JP2004175239A - 伝動装置およびこれを備える電動パワーステアリング装置 - Google Patents

伝動装置およびこれを備える電動パワーステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004175239A
JP2004175239A JP2002344352A JP2002344352A JP2004175239A JP 2004175239 A JP2004175239 A JP 2004175239A JP 2002344352 A JP2002344352 A JP 2002344352A JP 2002344352 A JP2002344352 A JP 2002344352A JP 2004175239 A JP2004175239 A JP 2004175239A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric motor
shaft
housing
gear
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002344352A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4016815B2 (ja
Inventor
Kazuaki Nagamatsu
和晃 永松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Seiko Co Ltd filed Critical Koyo Seiko Co Ltd
Priority to JP2002344352A priority Critical patent/JP4016815B2/ja
Publication of JP2004175239A publication Critical patent/JP2004175239A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4016815B2 publication Critical patent/JP4016815B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】互いに軸線が交差する歯車を備える伝動装置において、バックラッシ等の調整を容易にする。
【解決手段】電動モータユニット91は、電動モータ14と、この電動モータ14の回転軸13と延設軸35を介して同軸上に一体回転可能に取り付けられる駆動ギヤ19とを含む。電動モータユニット91の第2ハウジング18の嵌合凸部31と、主ハウジング23の嵌合凹部80とが、軸線30に沿う調整方向Aに位置調整可能に嵌め合わされている。軸線30は、駆動ギヤ19および被動ギヤ20の両歯車の回転軸線である第1および第2の軸線12,6の双方と斜め交差している。電動モータユニット91を調整方向Aに位置調整することで、電動モータ14に支持される駆動ギヤ19の位置が、駆動ギヤ19の回転軸線に沿う方向およびこれと交差する方向に同時に調整される。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに軸線が交差して噛み合う歯車を備える伝動装置、およびこれを備える電動パワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
いわゆるラックアシストタイプのパワーステアリング装置として、操舵補助用の電動モータの駆動力を、転舵軸(ラック軸)の回りに配置される例えば傘歯車を介してこの転舵軸に与える電動パワーステアリング装置が提供されている。この電動パワーステアリング装置では、上記傘歯車を含む伝動装置を介して電動モータの駆動力が伝達される。より具体的には、上記転舵軸の回りに配置される被動側の傘歯車と、電動モータの回転軸に取り付けられる駆動側の傘歯車とが噛み合い、電動モータの駆動力を転舵軸に伝達して操舵補助を行うようになっている。
【0003】
これら互いに噛み合う傘歯車の歯面間の隙間(バックラッシ)を調整するために、例えば操舵補助用の電動モータを、このモータの回転軸の軸線に対して偏心した軸線の回りに回転変位させて位置調整可能にハウジングに取り付けた電動パワーステアリングアセンブリが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この電動パワーステアリングアセンブリでは、上記偏心した軸線の回りに電動モータを回転変位させて、上記駆動側の傘歯車をその軸線と直交する方向に移動させ、歯車間のバックラッシを調整している。
【0004】
【特許文献1】
特許第3245582号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のように、偏心位置調整するための機構は複雑であり、製造コストが高くなる。
同様の問題は、電動パワーステアリング装置の伝動装置に限らず、互いに軸線が交差して噛み合う歯車を備える一般の伝動装置においても存在する。
そこで、本発明の課題は、バックラッシ等を容易に調節できる、互いに軸線が交差する歯車を備える伝動装置およびこれを備える安価な電動パワーステアリング装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するため、第1の発明は、互いに噛み合う第1および第2の歯車を有する交差軸歯車機構を介して動力伝達する伝動装置において、上記第1の歯車をその回転軸線に沿う方向に位置決めした状態で支持する第1のユニットと、上記第2の歯車をその回転軸線に沿う方向に位置決めした状態で支持する第2のユニットとを備え、この第2のユニットは、第1のユニットの被支持部を両歯車の回転軸線の双方と斜め交差する所定の調整方向に沿って位置調整可能に支持する支持部を含み、第1のユニットの被支持部を上記所定の調整方向に沿って第2のユニットに対して位置決めする位置決め手段をさらに備えることを特徴とする伝動装置を提供する。
【0007】
本発明によれば、第1のユニットの被支持部を、第1および第2の両歯車の回転軸線の双方と斜め交差する所定の調整方向に位置調整できる。これにより、第1のユニットに支持される第1の歯車の位置が、その回転軸線に沿う方向およびこの回転軸線と交差する方向に同時に調整される。このように、第1のユニットを単に1方向に位置調整する簡単な作業で、コスト安価に交差軸歯車機構の歯車間のバックラッシと歯当たりを適正に調整できる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、上記被支持部は嵌合凸部を含み、上記支持部は嵌合凸部を上記所定の調整方向に位置調整可能に嵌め合わせる嵌合凹部を含むことを特徴とする。
本発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏することができる。さらに、第1のユニット内での嵌合凸部の傾き角や第2のユニット内での嵌合凹部の傾き角の設定により、所定の調整方向に位置調整可能な支持を容易に達成できる。
【0009】
第3の発明は、第1または第2の発明において、上記位置決め手段は、上記所定の調整方向に対向する第1および第2のユニットの対向部間に介在する薄板を含むことを特徴とする。
本発明によれば、第1または第2の発明と同様の効果を奏することが可能である。さらに、第1および第2のユニットの対向部間に薄板を挟持させる非常に簡単な構造で、バックラッシを安価かつ容易に、しかも精度良く調整できる。
【0010】
第4の発明は、モータハウジングおよびこのモータハウジングから突出する回転軸を有する電動モータと、第1,2または3の発明の伝動装置と、電動モータの回転軸から伝動装置を介して伝達される回転を転舵軸の軸長方向の移動に変換する変換機構とを備える電動パワーステアリング装置であって、上記第1のユニットは、上記電動モータと、この電動モータの回転軸と同軸上に一体回転可能に取り付けられる第1の歯車とを有する電動モータユニットを含み、第2のユニットは、転舵軸を軸長方向に移動自在に支持すると共に、転舵軸の回りに回転可能に上記第2の歯車を支持する主ハウジングを含むことを特徴とする電動パワーステアリング装置を提供する。
【0011】
本発明によれば、電動モータユニットを主ハウジングに対して所定の調整方向に位置調整でき、電動モータの回転軸に取り付けられる第1の歯車の位置を、その回転軸線に沿う方向およびこの回転軸線と交差する方向に同時に調整できる。
このため、電動パワーステアリング装置において、電動モータユニットを単に1方向に位置調整する簡単な作業で、コスト安価に交差軸歯車機構の歯車間のバックラッシと歯当たりを適正に調整できる。
【0012】
第5の発明は、第4の発明において、上記モータハウジングは、回転軸を突出させる第1ハウジングと、この第1ハウジングを主ハウジングに連結するための第2ハウジングとを含み、第2ハウジングは、回転軸と同軸上に一体回転可能に連結される延設軸を回転可能に支持することを特徴とする。
本発明によれば、第4の発明と同様の効果を奏することができる。さらに、延設軸を設けることで、電動モータを交差軸歯車機構の遠方にも配置することができ、電動モータの配置の自由度を増すことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態の電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、本電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に一体回転可能に連結される第1操舵軸3aと、この第1操舵軸3aとトーションバー3bを介して同軸上に連絡される第2操舵軸3cと、この第2操舵軸3cと連なり転舵輪4の転舵を達成するためのラックアンドピニオン機構等からなる舵取機構5とを備える。
【0014】
舵取機構5は、車両の左右方向に延びて配置され、軸長方向に沿って移動自在な転舵軸7と、この転舵軸7の両端にタイロッド8を介して結合され、転舵輪4を支持するナックルアーム9とを備える。
上記の軸長方向は、後述する被動ギヤ20の回転軸線である第2の軸線6に沿う方向に相当する。転舵軸7の軸長方向への移動により、転舵輪4の転舵が達成される。転舵軸7の一部には、ラック10が形成されており、このラック10には、第2操舵軸3cの端部に設けられて第2操舵軸3cと一体回転するピニオン11が噛み合わされている。操舵部材2の操作に応じて第1および第2操舵軸3a,3cが回転駆動されると、この回転が、ピニオン11およびラック10により転舵軸7の移動に変換され、転舵輪4の転舵が達成される。
【0015】
また、第2の軸線6に交差する第1の軸線12の回りに回転可能な回転軸13を有する操舵補助用の電動モータ14が、転舵軸7に動力伝達可能に連結されている。
トーションバー3bを介する第1および第2の操舵軸3a,3cの相対回転変位量により、操舵部材2の操作トルクを検出するためのトルクセンサ15が設けられている。このトルクセンサ15からの信号は、マイクロプロセッサ等を含む制御部Cに入力される。さらに、制御部Cには、車速を検出するための車速センサ16からの検出信号が入力されるようになっている。
【0016】
制御部Cはトルクセンサ15からの信号等に応じて、電動モータ14を駆動するための駆動部としての駆動回路17に制御信号を出力する。この制御信号が与えられた駆動回路17は、電動モータ14に電力を供給し、電動モータ14を駆動する。この電動モータ14の駆動による駆動力が、転舵軸7に作用して操舵補助が行われるようになっている。
図2は、電動モータ14周辺の、電動パワーステアリング装置1の部分断面図である。図2を参照して、電動パワーステアリング装置1は、互いに噛み合う第1の歯車としての駆動ギヤ19および第2の歯車としての被動ギヤ20を有する交差軸歯車機構21と、この交差軸歯車機構21を介して伝達される電動モータ14の回転軸13の回転を、転舵軸7の軸長方向の移動に変換する変換機構22とを備える。
【0017】
上記駆動ギヤ19は、第1のユニットとしての電動モータユニット91によって、その回転軸線である第1の軸線12に沿う方向に位置決めされた状態で支持されている。上記被動ギヤ20は、転舵軸7を支持する第2のユニット92の主ハウジング23によって、その回転軸線である第2の軸線6に沿う方向に位置決めされた状態で支持されている。
電動モータユニット91は、上記電動モータ14と、この電動モータ14の回転軸13と同軸上に一体回転可能に取り付けられる上記駆動ギヤ19とを有する。
【0018】
モータハウジング14aは、ロータやマグネット等の駆動力(回転力)を発生するための機構を収容すると共に、この機構により回転駆動される回転軸13を突出させる第1ハウジング24と、この第1ハウジング24を主ハウジング23に連結するための第2ハウジング18とを備える。
第1ハウジング24の例えば外周部には、ボルト挿通孔(図示せず)を有する座部25が形成されている。一方、第2ハウジング18の例えば外周部には、ボルト孔(図示せず)を有する結合部26が、上記座部25と対向するように形成されている。また、第2ハウジング18の、第1ハウジング24側の端部には、第1ハウジング24を嵌め合わせるための環状縁部27が形成されている。第1ハウジング24の環状段部28を環状縁部27に嵌め込み、座部25のボルト挿通孔(図示せず)に挿通されるボルト29を結合部26のボルト孔(図示せず)にねじこむことにより、第1ハウジング24が、第2ハウジング18に固定されている。
【0019】
第2ハウジング18は、電動モータユニット91の被支持部としての嵌合凸部31と、この第2ハウジング18を主ハウジング23に固定するためのボルト33を受ける座部34とをさらに含む。嵌合凸部31は、例えば円筒状に形成されている。
さらに、第2ハウジング18には、回転軸13と同軸上に一体回転可能に連結される延設軸35を回転可能に支持する貫通孔36が、延設軸35と同心的に形成されている。
【0020】
延設軸35の一端部37が、電動モータ14の回転軸13に一体回転する筒体13aに例えば圧入またはセレーション結合により取り付けられている。また、延設軸35の他端部38には、駆動ギヤ19が一体回転可能に固定されている。これにより、駆動ギヤ19が、延設軸35を介して回転軸13と一体回転するようになっている。
第2ハウジング18は、第1および第2の軸受39,40を介して、延設軸35の一端部37および他端部38を回転自在に支持する。第1および第2の軸受39,40は、例えば転がり軸受からなり、延設軸35の一端部37および他端部38にそれぞれ嵌め合わされる内輪41,42と、第2ハウジング18の貫通孔36に嵌め合わされる外輪43,44とを備える。
【0021】
延設軸35の外周には、第1の軸線12に沿って、延設軸35の一端部37に形成されたねじ部48にねじ止めされるナット部材45、第1の軸受39の内輪41、第1のカラー46、第2の軸受40の内輪42および第2のカラー47が順に配置され、この第2のカラー47が駆動ギヤ19と当接している。第1の軸受39の内輪41、第1のカラー46、第2の軸受40の内輪42および第2のカラー47は、ナット部材45および駆動ギヤ19に挟持されており、延設軸35に対する軸方向の移動が規制されている。
【0022】
貫通孔36の一端部49には、環状段部50が形成されている。この環状段部50に第2の軸受40の外輪44が当接しており、この第2の軸受40を介して、延設軸35の駆動ギヤ19側への移動が規制されている。
さらに、第1の軸受39の外輪43は、予圧調整用のねじ部材51により、駆動ギヤ19側へ付勢されている。ねじ部材51は、第1ハウジング24側の貫通孔36の内周に形成されるねじ部52にねじ込まれることにより、第1のカラー46を介して第1および第2の軸受39,40に予圧を付与すると共に、延設軸35を軸方向に位置決めしている。ロックナット53は、予圧調整後のねじ部材51を止定するためにねじ部材51に係合されるロックナットである。
【0023】
駆動ギヤ19には、被動ギヤ20が噛み合わされており、駆動ギヤ19の回転が、被動ギヤ20で減速されるようになっている。駆動ギヤ19および被動ギヤ20は、例えば傘歯車からなる。被動ギヤ20は変換機構22の入力要素である後述する回転筒54と一体回転可能に連結されている。
変換機構22として、本実施の形態ではベアリングねじ機構を用いている。この変換機構22は、被動ギヤ20と一体回転可能に連結され、かつ主ハウジング23に対する軸方向移動を規制されるベアリングナットからなる回転筒54と、回転不能な転舵軸7の軸方向中間部に形成され、ねじ溝55を有するねじ部56と、回転筒54とねじ溝55との間に介在する複数の転がり軸受57とを備える。
【0024】
回転筒54は、被動ギヤ20と同軸上に配置されており、ピン等の連結部材58を介して一体回転可能に連結される第1および第2の部分59,60を有する。第1の部分59の軸方向中間部には、径方向外方に張り出した張出部61が形成されている。
この張出部61が、キー等の連結部材62を介して第1の部分59と一体回転可能に嵌め合わされる上記被動ギヤ20と当接している。また、第1の部分59の環状縁部63に、第2の部分60の環状縁部64が嵌め合わされており、この第2の部分60と被動ギヤ20とが当接している。被動ギヤ20が、これら張出部61と第2の部分60との間に挟持され、被動ギヤ20が転舵軸7の軸長方向へ移動することが規制されている。
【0025】
第2の部分60には、その内周に傾斜状の周溝65が複数形成されており、各周溝65に、上記複数の転がり軸受57の各外輪66がそれぞれ保持されている。各転がり軸受57は、第2の軸線6に対してそれぞれ所定の傾きを有して配置されている。また、各転がり軸受57の内輪67の内周のねじ山68が、回転筒54の内周に挿通された転舵軸7のねじ部56のねじ溝55に嵌合されている。
主ハウジング23は、電動モータユニット91の被支持部である嵌合凸部31を嵌め合わせて、駆動ギヤ19および被動ギヤ20の両歯車の回転軸線12,6の双方と斜め交差する所定の軸線30に沿う所定の調整方向Aに沿って位置調整可能に支持する支持部としての例えば円孔からなる嵌合凹部80と、転舵軸7、交差軸歯車機構21および変換機構22を収容するための収容室69と、第2ハウジング18を主ハウジング23に固定するための前述のボルト33と結合する結合部71とを含む。
【0026】
収容室69には、転舵軸7の軸長方向の一端部の内周に周溝72が形成されており、例えば複列アンギュラ玉軸受からなる第3の軸受73の外輪74が保持されている。また、第3の軸受73の内輪75が、変換機構22の回転筒54の第1の部分59の一端部76に嵌め合わされている。これにより、主ハウジング23は、第3の軸受73を介して変換機構22の回転筒54を回転自在に支持している。
【0027】
さらに、第2のユニット92の主ハウジング23は、第3の軸受73、および、例えばすべり軸受からなる第4の軸受70を介して転舵軸7を軸長方向に移動自在に支持すると共に、被動ギヤ20を転舵軸7の回りに回転可能に支持している。
第3の軸受73の内輪75は、回転筒54の第1の部分59の環状段部77と、この第1の部分59の一端部76に形成されるねじ部にねじ止めされたロックナット78との間に挟持されている。さらに、第3の軸受73の外輪74が周溝72に保持されており、第3の軸受73が転舵軸7の軸長方向への移動を規制されている。
【0028】
主ハウジング23の両端部にはそれぞれ、転舵軸7を収容室69に出入りさせるための挿通孔79が形成されている。
嵌合凹部80および嵌合凸部31の断面が円形である場合には、これら嵌合凹部80および嵌合凸部31の中心軸線は互いに重なることになる。この嵌合凹部80は、収容室69に斜め方向から連通する斜孔からなる。また、この嵌合凹部80の内周面の形状は、電動モータ14の第2ハウジング18の嵌合凸部31の外周面の形状と対応している。例えば2段円筒状の嵌合凸部31に、対応する形状の嵌合凹部80が嵌め合わされる。これにより、電動モータユニット91が主ハウジング23に支持される。
【0029】
この電動パワーステアリング装置1は、電動モータユニット91の嵌合凸部31を軸線30に沿って主ハウジング23に対して位置決めする位置決め手段としての薄板であるシム83をさらに備える。
主ハウジング23の嵌合凹部80の開口周縁部81と、電動モータユニット91の第2ハウジング18の嵌合凸部31の基端の環状段部32の一部拡大断面図である図3を参照して、開口周縁部81と、環状段部32とが、調整方向Aに対向している。これら対向部としての開口周縁部81と環状段部32の間に上記シム83が介在している。開口周縁部81の表面の一部が窪んで座84が形成されており、この座84に、開口周縁部81と環状段部32の間をシールする封止部材85が保持されている。
【0030】
再び図2を参照して、主ハウジング23の結合部71は、第2ハウジング18の座部34と対向して設けられている。座部34のボルト挿通孔(図示せず)に挿通されるボルト33を結合部71のボルト孔(図示せず)にねじこむことにより、第2ハウジング18が、主ハウジング23に固定されている。
以上の構成により、電動モータ14の回転軸13の回転は、延設軸35および交差軸歯車機構21を介して変換機構22の回転筒54の回転に変換され、さらに、この回転筒54の回転が、変換機構22の複数の転がり軸受57および転舵軸7のねじ部56を介して転舵軸7の軸長方向の直線運動に変換され、その結果、操舵補助が達成されるようになっている。
【0031】
また、電動モータユニット91を主ハウジング23に取り付ける際、シム83の厚みや枚数を増減することで、主ハウジング23の嵌合凹部80の開口周縁部81と、電動モータユニット91の第2ハウジング18の環状段部32との距離Dを増減することができる。これにより、駆動ギヤ19を電動モータユニット91と一体的に、軸線30に沿って移動させ、シム83の厚み等に応じて駆動ギヤ19を主ハウジング23に対して位置決めする。
【0032】
図4は、駆動ギヤ19の歯面と被動ギヤ20の歯面との位置調整について説明するための、図2の交差軸歯車機構21の拡大図である。図4(a)は、駆動ギヤ19が位置調整される前の状態を示しており、図4(b)は、駆動ギヤ19が位置調整された後の状態を示している。
図4を参照して、駆動ギヤ19の被動ギヤ20に対する位置を調整する場合、図3に示すシム83の枚数を増減する等して、電動モータユニット91の第2ハウジング18の環状段部32と、主ハウジング23の嵌合凹部80の開口周縁部81との距離Dを増減させる。
【0033】
これにより、駆動ギヤ19が調整方向Aの何れか一方に、図4(a)に示す位置から例えば図4(b)に示す位置に移動する。
本実施の形態によれば、電動モータユニット91の第2ハウジング18の嵌合凸部31を、駆動ギヤ19および被動ギヤ20の両歯車の回転軸線である第1および第2の軸線12,6の双方と斜め交差する軸線30に沿う調整方向Aに位置調整できる。これにより、電動モータ14に支持される駆動ギヤ19の位置が、その回転軸線に沿う方向およびこの回転軸線と交差する方向に同時に調整される。このように、電動モータユニット91を単に1方向に位置調整する簡単な作業で、コスト安価に交差軸歯車機構21の歯車19,20間のバックラッシと歯当たりを適正に調整できる。
【0034】
さらに、電動モータユニット91の第2ハウジング18の嵌合凸部31の傾き角や、主ハウジング23の嵌合凹部80の傾き角の設定により、調整方向Aに位置調整可能な支持を容易に達成できる。
また、電動モータユニット91の第2ハウジング18の環状段部32と、主ハウジング23の嵌合凹部80の開口周縁部81との対向部間にシム83を挟持させる非常に簡単な構造で、バックラッシを安易かつ容易に、しかも精度良く調整できる。
【0035】
さらに、延設軸35を設けることで、電動モータ14を交差軸歯車機構21の遠方にも配置することができ、電動モータ14の配置の自由度を増すことができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されない。例えば、交差軸歯車機構21の駆動ギヤ19および被動ギヤ20は、傘歯車に限らず、例えばはすば傘歯車であっても良い。
【0036】
また、第2の軸線6と軸線30とがなす角度θ(図2参照。例えば本実施の形態では22度。)が、第2の軸線6と第1の軸線12とがなす角度θ(図2参照。例えば本実施の形態では20度。)より大きい(θ>θ)構成としたが、角度θのほうが大きい(θ<θ)構成であっても良い。
また、主ハウジング23の嵌合凹部80に電動モータユニット91の第2ハウジング18の嵌合凸部31を嵌め合わせる構成としたが、これに限定されない。例えば、主ハウジング23の嵌合凹部80に代えて嵌合凸部を設けると共に、電動モータユニット91の第2ハウジング18の嵌合凸部31に代えて嵌合凹部を設け、これら嵌合凸部と嵌合凹部とを嵌め合わせる構成であっても良い。
【0037】
さらにまた、主ハウジング23の嵌合凹部80および電動モータユニット91の第2ハウジング18の嵌合凸部31は、円筒状のものに限らず、例えば断面多角形形状であっても良い。
変換機構22として、ベアリングねじ機構を用いる構成としたが、公知のボールねじ機構を用いても良い。すなわち、変換機構22の回転筒54をべアリングナットからボールナットに代え、このボールナットの内周のねじ溝と転舵軸7のねじ部56のねじ溝55との間に、複数のボール等の転動体を循環可能に介在させる構成でもよい。
【0038】
さらに、位置決め手段としての薄板であるシム83に代えて、ワッシャ等の座金を用いても良い。
また、操舵部材2が、第1操舵軸3a、トーションバー3b、第2操舵軸3cおよびピニオン11を介して転舵軸7に動力伝達可能に連結され、操舵部材2の操舵量と転舵軸7の移動量の比が一定である構成としたが、これに限定されない。例えば、第2操舵軸3c上に例えば遊星ギヤ機構を含む差動伝達機構を備え、操舵部材2の操舵量と転舵軸7の移動量の比が可変である転舵比可変機構〔VGRS(Variable Gear Ratio System)〕を有していても良い。
【0039】
さらに、本発明は、操舵部材と転舵軸との間の機械的な連結を解き、操舵伝達系の一部を電気的な経路で構成する、いわゆるステア・バイ・ワイヤシステム(単にSBWとも称する)を含む電動パワーステアリング装置に用いることもできる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えば本発明の伝動装置を電動パワーステアリング装置以外の装置の伝動装置にも適用できる等、本発明の請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】電動モータ周辺の、電動パワーステアリング装置の部分断面図である。
【図3】主ハウジングの嵌合凹部の開口周縁部と、電動モータユニットの第2ハウジングの嵌合凸部の基端の環状段部の一部拡大断面図である。
【図4】駆動ギヤの歯面と被動ギヤの歯面との位置調整について説明するための、図2の交差軸歯車機構の拡大図であり、(a)は、駆動ギヤが位置調整される前の状態を、(b)は、駆動ギヤが位置調整された後の状態を示している。
【符号の説明】
6 第2の軸線
12 第1の軸線
13 回転軸
14 電動モータ
14a モータハウジング
18 第2ハウジング
19 駆動ギヤ(第1の歯車)
20 被動ギヤ(第2の歯車)
21 交差軸歯車機構
23 主ハウジング
24 第1ハウジング
30 軸線
31 嵌合凸部(被支持部)
32 環状段部
35 延設軸
80 嵌合凹部(支持部)
81 開口周縁部
83 シム(位置決め手段。薄板)
91 電動モータユニット(第1のユニット)
92 第2のユニット
A 調整方向

Claims (5)

  1. 互いに噛み合う第1および第2の歯車を有する交差軸歯車機構を介して動力伝達する伝動装置において、
    上記第1の歯車をその回転軸線に沿う方向に位置決めした状態で支持する第1のユニットと、
    上記第2の歯車をその回転軸線に沿う方向に位置決めした状態で支持する第2のユニットとを備え、
    この第2のユニットは、第1のユニットの被支持部を両歯車の回転軸線の双方と斜め交差する所定の調整方向に沿って位置調整可能に支持する支持部を含み、
    第1のユニットの被支持部を上記所定の調整方向に沿って第2のユニットに対して位置決めする位置決め手段をさらに備えることを特徴とする伝動装置。
  2. 請求項1において、上記被支持部は嵌合凸部を含み、上記支持部は嵌合凸部を上記所定の調整方向に位置調整可能に嵌め合わせる嵌合凹部を含むことを特徴とする伝動装置。
  3. 請求項1または2において、上記位置決め手段は、上記所定の調整方向に対向する第1および第2のユニットの対向部間に介在する薄板を含むことを特徴とする伝動装置。
  4. モータハウジングおよびこのモータハウジングから突出する回転軸を有する電動モータと、請求項1,2または3記載の伝動装置と、電動モータの回転軸から伝動装置を介して伝達される回転を転舵軸の軸長方向の移動に変換する変換機構とを備える電動パワーステアリング装置であって、
    上記第1のユニットは、上記電動モータと、この電動モータの回転軸と同軸上に一体回転可能に取り付けられる第1の歯車とを有する電動モータユニットを含み、
    第2のユニットは、転舵軸を軸長方向に移動自在に支持すると共に、転舵軸の回りに回転可能に上記第2の歯車を支持する主ハウジングを含むことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項4において、上記モータハウジングは、回転軸を突出させる第1ハウジングと、この第1ハウジングを主ハウジングに連結するための第2ハウジングとを含み、
    この第2ハウジングは、回転軸と同軸上に一体回転可能に連結される延設軸を回転可能に支持することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
JP2002344352A 2002-11-27 2002-11-27 電動パワーステアリング装置 Expired - Fee Related JP4016815B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002344352A JP4016815B2 (ja) 2002-11-27 2002-11-27 電動パワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002344352A JP4016815B2 (ja) 2002-11-27 2002-11-27 電動パワーステアリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004175239A true JP2004175239A (ja) 2004-06-24
JP4016815B2 JP4016815B2 (ja) 2007-12-05

Family

ID=32705867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002344352A Expired - Fee Related JP4016815B2 (ja) 2002-11-27 2002-11-27 電動パワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4016815B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006182048A (ja) * 2004-12-24 2006-07-13 Favess Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2009143550A (ja) * 2007-12-12 2009-07-02 Hyundai Motor Co Ltd 車両用自動駐車システム
JP2015071312A (ja) * 2006-06-23 2015-04-16 カーベーアー−ノタシ ソシエテ アノニム 活字印刷番号印字のための番号印字装置
CN112032258A (zh) * 2020-07-24 2020-12-04 重庆大学 无侧隙阶梯滚柱包络环面蜗杆传动

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006182048A (ja) * 2004-12-24 2006-07-13 Favess Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2015071312A (ja) * 2006-06-23 2015-04-16 カーベーアー−ノタシ ソシエテ アノニム 活字印刷番号印字のための番号印字装置
JP2009143550A (ja) * 2007-12-12 2009-07-02 Hyundai Motor Co Ltd 車両用自動駐車システム
CN112032258A (zh) * 2020-07-24 2020-12-04 重庆大学 无侧隙阶梯滚柱包络环面蜗杆传动

Also Published As

Publication number Publication date
JP4016815B2 (ja) 2007-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3674020B2 (ja) 車両用操舵装置
US8727065B2 (en) Electric power steering device
JP2000043739A (ja) 電動式舵取装置
JP4524595B2 (ja) 舵角比可変操舵装置
JP3653617B2 (ja) 動力舵取装置
US20140045634A1 (en) Actuating device employed in steering system for vehicle
JP4696785B2 (ja) 車両の操舵装置
JP2004149070A (ja) 電動パワーステアリング装置及びジョイント
KR20040047710A (ko) 전동파워 스티어링 장치
JP4016815B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2004314854A (ja) 車両用操舵装置
JP2002323059A (ja) ジョイント構造及びそれを用いた操舵補助装置
US9010482B2 (en) Transmission ratio variable device
JP2007050845A (ja) 電動パワーステアリング装置
JPH1134888A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP2005035346A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2010043744A (ja) ジョイント構造並びにそれを用いた減速機構及び操舵補助装置
JP2004320842A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2005075117A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP4400078B2 (ja) 車両用操舵装置
JPH07237551A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP2011136652A (ja) 電動パワーステアリング装置
US20230406403A1 (en) Steering actuator and initial free play adjustment method between reducer gears of steering actuator
JP2002053053A (ja) パワーステアリング装置
JP2002225734A (ja) 電動パワーステアリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070619

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070910

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees