JP4963060B2 - 窒化物系半導体レーザ素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化物系半導体レーザ素子及びその製造方法に関するもので、特に、窒化物半導体基板のように欠陥集中領域を有する基板に窒化物半導体が積層された窒化物半導体素子及びこの窒化物半導体素子の製造方法に関する。
Al、Ga、およびIn等のIII族元素と、V族元素であるNとの化合物である窒化物系半導体は、そのバンド構造や化学的安定性から発光素子やパワーデバイス用の半導体材料として期待され、その応用が試みられてきた。特に、光学情報記録装置用光源として、青色光を発する窒化物系半導体レーザ素子を作製する試みが盛んに行われている。
この窒化物系半導体レーザ素子において、表面上に積層された窒化物半導体層と同一な劈開方向を持つ窒化物半導体基板を用いることで、積層した窒化物半導体層と基板との格子整合性を良好なものとするとともに、熱膨張率差をなくすことができる。これにより、窒化物半導体素子にかかる歪や欠陥等を減少させることができ、窒化物半導体素子の長寿命化を図ることができる。しかしながら、窒化物半導体基板は、欠陥(結晶の規則性を乱す空孔、格子間原子、転位など)が存在し、この欠陥密度が窒化物系半導体レーザ素子の寿命に強く依存することとなる。
よって、この窒化物半導体基板における欠陥密度の低減が求められ、この欠陥密度の少ないGaN基板の製造方法として、以下に述べる方法が報告されている(非特許文献1参照)。MOCVD法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)により、サファイア基板上に2.0μm厚のGaN層を成長させ、その上に0.1μmの膜厚の周期的なストライプ状の開口部(周期:11μm)をもつSiO2マスクパターンを形成し、再びMOCVD法により20μm厚のGaN層を形成し、ウェハを得る。
これは、ELOG法(Epitaxial Lateral Overgrowth)と呼ばれる技術であり、ラテラル成長の利用により欠陥を低減する手法である。そして、HVPE法(Hydride Vapor Phase Epitaxy)により200μm厚のGaN層を形成し、下地であるサファイア基板を除去することで150μm厚のGaN基板を作製した後、その表面を平坦に研磨する。このようにして得られたGaN基板において、その転位密度が106cm-2以下と、低い値を示すことが知られている。
しかし、このような低欠陥となる窒化物半導体基板に窒化物半導体層を積層することで窒化物系半導体レーザ素子を作成した場合においても、この窒化物半導体層が、GaN、AlGaN、InGaNなど異なる種類の膜から構成されることから、これら窒化物半導体層を構成する各膜の格子定数が異なるものとなり、格子不整合が生じる。このことにより、窒化物半導体層における歪み及びクラックが発生し、窒化物系半導体レーザ素子の劣化及び歩留まりに大きな影響を与える。
そこで、その表面に凹部である溝及び凸部である丘が形成された窒化物半導体基板を用い、その上に窒化物半導体層を成長させることで窒化物半導体層中の歪みを開放し、クラックを低減する方法が開発された。この方法を使用することで、基板が原因で発生するクラック及び歪みと、基板上に形成される窒化物半導体層を構成する各膜の格子不整合が原因で発生するクラック及び歪みとを抑制し、窒化物系半導体レーザ素子の劣化及び歩留まりの改善を図ることができる(特許文献1、特許文献2参照)。
図11は、この従来の窒化物系半導体レーザ素子の断面図である。この窒化物系半導体レーザ素子50においては、窒化物半導体基板であるn型GaN基板501が、欠陥密度の高い欠陥集中領域518を備え、この欠陥集中領域518を除いた領域は、欠陥密度の低い低欠陥領域となる。そして、n型GaN基板501上には窒化物半導体層がエピタキシャル成長されるため、窒化物半導体層にも、n型GaN基板501の欠陥集中領域518から成長した欠陥集中領域518aと、この欠陥集中領域518aを除いた低欠陥領域が存在することとなる。更に、n型GaN基板501に、欠陥集中領域518の存在する領域を掘り込まれたストライプ状の溝が設けられることにより、n型GaN基板501と窒化物半導体層の欠陥集中領域518,518aを含む部分に、低欠陥領域よりも掘り込まれた溝500が形成される。
具体的には、n型GaN基板501の欠陥集中領域上518に深さ6μmの溝500aが形成されており、このn型GaN基板501に対して有機金属気相成長法(MOCVD法:Metal Organic Chemical Vapor Deposition method)による半導体成長が行われ、窒化物半導体層が積層される。よって、n型GaN基板501上に積層される窒化物半導体層は、n型GaNからなる下部コンタクト層502、組成の異なるn型AlGaNからなる下部3層クラッド層503、n型GaNからなる下部ガイド層504、InGaNからなる多重量子井戸層構造を有する活性層505、p型AlGaNからなる蒸発防止層506、p型GaNからなる上部ガイド層507、p型AlGaNからなる上部クラッド層508、p型GaNからなる上部コンタクト層509により構成される。
更に、窒化物系半導体レーザ素子50は、窒化物半導体層の低欠陥領域にストライプ状のリッジストライプ510が設けられており、さらに、リッジストライプ510の両脇とリッジストライプ510生成時のエッチング底面をSiO2よりなる誘電体層である埋込層511で埋め込むことにより活性層505に平行方向にステップ状の屈折率分布を作り付け、水平横モードの閉じ込めが行なわれている。又、埋込層511は電流狭窄層の役割をも果たし、リッジストライプ510頂上のみから電力を供給することができる。そして、窒化物系半導体レーザ素子50に電力を外部から供給するために、リッジストライプ510の頂上部及び埋込層511上にp型電極512が堆積され、又、窒化物系半導体レーザ素子50下部全面にn型電極513が堆積される。
このような構成の窒化物系半導体レーザ素子50では、リッジストライプ510におけるステップ状屈折率分布により光閉じ込めを行い、安定した水平横モードでの発振が得られている。そして、60℃、出力30mWの低出力で駆動させた場合、3000時間以上の寿命を持つものが80%以上もの高率で得られ、上述したように、ウェハに掘り込み領域500となる溝を設けることにより、非常に高い歩留まりを達成することが可能となる。
特開2004−356454号公報 特開2005−064469号公報 Applied Physics Letter. Vol.73 No.6 (1998) pp.832-834
しかしながら、フォトリソグラフィや真空蒸着、研磨、劈開、コーティングといった一般的なプロセス手法により形成して得られた従来の窒化物系半導体レーザ素子50を、100mW以上の高出力までCW(Continuous Wave)発振(連続発振)させたところ、信頼性を確保するに十分な光出力まで到達せずに素子破壊するものが、一定の割合で存在する。又、この従来の窒化物系半導体レーザ素子50における素子破壊する割合は、長時間駆動させることにより更に上昇し、その駆動条件によって、得られた窒化物系半導体レーザ素子50のほとんどが信頼性を確保できなくなる場合もある。このことより、従来の窒化物系半導体レーザ素子には、100mW以上の高出力の窒化物系半導体レーザ素子とした場合、良品の歩留まりが極めて低下するのみならず、長時間の実使用において突然の破壊をおこす危険性を内包しているという問題がある。
(窒化物系半導体レーザ素子の不具合原因の調査)
図11のような構成の従来の窒化物系半導体レーザ素子50において十分な光出力に到達する前に破壊が起こる原因を確認するために、本出願人は、この窒化物系半導体レーザ素子50に対する調査を行った。即ち、破壊が生じた窒化物系半導体レーザ素子50の共振器端面に施されたコーティングを除去し、この共振器端面のリッジストライプ510部分を電子顕微鏡にて観察することにより、窒化物系半導体レーザ素子50の破壊原因に対する調査を行った。
共振器端面のリッジストライプ510部分を電子顕微鏡の観察結果により、図12のリッジストライプ510部分の拡大模式図に示すように、窒化物半導体層の共振器端面上に、窒化物半導体層と平行な方向に延びた段差517が生じていることが確認された。この共振器端面上に生じる段差517は、図12の拡大模式図における図13のA−A断面図に示すような形状となる。
このとき、p型電極512を上側とすると、段差517の上側となる窒化物半導体層の劈開面520、及び、段差517の下側となる窒化物半導体層の劈開面521はそれぞれ、その表面粗度がRMSで3Å程度と平坦であるが、段差517の高さが数十nmとなっている。即ち、図13(a)のように、段差517よりも下側の劈開面521が上側の劈開面520よりも数十nmだけ突出した形態となるか、又は、図13(b)のように、段差517よりも上側の劈開面520が下側の劈開面521よりも数十nmだけ突出した形態となる。又、この段差517は、図14の劈開面全体の模式図に示すように、窒化物半導体層に平行な方向に数十μmから数百μmに渡る長さまで延びるようにして生じていた。
更に、この窒化物系半導体レーザ素子50の共振器端面に生じている上述の段差517について、リッジストライプ510により光閉じ込めが行なわれている部分を詳細に観察したところ、活性層505又は蒸発防止層506といった下部クラッド層504と上部クラッド層507の間の各層同士の界面に、この段差517が集中して発生していることがわかった。一方、このような段差517のない窒化物系半導体レーザ素子50では、100mW以上の高出力駆動時における十分な信頼性が得られていた。
このように、従来の窒化物系半導体レーザ素子においては、その共振器端面に窒化物半導体層と平行に延びた段差が生じるため、高出力までCW発振させたときに、十分な光出力まで到達せずに素子破壊することがある。そのため、100mW以上の高出力の窒化物系半導体レーザ素子とした場合、良品の歩留まりが極めて低下するのみならず、長時間の実使用において突然の破壊をおこすことがある。
このような問題を鑑みて、本発明は、窒化物半導体層に生じる段差の発生を抑制する構成を備える窒化物系半導体レーザ素子を提供することを目的とする。又、本発明は、窒化物半導体層に生じる段差の発生を抑制した窒化物系半導体レーザ素子を作製する窒化物系半導体レーザ素子の製造方法を提供して、その歩留まり及び信頼性を改善することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の窒化物系半導体レーザ素子は、基板と、該基板の表面に積層された複数の窒化物半導体層と、該窒化物半導体層に形成される光閉じこめ領域となるストライプ状導波路と、前記窒化物半導体層が劈開されて形成される共振器端面と、を備える窒化物系半導体レーザ素子において、前記共振器端面において、前記ストライプ状導波路の少なくとも片側の脇に、前記窒化物半導体層表面に対して開口した掘り込み領域であるトレンチを備えることを特徴とする。
このような窒化物系半導体レーザ素子において、前記トレンチを、前記ストライプ状導波路から2μm以上100μm以下の離れた位置に形成することで、ストライプ状導波路の光学特性に与えることなく、且つ、劈開時の衝撃波による段差生成を防ぐことができる。
又、前記トレンチの表面に保護膜が形成されるものとしても構わない。
上述の窒化物系半導体レーザ素子において、前記窒化物半導体層が、レーザ光を発振する活性層と、該活性層の劣化を防止する蒸発防止層と、を備え、前記トレンチの底面が前記蒸発防止層の上面にあるとともに、前記トレンチの底面から前記蒸発防止層上面までの厚さを、0.05μm未満としても構わない。又、前記トレンチの底面が前記蒸発防止層の下にあるとともに、前記トレンチの底面から前記蒸発防止層上面までの厚さを、0.3μm以下としても構わない。
又、前記基板が、前記窒化物半導体層に接する表面から1μm以上の深さまで掘り込まれるとともに前記ストライプ状導波路に平行とされたストライプ状の溝を、有し、前記ストライプ状導波路が前記溝と異なる位置に構成するものとしても構わない。このとき、前記トレンチの少なくとも一部が、前記ストライプ状導波路と前記溝との間に設けられる。
又、前記窒化物半導体層が、レーザ光を発振する活性層と、該活性層の劣化を防止する蒸発防止層と、を備え、前記ストライプ状導波路両側における底面から前記蒸発防止層上面までの厚さを、0.05μm以上0.2μm以下とする。更に、前記ストライプ状導波路の幅を、5μm以上100μm以下とする。
又、前記基板及び前記窒化物系半導体層が、ストライプ状の欠陥集中領域と、該欠陥集中領域を除いた領域である低欠陥領域と、を有し、前記ストライプ状導波路が前記低欠陥領域に設けられているものとしても構わない。
本発明の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法は、基板上にエピタキシャル成長させて窒化物半導体層を積層する第1工程と、該第1工程で構成された前記窒化物半導体層に光閉じこめ領域となるストライプ状導波路を形成する第2工程と、前記ストライプ状導波路を備えた前記窒化物半導体層を前記基板とともに劈開して共振器端面を形成する第3工程と、を備える窒化物系半導体レーザ素子の製造方法において、前記窒化物半導体層を掘り込むことで、前記第3工程で劈開後の前記共振器端面において、前記ストライプ状導波路の少なくとも片側の脇に、前記窒化物半導体層表面に対して開口した掘り込み領域であるトレンチを形成する第4工程を備えることを特徴とする。
このとき、前記第4工程が、前記第2工程の後に行われるものとしても構わないし、逆に、前記第2工程の前に行われるものとしても構わない。
又、前記基板が前記窒化物半導体層に接する表面から掘り込まれて、前記基板の表面に前記ストライプ状導波路と平行となる溝を形成する第5工程が、前記第1工程の前に行われるものとしても構わない。更に、前記トレンチの表面上に保護膜を形成する第6工程を備えるものとしても構わない。
更に、前記窒化物系半導体積層構造に含まれる活性層の形成前に深さ1μm以上の溝を前記ストライプ状導波路と概略並行に設ける第5工程を備えるものとしても構わない。このとき、前記トレンチが前記ストライプ状導波路の両側に設けられる物であっても構わない。又、前記溝の前記ストライプ状導波路と垂直方向における幅が、2μm以上100μm以下であるものとしても構わない。
又、本発明の窒化物系半導体レーザウェハの製造方法は、基板上にエピタキシャル成長させて窒化物系半導体積層構造を形成する第1工程と、該第1工程で構成された前記窒化物半導体層に光閉じこめ領域となる複数のストライプ状導波路を形成する第2工程と、該第2工程で形成した前記ストライプ状導波路同士の間に深さ1μm以上の溝を設ける第3工程と、を備える窒化物系半導体レーザウェハの製造方法において、前記第2工程で形成した前記ストライプ状導波路と前記第3工程で形成した前記溝との間の少なくとも一部に、前記窒化物半導体積層を掘り込むことで、前記窒化物半導体層積層構造表面に対して開口した掘り込み領域であるトレンチを形成する第4工程を備えることを特徴とする。
前記トレンチは、ストライプ状導波路の長手方向に対して10μm以上100μm以下の幅を、更に好ましくは30μm以上80μm以下の幅を、又、更に好ましくは40μm以上60μm以下の幅を有する。
前記トレンチ上でウェハを劈開することにより、共振器端面を形成する第5工程をさらに備えるものとする。
本発明によると、トレンチが設けられることによって、劈開時に共振器端面に生じる段差をトレンチによってリセットすることができる。そのため、共振器端面に生じる段差の発生源に近い位置のトレンチで段差のリセットが行われ、レーザ出射動作を行うストライプ状導波路への段差の発生が防がれる。これにより、100mWを越える出力であっても、長時間の駆動後にも信頼性を確保するに十分なレーザ光を出力することができる窒化物系半導体レーザ素子を歩留まり良く得られることが実現できる。
本発明の実施形態について、以下に、図面を参照して説明する。
(劈開面の段差に関する調査)
[発明が解決しようとする課題]において、従来の窒化物系半導体レーザ素子の不具合について調査した結果、その劈開面に、図12〜図14に示すような段差517が生じることによって、100mW以上の高出力駆動させたときに素子破壊が発生することが確認された。よって、本出願人は、更に、窒化物系半導体レーザ素子がどのような状態にある場合、その共振器端面に段差517が生じやすいかについて調査した。尚、以下の各調査においては、従来の窒化物系半導体レーザ素子として、上述の不具合の調査と同様、図11の構成の窒化物系半導体レーザ素子50とする。
まず、図11のような構成の窒化物系半導体レーザ素子50を作製する際、ドライエッチングによりリッジストライプ510を作製した際のエッチング底面の位置を変更し、このエッチング底面の位置毎に、段差517の発生確率を確認した。この結果、図15に示すリッジストライプ510を作製した際のエッチング底面と蒸発防止層506上面との間に残る膜の厚さ(残し膜厚)L1が0.05μmを超えるとき、窒化物系半導体レーザ素子50で段差517の発生確率が急に大きくなることがわかった。一方、リッジストライプ510を作製時に蒸発防止層506までエッチングされた窒化物系半導体レーザ素子50については、段差が観察されなかった。
次に、図11に示す層構造の窒化物系半導体レーザ素子50の段差517を、窒化物半導体層に平行な方向に観察することで、共振器端面に段差517が生じる要因について調査した。この観察結果によると、図14に示すように、段差517の発生地点と思われる部分530では、共振器端面生成のための劈開を行なった際に共振器端面に生じる衝撃波の波面の乱れとみられる貝殻状のステップ(複数段の段差によるもの)531が、窒化物半導体層の各層間を横切るように生じていた。即ち、段毎に窒化物半導体層と交差する方向に延びるように形成される複数段のステップ531が、窒化物半導体層と平行な方向に重なるように構成される。
更に、段差517の発生地点530付近に生じる貝殻状のステップ531の発生地点532を確認すると、ステップ531の発生地点532には、7割以上の確率で、劈開前の複数の窒化物系半導体レーザ素子50が連続したウェハ表面における掘り込み領域500となるミクロンオーダーの段差を備えた溝やn型GaN基板501の欠陥集中領域518が存在していた。又、この掘り込み領域500となる溝やn型GaN基板501の欠陥集中領域518をステップ531の起点としていない場合は、劈開時のアライメントずれと推測される分割ライン(劈開ライン)のずれがステップの原因であった。
以上から、窒化物系半導体レーザ素子50の共振器端面を作製するため劈開すると、ウェハ表面にミクロンオーダーとなる段差を備えた溝があったり、n型GaN基板501に欠陥集中領域518があったり、又は劈開ラインのアライメントがずれているだけであっても、劈開による衝撃波が走る波面に乱れが生じてステップ531が形成される。このステップ531が形成された上に、更にリッジストライプ510作製時の残し膜厚L1が上記の条件を満たしていると、活性層505付近に、窒化物半導体層と平行な方向に延びる段差517が生じやすくなる。
尚、この段差517が発生する現象は、ウェハの表側(n型GaN基板501と反対側の表面であるp型電極512側)にキズ入れして分割した場合、又は、ウェハの裏側(n型GaN基板501側の表面であるn型電極513側)にキズ入れして分割した場合のいずれであっても生じる。しかしながら、ウェハの表側にキズ入れして分割した場合の方が、段差517の発生はより顕著である。
この調査に基づき、上述の従来の窒化物系半導体レーザ素子50(図11参照)における問題を解決した窒化物系半導体レーザ素子について、以下に説明する。尚、以下で説明する窒化物系半導体レーザ素子は、従来の窒化物系半導体レーザ素子50と同様、MOCVDにおける一般的な条件により複数の窒化物半導体層が窒化物半導体基板上に積層されて構成される。又、図1、図2、及び図4が、窒化物系半導体レーザ素子を製造する際の各工程におけるウェハの断面図であり、図3が、窒化物系半導体レーザ素子を製造する際の各工程におけるウェハの上面図であり、図5が、製造された窒化物系半導体レーザ素子の概略構成を示す外観斜視図である。
(基板の準備)
まず、窒化物半導体基板について、図1(a)の模式的なウェハ断面図を参照して説明する。尚、以下では、本実施形態における窒化物半導体基板として、n型GaN基板を例にして説明する。
まず、欠陥集中領域117を有するn型GaN基板101の全面に膜厚1μmのSiO2などをスパッタ蒸着し、引き続き、一般的なフォトリソグラフィ工程において、欠陥集中領域117及びその近傍上に開口部を備えるストライプ形状のフォトレジストパターンを形成する。次に、RIE(Reactive Ion Etching)技術などのドライエッチング技術を用い、フォトレジストパターン及びフォトレジストパターンの開口部におけるn型GaN基板101表面をエッチングすることで、フォトレジストパターンの開口部におけるn型GaN基板101表面に溝100を形成する。
その後、エッチャントとしてHF(フッ酸)などを用いてフォトレジストパターンを除去することで、図1(a)に示すような、その表面にストライプ状の溝100が周期的に形成されたn型GaN基板101を形成する。即ち、n型GaN基板101に対してフォトリソグラフィとドライエッチングを組み合わせた加工処理を施すことによって、n型GaN基板101の表面に、劈開方向に垂直に幅2〜100μm、深さ1〜10μmのストライプ状の溝100が形成される。尚、上述したSiO2などの蒸着方法はスパッタ蒸着に限定されるものではなく、電子ビーム蒸着法、プラズマCVD法などの方法を用いても構わない。
このように溝100を表面上に形成することで、n型GaN基板101の欠陥集中領域117に起因する窒化物半導体各層の厚みばらつきを押さえることができる。又、欠陥集中領域117のない窒化物半導体基板を使う場合においても、上述のストライプ状の溝100を形成することで、窒化物半導体基板表面上に堆積する窒化物半導体層にクラックが入るのを防止することが出来る。尚、この欠陥集中領域117のない窒化物半導体基板を使用する場合には、溝100は所望のチップサイズに合わせて作製することができる。尚、いずれの窒化物半導体基板の場合でも、溝100は出来るだけ長く切れ目なく作製すると良い。
又、n型GaN基板101に溝100を作製する際のエッチング方法として、上述のドライエッチング技術、もしくはウェットエッチング技術を用いて構わない。
(エピ成長による各層の形成)
このように溝100が形成されたn型GaN基板101の表面上に、MOCVD法などの周知の技術を適宜用いることで、窒化物半導体をエピタキシャル成長させ、各窒化物半導体層を形成する。このとき、各窒化物半導体層は、n型GaN基板101の溝100上に形成されることなく、n型GaN基板101における溝100の形成される表面である第一主面上に積層されて形成される。
即ち、図1(b)に示すように、n型GaN基板101の第一主面上に、0.1〜10μm(例えば4μm)のn型GaN下部コンタクト層102、0.5〜3.0μm(例えば1.0μm)のn型Al0.1Ga0.9N下部クラッド層103、0〜0.2μm(例えば0.1μm)のn型GaN下部ガイド層104、Inx1Ga1-x1Nの量子井戸層とInx2Ga1-x2N障壁層(但しx1>x2)の交互積層構造からなる多重量子井戸層構造を有する活性層105、p型Al0.3Ga0.7Nからなる蒸発防止層106、0〜0.2μm(例えば0.01μm)のp型GaN上部ガイド層107、p型Al0.1Ga0.9N上部クラッド層108、およびp型GaN上部コンタクト層109を順に積層する。
尚、下部クラッド層103は、n型Al0.1Ga0.9Nのみならず、n型GaNとn型AlGaNとの超格子構造や、何層かの組成の異なったAlGaNを組み合わせるなど、所望の光学特性に合うものを使用すれば良い。又、下部ガイド層104或いは上部ガイド層107についてはそれぞれ、上述のn型或いはp型GaNの他に、n型或いはp型のInGaNやAlGaNを使用しても良く、設計上必要なければなくても良い。又、活性層105は、波長約405nmの光を放射するように、量子井戸層及び障壁層それぞれの組成と、この量子井戸層及び障壁層による交互積層構造を設定すれば良い。
更に、蒸発防止層106は、活性層105を成長させた後、上部クラッド層108を成長までの間に活性層105が劣化するのを防止する役割を果たせるものであれば、p型Al0.3Ga0.7N以外の組成やAsやP等の不純物が混入していても構わない。上部クラッド層108も下部クラッド層103と同様、p型Al0.1Ga0.9Nのみならず、p型GaNとp型AlGaNとの超格子構造や、何層かの組成の異なったAlGaNを組み合わせるなど、所望の光学特性に合うものを使用すれば良い。上部コンタクト層109は、p型GaNのみならず、p型InGaNやGaInNAsやGaInNP等を用いても良い。
(リッジストライプの形成)
上述のように、各窒化物半導体をn型GaN基板101の表面上にエピタキシャル成長させて、図1(b)のような積層構造の窒化物半導体層を備えたウェハが得られると、このウェハの表面上全面に、例えばPdやNi等を主成分とする第一のp電極112aを真空蒸着等により形成する。即ち、図1(b)における一番上の層である上部コンタクト層109の表面上全面にp電極112aが形成される。
そして、フォトリソグラフィ工程を利用して、n型GaN基板101の溝100同士の間となる第一主面上に位置するp電極112aの表面上に、幅1〜3μm(例えば1.5μm)のストライプ状レジスト114を形成する。続いて、イオンエッチングやウェットエッチングを行うことで、図2(a)に示すように、ストライプ状レジスト114の下部以外の領域におけるp電極112aを除去する。尚、このp電極112aについては、後に形成するパッド電極112bと同時に作製するものとしても構わない。この場合、図1(b)のような積層構造の窒化物半導体層を備えたウェハ表面に対して、直接、レジスト114を形成し、以下に説明する次の工程を行うものとすれば良い。
そして、更に、SiCl4やCl2ガスなどによるRIE等のドライエッチングにより、レジスト114が形成されていない領域に対して、上部コンタクト層109と上部クラッド層108の少なくとも深さ方向の一部までを除去して、リッジストライプ110を形成する。このとき、蒸発防止層106の上面から上部クラッド層108に向かって層厚方向に0.05μm〜0.2μmの位置で、エッチングを停止することが好ましい。このエッチングにより、レジスト114の下部領域における上部コンタクト層109と上部クラッド層108が他の領域よりも突出し、この突出した上部コンタクト層109と上部クラッド層108によるリッジストライプ110が形成される。尚、このリッジストライプ110は、n型GaN基板101の第一主面上における溝100よりも離れた位置に形成される。
これは、蒸発防止層106の上面から上部クラッド層108に向かって0.05μmよりも小さくなる位置までエッチングした場合、窒化物系半導体レーザ素子の発振閾値は低下するが、そのキンクレベルが低下して高出力動作に不適なものとなるためである。又、逆に、蒸発防止層106の上面から上部クラッド層108に向かって0.2μm位置よりも大きくなる位置までしかエッチングしない場合は、窒化物系半導体レーザ素子の発振閾値が非常に増加する上、出射するレーザのファーフィールドパターン(FFP)等の光学特性を制御することが難しくなるため、好ましくない。
このように、リッジストライプ110が形成されると、図2(a)のようにリッジストライプ110が周期毎に形成されたウェハに対して、図2(b)に示すように、その表面全面に0.1μm〜0.5μm(例えば0.3μm)のSiO2からなる埋込層111を成膜することで、形成されたリッジストライプ110を埋め込む。このとき、SiO2により形成される埋込層111上に後述するパッド電極112bとの密着性を向上させる層を1層若しくは複数層形成しても構わない。このパッド電極112bとの密着性を向上させる層は、TiO2やZrO2、HfO2、Ta25等の酸化物、TiNやTaN、WN等の窒化物、Ti、Zr、Hf、Ta、Mo等の金属を使用することで生成される。
続いて、リッジストライプ110上に形成されたレジスト114を溶剤により溶解させた後に、超音波洗浄等を行ってリフトオフすることで、レジスト114と共に、レジスト114の上面に形成された埋込層111を除去する。この処理が施されることにより、図2(c)に示すように、リッジストライプ110の形成されない領域に埋込層111を形成させた状態で、リッジストライプ110上面となるp電極112aの表面を露出させる。尚、p電極112aが形成されない場合は、レジスト114が溶解されることで、リッジストライプ110の上面となる上部コンタクト層109の表面が露出することとなる。
(パッド電極の形成)
上述のように、エッチングを施すとともに埋込層111が形成されることで、図2(c)のような埋込層111によって埋め込まれたリッジストライプ110を備えたウェハが得られると、フォトリソグラフィ工程によりレジストで、p電極となるパッド電極112bのパターニングが行われる。このとき、図3(a)に示すように、リッジストライプ110を中心にしてリッジストライプ110を十分に覆うような形状の開口部120aがマトリクス状に形成されたレジスト120がパターニングされる。即ち、レジスト120における開口部120aが、溝100同士の間となる位置において、リッジストライプ110の延びる方向に対して断続的に形成される。
そして、レジスト120が形成されたウェハの表面上に、Mo/AuやW/Au等をこの順に真空蒸着等により成膜し、リッジストライプ110の表面上に形成されたp電極112aの大部分が接触するようにp電極となるパッド電極112bを形成する。尚、リッジストライプ110の形成前にp電極112aを作製しなかった場合には、このパッド電極112bを形成する工程において、外部から電力を供給するためのp電極としてNi/AuやPd/Mo/Au等を成膜すれば良い。
続いて、レジスト120を溶剤により溶解させた後に、超音波洗浄等を行ってリフトオフすることで、レジスト120と共にレジスト120の上面に形成された金属膜を除去することで、レジスト120における開口部120aと同一の形状のパッド電極112bを形成する。尚、このレジスト120における開口部120aのパターンは、ワイヤボンド領域等を考慮して所望の形状とすることができる。
このパッド電極112bは、窒化物系半導体レーザ素子10(図5参照)としてウェハを分割する際の分割面や次工程における後述するトレンチ115の形成位置に近い部分にまで形成された場合、リークや電極はがれの危険性がある。そのため、上述したようなパッド電極112bのパターニングを行う。尚、このパッド電極112bのパターニングは、エッチングにより行なうことも可能である。このとき、p電極材料となる金属膜を、図2(c)に示すような構造のウェハ全面に蒸着し、フォトリソグラフィによりパッド電極112bとして残したい部分をレジストで保護してから、例えば王水系のエッチング液でパターニングすることで、パッド電極112bを形成することができる。
(リッジストライプ脇におけるトレンチの形成)
このようにパッド電極112bを形成すると、次に、上述した活性層近傍に生じる段差を窒化物系半導体レーザ素子10(図5参照)の劈開面に生じることを防ぐためのトレンチの形成を行う。まず、図3(b)の上面図に示すように、フォトリソグラフィ工程により、リッジストライプ110の両側におけるパッド電極112bのない領域に開口部121aを備えるレジスト121を作製する。このようにレジスト121を作製すると、ドライエッチングを行うことによって、開口部121aにおける窒化物半導体層の掘り込みを行う。このとき、SiO2からなる埋込層111をドライエッチングやウェットエッチングで除去し、続いてドライエッチングにて埋込層111の下の窒化物半導体層を掘り込むことで、開口部121aに対して掘り込み部となるトレンチ115を設ける。
更に、このようにレジスト121の開口部121aに対して掘り込まれたウェハ面に対して、スパッタなどによりSiO2の蒸着を行うことで、その厚みが0.15μm程度となるSiO2膜を成膜する。そして、このようにSiO2膜が成膜されたウェハから溶剤によりレジスト121を溶解させた後に、超音波洗浄などを行ってリフトオフして剥離することで、レジスト121と共に、レジスト121の上面に形成されたSiO2膜を除去する。よって、開口部121aにおける掘り込み部分に、SiO2膜による図4の断面図で示すような保護層116が生成される。この保護層116は、レジスト121の開口部121a位置での掘り込み部分であるトレンチ115におけるエッチング底面や側面を保護するための層である。
この保護層116で被覆したトレンチ115を形成することで、n型GaN基板101の溝100が原因となってウェハ表面に形成されるミクロンオーダーの段差により劈開時に発生する貝殻状のステップ531(図14参照)から、活性層105付近の平行段差517(図12〜図14参照)が生じたとしても、この段差517がリッジストライプ110付近にまで到達することを防ぐことができる。これは、劈開時に生じるウェハ表面上におけるミクロンオーダーの段差などからの衝撃波の伝達方向に対して、トレンチ115がリッジストライプ110の前方に存在することによる。
即ち、窒化物半導体層に対して平行に生成する衝撃波によって、活性層105付近の段差517が窒化物半導体層に対して平行に生じるが、トレンチ115によって衝撃波の伝達が防がれて、トレンチ115において段差517が一度クリアされる。そのため、トレンチ115とリッジストライプ110との間に劈開時のステップが形成されない限り、トレンチ115とリッジストライプ110との間において、活性層105付近に窒化物半導体層に平行に走る段差517の発生確率を大きく減少させることができる。
このようにトレンチ115を形成するとき、トレンチ115を形成するためのレジスト121の開口部121aにおいて、共振器端面形成するために劈開を行う分割予定ライン125上でリッジストライプ110に最も近い部分の位置となるエッジ位置121bが、好ましくはリッジストライプ110のエッジ位置110a(図4参照)から2μm以上の位置となるようにする。この開口部121aのエッジ位置121bがリッジストライプ110から2μm以下の距離とされると、開口部121a位置に形成されるトレンチ115による構造が、窒化物系半導体レーザ素子10(図5参照)の光学特性に影響を与えてしまう。
又、このレジスト121の開口部121aを、リッジストライプ110のエッジ位置110a(図4参照)から100μm以下の距離に形成し、開口部121aのエッジ位置121bとリッジストライプ110の間において、ウェハ表面に溝100に影響された段差などの大きな段差が形成されないようにする。ウェハ表面に形成される段差の大きさや、この段差とリッジストライプ110との距離にもよるが、開口部121a位置をリッジストライプ110から100μm以上の距離を備える位置としてトレンチ115を形成した場合、トレンチ115とリッジストライプ110の間で新たに貝殻状のステップ531が発生する可能性が高くなるためである。尚、このトレンチ115を構成する開口部121aとリッジストライプ110との間におけるウェハ表面に大きな段差がある場合には、トレンチ115の効果が得られない。
更に、蒸発防止層106の上面からトレンチ115の底面までの距離である残し膜厚L2は、分割予定ライン125上の少なくとも一部において0.05μm未満となることが好ましい。更に、この蒸発防止層106の上面からトレンチ115の底面までの残し膜厚L2について、0〜−0.3μmとすると更に好ましい。但し、この残し膜厚L2が負の値であるという意味は、トレンチ115を形成するために掘り込む際、蒸発防止層106の上面よりも下の層まで掘り込むことを意味する。
これは、上述の調査において、従来の窒化物系半導体レーザ素子50(図11参照)のリッジストライプ510を形成する際の残し膜厚L1を0.05μm未満とした場合、活性層505近傍での段差517の発生確率が低いことが確認されていることによる。即ち、トレンチ115を形成することで、劈開時に衝撃波が走る方向に対して、リッジストライプ110の手前に残し膜厚L2が0.05μm未満の領域が設けられるため、このトレンチ115の設置領域で、リッジストライプ110付近において共振器端面に形成された段差517を消滅させることができる。
又、残し膜厚がある程度の大きさがある場合、活性層105を挟んで上と下の層で衝撃波の走り具合が違うことが予想されるため、残し膜厚L2が0よりも小さい場合には、活性層105付近の平行段差をトレンチ115で完全に消滅させることができる。一方、トレンチ115自身の深さを大きくすると、トレンチ115の角が新たな平行段差の発生要因になるため、その深さは蒸発防止層106以下0.5μm程度までとすることが望ましい。
又、トレンチ115は、図4に示すように、リッジストライプ110の両側に設けることが望ましい。通常、劈開を行う場合、窒化物半導体層の形成されたウェハの端に分割溝を設け、そこを起点として劈開の衝撃波が伝播する。よって、トレンチ115が劈開時の衝撃波が伝播する方向に対してリッジストライプ110の手前にあれば(トレンチ115が分割溝とリッジストライプ110との間に形成されていれば)、本発明の効果が得られる。
しかしながら、ウェハをバー状に分割する際において、予期せぬバー幅のずれ(レーザの共振器長ずれ)を防止するためにウェハの中ほどにも分割溝を設けた場合もあるため、衝撃波の伝播方向が一定とならない場合がある。この場合には、活性層105付近の平行段差517の発生を確実に防止して歩留まりを向上させるためには、トレンチ115がリッジストライプ110の両側に必要となる。
尚、本実施形態において、分割予定ライン125上のリッジストライプ110近傍にのみトレンチ115を作製するものとし、窒化物系半導体レーザ素子10(図5参照)の4隅に相当する位置にトレンチ115が形成されるものとした。しかしながら、このトレンチ115については、リッジストライプ110近傍以外の全面を先の条件に当てはまるようにエッチングして構成したり、リッジストライプ110と平行にストライプ状のエッチング部分を設けたりするなどの形状として構成することも可能である。但し、このストライプ状のトレンチ115を形成する場合には、パッド電極112bの形成に先立ってトレンチ115を絶縁膜で埋め込む必要がある。
又、トレンチ115の形成をリッジストライプ110の形成に先立って行なうものとしても構わない。この場合、埋込層111のエッチングやトレンチ115における保護層116の作製が必要なくなるため、窒化物系半導体レーザ素子製造時の工数を低減することができる。更に、トレンチ115への電流リークの危険性が小さければ、トレンチ115に対して保護層116を設けなくても構わないし、逆に、保護層116の膜厚を厚くして、トレンチ115を完全に埋めるような形状としても構わない。
(n側電極形成)
このようにして、トレンチ115を形成すると、このトレンチ115の形成されたウェハの裏面(n型GaN基板101の裏面)を研磨又は研削することで、このウェハの厚みを60〜150μm(例えば、100μm)程度とする。そして、図4に示すように、この研磨又は研削されたウェハの裏面(研磨又は研削された面)Hf/AlやTi/Alをこの順に真空蒸着などで成膜して、n電極113aを形成する。又、このn電極113aのオーミック特性を保証するための熱処理が施される。更に、窒化物系半導体レーザ素子10(図5参照)をマウントする際にマウントを容易に行うためのパッド電極113bを、n電極113aを覆うようにAuなどの金属膜を蒸着させることで、形成する。
(ミラー面の作製)
このようにしてn電極113a及びパッド電極113bそれぞれがウェハの裏面に形成されると、リッジストライプ110にほぼ垂直な方向に劈開し、ウェハを共振器長となる幅250〜1000μm(例えば650μm)の複数のバーとし、この劈開した面により共振器端面を形成する。ウェハの厚みが薄くなっているため、劈開は容易に行うことが出来る。このバーを形成する劈開を行うために、一般的に、スクライブ/ブレーク法やレーザスクライブによる活断等が用いられる。
そして、このように形成された複数の窒化物系半導体レーザ素子10(図5参照)が連続したバーの両側の共振器端面に対して、膜形成が成される。即ち、リア側となる共振器端面に対して、2層以上の積層体からなる高反射膜(図示せず)を形成し、又、フロント側となる共振器端面に対して、1層以上の積層体からなる低反射膜(図示せず)を形成する。このようにすることで、このバーから形成される窒化物系半導体レーザ素子10(図5参照)では、その内部で励振されて生成するレーザ光をフロント側となる共振器端面から出射することができる。
(レーザチップ化)
更にこのようにして共振器端面に反射膜が形成されたバーを、幅200〜300μm程度にチップ分割することで、図5の外観斜視図でしめすような形状の窒化物系半導体レーザ素子10が得られる。このとき、例えば、リッジストライプ110が窒化物系半導体レーザ素子10の中央位置となるように分割するなどのように、リッジストライプ110に影響を与えない位置を分割位置として分割を行う。
又、窒化物系半導体レーザ素子10に分割するためのチップ幅は、n型GaN基板101に作られた溝100の周期を基準に適切に決めればよい。更に、このようにして分割されて得られた窒化物半導体レーザ押し10に対して、n型GaN101の溝100部分及びその上面に形成された窒化物半導体層を切り落としても構わない。
そして、このようにして分割されることで得られた窒化物系半導体レーザ素子10はステム上にマウントされ、ワイヤにより外部からp電極となるパッド電極112b及びn電極となるパッド電極113bに接続される。このステム上にマウントされた窒化物系半導体レーザ素子10を封止するために、ステム上にキャップが施されることで、半導体レーザ装置として提供される。
このようにトレンチ115が形成されたウェハを分割することによって構成される窒化物系半導体レーザ素子10について、以下の各実施例において、その特性評価を行った。以下の各実施例では、窒化物系半導体レーザ素子10の構成例と、その構成例における特性評価の結果について、説明する。
本実施例における窒化物系半導体レーザ素子10の概略構成は、図5の外観斜視図で示す構成となる。この窒化物系半導体レーザ10の構成について、その製造工程に即して説明する。
本実施例による窒化物系半導体レーザ10では、n型GaN基板101の表面上において、欠陥集中領域117上に位置するように、溝100を400μm間隔で形成する。この溝100を400μm間隔で形成したn型GaN基板101の第一主面上に、2.5μmのn型GaN下部コンタクト層102、3.0μmのn型Al0.05Ga0.95N下部クラッド層103、Inx1Ga1-x1Nの量子井戸層とInx2Ga1-x2N障壁層(但しx1>x2)の交互積層構造からなる多重量子井戸層構造を有する活性層105、0.01μmのp型Al0.3Ga0.7Nからなる蒸発防止層106、0.5μmのp型Al0.05Ga0.95N上部クラッド層108、及び、p型GaN上部コンタクト層109を順に積層した。
続いて、Pdからなるp電極112aをp型GaN上部コンタクト層109の表面に形成した後、上部クラッド層108及び上部コンタクト層109をエッチングして、幅1.5μmのリッジストライプ110を形成した。このとき、上部クラッド層108におけるエッチング底面から蒸発防止層106の上面までの残し膜厚L1が0.08μmになるように、エッチングした。そして、このリッジストライプ110を、0.2μmのSiO2埋込層111で埋め込んだ後、Mo/Auからなるパターニングされたp電極となるパッド電極112bを形成した。その後、更に、分割予定ライン125(図4参照)上に、0.2μmのSiO2で埋め込まれた30μm角、深さ0.25μmのトレンチ115を、リッジストライプ110から50μm離れた位置に形成した。尚、窒化物系半導体レーザ素子10の共振器長に相当する分割予定ライン125の間隔を、650μmとした。
このようにしてn型GaN基板101上に窒化物半導体層が形成されるとともにトレンチ115が形成されたウェハを、その裏面側から研磨又は研削して、ウェハを100μm厚に調整した後、n電極113a及びパッド電極113bを形成する。そして、ウェハの端にキズ入れして分割予定ライン125に沿って劈開することで、共振長の幅を備えるバー状に分割した。この段階で、各窒化物系半導体レーザ素子10の共振器端面が連続した劈開端面を電子顕微鏡でチェックしたところ、この劈開端面において、活性層105付近の段差517(図12〜図14参照)の発生は観察されなかった。
そして、このように共振器長となる幅のバーに分割されると、分割されたバーの共振器端面の前面及び後面それぞれに低反射コーティング及び高反射コーティングを施した後(図示せず)、n型GaN基板101の溝100の位置で分割してチップ化することで、窒化物系半導体レーザ素子10を作製する。この窒化物系半導体レーザ素子10をステムにマウントすることで半導体レーザ装置を構成して駆動させたところ、この半導体レーザ装置は、閾値電流30mA、スロープ効率1.5W/A、波長405nmで発振した。更に、この窒化物系半導体レーザ素子10を高出力まで駆動させたところ、信頼性を確保するに十分な出力を出すことができ、従来のような活性層105付近の平行段差517に起因する不良は発生しなかった。
本実施例における窒化物系半導体レーザ素子10aの概略構成は、図6の外観斜視図で示す構成となる。この窒化物系半導体レーザ10aの構成について、その製造工程に即して説明する。尚、図6に示す窒化物系半導体レーザ素子10aの構成において、図5に示す窒化物系半導体レーザ素子10と同一の構成部分については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。又、本実施例では、実施例1と異なり、トレンチ115の代わりに、ストライプ状となるトレンチ115aがウェハ上に形成される。
本実施例による窒化物系半導体レーザ10aでは、n型GaN基板101において形成される溝100の間隔を300μmとし、このn型GaN基板101の第一主面上に、2.5μmのn型GaN下部コンタクト層102、3.0μmのn型Al0.05Ga0.95N下部クラッド層103、Inx1Ga1-x1Nの量子井戸層とInx2Ga1-x2N障壁層(但しx1>x2)の交互積層構造からなる多重量子井戸層構造を有する活性層105、0.01μmのp型Al0.3Ga0.7Nからなる蒸発防止層106、0.5μmのp型Al0.05Ga0.95N上部クラッド層108、およびp型GaN上部コンタクト層109を順に積層した。
続いて、Pdからなるp電極112aを形成した後、溝100に対して平行となるようにエッチングすることで、ストライプ状の深さ0.2μmのトレンチ115aを作製した。このとき、トレンチ115aは、300μm間隔の溝100の中央位置から左右に5μm離れた位置に形成し、その幅15μmとした。尚、このトレンチ115aは、後の工程における埋込層111作製で埋め込まれるため、エッチング直後でのSiO2による埋め込みは行なわなかった。
このトレンチ115aが形成されたウェハに対して、更にエッチングを施すことで、幅1.5μmのリッジストライプ110を、残し膜厚L1が0.08μmになるよう形成した。このとき、リッジストライプ110が形成される位置は、溝100の間で、且つ、トレンチ115aの間となる位置とし、更には、両側の溝100の中央で、且つ、両側のトレンチ115aの中央となる位置とした。
そして、形成したリッジストライプ110及びトレンチ115aを、0.2μmのSiO2埋込層111で埋め込んだ。その後、Mo/Auからなるパターニングされたp電極となるパッド電極112bを形成した。ここで、トレンチ115aは、リッジストライプ110を形成する際のドライエッチングにより追加エッチングされ、トレンチ115a底部の残し膜厚L2(本実施例では、トレンチ115a底面における蒸発防止層106の上面までの距離)が−0.12μmとなった。
このようにしてn型GaN基板101上にトレンチ115aを備えた窒化物半導体層が形成されたウェハを、100μm厚に調整した後、n電極113a及びパッド電極113bを形成する。そして、ウェハの端にキズ入れして、共振器長となる600μmの幅でバー状に分割した。この段階で端面を電子顕微鏡でチェックしたところ、実施例の窒化物系半導体レーザ素子10と同様、活性層105付近の平行段差の発生は観察されなかった。
そして、分割されたバーの共振器端面の前面及び後面それぞれに低反射コーティング及び高反射コーティングを施した後(図示せず)、n型GaN基板101の溝100の位置で分割してチップ化することで、窒化物系半導体レーザ素子10aを作製する。この窒化物系半導体レーザ素子10aをステムにマウントすることで半導体レーザ装置を構成して駆動させたところ、この半導体レーザ装置は、閾値電流30mA、スロープ効率1.5W/A、波長405nmで発振した。更に、この窒化物系レーザ素子10aを高出力まで駆動させたところ、実施例1の窒化物系半導体レーザ素子10と同様、信頼性を確保するに十分な出力を出すことができ、従来のような活性層105付近の平行段差517に起因する不良は発生しなかった。
本実施例における窒化物系半導体レーザ素子10bの概略構成は、図7の外観斜視図で示す構成となる。この窒化物系半導体レーザ素子10bの構成について、その製造工程に即して説明する。尚、図7に示す窒化物系半導体レーザ素子10bの構成において、図5に示す窒化物系半導体レーザ素子10と同一の構成部分については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
本実施例による窒化物系半導体レーザ10bでは、欠陥集中領域と欠陥の少ない領域が交互に400μm間隔で並んだn型GaN基板101を用いる。まず、n型GaN基板101の表面上において、約400μm間隔で並んだ欠陥集中領域117の両脇に位置するように、幅約5μmの溝100を約80μm間隔、約3μmの深さで形成した。この処理により、溝100が約80μm間隔と約320μm間隔のペアとなってウェハ上に繰り返されるようになる。
この溝100を形成したn型GaN基板101の第一主面上に、窒化物系半導体積層構造150を形成した。尚、窒化物系半導体積層構造150の内容は実施例1の窒化物系半導体層102〜109と同様である。そして、窒化物波動体積層構造150が形成されたn型GaN基板101の溝100近傍の拡大断面図を図8に示す。図8に示すように、溝100は窒化物系半導体積層構造150の作製によっても埋まらず、逆に、最終的な溝の深さが深くなることもあるため、活性層の付近の平行段差を生じやすくなっている。
続いて、図9に示すように、Pdからなるp電極112aをp型GaN上部コンタクト層109の表面に形成した後、溝100に対して垂直方向となる分割予定ライン125上において、溝100と平行方向となる幅W1が50μmのストライプ状にドライエッチングし、深さ0.25μmのトレンチ115を複数設けた。このとき、同一の分割予定ライン125上において隣接するトレンチ115同士の距離W2が70μmとなるように、トレンチ115を設け、隣接するトレンチ115の間にリッジストライプ110を形成する。尚、トレンチ115の間の70μmの未エッチング領域は、欠陥の少ない領域に設けられるように調整し、且つ、溝100から少なくとも50μm以上離れるようにする。これは、溝100近傍では、窒化物系半導体積層構造150に乱れが生じることがあるためである。
このトレンチ115が形成されたウェハに対して、更にドライエッチングを施すことによって、溝100と平行となる幅1.5μmのリッジストライプ110を形成する。このリッジストライプ110は、トレンチ115が形成されていない70μmの未エッチング領域の概略中央に位置するように形成される。又、上部クラッド層108におけるエッチング底面から蒸発防止層106の上面までの残し膜厚L1は本実施例では0.06μmである。
そして、このリッジストライプ110およびトレンチ115を、0.2μmのSiO2埋込層111で埋め込んだ後、Mo/Auからなるパターニングされたp電極となるパッド電極112bを形成した。ここで、トレンチ115は、リッジストライプ110を形成する際のドライエッチングにより追加エッチングされ、トレンチ115底部の残し膜厚L2(トレンチ115底面から蒸発防止層106上面までの距離)がおよそ−0.19μmとなっている。
このように形成されたウェハを、130μm厚に調整した後、n電極113a及びパッド電極113b(図示せず)を形成し、分割予定ライン125に沿って劈開することで、共振長となる415μmの幅でバー状に分割した。この段階で、各窒化物系半導体レーザ素子10の共振器端面が連続した劈開端面を電子顕微鏡でチェックしたところ、実施例1の窒化物系半導体レーザ素子10と同様、活性層105付近の平行段差の発生は観察されなかった。
そして、分割されたバーの共振器端面の前面及び後面それぞれに低反射コーティング及び高反射コーティングを施した後(図示せず)、チップ化して窒化物系半導体レーザ素子10bを作製する。この窒化物系半導体レーザ素子10bをステムにマウントすることで半導体レーザ装置を構成して駆動させたところ、この半導体レーザ装置は、閾値電流25mA、スロープ効率1.0W/A、波長405nmで発振した。更に、この窒化物系半導体レーザ素子10bを高出力まで駆動させたところ、信頼性を確保するに十分な出力を出すことができ、従来のような活性層105付近の平行段差517に起因する不良は発生しなかった。
本実施例の窒化物波形半導体レーザ素子10bは、上述の実施例1及び実施例2の窒化物系半導体レーザ素子10,10aと異なり、n型GaN基板101において、溝100が欠陥集中領域117を含まない領域に設けられている。しかしながら、本実施例の構成であっても、実施例1及び実施例2の窒化物系半導体レーザ素子10,10aと同様、クラックの発生が抑えられ、且つ、レーザの寿命も遜色ないものが得られる。
本実施例における窒化物系半導体レーザ素子10cの概略構成は、図10の外観斜視図で示す構成となる。尚、図10に示す窒化物系半導体レーザ素子10cの構成において、図5および図7に示す窒化物系半導体レーザ素子10,10bと同一の構成部分については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。又、本実施例では、トレンチ形状115の形状は実施例3の形状と同様としている。
本実施例による窒化物系半導体レーザ10cでは、欠陥集中領域のないn型GaN基板101を用い、その溝100の間隔を200μmとする。そして、このようなn型GaN基板101に対して、実施例1の窒化物系半導体レーザ素子10と同様にして、窒化物系半導体積層構造150を積層する。続いて、実施例3の窒化物系半導体レーザ素子10bを製造する際のものと同様にして、トレンチ115及びリッジストライプ110を形成した後、パッド電極112b,113bをパターニングする。その後、分割予定ライン125に沿って劈開することでバー状に分割し、分割されたバーの共振器端面の前面及び後面それぞれに低反射コーティング及び高反射コーティングを施した後、チップ化して窒化物系半導体レーザ素子10cを作製する。
このように作成された窒化物系半導体レーザ素子10cの解析を行ったところ、実施例1の窒化物系半導体レーザ素子10と同様、活性層105付近の平行段差の発生は観察されなかった。又、この窒化物系半導体レーザ素子10bをステムにマウントすることで半導体レーザ装置を構成して駆動させたところ、活性層105付近の平行段差517に起因する不良は発生しなかった。
尚、実施例3及び実施例4のように、溝100を欠陥集中領域上に作製しない場合においても、その幅や深さについて、トレンチ115を設けたことで設計の自由度が向上しているため、変更可能である。即ち、溝100の幅及び深さについて、窒化物系半導体層の積層によって溝100が埋まってしまわない限り、その値を実施例3に挙げた値(幅5μm、深さ3μm)から変更しても実施例1及び実施例2と同様の効果が得られる。具体的には、溝の幅は2μm〜100μm程度、溝の深さは1μm程度から10μm程度まで自由に変更しても良い。
更に、溝100を形成する工程について、窒化物系半導体積層構造150の一部の層を積層した後に行っても良い。特に、活性層105を堆積する前に溝100を形成することによって、上述の実施例1及び実施例2にあげられた効果を一部得ることができる。尚、溝100には、その底面や側面においても窒化物系半導体層が堆積される。そのため、一部の窒化物系半導体層を積層した後に溝100を形成した場合には、溝100の形成後に堆積される窒化物系半導体層によって、溝100の最終的な断面形状が異なる。しかしながら、このように窒化物系半導体積層構造150の一部の層を積層した後に溝100を形成した場合においても、トレンチ115を設けることにより、上述した効果を得ることができる。
又、トレンチ115について、例えば、ウェハを分割の際に分割ラインが分割予定ライン125よりずれた場合においても、十分なマージンを持って上述の効果を得るためには、トレンチ115の幅W1は大きい方が良い。即ち、トレンチ115の幅W1を10μm以下とした場合、分割ラインを正確にアライメントすることが難しいために、実際の分割ラインがトレンチ115の領域から外れるため、トレンチ115を設けることによる効果が十分得られない場合が多く発生する。又、トレンチ115の幅W1を30μmとすると、分割については制御できるものの、分割予定ライン125に対するマスクアライメントの誤差等を考慮したとき、その歩留まりを落とす危険性がある。逆に、トレンチ115の幅W1を40μm以上とすることで、分割予定ライン125に対するマスクアライメントの誤差等の誤差を考慮しても、素子作製上の歩留まりを良くすることができる。
一方、トレンチ115部分に電極112bが堆積されないように電極領域を確保する場合には、その幅W1が小さいほうが素子の設計の自由度が向上する。電極112bに必要な領域の大きさについては、作製したい窒化物系半導体レーザ素子の共振器長によって決まり、共振器長が短いほどトレンチ115の幅W1を小さくする必要がある。例えば、共振器長300μmの窒化物系半導体レーザ素子を作製する場合には、トレンチ115の幅W1を60μm以下にすることが好ましい。
これらの理由により、実施例3及び実施例4のような構成の窒化物系半導体レーザ素子10b,10cにおいて、トレンチ115は、その幅W1を50μmとしたが、好ましくは10μm以上100μm以下、より好ましくは30μm以上80μm以下、さらに好ましくは40μm以上60μm以下で設定することが良い。尚、同一の分割予定ライン125上において隣接するトレンチ115同士の距離W2(実施例3においては、70μm)は、先に記載のリッジストライプ110との関係に従って、自由に設計することが可能である。
又、上述の各実施例を含み、本発明の窒化物系半導体レーザ素子においては、トレンチ115の深さについて、蒸発防止層106上面を基準に決定しているが、蒸発防止層106が存在しない場合には、活性層105上面を基準にすることができる。更に、窒化物系半導体レーザ素子10の構成について、窒化物系半導体積層構造150をエッチングしない領域をリッジの両脇に残した、Wチャネル形状としても良い。このような構成とすることによって、製造プロセス中にリッジストライプ110にダメージを与えることを防止できる効果がある。この場合においても、溝100とリッジストライプ110との間にトレンチ115を設ければ良い。
このような本発明の窒化物系半導体レーザ素子の効果は、ミクロンオーダーの段差としてウェハに設けられた溝の例に留まらず、n電極を上面から取る場合に設けられる段差や、その他、窒化物半導体層の成長に必要な種々の段差に対しても得られる。よって、窒化物半導体基板に限らず、サファイア基板などの窒化物半導体基板以外の基板に窒化物半導体層を成長させた窒化物系半導体レーザ素子においても、その成長過程でウェハ表面に生じる段差による影響を低減して、劈開したときに共振器端面における段差の発生を抑制することができる。逆に、段差がなくても基板に欠陥集中領域が存在した場合にも効果が得られる。
本発明の窒化物系半導体レーザ素子は、光ピックアップなどの様々な光源装置に使用される半導体レーザ装置に適用することができる。即ち、例えば、FFP等の光学特性の制御に係る制約は弱いものの、出力が数Wと大変な高出力である、照明用のブロードエリア半導体レーザ装置に対しても、本発明の窒化物系半導体レーザ素子を適用することができる。即ち、このブロードエリア半導体レーザ装置は、高出力であるために窒化物系半導体レーザ素子の共振器端面にかかる負担が大きくなり、本発明の窒化物系半導体レーザ素子のように、共振器端面に段差がないことが必須である。従って、ブロードエリア半導体レーザ装置に用いられる窒化物系半導体レーザ素子のリッジストライプ脇にトレンチを設け、段差を防止すると信頼性向上が期待できる。このブロードエリア半導体レーザ装置においては、窒化物半導体レーザ素子のリッジストライプ幅を5〜100μmとすれば良い。
又、本発明の窒化物系半導体レーザ素子は、上述したリッジ型のストライプ状導波路を持つ窒化物系半導体レーザ素子だけでなく、このリッジ型以外にもBH型やRiS型等のストライプ状導波路を持つ窒化物系半導体レーザ素子においても適用することも可能である。尚、BH型となる窒化物系半導体レーザ素子の場合は、蒸発防止層上面からトレンチの底部までの残し膜厚を−0.3μm〜0.05μmの範囲とすれば良い。更に、本発明の窒化物系半導体レーザ素子は、上述した構成におけるp型およびn型を反転してn型半導体側に導波路を作製するものにも適用可能である。
は、本発明の窒化物系半導体レーザ素子の製造工程を説明するためのウェハ断面図である。 は、本発明の窒化物系半導体レーザ素子の製造工程を説明するためのウェハ断面図である。 は、本発明の窒化物系半導体レーザ素子の製造工程を説明するためのウェハ上面図である。 は、本発明の窒化物系半導体レーザ素子の製造工程を説明するためのウェハ断面図である。 は、本発明の実施例1に係る窒化物系半導体レーザの外観斜視図である。 は、本発明の実施例2に係る窒化物系半導体レーザの外観斜視図である。 は、本発明の実施例3に係る窒化物系半導体レーザの外観斜視図である。 は、窒化物波動体積層構造が形成されたn型GaN基板の溝近傍の拡大断面図である。 は、本発明の実施例3に係る窒化物系半導体レーザ素子の製造工程を説明するためのウェハ上面図である。 は、本発明の実施例4に係る窒化物系半導体レーザの外観斜視図である。 は、従来技術の窒化物系半導体レーザ素子の模式的な断面図である。 は、図11の窒化物系半導体レーザ素子におけるリッジストライプ部分の拡大模式図である。 は、図12のリッジストライプ部分のA−A断面図である。 は、図11の窒化物系半導体レーザ素子における劈開面全体の状態を示す模式図である。 は、図11の窒化物系半導体レーザ素子におけるリッジストライプを作製した際のエッチング底面と蒸発防止層上面との関係を示す図である。
符号の説明
10,10a,50 窒化物系半導体レーザ素子
101,501 n型GaN基板
102,502 下部コンタクト層
103,503 下部クラッド層
104,504 下部ガイド層
105,505 活性層
106,506 蒸発防止層
107,507 上部ガイド層
108,508 上部クラッド層
109,509 上部コンタクト層
110,510 リッジストライプ
111,511 埋込層
112a,512 p電極
112b,113b パッド電極
113a,513 n電極
115 トレンチ
116 保護膜
517 段差

Claims (23)

  1. 基板と、該基板の表面に積層された複数の窒化物半導体層と、該窒化物半導体層に形成される光閉じこめ領域となるストライプ状導波路と、前記窒化物半導体層が劈開されて形成される共振器端面と、を備える窒化物系半導体レーザ素子において、
    前記共振器端面において、前記ストライプ状導波路の少なくとも片側の脇に、前記窒化物半導体層表面に対して開口した掘り込み領域であるトレンチを備え、
    前記窒化物半導体層は、レーザ光を発振する活性層と、該活性層の劣化を防止する蒸発防止層と、を備え、
    前記トレンチの底面が前記蒸発防止層の上面にあるとともに、前記トレンチの底面から前記蒸発防止層上面までの厚さが、0.05μm未満であることを特徴とする窒化物系半導体レーザ素子。
  2. 基板と、該基板の表面に積層された複数の窒化物半導体層と、該窒化物半導体層に形成される光閉じこめ領域となるストライプ状導波路と、前記窒化物半導体層が劈開されて形成される共振器端面と、を備える窒化物系半導体レーザ素子において、
    前記共振器端面において、前記ストライプ状導波路の少なくとも片側の脇に、前記窒化物半導体層表面に対して開口した掘り込み領域であるトレンチを備え、
    前記窒化物半導体層は、レーザ光を発振する活性層と、該活性層の劣化を防止する蒸発防止層と、を備え、
    前記トレンチの底面が前記蒸発防止層の下にあるとともに、前記トレンチの底面から前記蒸発防止層上面までの厚さが、0.3μm以下であることを特徴とする窒化物系半導体レーザ素子。
  3. 前記ストライプ状導波路両側における底面から前記蒸発防止層上面までの厚さが、0.05μm以上0.2μm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の窒化物系半導体レーザ素子。
  4. 基板と、該基板の表面に積層された複数の窒化物半導体層と、該窒化物半導体層に形成される光閉じこめ領域となるストライプ状導波路と、前記窒化物半導体層が劈開されて形成される共振器端面と、を備える窒化物系半導体レーザ素子において、
    前記共振器端面において、前記ストライプ状導波路の少なくとも片側の脇に、前記窒化物半導体層表面に対して開口した掘り込み領域であるトレンチを備え、
    前記窒化物半導体層は、レーザ光を発振する活性層と、該活性層の劣化を防止する蒸発防止層と、を備え、
    前記ストライプ状導波路両側における底面から前記蒸発防止層上面までの厚さが、0.05μm以上0.2μm以下であることを特徴とする窒化物系半導体レーザ素子。
  5. 前記トレンチが、前記ストライプ状導波路から2μm以上100μm以下の離れた位置に形成されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の窒化物系半導体レーザ素子。
  6. 前記トレンチの表面に保護膜が形成されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の窒化物系半導体レーザ素子。
  7. 前記基板が、前記窒化物半導体層に接する表面から1μm以上の深さまで掘り込まれるとともに前記ストライプ状導波路に平行とされたストライプ状の溝を、有し、
    前記ストライプ状導波路が前記溝と異なる位置に構成することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の窒化物系半導体レーザ素子。
  8. 前記トレンチの少なくとも一部が、前記ストライプ状導波路と前記溝との間に設けられることを特徴とする請求項7に記載の窒化物系半導体レーザ素子。
  9. 前記ストライプ状導波路の幅が、5μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の窒化物系半導体レーザ素子。
  10. 前記基板及び前記窒化物系半導体層が、ストライプ状の欠陥集中領域と、該欠陥集中領域を除いた領域である低欠陥領域と、を有し、
    前記ストライプ状導波路が前記低欠陥領域に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の窒化物系半導体レーザ素子。
  11. 基板上にエピタキシャル成長させて窒化物半導体層を積層する第1工程と、該第1工程で構成された前記窒化物半導体層に光閉じこめ領域となるストライプ状導波路を形成する第2工程と、前記ストライプ状導波路を備えた前記窒化物半導体層を前記基板とともに劈開して共振器端面を形成する第3工程と、前記窒化物半導体層を掘り込むことで、前記第3工程で劈開後の前記共振器端面において、前記ストライプ状導波路の少なくとも片側の脇に、前記窒化物半導体層表面に対して開口した掘り込み領域であるトレンチを形成する第4工程と、を備える窒化物系半導体レーザ素子の製造方法であって、
    前記窒化物半導体層は、レーザ光を発振する活性層と、該活性層の劣化を防止する蒸発防止層と、を備え、
    前記トレンチの底面が前記蒸発防止層の上面にあるとともに、前記トレンチの底面から前記蒸発防止層上面までの厚さが、0.05μm未満であることを特徴とする窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  12. 前記第4工程が、前記第2工程の後に行われることを特徴とする請求項11に記載の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  13. 前記第4工程が、前記第2工程の前に行われることを特徴とする請求項11に記載の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  14. 前記基板が前記窒化物半導体層に接する表面から掘り込まれて、前記基板の表面に前記ストライプ状導波路と平行となる溝を形成する第5工程が、前記第1工程の前に行われることを特徴とする請求項11〜請求項13のいずれかに記載の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  15. 前記トレンチの表面上に保護膜を形成する第6工程を備えることを特徴とする請求項11〜請求項14のいずれかに記載の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  16. 前記窒化物系半導体積層構造に含まれる活性層の形成前に深さ1μm以上の溝を前記ストライプ状導波路と概略並行に設ける第5工程を備えることを特徴とする請求項11に記載の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  17. 前記トレンチが前記ストライプ状導波路の両側に設けられることを特徴とする請求項16に記載の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  18. 前記溝は、前記ストライプ状導波路と垂直方向における幅が2μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  19. 基板上にエピタキシャル成長させて窒化物系半導体積層構造を形成する第1工程と、該第1工程で構成された前記窒化物半導体層に光閉じこめ領域となる複数のストライプ状導波路を形成する第2工程と、該第2工程で形成した前記ストライプ状導波路同士の間に深さ1μm以上の溝を設ける第3工程と、前記第2工程で形成した前記ストライプ状導波路と前記第3工程で形成した前記溝との間の少なくとも一部に、前記窒化物半導体積層を掘り込むことで、前記窒化物半導体層積層構造表面に対して開口した掘り込み領域であるトレンチを形成する第4工程と、を備える窒化物系半導体レーザ素子の製造方法であって、
    前記窒化物半導体層は、レーザ光を発振する活性層と、該活性層の劣化を防止する蒸発防止層と、を備え、
    前記トレンチの底面が前記蒸発防止層の上面にあるとともに、前記トレンチの底面から前記蒸発防止層上面までの厚さが、0.05μm未満であることを特徴とする窒化物系半導体レーザ素子の製造方法。
  20. 前記トレンチは、ストライプ状導波路の長手方向に対して10μm以上100μm以下の幅を有することを特徴とする請求項19に記載の窒化物系半導体レーザウェハの製造方法。
  21. 前記トレンチは、ストライプ状導波路の長手方向に対して30μm以上80μm以下の幅を有することを特徴とする請求項19に記載の窒化物系半導体レーザウェハの製造方法。
  22. 前記トレンチは、ストライプ状導波路の長手方向に対して40μm以上60μm以下の幅を有することを特徴とする請求項19に記載の窒化物系半導体レーザウェハの製造方法。
  23. 前記トレンチ上でウェハを劈開することにより、共振器端面を形成する第5工程をさらに備えることを特徴とする請求項19〜請求項22のいずれかに記載の窒化物系半導体レーザウェハの製造方法。
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