧力と第3の玉軸受170の押圧力とによって発生するモーメントにほぼ等しくかつ逆向きにすることである。
本発明は、その特徴を損なわない限り、以上説明した実施の形態に何ら限定されない。
3:台座 4:視準望遠鏡部
11:第1の微動操作ノブ 13:平歯車
14:シザーズギア 15:ウォームギヤ軸
16:ウォームギヤ 17、18:玉軸受
19:球面軸受 22:コイルバネ
25:軸受保持部 26:押圧部材
30:ウォームホイール 31:水平回転軸体
100:測量機 111:第2の微動操作ノブ
113:平歯車 114:シザーズギア
115:ウォームギヤ軸 116:ウォームギヤ
117、118:玉軸受 119:球面軸受
122:コイルバネ 130:ウォームホイール
131:垂直回転軸体 H:水平軸
O:曲率中心 V:鉛直軸
Claims (8)
- 視準望遠鏡部を回転する回転軸体と、
前記回転軸体に取り付けられた第1の歯車と、
前記第1の歯車に係合する第2の歯車を有する歯車主軸と、
前記歯車主軸を回転可能かつ揺動可能に軸支する球面軸受と、
前記第2の歯車を前記第1の歯車に押付ける押付方向に前記歯車主軸を付勢する付勢部材と、
前記歯車主軸を回転可能に軸支する第1及び第2の軸受と、
前記第1の軸受を前記押付方向に垂直な一方向に押圧する第1の押圧部材と、
前記第2の軸受を前記一方向とは逆方向に押圧する第2の押圧部材と、
を備えることを特徴とする測量機。 - 請求項1に記載の測量機において、
前記球面軸受は、前記歯車主軸の一端部を軸支し、前記第1及び第2の軸受は、前記歯車主軸の他端部を軸支することを特徴とする測量機。 - 請求項2に記載の測量機において、
前記第1の押圧部材の押圧力は、前記第2の押圧部材の押圧力にほぼ等しいことを特徴とする測量機。 - 請求項2に記載の測量機において、
前記歯車主軸を回転可能に軸支する第3の軸受と、
前記第3の軸受を前記垂直な一方向に押圧する第3の押圧部材とを更に備え、
前記第3の軸受は、前記第1の軸受と前記第3の軸受とが前記第2の軸受を挟むように、配置されることを特徴とする測量機。 - 請求項4に記載の測量機において、
前記第1の軸受と前記第2の軸受との間隔が前記第2の軸受と前記第3の軸受との間隔にほぼ等しいことを特徴とする測量機。 - 請求項5に記載の測量機において、
前記第1、第2、及び第3の押圧部材の各々の押圧力は、第1の押圧部材の押圧力と第3の押圧部材の押圧力がほぼ等しく、且つ第1の押圧部材の押圧力と第3の押圧部材の押圧力の和が第2の押圧部材の押圧力にほぼ等しいことを特徴とする測量機。 - 請求項1に記載の測量機において、
前記第1の軸受は、前記歯車主軸に固着された内輪と、前記第1の押圧部材に押圧される外輪と、前記内輪と前記外輪との間に挟持される転動体とを含み、
前記第2の軸受は、前記歯車主軸に固着された内輪と、前記第2の押圧部材に押圧される外輪と、前記内輪と前記外輪との間に挟持される転動体とを含むことを特徴とする測量機。 - 請求項4に記載の測量機において、
前記第1の軸受は、前記歯車主軸に固着された内輪と、前記第1の押圧部材に押圧される外輪と、前記内輪と前記外輪との間に挟持される転動体とを含み、
前記第2の軸受は、前記歯車主軸に固着された内輪と、前記第2の押圧部材に押圧される外輪と、前記内輪と前記外輪との間に挟持される転動体とを含み、
前記第3の軸受は、前記歯車主軸に固着された内輪と、前記第3の押圧部材に押圧される外輪と、前記内輪と前記外輪との間に挟持される転動体とを含むことを特徴とする測量機。
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