JP2004189038A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Naotake Kanda
尚武 神田
Tomoyasu Kada
友保 嘉田
Ryohei Hayama
良平 葉山
Kenji Azuma
賢司 東
Takeo Iino
武夫 飯野
Shingo Maeda
真悟 前田
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Abstract

【課題】操舵軸の軸回りの回転を、該操舵軸の軸長方向の移動を阻害することなく確実に抑制する。
【解決手段】ハウジングHの内部に支持され、操舵のために軸長方向に移動する操舵軸11の外周の一部に平坦面15を設け、この平坦面15に対応するハウジングHの中途部に、回転抑制部材としてのローラ40を、操舵軸11と略直交する軸回りに回転自在に支持する。このローラ40を平坦面15に転接させて操舵軸11の軸回りの回転を抑制し、また操舵軸11の軸長方向の移動を、平坦面15上でのローラ40の転動により許容する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアリングホイール等の操舵部材の操作に応じて軸長方向に移動する操舵軸を備え、該操舵軸の移動を操舵用の車輪に伝えて操舵を行わせる構成とした車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の操舵は、運転者によりなされる操舵部材の操作(一般的にはステアリングホイールの回転操作)を、舵取機構の動作により操舵用の車輪に伝えて行われる。前記舵取機構は、車体の左右方向に延設された筒形のハウジングの内部に軸長方向への移動自在に支持された操舵軸を備え、該操舵軸の前記ハウジングの外部への突出端を操舵用の車輪に連絡してなり、該操舵軸を操舵部材の操作に応じて移動させ、操舵用の車輪を押し引きして操舵を行わせる構成となっている。
【0003】
操舵部材から操舵軸への伝動は、一般には機械的になされるが、近年においては、4輪操舵装置、ステアバイワイヤ式の操舵装置等、操舵部材から機械的に分離された舵取機構を備え、該舵取機構に操舵アクチュエータを付設して、操舵部材の操作方向及び操作量の検出結果に基づいて駆動される前記操舵アクチュエータの動作を舵取機構に伝えて操舵を行わせる構成とした車両用操舵装置が開発されている。なお、4輪操舵装置においては、従たる操舵用の車輪(一般的には左右の後輪)の舵取機構が、またステアバイワイヤ式の操舵装置においては、主たる操舵用の車輪(一般的には左右の前輪)の舵取機構が、夫々操舵部材から機械的に分離して配されている。
【0004】
この種の車両用操舵装置においては、操舵アクチュエータとして、操舵特性の変更制御の容易性を考慮して電動モータが広く用いられており、該モータの回転をボールねじ機構等の運動変換機構を介して舵取機構中の操舵軸に伝え、該操舵軸を軸長方向に移動させるようにしてある。
【0005】
ところが、このような伝動に際しては、操舵部材との機械的連結部を有していない操舵軸が前記モータからの伝動に伴って軸回りに回転する虞れがあり、この回転、所謂、連れ回りの発生を抑制すべく、従来から種々の回転抑制手段が採用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−199247号公報
【特許文献2】
特開平8−91241号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示された回転抑制手段は、操舵軸の中途に移動ストロークに対応する長さを有する2面幅の平坦部を設け、これらの平坦部を外側から挾持する挾持部を一体に備える回り止め部材をハウジングの対応位置に装着し、前記平坦部に面接触する前記挾持部の作用により操舵軸の回転を抑制する構成となっている。
【0008】
また特許文献2に開示された回転抑制手段は、円形の一部を平坦化してなる欠円断面部を、操舵軸の端部近傍に移動ストロークに対応する長さを有して設け、この部分を対応する断面形状を有する回り止め部材に挿通支持させてなり、該回り止め部材が、操舵軸の支持ブッシュを兼ね、操舵軸の軸長方向の移動案内と共に回転抑制作用をなすように構成されている。
【0009】
しかしながらこれらの構成においては、回り止め部材が操舵軸に設けた平坦面に面接触しており、操舵のために軸長方向に移動する操舵軸に前記面接触部における大なる摺動抵抗が加わることが避けられず、操舵軸の滑らかな移動が阻害されるという問題があった。
【0010】
特許文献1に記載された回り止め部材は、ハウジングの周壁に操舵軸の軸心と直交するように設けた装着孔に嵌合保持させ、該装着孔の開口端に設けたねじ部材の操作により圧縮変形させることにより、前記挾持部による挾持圧力を調整可能としてあるが、構成の複雑化を招来する上、この構成によっても前記摺動抵抗を十分に低減することは難しい。
【0011】
特許文献2に記載された回り止め部材は、操舵軸を軸長方向に移動自在に支持するために本来必要な支持ブッシュを兼ねており、回り止め部材の追加による摺動抵抗の増大分は小さい。しかしながら、前述の如く欠円形の内周面を有する支持ブッシュを高精度に加工することは難しく、操舵軸の滑らかな移動と確実な回り止めとを併せて実現することは困難である。
【0012】
なお以上の如き回転抑制手段は、操舵部材に機械的に連結された舵取機構を備える操舵装置においても、操舵のための操舵軸の軸長方向の移動を安定して行わせるために必要である。
【0013】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、操舵軸の軸回りの回転を、該操舵軸の軸長方向の移動を阻害することなく確実に抑制することができる回転抑制手段を備える車両用操舵装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明に係る車両用操舵装置は、ハウジングの内部に支持され、操舵のために軸長方向に移動する操舵軸と、該操舵軸の軸回りの回転を抑制する回転抑制手段とを備える車両用操舵装置において、前記回転抑制手段は、前記操舵軸の周面に設けた平坦面に転接し、該操舵軸の移動を前記平坦面上での転動により許容する回転抑制部材を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、操舵軸の周面の一部を平坦化してなる平坦面に回転抑制部材を押し付け、該操舵軸の軸回りの回転を抑制し、操舵のための操舵軸の軸長方向の移動は、前記平坦面上での回転抑制部材の転動に伴う転がり抵抗下にて滑らかに行わせる。
【0016】
本発明の第2発明に係る車両用操舵装置は、第1発明における回転抑制部材を前記平坦面に押し付ける付勢手段を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明においては、ばね、ゴム等の弾性体の付勢手段により回転抑制部材を付勢し、操舵軸の平坦面に押し付けて、操舵に伴って加わる種々の外力の作用による操舵軸の撓み変位を、前記付勢手段の付勢に抗した回転抑制部材の変位により、転接状態を保ったまま吸収し、操舵のための操舵軸の軸長方向の移動を滑らかに行わせる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る車両用操舵装置の全体構成を示す模式図である。
【0019】
図示の車両用操舵装置は、車体の左右に配された一対の操舵用の車輪10,10に舵取動作を行わせるための舵取機構1と、該舵取機構1から機械的に分離して配され、操舵のために回転操作されるステアリングホイール(操舵部材)2とを備えるステアバイワイヤ式の操舵装置として構成されており、ステアリングホイール2の操作に応じた操舵を実現すべく舵取機構1に付設された操舵モータM、舵取機構1に実際に加わる操舵反力を加えるべくステアリングホイール2に付設された反力モータM、並びに、操舵モータM及び反力モータMを後述の如く制御する操舵制御部3を備えている。
【0020】
舵取機構1は、図示しない車体の左右方向に延設された筒形をなすハウジングHの内部に支持され軸長方向に移動する操舵軸11を備え、ハウジングHの両側に突出する操舵軸11の両端部を各別のタイロッド13,13を介して操舵用の車輪10,10のナックルアーム12,12に連結し、操舵軸11の両方向への移動によりタイロッド13,13を介してナックルアーム12,12を押し引きし、前記車輪10,10を左右に操舵する構成となっている。
【0021】
この操舵を行わせるための操舵モータMは、ハウジングHの一側半部に設けた大径部14に、該大径部14の内周面に固設されたステータと、該ステータの内側に面して操舵軸11と同軸上にて回転自在に支持された筒形のロータとを備える3相ブラシレスモータとして構成されており、前記ロータの一側に連設されたボールねじ機構等の運動変換機構を介して操舵軸11の中途に伝動構成されている。このような操舵モータM及び運動変換機構の構成は、本願出願人による特開平10−194150号公報、特開平10−211885号公報等に開示されている。なお、操舵モータMはハウジングHの外部に取り付け、ギヤ、ベルト等の伝動手段を介してハウジングHの内部の運動変換機構に伝動構成してもよい。
【0022】
操舵モータMは、操舵制御部3から図示しない駆動回路に与えられる制御指令に従って回転駆動される。操舵制御部3は、前記ステアリングホイール2の回転操作に応じた操舵を行わせるべく前記制御指令を発し、操舵モータMを駆動せしめる操舵制御動作を行う。
【0023】
このように駆動される操舵モータMの回転は、前記運動変換機構により直線運動に変換されて操舵軸11に伝えられ、この伝動に応じた操舵軸11の軸長方向の移動により前述した操舵がなされる。この操舵により変化する操舵用の車輪10,10の実舵角は、操舵軸11と一側のタイロッド13との連結部の変位を検出すべく構成された実舵角センサ17により検出され、操舵制御部3に与えられている。また、一側のタイロッド13には、軸方向に作用する軸力を検出するタイロッド軸力センサ18が付設されており、この検出結果は、操舵に伴って舵取機構1に実際に加わる実反力を示す信号として、操舵制御部3に与えられている。
【0024】
このような舵取機構1から分離して配されたステアリングホイール2は、その回転軸となるコラム軸20を回転自在に支持するコラムハウジングHを介して、図示しない車体の適宜部位に支持されている。該ステアリングホイール2に操舵反力を加える反力モータMは、コラムハウジングHの外側に取り付けられ、ウォームギヤ機構等の減速機構(図示せず)を介してコラム軸20の中途部に伝動構成されており、反力モータMが回転駆動された場合、この回転力が前記減速機構により減速されてコラム軸20に付加されるようになしてある。
【0025】
反力モータMは、操舵制御部3から図示しない駆動回路に与えられる制御指令に従って駆動される。操舵制御部3は、舵取機構1に実際に加わる操舵反力に対応する反力をステアリングホイール2に付与すべく前記制御指令を発し、反力モータMを駆動せしめる反力制御動作を行う。
【0026】
この操舵反力に抗して回転操作されるステアリングホイール2の操作角は、コラムハウジングHの中途部に付設された操舵角センサ21により検出され、操舵制御部3に与えられている。更に、操舵制御部3には、車速、ヨーレート、横加速度、前後加速度等、操舵に影響を与える走行状態の検出結果が、車両の各部に設置された走行状態センサ22から与えられている。
【0027】
操舵モータMを対象とする操舵制御部3の操舵制御動作は、例えば、前記操舵角センサ21により検出されるステアリングホイール2の操作角度に基づいて目標舵角を求め、この目標舵角と、前記実舵角センサ17により検出される操舵用の車輪10,10の実舵角との偏差に基づくフィードバック制御により行われる。このとき走行状態センサ22により検出される走行状態は、前記目標舵角の補正に用いられる。この補正は、例えば、車速の増大に伴って目標舵角を減じ、またヨーレート、横加速度により定まる車両の旋回程度の増大に伴って目標舵角を減じるようになされる。
【0028】
以上の操舵制御動作により操舵軸11は、前記運動変換機構を介して伝達される操舵モータMからの伝動により、ステアリングホイール2の操作角度に対応する目標舵角を得るべく軸長方向に移動せしめられ、この移動によりステアリングホイール2の操作に応じた操舵がなされる。また、走行状態に基づく前記目標舵角の補正により、ステアリングホイール2の操作角度と操舵軸11の移動量との対応関係が変わり、走行状態に応じた操舵特性が得られる。
【0029】
また反力モータMを対象とする操舵制御部3の反力制御動作は、例えば、前記タイロッド軸力センサ18により検出される舵取機構1の実反力に基づいて目標反力を求め、この目標反力に対応する駆動電流を反力モータMに給電せしめて行われる。このとき走行状態センサ22により検出される走行状態は、前記目標反力の補正に用いられる。この補正は、例えば、車速及び旋回程度の増大に伴って目標反力を増し、また、前後加速度により定まる車両の減速程度の増大に伴って目標反力を増すように行われる。
【0030】
以上の反力制御動作によりステアリングホイール2には、コラム軸20に加わる反力モータMの回転力が操舵反力として付加される。この操舵反力は、舵取機構1に加わる実反力を走行状態に応じて補正したものであり、操舵のためにステアリングホイール2を回転操作する運転者に良好な操舵感を体感させることができる。
【0031】
以上の動作をなす本発明に係る車両用操舵装置は、操舵モータMから運動変換機構を介してなされる伝動に伴う操舵軸11の軸回りの回転、所謂、連れ回りの発生を抑制する回転抑制手段4を、操舵軸11を支持するハウジングHの他側半部に備えている。
【0032】
図2は、回転抑制手段4の概略構成を示す縦断面図である。本図に示す如く回転抑制手段4は、ハウジングHの内部に、操舵軸11と略直交するように架設された円形断面のローラ40を、回転抑制部材として備えている。このローラ40は、両端部に突設された支軸41,41を介してハウジングHの一部に嵌着された軸受42,42により両持ち支持され、軸回りでの回転自在としてある。
【0033】
図3は、図2の III−III 線による横断面図であり、以上の如く支持されたローラ40は、操舵軸11との交叉部において、該操舵軸11の周面を適幅に切欠いて形成された平坦面15に転接されている。該平坦面15は、図2に示す如く、操舵軸11の軸長方向に、操舵のための移動ストロークに相当する長さに亘って延設されており、前記ローラ40は、このように延設された平坦面15を横切るように転接している。
【0034】
以上の構成によりローラ40は、操舵モータMからの前述した伝動に応じて操舵軸11が軸長方向に移動した場合、これに伴う平坦面15の延設方向の移動に応じて、該平坦面15の面上にて転動、即ち、転がり接触しつつ回転することとなり、操舵軸11は、ローラ40の転がり抵抗下にて滑らかに移動することができる。
【0035】
一方操舵軸11には、操舵モータMからの伝動に伴って、図3中に矢符により示す如く軸回りの回転力が加わるが、この回転力による操舵軸11の軸回りの回転は、平坦面15の全幅に転接するローラ40により確実に抑制され、操舵モータMからの伝動による操舵軸11の軸長方向の移動を高効率に行わせることができる。
【0036】
以上の動作をなす回転抑制手段4は、操舵軸11の周面に設けた平坦面15に転接するローラ(回転抑制部材)40を備えるだけの簡素な構成により実現することができ、操舵軸11の軸回りの回転を、操舵のための操舵軸11の軸長方向の移動を阻害することなく確実に抑制することが可能である。
【0037】
図4は、回転抑制手段4の第2の実施の形態を示す横断面図である。本図に示す回転抑制手段4は、操舵軸11の周面に設けた平坦面15に転接するローラ40と、該ローラ40を軸回りでの回転自在に保持するキャリア43とを備えてなる。キャリア43は、ハウジングHの対応部位にこれと略直交する軸心を有して形成された保持孔44に軸長方向への摺動自在に内嵌されており、前記保持孔44の開口部に螺嵌されたストッパ45との間に介装された押しばね46により、操舵軸11の軸心に向けて付勢されている。
【0038】
この実施の形態において回転抑制部材としてのローラ40は、押しばね46の弾性力によりキャリア43を介して前記平坦面15に押し付けられており、この状態で生じる操舵軸11の軸回りの回転を抑制する一方、操舵軸11の軸長方向の移動を平坦面15の面上での転動により許容する作用をなし、操舵モータMからの伝動に伴う操舵軸11の軸回りの回転を、操舵のための操舵軸11の軸長方向の移動を阻害することなく確実に抑制することが可能である。なお、ローラ40の平坦面15への押し付け強さは、ストッパ45の螺合長さの増減によりハウジングHの外部から調節可能である。
【0039】
また、操舵のために移動する操舵軸11には、操舵用の車輪10,10に加わる路面反力等の外力が作用しており、この外力の作用により操舵軸11は、径方向に撓み変位することがある。図4に示すローラ40は、押しばね46の付勢に抗してキャリア43と共に変位し、この変位により平坦面15への転接状態を保ちつつ操舵軸11の撓みを吸収することができ、操舵軸11の回転抑制作用を継続することができる。
【0040】
図5は、回転抑制手段4の第3の実施の形態を示す横断面図である。本図に示す回転抑制手段4は、ハウジングHの内周面に、軸心に向けて内向きに突設された支軸47の先端に嵌着された転がり軸受48を回転抑制部材として備えており、該転がり軸受48は、操舵軸11の周面に移動ストロークに対応する長さを有して形成された凹溝16に嵌め込まれている。この凹溝16の幅は、転がり軸受48の外径よりもわずかに大となるように設定してあり、転がり軸受48は、凹溝16の一側の壁面(平坦面)に転接させてある。
【0041】
以上の構成により回転抑制部材たる転がり軸受48は、操舵軸11の軸回りの回転を凹溝16の一方の側壁面との当接により抑制し、またこの状態にて生じる操舵軸11の軸長方向への移動を、当接下にある凹溝16の一側面上での転動により許容する作用をなす。これにより操舵モータMからの伝動に伴う操舵軸11の軸回りの回転を、操舵のための操舵軸11の軸長方向の移動を阻害することなく確実に抑制することが可能である。
【0042】
この実施の形態においては、回転抑制手段4が、ハウジングHに突設された支軸47と、該支軸47の先端に取り付けた転がり軸受48とを備える簡素な構成により実現することができる。
【0043】
なお、以上の実施の形態においては、主たる操舵用の車輪10,10の舵取機構1が操舵部材としてのステアリングホイール2から機械的に分離して配されたステアバイワイヤ式の操舵装置への適用例について述べたが、本発明は、従たる操舵用の車輪(一般的には左右の後輪)の舵取機構が操舵部材から機械的に分離して配された4輪操舵装置にも適用可能であり、更には、操舵部材に機械的に連結された舵取機構を備える一般的な操舵装置においても、操舵のために軸長方向に移動する操舵軸の軸回りの回転を抑制する手段として適用可能であることは言うまでもない。
【0044】
また以上の実施の形態においては、回転抑制部材が転接する平坦面を操舵軸の周方向の一箇所に設けているが、操舵軸の軸心を挾んで対向する2箇所等、操舵軸の周方向の複数箇所に平坦面を設け、これらの平坦面に夫々に転接する回転抑制部材を備える構成としてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る車両用操舵装置においては、操舵軸に設けた平坦面上にて転動する回転抑制部材を備える簡素な構成により、操舵軸の軸回りの回転を、操舵のために必要な軸長方向移動を阻害することなく確実に抑制することができ、モータ等の回転駆動源からの伝動による操舵軸の移動、及びこの移動に伴う操舵を高効率に行わせることができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用操舵装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】回転抑制手段の概略構成を示す縦断面図である。
【図3】図2の III−III 線による横断面図である。
【図4】回転抑制手段の第2の実施の形態を示す横断面図である。
【図5】回転抑制手段の第3の実施の形態を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 舵取機構
2 ステアリングホイール(操舵部材)
4 回転抑制手段
15 平坦面
16 凹溝
40 ローラ(回転抑制部材)
46 押しばね(付勢手段)
48 転がり軸受(回転抑制部材)
ハウジング

Claims (2)

  1. ハウジングの内部に支持され、操舵のために軸長方向に移動する操舵軸と、該操舵軸の軸回りの回転を抑制する回転抑制手段とを備える車両用操舵装置において、
    前記回転抑制手段は、前記操舵軸の周面に設けた平坦面に転接し、該操舵軸の移動を前記平坦面上での転動により許容する回転抑制部材を備えることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 前記回転抑制部材を前記平坦面に押し付ける付勢手段を備える請求項1記載の車両用操舵装置。
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