JP2005310929A - 窒化物半導体層のエッチング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下地基板1上に成長制御層2を備えた窒化物半導体基板3の上に、窒化物半導体層5、該層5に対する耐反応性膜6、反射膜7及びレジスト層8をこの順に形成し、該レジスト層8を所定形状にパターニングし、得られたレジスト層8をマスクとして用いて、前記反射膜7を所定形状にパターニングし、さらに、得られた反射膜7をマスクとして用いて、前記耐反応性膜6、さらに窒化物半導体層5をエッチングすることにより、前記窒化物半導体層5表面にストライプ状のリッジ10を形成する窒化物半導体層5のエッチング方法。
【選択図】図1
Description
リッジは、活性層の内部において、例えば、ストライプ状に電流を狭窄する、つまり、導波路を規定するために形成されており、通常、p型窒化物半導体層の表面において、1〜2μm前後の幅でストライプ状に形成されている。
この窒化物半導体層のエッチング方法においては、耐反応性膜が、窒化物半導体層に対して選択エッチング性を有する膜、特に、酸化シリコンであることが好ましい。
また、反射膜が、チタン膜又は誘電体膜からなるミラー構造を有する膜であることが好ましい。
また、反射膜が、チタン膜である場合には、レジスト層をパターニングする際の下方からの乱反射光を確実に遮光することができ、レジスト層を精度よく加工することが可能となる。加えて、レジスト層をマスクとして用いてチタン膜をエッチングする際に、簡便かつ容易に微細加工を行うことができる。しかも、反射膜がチタン膜で、かつ耐反応性膜が酸化シリコンである組み合わせにより、選択比が高くなり、パターニング精度を向上させることができるため、窒化物半導体のエッチング精度をも向上させることが可能となる。
なお、本発明に窒化物半導体層のエッチング方法では、窒化物半導体基板において乱反射を生じるような表面状態又は界面状態等を有しているのであれば、下地基板が除去された窒化物半導体のみからなる基板であってもよい。
下地基板上には、直接又はバッファ層等を介して、成長制御層が形成される。成長制御層としては、例えば、成長制御層、成長核、下地基板の表面の凹凸等が挙げられる。
なお、成長制御層、成長核、下地基板の表面の凹凸等の直上には、任意に形成されるバッファ層、下地層等の成膜条件等に起因して、空洞を有していてもよい。空洞には、何も詰まっていないことが好ましいが、バッファ層、下地層等が形成される際に、多少のこれら層を構成する材料が埋まってもよい。
第1及び第2導電型半導体層及び活性層における半導体層としては、特に限定されるものではなく、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、III−V族、II-VI族、VI-VI族等の化合物半導体等が挙げられる。窒化物半導体、なかでもInXAlYGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化ガリウム系化合物半導体が好適に用いられる。なお、第1及び第2導電型、つまりn型及びp型の導電性を示すために、半導体層及び活性層には、p型不純物として、Mg、Zn、Cd、Be、Ca、Ba等が、n型不純物として、Si、Sn、Ge、Se、C、Ti等がドーピングされていてもよい。ドーピング濃度は、例えば、1×1018cm−3程度以上、好ましくは、1.5×1020〜1×1022cm−3程度が挙げられる。
このような窒化物半導体は、例えば、その総膜厚が3〜20μm程度であることが適当である。
通常、レジスト層にマスクパターンを通して所定波長の光を露光する場合、レジスト層の露光部に反応が起こり、現像液に対する溶解性が増大したり、場合によっては低下したりするが、レジスト層に照射される露光光の一部は、レジスト層を透過し、その下層にまで透過及び反射して、レジスト層に再度照射されることになる。この際、下層が均一であり、反射光が一様にレジスト層に再度照射されるのであればよいが、下層において、透過した光に乱反射を生じさせるような界面や表面が存在する場合には、その乱反射光に起因して、レジスト層に対して、マスクパターンに忠実な形状の加工ができないという問題が生じる。しかし、本発明においては、レジスト層の直下に反射膜が存在するために、レジスト層を透過した露光光は、レジスト層と反射膜との界面で一様に反射し、レジスト層を一様に露光することになる。よって、レジスト層の不均一な露光を防止することができ、レジスト層を、マスクパターンに忠実に、安定して、高精度に加工することができる。
この際のエッチングは、ウェットエッチング及びドライエッチングのいずれを利用してもよいが、少なくとも耐反応性膜と窒化物半導体層との選択比が上述したような範囲になる方法及び条件を選択することが好ましい。これにより、パターニングされた耐反応性膜の形状を忠実に、精度よく、窒化物半導体に引き継ぐことができ、リッジのような非常に微細な加工においても、高精度を維持し、半導体素子の歩留まりの向上及び信頼性の高い素子を得ることが可能となる。
(窒化物半導体基板)
まず、図1(a)に示すように、2インチφ、C面を主面とするサファイア基板1の上全面に、成長制御層として、膜厚0.1μmのSiO2膜2を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング工程によって、ストライプ状の窓を形成した。窓の幅は5〜50μm、ピッチは10〜100μmとした。
このSiO2膜2を形成したサファイア基板1をMOVPE反応容器内にセットし、温度を500℃にして、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH3)を用い、GaNからなるバッファ層を200Åの膜厚で成長させ、その後、温度を上げて、アンドープのGaN層(図示せず)を1.5μmの膜厚で成長させて、窒化物半導体基板を得た。
次に、窒化物半導体基板の上に、温度を1050℃にして、TMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、アンモニアを用い、Al0.05Ga0.95Nからなるバッファ層(図示せず)を4μmの膜厚で成長させた。横方向成長を用いて形成した窒化物半導体基板がGaNである場合に、それよりも熱膨張係数の小さい窒化物半導体のAlaGa1−aN(0<a≦1)からなるバッファ層を用いることで、転位やピットを低減させることができる。
得られたバッファ層上にTMG、TMA、アンモニア、不純物ガスとしてシランガスを用い、1050℃でSiドープしたAl0.05Ga0.95Nからなるn型コンタクト層(図示せず)を4μmの膜厚で成長させた。
次に、TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニアを用い、温度を800℃にしてIn0.06Ga0.94Nからなるクラック防止層を0.15μmの膜厚で成長させた。
続いて、温度を1050℃にして、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用い、アンドープのAl0.08Ga0.92NからなるA層を25Åの膜厚で成長させ、続いて、TMAを止め、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ープしたGaNからなるB層を25Åの膜厚で成長させた。この操作をそれぞれ220回繰り返してA層とB層の積層し、総膜厚1.1μmの多層膜(超格子構造)を成長させた。これによって、n型窒化物半導体層3を得た。
次に、コア領域4として、同様の温度で、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、アンドープのGaNからなるn型光ガイド層を1700Åの膜厚で成長させた。
次いで、温度を800℃にして、原料ガスにTMI(トリメチルインジウム)、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.05Ga0.95Nからなる障壁層(B)を140Åの膜厚で、シランガスを止め、アンドープのIn0.1Ga0.9Nからなる井戸層(W)を70Åの膜厚で、この障壁層(B)、井戸層(W)を、(B)/(W)/(B)/(W)の順に積層した。最後に、最上部の障壁層として、原料ガスにTMI(トリメチルインジウム)、TMG及びアンモニアを用い、アンドープのIn0.05Ga0.95Nを300Åの膜厚で成長させた。活性層は、総膜厚約720Åの多重量子井戸構造(MQW)とした。
さらに、温度を1050℃にして、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、GaNからなるp型光ガイド層を1500Åの膜厚で成長させた。このp型光ガイド層は、アンドープとして成長させるが、p型電子閉じ込め層、後述するp型クラッド層等の隣接層からのMgの拡散により、Mg濃度が5×1016/cm3となってp型を示す。また、この層は成長時に意図的にMgをドープしてもよい。
続いて、1050℃でアンドープAl0.1Ga0.9Nからなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMAを止め、Cp2Mgを用いて、MgドープGaNからなる層を25Åの膜厚で成長させ、それを90回繰り返して総膜厚4500Åの超格子層を成長させた。この超格子層の平均Al混晶は4.9%である。
次に、1050℃で、超格子層の上に、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNからなるp型コンタクト層を150Åの膜厚で成長させた。p型コンタクト層はp型のInXAlYGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、好ましくはMgをドープしたGaNとすれば、p電極と最も好ましいオーミック接触が得られる。p型コンタクト層は電極を形成する層であるので、1×1017/cm3以上の高キャリア濃度とすることが望ましい。これによって、p型窒化物半導体層5を得た。
以上のようにして窒化物半導体の積層構造を形成した後、ウエハを反応容器から取り出し、RIE装置を用いてドライエッチングにより、n型コンタクト層の表面を露出させた。
その後、最上層のp型コンタクト層のほぼ全面に、PVD装置により、耐反応性膜6として、SiO2膜を0.5μmの膜厚で形成し、その上に、スパッタ法により、反射膜7として、Ti膜を0.03〜0.5(本実施例では0.1μm)μmの膜厚で形成し、さらにその上に、レジスト層8を0.3〜3(本実施例では1.5μm)μmの膜厚で形成した。
続いて、このレジストパターン8aをマスクとして用いて、Ti膜をエッチングした。エッチングは、ドライエッチングが好ましい。具体的にはRIE(反応性イオンエッチング)装置を用い、エッチングガスはCl2、出力300W、時間60秒とした。
最後に、Ti膜及びSiO2膜をマスクとして、窒化物半導体層をエッチングすることにより、幅2.0μm程度、高さ0.5μm程度のリッジストライプ10を形成した。エッチングは、ドライエッチングが好ましい。具体的にはRIE(反応性イオンエッチング)装置を用い、エッチングガスはCl2+SiCl4を用いた。
続いて、p電極、n電極に垂直な方向で、窒化物半導体層のM面でバー状に分割し、さらにバー状のウエハをチップに分割してレーザ素子を得た。
このように、レジスト層のリッジ用のストライプ幅を2.0μmに設定して形成したレーザ素子について、リッジ幅の安定性を評価した。この評価は、以下の式に従って、10点の平均値として評価した。
評価値=100×{リッジ幅(広い点)−リッジ幅(痩せた点)}/リッジ幅(広い点)
その結果、リッジ幅(広い点)の10点の平均値は2.10、リッジ幅(痩せた点)の10点の平均値は2.04であり、評価値は2.85%であった。
それに対して、反射膜であるTi膜を形成しない以外、上記製造方法と同様に作製したレーザ素子について、同様の評価を行ったところ、リッジ幅(広い点)の10点の平均値は1.63、リッジ幅(痩せた点)の10点の平均値は1.46であり、評価値は10.1%であった。
2 SiO2膜(成長制御層)
3 n型窒化物半導体層
4 コア領域
5 p型窒化物半導体層
6 耐反応性膜
7 反射膜
8 レジスト層
8a レジストパターン
9 マスクパターン
10 リッジストライプ
Claims (5)
- 下地基板上に成長制御層を備えた窒化物半導体基板の上に、窒化物半導体層を積層し、該窒化物半導体層の上に、該窒化物半導体層に対する耐反応性膜、反射膜及びレジスト層をこの順に形成し、該レジスト層を所定形状にパターニングし、該パターニングされたレジスト層をマスクとして用いて、前記反射膜を所定形状にパターニングし、さらに、該パターニングされた反射膜をマスクとして用いて、前記耐反応性膜をエッチングし、さらに窒化物半導体層をエッチングすることにより、前記窒化物半導体層表面にストライプ状のリッジを形成することを特徴とする窒化物半導体層のエッチング方法。
- 耐反応性膜が、窒化物半導体層に対して選択エッチング性を有する膜である請求項1に記載の方法。
- 耐反応性膜が、酸化シリコンである請求項2に記載の方法。
- 反射膜が、チタン膜である請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
- 反射膜が、誘電体膜からなるミラー構造を有する膜である請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
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