JP3674020B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、操舵ハンドルの操舵角に対する車輪の転舵角の伝達比を可変とした車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の操舵装置では、一般に、操舵ハンドルに連結された操舵軸の回転をラックアンドピニオンなどのギヤ装置を介してタイロッドの横方向の変位に変換している。また、この際、車速に応じた走行安定性を確保するため、ギヤ装置における入力−出力間の回転伝達比(ギヤ比)を車速に応じて変化させる伝達比可変機構を採用している。
【0003】
図9に、このような伝達比可変機構を備えた従来の操舵装置の一例を示す(特開昭62−23869号)。この操舵装置では、操舵ハンドルに連結された操舵軸102の回転が、入力ギヤ103,104を介して入力軸101に伝達され、入力軸101はサンギヤ105と一体的に回転する。サンギヤ105の回転は、その外周のプラネタリギヤ106を介してリングギヤ107に伝達され、リングギヤ107と一体化された出力軸108から回転出力を得る機構となっている。
【0004】
また、ステッピングモータ109の回転は、入力軸101に対して回転可能なキャリア110に伝達され、キャリア110はプラネタリギヤ106を支持している。
【0005】
このため、ステッピングモータ109でキャリア110を回転させることで、プラネタリギヤ106がサンギヤ105のまわりを回転移動する状態となり、この作用によって、サンギヤ105によって回転されるプラネタリギヤ106の回転量が変化する。このような機構によって、入力軸101と出力軸108との間の回転伝達比を制御している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の操舵装置では、図10に示すように、入力軸101が矢印a方向に回転すると、この回転がサンギヤ105及びプラネタリギヤ106を介してリングギヤ107に伝達されるが、リングギヤ107は、矢印aとは反対方向となる矢印b方向に回転する。従って、操舵ハンドルの回転方向と出力軸108の回転方向を一致させるためには、操舵軸102の回転を反転させて伝達する必要があった。このため、入力側には、操舵軸102の回転を反転して伝達するための一対の入力ギヤ103,104を介在させる必要があり、操舵装置の小型化を進めるうえで支障となっていた。
【0007】
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、装置の小型化に寄与し得る車両用操舵装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで請求項1にかかる車両用操舵装置は、操舵角に対する転舵角の伝達比を可変とした車両用操舵装置であって、操舵ハンドルの回転操作に連動し、操舵ハンドルと同方向に回転する入力軸と、入力軸に対して同心的に配設され、回転駆動可能なサンギヤと、入力軸に連結されると共に、サンギヤと噛合しつつこのサンギヤのまわりを入力軸と同方向に回転するプラネタリギヤと、内周がプラネタリギヤと噛合する円環状のリングギヤと、リングギヤと一体的に形成され回転する出力軸とを備えて構成する。
【0009】
入力軸が回転すると、この入力軸に連結されたプラネタリギヤが、サンギヤのまわりを入力軸と同方向に回転移動する。プラネタリギヤがサンギヤの周囲を回転移動すると、プラネタリギヤに噛合するリングギヤが、プラネタリギヤの回転方向と同方向に回転され、出力軸がこの方向に回転する。従って、入力軸と出力軸との回転方向が一致する。
【0010】
また、サンギヤが回転することで、プラネタリギヤの回転量が変化しリングギヤの回転量も変化する。この作用により、入力軸に対する出力軸の回転伝達比を変化させることができる。
【0011】
請求項2にかかる車両用操舵装置は、請求項1にかかる車両用操舵装置において、入力軸に対して同心的に配設されると共に駆動源により回転駆動され、この回転をサンギヤに伝達する伝達ギヤと、入力軸の軸線方向に沿った移動を規制し、かつ、入力軸に対して相対回転自在に、サンギヤ及び伝達ギヤを入力軸に対して固定する第1固定手段と、プラネタリギヤを支持する支持部材と、支持部材を入力軸に対して固定する第2固定手段とを備えて構成する。
【0012】
なお、第2固定手段は、例えば、入力軸の軸線方向に沿った支持部材の移動を規制するように、入力軸と支持部材との間に形成された当接部と、支持部材を当接部側へ押圧する押圧部とを備えて構成する。
【0013】
このように第1固定手段によってサンギヤ及び伝達ギヤを入力軸に対して固定し、この第1固定手段とは別の第2固定手段によって、支持部材を入力軸に対して固定する。従って、第1固定手段の固定機構に関わらずに、第2固定手段により支持部材を入力軸に対して固定できることとなり、支持部材の入力軸に対する軸線方向の位置決めを独立して行うことができ、支持部材を組み付ける際の位置決めの自由度が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態につき、添付図面を参照して説明する。
【0015】
図1及び図2に本実施形態にかかる操舵装置を示す。
【0016】
入力軸10は、その上端が操舵軸1に連結されており、また、操舵軸1には図示しない操舵ハンドルが連結されている。このため、入力軸10は操舵ハンドルと同方向に回転する機構となっている。
【0017】
入力軸10は、筒状のスリーブ体20内を貫通しており、スリーブ体20は、 スリーブ22の一端側に円環状のサンギヤ21を形成し、他端側に円環状のウォームホイール23を形成して一体化しており、入力軸10に対して同心的に配設している。入力軸10の外周部とスリーブ体20の内周部との間には、ベアリング12が介在しており(図1参照)、入力軸10とスリーブ体20とは、互いに回転を拘束されることなく、別々に回転する機構となっている。
【0018】
スリーブ体20を貫通した入力軸10の貫通端部には、サンギヤ21よりも大なる外径を有する円盤状のキャリア11を固定している。このキャリア11の周縁部には、等間隔で3箇所に支持ピン13を固定しており、各支持ピン13は、それぞれプラネタリギヤ30を回転自在に支持している。これら3個のプラネタリギヤ30は、中心部に位置するサンギヤ21とそれぞれ噛合しており、キャリア 11が入力軸10と一体的に回転することで、各プラネタリギヤ30は、サンギヤ21と噛合しつつサンギヤ21の周囲を回転移動する機構となっている。
【0019】
各プラネタリギヤ30を囲むように円環状のリングギヤ40が配設されており、リングギヤ40の内周部に形成されたギヤ歯が各プラネタリギヤ30と噛合している。従って、図3に示すように、サンギヤ21、プラネタリギヤ30及びリングギヤ40が同心的に配設され、サンギヤ21と各プラネタリギヤ30とが噛合し、各プラネタリギヤ30とリングギヤ40とが噛合した状態となっており、遊星歯車機構を構成している。
【0020】
また、リングギヤ40には出力軸41が一体化しており、出力軸41に形成したピニオン42にはラック軸43(図1参照)が噛合している。このようなラック&ピニオン機構によって、出力軸41の回転運動をラック軸43の直線運動に変換して、車輪を転舵させる機構となっている。
【0021】
一方、スリーブ体20を構成するウォームホイール23にはウォームギヤ24が噛合しており、このウォームギヤ24は、駆動モータ25によって回転駆動される機構となっている。そして、電子制御装置(ECU)50では、車速センサ60及び操舵角センサ61の検出結果をもとに、操舵方向と車速に応じた駆動モータ25の回転制御を実施している。
【0022】
ここで、各ギヤの動作について説明する。
【0023】
運転者が操舵ハンドルSWを回転させると、この回転が操舵軸1を介して入力軸10に伝達され、入力軸10は操舵ハンドルと同方向に回転する。この際、キャリア11も入力軸10と一体的に回転するため、キャリア11に支持された各支持ピン13も、サンギヤ21の周囲を回転移動する。
【0024】
例えば、図3に矢印cで示す向きに支持ピン13が移動した場合を想定すると、各支持ピン13が移動することで、この支持ピン13によって支持された各プラネタリギヤ30が、支持ピン13を中心に矢印dで示す向きに回転しつつ、サンギヤ21の周囲を矢印c方向に沿って移動する。また、プラネタリギヤ30が矢印d方向に回転すると、プラネタリギヤ30と噛合するリングギヤ40が矢印e方向に回転し、この方向に出力軸41が回転する。従って入力軸10の回転が、同方向に出力軸41に伝達され、出力軸41は入力軸10と同一方向に回転する状態となる。
【0025】
なお、運転者が操舵ハンドルを逆方向に回転させた場合には、各ギヤは、図3に示す矢印とは反対方向へ回転或いは移動し、この場合も同様に入力軸10の回転方向と出力軸41の回転方向は一致する。
【0026】
一方、駆動モータ25によってウォームギヤ24が回転すると、この回転がウォームホイール23を介してスリーブ体20に伝達され、スリーブ体20全体が回転する。すなわち、ウォームギヤ24の回転方向に応じた方向に、スリーブ体20が回転駆動される。従って、スリーブ体20を構成するサンギヤ21も回転し、サンギヤ21が回転することで、サンギヤ21と噛合する各プラネタリギヤ30の回転量が変化する。
【0027】
例えば、プラネタリギヤ30が操舵に伴って矢印c方向に移動する際に、サンギヤ21が図3の矢印f方向に回転することで、矢印d方向に回転するプラネタリギヤ30の回転量が増加され、プラネタリギヤ30と噛合するリングギヤ40の回転量も増大する。また、サンギヤ21が図3の矢印fと反対方向に回転することで、プラネタリギヤ30の回転量が減少され、リングギヤ40の回転量も減少する。
【0028】
このようにサンギヤ21の回転制御を実施することで、入力軸10の回転がリングギヤ40に伝達される回転伝達比(ギヤ比)を変化させることができる。このサンギヤ21の回転制御は、前述したようにECU50によって実施され、操舵方向と車速に応じた駆動モータ25の回転制御が実施される。
【0029】
次に、他の実施形態を図4に示す。なお、図1の操舵装置と同一の機能を有する部材には同一の参照番号を付して示す。
【0030】
この操舵装置は、入力軸10の回転角を検出する操舵角センサ61をウォームホイール23の上部に備えており、出力軸41の回転角を検出するレゾルバ62を出力軸41の下方に備えている。また、ウォームホイール23とサンギヤ21とを、組み付け時に噛合させることで、ウォームホイール23とサンギヤ21とが一体的に回転する機構となっている。
【0031】
ここで図4の操舵装置における遊星歯車機構の組み付けの一例を、図4及び図5を参照して説明する。
【0032】
まず、リング状の操舵角センサ61を入力軸10の下端より挿入し、図に示す位置において、入力軸10の外周部に圧入して固定する。次に、ウォームホイール23の下部に、サンギヤ21の上部を圧入して重合させると共に、この重合部位に結合ピン72を貫通させて、互いの相対回転を拘束した状態で一体化する。なお、この際、結合ピン72に代えて、一方にキー、他方にキー溝を設けて嵌合させることでキー結合させても良い。
【0033】
次に、ウォームホイール23の上部内側に、リング状のアンギュラベアリング15を圧入して固定する。そしてこのようにして一体化させたギヤ全体を入力軸10の下端より挿入する。このとき、入力軸10に形成した位置決め用の段差部10aに対し、アンギュラベアリング15の内輪部が当接するまで挿入する。
【0034】
次に、プラネタリギヤ30が設けられたキャリア11の開口部内に、リング状のアンギュラベアリング16を圧入して固定し、この状態のキャリア11を入力軸10の下端より挿入する。これにより、アンギュラベアリング16の内輪がサンギヤ21の下部に圧入されると共に、プラネタリギヤ30がサンギヤ21と噛合する状態となる。
【0035】
また、キャリア11の固定位置付近には、入力軸10の外周部にねじ溝が切られており、リング状のナット19を入力軸10の下端より図の位置付近まで挿入し、締め上げることで、ナット19によってキャリア11が上方に押圧される状態となる。この押圧力は、キャリア11を介して、アンギュラベアリング16、サンギヤ21、ウォームホイール23と伝わり、段差部10aによって位置決めされたアンギュラベアリング15に作用する。従って、ナット19を締め付けることで、ナット19とアンギュラベアリング15との間に、この間に位置する部材が固定される状態となる。
【0036】
この後、深溝ベアリング17をリングギヤ40の中央部に圧入して固定する。なお、リングギヤ40は、入力軸10側に固定されるベース部40bとリング状のギヤ部40aとで構成され、ベース部40bにギヤ部40aを圧入して互いの一部を重合させると共に、この重合部位に結合ピン73を貫通させることで、互いの相対回転を拘束した状態で一体化している。また、リングギヤ40は、出力軸41に対し、出力軸41とベース部40bとを貫通する連結ピン71によって、互いの相対回転を拘束した状態で連結されている。
【0037】
従って、組付けの際には、例えば、リングギヤ40、深溝ベアリング17及び出力軸41を一体に組み付けて中間ユニットを形成し、下部ハウジング85には、アンギュラベアリング18及びアンギュラベアリング88を予め固定しておく。この中間ユニットを下部ハウジング85内に挿入して、アンギュラベアリング18及びアンギュラベアリング88の内輪部に中間ユニットを嵌合させる。挿入後、ナット87で締め上げて、中間ユニットを下部ハウジング85側に固定する。
【0038】
そして、このようにして組み付けた下部ハウジング85と、リングギヤ40以外の各ギヤ及び入力軸10を組み付けた上部ハウジング86とを、組み合わせる。これにより、リングギヤ40とプラネタリギヤ30とが噛合する状態となる。
【0039】
このようにして組み付けることで、ウォームホイール23及びサンギヤ21は、入力軸10に固定されたアンギュラベアリング15と、キャリア11に固定されたアンギュラベアリング16との間に回転自在に支持される構造となっている。
【0040】
なお、図示は省略したが、キャリア11及び入力軸10には、いずれか一方に軸線方向に延びるキーが突出し、他方にはこのキーと嵌合するキー溝が形成されており、キーとキー溝が嵌合することで、入力軸10を中心とする互いの相対回転が阻止された状態となっている。また、キャリア11と入力軸10とは、ナット19を締め上げることによって固定されるが、その軸線方向の位置は、アンギュラベアリング15から、ウォームホイール23、サンギヤ21、アンギュラベアリング16、キャリア11に至る軸線方向の寸法と、アンギュラベアリング15,16の剛性によって決定される。このため、キャリア11と入力軸10との固定部は、軸線方向に沿って変位できるように、前述したキー結合としている。
【0041】
さらに、他の実施形態を図6に示す。なお、図4で示した部材と同一の機能を有する部材には同一の参照番号を付して示す。
【0042】
図4で示した実施形態との主な変更箇所は、アンギュラベアリング15,16を背面合わせとして用いており、この変更に伴って、キャリア11の固定機構も変更となっている。
【0043】
以下、図6の操舵装置における遊星歯車機構の組み付けの一例を、図6及び図7を参照して説明する。
【0044】
まず、リング状の操舵角センサ61を入力軸10の下端より挿入して、図に示す位置において、入力軸10の外周部に圧入して固定する。
【0045】
また、ウォームホイール23の開口部内に、背面合わせとした状態のアンギュラベアリング15,16の外輪を圧入する。この際、下方に位置するアンギュラベアリング16がウォームホイール23の開口部内に形成した段差部23aに当接するまで圧入しておく。また、ウォームホイール23の開口部内に形成したねじ溝に対してリング状のナット81を締め付け、このナット81を上方に位置するアンギュラベアリング15に当接させておく。
【0046】
次に、このようにアンギュラベアリング15,16及びナット81を装着したウォームホイール23を、入力軸10の下端より挿入して上方にスライドさせ、アンギュラベアリング15の内輪が入力軸10の段差部10aに当接するまで圧入し、その位置に固定する。
【0047】
また、この固定位置付近には、入力軸10の外周部にねじ溝が切られており、リング状のナット82を入力軸10の下端より図の位置付近まで挿入し、締め上げる。これにより、アンギュラベアリング15,16は、入力軸10の軸線方向上部が段差部10a及びナット81に当接し、下部がナット82及び段差部23aに当接している。従って、ウォームホイール23は、入力軸10の軸線方向に沿った移動を規制され、かつ、入力軸10に対して相対回転自在な状態で、入力軸10に対して固定された状態となる。
【0048】
このように、背面合わせとしたアンギュラベアリング15,16と、ナット81、82とを用いることで、他の構成部材に固定位置を規制されることなく、入力軸10に対してウォームホイール23を個別に固定することができる。
【0049】
次に、サンギヤ21を入力軸10の下端より挿入し、サンギヤ21の上部をウォームホイール23の下部内側に圧入する。これにより、ウォームホイール23とサンギヤ21とが連結され、一体的に回転可能な構造となる。
【0050】
次に、プラネタリギヤ30が設けられたキャリア11を入力軸10の下端より挿入する。この際、入力軸10には、入力軸10の軸線方向に沿って挿入されるキャリア11と当接するように、外周部を縮径させて形成した段差部10bを備えており、この段差部10bに当接するようにキャリア11を挿入する。従って、この段差部10bによって、入力軸10に対する軸線方向の固定位置が決定される。
【0051】
また、キャリア11の挿入位置付近には、入力軸10の外周部にねじ溝10cが切られており、キャリア固定用のナット83を入力軸10の下端より挿入して締め上げることで、キャリア11が段差部10bとナット83との間に圧接された状態となり、この作用により、キャリア11が入力軸10に対して一体的に固定される。
【0052】
このように、キャリア11は、他の構成部材に固定位置を規制されることなく、段差部10bによって規定された位置に固定することが可能となり、段差部10bの形成位置を変更することで、キャリア11の固定位置を個別に設定することが可能となる。また、図4の場合に比べて、アンギュラベアリング16の配設位置が上方に移動しており、この分、キャリア11から下側の領域で設置スペースを十分に確保することができる。
【0053】
なお、この後の組付けは、先に説明した図4及び図5に示した実施形態と同様であり、説明は省略する。
【0054】
以上説明した図6及び図7の実施形態では、段差部10bを利用してキャリア11を位置決めする場合を例示したが、この他にも図8に概略的に示すように、入力軸10の下端部を端部に向かって縮径したテーパ形状とし、キャリア11の開口部の内壁を、入力軸10のテーパ形状に沿ったテーパ面とすることも可能である。このように形成した場合にも、キャリア11を入力軸10に対して挿入し、互いのテーパ部を嵌合させた後、ナット83で締め上げることにより、入力軸10に対してキャリア11を固定することができる。
【0055】
なお、この場合、ナット83で締め上げる過程で、キャリア11は入力軸10に対して軸線方向に相対的に変位することになるが、この変位により、サンギヤ21及びリングギヤ40とプラネタリギヤ30との噛合部が、ねじ山とねじ溝の形成方向となる軸線方向に沿って相対変位するだけであるため、この相対変位を許容し、かつ、互いの噛合状態に何ら影響を及ぼすことはない。
【0056】
また、図8に示すように、入力軸10とキャリア11との互いの接合面にそれぞれセレーション84を形成し、セレーション同士の噛合を併用することで、入力軸10の回転方向に沿ったキャリア11の結合力を高めることができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1にかかる車両用操舵装置によれば、サンギヤ、プラネタリギヤ及びリングギヤを同心的に配した遊星歯車機構を採用し、入力軸をプラネタリギヤに連結し、出力軸をリングギヤに連結して構成するので、サンギヤを回転させることで伝達比を変化させることができ、しかも、入力軸の回転方向が反転されることなく出力軸から出力させることができる。
【0058】
このため、従来のように、入力軸の回転を反転して伝達するためのギヤが不要となり、操舵装置の小型化をより一層進めることが可能となる。
【0059】
また、請求項2にかかる車両用操舵装置によれば、サンギヤ及び伝達ギヤを入力軸に対して固定する第1固定手段と、プラネタリギヤを支持する支持部材を入力軸に対して固定する第2固定手段とをそれぞれ備えるので、第1固定手段の固定機構に関わらずに、第2固定手段によって、支持部材を入力軸に対して独立して固定できる。従って、支持部材の入力軸に対する軸線方向の位置決めを独立して行うことができ、支持部材を組み付ける際の位置決めの自由度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態にかかる車両用操舵装置の構造を示す断面図である。
【図2】本実施形態にかかる車両用操舵装置の要部を示す概略図である。
【図3】車両用操舵装置における遊星歯車機構のみを取り出して示す平面図である。
【図4】他の実施形態にかかる車両用操舵装置の構造を示す断面図である。
【図5】図4の要部を拡大して示す断面図である。
【図6】他の実施形態にかかる車両用操舵装置の構造を示す断面図である。
【図7】図6の要部を拡大して示す断面図である。
【図8】入力軸とキャリアとの他の結合形状を概略的に示す断面図である。
【図9】従来の車両用操舵装置を示す断面図である。
【図10】従来の車両用操舵装置における遊星歯車機構のみを取り出して示す平面図である。
【符号の説明】
10…入力軸、10a…段差部(第1固定手段)、10b…段差部(第2固定手段)、11…キャリア(支持部材)、15、16…アンギュラベアリング(第1固定手段)、20…スリーブ体、21…サンギヤ、23…ウォームホイール(伝達ギヤ)、23a…段差部(第1固定手段)、24…ウォームギヤ、25…駆動モータ(駆動源)、30…プラネタリギヤ、40…リングギヤ、41…出力軸、81、82…ナット(第1固定手段)、83…ナット(第2固定手段)。
Claims (2)
- 操舵角に対する転舵角の伝達比を可変とした車両用操舵装置であって、
操舵ハンドルの回転操作に連動し、操舵ハンドルと同方向に回転する入力軸と、
前記入力軸に対して同心的に配設され、回転駆動可能なサンギヤと、
前記入力軸に連結されると共に、前記サンギヤと噛合しつつこのサンギヤのまわりを前記入力軸と同方向に回転するプラネタリギヤと、
内周が前記プラネタリギヤと噛合する円環状のリングギヤと、
前記リングギヤと一体的に形成され回転する出力軸とを備える車両用操舵装置。 - 前記入力軸に対して同心的に配設されると共に駆動源により回転駆動され、この回転を前記サンギヤに伝達する伝達ギヤと、
前記入力軸の軸線方向に沿った移動を規制し、かつ、前記入力軸に対して相対回転自在に、前記サンギヤ及び伝達ギヤを前記入力軸に対して固定する第1固定手段と、
前記プラネタリギヤを支持する支持部材と、
前記支持部材を前記入力軸に対して固定する第2固定手段とを備える請求項1記載の車両用操舵装置。
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