JP5460684B2 - 車体前部 - Google Patents

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Description

本発明は、車室の床の前にサブフレームを締結している車体前部に関するものである。
車体前部には、車両正面に衝撃力が入力されると、まず、衝撃吸収ゾーンで衝撃を吸収し、その次に、サブフレームを落下させることで、車室の前隔壁の変形を抑制しているものがある。
この車体前部は、サブフレーム(シャシフレーム)に衝撃力が入力されると、サブフレームは、後方に移動し、この移動に伴ってサブフレームを締結している車体のパイプナットが倒れ始め、姿勢を変化させる。そして、パイプナットの上部を固定している固定部位が破断し、パイプナットにねじ込んだボルト、すなわち、サブフレームを通し、さらにサブフレームとパイプナットの間に介在している板部の孔を通してねじ込んだボルトが、後方へ移動することによってボルトを通した孔を引き裂くので、この引き裂かれた孔からパイプナットが抜け落ちて、サブフレーム(シャシフレーム)を脱落させることができ、車室の前隔壁の変形を抑制することができる(例えば、特許文献1参照)。
しかし、従来技術(特許文献1)では、サブフレーム(シャシフレーム)を吊り下げているパイプナットを脱落させるためには、パイプナットを載せた孔の周囲が孔とともにボルトによって引き延ばされて引き裂かれる強度に設定される必要があり、孔を開けたブラケットは、強度が小さくなりがちである。
このブラケットでは、サブフレーム(シャシフレーム)の車体への取付け強度が低下して、走行中に旋回操作をした時にブラケットが変形して、ハンドル操作に対する応答が遅れ、操舵性が悪く、スポーティな運転ができない。
また、サブフレーム後部に電動パワーステアリングのギャボックスのような大きな部品を搭載する場合、隔壁との間に十分な後退量が確保できないので、ギャボックスが隔壁を変形させてしまう。
このように、車体前部の衝撃吸収ゾーンを確保し、且つ隔壁の変形を抑制し、旋回操作をした時に入力される荷重に対して強度を確保することが望まれていた。
特許第4325351号公報
本発明は、車体前部の衝撃吸収ゾーンを確保し、且つ隔壁の変形を抑制し、旋回操作をした時に入力される荷重に対して強度・剛性を確保した車体前部を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車両の車室の前へ連なるフロントボデーにサブフレームの前締結部および後締結部を締結し、フロントボデーのエンジンルームと車室を隔絶する隔壁を設けている車体前部において、サブフレームの後締結部に連ね後方へ延びている非変形後端部と、非変形後端部に対向し、車両後方且つ下方に傾斜した滑面を有し、隔壁のダッシュボードロアパネルに設けられた傾斜部とを備える。
特に本発明は、サブフレームの後締結部は、フロントボデーのフロントサイドフレーム近傍の車体側の締結ベースブラケットにボルトで締結され、締結ベースブラケットは、後締結部で押圧される受圧部にボルトを通す締結孔から車両の後方へ所望の距離だけ離して開けた亀裂促進孔を備え、亀裂促進孔は、締結孔の半径の中心から車両の後方へ延ばした延長中心線を対称基準線として対称に第1孔、第2孔が、対称基準線から締結孔の半径より離した中心を基準に開けられていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、傾斜部の裏面に設けたスチフナーを備えていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、傾斜部の裏面に設けたスチフナーは、サブフレームの後締結部から締結力が伝わるダッシュボードロアパネル側のカラーの上端を支持しているカラー上端支持ブラケットのブラケット後部に達し結合していることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、傾斜部は、車両の中央のトンネルフレーム側延長部とフロントボデーのフロントサイドフレームリヤエンドとの間に配置されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、フロントボデーにサブフレームを締結し、隔壁を設けている車体前部において、サブフレームの後締結部に連ね後方へ延びている非変形後端部と、非変形後端部に対向し、車両後方且つ下方に傾斜した滑面を有し、隔壁のダッシュボードロアパネルに設けられた傾斜部と、を備えているので、車両の正面に物が接触したときに、車体前部の衝撃吸収ゾーンを確保し、且つ隔壁の変形を抑制することができる。
すなわち、車両の正面に物が接触(例えば正面衝突)して、その際の荷重(衝撃)でサブフレームが後方へ移動すると、サブフレームの非変形後端部が滑面に接触するので、滑面を滑りつつ、サブフレームは車室の床下へ向かって斜めに滑って移動し、車体側の亀裂によって後締結部のボルトが車体側から離れる。
この結果、例えば、操舵装置を電動化したことで、サブフレーム上の電動機のギアボックスが大型になっても、サブフレームとともに移動したギアボックスをダッシュボードロアパネルに沿って車室の下側へ向け移動させることができ、ギアボックスで車室内へ押し込まれるダッシュボードロアパネルの変形量を抑制することができる。
また、車両の正面から車室までの距離が短いショートノーズパッケージを採用した自動車でも、車体前部の衝撃吸収ゾーンを確保することができる。
さらに、車体前部の変形によって衝撃を吸収する過程において、変形によってギアボックスがダッシュボードロアパネルへ向け移動し始める時点、または移動して接触する時点で発生する後半の衝撃を低減することができる。
特に本発明では、サブフレームの後締結部は、フロントボデーのフロントサイドフレーム近傍の車体側の締結ベースブラケットにボルトで締結され、締結ベースブラケットは、後締結部で押圧される受圧部に締結孔から離して開けた亀裂促進孔を備え、亀裂促進孔は、締結孔の半径の中心から車両の後方へ延ばした延長中心線を対称基準線として対称に第1孔、第2孔が、対称基準線から締結孔の半径より離した中心を基準に開けられているので、締結孔を開けた部位は、例えば、道路の縁石に乗り上げたときに入力される荷重に対して強度・剛性を確保することができる。
また、走行中に旋回操作をした時に入力される荷重に対して強度・剛性を確保することができる。
一方、車両の正面に物が接触してサブフレームに後方向きの荷重が伝達されると、サブフレームとともにボルトが後方へ移動して、締結孔が後方へ引き延ばされて、亀裂が締結ベースブラケットの第1孔と第2孔に達する。つまり、締結周辺部の後方向きの破断を安定させることができる。
請求項2に係る発明では、傾斜部の裏面に設けたスチフナーを備えているので、非変形後端部が傾斜部の滑面に接触して荷重が入力されると、傾斜部からスチフナーに分散される。その結果、滑面が高強度化され、滑面の変形が抑えられ、後方且つ下方へのサブフレームの移動はスムーズになる。
請求項3に係る発明では、傾斜部に設けたスチフナーは、サブフレームの後締結部から締結力が伝わるダッシュボードロアパネル側のカラーの上端を支持しているカラー上端支持ブラケットのブラケット後部に達し結合しているので、車両の正面からサブフレームに荷重が入力されると、カラーの上端を支点にしてカラーおよびサブフレームの後締結部が回動し、後締結部とカラーの下端との間に介在している締結ベースブラケットに開けた締結孔の変形や破断は容易になる。
請求項4に係る発明では、傾斜部は、車両の中央のトンネルフレーム側延長部とフロントボデーのフロントサイドフレームリヤエンドとの間に配置されているので、傾斜部は、トンネルフレーム側延長部およびフロントサイドフレームリヤエンドとは別の板材を塑性加工することで得ることができ、滑面の傾斜角をギアボックスを後方、且つ下方に落とす最適な角度に設定することができる。
本発明の実施例に係る車体前部のフロントサイドフレームにサブフレームを取付けた状態を示す斜視図である。 図1の2矢視図である。 図2の3矢視図である。 図2の4−4線断面図である。 実施例に係る車体前部を下から見た図である。 図5の6矢視図である。 図5の7部詳細図である。 車体前部の側面図兼サブフレームの脱落の機構を説明する作用図である。 サブフレームの脱落の機構を具体的に説明する作用図で、(a)はサブフレームの傾斜部まで移動するときの機構を説明す作用図、(b)はサブフレームの脱落する機構を説明する作用図である。
以下、本発明の実施の形態について、実施例で詳細に説明する。
車両11は、図1に示すように、車体12に実施例に係る車体前部13を採用している。車両11は、左ハンドル車で、電動式の電動パワーステアリング装置15を備える。
車体12は、車室16の床をなすアンダボデー17と、フロントボデー21と、車体前部13と、備える。
アンダボデー17は、運転席22と助手席23の間である中央に設けたトンネル部24と、トンネル部24に連なる左右のトンネルフレーム26と、トンネルフレーム26に沿うフロアフレーム27と、フロアフレーム27に沿い左端、右端をなすサイドシル28、31と、を備え、フロントボデー21に連続している。
フロントボデー21は、図1、図4、図5、図8に示す通り、左右のフロントサイドフレーム32、33と、車室16とエンジンルームとを隔絶する隔壁35と、トンネルフレーム26に連続して車両11の前方へ延びトンネルフレーム側延長部36と、を備える。
これら(32、33、35、36)は、実施例に係る車体前部13を主体にした場合、車体前部13にも含まれる。
車体前部13は、左右のフロントサイドフレーム32、33と、フロントサイドフレーム32、33に連なる左右のトンネルフレーム側延長部36と、隔壁35と、フロントサイドフレーム32、33に締結しているサブフレーム37と、を備える。
サブフレーム37には、図に示していないエンジンや電動パワーステアリング装置15を載せている。
電動パワーステアリング装置15は、既存のもので、ギャボックス38を有する。そして、油圧式パワーステアリング装置の大きさに比べ、ギャボックス38が隔壁35に近接している(図4、図8)。なお、電動パワーステアリング装置15のロッド41より後方にギャボックス38のギャボックス後端がある。
次に、実施例に係る車体前部13の主要構成を図1〜図8で説明する。図3は、サブフレーム37の補強ブラケット132(図4)を外して示している。
車体前部13は、車両11の車室16の前へ連なるフロントボデー21にサブフレーム37の前締結部44および後締結部45を締結し、フロントボデー21のエンジンルームと車室16を隔絶する隔壁35を設けている。
そして、サブフレーム37の後締結部45に連ね後方へ延びている非変形後端部47と、非変形後端部47に対向し、車両後方且つ下方にさせた滑面48を有しダッシュボードロアパネル46に設けられた傾斜部51とを備えている。
サブフレーム37の後締結部45は、フロントボデー21のフロントサイドフレーム32、33近傍の車体12側の締結ベースブラケット52(図4)にボルト53で締結されている。
締結ベースブラケット52は、後締結部45で押圧される受圧部54(図6)にボルト53を通す締結孔55から車両11の後方(矢印a1の方向)へ所望の距離E(図7)だけ離して開けた亀裂促進孔56を備える。
距離Eは、図4に示す非変形後端部47と傾斜部51の間の距離Lより大きい。
亀裂促進孔56は、図7に示す通り、締結孔55の半径rの中心Oから車両11の後方(矢印a1の方向)へ延ばした延長中心線57を対称基準線として対称に第1孔61、第2孔62が、締結孔55の半径rより外方(矢印a2、矢印a3の方向)にそれぞれ設定された中心O1、O2を基準に開けられている。
傾斜部51は、傾斜部51の裏面に設けたスチフナー63を備えている(図2、図4)。
スチフナー63は、サブフレーム37の後締結部45から締結力が伝わるダッシュボードロアパネル46側のカラー64の上端65を支持しているカラー上端支持ブラケット66のブラケット後部67に達し、後締結部45のナット83近傍に結合している。
傾斜部51は、車両11の中央のトンネルフレーム側延長部36とフロントボデー21のフロントサイドフレームリヤエンド68との間に、且つ、ギャボックス38の後方に配置されている。
次に、フロントサイドフレーム32、33、締結ベースブラケット52、亀裂促進孔56、傾斜部51、スチフナー63、サブフレーム37を詳しく説明していく。
フロントサイドフレーム32は、図1〜図6に示す通り、フレーム本体71の後端からフロントサイドフレームリヤエンド68が下方のアンダボデー17に向け傾斜して延び連続している。そして、フロントサイドフレームリヤエンド68に連ねアウトリガー72が形成され、アウトリガー72の外端がサイドシル28、31に結合している。
また、フロントサイドフレーム32は、フロントサイドフレームリヤエンド68の結合部73がほぼ水平に延びてフロアフレーム27に結合している。さらに、フロントサイドフレームリヤエンド68の内壁部74(図6)にサブフレーム後部取付け部75が形成されている。
サブフレーム後部取付け部75は、締結ベースブラケット52と、カラー上端支持ブラケット66と、天部ブラケット76(図2、図4)と、カラー64と、からなる。
締結ベースブラケット52は、側面視(図4の視点)、L字形で、サブフレーム37の後締結部45が直接接触し、この後締結部45の押圧端面からボルト53の締結力を受ける受圧部54が形成されている。この受圧部54に連ね第1前壁部78が立設されている。そして、第1前壁部78が上に延びて、第1前壁部78の上部がダッシュボードロアパネル46に結合している。
受圧部54には、既に説明したように、ボルト53を通す締結孔55が開けられ、この締結孔55の近傍に亀裂促進孔56(第1孔61と、第2孔62と、からなる)が開けられている(図5、図6、図7)。第1孔61の半径はr1、第2孔62の半径はr1である。
亀裂促進孔56(第1孔61、第2孔62)は、亀裂促進孔56の半径r1の中心(中心点O1、O2)を通る線81と締結孔55の中心Oを通る延長中心線57は直交している。
より詳しくは、亀裂促進孔56は、締結孔55の半径rの中心Oから車両11の後方へ距離E(例えば、半径rの3.5倍)だけ離した点e1と中心Oを延長中心線57が通る。点e1、中心点O1、O2を線81が通る。そして、点e1から距離E1だけ離した中心点O1、O2を設定し、この中心点O1、O2を中心に半径r1で開けたものである。
距離E1は、カラー64の外径の半径rcとほぼ一致する。
第1孔61の半径r1は、締結孔55の半径rより小さく設定したが、条件によって任意である。
距離E1は、E1=r+r1+αとしたが、条件によって任意である。距離αを設けるのが望ましい。
距離Eは、図4に示す非変形後端部47と傾斜部51の間の距離Lより大きい。
締結孔55の中心Oと同心にカラー64が立設されカラー上端支持ブラケット66に結合している。
カラー64は、ボルト53に対応する別体のナット83を含めてカラーナットとしてもよい。
ナット83は、カラー64の上端に設けたカラー上端支持ブラケット66に溶接部で結合されている。なお、カラーナットの場合、カラー上端支持ブラケット66を貫通させ、周縁を溶接する。
カラー上端支持ブラケット66は、カラー64の上端に密着し、ボルト53に対応する直径で孔を開けた上端押圧部85が形成されている。上端押圧部85に連ね第2前壁部86が立設されて第1前壁部78に結合している。
また、上端押圧部85に連ね後壁部87が第1前壁部78に対向し、且つ下方へ延び、受圧部54に結合している。そして、車幅方向の一端および他端を天部ブラケット76の対向する側部91に結合した。
天部ブラケット76は、断面が概ねU形で、開口を下の締結ベースブラケット52の受圧部54に向け、開口を形成している側部91の縁を結合している。前部を締結ベースブラケット52の第1前壁部78に結合し、後部に切り欠き部92(図2)を形成した。この切り欠き部92から中にスチフナー63を配置してカラー上端支持ブラケット66の角部(ブラケット後部67)に接合している。
側部91や締結ベースブラケット52が、トンネルフレーム側延長部36に結合している(図2、図5、図6)。
図2に示すトンネルフレーム側延長部36の上端94やフロントサイドフレームリヤエンド68の上端95やアウトリガー72の上端96に隔壁35のダッシュボードロアパネル46が結合されている。この結合する部分が、乗員の足置き位置にあたる。
なお、隔壁35の一端(左端)、他端(右端)は、フロントピラー98(図1)に結合している。
ダッシュボードロアパネル46は、フロントサイドフレームリヤエンド68に結合した部位が、フロントサイドフレームリヤエンド68の傾斜角と同様の傾斜角で傾斜して、後部がフロアパネルに連続している。
その後部には傾斜部51が設けられ、後部は乗員の足置き位置である。
傾斜部51は、フロントサイドフレームリヤエンド68の傾斜角とほぼ同様の傾斜角で設けられているが(図4)、傾斜部51の角度をβ(約40°)に設定した。そして傾斜部51に傾斜結合部111を結合した。
また、後部102に、フロントサイドフレームリヤエンド68の底部104の近傍で上に向けほぼ直交する角度で曲げた曲げ底部105を形成し(図4)、曲げ底部105に連なる上縁106をダッシュボードロアパネル46またはフロアパネル(図に示していない)に結合し、強度・剛性を高めるとともに、滑面48を後方、且つ下方に長く配置した。
サブフレーム37の非変形後端部47から入力される荷重に対し、傾斜部51の強度を高めるため、高強度鋼板を用いた。
傾斜部51の一端(内側端)107(図6)をトンネルフレーム側延長部36に結合し、他端(外側端)108をフロントサイドフレームリヤエンド68に結合している。
さらに、滑面48に対向する裏面にスチフナー63の傾斜結合部111(図2)を重ねて結合している。
スチフナー63は、高強度鋼板を用いたもので、U形状のスチフナー本体114をカラー上端支持ブラケット66に達する長さで形成し、スチフナー本体114に直交するようにスチフナー本体114の一端(上端)に連ねてブラケット結合部115を形成している。ブラケット結合部115はカラー上端支持ブラケット66の上端押圧部85ならびに後壁部87、これらで形成された角部(ブラケット後部67)、且つナット83近傍に結合している。
この結果、サブフレーム37の後締結部45からカラー上端支持ブラケット66に入力された後方へ押す荷重に対し、カラー上端支持ブラケット66の強度・剛性を高めることができる。
また、スチフナー本体114の中央から他端(下端)116まで滑り傾斜結合部111を形成して、滑面48に対向する裏面に重ねて結合した。他端(下端)116は滑り傾斜部51の曲げ底部105に達して結合されている。
この結果、サブフレーム37の非変形後端部47から滑面48に入力された荷重に対し、滑り傾斜部51の強度を高めることができる。
サブフレーム37は、井桁状にアルミニウム合金を鋳造したもので、左右のサイドメンバー121と、前クロスメンバー122と、後クロスメンバー123と、前締結部44と、後締結部45と、後締結部45から後方へ延ばした非変形後端部47と、を備える。
サイドメンバー121、後締結部45、非変形後端部47は、中央を基準に左右がほぼ対称であり、左のそれぞれを説明する。
サイドメンバー121は、中央に衝撃吸収座屈部125を有している。
後クロスメンバー123には、電動パワーステアリング装置15のギャボックス38を取付けている。
後締結部45は、図4に示す通り、サイドメンバー121に一体に鋳造した外筒127と、外筒127の中に緩衝部材128を介して取付けた内筒131と、内筒131の下端面にボルト53で押圧される補強ブラケット132と、を備える。
内筒131の押圧端面が、締結ベースブラケット52の受圧部54を押圧する。
外筒127に一体に非変形後端部47が鋳造されている。
非変形後端部47は、外筒127の外周面に本体134が車両11の後方へ延ばして一体に形成されるとともに、本体134の内部に車体前後方向に延びる縦リブ135が形成されている。
この本体に連ね一体に傾斜滑走部136を滑面48に向けて形成した。傾斜滑走部136の角度β1は、滑面48の角度βより大きい。
次に、車体前部13の作用を説明する。
車体前部13は、図1に示すように、車両11の正面が接触(例えば、正面衝突)して荷重が矢印b1のように入力されると、フロントサイドフレーム32、33、サブフレーム37が変形して衝撃エネルギーを吸収し、サブフレーム37が、図8に示すように、矢印b2のように後退しつつ、車両11の床下へ向け(矢印b3の方向)て移動し、脱落するので、車室16の前部(隔壁35)の変形を抑制することができる。
具体的には、荷重が矢印b1のように入力されると、サブフレーム37が後退して内筒131に外筒127が当接し、サブフレーム37のサイドメンバー121の衝撃吸収座屈部125が矢印b4のように折れるように曲がり変形し始め、衝撃の吸収を開始する。
引き続き、図9(a)に示すように、内筒131およびボルト53が、後方へ押され、サブフレーム37の非変形後端部47が車体12に接触、詳しくは、強度の高い滑り傾斜部51に接触すると、傾斜部51(の滑面48)の角度および非変形後端部47(の傾斜滑走部136)の角度によって、後締結部45を支点にしてサイドメンバー121を角度δだけ回動(矢印b5の方向)し、傾ける分力が発生するので、後締結部45(ボルト53、ナット83)は下に(矢印b6の方向)引っ張られ、カラー上端支持ブラケット66を引っ張り、カラー上端支持ブラケット66の上端押圧部85は、矢印b7で示すように、たわみ、陥没し始める。
続けて、図9(b)に示すように、カラー上端支持ブラケット66(上端押圧部85)の陥没(伸び)が進行し、サブフレーム37の後締結部45が距離hだけ移動すると、ナット83が孔から外れ、抜け落ち始める。
一方、締結ベースブラケット52では、距離hだけ移動する過程で、引っ張られるカラー64、ボルト53によって、締結ベースブラケット52(受圧部54)のたわみが進行し、且つ締結孔55の亀裂が進行し、距離hに達すると、締結孔55の亀裂が亀裂促進孔56に達するので、カラー64は抜け落ちる。その結果、距離hの位置で、サブフレーム後部取付け部75からカラー64、ボルト53、ナット83を脱落させることができ、サブフレーム37を脱落させることができる。
このように、車体前部13では、脱落ストローク(距離h)と荷重(旋回操作をした時に入力される荷重に対して強度・剛性を確保)を制御することができる。
一方、締結ベースブラケット52では、道路の縁石に乗り上げたときに荷重が入力されると、荷重を締結孔55の周囲へ分散する。その際、締結孔55と亀裂促進孔56との間の部位に荷重を集中させることなく、ほぼ同様に荷重は分散する。
その結果、亀裂促進孔56を開けても、縁石に乗り上げたときの荷重や走行中に旋回操作をした時の荷重に対し、締結ベースブラケット52の受圧部54のたわみを抑制することができる。
本発明の車体前部13は、自動車に好適である。
11…車両、13…車体前部、16…車室、21…フロントボデー、32…左のフロントサイドフレーム、33…右のフロントサイドフレーム、35…隔壁、36…トンネルフレーム側延長部、37…サブフレーム、44…サブフレームの前締結部、45…サブフレームの後締結部、46…ダッシュボードロアパネル、47…非変形後端部、48…傾斜部の滑面、51…傾斜部、52…締結ベースブラケット、53…ボルト、54…締結ベースブラケットの受圧部、55…締結孔、56…亀裂促進孔、57…延長中心線、61…第1孔、62…第2孔、63…スチフナー、64…カラー、65…カラーの上端、66…カラー上端支持ブラケット、67…カラー上端支持ブラケットのブラケット後部、68…フロントサイドフレームリヤエンド、O…締結孔の中心。

Claims (4)

  1. 車両の車室の前へ連なるフロントボデーにサブフレームの前締結部および後締結部を締結し、前記フロントボデーのエンジンルームと前記車室を隔絶する隔壁を設けている車体前部において、
    前記サブフレームの前記後締結部に連ね後方へ延びている非変形後端部と、該非変形後端部に対向し、車両後方且つ下方に傾斜した滑面を有し、前記隔壁のダッシュボードロアパネルに設けられた傾斜部とを備え、
    前記サブフレームの前記後締結部は、前記フロントボデーのフロントサイドフレーム近傍の車体側の締結ベースブラケットにボルトで締結され、
    前記締結ベースブラケットは、前記後締結部で押圧される受圧部に前記ボルトを通す締結孔から前記車両の後方へ所望の距離だけ離して開けた亀裂促進孔を備え、
    前記亀裂促進孔は、前記締結孔の半径の中心から前記車両の後方へ延ばした延長中心線を対称基準線として対称に第1孔、第2孔が、前記対称基準線から前記締結孔の半径より離した中心を基準に開けられている、
    ことを特徴とする請求項1記載の車体前部。
  2. 前記傾斜部の裏面に設けたスチフナーを備えていることを特徴とする請求項1記載の車体前部。
  3. 前記傾斜部の裏面に設けたスチフナーは、前記サブフレームの前記後締結部から締結力が伝わる前記ダッシュボードロアパネル側のカラーの上端を支持しているカラー上端支持ブラケットのブラケット後部に達し結合していることを特徴とする請求項1又は2記載の車体前部。
  4. 前記滑り傾斜部は、前記車両の中央のトンネルフレーム側延長部と前記フロントボデーのフロントサイドフレームリヤエンドとの間に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車体前部。
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