JP5458782B2 - 半導体素子、半導体ウェハ、半導体ウェハの製造方法、半導体素子の製造方法 - Google Patents

半導体素子、半導体ウェハ、半導体ウェハの製造方法、半導体素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体素子、半導体ウェハ、半導体ウェハの製造方法、半導体素子の製造方法に関する。
トランジスタ、ダイオード、レーザ等の半導体素子は、各種電子機器の重要な部材である。特に、半導体レーザ等の半導体発光素子は、画像表示装置、情報記録再生装置等に有用である。
半導体素子を製造する際、半導体ウェハのへき開(劈開)により形成することが行われる。例えば、半導体レーザ等の半導体発光素子には、端面出射型の構造が広く用いられ、その共振器は半導体結晶面が利用される。上記半導体結晶面には、平坦性が強く求められ、さらに所望の位置に形成できる技術が、重要となる。このため、前記半導体結晶面は、一般に劈開により形成される。
一般的な劈開工程においては、ダイヤモンドカッターや高出力レーザビームなどを用いて、ウェハ表面の分割予定線上の一部にスクライブによりガイド溝を形成した後、ウェハ裏面から分割予定線の直下にブレードを押し当てて劈開する方法などがある。
しかしながら上記方法では、刃を当てる位置を壁開したい位置に正確にあてられないこと、刃を当てる位置が正確である場合にも、刃を当てる位置と壁開される位置が必ずしも一致しないなどの問題があった。その結果、所望の位置で壁開することができず共振器長等にばらつきが生じ、均一な特性を実現するのが困難となっていた。さらに、窒化物系結晶では結晶硬度が高く、またクラックが入りやすいといった特性により、InP、GaAsといった他の化合物材料系と比べ、劈開工程の制御が難しかった。例えば、スクライブ溝の形成時に欠陥やクラックが発生したり、ウェハに段差等があると劈開線が直進せず、端面平坦性や歩留まりが悪化する、という問題がある。
これらの問題を回避する為、例えば特許文献1に示されているように、半導体ウェハにおけるガイド溝の数をストライプ毎に設けるなどの方法が提案されている。図29の平面図に、特許文献1記載の半導体ウェハにおける前記ガイド溝とストライプの構造の概略を示す。図示の通り、この基板は、劈開予定線に対し、ダイヤモンド刃を用いたスクライブによりガイド溝2901をストライプ2902とストライプの間に設けている。しかし、こうした方法ではスクライブ数増加に伴う収量の低下、ケガキ屑の増加といった問題がある。更に、スクライブ時の衝撃による欠陥やクラック発生確率が上昇し、劈開歩留まりの低下や素子信頼性への影響が懸念される。また、バー劈開による共振器端面形成後の素子分離工程においても、同様の問題が生じる可能性がある。
こうした問題を解決するため、InP系やGaAs系材料では、例えば特許文献2に示される方法が用いられている。特許文献2の方法では、特許文献1と同様、周期的に並んだ活性層ストライプを避けて破線状に、劈開するためのガイド溝を形成する。このガイド溝をウェットエッチングにより作製すると断面がV字型のガイド溝が得られ、刃を当てる位置に拘わらずV字型の頂点位置で壁開が生じる為、正確な位置での壁開が可能となる。
特開2003−17791号公報 特開昭56−71989号公報
しかしながら、特許文献1および2に記載の方法においても、例えば、GaN材料系などの堅い材料を有した素子への応用、基板厚が厚い素子の壁開等には、なお課題を有する。
一つ目の課題であるGaN系材料への応用について説明する。
GaN系材料は、紫外〜可視波長領域で発光する半導体レーザに適用される。このうち、青紫色レーザは、高密度記録が可能なDVD機器用光源として実用化され、更なる市場の拡大が期待されている。一方、可視波長(青色〜赤色)のレーザは、次世代の高性能ディスプレイ用の光源として要求が高まっている。
しかしながら、GaN系材料では、特許文献2に記載されたようなガイド溝を、ウェットエッチングにより形成することが出来ない。この理由は、GaN系材料の耐腐食性が強く、V字型ガイド溝を形成できるエッチング液が存在しないためである。
更に、GaN系の化合物半導体はモース硬度が約9と非常に固い物質であるため、従来の刃状のものを結晶に当てて壁開を行う方法を用いる場合にも、他の材料系に比べ困難が大きい。通常、GaN系レーザにおいてはダイヤモンドカッターや高出力レーザビームなどを用いて半導体面にスクライブ溝を形成した後、刃状のものを押し当てることによって壁開を行う。しかし、結晶が硬いために、スクライブ溝の形成時に欠陥やクラックが発生することがあり、壁開線が直進せず端面平坦性が損なわれやすいという問題がある。また、スクライブ(ケガキ)の際に発生するケガキ屑により、例えば、半導体素子の品質が劣化する等のおそれがある。
二つ目の課題は、基板が厚い素子において、良好な劈開ができないことである。特許文献2で記載の方法では、InP基板の分割をするため、ウェットエッチングによりガイド溝を形成する。しかし、ウェットエッチングでは、厚い基板を良好に劈開するために必要となる深さと、V字型を備えたガイド溝を形成することが困難である。
なぜなら、深いガイド溝を形成する場合は、エッチング時間を長くする必要がある。しかし、エッチングにより安定した面が、エッチングされている領域に出現するとエッチング速度が低下する。このため、深いガイド溝を作製することが難しくなる。
結晶方位によりV溝の角度が決まっている為、深いガイド溝を形成する場合にはガイド溝の開口を広げなければならないためである。
このように、半導体ウェハにおいて、正確な劈開のためのガイド溝を、ケガキ屑の発生なしに効率よく形成することは困難である。
そこで、本発明は、半導体ウェハにおいて、正確な劈開のためのガイド溝をケガキ屑の発生なしに効率よく形成できる半導体ウェハの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記本発明の半導体ウェハの製造方法を用いた半導体素子の製造方法をも提供する。さらに、本発明は、半導体ウェハおよび半導体素子をも提供する。さらに、本発明は、半導体素子を用いた画像表示装置、情報記録再生装置、光通信装置をも提供する。
前記目的を達成するために、本発明の半導体ウェハの製造方法は、
結晶から形成された基板上の一部に帯状の誘電体膜を形成する誘電体膜形成工程と、
前記誘電体膜形成工程後、前記基板上における前記誘電体膜形成部位以外の部位に半導体結晶を成長させて機能性半導体結晶層を形成する機能性半導体結晶層形成工程と、
前記機能性半導体結晶層形成工程後、前記誘電体膜形成部位周辺の前記機能性半導体結晶層および前記基板をドライエッチングするドライエッチング工程を含み、
前記ドライエッチング工程により、前記ドライエッチングした部位に、前記機能性半導体結晶層上面から前記基板内部まで達する溝が形成されることを特徴とする。
本発明の半導体素子の製造方法は、前記本発明の半導体ウェハの製造方法により前記半導体ウェハを製造する半導体ウェハ製造工程と、
前記半導体ウェハを少なくとも前記溝の下端に沿った方向に分割させる分割工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明の半導体ウェハは、
結晶積層体を含み、
前記結晶積層体は、ウェットエッチング耐性結晶から形成された基板と、その上に形成された機能性半導体結晶層とを含み、
前記機能性半導体結晶層上面から前記基板内部まで達する溝が形成され、前記溝は、少なくともその下部が、溝幅が底部に向かって小さくなる形状を有することを特徴とする。
本発明の半導体素子は、
結晶積層体を含み、前記結晶積層体は、ウェットエッチング耐性結晶から形成された基板と、その上に形成された機能性半導体結晶層とを含み、
前記結晶積層体の少なくとも一つの側面において、前記基板上部が、前記基板主面の垂線に対して傾斜した面を含み、前記基板下部と前記機能性半導体結晶層とが、それぞれ、前記基板主面の垂線にほぼ平行な面を含み、それらの面が、前記傾斜した面によりつながっていることを特徴とする。
本発明の画像表示装置は、光源を含み、前記光源が、半導体発光素子を含み、前記半導体発光素子が、前記本発明の半導体素子の製造方法により製造される半導体素子、または前記本発明の半導体素子であることを特徴とする。
本発明の情報記録再生装置は、光源を含み、前記光源が、半導体発光素子を含み、前記半導体発光素子が、前記本発明の半導体素子の製造方法により製造される半導体素子、または前記本発明の半導体素子であることを特徴とする。
本発明の光通信装置は、光源を含み、前記光源が、半導体発光素子を含み、前記半導体発光素子が、前記本発明の半導体素子の製造方法により製造される半導体素子、または前記本発明の半導体素子であることを特徴とする。
本発明によれば、半導体ウェハにおいて、正確な劈開のためのガイド溝をケガキ屑の発生なしに効率よく形成できる半導体ウェハの製造方法を提供することができる。
本発明の半導体ウェハの構造の一例を模式的に示す平面図である。 本発明の半導体ウェハの構造の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の半導体ウェハの製造方法における一工程を模式的に例示する断面斜視図である。 図3に続く一工程を模式的に例示する断面斜視図である。 図4に続く一工程を模式的に例示する断面斜視図である。 本発明の半導体レーザの構造を模式的に例示する斜視図である。 図6の半導体レーザの光出射端面付近の構造を示す側面図である。 本発明の一実施形態において、半導体ウェハの製造方法の一工程を模式的に例にする平面図である。 図8に続く一工程を例示する断面図である。 図9に続く一工程を例示する断面図である。 図10に続く一工程を例示する断面図である。 図11に続く一工程を例示する断面図である。 本発明の一実施形態における半導体ウェハの構造を例示する平面図および断面図である。 図13Aの半導体ウェハの構造を示す別の断面図である。 本発明の一実施形態において、半導体素子の製造方法の一工程を模式的に例示する断面図である。 本発明の別の一実施形態において、半導体ウェハの製造方法の一工程を模式的に例にする平面図である。 図15に続く一工程を例示する断面図である。 図16に続く一工程を例示する断面図である。 前記一実施形態において、半導体素子の製造方法の別の一例における一工程を模式的に示す平面図である。 図18に続く一工程を例示する断面図である。 本発明のさらに別の一実施形態において、半導体ウェハの製造方法の一工程を模式的に例示する平面図である。 図20に続く一工程を例示する断面図である。 本発明のさらに別の一実施形態において、半導体ウェハの構造の一例を模式的に示す平面図である。 図22の半導体ウェハの断面図である。 前記実施形態において、半導体ウェハの製造方法の一工程を模式的に例示する平面図である。 前記実施形態において、半導体素子の製造方法の一工程を模式的に例示する断面図である。 前記実施形態において、半導体ウェハの構造の別の一例を模式的に示す平面図である。 前記実施形態において、半導体ウェハの構造のさらに別の一例を模式的に示す平面図である。 前記実施形態において、半導体ウェハの構造のさらに別の一例を模式的に示す平面図である。 半導体ウェハの構造の一例を模式的に示す平面図である。
以下、本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
本発明の半導体ウェハの製造方法は、前記誘電体膜形成工程において、前記誘電体膜を、複数の帯状の誘電体膜からなる規則的なパターン状に形成することが好ましい。
本発明の半導体ウェハの製造方法は、前記誘電体膜が、単層膜または積層膜であり、SiO層、SiN層およびSiON層からなる群から選択される少なくとも一つの層から形成されることが好ましい。
なお、本発明の半導体ウェハの製造方法においては、前述の通り、前記機能性半導体結晶層形成工程において、前記基板上における前記誘電体膜形成部位以外の部位に半導体結晶を成長させる。以下、このような前記半導体結晶の成長を、単に「選択成長」という場合がある。ただし、前記選択成長は、完全に前記誘電体膜形成部位以外の部位のみに選択的な成長でなくても、前記誘電体膜上等に前記半導体結晶の成長が多少あっても良い。また、例えば、前記基板上における前記誘電体膜近辺に成長した前記半導体結晶が、さらに横方向に若干伸びて成長し、前記誘電体膜の上方に若干張り出したりしても良い。
本発明の半導体ウェハの製造方法は、前記機能性半導体結晶層を、窒化物半導体結晶により形成することが好ましい。
本発明の半導体ウェハの製造方法は、前記基板が、窒化物半導体結晶から形成されていることが好ましい。前記窒化物半導体結晶は、III族窒化物半導体結晶であることがより好ましく、GaN結晶であることがさらに好ましい。
前記GaN基板は、主面が、{0001}面、{0001}面から45度以上傾いた面、{11−22}面、または{1−100}面であることがより好ましい。
また、本発明の半導体ウェハの製造方法は、前記基板が、IV族半導体結晶から形成されていることが好ましく、Si、SiC、およびSiGeからなる群から選択される少なくとも一つの結晶から形成されていることがより好ましい。
本発明の半導体ウェハの製造方法において、前記基板の形成材料としては、例えば、閃亜鉛鉱型のIII−V族化合物半導体結晶、またはIII−V族窒化物半導体結晶も好ましい。III−V族窒化物半導体としては、例えば、InP、GaAs等の系統の材料が挙げられる。前記基板としては、サファイア基板も好ましい。なお、本発明において、「窒化物半導体」は、窒素を含む半導体全般をいい、下記の「III−V族窒化物半導体」「III族窒化物半導体」を含む。「III−V族化合物半導体」は、III族元素およびV族元素を含む半導体全般をいい、例えば、GaAs、InP等が挙げられる。また、窒素はV族元素であるから、「III−V族化合物半導体」は、下記の「III−V族窒化物半導体」「III族窒化物半導体」を含む。「III−V族窒化物半導体」は、III族元素およびV族元素を含む半導体全般をいい、例えば、GaAsN等が挙げられ、また、下記の「III族窒化物半導体」をも含む。「III族窒化物半導体」は、III族元素および窒素を含む半導体全般をいい、例えば、AlN、GaN、AlGaN、InGaN、InAlGaN等が挙げられる。
本発明の半導体ウェハの製造方法は、
さらに、前記機能性半導体結晶層の一部に活性層ストライプを形成する活性層ストライプ形成工程を含み、
前記誘電体膜形成工程において、前記活性層ストライプ形成予定部位以外の箇所に前記誘電体膜を形成し、
製造される半導体ウェハが半導体発光素子製造用の半導体ウェハであることが好ましい。
この場合において、例えば、前記基板がInP基板であり、前記機能性半導体結晶層の成長面が{001}面であり、かつ、前記活性層ストライプ方向が<0−11>であることがより好ましい。
本発明の半導体ウェハの製造方法は、前記活性層ストライプがレーザストライプであり、製造される半導体ウェハが半導体レーザ製造用の半導体ウェハであることがより好ましい。
また、本発明の半導体ウェハの製造方法は、前記基板が、ウェットエッチング耐性基板であることが好ましい。本発明の半導体ウェハの製造方法によれば、ウェットエッチング耐性基板にも、正確な劈開のためのガイド溝を効率よく形成できるためである。前記ウェットエッチング耐性基板としては、例えば、III族窒化物半導体結晶、III−V族窒化物半導体結晶、SiC結晶、またはサファイア結晶から形成された基板が挙げられる。
本発明の半導体素子の製造方法は、前述の通り、前記本発明の半導体ウェハの製造方法により前記半導体ウェハを製造する半導体ウェハ製造工程と、前記半導体ウェハを少なくとも前記溝の下端に沿った方向に分割させる分割工程とを含むことを特徴とする。本発明の半導体素子の製造方法は、製造される前記半導体素子が半導体レーザであり、前記分割工程が、前記ウェハを前記溝の下端に沿った方向に劈開させて共振器面を形成する共振器面形成工程を含むことが好ましい。これにより、例えば、整然とした共振器面を有する半導体レーザが得られる。また、本発明の半導体素子の製造方法において、製造される前記半導体素子が半導体レーザであり、前記分割工程が、前記ウェハを劈開させてレーザーバーを得るレーザーバー製造工程と、前記レーザーバーを前記溝の下端に沿った方向に分割して半導体レーザを得るレーザーバー分割工程を含むことが好ましい。なお、本発明において「劈開」は、結晶がある一定の方向に容易に割れて、平滑な面すなわち劈開面を作ることをいう。また、本発明において、結晶の「分割」は、結晶が割れること、あるいは結晶を割ることをいう。前記「劈開」は、前記結晶の「分割」に含まれる。また、前記結晶の「分割」は、前記結晶を前記劈開方向と異なる方向に沿って割ることをも含む。本発明の半導体素子の製造方法における前記分割工程では、劈開のみを行っても良いし、劈開方向と異なる方向に沿っての分割のみを行っても良いし、それらの両方を行っても良い。前記劈開面は、例えば、半導体レーザの共振器面等に利用することができる。前記劈開面および前記劈開方向は、結晶の構造により決まる。結晶の構造によっては、劈開面および劈開方向を有さないこともある。本発明において、前記結晶は、少なくとも一つの劈開方向を有し、劈開可能であることが好ましい。また、前記半導体レーザの共振器面形成等のために前記結晶を劈開させる場合は、前記結晶が劈開方向を有する必要がある。また、本発明において、半導体ウェハを分割するとは、半導体ウェハから半導体素子を製造する際の製造中間体を分割することも含むものとする。前記製造中間体は、例えば半導体ウェハを分割して得られるレーザーバーが挙げられる。
本発明の半導体ウェハは、前述の通り、
結晶積層体を含み、
前記結晶積層体は、ウェットエッチング耐性結晶から形成された基板(ウェットエッチング耐性基板)と、その上に形成された機能性半導体結晶層とを含み、
前記機能性半導体結晶層上面から前記基板内部まで達する溝が形成され、前記溝は、少なくともその下部が、溝幅が底部に向かって小さくなる形状を有することを特徴とする。本発明の半導体ウェハは、前記溝の少なくとも下部が、溝幅が底部に向かって小さくなる形状を有することにより、前記溝の下端に沿った方向に分割しやすく、例えば、半導体素子の劈開面、素子長等がばらつきにくい。前記ウェットエッチング耐性結晶は、窒化物半導体結晶、SiC結晶、またはサファイア結晶であることが好ましい。前記窒化物半導体結晶は、III族窒化物半導体結晶またはIII−V族窒化物半導体結晶であることが好ましく、GaN結晶であることが特に好ましい。
なお、本発明において、「溝幅が底部に向かって小さくなる形状」は、前記溝下端の幅がゼロまたはゼロに近い形状が特に好ましい。具体的には、例えば、いわゆる「V字形状」または「V字型」といわれる形状である。または、前記「溝幅が底部に向かって小さくなる形状」は、前記溝の下端がある程度の幅を持っており、逆台形、U字形状等に近い形状でも良い。ただし、正確な劈開の観点から前記溝の下端の幅がなるべく小さいことが好ましい。前記溝の下端の幅は、例えば10μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは1μm以下である。特に好ましくは、前述の通り、前記溝下端の幅がゼロまたはゼロに近い形状である。また、前記「溝幅が底部に向かって小さくなる形状」は、左右対称でも良いし、左右の表面の傾斜が異なる左右非対称の形状を有していても良い。
また、本発明において、Xという構成要素とYという構成要素が存在する場合、XとYの位置関係は、以下の通りとする。まず、「Xの片面側にY」は、特に断らない限り、Xの片面側にYが直接接触している状態でも良いし、Xの片面側とYとの間に他の構成要素等が存在し、Xの片面側とYとが直接接触していない状態でも良い。「Xの両面側にY」も、同様とする。「Xの片面にY」は、Xの片面にYが直接接触している状態を指す。「Xの両面にY」も、同様とする。「Xの上にY」は、特に断らない限り、Xの上面にYが直接接触している状態でも良いし、Xの上面とYとの間に他の構成要素等が存在し、Xの上面とYとが直接接触していない状態でも良い。同様に、「Xの下にY」は、特に断らない限り、Xの下面にYが直接接触している状態でも良いし、Xの下面とYとの間に他の構成要素等が存在し、Xの下面とYとが直接接触していない状態でも良い。また、「Xの上面にY」は、Xの上面にYが直接接触している状態を指す。同様に、「Xの下面にY」は、Xの下面にYが直接接触している状態を指す。
本発明の半導体ウェハは、
半導体発光素子製造用の半導体ウェハであり、
前記機能性半導体結晶層が、活性層ストライプを含み、
前記溝が、前記活性層ストライプ以外の箇所の一部に形成されており、かつ、前記基板の劈開面に対しほぼ平行であることが好ましい。前記溝が、前記基板の劈開面に対しほぼ平行であれば、本発明の半導体ウェハを、前記溝の下端に沿った方向に分割させやすい。また、前記溝は、前記活性層ストライプの長手方向に対しほぼ垂直またはほぼ平行であっても良いし、前記活性層ストライプの長手方向に対し傾斜していても良い。例えば、前記溝が、前記基板の劈開面に対しほぼ平行であり、かつ、前記活性層ストライプの長手方向に対しほぼ垂直または傾斜していれば、前記溝に沿って劈開させた面を光出射端面とし、整然とした光出射端面が得られやすい。また、このようにすれば、例えば、前記半導体発光素子の素子長がばらつきにくい。なお、前記光出射端面は、前記活性層ストライプの長手方向に対しほぼ垂直でもよいし、前記活性層ストライプの長手方向に垂直な方向から傾斜していても良い。
本発明の半導体ウェハは、半導体素子製造の際の劈開または分割のしやすさ、所要の溝深さに対する溝幅および面積縮小の要請といった観点から、前記溝における前記溝幅が底部に向かって小さくなる部分の表面が、前記基板主面の垂線に対して5〜45°傾斜していることが好ましい。前記溝の幅および面積をなるべく小さくする観点からは、前記傾斜角度をなるべく小さくすることが好ましい。ただし、半導体素子製造の際の劈開または分割のしやすさの観点からは、前記溝が十分深く、前記溝下端の幅が十分に小さいことが好ましい。このような溝を形成しやすいという観点から、前記傾斜角度は、前記の範囲が好ましい。なお、例えば、本発明の半導体ウェハを、前記本発明の半導体ウェハの製造方法により製造する場合は、前記機能性半導体結晶層形成工程における成長条件により、前記角度を調整することも可能である。一例として、前記基板の主面が{0001}面であり、前記機能性半導体結晶層形成工程において{1−101}面を発現させ、前記第2の溝形成工程で、ドライエッチングにより前記{1−101}面を前記基板に転写して前記傾斜した面とすることもできる。この場合、前記溝幅が底部に向かって小さくなる部分の表面(すなわち傾斜面、{1−101}面)は、前記基板主面({0001}面)の垂線に対して約28°傾斜している。
本発明の半導体ウェハは、前記溝の上部が、前記基板の垂線に対して平行な表面を有することが好ましい。
本発明の半導体ウェハは、前記基板が、III族窒化物半導体結晶から形成されていることが好ましく、前記基板がGaN基板であることがより好ましい。前記GaN基板は、主面が、{0001}面または{11−22}面であることが好ましい。前記GaN基板主面が{0001}面の場合、前記溝幅が底部に向かって小さくなる部分の表面は、例えば{1−101}面である。前記GaN基板主面が{11−22}面の場合、前記溝幅が底部に向かって小さくなる部分の表面は、例えば{1−100}面、{0001}面または{1−10n}面である。
本発明の半導体素子は、前述の通り、結晶積層体を含み、前記結晶積層体は、ウェットエッチング耐性結晶から形成された基板と、その上に形成された機能性半導体結晶層とを含み、前記結晶積層体の少なくとも一つの側面において、前記基板上部が、前記基板主面の垂線に対して傾斜した面を含み、前記基板下部と前記機能性半導体結晶層とが、それぞれ、前記基板主面の垂線にほぼ平行な面を含み、それらの面が、前記傾斜した面によりつながっていることを特徴とする。例えば、前記本発明の半導体ウェハを少なくとも前記溝の下端に沿った方向に分割して前記本発明の半導体素子を製造する場合、前記溝の溝幅が底部に向かって小さくなる部分の表面が、前記傾斜した面となる。すなわち、本発明の半導体素子は、前記傾斜した面を含むことにより、製造しやすいという利点を有する。ただし、本発明の半導体素子の製造方法は限定されず、どのような製造方法でも良い。
本発明の半導体素子は、
半導体発光素子であり、
前記機能性半導体結晶層が、活性層ストライプを含み、
前記機能性半導体結晶層側面のうち少なくとも一つが、前記活性層ストライプの断面を含む劈開面であり、かつ、前記劈開面が、少なくとも一部に光出射領域を含み、
前記傾斜した面が、前記光出射領域以外に形成されていることが好ましい。
本発明の半導体素子は、
半導体レーザであり、
前記活性層ストライプがレーザストライプであり、
前記結晶積層体側面のうち少なくとも一つが、前記劈開面を含む共振器面を含み、
前記傾斜した面が、前記半導体結晶積層体側面における前記共振器面以外の領域に含まれることがより好ましい。この場合において、前記基板がGaN基板であり、前記GaN基板の主面が、{0001}面であり、かつ、前記GaN基板側面における前記共振器面が、{1−100}面であることがさらに好ましい。
本発明の半導体素子は、前記傾斜した面が、前記基板の垂線に対して5〜45°傾斜していることが好ましい。
本発明の半導体素子は、例えば、前記本発明の半導体ウェハの製造方法により製造される半導体ウェハ、または前記本発明の半導体ウェハを、少なくとも前記溝の下端に沿った方向に分割することにより製造することができる。前記分割は、前記溝の下端に沿った方向の分割のみを含んでいても良いし、さらに、前記溝の下端に沿った方向以外の方向での分割を含んでいても良い。前記分割は、例えば前記結晶の劈開方向に沿った分割(すなわち劈開)であっても良いし、前記結晶の劈開方向と異なる方向に沿った分割でも良いし、それらの両方でも良い。また、前記分割は、例えば、前記基板を、前記基板の垂線にほぼ平行な方向に分割してもよいし、前記基板の垂線から傾斜した方向に分割してもよい。なお、本発明の半導体素子、本発明の半導体ウェハ、本発明の半導体素子の製造方法、または本発明の半導体ウェハの製造方法に用いる前記基板は、例えば前述のように、半導体基板でも良いが、半導体でない基板(例えば前記サファイア基板等)でも良い。
前記本発明の半導体ウェハは、どのような方法により製造しても良いが、前記本発明の製造方法により製造することが好ましい。前記本発明の半導体素子も、どのような製造方法により製造しても良いが、前記本発明の製造方法により製造することが好ましい。前記本発明の製造方法により製造される半導体ウェハまたは半導体素子は、例えば、効率よく製造可能であり、基板のケガキに由来するケガキ屑がない等の利点を有する。また、前記本発明の製造方法は、どのような半導体ウェハまたは半導体素子の製造に用いることもできるが、前記本発明の半導体素子または半導体ウェハの製造に用いることが好ましい。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は例示であって、本発明を限定しない。なお、以下で説明する図面は模式図であるから、各部の寸法比等は、明確化のために適宜誇張等を施しており、実際の寸法比とは異なる場合がある。また、細部の構造の図示、説明等は、簡略化および明確化のために適宜省略している場合がある。特に、断面図においては、断面部分以外の構造(断面の奥の部分の構造)は、簡略化および明確化のために図示を省略している。
[実施形態1]
本発明は、どのような種類の半導体素子、半導体素子ウェハ、またはそれらの製造方法に適用してもよく、特に制限されない。本発明は、半導体発光素子、半導体発光素子製造用の半導体ウェハ、またはそれらの製造方法に適用することが好ましく、前記半導体発光素子は半導体レーザが特に好ましい。以下では、主に、半導体レーザ、半導体レーザ製造用の半導体ウェハ、およびそれらの製造方法について述べる。
半導体レーザの特性は、例えば共振器の長さに依存する。例えば、高いエネルギー効率を得る観点からは、共振器が長すぎないことが好ましい。一方、高い最高出力値を得る観点からは、共振器が短すぎないことが好ましい。
さらに共振器の長さは、素子容量にも影響を与える。例えば、共振器が長くなると素子容量が増大する。素子の高速性能を低下させない観点からは、素子容量を増大させすぎないために、共振器が長すぎないことが好ましい。このように、所望の半導体レーザ特性を実現するには、共振器長を設計値通りに作製することが重要である。
さらに、端面保護を目的とした窓構造や非注入構造を端面に設けた半導体レーザ素子や、波長制御機能が付加された素子などにおいては、共振器長を精密に制御することがいっそう重要である。
本発明によれば、例えば、GaN系材料を母材料とした半導体レーザの作製において、正確な共振器長と、平坦性の高い共振器面を歩留まり良く形成できる製造方法を提供することもできる。さらに、他の材料、例えばInP系材料において、基板厚が厚く、従来の方法では壁開が困難な場合でも、正確な共振器長と、平坦性の高い共振器面を歩留まり良く形成できる製造方法を提供可能である。
本発明の半導体ウェハの製造方法において、前記基板上に形成する前記誘電体膜は、特に制限されない。前記誘電体膜は、前記機能性半導体結晶層の形成材料であるIII族化合物系材料、GaAs系材料、InP系材料等の成長温度においても安定であることが好ましい。また、前記誘電体膜は、その上面に、前記機能性半導体結晶層の形成材料であるGaN系材料、GaAs系材料、InP系材料が成長しない、または成長が極力抑制される性質を有することが好ましい。そのような誘電体膜であれば、前記機能性半導体結晶を、前記基板上における前記誘電体膜形成部位以外の部位に選択的に成長(以下、単に「選択成長」ということがある)させやすい。前記誘電体膜としては、例えば、SiO、Si、SiONのいずれかで構成される単層膜、または、上記誘電体膜の組み合わせによる積層膜を利用することが出来る。
本発明においては、例えば前述の通り、半導体ウェハを劈開して半導体レーザを製造する際に、その劈開面を半導体レーザの共振器面とすることにより、前記共振器面を形成してもよい。
本発明の半導体レーザ、または本発明の製造方法により製造される半導体レーザは、例えば、前記基板がGaN基板であることが好ましく、前記機能性半導体結晶層が活性層ストライプ(レーザストライプ)を含むことが好ましい。この場合において、例えば、前記GaN基板の主面が{0001}面であり、前記活性層ストライプの長手方向が<1−100>であることがより好ましい。前記GaN基板の主面の別の例としては、{11−22}面または{1−100}面も好ましい。さらに別の一例として、本発明の半導体レーザ、または本発明の製造方法により製造される半導体レーザは、例えば、前記基板がInP基板で主面が{001}面であり、前記活性層ストライプの長手方向が<0−11>であることが好ましい。
以下、本実施形態における半導体ウェハの製造方法、半導体レーザの製造方法、半導体ウェハおよび半導体レーザについて具体的に説明する。
本発明の半導体ウェハの製造方法によれば、例えば、ウェットエッチング技術を用いずに基板に溝構造を形成することができる。これにより、例えば、前述の構造を有する本発明の半導体ウェハを製造することができる。図2の断面図に、このような本発明の半導体ウェハの構造の一例を示す。この半導体ウェハは、基板の上に機能性半導体結晶層が形成されているが、同図では、両者の境界は特に示していない。図示の通り、この半導体ウェハ201は、その上部に溝202が形成されている。溝202は、その下部が、溝幅が底部に向かって小さくなるV字形状を有し、その上部が、前記基板の垂線に対してほぼ平行な表面を有する。すなわち、この溝202は、溝の底面にさらに溝を具備する2段溝構造を有する。溝202の下部は、前記基板内部まで達している。
同図の半導体ウェハでは、溝202を基板の劈開のガイド溝として用いる。この結果、正確な位置に半導体レーザの共振器面を形成することが可能となる。また、後述するように、溝202を、素子のチップ化をするための分割溝とすることも可能である。
溝202は、例えば、高精度な位置合わせが可能な露光器機器を用いて、位置を確定することが可能である。
例えば、溝202を劈開のガイドライン(ガイド溝)として用いることにより、正確な位置え劈開することが可能となる。これにより、例えば、半導体レーザの特性に影響を与える共振器の長さを正確に再現できる。溝202は、例えば、前記本発明の半導体ウェハの製造方法に従い、選択成長とドライエッチングを用いて形成できる。
以下、本実施形態の半導体ウェハの製造方法および半導体レーザの製造方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
まず、基板を準備する。次に、その上に、誘電体膜を形成する(誘電体膜形成工程)。図1の平面図に、その一例を示す。図示の通り、この基板上には、活性層ストライプ(レーザストライプ)形成領域102が複数、平行に存在する。誘電体膜101は、活性層ストライプ(レーザストライプ)形成領域102以外の部分に、活性層ストライプ(レーザストライプ)形成領域102に対しほぼ垂直に、かつ、複数の誘電体膜からなるパターン状に形成される。
次に、基板上の誘電体膜形成部位以外の部位に、半導体結晶を選択的に成長させて機能性半導体結晶層を形成する(機能性半導体結晶層形成工程)。図3の断面斜視図に、その一例を示す。図示の通り、基板301上に誘電体膜302を形成した後に、誘電体膜302形成部位以外の部位に機能性半導体結晶層303を成長させる(選択成長)。誘電体膜302は、例えば、前記のようにパターン状に形成すれば良い。機能性半導体結晶層303の形成材料は、例えば、化合物半導体で良い。化合物半導体の積層方法としては、例えば有機金属化合物化学気相成長(MOCVD法)を用いることができる。誘電体膜302の材料には、上記化合物半導体の成長温度にも耐え、化合物半導体303が該誘電体膜302上に成長しない性質を有するものが好ましい。具体的には、例えば、SiO、Si、SiONのいずれかで構成される単層誘電体膜、または、上記各層の組み合わせによる積層した誘電体膜を用いることができる。誘電体膜302を避けて化合物半導体が成長した結果、前記化合物半導体から形成された機能性半導体結晶層303には、誘電体膜302を底とした略V字型の溝が形成される。
選択成長で略V字構造が出来る理由は、例えば以下の通りである。化合物半導体結晶には、成長が進みやすい結晶方位面と極めて進みにくい結晶方位面が存在する。選択成長では、誘電体膜脇の領域に、極めて成長が進みにくい面304が出現する。この結果、図3に示すように略V字構造の形状が形成されるのである。ただし、このメカニズムは例示であり、本発明を限定しない。
基板の厚さが薄い場合等には、この略V字構造を劈開のガイド溝として用いることも可能である。好ましくは、誘電体膜302を取り除いてから劈開する。しかしながら、以下に述べるように、このような方法は、実際の半導体素子の製造方法に用いるには実用性が低い。
すなわち、前記基板が厚い場合、例えば100μm以上ある場合、または前記基板が硬い場合には、上記の選択成長だけで形成した溝では、劈開が困難である。例えば、素子の特性を実現するために必要な機能性半導体結晶層(半導体積層膜)の厚さが5μm以下であるとする。この場合、選択成長で形成した前記略V字構造の溝の深さも5μm以下となり、基板が厚い場合や硬い場合には、劈開のガイドラインとして効果を発揮するには浅すぎる。
したがって、本発明では、上記の溝を深くするため、前述の通り、さらに前記ドライエッチング工程により、前記基板をドライエッチングする。例えば、まず、図4の断面斜視図に示すとおり、機能性半導体結晶層303上に、ドライエッチングのためのマスク401を、基板301に形成する溝の幅に合わせて形成する。このとき、同図に示すように、選択成長に用いた誘電体膜302の除去もおこなうことが望ましい。
次に、ドライエッチングを行う。GaN系材料,サファイア系材料など、ウェットエッチングに対して化学的に安定な半導体結晶(ウェットエッチング耐性半導体結晶)から形成された基板(ウェットエッチング耐性基板)であっても、ドライエッチングによれば適切にエッチングできることがある。例えば、III族窒化物系材料においては、塩素系ガスを用いた誘導結合プラズマエッチング(Inductively coupled plasma:ICP)により、高速で低損傷なエッチングが可能である。
図5の断面斜視図に、前記ドライエッチング工程後の半導体ウェハの形状を示す。図示の通り、この半導体ウェハは、機能性半導体結晶層303上面から基板301内部まで達する溝が形成されている。前記溝の上部は、機能性半導体結晶層303上面から基板301上部まで達し、基板301の垂線に対してほぼ平行な表面を有する。前記溝の下部は、下方に向かって先細りになるV字形状を有する。これは、選択成長で形成した略V字型構造が転写されるためである。なお、前記上部と下部とは、基板301の主面とほぼ平行な面でつながっている。前記溝の幅は、ドライエッチングのマスクとして利用した401(例えばSiO)の幅で調整できる。前記溝の深さは、ドライエッチングの時間、パワーで所望の深さに調整できる。
前記溝は、例えば、半導体レーザの共振器面を形成するための劈開ガイド溝として利用できる。これにより、例えば、III族窒化物系材料を用いた青紫色レーザ、緑色レーザなどを、均一な特性かつ良好な歩留まりで製造できる。
また、基板が厚く、従来技術では劈開が困難であった半導体レーザにおいても、上記の本発明の半導体ウェハの製造方法および半導体素子の製造方法を適用できる。前述の通り、前記ドライエッチング工程によれば、溝を所望の深さに形成できるため、基板の厚さに応じて適宜、溝を深く出来るためである。
なお、前記溝は、レーザ端面の形成以外にも利用でき、例えばIII族窒化物系材料からなるLEDの素子分離溝として利用することも可能である。前記溝の下端に沿った方向の分割は、劈開面を形成する必要がなければ、劈開方向と異なる方向に沿った分割でも良い。
また、本実施形態および以下の実施形態では、特に、III族窒化物系およびInP系の半導体レーザについて具体的に説明している。しかしながら、本発明は、例えば、共振器面が必要となるいかなる端面出射型レーザに適用しても良いし、選択成長が可能であるいかなる材料系の半導体レーザにも適用できる。また、半導体レーザ以外の任意の半導体発光素子あるいは任意の半導体素子に適用できることも前述の通りである。
(実施形態2)
次に、本発明の別の実施形態について説明する。
本実施形態では、光密度次世代DVDの光源として利用される発信波長405nm帯の青紫色半導体レーザおよびその製造方法について述べる。
発信波長405nm帯の青紫色レーザの材料としては、例えば、InGaAlN系の混晶が適している。この混晶系は直接遷移形であるため、発光デバイスの材料として適している。この材料を成長するための基板としては、例えば、結晶欠陥の少ない導電性のGaN基板が適している。
図6は、本実施形態により製造した青紫色半導体レーザの一例を模式的に示す鳥瞰図(斜視図)である。図示の通り、この青紫色半導体レーザは、いわゆるリッジストライプ型の端面出射型半導体レーザである。前記機能性半導体結晶層の上部には、リッジ導波路型構造からなる活性層ストライプ(レーザストライプ)602が形成されている。活性層ストライプ602の上面には電極603が形成され、基板の下面には電極604が形成されている。共振面(共振構造)は、劈開により形成した半導体結晶面である。この半導体レーザの前方および後方の劈開面には反射率10%の低反射膜、反射率90%の高反射膜(図示せず)がそれぞれ形成されており、前方側の光出射端面605から光を取り出す構造となっている。
図7は、図6のI−I方向に見た断面図である。すなわち、前記劈開面において、活性層ストライプ602(リッジ形状)の脇の領域でかつ出射光と干渉しない領域の断面図である。
図示の通り、この領域は、劈開で形成した面701と、ドライエッチングで形成した面702を有しており、これら両面は平行である。面701および702は、基板主面の垂線に対して傾斜した面でつながっている。また、前記傾斜した面と面701、および、前記傾斜した面と面702は、それぞれ、基板主面にほぼ平行な面でつながっている。前記傾斜した面(図6の601)は、前述のような半導体ウェハの溝下部(V字形状)の側面であった面であり、図6および7に示す半導体レーザは、この傾斜した面601を壁開のガイドラインとして利用して製造したものである。
以下、図面を用いて、本実施形態の青紫色半導体レーザの製造方法について具体的に説明する。なお、以下の図中において、(0001)(1−100)(11−20)等の符号は、結晶の面方位(方向)を表す。
図8の平面図は、本実施形態の半導体レーザの製造方法に関して第1の工程(誘電体膜形成工程)を説明するための図である。図示の通り、主面が{0001}面であるGaN基板804上面に矩形(帯状)のSiO膜(誘電体膜)802を形成する。SiO膜802は、レーザを共振器面を作るための劈開予定線803上に形成する。活性層ストライプ形成予定領域801の長手方向は、GaN基板804の結晶の<1−100>方向である。活性ストライプ形成予定領域801は、間隔300μmで周期的にならんでいる。SiOマスクは、活性ストライプ形成予定領域801を避けて、上記活性ストライプ形成予定領域とは垂直に周期的に形成する。上記SiOマスク802の寸法は200μm×2μm、厚さは0.3μmである。
図9の断面図は、本実施形態の半導体レーザの製造方法に関して第2の工程(機能性半導体結晶層形成工程)を説明するための図である。同図は、図8の基板のII−II方向に見た断面図であり、機能性半導体結晶層(III族窒化物半導体層)の成長後の断面図である。
前記第2の工程(機能性半導体結晶層形成工程)は、以下のように行う。すなわち、まず、SiO膜(誘電体膜)908(図8の802と同じ)がパターン状に形成されたGaN基板804の上面に、MOCVD法により機能性半導体結晶層(III族窒化物半導体層)810を成長させる。機能性半導体結晶層(III族窒化物半導体層)810は、基板側から、成長バッファ層としてn−GaN層901、クラッド層となるn−GaAlN層902、光ガイド層としてn−GaN903、活性層としてInGaN量子井戸904、光ガイド層としてp−GaN905、クラッド層となるp−GaN/GaAlN超格子層906、コンタクト層となるp−GaN層907を、前記順番で成長させて形成できる。このとき、図9に示すように、機能性半導体結晶層(III族窒化物半導体層)810は、SiOマスク(SiO膜)908上部には成長されず、選択的に成長する。さらにSiO膜908脇には結晶面{1−101}が現れる。この結果、SiO膜908を底面とした略V字型の構造が形成される。連続して、BHF(バッファド佛酸)によりSiO膜908を除去する。
図10、図11は本発明による半導体レーザの製造方法に関して第3の工程を説明するための図である。この第3の工程では、機能性半導体結晶層(III族窒化物半導体層)810に、活性層ストライプを形成する。図10は、図8のIII−III方向に見た断面図である。図示の通り、機能性半導体結晶層(III族窒化物半導体層)810のうち、クラッド層(p−GaN/GaAlN超格子層)906上部、およびコンタクト層(p−GaN層)907全体を、光閉じ込め領域となるストライプ形状(活性層ストライプ)部分のみを残してドライエッチングにより除去する。前記ストライプ形状(活性層ストライプ)の長手方向は、GaN基板804の結晶の<1−100>方向と同じである。前記ストライプ形状(活性層ストライプ)の幅は2μmである。
図11は、前記第3の工程におけるドライエッチング後、図8のII−II方向に見た断面図である。図示の通り、エッチングよりp−GaN層907およびp−GaN/GaAlN超格子層906の一部が除去され、選択成長で現れた略V字形状はほぼそのままの形状で下方に転写され、GaN基板804の内部まで達している。
次に、第4の工程(前記「エッチング工程」)を行う。図12の断面図は、前記第4の工程すなわちエッチング工程を説明するための図である。この工程では、半導体ウェハの劈開のためのガイドラインとなる溝を形成する。すなわち、選択成長で形成した略V字型を有する溝をより深くする。具体的には、まず、選択成長で形成した略V字構造の溝を含む領域をドライエッチングするためのマスクとなるSiOマスク1201を、ドライエッチングで新たに形成しようとする溝の幅に合わせて形成する。次に、図12に示すように、塩素系ガスを用いたドライエッチングを行い、溝を深くする。具体的には、図12の溝の幅Wは20μm、溝の深Dさは10μm程度にする。
このようにして、本実施形態による半導体ウェハを製造できる。なお、さらに、機能性半導体結晶層(III族窒化物半導体層)810上に電極形成のための保護膜としてSiO膜を形成し、その後、レーザに電流を注入するための電極をリッジ上部および基板下部に形成することが好ましい。
以下、図13Aおよび図13Bをまとめて図13という。図13()は、上記プロセスにより製造された半導体ウェハを上から見た図(平面図)である。図示の通り、活性層ストライプ1302はGaN基板の<1−100>方向に伸びており、劈開のためのガイドラインとなる溝1301がGaN基板の<11−20>方向に形成されている。この溝1301は、活性層ストライプ1302の形成領域以外の箇所の一部に形成されており、かつ、活性層ストライプ1302に対しほぼ垂直である。また、溝1301の底は略V字構造を有している。この略V字構造は、図12で示した形状を有する。なお、図13()は、図13()の半導体ウェハのIV−IV方向に見た断面図であり、GaN基板804の下面に電極1304が形成されている以外は図12と同様である。また、図13()は、図13()の半導体ウェハのV−V方向に見た断面図である。図示の通り、GaN基板804には溝1301が規則的に形成され、各溝1301の間の領域には、前記層901〜907により形成された機能性半導体結晶層(図12のIII族窒化物半導体層810)が形成されている。前記機能性半導体結晶層の上部には、層907および層906の一部により、図10と同様の活性層ストライプが形成されている。GaN基板804の下面には電極1304が形成され、活性層ストライプの上面には電極1305が形成されている。
次に、上記の溝1301を利用して、溝1301の下端に沿った方向に前記半導体ウェハを劈開し、さらに、そのようにして得られたレーザーバーから各素子を切り出す(分割工程)。溝1301は、劈開のガイドラインとして十分な深さと、底面には略V字構造を有している。このため、歩留まり良く、所望の位置で劈開できる。この結果、共振器長の揃ったレーザが製造でき、素子特性の均一性を向上できる。
上記劈開方法について、図面14を用いて説明する。すなわち、前記工程4(エッチング工程)で形成されたガイド溝(図13()の溝1301)の最下部にほぼ相当する部分の基板裏面に刃1401を押し当てる。これによって、前記ガイド溝に沿ってGaN基板804が劈開され、活性層ストライプ形成領域ではレーザミラー端面(発光面)が形成され、レーザーバーが得られる。本実施形態においては、劈開線と平行にV字型断面形状を有するガイド溝が形成されているので、小さい力で、かつ正確な位置で劈開を行うことができる。本実施形態の製造方法によれば、劈開に余計な力がかからない為、平坦性の高いレーザミラー端面が得られる。更に、レーザーバーから各素子を切り出す(分割する)ことによって、半導体レーザを得る。このようにして、本実施形態による半導体素子の製造方法を実施できる。
図6は、上記製造法で製造した半導体レーザの鳥瞰図であり、その構造は前述の通りである。同図では、半導体レーザの特徴をわかりやすくするため、劈開ガイド溝、活性層ストレイプ幅等の寸法はデフォルメしており、電極構造の図示も省略している。図示の通り、半導体レーザ端面の上部には、劈開溝側面として利用した形状601が存在する。この601の領域は、光の出射領域605、および光の反射領域と干渉せず、電気的特性に影響を与えない場所である。
なお、本発明の半導体ウェハの製造方法または本発明の半導体ウェハにおいて、前記機能性半導体結晶層上面から前記基板内部まで達する前記溝の形状は、特に制限されない。例えば、前記溝は、帯状、矩形状等の形状であっても良く、縦横の寸法比は特に制限されない。前記溝に沿って劈開または分割させやすいという観点からは、前述のように、前記溝の下端の幅がなるべく小さいことが好ましい。また、前記溝は、連続的でも良いし、断続的であっても良い。例えば、前記帯状、矩形状等の形状の溝は、図13()の溝1301のように、一つの連続的な溝であっても良い。また、例えば、前記溝は、複数の穴が、ドット状、あるいは破線状等の形状で断続的に形成された複数の穴の集合体であっても良く、例えば前記集合体が帯状、矩形状等の形状を形成していてもよい。また、本発明の半導体ウェハの製造方法において、前記誘電体膜の形状は帯状であるが、それ以外は特に限定されない。例えば、前記帯状形状は、四角形でなくても、例えば、細長い楕円形状またはそれに近い形状等でもよい。前記誘電体膜の帯状形状における縦横の寸法比は特に制限されないが、前記溝の下端の幅をなるべく小さくする観点から、前記帯状形状の幅がなるべく小さいことが好ましい。ただし、前記選択成長中に前記誘電体膜上に前記半導体結晶が若干成長する場合があり、このような場合に、両側の成長層(機能性半導体結晶層)の前記誘電体膜上での会合が進みすぎると好ましくない。この観点からは、前記第1の溝の幅を狭くしすぎないことが好ましい。また、前記誘電体膜は、単独で帯状形状を有していても良いし、ドット状、破線状等の形状で断続的に形成された複数の誘電体膜の集合体が帯状の形状を形成していてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、ウェットエッチングを用いずに略V字型を具備した溝を作成できる。このため、例えばIII族窒化物半導体のようなウェットエッチング耐性のある半導体材料を用いたレーザを作製するにあたり、劈開ガイドラインの作製方法として優れた効果を発揮する。
なお、上記においては、活性層ストライプの形成は、基板をドライエッチングする前記第4の工程(前記「ドライエッチング工程」)に先立ち行ったが、本発明においては、この順番は前後させてもよい。
また、上記製造方法で、前記第2の工程で選択成長に利用したSiOマスクを、ドライエッチングに先立ち除去したが、この除去は必ずしも行わなくても良い。例えば、前記第3の工程および第4の工程で行うドライエッチングにより、GaN基板とSiOマスクが同時にエッチングされる場合は、前記SiOマスクをあらかじめ除去しなくても、選択成長で形成された略V字形状が前記ドライエッチングにより基板に転写される。
さらに、前記機能性半導体結晶層形成工程および前記ドライエッチング工程によって形成される溝側面は、前述の説明においては{1−101}面であると述べた。しかし、この{1−101}面は、形成されやすい面を例示したに過ぎず、例えば、前記誘電体膜の形状および前記選択成長の条件を適宜選択することで、傾斜角度の違った面を形成することも可能である。以下の各実施形態において同様である。
(実施形態3)
次に、本発明のさらに別の実施形態について説明する。本実施形態の半導体レーザは、発振波長が500nm以上の緑色半導体レーザである。緑色半導体レーザは、モバイルプロジェクターのフルカラー、低消費電力を実現するために鍵となるデバイスである。
本実施形態における緑色レーザの製造方法は、基板の主面を非極性面とする以外は前記実施形態2と同様である。前記非極性面として、具体的には、例えば{11−22}面または{1−100}面が挙げられる。これらの非極性面(低指数面)を用いることにより、InGaN系の半導体レーザの長波長化の妨げになっていたピエゾ電界の影響を低減することができる。これにより、緑色レーザを実現しやすくなる。
以下に説明するように、基板主面として前記のような非極性面(低指数面)を用いた半導体レーザの製造においても、本発明は有用である。
図15の平面図に、本実施形態の半導体ウェハの製造方法における工程1(誘電体膜形成工程)を示す。図示の通り、基板が、主面が{11−22}面であるGaN基板1504である以外は、前記実施形態2の図8と同様である。活性層ストライプ形成予定領域1501の長手方向は、基板1504の<1−100>方向であり、劈開予定線方向1503の方向は基板の<−1−123>方向である。活性層ストライプ形成予定領域1501、誘電体膜1502、劈開予定線1503の位置関係は、図8の活性層ストライプ形成予定領域801、誘電体膜802、劈開予定線803と同じである。
図16は、工程2(機能性半導体結晶層形成工程)による選択成長後の、図15のVI−VI方向に見た断面図である。各部の符号および位置関係については、図9と同様である。図16では、マスク(誘電体膜)908の脇には{1−100}面が溝表面として出現する。前記溝表面は、基板804の垂線にほぼ平行に切り立っており、前記溝は、実施形態2(図9)とは異なりV字形状ではない。この後、実施形態と同様に、工程3および工程4(ドライエッチング工程)を行い、図17の断面図に示す溝を形成して本実施形態の半導体ウェハを製造できる。図示の通り、前記ドライエッチング後の溝は、機能性半導体結晶層810上面からGaN基板804内部まで達している。前記ドライエッチング後の溝の上部および下部は、それぞれ、基板804の垂線にほぼ平行な表面を有し、前記溝上部の方が前記溝下部よりも広い幅を有する。前記溝上部および前記溝下部は、基板804の主面にほぼ平行な面でつながっている。前記溝下部は、前記ドライエッチング前の溝の形状が転写された形状をしている。この溝を、壁開のガイドラインとして利用する。前記ドライエッチング後の溝(図17)の形状は、実施形態2と異なり略V字構造ではないが、前記溝はGaN基板804内部まで達している。このため、本実施形態の半導体ウェハは、実施形態2と同様、歩留まり良く、所望の位置で劈開できる。この結果、共振器長の揃ったレーザが製造でき、素子特性の均一性を向上できる。
なお、前記主面{11−22}上における半導体結晶の成長条件を適宜選択することにより、図3に示したような略V字形状の溝を得ることも可能である。
また、前記GaN基板主面は、他の面を用いてもよい。図18は主面が{1−100}面のGaN基板1504を用いた場合の、工程1(誘電体膜形成工程)後の平面図である。活性層ストライプ1501の長手方向は<0001>方向、劈開予定線1503の方向は<11−20>方向である。それ以外は図15と同様である。
図19は、工程2(機能性半導体結晶層形成工程)における選択成長後の、図18のVII−VII方向に見た断面図である。機能性半導体結晶層(III族窒化物半導体層)810には、実施形態2と同様に略V字形状の溝が現れ、マスク(誘電体膜)脇に現れる前記溝表面は、{1−100}面である。
その後、実施形態2と同様の工程3〜4を行って半導体ウェハを製造し、さらに実施形態2と同様に劈開して半導体レーザを製造する。この結果、歩留まり良く半導体レーザを製造することが出来る。
(実施形態4)
次に、本発明のさらに別の実施形態について説明する。本実施形態では、通信用半導体レーザおよびその製造方法について述べる。通信用半導体レーザは、例えば、発信波長が1.3μmまたは1.55μmを中心とした波長帯が利用される。これは、光の伝送路である光ファイバが、上記波長において、低損失、低波長分散である特性を有するためである。
具体例として、主面が{001}であるInP基板の場合について説明する。
図20は、主面が{001}のInP基板2001を用いた本実施形態の半導体ウェハ製造方法における工程1(誘電体膜形成工程)を説明する図である。活性層ストライプ形成予定領域1501の長手方向は<01−1>、壁開方向は<0−11>である。これら以外は図15と同様である。図21は、工程2(機能性半導体層形成工程)における選択成長後の、図20のVIII−VIII方向に見た断面図である。基板2001上面に形成された機能性半導体結晶層2100には、実施形態2と同様に略V字型の形状の溝が現れる。なお、機能性半導体結晶層2100は、基板側から、n−InP層2101、n−InGaAsP層2102、InGaAsP/InP層2103、p−InGaAsP層2104、p−InGaAs層2105が、前記順番で積層されて形成されている。これら以外は実施形態2と同様である。
その後、実施形態2と同様の作製方法により半導体ウェハを製造し、さらに半導体レーザを製造する。この結果、歩留まり良く半導体レーザを作製することが出来る。
なお、本実施形態では、半導体レーザの共振器の作成として本発明を応用した。しかしながら、本発明の製造方法を応用すれば、半導体素子の分離、例えばLED素子の分離のためのガイドラインとしての溝の作成も可能である。
また、上記各実施形態では、III族窒化物半導体または閃亜鉛型構造を有するIII−V族化合物系材料を基板上面に成長させるための基板として、GaN基板またはInP基板を利用した。しかし、本発明で用いる基板はこれに限定されず、例えば、Si、SiC、SiGeまたはGaAs基板を利用することも可能である。また、例えば、基板とその上に成長する半導体(機能性半導体結晶層)の格子定数が異なる場合は、前記基板上面にひずみ緩和層を成長後、さらにその上面に活性領域(機能性半導体結晶層)の成長を行ってもよい。これにより、格子定数の違いによる結晶品質の低減を抑制できる。
(実施形態5)
次に、本発明のさらに別の実施形態について述べる。上記各実施形態においては、半導体ウェハの、活性層ストライプに垂直な方向に、溝(劈開用のガイド溝)を形成した例について説明した。しかし、本発明は、これに限定されず、例えば、活性層ストライプに平行な方向に、劈開(または分割)用のガイド溝を設けてもよい。図22の平面図および図23の断面図に、その一例を示す。なお、図23は、図22のIX−IX方向に見た断面図である。図示の通り、ガイド溝2201は矩形状であり、各活性層ストライプ2202の間隙に、活性層ストライプ2202とほぼ平行に形成されている。図中の枠線2203の内側が半導体レーザ形成領域であり、この半導体ウェハを枠線2203に沿って縦横に分割することで、半導体レーザが得られることを示す。枠線2203は、図示のように矩形をしており、横方向の辺はガイド溝2201の長手方向の中心線に沿っており、縦方向の辺は、隣り合ったガイド溝212のほぼ中間点を通る。なお、図23において、2204はGaN基板、2210はレーザ機能層(機能性半導体結晶層)、2202はレーザストライプ、2214および2215は電極である。各構成要素の位置関係は、ガイド溝2201の方向を除き、実施形態1(図12〜14)と同じである。
次に、図24、図25を参照して本実施形態の製造方法を説明する。図24は平面図、図25は、図23と同方向の断面図に相当する。製造方法の詳細は実施形態1とほぼ同じである。
まず、図24に示すように、n型GaN基板上に通常のフォトリソグラフィー工程を用いて、レーザストライプ形成予定領域2401と平行な素子分割線2404上に、誘電体膜(マスク)2402のパターンを形成する。前記パターンの配置は、例えば図24のように、各活性層ストライプ2401の間隙に、活性層ストライプ2401とほぼ平行な矩形状の凹部(第1の溝)形成用の誘電体膜2402を、一定間隔で縦列に配置する。レーザ共振器面を劈開により形成する場合には、劈開の直進性や劈開面の平坦性を維持する観点から、劈開線上に段差がないことが望ましい。したがって、劈開予定線2403を避けて誘電体膜2402のパターンを形成する方が望ましい。各誘電体膜2402のパターンは、例えば幅4μm、長さは劈開予定線から50μm程度離れるようにする。例えば共振器長が650μmの場合には、マスク2402の長さは550μmとなる。
以降、前記各実施形態と同様の工程を行って、本発明の半導体ウェハの製造方法により半導体ウェハを製造できる。
さらに、一般的な方法を用いて共振器面を劈開により作成し、レーザーバーを形成する。そして、図25に示すように、レーザーバーの、基板に形成されたガイド溝最下部にほぼ相当する位置の基板2204裏面に、ブレード(刃)1401を押し当てる。これにより、ガイド溝2201に沿ってGaN基板2204が劈開され、レーザーバーがチップ状態に分割されて半導体レーザ素子となる。
半導体ウェハを活性層ストライプ(レーザストライプ)に平行な方向に分割(素子分割)する場合、分割予定面は、基板結晶の劈開面(割れやすい面)とは異なる場合がある。具体的には、例えば、本実施形態のように、基板結晶の劈開面が、レーザストライプに垂直(すなわち共振器面に沿った方向)な場合である。このような場合、本実施形態のように、素子分割予定面に沿ってV字形状のガイド溝を形成すれば、分割面が劈開面と異なっていても、刃を押し当てる際により小さい力で割りやすく、分割面も乱れにくい。また、本発明によれば、基板をドライエッチングすることにより、スクライブ(ケガキ)よりも深い溝を形成しやすいのでさらに効果的である。かつ、本発明によれば、スクライブを必要としないことにより、ケガキ屑の発生等の問題もない。
以上の説明では、素子分割線(レーザストライプと平行な方向)にのみガイド溝を形成した例について説明したが、さらに、実施形態1のようなレーザストライプに垂直な方向のガイド溝を併用してもよい。具体的には、例えば、図26のように、レーザストライプ2602に垂直な方向の分割予定線2603に沿ったガイド溝2601と、レーザストライプ2602に平行な方向の分割予定線2604に沿ったガイド溝2611とを両方設ける。この場合の、本発明の半導体ウェハの製造方法及び半導体素子の製造方法は、例えば、前記誘電体膜形成工程において、前記誘電体膜の形成パターンを図26の通りとする以外は、前記各実施形態と同様にすればよい。また、図27および図28に示すように、基板主面の方向を変える以外は図26と同様にしても良い。前記基板主面は、図26では(0001)面であるのに対し、図27では(1−100)面であり、図28では(11−22)面である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に具体的に示した構成、方法に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、前記機能性半導体結晶層形成工程において、基板主面および誘電体膜の方向の選択によっては、形成される溝の形状が、非対称なV字形状等になる場合もある。また、例えば、前記機能性半導体結晶層形成工程において、結晶成長(選択成長)条件によっては、特定の低指数面でなく複数の低指数面が混在した斜め面を作製することもできる。具体的には、例えば、前記基板の主面が(11−22)面である場合に、単独にはストライプ方向と平行ではない{1−100}面と{0001}面が、混在してなる{1−10n}(nは整数)のように表される斜め面を作製することもできる。この場合は、斜め面は低指数面ではなく微視的には平坦性が完全ではないが、ドライエッチング工程を併用してガイド溝として使用するには問題がなく、前記各実施形態と同様のV字型ガイド溝を形成できる。
また、例えば、基板主面としては、上記の例に限定されず、極性面でも非極性面でもよく、非極性面の場合は無極性面でも半極性面でもよい。上記実施形態1〜4では、無極性面または半極性面である基板主面のいくつかの具体例について説明したが、他の無極性面や半極性面でも良く、例えば、(20−21)面が挙げられる。
また、機能性半導体結晶層の構成等も、前述の説明に限定されず、適宜変更が可能である。さらに、以上の実施形態においては、主に、n型GaN基板上の半導体レーザ装置について説明したが、サファイア基板、シリコン基板等GaN基板以外の基板上の半導体レーザ素子でも良い。
さらに、以上の実施形態では、主に、いわゆるリッジストライプ型の半導体レーザについて説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、いわゆるインナーストライプ型の半導体レーザおよびその製造方法にも適用できるし、その他の任意の半導体レーザおよびその製造方法に適用しても良い。さらに、本発明は、半導体レーザおよびその製造方法に限定されず、他の面発光レーザ素子、発光ダイオード等の半導体発光素子およびその製造方法に適用してもよい。また、本発明は、レーザ以外の導波路デバイスおよびその製造方法に適用してもよい。さらに、本発明は、半導体発光素子に限定されず、例えば受光素子や半導体変調器等、どのような半導体素子およびその製造方法に適用してもよい。例えば、半導体ウェハを劈開(分割)させて半導体素子を製造する場合に、本発明を適用すれば、劈開(分割)により得られる素子の精密なサイズ制御、半導体結晶へのクラックやダメージの防止等が可能となる。
以上説明したとおり、本発明によれば、半導体ウェハにおいて、正確な劈開のためのガイド溝をケガキ屑の発生なしに効率よく形成できる半導体ウェハの製造方法を提供することができる。本発明によれば、例えば、耐腐食性(対ウェットエッチング性)の高い窒化物材料を用いた半導体レーザの作製においても、V字型のガイド溝を形成することができる。このため、例えば、平坦性の高い共振器面及び正確な共振器長を有する素子を歩留まり良く形成する製造方法を提供することができる。
本発明による製造方法を用いて作製された窒化物半導体レーザ素子は、特に、高密度記録に有利な光ディスク光源や、次世代のレーザディスプレイなどの映像機器用光源等に有用である。
さらに、本発明の半導体素子は、上記に限定されず、あらゆる用途に使用可能である。例えば、窒化ガリウム(GaN)をベースとするIII−V窒化物系半導体発光素子、特に青紫色で発光する半導体レーザは次世代の高密度光ディスク光源として実用化されており、今後更に市場も拡大していくものと期待されている。一方、この材料系では、インジウムガリウム窒素(InGaN)活性層のインジウム組成を制御することにより、青色〜赤色にかけての可視波長領域での発光も可能であることから、高輝度発光ダイオード等も開発されている。近年では高性能ディスプレイ等への応用に向けて可視光で発振する半導体レーザへの要求も高まっている。また、殺菌灯や医療分野応用を目的とした、更に波長の短い紫外光レーザなども窒化物材料を用いて実現できる可能性がある。また、光通信用機器に欠かせない素子である、III−V族化合物InPをベースとした発振波長1.3〜1.55μmの半導体レーザにも本発明は有用である。
101 劈開導入溝
102 ストライプ状光導波路(活性層ストライプ)
201 基板または半導体エピ層
202 溝
301 基板
302 誘電体膜
303 選択成長により形成した半導体層
304 特定の結晶面(低指数面)
401 ドライエッチング用SiOマスク(誘電体膜)
601 劈開のための溝
602 活性層ストライプ
603 P電極
604 N電極
605 出射光領域
701 劈開で形成した面
702 ドライエッチングで形成した面
801 活性層ストライプ形成予定領域
802 SiOマスク(誘電体膜)
803 劈開予定線
804 GaN基板
901 n−GaN
902 n−GaAlN
903 n−GaN
904 InGaN
905 p−GaN
906 p−GaN/GaAlN超格子
907 p−GaN
908 SiOマスク(誘電体膜)
1201 SiOマスク(誘電体膜)
1301 壁開のためのガイド溝
1302 活性層ストライプ
1303 分割後に半導体レーザとなる領域
1401 ブレード(刃)
1501 活性層ストライプ形成予定領域
1502 SiOマスク(誘電体膜)
1503 劈開予定線
1504 GaN基板
2001 InP基板
2101 n−InP
2102 n−InGaAsP
2103 InGaAsP/InP
2104 p−InGaAsP
2105 p−InGaAs
2201 壁開のためのガイド溝
2202 活性層ストライプ
2204 基板
2214 電極
2215 電極
2210 機能性半導体結晶層
2401 活性層ストライプ形成予定領域
2402 誘電体膜
2403 劈開予定線
2404 素子分割線
2601、2611 誘電体膜
2602 活性層ストライプ形成予定領域
2603 劈開予定線
2604 素子分割線
2701、2711 誘電体膜
2702 活性層ストライプ形成予定領域
2703 劈開予定線
2704 素子分割線
2801,2811 誘電体膜
2802 活性層ストライプ形成予定領域
2803 劈開予定線
2804 素子分割線
2901 劈開導入溝
2902 ストライプ状光導波路(活性層ストライプ)

Claims (23)

  1. 結晶から形成された基板上の一部に帯状の誘電体膜を形成する誘電体膜形成工程と、
    前記誘電体膜形成工程後、前記基板上における前記誘電体膜形成部位以外の部位に半導体結晶を成長させて機能性半導体結晶層を形成する機能性半導体結晶層形成工程と、
    前記機能性半導体結晶層形成工程後、前記誘電体膜形成部位周辺の前記機能性半導体結晶層および前記基板をドライエッチングするドライエッチング工程を含み、
    前記ドライエッチング工程により、前記ドライエッチングした部位に、前記機能性半導体結晶層上面から前記基板内部まで達する溝が形成され、
    前記基板が、GaN基板であり、前記GaN基板の主面が、{0001}面、{0001}面から45度以上傾いた面、{11−22}面、または{1−100}面であることを特徴とする半導体ウェハの製造方法。
  2. 前記誘電体膜形成工程において、前記誘電体膜を、複数の帯状の誘電体膜からなる規則的なパターン状に形成することを特徴とする請求項1記載の半導体ウェハの製造方法。
  3. 前記誘電体膜が、単層膜または積層膜であり、SiO層、SiN層およびSiON層からなる群から選択される少なくとも一つの層から形成されることを特徴とする請求項1または2記載の半導体ウェハの製造方法。
  4. 前記機能性半導体結晶層を、窒化物半導体結晶により形成することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体ウェハの製造方法。
  5. さらに、前記機能性半導体結晶層の一部に活性層ストライプを形成する活性層ストライプ形成工程を含み、
    前記誘電体膜形成工程において、前記活性層ストライプ形成予定部位以外の箇所に前記誘電体膜を形成し、
    製造される半導体ウェハが半導体発光素子製造用の半導体ウェハであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体ウェハの製造方法。
  6. 結晶から形成された基板上の一部に帯状の誘電体膜を形成する誘電体膜形成工程と、
    前記誘電体膜形成工程後、前記基板上における前記誘電体膜形成部位以外の部位に半導体結晶を成長させて機能性半導体結晶層を形成する機能性半導体結晶層形成工程と、
    前記機能性半導体結晶層形成工程後、前記誘電体膜形成部位周辺の前記機能性半導体結晶層および前記基板をドライエッチングするドライエッチング工程と、
    前記機能性半導体結晶層の一部に活性層ストライプを形成する活性層ストライプ形成工程と、を含み、
    前記ドライエッチング工程により、前記ドライエッチングした部位に、前記機能性半導体結晶層上面から前記基板内部まで達する溝が形成され、
    前記誘電体膜形成工程において、前記活性層ストライプ形成予定部位以外の箇所に前記誘電体膜を形成し、
    製造される半導体ウェハが半導体発光素子製造用の半導体ウェハであり、
    前記基板がInP基板であり、前記機能性半導体結晶層の成長面が{001}面であり、かつ、前記活性層ストライプ方向が<0−11>であることを特徴とする半導体ウェハの製造方法。
  7. 前記活性層ストライプがレーザストライプであり、製造される半導体ウェハが半導体レーザ製造用の半導体ウェハであることを特徴とする請求項5または6記載の半導体ウェハの製造方法。
  8. 請求項1からのいずれか一項に記載の製造方法により前記半導体ウェハを製造する半導体ウェハ製造工程と、
    前記半導体ウェハを少なくとも前記溝の下端に沿った方向に分割する分割工程とを含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  9. 半導体素子の製造方法であって、
    前記半導体素子が半導体レーザであり、
    半導体ウェハを製造する半導体ウェハ製造工程と、
    前記半導体ウェハを少なくとも溝の下端に沿った方向に分割する分割工程とを含み、
    前記半導体ウェハ製造工程は、
    結晶から形成された基板上の一部に帯状の誘電体膜を形成する誘電体膜形成工程と、
    前記誘電体膜形成工程後、前記基板上における前記誘電体膜形成部位以外の部位に半導体結晶を成長させて機能性半導体結晶層を形成する機能性半導体結晶層形成工程と、
    前記機能性半導体結晶層形成工程後、前記誘電体膜形成部位周辺の前記機能性半導体結晶層および前記基板をドライエッチングするドライエッチング工程と、を含み、
    前記ドライエッチング工程により、前記ドライエッチングした部位に、前記機能性半導体結晶層上面から前記基板内部まで達する前記溝が形成され、
    前記分割工程は、
    前記ウェハを前記溝の下端に沿った方向に劈開させて共振器面を形成する共振器面形成工程を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  10. 半導体素子の製造方法であって、
    前記半導体素子が半導体レーザであり、
    半導体ウェハを製造する半導体ウェハ製造工程と、
    前記半導体ウェハを少なくとも溝の下端に沿った方向に分割する分割工程とを含み、
    前記半導体ウェハ製造工程は、
    結晶から形成された基板上の一部に帯状の誘電体膜を形成する誘電体膜形成工程と、
    前記誘電体膜形成工程後、前記基板上における前記誘電体膜形成部位以外の部位に半導体結晶を成長させて機能性半導体結晶層を形成する機能性半導体結晶層形成工程と、
    前記機能性半導体結晶層形成工程後、前記誘電体膜形成部位周辺の前記機能性半導体結晶層および前記基板をドライエッチングするドライエッチング工程と、を含み、
    前記ドライエッチング工程により、前記ドライエッチングした部位に、前記機能性半導体結晶層上面から前記基板内部まで達する前記溝が形成され、
    前記分割工程は、前記ウェハを劈開させてレーザーバーを得るレーザーバー製造工程と、前記レーザーバーを前記溝の下端に沿った方向に分割して半導体レーザを得るレーザーバー分割工程を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  11. 請求項1からのいずれか一項に記載の製造方法により製造されることを特徴とする半導体ウェハ。
  12. 請求項から1のいずれか一項記載の製造方法により製造されることを特徴とする半導体素子。
  13. 結晶積層体を含み、
    前記結晶積層体は、窒化物半導体結晶、SiC結晶、またはサファイア結晶から形成された基板と、その上に形成された機能性半導体結晶層とを含み、
    前記機能性半導体結晶層が、活性層ストライプを含み、
    前記機能性半導体結晶層上面から前記基板内部まで達する溝が前記活性層ストライプ以外の箇所の一部に形成され、前記溝は、少なくともその下部が、溝幅が底部に向かって小さくなる形状を有し、かつ、前記基板の劈開面に対しほぼ平行であることを特徴とする半導体ウェハ。
  14. 前記基板において、前記基板を形成する結晶が、GaN結晶であることを特徴とする請求項1記載の半導体ウェハ。
  15. 前記溝における前記溝幅が底部に向かって小さくなる部分の表面が、前記基板主面の垂線に対して5〜45°傾斜していることを特徴とする請求項1または1記載の半導体ウェハ。
  16. 半導体発光素子であり、
    結晶積層体を含み、前記結晶積層体は、窒化物半導体結晶、SiC結晶、またはサファイア結晶から形成された基板と、その上に形成された機能性半導体結晶層とを含み、
    前記結晶積層体の少なくとも一つの側面において、前記基板上部が、前記基板主面の垂線に対して傾斜した面を含み、前記基板下部と前記機能性半導体結晶層とが、それぞれ、前記基板主面の垂線にほぼ平行な面を含み、それらの面が、前記傾斜した面によりつながっており、
    前記機能性半導体結晶層が、活性層ストライプを含み、
    前記機能性半導体結晶層側面のうち少なくとも一つが、前記活性層ストライプの断面を含む劈開面であり、かつ、前記劈開面が、少なくとも一部に光出射領域を含み、
    前記傾斜した面が、前記光出射領域以外に形成されていることを特徴とする半導体素子。
  17. 半導体レーザであり、
    前記活性層ストライプがレーザストライプであり、
    前記結晶積層体側面のうち少なくとも一つが、前記劈開面を含む共振器面を含み、
    前記傾斜した面が、前記半導体結晶積層体側面における前記共振器面以外の領域に含まれることを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  18. 前記基板がGaN基板であり、
    前記GaN基板の主面が、{0001}面であり、かつ、前記GaN基板側面における前記共振器面が、{1−100}面であることを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  19. 前記傾斜した面が、前記基板の垂線に対して5〜45°傾斜していることを特徴とする請求項1または1に記載の半導体素子。
  20. 請求項1および1から1のいずれか一項に記載の半導体ウェハを、少なくとも前記溝の下端に沿った方向に分割することにより製造されることを特徴とする請求項1から19のいずれか一項に記載の半導体素子。
  21. 光源を含み、前記光源が、半導体発光素子である請求項1および1から2のいずれか一項に記載の半導体素子を含むことを特徴とする画像表示装置。
  22. 光源を含み、前記光源が、半導体発光素子である請求項1および1から2のいずれか一項に記載の半導体素子を含むことを特徴とする情報記録再生装置。
  23. 光源を含み、前記光源が、半導体発光素子である請求項1および1から2のいずれか一項に記載の半導体素子を含むことを特徴とする光通信装置。
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