JP2002084044A - 半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子およびその製造方法

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JP2002084044A
JP2002084044A JP2001189260A JP2001189260A JP2002084044A JP 2002084044 A JP2002084044 A JP 2002084044A JP 2001189260 A JP2001189260 A JP 2001189260A JP 2001189260 A JP2001189260 A JP 2001189260A JP 2002084044 A JP2002084044 A JP 2002084044A
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layer
semiconductor
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alkgalinmn
semiconductor laser
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Akihiko Ishibashi
明彦 石橋
Isao Kidoguchi
勲 木戸口
Hideto Adachi
秀人 足立
Masahiro Kume
雅博 粂
Yuzaburo Ban
雄三郎 伴
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 選択成長により共振器を形成するGaN系半
導体レーザを提供する。 【解決手段】 (0001)面サファイア基板1上にn
−GaNコンタクト層3を介してIn0.2Ga0.8
N活性層5をn−Al0.1Ga0.9Nクラッド層4
およびp−Al0.1Ga0.9Nクラッド層6で挟む
ダブルヘテロ構造を有している。p−Al0.1Ga
0.9Nクラッド層6の上部には、p−GaNコンタク
ト層7を有し、p−GaNコンタクト層7側にはp側電
極8が設けてある。 活性層を含む半導体多層膜は、絶
縁膜に形成した開口部に選択成長によって形成されてい
るので、エッチングを用いなくても、選択成長により共
振器ミラーが形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は青色発光ダイオー
ド、青色半導体レーザ等の半導体素子に用いられる窒化
ガリウム系化合物半導体の発光素子およびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】AlxGayInzN(但し、0≦x≦
1、0≦y≦1、0≦z≦1)の窒素をV族元素とする
化合物半導体は、最近、常温におけるレーザ発振が発表
され、青色半導体レーザ等の発光素子等への応用が期待
されている(例えば、アプライド・フィジクス・レター
69(1996年)4056項−4058項(App
liedPhysics Lettes 69 (19
96) 4056−4058))。この窒化ガリウム系
化合物半導体を有する半導体素子は、サファイア基板上
にAlxGa1−xN、InyGa1−yNから成るn
型層、i型層、あるいはp型層を積層することによって
得られる。
【0003】窒化ガリウム系化合物半導体の結晶成長
は、有機金属気相成長法(MOCVD法)、分子線エピ
タキシー法(MBE法)等の成長方法が用いられる。例
えば、MOCVD法について簡単に説明すると、サファ
イア基板を設置した反応室内に反応ガスとしてトリメチ
ルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TM
A)等の有機金属とアンモニア(NH3)等のガスを供
給し、サファイア基板の表面温度を700〜1100℃
の高温に保持して、基板上に窒化ガリウム系化合物半導
体のエピタキシャル層を成長させる。このとき、ジエチ
ル亜鉛(DEZn)、モノシラン(SiH4)等を同時
に供給することによって、窒化ガリウム系化合物半導体
をp型、i型、あるいはn型伝導に制御できる。
【0004】GaN系の発光素子ではサファイアを基板
を用いており、この場合は、へき開によって半導体レー
ザの共振器を形成するのは困難である。共振器の形成に
はドライエッチング等を用いる必要がある(アプライド
・フィジクス・レター 69(1996年)4056項
−4058項(Applied Physics Le
ttes 69 (1996) 4056−405
8))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、GaN
系の発光素子でドライエッチング等によって共振器を形
成した場合、共振器端面の固有欠陥により非発光中心が
形成され、半導体レーザ等に応用する場合、動作電流が
高くなったり、信頼性を低下させる等の悪影響が生じ
る。
【0006】また、共振器面の凹凸(Roughnes
s)が少なくとも数十nm以上となり、光の乱反射によ
ってミラー損失を生じ、しきい値電流や動作電流の上昇
をもたらす。
【0007】そこで本発明は、このような課題を解決
し、信頼性の高い青色半導体レーザ等のGaN系半導体
素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の手段は以下の通りである。
【0009】まず、選択成長可能な膜を用いて活性層を
含む半導体多層膜を成長させ、特に共振器を形成するた
めにドライエッチングを用いることなく、半導体発光素
子を形成することができる。これにより、ドライエッチ
ングによる、端面へのダメージがなく、特性のよい発光
素子とすることができる。
【0010】活性層を含む半導体多層膜を、選択成長可
能な膜の一部の上にもに形成する。多層膜の活性層より
も上の膜は、活性層よりもバンドギャップが大きいの
で、窓構造とすることができ、高出力化を達成できる。
また、この共振器端面を、高抵抗化することも可能であ
る。この高抵抗化には、水素原子を含有するガス中で熱
処理する方法を用いると容易に高抵抗とすることができ
る。
【0011】発光素子のの共振器端面のコーティング膜
をSrxTiyOz材料を用いる。これにより、耐圧を
高くできるので、特にAlGaInN系のレーザには有
効である。
【0012】エッチング方法として、半導体の積層膜
が、GaxIn1−xN(0≦x≦1)と、Al組成が
0.1以上であるAlkGalInmN(0.1≦k,
l,m≦1、k+l+m=1)とを有する半導体多層
膜であって、少なくともフッ素を含有するガスを用いて
選択的にGaxIn1−xN層の一部をエッチングする
方法がある。エッチングガスとしては、塩素を含有する
ガスとフッ素の含有するガスとの混合ガスを用いてもよ
い。
【0013】レーザの横モード制御としては、レーザ光
を単一横モードにするためのストライプ状の開口部を有
する半導体レーザであって、キャリアを活性層に注入す
る幅が該ストライプの幅よりも狭いくする構造、また
は、レーザ光を単一横モードにするためのリッジ状のス
トライプを有する半導体レーザであって、キャリアを活
性層に注入する幅が該リッジ状のストライプの幅よりも
狭くする構造がある。
【0014】n型AlkGalInmN(0≦k,
l, m≦1、k+l+m=1)への電極として、チタ
ンと白金を含有し、チタンがn型のAlkGalInm
N側に位置するもの、またモリブデンを含有するものが
ある。さらに、n型のAlkGalInmN(0≦k,
l,m≦1、k+l+m=1)への電極として、Ti
Nを含有するものがある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を図面を
参照しながら説明する。
【0016】(実施の形態1)図1にこの発明の一実施
例のGaN系半導体レーザの構造を示す。GaN系と
は、GaNはもちろん、AlGaN、AlGaInN、
GaInN等を含むものとする。
【0017】この半導体レーザは、図1(a)に示すよ
うに、例えば(0001)面サファイア基板1上にn−
GaNコンタクト層3を介してGa0.8In0.2N
活性層5をn−Al0.1Ga0.9Nクラッド層4お
よびp−Al0.1Ga0.9Nクラッド層6で挟むダ
ブルヘテロ構造を有している。p−Al0.1Ga0.
9Nクラッド層6の上部には、p−GaNコンタクト層
7を有し、p−GaNコンタクト層7側にはp側電極8
が設けてある。p−GaNコンタクト層7、p−Al
0.1Ga0.9Nクラッド層6、Ga0.8In0.
2N活性層5、n−Al0.1Ga0.9Nクラッド層
4の一部はエッチングによって除去されている。また、
n−GaNコンタクト層3の一部も層の途中までエッチ
ングされており、n−GaNコンタクト層3上にn側電
極9が設けてある。
【0018】この半導体レーザの共振器ミラーは選択成
長によって形成されている。この共振器ミラーはサファ
イア基板1の主面にほぼ垂直である。選択成長によって
共振器ミラーを形成するために、サファイア基板1上の
n−GaNコンタクト層3の側部にはSiO2膜2によ
り覆われている。このSiO2膜2は共振器ミラーを形
成するときの選択成長用のマスクとして設けたものであ
り、最終的にはエッチングによって除去しても構わな
い。選択成長用マスクには、SiO2、SiNx、Si
ON、AlOx、AlON、TiOxを用いることがで
きる。
【0019】この素子は、図1(b)で示されるよう
に、サファイア基板1上に選択成長により形成される。
この図1(b)でのSiO2膜2が選択成長用のマスク
となる。各素子は、図にしめされた点線に沿って分離さ
れ、1つの素子になる。
【0020】図1に示す半導体レーザの作製方法の一例
を図2を用いて説明する。レーザ素子は、サファイア基
板上に多数形成できるが、簡単にするため、素子の1つ
の部分について説明を加えていく。
【0021】まず、(0001)面サファイア基板1上
にSi02膜2を堆積し、フォトリソグラフィー技術と
エッチング技術によって、ストライプ状に加工する(図
2((a))。共振器方向の開口部の幅は500ミクロ
ンである。この幅はレーザの共振器の長さにほぼ合わせ
ればよい。
【0022】次に、有機金属気相成長法(MOVPE
法)などの結晶成長方法を用いて、サファイア基板1上
にn−GaNコンタクト層3、n−Al0.1Ga0.
9Nクラッド層4、Ga0.8In0.2N活性層5、
p−Al0.1Ga0.9Nクラッド層6、p−GaN
コンタクト層7の半導体多層膜をエピタキシャル成長す
る(図2((b))。ここで、Si02膜2上には結晶
は堆積していない。選択成長により多層膜をエピタキシ
ャル成長させているのである。
【0023】つぎに、一部の領域のp−GaNコンタク
ト層7、p−Al0.1Ga0.9Nクラッド層6、G
a0.8In0.2N活性層5、n−Al0.1Ga
0.9Nクラッド層4、およびn−GaNコンタクト層
3の途中までをイオンミリングによってエッチングする
(図2((C))。その後、p−GaNコンタクト層7
上にp側電極8、n−GaNコンタクト層3上にn側電
極9を形成する(図2(d))。
【0024】以上の方法により、図1に示すような半導
体レーザを作製することができる。このレーザの共振器
端面は、選択成長マスクを用いた選択成長により自己整
合的に形成できるので、従来のように、半導体多層膜を
成長した後、共振器を形成するためにドライエッチング
をする必要はない。
【0025】図2(b)のX−Y方向の断面、すなわち
共振器方向の断面図は、図3に示すようになっている。
Si02膜2上には、多層膜結晶は堆積していない。選
択成長によって活性層を含む半導体多層膜を成長させて
いるからである。但し、成長条件を選択することによっ
ては、多少、横方向に成長(ラテラル成長)させること
も可能である。これを図4に示す。図のように、半導体
多層膜4〜7は、Si02膜2の上にも形成できる。こ
の場合でも、サファイア基板1に、共振器ミラー201
がほぼ垂直であれば、半導体レーザの特性を低下させる
ことはない。
【0026】このラテラル成長を積極的に応用したレー
ザ構造について説明する。共振器ミラー201の表面、
すなわち出射面は、レーザ光のエネルギーhνよりも大
きなバンドギャップを持つp−Al0.1Ga0.9N
層やp−GaN層で覆われた、いわゆる窓構造(Win
dow Structure)になっている。図4で
は、窓領域として示してある。
【0027】図4のような窓構造を持つレーザでは、C
ODなどの端面破壊が生じず、窓構造を持たないレーザ
の2倍以上の高い出力を得ることができる。また、短波
長レーザに特有の端面劣化による信頼性の低下も抑制で
き、高い信頼性の半導体レーザを得ることが可能とな
る。
【0028】図4の窓領域の多層膜4〜7は、共振器面
と垂直方向の厚みが小さい。しかしながら、端面近傍に
高抵抗領域を設けることにより、この厚みが小さい領域
のリーク電流を抑制することができる。
【0029】図6に示すようにp型不純物を水素等によ
って不活性化させ、不活性化領域を設ける方法がある。
具体的にはアンモニア(NH3)ガス中で600℃でア
ニールしたり、または、水素プラズマ中で300℃で処
理することによってp型不純物を不活性化することがで
きる。この際、不活性化により高抵抗化してはならない
部分、たとえばp型コンタクト層やクラッド層などは、
SiO2膜等によって被覆し、水素の侵入を防止する必
要がある。
【0030】次に、この半導体レーザの端面コーティン
グについて説明する。端面コートには、SiO2膜20
3とSrTiO膜204から成る多層膜を用いている
(図5(a)および(b))。GaN系の半導体レーザ
では、端面コートにSiO2とTiO2の多層膜を用い
られているが、駆動電圧が約5Vと高いために、端面コ
ートで微少なリークが生じると、発熱により端面劣化を
起してしまう。特にこのGaN系のレーザように短波長
のレーザでは、この端面からの劣化が信頼性の低下に支
配的である。ここでは、端面コートとして、TiO2膜
にSrを添加したSrTiO膜を用いることによって、
高電圧に耐え、耐圧特性が大幅に向上し、高い信頼性を
得ることができる。このSrTiO膜を用いる端面コー
トは、GaN系半導体レーザに限らず、高耐圧を要求さ
れるレーザに有効である。
【0031】次に、このレーザのn側電極について説明
する。従来n側の電極にはTiとAlが用いられている
が、放熱のためのサブマウントへの実装やワイアボンデ
ィングなどを行う際に最表面はAuにする必要がある。
しかし、高温や高電圧で動作した場合、Auがn型Ga
Nコンタクト層まで拡散し、コンタクト抵抗の上昇を招
き、駆動電圧を上昇させてしまうことがわかった。その
結果、信頼性を著しく損なってしまう。これは、Auの
仕事関数が5.1eVと大きく、拡散によってn型Ga
Nコンタクト層に達するとショットキー障壁が増大して
コンタクト抵抗が上昇するためである。このAuの拡散
を抑制する方法について図14を用いて説明する。
【0032】図14に示すように、n−GaNのコンタ
クトメタルにMo(モリブデン)を用いた。図14
(a)ではAu(金)の下部(n−GaN側)にPt
(白金)を挿入してある。これにより過剰なAuの拡散
を制止でき、コンタクト抵抗の上昇を抑制できる。図1
4(a)ではPtの下部にさらにTi(チタン)を入れ
てある。Ptもまた仕事関数が5.65eVと高く、拡
散によりコンタクト抵抗の上昇を招く恐れがある。Ti
の挿入でPtの拡散を抑制する。図14(b)ではAu
の下部にTiNを挿入してある。これにより過剰なAu
の拡散を制止でき、コンタクト抵抗の上昇を抑制でき
る。
【0033】図14ではn−GaNのコンタクトメタル
にMoを用いた場合について説明したが、他の金属でも
良く、例えばW、Ta、Ti、Alでもよい。ただし、
これれらの金属においてもAuやPtの拡散を抑制する
ために本発明のような手法をとる必要がある。また、特
にAlGaInN系半導体レーザについて述べたが、こ
の電極はダブルヘテロFETなどの電気デバイスでも使
用することができる。
【0034】(実施の形態2)半導体レーザの単一横モ
ード化のためにリッジ・ストライプの形成やリセス・エ
ッチングを行う必要があるが、その形成プロセスは精度
良く行う必要がある。GaN系材料ではドライエッチン
グによってリッジ等を形成するが、一般的にエッチング
の停止の判断は、時間制御で行うことが多い。しかし、
この方法ではエッチングに少なくとも±10%の程度の
誤差を生じることもあり、精度の良いエッチングは期待
できず、横モードの制御といった目的を達成できない。
そこで、精度良くエッチングし、リッジストライプを形
成するための方法を図7を用いて説明する。
【0035】まず、(0001)面サファイア基板30
1上に有機金属気相成長法(MOVPE法)などの結晶
成長方法を用いて、n−GaNコンタクト層302、n
−Al0.1Ga0.9Nクラッド層303、活性層3
04、p−Al0.1Ga0.9N第一クラッド層30
5(厚さ0.15ミクロン)、p−GaN第二クラッド
層306、p−GaNコンタクト層307をエピタキシ
ャル成長する(図7((a))。次に、Si02膜30
8を堆積し、フォトリソグラフィー技術とエッチング技
術によって、ストライプ状に加工する(図7
((b))。
【0036】次に、Si02膜308をエッチングマス
クとし、電子サイクロトロン共鳴反応性イオンビームエ
ッチング(ECR−RIBE)を用い、塩素(Cl2)
フッ化硫黄(SF6)の混合ガスによってp−GaN第
二クラッド層306をエッチングする(図7
((C))。
【0037】第二クラッド層306のエッチングで、p
−Al0.1Ga0.9N第一クラッド層305の表面
には、AlとFとの強固な反応生成物が形成されエッチ
ングが進行しなくなり、エッチングが停止する。これ
は、第一クラッド層305のAl組成を0.1以上にし
ているからである。
【0038】その後フッ酸(HF)によってSi02膜
308を除去し、エッチングした第二クラッド層306
を含むリッジストライプ上に新たにSi02膜309を
堆積し、フォトリソグラフィー技術とエッチング技術を
用いてn−GaNコンタクト層までエッチングする(図
8((a))。
【0039】最後に、p−GaNコンタクト層307の
上部のSi02膜309の一部に開口部を設けp側電極
310を形成し、また、n−GaNコンタクト層302
にはn側電極310を形成する(図8(b))。
【0040】AlGaInN系はIII族元素とV族元
素の結合が非常に強く、ドライエッチングにおいては、
反応性より、物理的なスパッタリングを強くする必要が
ある。例えば、Cl2ガスを用いたECR−RIBEで
は加速電圧を500eVにしてスパッタリングを強め
る。スパッタリングの強い条件では、GaInNとAl
GaInNの組成を変えても選択性は上がりにくいが、
Alの組成が少なくとも0.1入っていればSF6を加
えることにより、Al0.1Ga0.9Nで制御良くG
aNのみをエッチングできることがわかった。エッチン
グガス中のF(フッ素)とAlとが強固な結合をするた
めに、このような選択エッチングが可能である。したが
って、エッチングガスとしては、SF6の他に、Fを含
むものをもちいればよい。
【0041】エッチングに用いるガスは、SF6のほ
か、CHvF4−v(1≦v≦3)または、CClwF
4−w(1≦w≦3)であればよいし、これらの混合ガ
スであってもよい。
【0042】図1の半導体レーザおよび図2の半導体レ
ーザの製造方法では、横モード制御のためのストライプ
形成については特に説明していないが、例えば図7の方
法が適用して、横モード制御のためのストライプ構造を
有したものにしてもよい。
【0043】また、このエッチング方法は、AlGaI
nN系半導体レーザの場合について述べたが、このエッ
チング方法は、AlGaInN系の電気デバイスでも使
用することができる。
【0044】(実施の形態3)実施形態2では、横モー
ド制御のためのストライプを形成した半導体レーザの構
造について説明したが、さらなる横モードの安定化につ
いて図7と図9を用いて説明する。
【0045】この実施形態のレーザストライプ構造は、
ストライプの幅よりも狭い領域に電流注入領域を設ける
ものである。言い換えれば、狭い領域に電流注入し、そ
れよりも広い領域で光の閉じ込めをする構造である。
【0046】図10に示すように、第2クラッド層30
6、コンタクト層307を含むリッジストライプ中に、
不活性化領域401が形成され、この領域401には電
流が注入されない構造である。このような構造により、
電流 は、電極310からコンタクト層307を通して
クラッド層306に注入される。先ほどもいったよう
に、電流は不活性化領域401は流れない。したがっ
て、電流は、不活性化領域401にはさまれた領域のク
ラッド層306を流れる。さらに電流は、活性層304
に注入され、ここでキャリアの再結合により発光するが
光は、不活性化領域401を含めたリッジストライプを
感じて、このリッジストライプ中に閉じ込められるよう
になる。
【0047】図10で示すこの構造の製造方法について
説明する。図7(b)の工程の後にH2プラズマ中で3
50℃で熱処理すると、図9に示すようにSiO2膜3
08の幅5.0ミクロンよりも狭い幅2.5ミクロンを
残してp型半導体が不活性化される。これは、水素がp
型半導体層305〜307に侵入することによるパッシ
ベーション効果による。この不活性化領域は、図9にお
いて不活性領域401として示してある。その後の工程
は図7c)および図8と同様であるが、最終的には図1
0に示すような構造となる。図10に示すような構造に
する理由を以下に示す。
【0048】GaN系結晶は、正孔の有効質量が他のI
II−V族半導体に比べ大きい。またこのGaN系は発
振波長が短く、高出力化しようとすると端面での劣化が
問題となってくる。したがって、リッジストライプの幅
を小さくし、光の閉じ込めを強くしすぎると光密度があ
がってしまい、端面破壊が起こりやすくなる。そこでス
トライプ幅をある程度広く設定し、光密度を低くする構
造とする。
【0049】しかしながら、ストライプ幅を広くする
と、空間的ホールバーニングにより、光密度が一番高い
部分のキャリアが枯渇し、横モードが単峰性から双峰性
になってしまう。そこで、電流の流れる領域が光密度が
高くなるストライプの中心付近になるように制限してや
ることにより、キンクの発生を抑制でき、10mW以上
の高い出力でも安定な横モードを達成することができ
る。
【0050】この実施形態では、H2プラズマ中で35
0℃で熱処理しp型半導体を不活性化することで、高抵
抗化を達成したが、キャリアを活性層に注入する幅が単
一横モードにするためのストライプの幅よりも狭くする
方法であればどのような方法によってもよい。例えば、
イオン注入でもよい。
【0051】次に活性層の構造について説明する。図1
では活性層に図11に示すようなGa0.2In0.8
Nを用いた場合について説明したが、活性層には多重量
子井戸(MQW)を用いてもよい。例えば、図13に示
すようなGa0.2In0.8N井戸層404とGa
0.95In0.05N障壁層405から成るMQW構
造でも構わない。
【0052】図13の構造では伝導帯側と価電子帯側の
バンド不連続の比率は約1:1になっている。レーザの
温度特性等の向上のためには伝導帯側、すなわち有効質
量の小さなのバリアΔEcを高くする方がよい。そうす
ることで、例えば、キャリア(電子)のpクラッド層へ
のオーバーフローを抑制でき、レーザ特性が向上する。
MQW構造の一例を挙げると、図12に示すように障壁
層にAl0.1Ga0.8In0.1N層402を用い
る方法がある。
【0053】結晶成長の観点から言えば、MQW構造の
井戸層(ウエル層)と障壁層(バリア層)のIn組成は
ほぼ等しくするのが望ましい。その理由を以下に示す。
AlGaInN系半導体の結晶成長温度は700℃以上
と非常に高い。AlGaInN系半導体を成長する際
に、III族元素であるAlとGaとInの組成を正確
に制御する必要があるが、この3つの元素のうちInの
組成制御が最も難しい。それは、Inの蒸気圧が高いた
めで、700℃以上という高い成長温度では、取り込ま
れたInが結晶表面から再蒸発してしまうためである。
そこで、MQW構造の井戸層と障壁層のIn組成をほぼ
同じくすることで、MQW構造内でのInの取り込まれ
をほぼ一定にし(すなわち原料であるTMIの流量はほ
ぼ一定とし)、結晶成長をより容易にすることができ
る。
【0054】この構造により、井戸層と障壁層のIn組
成をほぼ等しくし、ΔEcの大きな活性層構造を構成で
きるので、レーザの環境温度を80度程度の高温にして
も、電子のオーバーフロが小さく、しきい値の小さいレ
ーザを実現することができる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、選択成長によりレーザ
の共振器を形成することができるため、共振器面での固
有欠陥により非発光中心が形成を抑制でき、信頼性の高
い半導体レーザを実現することができる。
【0056】本発明によれば、半導体レーザの共振器面
の最上面が、発光波長のエネルギーよりも大きなバンド
ギャップエネルギーを有する、いわゆる窓構造とするこ
とができるので、高出力動作が可能となり、信頼性の高
い半導体レーザを実現することができる。また、共振器
面の近傍を高抵抗化することで、信頼性の高い半導体レ
ーザとすることができる。
【0057】本発明によれば、端面コート膜にSrxT
iyOz(x>0)を用いることにより、端面破壊に強
い、耐圧の高い半導体レーザを得ることができる。
【0058】本発明によれば、半導体の積層膜がGax
In1−xN(0≦x≦1)とAlkGalInmN
(0≦k, l, m≦1、k+l+m=1)を有し、
少なくともフッ素を含有するガスを用いて選択的に上記
GaxIn1−xN層の一部をドライエッチングし、、
かつ該AlkGalInmNのAl組成kが0.1以上
とすることで、エッチングの選択性を高めることができ
る。
【0059】本発明の半導体レーザによれば、レーザ光
を単一横モードにするために、キャリアを活性層に注入
する幅が、ストライプの幅よりも狭くすることで、横モ
ードを安定化させることができる。
【0060】本発明の半導体レーザによれば、井戸層に
GaxIn1−xN(0≦x≦1)、井戸層と接触する
障壁層がAlkGalInmN(0≦k, l, m≦
1、k+l+m=1)の多重量子井戸構造とし、ΔEc
を大きくすることで、温度特性を向上させることができ
る。
【0061】本発明によれば、n型のAlkGalIn
mN(0≦k, l, m≦1、k+l+m=1)に形
成される電極にPtおよびTiを含有させることで、A
uの拡散によるコンタクト抵抗の上昇を抑制できる。
【0062】本発明によれば、n型のAlkGalIn
mN(0≦k, l, m≦1、k+l+m=1)に形
成される電極にTiNを含有させることで、Auの拡散
によるコンタクト抵抗の上昇を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザの構造断面図
【図2】本発明の半導体レーザの製造工程断面図(共振
器方向)
【図3】本発明の半導体レーザの断面図
【図4】本発明の半導体レーザの断面図
【図5】本発明の半導体レーザの断面図
【図6】本発明の半導体レーザの断面図
【図7】本発明の半導体レーザの製造工程断面図(共振
器と垂直方向)
【図8】本発明の半導体レーザの製造工程断面図(共振
器と垂直方向)
【図9】本発明の半導体レーザの製造工程断面図(共振
器と垂直方向)
【図10】本発明の半導体レーザの断面図(共振器と垂
直方向)
【図11】本発明の活性層付近のバンドキャップエネル
ギー図
【図12】本発明の活性層付近のバンドキャップエネル
ギー図
【図13】従来の活性層付近のバンドキャップエネルギ
ー図
【図14】本発明のn側電極構造断面図
【図15】従来のGaN系半導体レーザの構造断面図
【符号の説明】
1 n−サファイア基板 2 SiO2マスク 3 nーGaNコンタクト層 4 n−Al0.1Ga0.9Nクラッド層 5 Ga0.8In0.2N活性層 6 p−Al0.1Ga0.9Nクラッド層 7 pーGaNコンタクト層 8 p側電極 9 n側電極 201 共振器ミラー 202 端面コート 203 SiO2 204 SrTiO 301 n−サファイア基板 302 nーGaNコンタクト層 303 n−Al0.1Ga0.9Nクラッド層 304 活性層 305 p−Al0.1Ga0.9N第一クラッド層 306 pーGaN第二クラッド層 307 pーGaNコンタクト層 308 SiO2 309 SiO2 310 p側電極 311 n側電極 401 不活性領域 501 Ga0.8In0.2N井戸層 502 Al0.1Ga0.8In0.1N障壁層 503 光ガイド層 504 Ga0.8In0.2N井戸層 502 Ga0.95In0.05N障壁層 1001 サファイア基板 1002 GaN層 1003 n型GaN層 1004 n型Al0.05Ga0.95N層 1005 n型GaN層 1006 MQW活性層 1007 p型GaN層 1008 p型Al0.05Ga0.95N層 1009 p型GaN層 1010 p側電極 1011 n側電極
フロントページの続き (72)発明者 足立 秀人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 粂 雅博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 伴 雄三郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5F004 AA02 BA14 DA04 DA06 DA15 DA18 DB19 EA06 5F073 AA11 AA13 AA74 AA83 AA87 AA88 CA07 CB05 CB20 DA05 DA24 DA35 EA28

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体の積層膜が、GaxIn1−xN
    (0≦x≦1)と、Al組成が0.1以上であるAlk
    GalInmN(0.1≦k, l, m≦1、k+l
    +m=1)とを有する半導体多層膜であって、少なくと
    もフッ素を含有するガスを用いて選択的に前記GaxI
    n1−xN層の一部をエッチングする、ドライエッチン
    グ方法。
  2. 【請求項2】塩素を含有するガスとフッ素の含有するガ
    スとの混合ガスを用いる請求項1に記載のドライエッチ
    ング方法。
  3. 【請求項3】レーザ光を単一横モードにするためのスト
    ライプ状の開口部を有する半導体レーザであって、キャ
    リアを活性層に注入する幅が該ストライプの幅よりも狭
    い半導体レーザ。
  4. 【請求項4】レーザ光を単一横モードにするためのリッ
    ジ状のストライプを有する半導体レーザであって、キャ
    リアを活性層に注入する幅が該リッジ状のストライプの
    幅よりも狭いこと半導体レーザ。
  5. 【請求項5】前記半導体レーザがAlkGalInmN
    (0≦k, l, m≦1、k+l+m=1)系材料で
    構成されている請求項3または4に記載の半導体レー
    ザ。
  6. 【請求項6】量子井戸を有する半導体発光素子であっ
    て、井戸層にGaxIn1−xN(0≦x≦1)、井戸
    層と接触する障壁層がAlkGalInmN(0≦k,
    l,m≦1、k+l+m=1)であり、該障壁層の禁
    制帯幅が該井戸層の禁制帯幅よりも大きい半導体発光素
    子。
  7. 【請求項7】量子井戸を有する半導体発光素子であっ
    て、井戸層にGaxIn1−xN(0≦x≦1)、井戸
    層と接触する障壁層がAlkGalInmN(0≦k,
    l,m≦1、k+l+m=1)であり、井戸層と障壁
    層のIn組成がほぼ等しい半導体発光素子。
  8. 【請求項8】n型のAlkGalInmN(0≦k,
    l, m≦1、k+l+m=1)を有する半導体素子で
    あって、n型のAlkGalInmNに形成される電極
    がチタン(Ti)と白金(Pt)を含有しており、前記
    チタンがn型のAlkGalInmN側に位置すること
    を特徴とする半導体素子。
  9. 【請求項9】前記n型のAlkGalInmNに形成さ
    れる電極がモリブデン(Mo)を含有する請求項8に記
    載の半導体素子。
  10. 【請求項10】n型のAlkGalInmN(0≦k,
    l, m≦1、k+l+m=1)を有する半導体素子
    であって、n型のAlkGalInmNに形成される電
    極がTiNを含有することを特徴とする半導体素子。
  11. 【請求項11】n型のAlkGalInmN(0≦k,
    l, m≦1、k+l+m=1)を有する半導体素子
    であって、n型のAlkGalInmNに形成される電
    極がTiNと金(Au)を含有しており、TiNがn型
    のAlkGalInmN側に位置することを特徴とする
    半導体素子。
  12. 【請求項12】電極が接触する半導体層がn型のGax
    In1−xN(0≦x≦1)であることを特徴とする請
    求項7〜11のいずれかに記載の半導体素子。
  13. 【請求項13】活性層を有する半導体レーザであって、
    前記レーザの共振器端面のコーティング膜がSrxTi
    yOz材料である半導体レーザ。
  14. 【請求項14】活性層を含む半導体多層膜が、AlGa
    InN系材料で構成されている請求項13に記載の半導
    体レーザ。
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JP2005310929A (ja) * 2004-04-20 2005-11-04 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体層のエッチング方法
JP2006237339A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Sanyo Electric Co Ltd 窒化物系半導体素子の作製方法
JP2011077419A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Nec Corp 半導体素子、半導体ウェハ、半導体ウェハの製造方法、半導体素子の製造方法

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