JP4696785B2 - 車両の操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の操舵装置に関し、特に、ステアバイワイヤ式の操舵装置や電動パワーステアリング装置に関する。
従来、ステアリングホイールとステアリングリンクを機械的に連結せずに配するステアバイワイヤ式の操舵装置が知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。特許文献1の操舵装置では、軸方向に同心に離間配置された2つのモータがステアリングリンクを構成するボールねじ機構のねじ軸の外側に平行に配置されている。そして、ステアリングホイールのステアリング角度によって2つモータを制御することにより、モータの回転を歯車減速機構を介してボールねじ機構のナット軸に伝達し、ステアリングリンクを軸方向に移動する。
特許文献2のステアバイワイヤ式の操舵装置は、軸方向に同心に離間配置された2つの中空モータにステアリングリンクを構成するボールねじ機構のねじ軸を貫通配置し、中空モータを回転させ、この回転をボールねじ機構によってステアリング動作に変換している。
また、ラック軸に操舵補助力を与えてアシスト駆動するラックアシスト型の電動パワーステアリング装置としては、軸方向に同心に離間配置された2つの中空モータにラック軸を貫通配置し、中空モータの回転をボールねじ機構によってラック軸の軸方向移動に変換したものが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平4−38270号公報 特開2001−80530号公報 特開2004−306860号公報
ところで、特許文献1では、2つのモータを使って信頼性の高い操舵装置を与えているが、2つのモータをねじ軸の外部に平行に配置しているため、操舵装置の大型化を招く原因になる。
また、特許文献2及び特許文献3では、ねじ軸と同心の中空モータを用いて省スペースを図っているが、中空モータがボールねじのナット軸を直接回転させるため、減速比が小さい。このため、出力トルクが大きな中空モータが必要となり、中空モータ自体ひいては操舵装置の大型化を招く原因になる。
また、ナット回転でねじ軸を直線運動させるタイプの転舵アクチュエータでは、ねじ軸の回り止め機構が必要である。特許文献3のような電動パワーステアリング装置では、ねじ軸の端部に設けたラックに噛合するステアリングシャフト側のピニオンをねじ軸の回り止めとして使用することができるが、特許文献1及び特許文献2のように、ピニオンを有しない構造では、ねじ軸の回り止め機構が別途必要である。
そして、車両の走行中、タイヤからの振動(軸力の振動)がねじ軸に伝わると、ねじ軸がナットからの反力で回転振動を生じ、ねじ軸と回り止め機構との間で騒音が発生してしまうという問題がある。
本発明は、このような不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、転舵アクチュエータの小型化を図ることができる車両の操舵装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、タイヤから伝わる振動による騒音を抑制することができる車両の操舵装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成によって達成される。
)ステアリングリンクを軸方向に駆動する転舵アクチュエータを備えるステアバイワイヤ式の車両の操舵装置であって、ねじ軸及びナット軸を備えるボールねじと、ねじ軸が同心に貫通配置される第1の中空モータと、ねじ軸の軸線に対して平行な偏心軸線を有し、ねじ軸が貫通配置される第2の中空モータと、第2の中空モータの回転をナット軸に伝達する減速機構と、を備え、ボールねじは、ナット軸を2つ有し、ナット軸のうち一方のナット軸は、第1の中空モータにより直接駆動され、ナット軸のうち他方のナット軸は、減速機構を介して第2の中空モータにより駆動されることを特徴とするステアバイワイヤ式の車両の操舵装置。
(2)ねじ軸の周面に対し転がり接触する転動体を周方向に複数有して、ねじ軸の軸方向の移動を支持すると共にねじ軸の回転を防止する回り止め機構を、更に備えることを特徴とする(1)に記載のステアバイワイヤ式の車両の操舵装置。
(3)減速機構は、くさび作用を用いる減速機構であり、減速機構の減速比が1.2〜2であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のステアバイワイヤ式の車両の操舵装置。
本発明によれば、第2の中空モータが、ねじ軸の軸線に対して平行な偏心軸線を有し、ねじ軸が貫通配置されるので、モータをねじ軸の外部に平行に配置する場合に比べて、転舵アクチュエータの省スペースを図ることができる。
また、第2の中空モータの回転を減速機構を介してボールねじ機構のナット軸に伝達するため、中空モータでボールねじ機構のナット軸を直接回転させる場合に比べて、減速比を大きくとることができる。これにより、出力トルクの大きな中空モータを用いる必要がなく、転舵アクチュエータの小型化を図ることができる。
そして、減速機構を介してナット軸に回転を伝達する第2の中空モータにより低速域におけるねじ軸の軸力を確保し、減速機構を用いない第1の中空モータで高速域での動力を出力することができるので、幅広い出力特性を実現することができる。
なお、減速機構の減速比が大きいと、ねじ軸に対して中空モータの慣性が大きくなり車両の操舵特性が劣化したり、外径サイズが制約を受ける場合がある。このため、減速比は1.2〜2程度に設定されることが望ましい。
また、本発明によれば、ねじ軸の軸方向の移動を転がり接触により支持するとともに、ねじ軸の回転を防止する回り止め機構を備えるので、タイヤからの振動(軸力の振動)がねじ軸に伝わって、ねじ軸がナット軸からの反力で回転振動を生じた場合においても、がたつきを良好に防止することができる。これにより、音の発生を回避することができる。
また、本発明によれば、ねじ軸が同心に貫通配置される第1の中空モータと、ねじ軸の軸線に対して平行な偏心軸線を有し、ねじ軸が貫通配置される第2の中空モータと、を備えるので、万一、一方の中空モータが出力不能となっても他方の中空モータで操舵が可能なフェールセーフなシステムとすることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る車両の操舵装置について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、ステアリングホイールの入力が転舵機構に電気的に伝達され、転舵アクチュエータがステアリングリンクを構成するねじ軸を軸方向に駆動するステアバイワイヤ式の操舵装置に本発明を適用した場合を例に採る。
本実施形態である車両の操舵装置10では、図1に示すように、ステアリングリンク11は、左右の前輪12を支持するタイロッド13と、左右のタイロッド13に軸方向の両端部が連結される、ボールねじ機構のねじ軸14とを備えている。そして、操舵制御駆動装置16で制御される転舵アクチュエータ15によってねじ軸14を軸方向に駆動することにより、前輪12が操舵される。
操舵制御駆動装置16は、車両制御装置17に蓄積された車速、車輪速、ヨーレート、横加速度、コーナリング力等のさまざまな車両情報、ステアリングホイール18のステアリング角度に応じた反力アクチュエータ19からの入力信号、軸力センサ20からの入力信号等に基づいて転舵アクチュエータ15を駆動し、車両の状態を適正に制御する。
転舵アクチュエータ15は、図1及び図2に示すように、ねじ軸14と2つのナット軸21,22を有するボールねじ機構と、ねじ軸14が同心に貫通配置されて、一方のナット軸21に回転を伝達する第1の中空モータ23と、ねじ軸14の軸線Pに対して平行な偏心軸線Qを有し、ねじ軸14が貫通配置される第2の中空モータ24と、第2の中空モータ24の回転を他方のナット軸22に伝達する減速機構25とを備えている。
ナット軸21,22は軸方向に互いに離間して配置されている。ナット軸21は第1の中空モータ23を収容するモータハウジング26内に深溝玉軸受27及び一対のアンギュラ玉軸受28等の転がり軸受を介して回転可能に支持されている。ナット軸22は、モータハウジング26と、第2の中空モータ24を収容するモータハウジング29との間で締結される中間ハウジング30内に、一対のアンギュラ玉軸受31等の転がり軸受を介して回転可能に支持されている。
第1の中空モータ23は、ナット軸21の外周部に一体に設けられたロータ32と、ハウジング26の内周部にロータ32に径方向に対向して設けられたステータ33とを備えている。そして、操舵制御装置16によりステータ33に対する駆動電流を制御することによりロータ32は回転駆動されて、その回転がナット軸21に直接伝達され、これにより、ねじ軸14が軸方向に駆動される。
第2の中空モータ24は、ナット軸22と軸方向に並んで配置された中空のオフセット軸34の外周部に一体に設けられたロータ35と、モータハウジング29の内周部にロータ35に径方向に対向して設けられたステータ36とを備えている。
オフセット軸34は、ねじ軸14の軸線Pに対して平行な偏心軸線Qを有して、ナット軸22の内径より大きな略一様内径に形成されており、ねじ軸14はオフセット軸34内に貫通配置される。また、オフセット軸34では、ナット軸22から離間する側の端部がモータハウジング29に深溝玉軸受37等の転がり軸受を介して回転可能に支持されている。
そして、操舵制御装置16によりステータ36に対する駆動電流を制御することによりロータ35は回転駆動されて、その回転がオフセット軸34のナット軸22側の端部外周面とナット軸22の端部に形成された拡径部22aの内周面との間に介装された減速機構25を介してナット軸22に伝達され、これにより、ねじ軸14が軸方向に駆動される。
減速機構25は、くさび作用を用いたトラクションドライブ減速機構(以下、くさびローラ減速機と呼ぶ)であり、図3に示すように、ナット軸22とオフセット軸34との間に、周方向に亘って径方向寸法の異なる環状空間38が形成されている。この環状空間38内には、固定ガイドローラ39と、固定ガイドローラ39より小径の二つのくさびローラ40a,40bとが設けられている。
固定ガイドローラ39は、モータハウジング29に固定された固定キャリア39aと固定キャリア39aに締結された連結板39bとの間に支持されるキャリアピン39cの回りに、ニードルローラ39dを介して回転可能に支持されており、環状空間38の径方向寸法の広い領域において、その外周面をオフセット軸34の外周面およびナット軸22の内周面に当接させた状態で配置されている。
二つのくさびローラ40a,40bは、環状空間38の径方向寸法の狭い領域に向けてそれぞればね41によって押圧付勢された状態で、円周方向に変位可能に互いに離間配置されている。
そして、オフセット軸34が正回転駆動(矢印a方向)される場合には、例えば、くさびローラ40aがばね41の付勢力、及びオフセット軸34の回転力によって環状空間38の径方向寸法の狭い領域に向けて微小変位して、オフセット軸34の外周面とナット軸22の内周面との間に食い込み、これにより、オフセット軸34の回転駆動力がくさびローラ40aおよび固定ガイドローラ44を介してナット21に伝達される。
一方、オフセット軸34が逆回転駆動(矢印b方向)される場合も、回転方向が逆になることで、くさびローラ40bが、前記環状空間38の径方向寸法の狭い領域に向けて微小変位し、オフセット軸34の外周面とナット軸22の内周面との間に食い込み、上記同様の作用によって、オフセット軸34の回転駆動力がナット軸21に伝達される。
このように、くさびローラ減速機25は、くさびローラ40a,40bのくさび作用を利用して、大トルクが入力されてもすべることなく回転を効率よく伝達する減速機構であり、がたつきによる操舵性の劣化やギアの作動音の問題もなく、転舵アクチュエータに好適に用いることができる。
ここで、オフセット軸34とナット軸22(ねじ軸14)との偏心量eは、ねじ軸14の直径の1/5程度が好ましく、これによって、オフセット軸34の内径を極端に大きくしなくてもねじ軸14を貫通させることができ、第2の中空モータ24の大型化を防ぐことができる。
また、くさびローラ減速機25の減速比が大きいと、ねじ軸14に対して中空モータ24の慣性が大きくなり車両の操舵特性が劣化したり、外径サイズが制約を受ける場合がある。このため、減速比は1.2〜2程度に設定されることが望ましい。
また、本実施形態では、図2及び図4に示すように、ねじ軸14の一端側にねじ軸14の回り止め機構42が設けられている。この回り止め機構42は、図4に示すように、ねじ軸14の軸方向の移動を転がり接触(ローラフォロア)により支持するとともに、ねじ軸14の回転を防止するようにしたものである。ねじ軸14の一端側の外周面には一対の平面部43が互いに180°離間して軸方向に沿って形成され、一対の平面部43に一対のローラ44がそれぞれ転がり接触している。
一対のローラ44はそれぞれ、モータハウジング29に嵌合されたローラピン45にニードルローラ46等の転動体を介して回転可能に支持されており、また、一方のローラピン45は、モータハウジング29にねじ込まれた一組の予圧ねじ47によって径方向に押圧可能とされている。この押圧力を調整することにより、ローラ44が平面部43に押圧接触して予圧が付与され、ねじ軸14のがたつきが防止される。
なお、すべり接触においてねじ軸14にがたつきが生じないように予圧をかける場合には、効率が低下し、大きなモータを使用しなければならなくなるが、本実施形態のように、転がり接触の場合には、モータを大型化する必要はない。
更に、本実施形態では、図2に示すように、回転角センサ(レゾルバ)48が、ナット軸21、ナット軸22及びオフセット軸34にそれぞれ1つずつ、合計3つ使用され信頼度を向上している。
そして、3つの回転角センサ48の相関関係が崩れた場合、多数決で1つの回転角センサ48を異常と判断する。異常の場合には、操舵制御装置16は運転者に警報を出して修理を促すが、正常な残り2つの回転角センサ48によって転舵アクチュエータ15を制御し、機能の喪失を防いでいる。
また、第2の中空モータ24のオフセット軸34とナット軸22との間には、くさびロータ減速機25が配置されるため微小なすべりや減速比の変動が起きるが、ナット軸22とオフセット軸34の双方の回転角センサ48によって、すべりを補正する制御も行っている。
従って、本実施形態の車両の操舵装置10によれば、第2の中空モータ24が、ねじ軸14の軸線Pに対して平行な偏心軸線Qを有し、ねじ軸14が貫通配置されるので、モータをねじ軸の外部に平行に配置する場合に比べて、転舵アクチュエータ15の省スペースを図ることができる。
また、第2の中空モータ24の回転駆動力を減速機構25を介してボールねじ機構のナット軸22に伝達するため、中空モータでボールねじ機構のナット軸を直接回転させる場合に比べて、減速比を大きくとることができる。これにより、出力トルクの大きな第2の中空モータを用いる必要がなく、転舵アクチュエータ15の小型化を図ることができる。
さらに、ねじ軸14の軸方向の移動を転がり接触により支持するとともに、ねじ軸14の回転を防止する回り止め機構42を備えるので、タイヤからの振動(軸力の振動)がねじ軸14に伝わって、ねじ軸14がナット軸21,22からの反力で回転振動を生じた場合においても、がたつきを良好に防止することができる。これにより、音の発生を回避することができる。
また、ねじ軸14が同心に貫通配置される第1の中空モータ23と、ねじ軸14の軸線Pに対して平行な偏心軸線Qを有し、ねじ軸14が貫通配置される第2の中空モータ24と、を備えるので、万一、一方の中空モータが出力不能となっても他方の中空モータで操舵が可能なフェールセーフなシステムとすることができる。
また、減速機構25を介してナット軸22に回転を伝達する第2の中空モータ24により低速域におけるねじ軸の軸力を確保し、減速機構を用いない第1の中空モータ23で高速域での動力を出力することができるので、幅広い出力特性を実現することができる。
なお、本発明の車両の操舵装置は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
本発明の回り止め機構は、ねじ軸14の軸方向の移動を転がり接触により支持するとともに、ねじ軸14の回転を防止するようにしたものであればよく、図5及び図6に示す変形例のような回り止め機構50であってもよい。
この回り止め機構50では、ねじ軸14の一端側が円柱状に形成されており、ねじ軸14の外周面に軸方向に沿って転がり接触する曲面ローラ51が、不図示の保持器を用いて、ねじ軸14の軸方向に複数配置されローラ列51aを構成するとともに、ローラ列51aをねじ軸14の周方向に複数箇所配置する。
ローラ51は、ねじ軸14の外周面と、モータハウジング29の内周面或いはモータハウジング29に固定された外筒52の内周面との間に予圧を付与した状態で組み込まれており、図6に示すように、軸方向中央部に形成された凹曲面53と軸方向両端部に形成された凸曲面54との組合せによって構成される。凹曲面53の曲率r1はねじ軸14の外周面の曲率と略同等とされ、凸曲面54の曲率r2はモータハウジング29或いは外筒52の内周面の曲率と略同等とされている。
また、転がり接触を用いたその他の回り止め機構としては、ボールスプラインを予圧状態で使用するようにしてもよい。
なお、転舵アクチュエータ15では、ボールねじ機構にがたつきがある場合の他、タイヤからの軸力振動で音が発生する場合もあるが、この場合は、ナット軸21側とナット軸22側とで発生するねじ軸14の軸力の差を第1の中空モータ23及び第2の中空モータ24で制御し、ボールねじ機構を予圧状態にすることで解決することも可能である。
また、2つのナット軸21,22間を定圧もしくは定位置予圧として、ねじ軸14のがたつきを防ぐようにしてもよい。2つのナット軸21,22を定位置予圧とすると、第2の中空モータ24を第1の中空モータ23側のボールねじ機構でも分担することができるので、ボールねじ機構の負荷容量を有効に利用してねじ軸14を小型化することができる。
また、本実施形態では、減速機構として、くさびローラ減速機を例示したが、これに代えて、ナット軸22側に形成した内歯車と、オフセット軸34側に形成した外歯車とを噛合させた歯車減速機を用いてもよい。
さらに、本実施形態では、ステアリングホイールの入力を電気的に転舵アクチュエータに伝達するステアバイワイヤ式の操舵装置に本発明を適用した場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、転舵アクチュエータによってステアリングリンクとしてのラック軸の軸方向移動をアシストするラックアシスト型の電動パワーステアリング装置に適用してもよい。この場合、ラック軸はボールねじ機構のねじ軸を構成し、ラック軸の端部に形成されたラックにステアリングシャフトに設けたピニオンが噛合する。
図7は、本実施例及び従来例におけるねじ軸の移動速度に対するねじ軸推力を比較したものである。なお、電源から供給可能な電流には限りがあるので、電源電流が制限された場合の特性を示している。出力推力は、入力電力に対して、モータと駆動回路の損失および機械損失により決まる。
図7において、第1の中空モータ23のみでねじ軸14を駆動する場合を従来例1、第2の中空モータ24(減速機構付き)のみでねじ軸14を駆動する場合を本実施例1、第1の中空モータ23及び第2の中空モータ24(減速機構付き)を用いてねじ軸14を駆動する場合を本実施例2、第1の中空モータ23を2つ用いてねじ軸14を駆動する場合を従来例2とする。
転舵アクチュエータ15には、据え切り時等に低速で大きな推力が要求されるとともに緊急回避やカウンタステア等の高速転舵においても大きな推力が要求される。
第1の中空モータ23及び第2の中空モータ24は同じ特性のモータを使用しているが、減速機構25(減速比1.5)を有した第2の中空モータのみの本実施例1では、第1の中空モータ23のみに電流を与えた従来例1と比べて、ほぼ全域に亘って推力特性がアップしているのがわかる。
第1の中空モータ23と第2の中空モータ24とを同時に使用した本実施例2の場合、個々のモータの電流が減り、効率が向上するので単体で駆動するより出力が出る。これにより必要な特性を満たすことができる。
従来例2は第1の中空モータ23を2個使って減速なしで構成したものであり、高速転舵S部分の特性をわずかであるが満たすことができず、モータの熱定格により低速での推力も不足してしまう。この推力を改善するには効率のよいモータ特性にする必要があるが、効率を上げるためにはモータを大型化する必要がでてくる。
本実施例2では、同じモータを使用した場合、低速でのモータの熱定格が、1/2+減速比÷2=1.25倍となる。従って、高速でも、低速でも有利な特性であることがわかる。
また、減速機構付きの第2の中空モータ24を使用した本実施例1は、第1の中空モータ23を使用した従来例1に比べて、全域に渡って推力が出ているので、第2の中空モータ24(減速機構付き)を2つ使用した方がさらに小型化ができると考えられるが、ここでは、減速なしの第1の中空モータ23と併用することで、モータの慣性モーメントの増大を防ぎ、操舵特性の劣化を防いでいる。
図8は、高速転舵時(図7のS部)に操舵アクチュエータ15が出すことのできる推力特性である。この場合も、供給可能な電力を一定とした場合の特性である。
従来例3は、図7の従来例2に対し、減速なしの2つの第1の中空モータ23(同し特性のもの)で、必要推力をクリアするように最適設計し直したものである。
図8の横軸はそれぞれのモータに供給する電力の割合で、各モータに50%づつ電力を供給すると効率が最もよくなり、1個のモータではクリアできない推力を出すことができる。
本実施例3は従来例3に対してモータの大きさは変えず、第1の中空モータ23と第2の中空モータ24(減速機構付き)を適用し、第2の中空モータ24を減速比1.5で減速した場合の例であり、効率が向上するので、より大きなトルクを出すことかできる。この場合、減速側の第2の中空モータ24と非減速側の第1の中空モータ23に約7:3の電力を供給すると最大推力が出る。なお、7:3の電力供給であると、低速での熱定格が落ちるので、低速トルクに余裕がある場合は5:5の電力を供給する。
本実施例4は、第1の中空モータ23と第2の中空モータ24(減速機構付き)を適用し、従来例3に対してモータ長が70%に小型化されている。モータを小型化しても従来例3と同等の推力を出せる。本発明により小型化できる割合は、必要とされるモータの効率やモータの設計にも依存するが、図7のS部で最大効率が得られるようにモータ効率を設計とすると効果がもっとも高い。
次に、モータロータの慣性モーメントについて考える。従来例3におけるロータ1個の慣性モーメントをJとすると、従来例3の出力軸からみたモータの慣性モーメントは2Jである。減速されたロータの慣性モーメントは出力軸からみると減速比の2乗に比例して大きくなるので、本実施例4のロータ1個の慣性モーメントをJ1、減速比をNとすると、本実施例4の出力軸からみたモータの合計の慣性モーメントJbはJb=J1・(1+N2 )となる。
ここで、J1はモータの体格(長さ)に略比例してJ1≒0.7Jであり、N=1.5なので、Jb≒2.2Jとなり、従来に対して10%程度の慣性モーメントの上昇に抑えられる。仮に、本例で第1の中空モータ23及び第2の中空モータ24の両方ともを減速すると、さらにモータを小型化できても40〜50%以上の慣性モーメント増大となり、転舵アクチュエータの追従性能や操舵特性が劣化してしまう可能性がある。
これにより、減速機構なしの中空ローラと減速機構付きの中空ローラを備える転舵アクチュエータを用いた場合が、モータを小型化しながら、必要推力を与え、追従性能や操舵特性が劣化することがない最適な構成であることが分かる。
本発明の一実施形態である車両の操舵装置を説明するための概略図である。 転舵アクチュエータを説明するための断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 回り止め機構の変形例を説明するための斜視図である。 図5の回り止め機構に用いる曲面ローラを示す図である。 本実施例及び従来例におけるねじ軸移動速度とねじ軸推力との関係を示すグラフである。 本実施例及び従来例における入力電力分配と出力推力との関係を示すグラフである。
符号の説明
10 車両の操舵装置
14 ねじ軸
15 転舵アクチュエータ
21,22 ナット軸
23 第1の中空モータ
24 第2の中空モータ
25 くさびローラ減速機(減速機構)
42 回り止め機構

Claims (3)

  1. ステアリングリンクを軸方向に駆動する転舵アクチュエータを備えるステアバイワイヤ式の車両の操舵装置であって、
    ねじ軸及びナット軸を備えるボールねじと、
    前記ねじ軸が同心に貫通配置される第1の中空モータと、
    前記ねじ軸の軸線に対して平行な偏心軸線を有し、前記ねじ軸が貫通配置される第2の中空モータと、
    前記第2の中空モータの回転を前記ナット軸に伝達する減速機構と、を備え
    前記ボールねじは、前記ナット軸を2つ有し、
    前記ナット軸のうち一方のナット軸は、前記第1の中空モータにより直接駆動され、
    前記ナット軸のうち他方のナット軸は、前記減速機構を介して前記第2の中空モータにより駆動されることを特徴とするステアバイワイヤ式の車両の操舵装置。
  2. 前記ねじ軸の周面に対し転がり接触する転動体を周方向に複数有して、前記ねじ軸の軸方向の移動を支持すると共に前記ねじ軸の回転を防止する回り止め機構を、更に備えることを特徴とする請求項1に記載のステアバイワイヤ式の車両の操舵装置。
  3. 前記減速機構は、くさび作用を用いる減速機構であり、
    前記減速機構の減速比が1.2〜2であることを特徴とする請求項1又は2に記載のステアバイワイヤ式の車両の操舵装置。
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